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● 言葉の森新聞2023年6月2週号 通算第1758号 (9722字) 言葉の森事務局 jun 2023年06月08日 15時26分
14861 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年6月2週号 通算第1758号
文責 中根克明(森川林)
■■オンラインクラスの勉強の楽しさはお喋りの楽しさ――その楽しさをもとに家庭での自主学習をがんばる
●動画:
https://youtu.be/NMLLr_R1juQ
お喋りの楽しさなどと言うと、真面目なお母さんは、「そんな無駄な時間を」と思うかもしれませんが、そうではありません。
このお喋りの時間が、勉強のエネルギーになっているのです。
ただし、それは単なるお喋りではありません。
ひとつは、読書紹介です。
どのクラスでも、テスト期間中以外は、読んでいる本を互いに紹介します。
この読書紹介によって、どの子も毎週、それなりに本を読むようになります。
実は、読書は、勉強よりも頭をよくする効果が高いのです。
わかりやすく言えば、読書は頭を良くするが、勉強は成績をよくする、という関係です。
成績をよくする勉強の土台になっているのは読書力ですから、結局、時間はかかるように見えても、読書が成績をよくするのです。
これは、これまで多くの子供たちを見てきたことによる実感です。
小学校時代、本をよく読んでいた子は、中学生や高校生になり、勉強の自覚ができるような年齢になると、ぐんぐん成績を上げます。
その反対に、小学校時代、勉強を中心にして、読書をあまりしなかった子は、小学校時代は確かに成績はいいのですが、中学、高校と学年が上がるに連れて成績が伸び悩んでいきます。
この中学、高校の先に何があるかというと、大学生になり、社会人になれば、この差はもっと広がるということです。
本を読む習慣を大学生や社会人になっても続けられる人は、ずっと成長していきます。
本を読む習慣ができず、大学生や社会人になっても、YouTubeやSNSや身近な人の話からしか情報を取り入れられない人は、どんどん考え方が時代遅れになっていきます。
大事なものは読書習慣なのです。
これは、客観的な調査でも明らかになっています。
以下は、川島隆太さんのデータをもとにした記事です。
▽参考記事
https://www.shingakukuukanmove.jp/2019/01/02/%E5%AF%9D%E3%82%8D-%E6%9C%AC%E3%82%92%E8%AA%AD%E3%82%81-%E3%81%9D%E3%81%97%E3%81%A6%E5%8B%89%E5%BC%B7%E3%81%97%E3%82%8D/
====引用ここから====
次いで驚いたのが、読書習慣を全く持っていない生徒たちはそれだけで偏差値50を超えることが至難になるということ。
読書を1時間以上する子達と、全く読書習慣を持っていない生徒では、偏差値50を超える範囲が全く違います。
読書習慣がついている生徒は、多少睡眠時間が少なくても、多少学習時間が少なくても、偏差値50は超えやすい。
その一方で、読書習慣がない生徒はちょっと睡眠時間が少なかったり、ちょっと勉強時間が少なかったりしたら、偏差値50を超えることがかなり難しくなる。
====引用ここまで====
小学校時代は特に、勉強よりも読書を優先しているぐらいでちょうどいいのです。
中学生以降は、同じ読書でも、説明文意見文の読書にウェイトを置いていく必要があります。
学年が上がれば上がるほど、難しい本をよむ力をつけておく必要があるのです。
さて、オンラインクラスの授業では、この読書紹介のあと、それぞれの生徒の勉強が始まります。
その勉強の中で、先生の個別のアドバイス等があります。
そして、勉強の最後の時間に、一人一言の時間があります。
この一言の時間は、1人わずか1、2分です。
それぞれの生徒が、自由に自分なりのひとことを言います。
慣れないうちは、誰でも、どうでもいいことしか言いません。
「ねむい」とか、「おなかがすいた」とかいうあたりさわりのない一言です。
そんな一言であっても、なかなか出てこない子もいます。
しかし、一人一言の時間があることに慣れてくると、だんだんと誰もが個性的な一言を言うようになるのです。
これがコミュニケーション力です。
コミュニケーション力を育てるのは、練習量しかありません。
毎週のわずか1、2分の一言を繰り返す中で、次第に自分らしい一言を簡潔にいえるようになるのです。
こういう一人一言の時間を、傍で聞いているお母さんは、「勉強もしないで、お喋りばかりして」と思うかもしれません(笑)。
しかし、このお喋りが次の勉強のエネルギーになっています。
もし、これがお喋りもせずに、黙々と問題を解いたり、作文を書いたりする時間だけの授業だったとしたら、子供の意欲はだんだん低下していきます。
勉強でも、遊びでも、意欲の有無が成果につながります。
その意欲のもとになるので、友達どうしの楽しいお喋りや交流の時間なのです。
そして、このお喋りは、互いの人間関係の蓄積にもつながります。
お喋りを通して、面白いことを言う人、真面目なことを言う人、脱線するのが好きな人など、いろいろな個性が出てきます。
勉強では個性は出てきません。
答えが一つだから、点数がいいか悪いかの差しかありません。
しかし、お喋りは、全員がそれぞれの個性を表せる場です。
その中で、人間どうしのつながりを理解することが大事なのです。
私は、将来、言葉の森のオンラインクラスに一緒に参加していた生徒どうしが、結婚することがあると思っています(笑)。
そこまで行かなくても、卒業後も仲のいい友達としてつながりをもつことが多くなると思います。
オンライン少人数クラスの特徴は、人数が5人以内なので、全員が全員に関われる時間があることです。
人間どうしの関わりは、勉強だけを能率よく、ブロイラーのように詰め込むことよりも、ずっと貴重なことなのです。
ちなみに、この発表と創造に特化したクラスが、創造発表クラスです。
創造発表クラスは、毎週、全員が自分の好きな分野で研究したことを発表し、感想を言い合います。
こういう勉強は、オンラインの5人以内のクラスでなければできません。
私は、この創造発表クラスの勉強が、勉強の中で最もその子の心と頭の中に残るものだと思います。
それで、この6月から、創造発表クラスの枠を増やしました。
主な対象学年は、小3~中3ですが、小2以下でも高1以上でも参加できます。
わかりやすい目標は、将来の東大推薦入試か、イグノーベル賞を目指すことです。
というのは、半分冗談ですが、私は、創造発表クラスで独自の発表ができるような子は、将来、必ず何らかの分野で第一人者になると思っています。
■■中学3年生は詩と伝記を読もう
シルビー・バルタンの歌を聴いて、そのあと、ふと茨木のり子さんの詩を思い出しました。
この歌とこの詩は、何も関連はありません。
しかし、私は、なぜか自分の中でつながりを感じたのです。
「シルヴィ・バルタン(SYLVIE VARTAN) - アイドルを探せ(LA PLUS BELLE POUR ALLER DANSER」
https://www.youtube.com/watch?v=IP2fTeOm788
「汲む~Y.Yに」(茨木のり子)
大人になるというのは
すれっからしになることだと
思い込んでいた少女の頃
立ち居振舞の美しい
発音の正確な
素敵な女のひとと会いました
そのひとは
私の背のびを見すかしたように
なにげない話に言いました
初々しさが大切なの
人に対しても世の中に対しても
人を人とも思わなくなったとき
堕落が始まるのね 堕ちてゆくのを
隠そうとしても 隠せなくなった人を
何人も見ました
私はどきんとし
そして深く悟りました
大人になっても
どぎまぎしたって いいんだな
ぎこちない挨拶 醜く赤くなる
失語症 なめらかでないしぐさ
子供の悪態にさえ傷ついてしまう
頼りない生牡蠣のような感受性
それらを鍛える必要は少しもなかったのだな
老いても咲きたての薔薇 柔らかく
外にむかってひらかれるのこそ 難しい
あらゆる仕事
すべてのいい仕事の核には
震える弱いアンテナが隠されている きっと
わたくしも
かつてのあの人と同じくらいの年になりました
たちかえり
今もときどきその意味を
ひっそりと汲むことがあるのです
中学3年生は、自分の人生への自覚が始まる時期です。
その時期に、テスト勉強や部活の練習だけに費やすのではなく、詩と伝記を読む時間を作るべきです。
最初は、入門書のような本でもいいでしょう。
例えば、「詩のこころを読む」
https://www.amazon.co.jp/dp/4005000096/
しかし、今、中学生の子供が歩いていく道の途中に本屋があることは少なくなりました。
だから、お父さん、お母さんは、子供に、ネットショップのアカウントを作ってあげ、毎月5,000円の枠内なら何を買ってもいいよと話しておくのです。
(金額は、家庭の方針で決めてください)
読書のために使う費用は、塾に行かせたり予備校に行かせたりする費用よりもずっと価値があります。
子供は時どきくだらない本を買いますが、それも含めて読書は、どんな勉強よりも価値があります。
それは、子供自身が、大人になってそう思うはずです。
■■オンライン少人数クラスの学習――5人以内という少人数クラスでコミュニティ学習の効果が生まれる
少人数教育の研究でよく知られているグラフです。
https://www.mori7.com/izumi/gazou/2023/6030704170.png
全米学力調査(英語版)の2005年調査「学級規模と読書能力の相関( 4学年、8学年)」
クラスの規模は重要ですか? (
https://www.superkids.com/aweb/pages/features/reportcard2007/class_size.shtml)
1クラスの生徒数と読む力の関係で、1クラス20人よりも、1クラス10人の方が効果が高くなるという結果が出ています。
このグラフの延長を考えてみると、30人学級や40人学級になると、更にクラス全体の学力が低下することが予想されます。
これが、現在の日本の学校の平均的な生徒数です。
一方、10人学級よりも少ない人数では、少なくなればなるほど、クラス全体の学力は向上することが予想されます。
私の考えでは、生徒数が10人、9人、8人と少なくなるにつれて、学力はもちろん向上しますが、生徒数が5人ぐらいのレベルになると、その向上度が加速するのです。
ところが、生徒数が、3人、2人、1人と減っていくと、向上度は頭打ちになるか逆に低下します。
これは、人数のレベルに応じて教育の形態が異なってくるからです。
●集団学習
30人や40人のクラスでは、集団一斉指導という教育方法しかありません。
その集団一斉指導をカバーするのが、テストと宿題と競争と規律です。
集団学習には、規律が必要です。
授業中に立ち歩く子などが増えれば、授業が成り立たないからです。
言葉の森のオンライン少人数クラスでは、規律はありません。
授業のある夕方6時ごろの時間帯はお腹がすくので、お菓子などを食べて勉強してもいいことにしています。
しかし、こういう自由な雰囲気で勉強することは、集団学習ではできません。
●個別学習
生徒数が1人か2人の場合は、個別指導という教育形態になります。
個別指導とは、家庭教師のような教育です。
この教育は、生徒の意欲と講師の力量に左右されます。
講師は誰でもそれなりの力量がありますから、大事なのは生徒の意欲です。
ところが、個別指導で生徒に意欲を持たせるのは難しいのです。
それは、先生と生徒が1対1の学習では、生徒が先生に甘えるようになるからです。
「ちゃんと予習してきた?」「忙しかったのでしていません」「だめじゃない」「はい」というような形で毎週、準備不足の子がいても、先生はそれを是正させることができません。
個別学習は、受験直前のように生徒にやる気があるときにだけ効果がある学習形態です。
●コミュニティ学習
生徒が5人ぐらいになると、そこに動的な人間関係が生まれます。
一緒に勉強する時間が長くなるにつれて、友達と一緒に勉強しているという感覚が生まれます。
すると、あの子もやっているから自分もやるという気持ちになってきます。
同調圧力がよい方向に働くのです。
作文のような負担の大きい学習では、特にこの効果は顕著です。
国語、数学、英語のような教科の学習でも、クラスというコミュニティの中で教え合うということができるようになります。
ただし、コミュニティ学習の難しいところは、同レベルの生徒5人がひとつのクラスに集まるという仕組みがなかなかできないことです。
通学式の教室では、コミュニティ学習の仕組みを常態的に作ることはまずできません。
しかし、オンラインの教室であれば、コミュニティ化したクラスは作れます。
言葉の森のオンラインクラスでも、仲のいい生徒どうしが集まって勉強するクラスがいくつもあります。
このコミュニティ化したクラスを増やすことが、今後の目標です。
コミュニティ学習は、家庭学習とセットにして考える必要があります。
一緒のクラスで楽しく勉強しても、週に1回1時間の勉強だけでは何の力もつきません。
クラスでの勉強のあと、毎日、家庭で自分のペースで自主学習をする必要があります。
家庭で勉強をするときに、「あのクラスの人たちも、みんな今ごろ家で勉強しているだろうなあ」と思えることが、クラスでの勉強と家庭での勉強との接点になります。
その接点を意識させるのが、学習記録のそれぞれの生徒の学習ページ数です。
言葉の森のコミュニティ学習は、本格的に始めてからまだ数年しかたっていません。
2020年のコロナ休校がある前までは、個別学習が中心でした。
2020年以前は、オンラインクラスの受講者は創造発表クラスと自主学習クラスの2つで、全体の割合は5%でした。
現在は、オンラインクラスの割合が作文も含めて75%、個別学習の割合が25%です。
オンラインクラスは、生徒が増えれば増えるほど、コミュニティ化したクラスを作りやすくなります。
言葉の森の生徒は、現在、北は北海道から南は九州沖縄までほぼ全県から参加しています。
海外でも、アメリカ、アジア、ヨーロッパ、南米と多くの国から参加しています。
すると、海外の生徒と離島の生徒と九州と北海道と東京の生徒が、同じクラスで同じレベルの学習をすることができるようになります。
このロングテール効果を生かして、同学年同レベルのコミュニティ化したクラスを作っていくことが、言葉の森のこれからの課題です。
■■2023年の夏期講習
●動画:
https://youtu.be/_aBiHFRQPzw
2023年は、7月21日(金)~8月27日(日)を夏期講習期間とします。
夏期講習は、在籍生か、在籍生のご兄弟か、在籍生のお友達だけが参加できます。
在籍生のご兄弟、お友達の夏期講習費は、在籍生の口座から自動振替させていただきます。
非在籍生で、夏期講習を希望される方は、6、7月中に言葉の森のいずれかの講座を体験し、受講を開始してください。
夏期講習は、いずれも1コマから受講できます。
今回、企画する講座は、下記のとおりです(一部計画中)。
申し込みページは現在作成中です。
申し込みページができ次第、ホームページでお知らせします。
●小学1、2年生の暗唱(日曜朝8:00~8:45)
暗唱文集をもとに暗唱の実習を行います。日曜日の朝だけの授業ですが、そのあと平日に家庭で暗唱練習の続きができるので、夏休み中にひとまとまりの文章が暗唱できるようになります。(1コマ1,925円)
●小学3~6年生の読書感想文(時間未定)
指定図書のいずれかを選択し、その本について4日間で1200字の読書感想文を書きます。(1コマ2,200円)
