●9級の項目(小4相当)
 項目は、作文を書きやすくするためのものです。
 字数以外の項目は、作文に入っていなくても減点になりません。
 子供の手書きの作文を、保護者がテキスト化するときは、もとの作文がひらがなであっても、普通の漢字に直してテキスト化しておいてください。
字数800字以上
(1)たとえ
(2)聞いた話
(3)ですます
(4)心の中で思ったこと
(5)動作情景の結び

■9級の見本作文
   個性的な子供のころのお母さん
「この服とこの服、どっちがいいと思う?」
 太陽が眩しい朝。お母さんは、私にそう聞いてきました。
「うーん、どっちも似合うと思うけど?こっちの方が動きやすくていいんじゃない?」
 私は、重いまぶたをこすりながらそう答えます。(3)
「そう、ありがとう!」
 ありがとうと言いながら、その服をもう一度体に合わせるお母さんを横目に、私はそんなお母さんの子供のころが気になっていました。
 今はファッションに気をつけているお母さんは、子供のころもおしゃれだったのでしょうか。それとも、特に気にしていなかったのでしょうか。そんなことを、お母さんに聞いてみることにしました。(2)

「私、ずっと黄色の服を着てたの!」
「えっ!?」
 今はふんわりとした印象の水色や桃色が好きなお母さんも、小さいころは太陽のように(1)元気な黄色が好きだったのでしょうか。
「なんでわざわざ?」
 すると、お母さんは、困ったように微笑みました。
「私、弟がいるでしょ? だから、弟にあげられるように、男の子も着やすい黄色の服をずっと着せられていたの!」
「えぇっ?」
 予想外の答えに、私は顔をしかめました。私だったら、自分の好きなタイプの洋服を着たいです。そのことについて、お母さんはどう思っていたのでしょうか。
「別に、ふーん、いいアイデアだなー。ぐらいしか思ってなかったよ!」
 おしゃれな今のお母さんと大違いです。大人になると、みんなファッションに気をつけるようになるのでしょうか。
 私は、弟がいる女の子の友達の服を観察してみることにしました。その子の服は、ピンク色のフリルつきワンピースなど女の子っぽい服で、電車好きのその子の弟とは大違いでした。今のお母さんとは違う子供のころのお母さんのファッションに、少し驚きました。

 お母さんは、私とは違ってけっこう、個性的な子供だったんだなぁと思います。(4)今のしっかり者のお母さんとは大違いです。そんなお母さんの個性をたくさん見つけていきたいなと心の中で思いました。
 今日も、お母さんは、自分の好きな水色の服を着て、楽しそうに家の仕事をしています。(5)
(原作を一部改変)