★解説2718(950字)

 第一段落は説明。
 人間には、固有の個人というのはなく、他の人との関係で分人として存在している。その分人の集合体が自分の個人だと考えられる。

 第二段落は展開1。
 私にはギャップを感じる分人が二つある。
 第一は、両親である。私は、すでに自分のことは自分で決めるという考えで行動している。失敗することあっても、自分自身の責任であるから、それで愚痴をこぼしたり人を批判したりすることはしないようにしている。ところが、私の両親はまだ私を子供という扱いで見ていることがある。そのために時々善意で私の将来についてアドバイスをしてくれることがある。時にそれが煩わしく感じられることもある。

 第三段落は展開2。
 第二にギャップを感じる分人は、私の好きな異性と一緒にいる時だ。普段の私は、自分自身を飾ることもなくありのままに過ごしているが、好意を持つ異性の前では無理な分人を演じることがある。例えば……(略)……。


 第四段落はまとめ。
 人間はいろいろな分人で構成されている。たぶん若いうちはそれらの分人どうしの間にギャップがあることが多いのだろう。しかし、年配者の安定した姿を見ると、年を経るにつれて単に相手から役割を与えられた分人ではなく、自分自身がその分人を変容させていく力を持つようになるのではないかと思う。分人としての役割を果たすことで自分自身を成長させ、その成長生かして自分の中の分人どうしのギャップを埋められるようにしていきたい。