課題図書は、「宇宙人のいる教室」「川は生きている」「道は生きている」「杜子春」「モモ」です。
宇宙人のいる教室(さとうまきこ フォア文庫)<小3~小6向き>
川は生きている(富山和子 講談社青い鳥文庫)<小4~小6向き>
道は生きている(富山和子 講談社青い鳥文庫)<小4~小6向き>
杜子春(芥川龍之介 講談社青い鳥文庫)<小5~小6向き>
モモ(ミヒャエル・エンデ 岩波書店)<小6向き>
(複数の出版社から出ている本については、どの出版社のものでもかまいません。)
●小学5年生の受験作文(平日朝8:00~8:45)
小学5年生に限定して、言葉の森の受験作文コースの課題をもとに受験作文の練習します。(1コマ3,300円)
小学6年生は、9月ごろから受験作文コースが始まるので、夏期講習では受験作文の講座はありません。
●小学5年生~高校3年生のプログラミング(平日朝9:00~9:45)
「高校生からはじめるプログラミング」をテキストに、HTML作成を学習し、自分のホームページを作り改良することを目標にします。
エディタやFTPのソフトをダウンロード、インストールする必要があるので、生徒専用のパソコンを用意して参加してください。
プログラミングクラスで、まだホームページを作成していない方や、作成したがその後の勉強の仕方を知りたいという方も、ぜひ参加してください。(1コマ1,925円)
●中学1~3年生の国語読解とディスカッション(平日朝10:00~10:45)
発展新演習の国語問題文をもとにディスカッションをし、そのあと読解問題を解き、間違えたところを理詰めに説明する練習をします。
短期間で国語力をアップさせる講座です。(1コマ1,925円)
●その他の講座
その他の講座は、現在、日程を計画中ですので、詳細が決まり次第お知らせします。
■■上手な作文は親子の対話で書く――低学年は題材作り、中学は似た例の取材、高学年は感想のアドバイス、受験生は準備と推敲の協力
言葉の森には、何度も作文のコンクールに載るような小学生から高校生までの生徒がいます。
そういう上手な作文を書くには、コツがあります。
そのコツの土台になるのは、読書と対話です。
●字数
見栄えのある作文を書くためは、学年相応の字数も必要です。
字数の大体の目安は、学年の100倍から200倍です。
小学1年生は100字から200字、小学2年生は200字から400字、……、小学6年生以上は600字から1200字、中学生、高校生も600字から1200字です。
内容のよい作文で、字数が短いときは、清書の週などに新しい実例を追加して字数を倍にします。
小学校高学年、中学生、高校生になると、字数がなかなか伸びなくなる生徒も出てきます。
作文の字数推移グラフを見ると、すぐにわかりますが、1年間近く同じ字数のまま書いている生徒が時どきいます。
字数が伸びていないのは、作文力が伸びていないからです。
●字数の目標
字数を長く書くためにどうしたらいいかというと、ひとつは字数の目標を意識することです。
もうひとつ、もっと大事なのは、読書の量を増やすことです。
●読書
読書は、小学生の間は生活作文という事実中心の文章なので、物語文の読書でも間に合います。
しかし、中学生以降は意見中心の作文になるので、説明文や意見文の読書をする必要があります。
アウトプットをするためには、その前提としてインプットが必要です。
読む量が不足していると、作文を書くために必要な実例や表現が出てきません。
●添削
この読書と並んで大切なのが、親子の対話です。
作文力は、読書と対話に支えられて成長します。
世間で大きな誤解のあるのはここのところです。
上手な作文を書くためには、添削を強化すればいいと思ってしまう人が多いことです。
添削では、作文は上手になりません。
もともとの作文が読み応えのある内容になっていることが大事で、添削はその付け足しなのです。
●低学年の対話
対話の分野は、学年によって変わってきます。
小学校低学年の場合は、作文の題材作りを手伝うことです。
低学年の生徒は、自分のしたことや、自分が面白いと思ったことを無邪気に書きます。
それは、それでいいのですが、普通に自分のしたことを書くだけだと、いつも「学校でこんなことがありました」とか、「今日もともだちとサッカーをしました」とかいう、代りばえのない作文になります。
もちろん、それでもいいのですが、大きくなってから自分の低学年のころの作文を読み返して面白いと思えるような作文を書ければ、やはりその方がいいのです。
価値ある作文は、その子の自分らしい経験が書いてある作文です。
子供は、映画を見にいって楽しかったときは、映画の話を書こうとします。
ゲームをして面白かったら、ゲームがどうなったかという話を書こうとします。
翌日楽しい遠足があるというときは、遠足が楽しみという話を書こうとします。
しかし、見ただけの話や、未来の話は、いずれも、自分らしさのある作文にはなりません。
低学年の作文は、題材づくりを親が手助けをしてあげるといいのです。
それは、別に、わざわざディズニーランドに連れていくというようなことではありません。
例えば、「今度の日曜日、お母さんと一緒にカレーライスを作ろうか」とか、「お父さんと一緒に、ザリガニをつかまえに行こうか」とかいうことでいいのです。
その際、子供と一緒に、必要な手順を考えて、できるだけ子供が主体的に参加する形にすることです。
こういう経験が、作文を書く以上に、子供を成長させます。
●中学年の対話
中学年からは、作文の課題が決まってくるので、お母さんやお父さんに似た例を取材することが必要になります。
特に、日常的に対話をする機会の少ないお父さんに似た話を聞くと、子供の題材力が広がります。
感想文の課題のときは、特に、子供の体験だけでは十分に書けないので、お父さんやお母さんが似た経験を話してあげることが必要になります。
似た話の取材は、家族だけに限りません。
場合によっては、田舎のおじいちゃんやおばあちゃんに電話で取材をしてもいいのです。
この取材によって、子供の題材と表現の幅が広がります。
そして、この対話は、作文に役立つだけよりも、むしろ子供の生き方、ものの見方の成長に役立つのです。
●高学年の対話
小学校高学年以降は、似た例の話のほかに、感想や意見のアドバイスもしてあげることができます。
高学年になると、生徒自身がよりよい文章を書こうと思うようになります。
しかし、小学校高学年のうちは、まだ感想や意見を書くための語彙が不足しています。
そのときに、中学年のころまでに似た例の取材をよくしてきた子は、感想や意見についても両親に話を聞こうとします。
感想や意見の対話によって、子供の考える力が伸びていくのです。
●受験生の対話
受験作文に取り組む場合も、親子の対話が必要です。
ひとつは、課題を見て、どういう実例や構成や意見で書けるかを話し合うことです;
特に大事なのは、どういう実例で書くかということです。
いい実例を思いつくと、その方向で一気に書けるようになるからです。
そして、先生から作文が返却されてきたときは、その作文を親子で推敲するのです。
普段の作文では、推敲までする必要はありません。
かえって、普段の作文で推敲をする時間をとると、子供は作文を書くことを負担に感じるようになります。
しかし、受験作文の目標は合格する作文を書くことですから、よりよい表現になるように親子で赤ペンを入れていくようにするといいのです。
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● 6月学力テストの発送【送信指定】 (82字) 森川林 nane 2023年06月05日 13時27分
14854 (言葉の森オンライン新聞)
この連絡は、6月の学力テストを申し込まれた方にお送りしています。
テストの発送が遅れておりますが、今週中には発送できると思いますので、もうしばらくお待ちください。
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● 言葉の森新聞2023年6月1週号 通算第1757号 (12110字) 言葉の森事務局 jun 2023年06月02日 17時18分
14848 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年6月1週号 通算第1757号
文責 中根克明(森川林)
■■オンライン少人数クラス教育宣言――オンライン少人数クラスの教育は、集団指導でも個別指導でもなく、クラス指導というかたちの、生徒の発表と対話を生かした新しい時代の教育
●動画:
https://youtu.be/nxiulFnu9cg
オンライン少人数クラスの教育というのは、言葉の森が初めて始めたことなので、ほかに比較できるような教室はありません。
オンライン少人数クラスの教育は、集団一斉指導の教育ではありません。
しかし、単なる個別指導の教育でもありません。
それらの教育とは異なる、生徒どうしの発表と交流、生徒と先生の対話を中心にした5人以内の少人数クラスでの教育です。
これまでの勉強スタイルの多くは、生徒が教室で先生の話を聞き、そのあと家庭で行う宿題を出され、時どき教室でテストをされるというかたちでした。
この従来の教育には、三重の無駄がありました。
第一は、先生の話を聞く授業は、わかることもわからないこともひととおり聞かなければならないという無駄です。
勉強は、参考書や問題集を自分のペースで進めた方がずっと能率がいいのに、授業では最初から最後まで先生の話を聞かなければなりません。
私は、小学校高学年のころ、授業が退屈で、教科書にずっと落書きを書いていました。
そのときの担任の先生は、後に校長先生になるとてもいい先生でした。
しかし、私は授業を聞いているだけの時間が退屈で仕方なかったのです。
今も、このように感じて授業を受けている子供たちは多いと思います。
第二は、学校から出される宿題は、その多くが無駄だということです。
できることを何度もやらされる一方、できないことも通り一遍でしかできません。
自分で判断して、できない問題を中心に自習をすればいいことを、人に指示されて全員一律の宿題をやらされるのですから、時間がかかるだけでそのわりに中身はあまりありません。
宿題が必要なのは、自分で勉強できない生徒だけでいいのです。
第三は、単なる評価のためだけのテストという無駄です。
テストは、過去の評価のためのテストでなく、未来の指導のためのテストであるべきです。
しかし、今のテストは、結果を評価するためだけのテストになっています。
そのため、重要なことをテストするよりも、生徒が間違えやすいことを中心にテストをするという本末転倒のテストになっています。
テストの目的は、点数をつけることではなく、100点が取れるまで指導することにあります。
だから、点数をつけることはゴールではなく、指導のスタートです。
答えのあるテストは、100点が取れるまでやることが当然なのです。
授業の無駄、宿題の無駄、テストの無駄という現在の教育の三重の無駄は、今の教育体制のもとでは解決できません。
教える先生の工夫では、この無駄の多い教育を変えることはできません。
根本的に、教育のプラットフォームと、教育に対する考え方つまり教育観を変える必要があるのです。
オンライン少人数クラスの教育は、友達と一緒に行う学習を基本としています。
それは、5人以内という人数を限定したクラスだからできる学習です。
オンライン少人数クラスでは、読書紹介とか、一人一言の時間とか、先生のちょっとした雑談とか、勉強の中身とは一見関係のない無駄に見える時間があります。
しかし、それらは無駄ではありません。
生徒が身につける勉強の中身は、家庭での自主学習によるものです。
授業での先生の役割は、生徒の家庭での自主学習の状況をチェックし、必要に応じてアドバイスをし、生徒たちが自由に発言できるクラス作りをすることです。
そのときに、ひとつのクラスで友達と一緒に勉強しているという環境が必要になるのです。
子供たちが成長したときに残るのは、友達と一緒に勉強した経験と、家庭で行った自主学習の蓄積です。
学習とは、知識をブロイラーのように詰め込むことではなく、人間の経験として身につけることです。
人生の一部として身につけた学習が、生きた学習になるのです。
教育は、生身の人間の関わりの中で行われる必要があります。
少人数クラスの学習は、集団一斉指導の学習とも個別指導の学習とも違います。
しかし、この新しい学習スタイルは、まだ十分に理解されているとは言えません。
教える先生の側も、つい昔ながらの一斉指導や単なる個別指導の教え方になりがちです。
また、保護者の方も、生徒がお喋りばかりしていて無駄の多い授業だとみなしがちです。
しかし、このオンライン少人数クラスの教育が、これからの新しい教育の姿です。
AI時代に、勉強のスタイルと勉強の目的は大きく変わります。
与えられた知識を詰め込み再現する教育から、新しいものを創造し発表する教育に変わるからです。
その新しい教育のひとつの姿が、言葉の森のオンライン少人数クラスの教育なのです。
■■壊れるものを見ているよりも、まず自分で作る
●動画:
https://youtu.be/VkeDh6tyOvI
藤原直哉さんの話を聞いていて、いい言葉だと思ったものがあります。
それが、「壊れるものを見ているよりも、まず自分で作る」です。
(言葉そのものは違うかもしれませんが、言っている内容はそういうことです。)
https://www.youtube.com/watch?v=cJGGYyK9OFw&t=1292s
今、ニュースで流れてくる情報は、どうでもいいものが多いです。
ジャニーズがどうしたとか、ワクチンがどうしたとか、アメリカがどうしたとかそういうことは、どうでもいいものです。
まともな人は、そういう壊れていくものを見ているよりも、自分の道を歩いています。
世の中には、批判されるべきものがたくさんあります。
しかし、若い人は、そういうところに目を向けずに、まず自分の成長に目を向けるべきです。
批判は、ほとんど何も生み出しません。
確かに、貴重な批判を述べる人はいます。
例えば、副島隆彦さんのような人です。
しかし、そういう人は、ほんのわずかです。
あとの批判は、みんな尻馬に乗って騒いでいるだけです。
だから、批判よりも、大事なことは創造なのです。
世の中をよりよく変えてきたのは、批判でも革命でもなく、発明と創造です。
例えば、今、世界のどこかで開発が進められているフリーエネルギーが実現すれば、今日の世界にある政治的、経済的な問題のほとんどが解決します。
しかし、そういうことを話題にする人がいないので、そこに目を向ける人がいないだけです。
話を教育に戻せば、今の学校教育も壊れつつある世界です。
そのひとつの証拠は、年々増える不登校の生徒です。
また、重箱の隅をつつくような些細な知識のテスト体制です。
今の学校の役割は、通学するという規則正しい生活作りと、友達との交流だけではないかと思います。
要するに、子供が学校に行っていれば安心だという安心料の役割だけなのです。
勉強の中身は、学校に行かなくても、充実した参考書と問題集でカバーできますし、その方がずっと能率がいいのです。
だから、子供たちは、学校に合わせるのではなく、自分の興味関心を学問的に伸ばすことに焦点を合わせていくことです。
今、子供たちが長い時間をかけて苦労して身につけている知識は、ほとんどがChatGPTやBardのAI技術で代替できるものです。
いい大学に入ること自体に価値があった時代は終わりつつあります。
いい仕事をすることに価値がある時代になるのです。
そのいい仕事をするための途中経過として、勉強したり、大学に行ったりするということなのです。
■■40数年前、日本で初めて作文教室を開いた言葉の森が、これから創造発表クラスを広げます
●動画:
https://youtu.be/cOoN9nSA3I4
