★解説2772(2167字)

 三段落構成の場合は、第一段落の説明を省略し、第二、第三、第四段落でまとめると良い。

 第一段落。
 文章1は、鍋やメールを例にとり、世の中でその使い道が決められているようなものであっても、自分の判断で別の使い方をしたり使わなかったりするのも自由だということが書いてある。文章2では、世の中の人がこうあるべきだと考えているものから自由に離れて、自分なりに大切だと思ったやり方で表現することが大切だと書かれている。
 二つの文章に共通する内容は、世間や他人が一般に考えていることを基準にするのではなく、自分にとって大切なものや自分が確信を持てるものを基準にすることが真の自由だということだ。

 第二段落。
 私も昔友達と遊びに行くときに、寒い日なのに薄着のほうが気持ちがいいと思い半袖で出かけたことがある。すると、みんなに笑われた。しかし、そのとき自分が快適に思うものであれば、他人に迷惑をかけない限り、自分の好みを優先した方がのびのびと行動できるのではないかと思ったことがある。

 第三段落。
 以前父に聞いた話だが、若いとき会社の会議でみんなとは異なる意見を一人だけ述べたことがあるそうだ。その時は誰も理解してくれる人がいなかったが、何年かたってからだんだんと賛同する人が現れ、その後その話と似ている新しい企画のリーダーを任されたことがあると言っていた。


 第四段落。
 確かに、。世間の常識的なやり方を尊重することは大切だ。それは無駄な摩擦を避けるためにも必要なことだと思う。しかしこれからは創造力が求められる社会になると言われている。最後の判断は、他人の基準ではなく自分が心から納得できるものを基準にしていくべきだ。私はこれから中学で新しくいろいろなことを学ぶと思うが、社会のルールを尊重しながらも自分らしい見方や感じ方を失わないようにしていきたいと思う。


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問題1 略
問題2 略
問題3
(長く書けるように4段落で説明しているが、3段落で書く場合は、2、3、4、又は、1、2、4段落でまとめるとよい。)
 第一段落は、説明。「Aの文章は、物がもともと持っている用途にとらわれることなく、自由に使うということが書かれている。Bの文章は、書を文字とだけ考えるのではなく、視覚的な表現を生かして自由に書くということが書かれている。両者に共通するのは、外部からの規範にとらわれることなく、自分の内面の見方を自由に生かすということだ。」など。
 第二段落は、意見と理由。「人間は世の中に既にある規範にとらわれることが多い。社会のルールを守ることは確かに必要だが、他人に迷惑をかけるものでないかぎり、自分の内面の声を大切にし自由に生きることだ。
 その理由は、世の中にある常識は、文化的に成立したものも多いからだ。例えば、食事でも、日本では……」など。
 第三段落は、方法。「では、自由に生きるためにはどうしたらよいか。その方法は、物事の意味を根本から考えることである。例えば、食事の目的は、おいしく栄養のバランスのあるものを楽しく食べることである。そうか投げると……」など。
 第四段落は、まとめ。「確かに、既に存在するルールには、長年の歴史的営みの中で作られてきた合理的なものも多い。しかし、例えば日本の夏の蒸し暑い気候の中で、ネクタイを締めるのが正装だというのは、やはり自然とは言えないのではないか。」など。