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学力テスト(模試)の点数が低くても気にしない
森川林 2014/08/18 13:03  


 言葉の森で年に数回行っている全国学力テスト(模試)は、平均点が60点前後になるように作られています。これは、模試という性格上、受験の合否を測定するために、点数の差がつくように作られているからです。

 学校などで行われるテストは、到達度を見るためのテストなので、百点を取るのが普通です。学校でのテストだけしか受けていなかった子が、模試を受けてその点数の低さに驚くことはよくあります。

 しかし、模試で見る受験用の学力は、受験期に本気になって取り組めばすぐに成績の上がるものです。そのテスト用の勉強をすれば誰でもすぐにできるようになりますが、そのテスト用の勉強をしていなければ、どんなに実力があってもできないことが多いのです。

 模試のテストの正確は、クイズやパズルに似ています。初めて見るクイズをすぐに解ける人はまずいません。そういうものでは、クイズにならないからです。ところが、いったんその答えを教えてもらうと、次回からはすぐに解けます。答え方がわかれば何ということもない問題でも、最初は解けないのが普通なのです。

 全国学力テストの成績が悪くてがっかりしている子がいたら、お父さん、お母さんの方でそういう事情を教えてあげるようにしてください。


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理屈で理解する勉強法から、まるごと自分のものにする勉強法へ
森川林 2014/08/13 21:30  


 アジアやアフリカのほとんどの国々が、欧米列強の植民地になる中で、なぜ日本だけが、欧米の文化を吸収しある意味で欧米よりも優れた文化を作り出し、自立した国家となれたのでしょうか。

 そこには、二つの要因があったように思います。
 一つは、漢字を使った翻訳によって、欧米文化が持っていた科学技術の概念を日本語化したことです。他の国々では、新しい概念を表意文字によって自国の言語の中に取り込むことができなかったので、欧米の言語をそのまま使わざるを得ませんでした。

 もう一つは、その日本語化された新しい概念である言語を、まるごと理解するという学習法が成立していたからだと思います。
 日本の教育における素読という方法は、個々の説明を理屈で理解し、それを積み上げて全体を理解するという方法ではありません。何よりもまず全体をまるごと自分のものにして、そのあとに生活の実践の中で、あるいは自分の成長に応じて個々の理解を深めるという方法でした。
 だから、欧米の学問もまた、理屈による理解はもちろんありましたが、それとともに翻訳された漢語を通してまるごと自分のものにするという方法で習得することによって、短期間のうちに広範に自国の文化に取り込むことができたのです。

 翻って今の教育を見てみると、欧米流の理屈で理解して、それをテストによって検証するという分析主義的な教育方法が主流となっています。
 説明によって理解させ、それをテストするという方法だから、すぐに理解できる子となかなか理解できない子の差が生まれ、それができる子とできない子の差になっているのです。
 昔の寺子屋方式の学習のように、必要な全体をまるごと自分のものにするという方法が基本になれば、習得の早い遅いはあるにしても、すべての子供が必要な学力を達成できるようになると思います。

 先日、算数・数学に関する本を読んでいて、少し気になる記事がありました。
 それは、分数の割り算をひっくり返してかけると作業的に覚えるだけでなく、その理屈を理解することが数学の学力をつけるもとになるという内容の記事でした。

 物事を本質から理解することは大事です。
 しかし、世の中には、内燃機関の仕組みを知らないでも自動車が運転でき、プログラミング言語を知らないでもパソコンを動かせるように、理屈を知らずに活用しているものがたくさんあります。
 理屈を理解するのは、その分野で新しいことを創造するときには必要ですが、何がその分野になるのかは人によって違います。

 大事なことは、あるひとつの分野で、理屈による理解を確立しておくことであって、すべての分野で理屈による理解を前提とすることではありません。
 勉強の基本は、まずまるごと自分のものにすることです。その勉強のある分野を更に発展させるときに、その理屈を深めていけばいいのです。

 今のように、さまざまな教科がその単元ごとに授業という形で理屈によって説明され、その理解度を評価するためにテストがあるという勉強法は、かえって、人間の自然に反した面があるのではないかと思います。
 人間の本来の自然の学習法は、「習うより慣れよ」です。慣れてできるようになってから、その子の個性に応じて理屈を深めていく勉強をしていくというのが自然の順序なのだと思います。

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