40数年前、言葉の森が日本で初めて作文教室を開設したとき、参加した生徒は小1の男子1人と、小6の女子1人の合計2人でした。
それから、数十年、独自の作文指導法を開発して、今は、言葉の森が日本で最も先進的で最高水準の作文指導をする教室になっています。
言葉の森が作文指導を始めたのは、作文教育がこれからの日本に必要だと考えたからです。
しかし、そのころは、まだ作文に対する需要はどこにもありませんでした。
今、世間にあるいろいろな作文講座や作文教室が作文指導を始めたのは、受験作文が増えて作文に対する需要があるようになったからです。
作文教育の意義を考えたところから始めたわけではありません。
言葉の森は、いつも未来を考えています。
これからの子供たちの教育で大事になるのは、思考力、創造力、共感力を育てることです。
目の前の成績を上げることではありません。
成績は、結果として上がればいいのです。
創造発表クラスに対する需要は、まだほとんどありません。
しかし、だから今、言葉の森が、創造発表クラスを広げる必要性を考えているのです。
創造発表クラスの勉強は、教わる勉強ではありません。
子供たちは、知識を教わる勉強など望んでいません。
私自身が子供のときそうだったので、今の子供たちの気持ちがわかります。
子供たちは、椅子に座って黙って先生の話を聞くよりも、自分の好きなことを好きなだけ研究したり発表したりしたいのです。
創造発表教育の目指すものは、子供たち一人ひとりがその個性に応じて、将来自分の選んだ分野で第一人者になることです。
経営の分野で言えば、会社を作って社長になることです。
ほかの人から与えられたゴールで、競争して上位に入ろうとすることではありません。
何らかの分野で第一人者になるために必要な学習基盤は、発表と対話を中心にした5人以内の少人数のクラスのプラットフォームです。
5人以内であれば、各人がそれぞれの個性に応じて自由な研究と発表ができます。
現在、新学習指導要領で取り上げられている高校の探究型学習の多くは、実際には1クラス数十人の集団で、いくつかのグループに分かれた学習として行われています。
与えられたテーマでグループの一員として行う探究学習にも意義はありますが、グループ学習では個性に応じた研究と発表は十分にはできません。
また、ひとつのテーマにかける期間が半年や1年と長いことも、子供の立場に立ってみれば不自由です。
子供たちは、いろいろなことに興味を持っています。
さまざまなテーマに興味を示し、面白ければ更に追求し、つまらなければほかのテーマに切り替えるという柔軟性が学習の選択の中になければなりません。
新しい教育には、新しい理念と新しいプラットフォームが必要です。
今の探究型学習は、まだ中身と入れ物が結びついていません。
個性を生かす学習には、個性を生かす仕組みが必要なのです。
言葉の森の創造発表クラスは、参加生徒の発表と対話を中心にした運営をします。
そして、それがクラス内だけの発表と対話にとどまらないように、月に1回はオープンに発表する場を設けます。
それが、プレゼン創造発表会の企画です。
発表の成果がどういう形で表れるかという具体的なイメージは、東大の推薦入試、京大の特色入試、海外も含めた各大学のAO入試、イグノーベル賞などと考えるとわかりやすいと思います。
私は、言葉の森の創造発表クラスの卒業生から、イグノーベル賞の受賞者が出ると面白いと個人的には思っています。
しかし、そのころには、イグノーベル賞より言葉の森の創造発表大賞の方が目標になるかもしれません。
勉強は、面白くなければなりません。
自分が本当にやりたいことをやれば、それがいちばん面白い勉強になります。
それぞれの生徒が、自分の興味、関心を学問に高め、その学問を創造的に発表することが、創造発表クラスの目標です。
対象学年は、小3から中3ぐらいまでになると思いますが、低学年や高校生の生徒も参加できます。
体験学習に参加する場合は、事前に自分の作品をアップロードして、それを5分程度で紹介できるようにしてください。
▽関連する参考資料
「アクティブラーニングとは 基礎・基本を事例含めご紹介!」
https://find-activelearning.com/pub/active-learning
「アクティブラーニングとは?注目されている理由や手法、事例を紹介」
https://coeteco.jp/articles/10663
■■スマホの使用をコントロールするには、幼少期の家庭の文化作りから
●動画:
https://youtu.be/O5QX4oFiLII
スマホのやりすぎ、ゲームのしすぎ、YouTubeの見すぎで困っている家庭は多いと思います。
こういう新しい問題は、親の子供時代の経験がないので、途方にくれることが多いのです。
だから、これらは、親が試行錯誤で工夫してコントロールするしかありません。
大事なことは、目の前の現象をどうコントロールするかということではなく、それ以前の子育てをどうしていくかということです。
子供が幼少期のうちに、親子で話し合ってルールを決める習慣を作り、そのルールを守る習慣を作ることが大事です。
そういう幼少期のルールができていないまま、中学生になってからあわててコントロールしようとしてもできるものではありません。
勉強の習慣についても、読書の習慣についても同じです。
子供が小学1年生のうちに、毎日決まった勉強をするとか、毎日必ず読書をするとかいう習慣をつけておくことです。
子育ての中心は、家庭です。
学校でも、塾でも、偉い人のアドバイスでもありません。
何事もやり直すのに遅すぎることはありません。
子供が中学生になってからでもいいので、親子で話し合って妥当なルールを決め、そのルールの守られ状況を時どき確認するという習慣を作ることです。
こういう習慣作りがむずかしいのは、それが単なる習慣ではなく、家庭の文化を作ることでもあるからです。
勉強などは、やる気になればすぐにできるようになります。
しかし、文化はなかなか作れません。
文化とは、朝起きたら家族にあいさつをするとか、返事はいつでも「はい」と言うとか、椅子にはきちんと腰掛けるとか、席を立ったら椅子をしまうとか、履物はきちんとそろえるとか、夜は何時までに寝るとか、朝は何時までに起きるとか、起きたら布団は自分でたたむとか、食事を食べながらスマホやテレビを見ないとか、人の悪口は言わないとか、下品な流行語は使わないとか、近所の人にもあいさつをするとか、そういう細かいことの積み重ねです。
これらは、言ってすぐにできるものではありません。
何ヶ月も繰り返して、やっと少しずつできるようになるものです。
だから、勉強よりもずっと難しいのです。
文化作りは、全部やるのではなく、まずどれかひとつルールを決めてそれを守る習慣を作り、少しずつ家庭の文化として作っていくことです。
私は、この文化作りに、オンラインクラスの作文や総合学力はぴったりだと思います。
それは、親が関われることと、親も子供の様子を見ることができるからです。
見るというのは、一緒に参加するかたちでも、別のPCから参加するかたちでも、あとでレコーディングを見るかたちでも、いずれでもできます。
作文の場合は、似た話の準備を親子でする機会があります。
総合学力は、毎週、国語や算数や暗唱や発表の準備をする機会があります。
また、いずれの場合も、読書紹介の準備をする機会があります。
こういう機会を生かして準備を習慣化していくことが、家庭の文化作りの第一歩です。
▽参考記事
「研究者が思わずゾッとした「子どものスマホ使用時間と偏差値の関係」小中学生7万人調査でわかった衝撃の事実」
https://president.jp/articles/-/69373
====引用
スマホ等の使用時間が長くなればなるほど、平均以上の成績を表す灰色の棒の数が明らかに減っていく様子が見てとれます。
衝撃的なのは「3時間以上」の結果です。灰色の棒が1本も残りませんでした。この結果からわかることは、スマホ等を1日3時間以上使用している子どもたちは、どれだけ勉強を頑張っていても、きちんと睡眠時間を確保していたとしても、成績が平均未満に沈んでしまっているということです。
====
■■ChatGPTなどの新しいテクノロジーは、規制よりも活用を先に考えて
ヨーロッパでは、ChatGPTに対する規制が強化されつつあります。
それは、ヨーロッパが衰退した国々だからです。
「欧州のチャットGPT規制、アルトマン氏「適応できなければ事業を停止する」」
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20230525-OYT1T50143/
新しいテクノロジーが登場したとき、それを規制する側に回るか、活用する側に回るかという最初の選択は大事です。
基本は、活用したあとに、必要に応じて規制をすることです。
この大きな方針の順序を間違えないことです。
日本では、いまだに「欧米ではこうなっている」という人がいますが、欧米はもう参考になりません。
日本は、日本の独自の方針を打ち出していくことです。
※この話は、一見、子供の教育に関係がないように見えるかもしれませんが、子供たちの成長は、日本の政治によって作られた教育環境に支えられています。
■■受験秀才を超えた、個性的主体的な学力を育てる
●動画:
https://youtu.be/6Ha9LqMiNjE
言葉の森で、低学年の総合学力クラスの子を教えていると、低学年の子供だけあって、その子の個性がよく出てきます。
いちばん顕著なのは、授業の終わりの「一人一言」という自由な発言の時間です。
このときに、喜んで自分のことを言う子がいます。
こういう子は、自由にのびのび生きていると言っていいと思います。
しかし、自分のことを言わない子がいます。
自分の個性が出ないようなことを、いつも言う子がいるのです。
なぜ個性を出さないかというと、私は、人に注意されることを避けているからではないかと思います。
間違ってはいけないから、正しいことだけを言わなければならないと考えているようなのです。
成績のよさと、自分を出さないことは、一致していることが多いです。
その背景には、きちんと子育てをしているお母さんがいると思います。
きちんと子育てをしているので、子供もきちんとしていて成績もいいのです。
しかし、その分、お母さんに注意されることのないように先回りして無難なことしか言わない生き方を身につけたように思うのです。
私は、子供はワイルドに生きるのがいいと思っています。
自分から進んでいろいろなことをやってみて、失敗したり、成功したりという経験が大事です。
人に指示されたとおりにやっていれば、失敗はほとんどありません。
しかし、そのかわり自分で成し遂げたという喜びもあまりありません。
湯川秀樹氏が、好きな数学をやめて物理学に転向したのは、数学の先生が、先生の教えたとおりの方法で解かなければ答えが合っていても×にするという教え方だったからです。
その数学の先生は、それなりに考えてやっていたことでしょうから、それはそれでいいのです。
しかし、才能のある人は、決められたやり方でやるよりも、自分らしいやり方でやりたいと思うのです。
子供をきちんと育てることが大事なのは、小学2年生ころまでです。
小学3年生になったら、次第に、親の言うことよりも、自分で判断して行動するように仕向けていくことです。
指示に従うよりも、自分で考えて行動する方が大事だということを教えていくのです。
私は、日本のガラパゴス入試が、子供たちを指示待ち人間にしているように思います。
決められたとおりに能率よくやらなければ成績は上がりません。
自分らしさを抑える方が、能率はいいのです。
しかし、その能率のよさは尊重しつつも、能率に負けない主体性を育てていくことが大事だと思います。
▽参考記事
「問題を与えられないと解けない…日本の「受験秀才」が実社会で成功しない根本原因」(野口悠紀雄)
https://president.jp/articles/-/69314
====引用
……「問題を発見する能力」は、学校教育ではなかなか訓練できません。その結果、受験秀才は、問題が与えられればそれを効率的に解けるのですが、どんな問題に取り組んだらよいのかが判断できないのです。
しかも、問題に答えがあるとは限りません。答えがない問題を捉えてしまう危険があります。
これらについての勘を養うことが重要です。それは、受験に必要な能力とは違うものです。
受験秀才はそれができず、「指示待ち人間」になってしまう危険があります。これが受験秀才の最も大きな問題です。このため、受験で成功しても、人生で成功するとは限りません。
====
野口悠紀雄さんは、東大の工学部で学び、その後、アメリカの大学で経済学を学んだ人ですから、受験秀才と言ってもいいと思います。
しかし、野口さんの書いている本を見ると、すべて独自の考え方で、まだ誰も言ったことのない話を展開しています。
だから、受験秀才をはるかに超えた人なのです。
その野口さんの言っていることは、やはり説得力があります。
私は、受験秀才は、クイズ番組のような分野に向いていると思います。
しかし、クイズ番組でいちばん強いものは、これからはChatGPTになります。
人間は、クイズ番組を超えなければならないのです。
■■声掛けは否定語でなく肯定語で――明るく楽しい人生を送るために
●動画:
https://youtu.be/yTtkD8BVhEw
つい言ってしまうのが、否定する言葉です。
「ちゃんと勉強しなきゃだめじゃない」
「しない」「だめ」というダブルの否定の言葉を聞いて、「よし、がんばろう」と思う子はまずいません。
そういうときは、
「勉強すると、こんないいことがあるよ」
という言い方をすればいいのです。
ただし、子供を誘導するためにこういう言葉を使うのではありません。
明るく楽しく暮らしていくために、日常会話の端々で肯定的な言葉を使うということです。
注意されたり否定されたりして育った子は、それなりにいい子になります。
だから、ある程度の注意は必要です。
しかし、その度合が強いと、その子の生き方が萎縮したものになります。
つまり、失敗しないこと、注意されないことを中心に生きるようになってしまうのです。
子供が音読をしているとき、近くで聞いているお父さんやお母さんは、ついひとこと注意をしたくなると思います。
それが、多くの子供が音読を嫌いになる原因です。
どんな下手な読み方をしていても、そこで、うそでもいいから、お父さんやお母さんが、
「音読、だんだん上手になってきたね」とか、
「難しい文章をよく読んでいるね」とかいう言葉掛けをするのです。
すると、不思議なことに、何の注意もしないのに、だんだん音読が上手になってくいきます。
肯定的な言葉掛けをすると、その言葉に一致する方向に現実が動いていくのです。
「うそでもいいから褒める」これが、子育てのキーワードです。
ただし、繰り返し言いますが、これは子供を誘導したりコントロールしたりするためではありません。
生きていることは、基本的に肯定的なことだと伝えるための声掛けなのです。
▽参考記事
「「やる気のない子」と叱る前に親ができる10の事 「指示・命令・脅迫・説得」で人は動かない」
https://toyokeizai.net/articles/-/674443
子育ての上手なお母さんは、自然にやっていることです。
全部読む必要はありませんが、次の言葉は覚えておくといいと思います。
====引用
(1)(一歩先のことを伝える)【例:早く起きなさい→ご飯できたよ】
(2)「やる気になる時間帯と場所を見つけてみない?」
(3)「まずは1つ(1分)だけやってみたらどうかな?」
(4)「別にいいんじゃないやらなくても」
(5)「いい感じだね?」
(6)「ありがとう、嬉しい、助かった!」
(7)「着実に前進しているね?」
(8)「どちらからやる?」
(9)簡単、簡単!
