| タイミング |
| アジサイ | の | 泉 | の広場 |
| ミッキー | / | けく | 小5 |
| 日本には、そっ啄と言う言葉がある。それは、得がたい好機の意味で使われ |
| ている。そして、早すぎず遅すぎず。まさにこのときというタイミングがそっ |
| 啄の機である。また、奇跡が起こるのは、偶然にめぐりあえたときで、 |
| そっ啄の機にもかかわる。そっ啄の機はいつやってくるのかもしれない、折 |
| りにふれて立ち返ってみる必要がある、と教えているのであろうか。 |
| 私がこの長文を読んで、一番最初に思ったことは |
| 「タイミングは必要だろうな。」 |
| と思った。なぜかというと、タイミングがなかったら、生きられないからだ |
| 。 |
| 「ざわざわざわざわ。」 |
| ごく普通の一つの教室。そこには、四十人近い子供たちがいる。わたしも、 |
| その中の一人だ。 |
| 今日はこのクラスに、一人の転入生がやってくる。女の子らしく、私達、女 |
| 子は喜んでいる。 |
| 「ガラガラがらがら。」 |
| ドアをあけて、先生が入ってきた。その後ろについてきたのは、新しく四年 |
| 二組のメンバーになる女の子だ。 |
| 「塚田冬美」 |
| そう先生は黒板に書き、その子を紹介した。その子は、 |
| 「塚田冬美です。よろしくおねがいします。」 |
| といい、ぺこっとおじぎをした。そして席につき、授業が始まった。私はそ |
| の時、そのことの出会いがどれだけ重要になるかを知るよしもなかった。 |
| 「キーンコーンカーンコーン」 |
| 休み時間になり、あの子のそばにはたくさんの女子が集まってきた。私は、 |
| 「どんな子だろうな。」 |
| と気にかけながらも、あの子の所には行かなかった。 |
| 日にちがたつうちに、あの子の仲良しな子は、ほとんどが決まっていってい |
| た。そして、ある日私は仲良しな子の一人、中村さんに聞いてみた。 |
| 「中村さん、あの子、どんな子?」 |
| と…。すると、 |
| 「優しい子だよ。」 |
| と答えてくれた。いよいよ私の出番がやって来た。いままで、ありのように |
| 縮こまっていた私が、くじらのようにおおきくなり、潮をふいた。 |
| 「ねえねえ…」 |
| それがきっかけで、あの子、冬美ちゃんとは仲良しになった。三年生の頃、 |
| 仲良しみたいだった未有希ちゃんも加わり、仲良しの輪はパワーを増した。 |
| このことも、タイミングの一つだ。もしそのとき、冬美ちゃんに話しかけな |
| かったら、「普通の友達」で終わっていただろう。また、それよりはやく話し |
| かけても、失敗していたかもしれない。流行物だとしても、タイミングはかか |
| わっている。たとえば、「たまごっち」一時期はとてもはやっていた。けれど |
| 、いま、ダイクマなんかでは四百円ぐらいで売られている。私も以前は、だき |
| しめたいほど「たまごっち」が好きだった。とくに、ポチッチになった時は、 |
| どれだけ喜んだことか…。今でも覚えている。けれど、いまたとえ、ポチッチ |
| になったとしても、 |
| 「あっ、そう」 |
| ぐらいですませてしまうだろう。 |
| やはり、タイミングは大切だ。生きられないというのは、タイミング悪く生 |
| まれてきてしまったら死んでしまうように、たくさんの意味を持っている。 |