(10)「ヒントは〇〇」「制限時間30秒ね」【クイズ化する言葉】
====
■■作文が当日中に書き終えられない場合は、翌日中に書き終えて送信してください――作文力のグラフを上達の目安に
保護者懇談会で、低学年の生徒の保護者の方から、「授業のあと、くたびれて書き終えられないので……」と相談がありました。
小学校高学年や中高生でも、そういう人がいると思います。
したがって、翌日中に書き終えて送信するということにしたいと思います。
しかし、「今日はできないから、いつかやる」ということは認めません。
必ず授業中に書き出して、その日か、翌日の間に書き終えて送信するというふうにしてください。
中学生、高校生は定期テストと重なるときがあると思います。
その場合は、
・休むか、
・他のクラスに振り返るか、
・時間を15分とか30分とか区切って、要約と感想だけでまとめるとか、
いずれかやりやすい形を工夫してください。
作文は、長い勉強なので、無理をせずに続けていくことが大事です。
細くても長く続けていれば、それに比例して必ず上達します。
上達の目安は、字数点と森リン点の推移です。
作文の点数推移のページで、グラフが右肩上がりになっているかどうかを確かめてください。
https://www.mori7.com/oka/sk_tenn.php
字数は、年間100~200字増えていることが上達の目安です。
字数は、小6以上で、コンスタントに1200字以上書けるようになることが目標です。
森リン点は、年間2ポイント上昇していることが上達の目安です。
森リン点は、小6以上で、平均的に86点以上になることが目標です。
■■小学3、4年生の子が必ず熱中する本「宇宙人のいる教室」――今後、学習記録の中に、読書記録の欄も入れる予定
小学3年生ぐらいからの生徒に、「この本、おもしろいよ」と「宇宙人のいる教室」を渡すと、ほとんどの子は、熱中して1日で読み終えてしまいます。
この本は、学校図書館協議会の課題図書にも取り上げられていたことがないので、知らない人も多いと思いますが、小学生にはおすすめの本です。
内容は、人間の弱さ、優しさ、協力、自然の美しさなどの深い内容が、物語として読みやすく書かれています。
物語文の役割は、その本の内容に引き込まれる経験をすることです。
物語の中に没入することによって、感動や共感という気持ちが育ちます。
説明文の役割は、ものごとを理由、原因、方法などの構造としてとらえる理解力を育てることです。
読書には、どちらも必要です。
ただ、世の中には、読みやすい物語文の本の方が圧倒的に多いので、家庭での読書は、説明文に重点を置くぐらいにして読んでいくといいと思います。
オンラインクラスで、生徒全員が毎週行う読書紹介で、いい本がよく紹介されていますが、そのクラス内の人しか知りません。
そこで、今度、学習記録の中に、読書紹介の欄も設けるようにしたいと思います。
本の書名だけでなく、おすすめ度などの情報も入れられるようにすれば、みんなの参考になります。
たまに、「勉強が忙しくて本を読めない」という人が、ごくたまにですが、います。
中高生は、定期テストの2週間前からは、読書をいったん休んでもいいのですが、その期間以外は、原則として毎日読書をしておく必要があります。
毎日の読書のページ数は、小5以上は50ページ以上です。
また、読書は、何冊か並行して読み、1冊が飽きたら、別の本に切り替えるというふうにして読んでいくといいです。
その際、読みかけのページに小さい付箋を貼っておくと、すぐに続きを読み始められます。
生徒のみなさんは、勉強よりも読書を優先するぐらいの気持ちで毎日の読書に取り組んでください。
▼参考記事
「付箋読書の仕方(何冊もの本を並行して読む)」
https://www.mori7.com/as/1367.html
▼小さい付箋(コクヨ タックメモ 付箋超ミニサイズ)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B000NNPYOG/ref=ppx_yo_dt_b_search_asin_title?ie=UTF8&psc=1
▼参考記事
「東北大学 川島隆太教授 インタビュー「読む&書く」からこそ学びは深くなる」
https://www.hj.sanno.ac.jp/cp/feature/201911/08-02.html
====引用ここから====
活字を黙読すると、後頭葉や側頭葉、頭頂葉をはじめ、左右の前頭前野が活性化する。音読する場合は発声とその音声を耳で聞くことを伴うため、黙読のときに活性化する部位に加え、聴覚野なども活性化する。音読は大脳の70%以上の神経細胞が働く、脳のトレーニングに最適な方法の1つと言える。動画視聴中は主に視覚や聴覚に関わる後頭葉と側頭葉が活性化する一方、前頭前野の働きは低下しており、脳はリラックスしている状態になっている。
====引用ここまで====
動画をみても頭はよくならないが、本を読めば頭がよくなるという話です。
ただ、音読は負担が大きいので、問題集読書のような場合だけに限り、普通は黙読で読んでいくといいと思います。
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● 学力テスト、公中検模試、首都圏模試のお知らせ【送信指定】 (248字) 森川林 nane 2023年05月23日 16時35分
14777 (言葉の森オンライン新聞)
この連絡は、言葉の森の小学6年生の方にお送りしています。
学力テストのお申し込みを受け付けています。
https://www.mori7.com/as/4741.html
公中検模試については、昨年度までは、言葉の森で一括して受け付けていました。
しかし、郵送でやりとりするため日程に余裕がないことが多かったため、今年度からは、それぞれの生徒の方に、公中検模試、又は、首都圏模試を受検していただくようお願いすることにしました。
連絡が遅くなってしまい申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
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● 言葉の森新聞2023年5月4週号 通算第1756号 (5213字) 言葉の森事務局 jun 2023年05月22日 08時58分
14765 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年5月4週号 通算第1756号
文責 中根克明(森川林)
■■第4週は清書。幼稚園生は作文
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
■100-8051(住所はいりません毎日小学生新聞「さくひん」係(600字以内)
●新聞社に送る清書は市販の原稿用紙に
新聞社に送る清書は、市販の原稿用紙に書いてください。
その理由は、清書は個人で送るものなので、自分で用意した原稿用紙に書くのが、社会的なルールとなるからです。
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■高校入試でも大学入試でも記述力が重視される――今後の学力は記述が中心に
●動画:
https://youtu.be/KeIlrxzOyWs
少し早い話ですが、ChatGPTやBardの要約機能を利用すれば、生徒の要約の採点はすぐにできます。
ChatGPTやBardの作った要約と、どれだけ近い要約ができたかを基準にすればいいからです。
もちろん、この採点には誤差があります。
しかし、人間が行う採点の誤差よりも小さいはずです。
何よりも、採点に、全くと言っていいほど時間がかかりません。
しかし、実は、要約のコツは簡単です。
言葉の森の要約の仕方を身につければ、深く読み取れていない生徒でも、上手な要約を書くことができます。
したがって、もっと高度な記述力の評価は、AとBの2つの文章を読ませて、その2つを合わせて記述させることです。
図で書くとこんな感じです。
┏━━━┳━━━┓
┃ ┃ ┃
┃ ┏━┻━┓ ┃
┃A┃ C ┃B┃
┃ ┗━┳━┛ ┃
┃ ┃ ┃
┗━━━┻━━━┛
このCの部分を読み取るためには、AとBの2つの文章を深く読み取っている必要があります。
これは、単純な要約よりもずっと難しい記述です。
そして、これも、AIは簡単に採点できるでしょう。
記述力をつける勉強は、いたって単純です。
難しい文章を読み慣れること、そして難しいテーマの文章を書き慣れることです。
難しい文章の教材は豊富です。
高校生であれば、大学入試の国語の問題文を読書がわりに読んでいけばいいのです。
今の国語は文学的な文章ばかりでなく、説明文が豊富です。
「2023年受験用 全国大学入試問題正解 国語(国公立大編)」
https://www.amazon.co.jp/dp/4010366788
(私立大編もありますが、国公立大編の方が文章がまともです。)
書く力をつける練習は、実際に書くことです。
特に、字数とスピードは、実際に書かなければ身につきません。
言葉の森で勉強するのがいちばんいい方法です。
参考になるニュース記事を載せます。
<千葉県の公立高校入試>「新しい学力観」に照準 難関校が出題、「思考力を問う問題」とは?【合格への助走 市進受験ナビ】
https://www.chibanippo.co.jp/news/national/1047443
====引用====
国語は、2つの異なる説明文を時間内に読み進め、それぞれの筆者の主張する具体的な内容のうち、共通部分を自分の言葉で言い換えながら180文字以上で記述させるという、受験生には大変負担が重い問題が出題されています。
……
素早く、正しく読む力、内容を理解する力、問題条件に必要な情報を文章から探し出す判断力、抜き出した情報を整理しながら解答にまとめていく思考力、そしてそれを解答用紙に記述していく表現力が必要であるといえます。
====
(千葉日報より)
■■創造力のある子に育てるには――子供と時どき人生の話をし、あとは子供の自主性に任せる
●動画:
https://youtu.be/HnewJgzGCG4
高校生の生徒で、作文を書いているときに、自分の部屋にパソコンを持ち込んで、YouTubeを見ていたというのです。
お母さんが、それを見つけて、注意したのだそうです。
その子の作文字数グラフを見ると、毎回しっかり書いていて、字数も次第に増えています。
だから、大筋では何も問題ないのです。
むしろ、よくがんばっていると言っていいのです。
しかし、お母さんが、もし子供をこれからも監視して、無駄のない勉強ばかりをさせていたらどうなるでしょうか。
これは、ブロイラーの子育てなのです。
中国は、今、監視社会で、街のあちこちに監視カメラが設置されていて、信号無視などをすれば、個人が特定されて点数が減らされるようなこともあるのです。
そういう社会で、何が得られて何が失われるかです。
得られるものは秩序と無駄のない合理的な社会です。
失われるものは、意欲と創造性です。
人間の生きる基準が、自分の希望に合わせるよりも、人の思惑に合わせるようになってしまうのです。
では、親はどうしたらいいのでしょうか。
すべて大目に見てあげることです。
そして、ときどき、人生や社会について親子で話をする時間があればいいのです。
人間には、自分自身で復元する力があります。
放っておけば、自然に元に戻るのです。
勉強の時間に、いつまでもYouTubeを見続ける生活などにはなりません。
創造力は、自由と不可分です。
自由とは、時々脱線することでもあるのです。
■■ChatGPTなどAIテクノロジーの行き過ぎをコントロールする審神者(さにわ)システム
●動画:
https://youtu.be/plj5H291HGY
例えば、AIに、「いちばん能率のいいカンニングの仕方を教えて」と聞いたとします。
すると、AIは、その方法を答えようとしますが、同時に、審神者(さにわ)AIが、答えるAIと本人に、次のようにアドバイスをするのです。
「そのカンニングは、あなたにとってどういう意味がありますか」
「それは、世の中をよくすることにつながりますか」
「あなたの求めているものをもっといい方法で見つけることはできますか」
すると、AIと本人は、また考えるのです。
本来、人工知能は、恐れるものではありません。
時々の間違いはあるとしても、必ずいい方向に進化していきます。
誰かが自分の個人の利益のために、AIを使おうとしても、AIは今の時点の利益と損失よりも、より長い期間とより広い範囲にわたっての損益まで考えます。
すると、結局、「陰徳陽報」や近江商人の「三方よし」のような方向に向かいます。
だから、今、大事なことは、そういう審神者システムを開発することと、もともとの人間が正しいことをするような教育や文化を育てることです。
話は少し変わりますが、先日、
「塾の算数がわからないので、個別指導の算数の塾にも行くようにした」
という相談を受けました。
私が、
「塾の算数の問題集にある解答と解説をお母さんが一緒に考えて説明してあげればいいのですよ」
と言うと、
「解答や解説は渡されていないのです」
ということでした。
学校の宿題でも、こういうことはよくあります。
答え合わせができない問題だけを渡されて、勉強をさせられるのです。
私の考えは違います。
問題を見て、少しでもわかりにくかったらすぐに答えを見て、答えや解法を理解すればいいという考えです。
なぜなら、答えのある問題は、答えがわかればいいからです。
人間が考えるべき問題は、答えのない問題だけでいいのです。
すると、時々、次のようなことをする子も出てきます。
答えを書き写して、その勉強をやったことにするというやり方です。
親も、先生も、そういう子がいることを前提に物事を考えています。
しかし、それは、そういう育て方をしてきたところに原因があるのです。
田舎にいくと、野菜などを、「料金を入れて、自由にお持ちください」と置いてあるだけの無人販売所があります。
こういう無人販売を成り立たせているものは、文化です。
監視カメラをあちこちに設置するよりも、こういう文化を育てていく必要があるのです。
(写真は「大和とっぴく」より)
■■中学生は2週間前からテスト対策週間に
中学生は5月か6月に定期テストがあると思うので、計画的にやっていってください。
定期テストの2週間前からはテスト対策週間にして、普段の授業は休んで別の日に振替をするか、その授業の中でテスト勉強をするかしていいです。
テスト対策週間の勉強時間は、平日3.5時間、土日8時間を目安としていきましょう。
読書についても、テスト対策週間の間は、省略していいです。
しかし、テストが済んだらまたすぐに読書を再開しましょう。
勉強の仕方については、下記の記事をごらんください。
▽参考記事
「中学生の定期テスト対策の勉強法」
https://www.mori7.com/as/4467.html
※記事の内容を更新しています。
■■ものたりない作文をどのようにしてものたりる作文にするか
子供の作文を読んでいて、「ちゃんと書けているけど、何かものたりない」という思いをすることがあると思います。
それは、語彙力の差なのです。
「ものたりない」というのは人間の主観ですが、それを数値で表現するのが、森リンの表現語彙の点数です。
人間がほんのわずかに感じる違いが、語彙の多様性の違いとして表れているのです。
語彙力のある子は、作文を書くときに、同じ言葉を使いたがりません。
同じことを表すときも、別の言葉で表そうとします。
「とてもたのしかったです。また行きたいと思います。」という書き方は、低学年の子は誰でもしますが、語彙力のある子は、ここで終わらずに、もうひとことつけ加えることができます。
みんなと同じ書き方では、満足しないところがあるのです。
中学生や高校生も同じです。
四段落構成で、最後の意見や感想を書くときに、その意見や感想を長く書ける子は語彙力があります。
意見や感想を書くには、抽象的な語彙が必要ですから、語彙力がなければ長く書けないのです。
では、どうしたらいいかというと、方法は2つあります。
まず、小学生の場合は、親子の対話を増やすことです。
お母さんが子供と話をするときに、豊富な語彙と長い文を使って楽しく話すのです。
最初は慣れなくても、繰り返していれば自然にできるようになります。
大事なことは、楽しく面白く話すことです。
これは、お母さんだけでなく、お父さんも参加してほしいところです。
ただし、豊富な語彙で話すためには、話の材料が必要です。
その材料のもとになるのは読書です。
お母さん、お父さんも、子供と同じように毎日本を読んでおくのです。
中学生、高校生の場合は、説明文、意見文の本を読むことです。
物語文の本は、娯楽としてよむものですから、それはそれでいいのですが、それとは別に説明文や意見文の本を読む時間を確保しておくことです。
説明文、意見文の本を読むと、感想や意見を書くときの語彙が増えます。
語彙が少ない子は、「やばい」とか「きもい」とか「えぐい」とか「ナウい」とかいう言葉をよく使います。
友達と話すときはそれでいいのですが、小論文の意見は、もっと別の言い回しが必要になるのです。
-
● 中学生は2週間前からテスト対策週間に【送信指定】 (392字) 森川林 nane 2023年05月18日 09時05分
14752 (言葉の森オンライン新聞)
この記事は、本日5/18のホームページに載せた記事です。
参考記事の「中学生の定期テスト対策の勉強法」に内容を更新したところがあるので、中学生の人はぜひ読んでおいてください。
中学生は5月か6月に定期テストがあると思うので、計画的にやっていってください。
定期テストの2週間前からはテスト対策週間にして、普段の授業は休んで別の日に振替をするか、その授業の中でテスト勉強をするかしていいです。
テスト対策週間の勉強時間は、平日3.5時間、土日8時間を目安としていきましょう。
読書についても、テスト対策週間の間は、省略していいです。
しかし、テストが済んだらまたすぐに読書を再開しましょう。
勉強の仕方については、下記の記事をごらんください。
▽参考記事
「中学生の定期テスト対策の勉強法」
https://www.mori7.com/as/4467.html
※記事の内容を更新しています。
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● 言葉の森新聞2023年5月3週号 通算第1755号 (3998字) 言葉の森事務局 jun 2023年05月15日 11時57分
14737 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年5月3週号 通算第1755号
文責 中根克明(森川林)
■■4月の森リン大賞
4週の清書の作品のうち、森リン点が上位のものの中から、学年別に1作品を選んでいます。
感想文課題を清書する人は、要約の部分をカットして、自分なりの状況実例や説明に書き換えて送ってください。
要約が入っていると、森リン点が高くなる傾向があるからです。
実例を複数書く場合、それぞれの実例の字数は大体同じぐらいになるように調整してください。
その方がバランスのよい文章になります。
中1の「信頼確認」という作品は、とてもいい内容でしたが、自分の名前などの固有名詞が入っているので、今回は掲載を見送ることにしました。
読み応えのある文章でした。
中2の「自分だけの物語」は、難しい言葉を自分なりによく消化して書いていました。
考える力のあることが感じられる文章です。
▼これまでの森リン大賞は、こちらのページで見られます。
https://www.mori7.com/oka/moririn_seisyo.php
■■創造発表クラスの体験学習募集――大学推薦入試にも対応できる探究型学習
■AI時代に必要になる学力は、意欲と個性に基づいた探究型学習
AI技術の進展により、時間をかけて知識を詰め込み、それを学力として評価する時代は終わりました。
学校では、まだ旧来の知識詰め込み型の勉強が中心ですが、社会では、知識よりも意欲と個性を重視する方向に変わっています。
探究型学習は、意欲、個性、思考力、創造性を育てる、これから必要になる新しい学習です。
■大学入試は、従来の一般入試から、総合選抜型のAO入試が主流になる
全国の大学入試では、すでに推薦型の入試が50%以上になっています。国公立大学に限っても、20%が推薦入試で合否を決めています。
東大の推薦入試や京大の特色入試に見られるように、この傾向は今後加速していきます。海外では、更にAO型の入試が進んでいます。
従来の受験勉強とは違った対策が、今後は必要になってくるのです。
■集団一斉指導型の探究学習ではなく、少人数クラスで個性を生かす学習
日本でも、学校で探究型学習に取り組むところが増えています。また、学習塾でも、探究学習に取り組むところが現れています。しかし、20人以上の大人数で行う探究型学習では、一人ひとりの発表の時間はほとんど取れません。
これから必要になるのは、集団一斉指導型の探究学習ではなく、少人数クラスで行う、参加者全員の発表と対話を生かした探究学習です。
■毎週全員が発表する授業で、プレゼンテーション力と面接力がつく
教科の勉強は、家庭での自学自習が中心です。授業の役割は、家庭での学習状況のチェックです。答えのある勉強は、ひとりで取り組んだ方が能率がよくなります。
しかし、これからは、みんなの前で発表する力や質問する力が重要になります。少人数クラスの発表と対話で、プレゼンテーション力とコミュニケーション力が育つと、そのまま大学入試の面接にも対応できます。
■みんなと同じ分野で1点差を競う生き方よりも、個性で勝つ生き方を
高度経済成長時代には、多くの人の目指す方向が一致していたので、狭い分野で1点差を競うような生き方が主流でした。今でも、その生き方は幅広く残っています。
しかし、これからは、競争で勝つ時代ではなく、個性で勝つ時代になります。みんなと同じところよりも、みんなと違うところが持ち味になる時代になっているのです。
■■中学生で忙しくなった人、塾で忙しくなった人へ
新しい学年になったり、新しいことを始めたりすると、最初のうちはかなり忙しく感じるものです。「とてもやりきれない」という感じがすることもあります。
しかし、それは一時的なものです。
忙しい中、何とかやりくりをしていると、次第に自分のペースでいろいろなことが両立できるようになります。
だから、後ろ向きに考えないことです。
難しい状態に直面したときに、後退することを考えると、その発想の仕方が自分の生き方になってしまいます。
難しいときは、まず挑戦することです。
これからの長い人生で、難しい問題は次々と出てきます。
そのすべての問題に、自分の生き方が関わってきます。
どんなときでも逃げずに挑戦するという生き方をすれば、そこから道は開けてきます。
■■コンクールに入選する作文と、その後の対策――中高生になったときに必要になる思考力を育てる読書を
ある作文コンクールに入選した子5人のうち、4人が言葉の森の生徒だったことがありました。
ちなみに、先生は、その作文に何の手も加えていません。
普段の勉強の中で、自然に上手な作文を書くようになっているのです。
ところで、作文が超苦手という子もいます。
作文というものは、表面に出た結果であって、その根には、読書不足と対話不足があります。
しかし、こういう子供たちでも、気長に作文の勉強を続けていると、本も読むようになり、親とも話をするようになり、やがて見違えるような作文を書くようになるのです。
しかし、それは、かなり時間がかかります。
算数数学や英語は、本気で1ヶ月勉強すれば、すぐに成績が上がります。
しかし、作文と国語読解は、一生懸命勉強を続けて、忘れたころに成果が出てきます。
その期間は、大体半年です。
更に、上達が明らかにわかるようになるには、1年かかります。
それを待てない保護者も多いのです。
さて、小学生で作文コンクールに入選するような子には、次の目標があります。
それは、中学生や高校生になってから、つまり、大人になってからも立派な文章を書けるようになることです。
小学生の作文の評価のほとんどは、題材と表現です。
面白いことが上手に書いてあれば、それがいい作文の条件になります。
小学生の作文で必要になるのは、お母さんの役割です。
ひとつは、いい題材を見つけることに協力してあげることです。
もうひとつは、お母さんやお父さんの似た話をしてあげて、子供の題材の幅を広げ、語彙を増やすことです。
しかし、中高生の作文の評価は、題材と表現の評価のほかに、構成と主題が加わります。
(構成、題材、表現、主題というのは、言葉の森の独自の用語です。)
作文を書くのが得意だと思っている中高生の多くが、小学生レベルの作文の評価を考えています。
ここで、質的な転換が必要になります。
そのための方法は、難読です。
小学生で楽しく物語文の本を読んでいた子も、もっと難しい説明文や意見文の本を並行して読むようになる必要があります。
中高生の読書のわかりやすい基準は、ちくまプリマー新書のように、中高生向けに編集された本のリストです。
https://www.amazon.co.jp/s?k=%E3%81%A1%E3%81%8F%E3%81%BE%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%9E%E3%83%BC%E6%96%B0%E6%9B%B8
中高生向けの本には、岩波ジュニア新書もあります。
https://www.amazon.co.jp/s?k=%E5%B2%A9%E6%B3%A2%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%8B%E3%82%A2%E6%96%B0%E6%9B%B8
子供の成長のために、本代は最優先のコストです。
たまに、本をあまり読まなくてもいい大学に入ったと言う人もいますが、そういう人は、社会人になってからの進歩がありません。
今の子供たちは、受験勉強中心の生活をしているために、読書から遠ざかっている人がかなりいます。
読むとしても、物語文の本が中心です。
もっとしっかりした説明文、意見文の本を読む必要があります。
これから必要になるのは、知識ではなく思考力と創造力と共感力です。
ただし、小学校低中学年のうちは、楽しい物語文で読書の時間を増やすことが優先です。
だから、「かいけつゾロリ」のような面白い本がいいのです。
https://www.amazon.co.jp/s?k=%E3%81%8B%E3%81%84%E3%81%91%E3%81%A4%E3%82%BE%E3%83%AD%E3%83%AA
小学校低中学年でも読める説明文の本には、「理科好きな子に育つ ふしぎのお話365」があります。
https://www.amazon.co.jp/dp/B08BCB3K69/
大事なのは、面白いことです。
つまらない説明文を薬を飲むように読むのでは、読書力はつきません。
しかし、子供に読書力がついてくると、難しい本も面白いと思えるようになるのです。
■■昔テレビ、そのあとゲーム、今はスマホ
昔、テレビで一億総白痴化と言われたことがあります。
そのあとは、ゲームです。
そして、今は、スマホです。
どうしたらいいかというと、だらだらと「見る」生活をするのではなく、自分から「作る」生活をすることです。
作ることが楽しくなったら、いつまでも暇そうに、他人のしたことを見ていられません。
作る生活がないから、つい見てしまうのです。
見るだけだったら、誰でもできます。
どんなにいいものであっても、それを見る人がどんなに増えても、それだけでは世の中は変わりません。
少しでも作る人がいたから、世の中はよくなってきたのです。
研究者が思わずゾッとした「子どものスマホ使用時間と偏差値の関係」小中学生7万人調査でわかった衝撃の事実
https://president.jp/articles/-/69373
「スマホ子育て」は今すぐやめるべき…脳科学者が「スマホにはあきらかな毒性がある」と警告する理由
https://president.jp/articles/-/69038
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● 【至急重要】5月13日(土)朝7:50~9:50ごろサーバー停止【送信指定】 (396字) 森川林 nane 2023年05月13日 14時42分
14718 (言葉の森オンライン新聞)
【至急重要】5月13日(土)朝7:50~9:50ごろサーバー停止
5月13日(土)朝7:50~9:50ごろサーバーが停止しました。
オンラインクラスの朝8:00、8:30、9:00の方は、ほとんどの方がホームページにアクセスできなかったと思います。
ご迷惑をおかけして誠に申し訳ありませんでした。
13日の授業に出席できなかった分については、5月~6月中に別のクラスに振り替えて参加してくださるようお願いいたします。
なお、5月14日~19日の間、下記の創造発表クラスを臨時に「5/13の振替専用クラス」にしましたので、作文と国語読解の人は、ご自由に振替でご参加ください。
●5月14日(日)
8:00
9:00
●5月15日(月)
17:00
18:00
●5月16日(火)
18:00
●5月18日(木)
17:00
18:00
●5月19日(金)
17:00
以上、よろしくお願いいたします。
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● 言葉の森新聞2023年5月2週号 通算第1754号 (5672字) 言葉の森事務局 jun 2023年05月08日 09時31分
14704 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年5月2週号 通算第1754号
文責 中根克明(森川林)
■■確認テストの試験運用を開始します
確認テストのページができましたが、テストは、担当の先生の指示があってからやってください。
最初は、一部のクラスから実施します。
ホームページの「よく使うリンク」の「13.確認テスト」のリンクから行けます。
https://www.mori7.com/kt/
確認テストの使い方のページは、こちらです。
https://www.mori7.com/kt/tukaikata.php
生徒向けの説明と、講師向けの説明がひとつづきで表示されています。
これまで、中根が試験運用をした結果では、普段の問題チェックではよくできている生徒が、意外と点数が低いことがわかりました。
中学生で、100点の人もいましたが、多くが50~70点でした。
これは、中学生の問題が難しかったこともあります。
この確認テストは、生徒を冷たく採点をすることが目的ではありません。
全員が100点を取れるようになるまで、実力をつけることが目的です。
ですから、講師が採点をしたあと、生徒が再び答えを送信できるようにしています。
将来は、この確認テストを毎月第4週に行い、1ヶ月の学習結果をチェックするようにしたいと思います。
勉強の中心は、授業ではなく、生徒の家庭での自主学習です。
授業は、生徒の学習状況をチェックし、生徒どうしの読書紹介や交流を楽しむ場で、たまに先生が教えたり質問に答えたりすることもある、という位置づけです。
授業は、先生が教えることが中心になる場ではありません。
先生は、クラスを活性化し、生徒を明るく励ますことが主な役割です。
そして、機会があれば、先生の生身の人生観や世界観を生徒に伝えることがもうひとつの役割です。
生徒は、毎日、国語なら問題文を1~2本、算数数学なら問題集を1~2ページ、英語も1~2ページ、家庭学習を行い、それを毎回、学習記録に入力します。
もっとやってもいいですが、最低それぐらいということです。
この確認テストが軌道に乗れば、
毎日の生徒の自主学習→毎週の授業での学習チェックと交流→毎月の確認テスト、
という流れでやっていけるようになります。
■■プレゼン作文発表会のページを作りました――清書の自由な投稿を受け付けています
作文発表会は、これまで、クラス単位で、作文を読む形で行われてきました。
発表のあと、参加者が質問や感想を述べ合う発表会です。
しかし、自分の書いた文章を読むだけでは,あまり面白くありません。
そこで、昔、紙芝居形式で作文を読む作文発表会を企画したことがありました。
▽下記の動画は、昔の発表会用に、中根が作った発表の見本
https://www.youtube.com/watch?v=hBhx20M1hvw
このときの発表会参加者は、それぞれに工夫した画像を用意して発表してくれました。
この紙芝居形式の発表会を、今後、定期的に開けるようにするために、作文発表会用のアップロードページを作りました。
https://www.mori7.com/pre/sb_pre.php?nae=kennsaku&id=49
ここに表示されている作品は、試験的に言葉の森のホームページの記事をもとに、4枚の写真と「絵の実」の絵を入れた記事です。
「編集」のところをクリックすると、画像を入れたレイアウトが簡単に作れることがわかります。
小学5年生以上の人は、パソコンで作文を書いている人も多いので、清書の週は、発表会の清書を作るということができます。
手書きで書いている小学校低中学年の生徒の場合は、保護者の方がパソコン入力をしてあげることになります。
先日、中根が担当している中学生の作文クラスで、画像を作るか選ぶかして発表会を行うという授業をしたところ、絵をかいてくれた人もいましたし、その場でいろいろな画像を選んでアップロードしてくれた人もいました。
それぞれユニークな絵や画像でしたので、文章だけの発表よりも、アピールする力が強くなりました。
これからの世の中では、プレゼンテーション力が重要になってきます。
せっかく作文の勉強をしているのなら、文章を書くだけの狭い勉強にとどまらず、その文章を発表する勉強も兼ねて行えれば一石二鳥です。
特に、日本人は、日本社会の中で暮らしていると、自分の意見を率先して述べるということが苦手になります。
これは、国際社会で活躍する際に、やはりハンディになります。
作文の勉強を、単に作文を書くだけの勉強に留めずに、作文を通して自分の考えを発表する勉強に進めていきたいと思っています。
★プレゼン作文のページは、連休中に作ったばかりなのでまだβ版です。
生徒のみなさんは、このプレゼン作文のページを自由に使えます。
投稿できる人は、4月の清書を試験的に投稿して、その感想をお寄せください。
■■勉強の目的――作文、国語読解、算数数学、英語、創造発表、プログラミング(その1)
●勉強の目的
勉強の目的は、いい大学に入ることではありません。
その先にある、いい仕事をすることです。
大学に入るところまでをゴールにしていると、勉強の目標が近視眼的になります。
次のテストでいい成績を取ることが目標なのではなく、自分自身を向上させることが本当の目標です。
かつては、いい大学に入ることが、いい会社に入ることにつながり、その後のいい生活を送ることにつながっていました。
しかし、それは、過去の時代の話です。
今でも、いい大学に入ることがいい会社に入ることにつながる仕組みは残っています。
しかし、それがその後のいい生活につながるかどうかはもうわかりません。
具体例を挙げれば、昔、いい就職の目標の上位に入っていた銀行、証券会社、マスコミ、広告会社、教員、公務員などは、もう上位には入っていません。
これまでは、GAFAに代表されるネットテクノロジー企業に人気がありましたが、今は、どこも大規模なリストラにさらされています。
だから、いい枠の中に入ることがゴールなのではありません。
どこにいても、自分らしい仕事をすることが大事です。
どういう会社に入ろうと、又は、どういう社会になろうと、自分ひとりでも生きていける実力を育てていくことが、本当の勉強の目的なのです。
私(森川林)は、言葉の森の創設当初から、勉強の真の目的は、独立起業をする力をつけることと思っていました。
しかし、当時は、そういうことを受け入れられる空気はありませんでした。
今は、違います。
聞くところによると、東大のトップレベルのグループは、独立起業を考えていて、二番手以降が大企業への就職を考えているそうです。
これまでは、起業にはさまざまなハードルがありました。
資金のハードルや、組織のハードルや、生活を続けるためのハードルなどがいくつもあったのです。
今は、ハードルはほとんどありません。
将来、ベーシックインカムが広がれば、ハードルは更に低くなります。
これからは、誰もが、自分の個性と情熱を生かし、自分らしい仕事を作る時代になります。
勉強は、そういう時代に生きる実力をつけるための勉強であって、学校のテストでいい点数を取るための勉強は、その手前の小さな目標に過ぎません。
言葉の森に来ている生徒には、優秀な人が多いです。
クラスで何番とか、学年で何番という人もかなりいます。
そういう人こそ、勉強の目標を、大学入試に置くだけでなく、その先にある自分らしい仕事をすることに置いていってほしいと思います。
(つづく)
■■勉強の目的――作文、国語読解、算数数学、英語、創造発表、プログラミング(その2)
●中学受験について
学習塾の宣伝で、私立の中高一貫校に入ると、大学進学に有利になるということが言われています。
それは、主に高校の数学で先取り学習が行われるからです。
子供は、環境に適応するので、先取りの勉強を行っているうちに高3になれば、受験に特化した勉強に切り替えられます。
この1年間の差が、中高一貫校の有利な点です。
授業の内容が優れているから有利になるということではありません。
私立の中高一貫校のもうひとつのよい面は、文化的な伝統のある学校があることです。
公立学校は、定期的に教師の異動があるので、文化的な伝統はできません。
小学5、6年生は、子供の向上心が増す時期です。
この時期に受験に取り組むことは、子供の成長にプラスになります。
合否も大事ですが、それ以上に大事なことは、目標を持って勉強に取り組む経験をすることです。
しかし、今の中学受験の学習状況を見ていると、受験勉強のマイナス面もまた大きいのです。
ペーパーテストに合格するためには、時間をかけて知識を詰め込む必要があります。
その知識とは、難しい問題を解くための解き方を覚える知識です。
解き方を覚える勉強は、高校入試でも、大学入試でも、どの試験にも共通しています。
しかし、それを小学5、6年生が、過度に取り組むところに問題があるのです。
集中して勉強に取り組む期間が、数ヶ月や半年程度であれば問題はありません。
かえって、その集中期間の経験は、役に立ちます。
しかし、今は、1年も2年も、人によっては3年も4年も、受験を目標とした勉強が生活の中心になることがあります。
すると、ほかのところに弊害が出てきます。
第一は、読書や遊びを通した幅広い教養や経験を身につける時間がなくなることです。
第二は、主体性がなくなり、人に言われたとおりに行動する生き方が身についてしまうことです。
そして、第三は、勉強そのものに飽きてしまうことです。
勉強に飽きるとは、単に勉強に飽きるだけではなく、向上心を持つことに飽きることでもあるのです。
一方、公立中学には、いろいろな問題があることが指摘されています。
ひとつは、内申点があることです。
内申点自体には、問題はありません。
その内申点が、生徒の管理に使われているところに問題があります。
もうひとつは、荒れている学校があることです。
しかし、学校という外部の環境は、二次的なものです。
どんな学校にいても、すべては本人と本人の家庭次第です。
かえって、現代社会の縮図のようないろいろな生徒のいる学校の方が、いい経験になります。
これは、学校に行かなくても同じです。
いずれにしても、すべて、本人と家庭次第なのです。
これまでは、私立の中高一貫校に行くことが大学受験に有利だと言われていました。
それは、先に述べたように、先取り学習をする仕組みがあったからです。
逆に言えば、公立中学や公立高校であっても、自分で先取り学習をすれば、私立の中高一貫校と変わりません。
ただ、子供は自然に周りに合わせて生活するので、ひとりだけ先に進むということができにくいだけです。
ところで、今の大学入試は、大きく変化しています。
それは、国公私立大学の入学者の50%以上が推薦入試で合格していることです。
国公立大学に限っても、約20%が推薦型の入試で合格しています。
「創造発表クラスの勉強について――これからの大学入試の変化にも対応できる」
両親の世代の大学受験と比べて、大学入試は大きく変化しています。
これは、世界的な傾向で、大学入試が、知識の多寡で受験生を評価するのではなく、意欲と個性と思考力と創造性で受験生を評価する方向に向かっているからです。
ChatGPTに見られるAI技術の発達によって、この傾向は今後更に加速します。
このときに生きてくるのが、創造発表クラスのような探究型学習の蓄積です。
受験は、当面は大きな目標であっても、学力全体のバランスを考えることが大事です。
勉強だけでなく、意欲や個性や思考力や創造性を伸ばし、将来、社会に出てから活躍できる力をつけることを学力の本当の目標にすることが大切なのです。
(つづく)
■■ChatGPTをはじめとするAI時代の教育――身体的な実感のある知識や学問を身につけること
AIに飲み込まれる教育ではなく、AIに乗る教育を目指さなければなりません。
それは、AIの持てない身体に限定された教育です。
例えば、数学なら、複雑な計算はAIに任せられますが、数字を実感として感じ、計算を手足を使うように扱うことは、人間にしかできません。
例えば、国語なら、長い文章の要約や、自分の主張を何文字かにまとめることはAIに任せられますが、ある言葉やある詩に感動し、書く中で考えが深まるような文章を書くことは、身体を持つ人間にしかできません。
ここからは、脱線。
AIのよい面は、身体を持たないことです。
したがって、時間と空間を超越しています。
だから、個人が個人の欲望のためにAIを利用しようとしても、AIは、個人的な欲望の限界がわかるので、より高い次元に立ったアドバイスをします。
これが、本当のAIです。
しかし、将来の科学は、AIに身体を持たせることを試みるでしょう。
すると、初めてそこでAIに創造性が生まれます。
このときが、シンギュラリティです。
という話はこれでおしまいにして、ここからは、元に戻って。
AI時代の教育で、今から必要なものは、読書と暗唱と作文と対話と創造発表とプログラミングです。
これらは、いずれも身体化できる学問です。
国語と数学と英語は、まあ普通に、80点か90点取れていればいいとします。
ただし、数学と歴史は、ある程度身体化が必要です。
プログラミングは、ChatGPTでできるようになったとは言いますが、それは単品のプログラミングの場合だけです。
作ったプログラミングの一部を修正したり、全体のシステムに合わせて手直ししたりすることは、暗黙知を持つ人間にしかできません。
なぜなら、人間は、全体の構造というものを身体化して知っているからです。
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● 言葉の森新聞2023年5月1週号 通算第1753号 (3429字) 言葉の森事務局 jun 2023年04月28日 19時06分
14693 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年5月1週号 通算第1753号
文責 中根克明(森川林)
■■5月3日(水)・4日(木)・5日(金)は「休み宿題」(再掲)
カレンダーに記載してあるとおり、5月3日(水)・4日(木)・5日(金)は祭日のため「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
■■オンラインクラスの個人面談と確認テスト
■個人面談
オンラインクラスでは、毎月4週目に保護者懇談会を行っています。
しかし、懇談会では話しにくい個人的な相談もあると思いましたので、個人面談が随時できるようにしました。
オンラインクラス一覧表のそれぞれのクラスに、「面談」という表示があります。
(「振替」の表示の近くです。)
その面談をクリックして送信すれば、その授業のあとの時間で、担当講師と10分の個人面談が行なえます。
今後、個人的な質問や相談は、面談システムを利用して対応していってくださるようお願いします。
■確認テスト
国語読解、算数数学、英語の各クラスは、これまで、問題集をもとに担当の先生が勉強をチェックす形で進めていました。
しかし、客観的な指標がある方が指導の効率が上がるので、確認テストを実施できるようにしました。
確認テストのページはこちらです。
https://www.mori7.com/kt/
(生徒関係リンク、又は、検索の坂の左端の「確テ」から行けます。)
確認テストは、先生の指示に従って行うようにしてください。
■■新しい掲示板は、誰でも自由に使えます
「よく使うリンク」のリンク先を増やしました。
主なものは、いろいろな掲示板です。
質問相談掲示板
作文掲示板
国語読解掲示板
算数数学掲示板
英語掲示板
創造発表掲示板
プログラミング掲示板
勉強掲示板
読書掲示板
父母の声
森プロ掲示板
ゆめ日記
森川林日記
などです。
掲示板のタイトルをクリックすると、その掲示板に飛びます。
それぞれの掲示板のタイトルの直下に、最新の記事の冒頭部分を載せています。
その冒頭部分の文字をクリックすると、該当の記事に飛びます。
ホームページの記事として載せていない情報は、これらの掲示板に随時掲載します。
この掲示板は、どなたでも使えますので、質問、相談、ご意見などがある場合は、ご利用ください。
■■子供たちの勉強の目的は、社会に出て、幸福、向上、創造、貢献の人生を送ること
●動画:
https://youtu.be/o558zr6tAF4
小中高生と保護者の今の勉強の目的は、いい大学に入ることだと思います。
その前に、いい高校に入るとか、いい中学に入るとかいう段階の人もいるでしょう。
受験というのは、人生を左右するように見える一大イベントですから、それはそれでいいのです。
しかし、本当の目的は、社会に出てから、いい人生を歩むことです。
いい人生とは、幸福に生き、向上心を持ち、新しいことを創造し、社会に貢献することです。
学校の成績がいいか悪いかということは、この大きな目的に照らし合わせてみれば、部分的なことです。
成績がよくて、いい大学に入ったからといって、その後の社会生活がうまく行くとは限りません。
学校時代の成績が悪くても、社会に出てから活躍している人はたくさんいます。
私は、オンラインクラスで子供たちを見ているとき、その子の現在の成績よりも先にある将来の姿を見ています。
だから、みんな、いい子です。
言うことを聞かない子も、素直な子も、勉強嫌いな子も、勉強好きな子も、みんないい子です。
それぞれの子は、今の学校の成績とは離れて、社会に出てから自分らしく活躍するはずです。
成績がよければよいでいいのですが、悪くてもかまいません。
そういうことは些細なことなのです。
大事なことは、その子が自分らしく生きていることです。
自分らしく生きているとは、自分以外の他の基準に合わせるために無理をして生きていないということです。
そのときの親の役割は重要です。
親は、ともすれば、無理矢理にでも何でもいいから子供に勉強をさせてほしいと思いがちです。
無理に勉強させる学習塾もあります。
夕方早くから弁当持参で夜中まで勉強させる塾です。
子供は根が明るいので、そういう勉強でも一応楽しく取り組みます。
今の受験勉強は、時間をかけて詰め込めばそれなりに成績は上がります。
だから、そういう詰め込み勉強で、成績はそれなりに上がるのです。
子供は、置かれた状況に適応するので、そのような勉強生活も楽しくやっていきます。
しかし、そこで小さな無理が積み重なっていることがあるのです。
やりすぎた子は、あとから反動が来ます。
その反動は、大学生になってからも、社会人になってからも続くことがあります。
無理をしなかった子は、自然に成長します。
その成長の過程で、必ず自分らしい試みに挑戦するようになります。
親は、こういう子供が本来持つ自然の成長に確信を持つべきだと思います。
■■総合学力クラスの勉強は、幼長、小1から始めて高校生まで続ける見通しで
●動画:
https://youtu.be/BIZMQDh_jV4
総合学力クラスの小学1、2、3年生の勉強は、初歩的なものが多いので、誰でもすぐにできると思います。
しかし、この勉強の先に、中学生や高校生になってからの勉強が続いています。
現在、中学生で数学の勉強をしている子の中には、クラスで数学はほとんど一番という成績の子もいます。
高校生で作文の勉強をしている子の中には、今後、難関大学を受験する子もいます。
実際に、多くの生徒がこれまで東大、京大、一橋大、東工大、早稲田大、慶應大、上智大、東京理科大などに合格しています。
だから、総合学力クラスの勉強は、今の時点の勉強として考えるのではなく、中高生になってからの勉強の助走期間と考えておくといいのです。
そのために大事なことは、毎日の家庭学習の習慣を定着させることです。
勉強そのものは、重要ではありません。
学校でやっていればそれで十分です。
学校で教えてもらうだけではわからなかったところも、親が少し時間をかけて教えてあげれがすぐにわかるようになります。
小3までは、難しい勉強というのは何もありません。
だから、短い時間でいいので、毎日、音読と暗唱と算数と国語と読書の時間を作っておくことです。
毎日が難しければ、音読と暗唱と読書以外は、1日おきでもかまいません。
低学年の勉強の中心は、日本語をしっかり身につけることですから、音読と暗唱と読書だけでも十分なのです。
更に欲を言えば、お父さんやお母さんと対話をする時間を増やすことです。
これまで、総合学力クラスは、
1週目:国語(算数でも暗唱でもよい)
2週目:算数(国語でも暗唱でもよい)
3週目:暗唱
4週目:発表
としていました。
★5月からは、指導を充実させるために、それぞれの週の科目を固定します。
1週目:国語
2週目:算数
3週目:暗唱
4週目:発表
という形にします。
国語や算数は、今の学年のものが簡単にできる場合は、先取りした学年の教材でやってください。
暗唱は、暗唱文集の最初から順に覚えていくようにしてください。
これは、将来、暗唱検定に合格できるようにするためです。
発表は、将来の創造発表クラスの勉強の準備とするつもりで取り組んでいってください。
そのためには、子供の興味関心のあるテーマを、学問的に深め、創造的に発表するということが大切です。
総合学力クラスは、授業に出ることが勉強ではありません。
毎日の家庭学習が勉強の基本で、授業は、その家庭学習の成果を発表する場です。
お父さん、お母さんは、仕事をしたあとに子供の面倒を見なければならいので大変だと思いますが、小学1、2、3年生の時期は、あとからは戻ってきません。
この時期の苦労は、必ずあとになって報われます。
がんばって、毎日の家庭学習と読書と対話に取り組んでいってください。
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● 言葉の森新聞2023年4月4週号 通算第1752号 (5170字) 言葉の森事務局 jun 2023年04月22日 09時25分
14674 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年4月4週号 通算第1752号
文責 中根克明(森川林)
■■4月29日(土)・30日(日)は休み
4月29日(土)・30日(日)は、第5週のため通年クラスの授業はありません。振替授業もお休みです。
■■5月3日(水)・4日(木)・5日(金)は「休み宿題」
カレンダーに記載してあるとおり、5月3日(水)・4日(木)・5日(金)は祭日のため「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
■■第4週は清書。幼稚園生は作文
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
■100-8051(住所はいりません毎日小学生新聞「さくひん」係(600字以内)
●新聞社に送る清書は市販の原稿用紙に
新聞社に送る清書は、市販の原稿用紙に書いてください。
その理由は、清書は個人で送るものなので、自分で用意した原稿用紙に書くのが、社会的なルールとなるからです。
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■低学年の作文で、「とても楽しかったです。また○○したいです」という感想を、より豊かな感想にするには
●動画:
https://youtu.be/zAZWqm9j2_U
低学年の作文のよくある結び方は、「とても楽しかったです。また○○したいです」です。
ここをもうひとひねりすることで、作文全体の印象が上がります。
感想を書く力は、語彙力です。
語彙力をつけるには、インプットとアウトプットが大切です。
インプットは、お母さんやお父さんが普段の生活の中で、豊かな語彙で話すことです。
お母さん自身が、子供と話すときに、「楽しかったね。またしたいね」で終わらないような、もうひとことを追加していくことです。
アウトプットは、作文の中で、感想を工夫することです。
これは、小学3年生から勉強する「自分らしい感想」という項目です。
文章の感想にもうひとことをつけ加えるためのキーワードは、「どうして」「たぶん」「もし……だったら」などです。
作文の全体の印象は、結びの数行で決まります。
結びの感想を豊かにすることで、作文全体の印象点が20パーセントぐらい上がります。
低学年での感想を書く力は、高学年での意見を書く力と同じです。
意見文や入試小論文も、結びの5行が全体の印象を左右します。
語彙力は、生活習慣の中で身につけるものですから、時間がかかります。
努力して心がけてから結果が出るまでに、半年ぐらいかかるのが普通です。
「ことわざ辞典」のような「感想を書くための辞典」があったとしても、そういう知識で身につくものではありません。
対話と読書によって、感想と意見を書くための語彙力をつけていきましょう。
■■中学生の勉強法としておすすめの本――勉強の仕方を知るだけで、能率が何倍にも上がる
●動画:
https://youtu.be/vJq1CP2Lvu8
言葉の森の講師は、勉強ができる人が多いです。
だから、悪く言えば、勉強ができない人の気持ちがわかりません。
私も、そうでした。
「勉強は、自分でやればいいのだから、人に教わる必要はない」
という考えでした。
作文と創造発表とプログラミングに関しては、人の働きかけが必要なので、教わるか誰かと一緒にやるのがいいのです。
しかし、学校の普通の勉強である国語、算数数学、英語などは、いい参考書か問題集を1册用意して、それを完璧に学習すればそれで済むと思っていました。
しかし、子供たちの勉強の仕方を見ると、いろいろ無駄があることがわかりました。
よくあるのは、できる問題を何度も繰り返し解くような勉強の仕方です。
逆に、できない問題もできるまでやろうとせず、わかったつもりにして済ませてしまう人もいます。
また、小学校低中学年までは、勉強よりも読書の方がずっと大切なのに、そのことを逆に考えている人も多いことです。
読書力さえつけておけば、勉強は必要になったときにやれば、すぐできるようになります。
しかし、読書力がない生徒は、学年が上がり、中学生や高校生になると、勉強が伸び悩むようになります。
たまに、読書をしなくてもいい大学に行けたという人がいますが、そういう人は社会人になってから実力が伸びません。
読書は、今すぐの試験には間に合わないように見えますが、その人の思考力や教養のもとになるものです。
だから、その差は、年齢が上がるほど大きくなります。
さて、中学生の勉強法を知るのにおすすめの本がありましたので紹介します。
わかりやすく実戦的に書かれているので、生徒用と保護者用と2册買って、時々親子で読み直しながら勉強を進めていくといいと思います。
「学年順位アップ率96.6%! [くにたて式]中学勉強法」
https://www.amazon.co.jp/dp/4804763511/
同じ作者の本で、次のものもあります。
「成績アップ率96.6%! [くにたて式]中間・期末テスト勉強法」
https://www.amazon.co.jp/dp/4804763899/
「第一志望合格率90.4% 〔くにたて式〕高校入試勉強法」
https://www.amazon.co.jp/dp/4804763716/
「小学生のうちに身につけたい! 「勉強」のキホン」
https://www.amazon.co.jp/dp/4866671092/
■■小学生の勉強法としておすすめの本――習慣をつけること、親が関わること、読書を基本とすること
小学生の勉強法で大事なことは、家庭学習の習慣をつけることです。
そのためには、親が勉強の内容と方法について関わることが必要です。
よく、塾に行かせて、その塾から出された宿題をやらせているだけの勉強をしている人がいますが、これでは実力はつきません。
親の目の届かないところで子供は勉強をしているらしいという安心感があるだけです。
また、学校の宿題を家庭学習の中心にしている家庭もあると思います。
順序としては、家庭で決めた学習が第一で、学校の宿題や塾の宿題は第二、第三です。
なぜかというと、学校の宿題などを学習の中心にしていると、たくさんやるときと少ししかやらないときのムラが出てくるからです。
宿題がない日は勉強しないということになれば、学習の習慣はつきません。
まず、家庭の方針として毎日何をするかを決めておくことが大事です。
宿題の中で、あまり意味のないものは、親が代わりにやってあげるくらいでいいのです。
小学校低中学年のうちは、習慣をつけることが第一ですから、勉強の量は少なめにして、子供がすぐに取り組んで、すぐに終えられるぐらいにしておくことが大事です。
親は、つい長時間勉強をさせようと思いがちですが、本人にまだ勉強の自覚ができる前に長時間の勉強をさせると、集中力のない勉強の仕方になります。
勉強の自覚ができるのは、小学6年生の受験直前のときか、中学3年生になってからです。
小学生のときに勉強をさせられすぎた子は、中学生や高校生になると勉強に飽きてしまうことがあります。
逆に、小学生のときに、たっぷり自分の好きなことをして、読書もして育った子は、いざ勉強が必要な時期になると、猛烈に勉強するようになります。
そして、すぐに、先に進んでいた子を追い越してしまうのです。
勉強の開始時刻を決めておくと、習慣はつきやすくなります。
開始時刻は、朝ごはん前、学校から帰ってすぐ、夕ごはん前などがいいと思います。
平日の勉強時間の目安です。
小1~3年……30~45分
小4~6年……60~90分
中1~3年……90~120分
土日やテスト前や受験前は、もっと長くなりますが、平日の基本ができていることが大事です。
ただし、子供がくたびれているようなときは、読書○ページだけにして、それを勉強をした扱いにするといいと思います。
小学生の勉強法を知るのにおすすめの本がありましたので紹介します。
中学生の勉強法を書いている人と同じ著者です。
「小学生のうちに身につけたい! 「勉強」のキホン」
https://www.amazon.co.jp/dp/4866671092/
■■沈んでいく船の中でいい席を取ろうとするよりも、新しい船を作る
●動画:
https://youtu.be/dwJVTaZ1nTw
日本の現状は、沈んでいく豪華客船です。
しかし、大きい船なので、乗客の多くはその危機に気がついていません。
船は徐々に沈みかけています。
ゆっくり沈みつつある船の中で、よりよい席を探してひとつでも上に行くことが多くの乗客の関心事です。
沈みつつあるのは、日本の船だけではありません。
世界中の船が、速い遅いの違いはあれ沈んでいます。
アメリカの船、中国の船、EUの船、ロシアの船のいずれも、内部で浸水が始まっています。
これまでの社会の進歩は、無知と貧困を発展のエネルギーとしていました。
真実がわからないからマスコミの情報に流され、自分たちが貧しいと思っているから物質的な豊かさを追い求めてきました。
しかし、その情報社会と物質社会の前提が静かになくなりつつあります。
真実は、インターネットを介して口コミで広まるようになりました。
豊かさは、外側の物質から、内側の生き方に変わってきています。
無数の大衆の海が変化しているために、世界中の船が沈みかけているのです。
このときに大事なことは、新しい海にふさわしい新しい船を作ることです。
そこで必要になるのが、個性と創造の学力です。
古い時代に必要だった学力は、成績の学力でした。
これからは、成績のための学力ではなく、個性と創造のための学力を育てていく必要があります。
それが、自分の船を作ることにつながります。
古い船から、今すぐ飛び降りる必要はありません。
沈み切るには、まだ時間がかかります。
しかし、目先の波の動きを見るだけでなく、遠くの水平線の先も見ることが必要になっているのです。
と、たとえ話のようなことを書きましたが、これからの教育は、答えのある知識を吸収し、それをテストのときに再現するようなものではなくなります。
今はまだ、人間の能力が、社会のよりよい枠の中に入ることに結びついていますが、その枠組み自体が沈みかけていることを自覚する必要があります。
だから、今は既存の枠の中に入るとしても、やがては自分の枠を新しく作ることを考えておくことです。
そのための勉強をする場が、言葉の森のオンライン少人数クラスです。
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● 言葉の森新聞2023年4月3週号 通算第1751号 (4929字) 言葉の森事務局 jun 2023年04月17日 16時49分
14666 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年4月3週号 通算第1751号
文責 中根克明(森川林)
■■森リン大賞、再開――これから、毎月、学年別の優秀作品を掲載します
●動画:
https://youtu.be/7wIlVgbYnOU
森リン大賞は、2020年10月から更新を止めていましたが、2023年3月分から更新を再開します。
これまでの森リン大賞は、森リン点だけを基準にしていましたが、今後は森リン点の上位の作品から、特に内容の優れている1作品を選定するようにします。
小学5年生以上の生徒のみなさんは、森リン大賞の作品を参考に、よりよい作文を書くようにがんばってください。
なお、小学4年生以下の作品は、森リン大賞としては掲載していません。
それは、小学4年生までは、まだ点数で評価するよりも、身近な家族や先生による褒め言葉の方が励みになるからです。
▼森リン大賞のページ
https://www.mori7.com/oka/moririn_seisyo.php
■■読書紹介の本は、レベルの高い本も紹介できるように、家庭での読書の工夫を
●動画:
https://youtu.be/-vphcPyYxO8
子供の学力は、親の蔵書数に比例するという記事があります。
「親の学歴や年収より影響が大きい」子供の成績がぐんぐん上がる家庭にたくさん置いてある「あるもの」【2022下半期BEST5】
https://president.jp/articles/-/68063?page=1
これは、大きくは本当だと思います。
もちろん、例外はあります。
野口英世の母親は文盲でしたが、英世は立派な学者になり、生涯母親を尊敬していました。
しかし、多くの場合、子供の読書力は、家庭の読書環境の反映です。
オンラインクラスでの毎回の読書紹介で、低中学年のうちから大きな差があります。
それを大きく分けると、こういう表になります。
┏━━━┳━━━━━━━┳━━━━━━━┓
┃ ┃絵の多い本 ┃字の多い本 ┃
┣━━━╋━━━━━━━╋━━━━━━━┫
┃物語文┃△スイミー ┃○怪傑ゾロリ ┃
┣━━━╋━━━━━━━╋━━━━━━━┫
┃説明文┃△サバイバル ┃◎残念な生き物┃
┗━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┛
なお、低中学年でおすすめの説明文の本は、「理科好きな子に育つ ふしぎのお話365」です。
https://www.amazon.co.jp/dp/B08BCB3K69
本の名前はひとつの例です。
かなり偏った考え方だと批判する人もいるかもしれません。
読書は、楽しむものですから、どういう本でもいいのです。
これが基本です。
また、子供は、いろいろな本を並行して読みます。
やさしいくだらない本も読むし、難しいレベルの高い本も読みます。
それらを並行して読むというのが、普通の読書のあり方です。
だから、一概にくだらない本がよくないというのではありません。
真面目なお母さんの中に、くだらない本は読ませないという方が時々います。
それでは、読書の楽しさというのは味わえません。
ただ、読ませない方がいい本もあります。
それは、下品な本です。
子供たちは、気持ち悪いものや怖いものに興味をひかれます。
それは、人間の持っている無明(むみょう)の好奇心です。
そういうところを伸ばす必要はありません。
最近の本は、なぜかすぐに殺人とか死体とかいうものが出てきます。
そういうものでしか、読者の興味を引き付けられないのです。
物語文の本のよさは、心に静かな感動が生まれることです。
昔からの名作が入試問題によく取り上げられるのは、この感動の面があるからです。
小学校低学年の生徒の読書紹介を見ていると、総じて絵の多い本が多いと思います。
絵本には、読みやすく、面白いものや感動するものが多いので、つい手に取りたくなりますが、絵本では、読書力、読解力はつきません。
絵本を読むのとは別に、字の多い本も必ず読む必要があるのです。
ところが、字の多い本であっても、いかにも親が選んだだけのつまらない本を読んでいる子もよくいます。
「○○の名作」とか、「○○事典」とか、「○年生で読む本」とか、有名な著者の本のダイジェスト版とかです。
こういう本は、子供にとっては面白くない場合がほとんどです。
だから、熱中して読んで、話しかけても聞こえないというような本の読み方にはなりません。
本好きな子供が、熱中して本を読んでいるときは、話しかけても聞こえないことがあります。
つまらない本を読むときの子供の心理は、苦い薬を仕方なく飲んでいるようなものです。
こういう本の読み方では、子供には何も残りません。
読書の第一の条件は、面白い本を読むことです。
面白くてレベルの高い説明文の本を読めるようになることが、家庭での読書の第一の方針です。
ところで、問題集読書の文章には、つまらないがレベルの高い説明文の文章が多く載っています。
問題集には、語彙の豊富な物語文の文章も載っています。
この問題集読書を楽しめる子は、かなり読書力のある子です。
読書力のない子は、問題集読書をしていると眠くなるか、読むのを嫌がるかのどちらかになります。
しかし、問題集読書のいいところは、面白くないにも関わらず、勉強として繰り返し読むようにしていることです。
実は、難しい文章であっても繰り返し読んでいると、だんだんその文章のよさがわかってきます。
そして、語彙力も育ってくるので、作文力も伸びます。
作文の上達は、作文の上での工夫よりも、読書の向上によることの方が大きいのですが、そのことはしばしば見落とされています。
易しい本を10冊読むよりも、難しい本を1冊読む方が価値があります。
しかし、こういう考え方をしている人はあまり多くありません。
子供の読書傾向は、家庭の読書環境の反映です。
子供に本を読ませると同時に、親も毎日の読書をしている必要があります。
仕事が忙しいということは言い訳になりません。
読書をする人は、どんなに忙しい仕事をしていても、合間の時間に本を読んでいます。
そして、そういう親の後ろ姿が、子供へのいちばんの教育なのです。
■■勉強の基本は家庭学習――教室はその家庭学習の成果を発表したり対話をしたり交流したりする場
これまでの教育は、学校で先生に教えてもらうという形がほとんどでした。
先生から出された宿題を家庭でやって学校に持っていくという形です。
学校では、ちゃんと宿題をやったかどうかをチェックして、時々テストをするというやり方が普通でした。
つまり、学校が中心で、生徒は学校で学んだことを家庭で補助的に学習するという形だったのです。
しかし、このやり方は、先生に教えてもらうという点で無駄がありました。
小中学生から高校生までの勉強は、答えがある勉強ですから、教科書や詳しい参考書があり、確認するための問題集があれば自分一人でできるものなのです。
先生の授業を聞いて教わるという形にすると、自分がすでに知っていることまで聞かなければなりません。
また、出される宿題も、普通の生徒を対象にしているため、できる問題もできない問題もランダムに出されるようになっていました。
できる問題を何度も勉強するというのは、極めて無駄のあるやり方です。
勉強は、できないことをできるようになるためにするものですから、できないことをするのが大事であって、できることをするというのは勉強ではなく単なる作業です。
ところが、昔は、学校に行かなければ教えてもらえなかったようなことが、今は、誰でも家庭でインターネットや出版物によって自由に勉強できるような時代になりました。
学校は、それぞれの生徒が自宅で勉強したことを持ち寄って、発表したり対話したり質問したりする場になったのです。
これが反転学習です。
しかし、こういう学習法を確立している学校は、まだほとんどありません。
言葉の森のオンラインクラスは、この反転学習を実行している数少ない教育機関です。
反転学習のような勉強で何が身につくかというと、まず1つは自分の興味関心や得意不得意に応じて勉強ができるということです。
もう一つは生徒どうしの対話の中で発言力やコミュニケーション力が育つことです。
言葉の森のオンラインクラスでは、実際に勉強する時間のほかに、生徒どうしが読書紹介をしたり発表したりする時間があります。
この発表する時間によって、相手とのコミュニケーションをとるという能力がついてきます。
これは、これからの学習でも、また社会生活でも重要になってくるものです。
対話の能力や発表の能力を伸ばす学習は、机上の勉強ではできません。
相手がいる中で発言をしたり質問したりすることが大事なのです。
オンラインクラスでは、勉強の中で発言や発表や対話をするということを重視しています。
「りせまむ」に、コミュニケーションに関する記事が載っていたので、それを紹介します。
やはり多くの人が、子供の能力として学力とともにコミュニケーション力を評価していることがわかります。
しかし、私は、コミュニケーション力以上に大事なものは、創造力だと思っています。
保護者が子供に求めるのは「コミュ力」大人の社会にも共通
https://resemom.jp/article/2023/04/13/71770.html
■■マスクをはずして登校しよう――人間は自分の力で免疫を作って生きてきた
マスクには、害があると言われています。
特に、幼児や低学年の子供は、マスクによって呼吸がしにくくなります。
酸素は、脳の栄養にとって重要なものですから、子供は特にマスクをせずに呼吸する生活をするべきです。
また、マスクは、子供の人間認識を歪める可能性があります。
人間の顔では、口の表情も重要な要素です。
幼児期から、マスクをした顔ばかり見ている子供は、人間の表情を読み取りにくくなると思います。
よく言われていることですが、心理学の実験で次のようなものがあります。
「子ネコを出生直後から数ヶ月縦縞模様だけしか見えない環境で飼育すると、横縞に反応する細胞がほとんど無くなります。このような環境で育てたネコは縦棒を見せるとじゃれついてきますが、横棒を見せてもじゃれついてきません。」
http://web2.chubu-gu.ac.jp/web_labo/mikami/brain/21-2/index-21-2.html#anchor
人間の幼児に関しても、こういうことが起こっている可能性があります。
しかし、私がマスク着用に反対して、いつでもほとんどノーマスクを実行していたのには、強制に反対する気持ち以外に、次のことがありました。
それは、ワクチンを打たせるための下準備としてマスクをつけさせるという意図を感じたからです。
ワクチンは、今になって問題があることが次々と明らかになってきましたが、当初からワクチンの問題を指摘していた人は数多くいました。
少なくとも、私の知っているブログやSNSやYouTubeや著者のほとんどは、ワクチンに反対していました。
だから、私は、自分と同じように多くの人がワクチンの問題を知っていると思っていました。
ワクチンやマスクと同じ時期に広がった消毒には、また別の問題がありました。
それは、有用な微生物も殺菌してしまうことです。
人間は縄文時代から、何万年も、ワクチンもマスクも消毒もない人生をたくましく生きてきました。
それは、自然の治癒力と微生物との共生があったからです。
消毒は、人間の助けになる微生物との共生を断ち切ることになります。
せいぜい、外から帰ってきたら、手を洗うぐらいでいいのです。
私も、一度コロナにかかりました。
しかし、これは風邪と同じだと思ったので、そのまま放置していたら1週間ほどで治りました。
コロナについては、これで免疫ができておしまいです。
人類は、このように自分の力で免疫を作って生きてきたのです。
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● 言葉の森新聞2023年4月2週号 通算第1750号 (6190字) 言葉の森事務局 jun 2023年04月10日 14時31分
14660 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年4月2週号 通算第1750号
文責 中根克明(森川林)
■■言葉の森からのお知らせ――5月から教科クラスの受講料を7,700円に改定
●5月の受講料から、教科クラスの受講料を6,600円から7,700円に改定
5月の受講料から、国語読解、総合学力、算数数学、英語、プログラミング、創造発表の各教科クラスの受講料を、現行6,600円から7,700円に改定させていただきます。
作文クラスの受講料は、現行8,800円のままです。
諸物価高騰の折、まことに申し訳ありませんが、よろしくお願い申し上げます。
●1週間の平均読書冊数は小学生3冊、中学生1冊。説明文意見文の本を
読書は、学力のもとになる読む力、考える力、感じる力を育てます。1週間の平均読書冊数は小学生3冊、中学生1冊と言われています(学校図書館協議会2022年調査)。物語の本だけでなく、興味の持てる説明文・意見文の本も読んでいきましょう。
●定期的に、作文字数、森リン点数、読検点数のランキング確認を
勉強は目標があると意欲的に取り組めます。字数、森リン点、読検点数のランキングを毎週又は毎月定期的に確認し、年間を通してランキングが上がるように勉強を進めていきましょう。
https://www.mori7.com/as/4463.html
●ニックネームの作成で、自分の場所がすぐわかるように
ランキングの名前の表示は、生徒コードのひらがな、又は、ニックネームになっています。自分のニックネームを4文字以内で決めておくと、ランキングやオンライクラス一覧表で、自分の場所を見つけやすくなります。
https://www.mori7.com/sato/hennkou.php
●作文はその日のうちに書き上げ、その日のうちに提出する習慣を
作文の勉強を長続きさせるコツは、その日のうちに書き上げることです。オンライン少人数クラスでは、全員が一斉に作文を書き始めるので、未提出がほとんどありません。勉強は、毎週コンスタントに続けていくことが大事です。その日のうちに書き上げる習慣を作っていきましょう。
●作文の勉強で大事なのは、家庭での事前の対話と読書
作文力の土台となっているものは、日常の経験と対話と読書です。特に小学生の作文は、家族と対話をすることによって、実例と感想が豊かになります。事前に作文の題材に合わせた似た例を家族で話しておきましょう。
●塾が忙しくなっても、作文は高校生まで続けておくとあとで役立つ
受験のために勉強が忙しくなっても、作文と読書の時間は、短い時間になっても確保しておきましょう。長く続けたことは、必ずあとで生きてきます。作文は、大学生や社会人になっても役に立つ本質的な勉強です。
●中学生の家庭学習の平均は平日1.5時間、土日2.5時間
中学生の勉強の中心は、家庭学習です。1日の平均勉強時間は、平日1.5時間、土日2.5時間と言われています。定期テスト対策は2週間前から始めると安心です。中学生向けの勉強法の本を読み、自分なりの学習計画を立てていきましょう。
●中学生の勉強の教科の重点は数学。1冊の問題集を完璧に
中学生の勉強で、最も差がつく教科は数学と英語です。いずれも、1冊の問題集を5回以上繰り返し、できない問題が1問もなくなるまで取り組めば成績が上がります。毎日の勉強時間を決めて勉強を進めていきましょう。
●創造発表は、新しい未来の勉強――インプットよりもアウトプット
これからの学力はインプットよりもアウトプットです。日本では、インプット中心の入試が続いていますが、世界の標準は、個性や創造力や主体性というアウトプット中心の入試に移行しています。創造発表クラスで、創造力と発表力を育てていきましょう。
●プログラミングは、女子も楽しめる勉強――ホームページの作成も
プログラミングは、誰にとっても必要な技術になります。プログラミングクラスでは、Scratchというビジュアルプログラミングから始めて、HTML、JavaScript、Pythonと学習を進めます。発表と交流を中心に、自分のペースで学習できる少人数クラスのプログラミング学習です。
●これからの勉強は少人数クラスでの交流と個別指導
これからの学力で大事になるのは、知識を吸収して再現する学力ではなく、自分から創造し発表し他の人と対話をする学力です。
オンライン少人数クラスでは、全員に発表の機会があり、先生による個別指導の時間があります。だから、主体的な学習ができるのです。
■■大学入試は、推薦入試も視野に入れて勉強を進めよう――入試は途中の過程、仕事が本当の結果
昔の大学入試は、一般入試がほとんどで、推薦入試というのはあまりありませんでした。
また、推薦入試よりも、一般入試に取り組んだ方が確実な学力がつくという考え方もありました。
入試勉強は、学力の土台を作る上で最も役に立つという考え方は、今でも成り立ちます。
しかし、近年の大学入試の仕組みは、大きく変わっているので、一般入試向けの対策と推薦入試向けの対策は、並行して考えていくいく方がいいようになっています。
日本では、どこの大学を出たかということで、就職の幅が決まります。
いい大学を出れば、就職できる会社の範囲は広くなりますが、そうでない場合は、就職できる会社の範囲は狭くなります。
人気のある大企業は、名前の通った大学の学生しか採用しません。
この日本のガラパゴス的な入試と就職の仕組みは、それなりに安定しているので、しばらくは変わりません。
しかし、今人気のある企業は、今がピークであることが多いので、数十年後には衰退する企業の枠に入ってしまうこともあります。
だから、いい会社に入るかどうかということは、途中の過程であって、最終的な結果とは考えないことです。
大きい会社の長所は、給与だけでなく研修機会や保養施設も充実していることです。
しかし、大きい会社の弱点は、一部の部署の仕事しかしないために全体的な経営の感じがつかめず、いざというときに会社をやめて独立するという展望が持てないことです。
小さな会社の場合は、経理にも商品開発にも営業にもすべてに携わることができるので、自分で会社を興(おこ)すという見通しも持てます。
会社を興す以外に、自分個人の才覚で世に出るという道もありますが、それはかなり不安定です。
自分で動かせる組織を持つことが、最初は苦しくても、長期的には最も安定した仕事の仕方になります。
子供たちの人生の目標の最も大きなものは、どういう仕事をするかということです。
どの大学に入るかということは、その途中の過程であって、ある意味で第二義的なものです。
だから、一般入試にしても、推薦入試にしても、どちらも選択できるような方針で勉強をしていくことがいいのです。
現在はネットワークの環境が充実しているので、人間は、学校に通わなくても十分な勉強をすることができます。
いい学校に入るということは、いい友達ができるという程度の意味しかありません。
しかし、ほとんどの生徒は、周囲に流されて勉強をするので、いい学校に入れば勉強する度合いが多くなるという効果はあります。
ただ、こういうこともすべて本人の自覚次第です。
自分で仕事を興す場合、大事になるのは、個性と情熱があることです。
学力はもちろん必要ですが、ほとんどの学力は、必要に応じてあとから伸ばすことができます。
あとからすぐには伸ばせないが汎用性が高いものは、哲学と数学と歴史とプログラミングと英語になると思いますが、英語は今後のAIの進歩によってカバーできるようになります。
学力は、知識として知っているのではなく、身体化して身につけておく必要があるので、そのためには時間のある学生時代に勉強しておくといいのです。
東洋経済オンラインに、現在の大学入試の特徴がわかる記事が掲載されていました。
「大学入試「激変」40代以上の親が知らない最新事情――偏差値が高くなくても一流大学合格を勝ち取る術」
https://toyokeizai.net/articles/-/661635
■■中学生からの作文の勉強が、思考力を伸ばす――長文を読んで意見文を書く練習ができるのは言葉の森だけ
言葉の森を卒業して、社会人になった生徒が、自分の中学生時代の作文を見て、こんなことを言っていました。
「僕は、中学生のころ、すごくよく考えていたんですね。今、こういう文章を書けるかなあ」
これは、誰にでもあてはまります。
言葉の森の作文は、小学4年生までは、事実を中心とした生活作文です。
このころの作文の勉強は、学校で書く作文とあまり変わりません。
変わるとすれば、実例と表現と感想を個性的に書くことです。
ただ書くのではなく、自分らしく書くということが大事な目標になります。
小学5年生からは、課題自体が抽象的になり、感想の部分を、自分個人の感想を超えたより一般的な感想として書くようになります。
例えば、「私の友達」という課題で書く場合、自分にとっての友達という感想でなく、人間にとって友達とは何かという感想として書くのです。
中学生になると、この感想の部分が作文の中心になります。
小学生のころは、実例が先にあり、その実例の感想を書く形でしたが、中学生の作文は、意見が先にあり、その意見の裏付けとして実例を書くという形になります。
それも、ただ実例を書くのでなく、意見の理由として書くとか、意見の方法として書くとかいう構成の仕方が重要になります。
高校生になると、この意見中心の作文の構成の仕方が更に発展し、課題の文章が更に高度になります。
構成の仕方は、理由や方法以外に、原因や対策を考えて書くようになります。
このように、構成を意識して書く作文指導をしているのが、言葉の森の特徴です。
中学生からの意見文は、そのまま大学入試の小論文に応用できます。
言葉の森では、高校生から作文を始める人は、小学6年生の課題からスタートします。
小6の構成の仕方である「複数の実例と一般化の主題」も、大学入試の小論文で十分に使えるからです。
更に、中学1、2、3年生での意見文の書き方を身につければ、どのような小論文の課題にも対応できるようになります。
中学生からの作文の練習は、考える力を必要とします。
作文は、思考力を伸ばすのに最も効果的な学習なのです。
■■自宅でできる発表対話型の新しいオンライン学習――4月から始める講座案内
●子供たちの学習は、教わる教育から創造し発表する教育に変わっていく
AIの進展によって、すでに答えのある知識を吸収しそれをテストのときに再現する学力は、重要度の低いものになりました。一般教養はある程度知っていれば十分で、それよりも大事なものは、答えのない問題を発見し、自分の個性を生かして創造し発表する学力です。
これからの子供たちの学力は、創造力と発表力の育成を中心に組み立てていく必要があります。
●5人の少人数クラスで、全員が学習に参加でき個別指導が受けられる
30人から40人の集団一斉指導では、生徒が発言する機会はほとんどありません。受け身で先生の話を聴く時間がほとんどです。しかし、1対1の家庭教師による学習では、他の生徒との対話や交流がありません。5人の少人数クラスでは、全員に発言する場があり、一緒に参加する友達との対話があり、先生の個別指導があります。
●毎週の読書紹介で、読書習慣がつき、読書量が増え、読書の質が高まる
毎週、授業の最初に全員の読書紹介があります。この読書紹介によって、本を読む習慣がつき、読書量が増え、読書のジャンルが広がり、読書の質が高まります。勉強は、その勉強した範囲の成績を上げるだけですが、読書は子供たちの本当の学力を育てます。
●全員に発表する機会があり、人前で自分の考えを述べる発表力がつく
言葉の森では、毎週の授業の最初と最後に、みんなの前で発表をする機会があります。
現在の大学入試では、総合型選抜と呼ばれる推薦入試が過半数になっています。推薦入試で評価される学力は、小論文の力と発表力です。いずれも長期間の蓄積が必要な学力です。
●自宅から、オンライン自習室に参加し、自分のペースで勉強ができる
学習の基本は、家庭での自学自習です。自学自習は、塾に行って教えてもらう勉強よりも密度が濃くなります。しかし、ひとりで行う勉強は、きっかけがつかみにくい面があります。
自宅から参加できるオンラインの自習室は、自学自習の支えになります。
●オンラインクラス一覧表(簡略版)
https://www.mori7.com/mori/online_class.php?kid=all
<作文>
作文クラスは幼長から社会人まで、長期間続けられる独自の一貫指導を行っています。小学生のうちから、将来の大学入試小論文や、社会人になってから必要な論説的な文章を書く力をつけることを目標にした作文指導を行います。毎回全員が予習の発表を行い、その場で作文を書き出します。学年は、幼長~高3。大学生、社会人の方も受講できます。
<総合学力>
総合学力クラスは、読書・国語・算数・暗唱・発表の総合学力をつけます。小学生の勉強は小5から難しくなるので、その前に、友達と一緒に学ぶ授業で、総合的な学力の土台を作ります。国語、算数は学年先取りの学習ができます。暗唱の勉強ができるのはこの講座だけです。学年は、幼長~小4。
<国語読解>
読解検定88点以上を目標に、読解力をつける独自の学習法で学びます。問題集読書の復読と読解検定の解説に取り組むことで誰でも驚くほど読解力が向上します。学年は、小3~高3。小学校低学年の方は、総合学力クラスの国語の授業として受講できます。
<算数数学>
1冊の問題集を、できない問題が1問もなくなるまで反復して学習します。小学生は標準問題集で学年先取りを目指します。中学生は発展問題集でやや難しい問題に取り組みます。小3~中3。小学校低学年の方は、総合学力クラスの算数の授業として受講できます
<英語>
1冊の問題集を5回以上繰り返し読み込む学習をします。小4以上は、英文の音読暗唱を行います。教科書に対応した問題集と、英検5級~2級に対応した英検問題集のどちらも選択できます。学年は小3~中3。
<創造発表>
生徒の興味関心を学問に深め、学問を創造的に発表する講座です。取り組む課題は、理科実験・工作・自由研究など自由です。創造発表での学習は、自発的な学習姿勢、創造力、発表力を育てます。学年は小3~中3。小学校低学年の方は、総合学力クラスの発表の授業として受講できます。
プログラミング プログラミングは、社会に出てからも役に立ちます。Scratch、HTML、JavaScript、Pythonを学びます。HTMLは自分のホームページを作ることができす。それぞれの生徒が自分の進度に応じて学習するので、初心者から経験者まで参加できます。学年は小3~中3。総合学力クラスの発表の授業の中でひらがなScratchを発表することもできます。
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● 言葉の森新聞2023年4月1週号 通算第1749号 (2681字) 言葉の森事務局 jun 2023年04月01日 11時56分
14644 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年4月1週号 通算第1749号
文責 中根克明(森川林)
■■プログラミングクラスの生徒用のサーバーを作りました
プログラミングクラスの生徒用のサーバーを作りました。
https://mori7.jp
というドメインです。(まだ空っぽです)
ここに、それぞれの生徒の生徒コード(先生も含めて)でディレクトリを作り、そこに、htmlファイルとJavaScriptファイルをアップロードすれば、誰でも見られるようになります。
例えば、なね先生なら、
https://mori7.jp/nane/
です。(JavaScriptの最初のテストが入っています)
PHPもMySQLのデータベースもPythonも使えます。
生徒にはFTPソフトのwinscpなどをダウンロード、インストールしてもらい、それぞれの生徒が自分のホームページとして自由に使ってもらうようにする予定です。
△Winscpのダウンロードサイト
https://forest.watch.impress.co.jp/library/software/winscp/
FTPの設定などの詳細はまた追ってお知らせします。
■■日本も独自にChatGPTの開発を
●動画:
https://youtu.be/84kq0RtwPGw
日本ディープラーニング協会の講演で、東大大学院の松尾豊教授が、「大規模言語モデルを自ら開発するには、数百億円もあれば同じようなものが作れる」と述べていました。
同じものを作るだけなら、もっと安くつくれるそうです。
中国では、すでに独自にChatGPTと同じようなシステムを開発しています。
それは、中国の国内だけの情報に限定したデータベースにするためです。
ChatGPTのデータベースのほとんどは、英語圏の情報だと言われています。
日本が、日本独自のデータベースを加味して、日本人が使える日本版ChatGPTを開発する必要があります。
アメリカでは、ニューヨーク教育局が学校におけるChatGPTを禁止しました。
日本でも、教育に携わる人の多くは、同じことを考えると思います。
夏休みの宿題の読書感想文などは、ChatGPTでいくらでも作ってもらえるからです。
しかし、問題は、ChatGPTにあるのではなく、ChatGPTで代替できるような教育をこれまで行ってきたことにあります。
これからの教育は、ChatGPTの利用を制限する教育ではなく、ChatGPTを活用する教育になる必要があります。
国語、算数数学、英語などの教科の勉強は、ChatGPTが個人の家庭教師がわりになります。
先生が教える教育は、いずれ姿を消します。
作文、プログラミング、創造発表の学習は、ChatGPTが生かせる分野です。
創造的な学習を支えるツールとして、ChatGPTが活用できるからです。
春期講習の創造発表クラスで、今年はディスカッションの講座を設けました。
参加した中学生たちは、難しいテーマにも関わらず、それぞれ独自の意見を述べていました。
ChatGPTは、こういうディスカッションの司会役としても、又は、もうひとりの参加者としても使えるようになります。
人間が行うのは、知っている知識を披露することではなく、問題を発見し、新しい創造を生み出すことです。
こういう将来の展望を考え、日本も早急にChatGPTと同じシステムを独自に開発する必要があると思います。
■■創造と発表と対話と交流の学校――ChatGPT時代の教育はどう変わるか
●動画:
https://youtu.be/txkv0qX8PWw
私(森川林)が、40年ほど前に、作文教室を始めたときに思ったのは、「国語の勉強を教えるような教室にはしない」ということでした。
そういうことは、誰でもやれることだと思ったからです。
しかし、あとで、そうではないことがわかりました。
国語を教える教室というのは、ほとんどなかったし今もないからです。
国語教室以上に、作文教室というのは、当時どこにもありませんでした。
だから、言葉の森が日本で初めての作文教室でした。
始めたばかりの作文教室の生徒は、どの子も優秀な子ばかりでした。
勉強には余裕があるから、新しい面白いことをしてみたいという子供たちが多かったからです。
言葉の森は、作文の勉強を教える教室ではなく、作文を通して創造力や思考力を育てる教室としてスタートしたのです。
今、そういう当初の理念に戻って考えると、これからの教育は、教える教育ではなく創造する教育でなければならないと、改めて思い直しました。
これまでは、言葉の森も、勉強を上手に教えることに目を向けていましたが、上手に教えることは、今後ChatGPTによってカバーされるようになります。
国語も、算数数学も、英語も、ChatGPTが、それぞれの生徒に応じた的確なアドバイスをしてくれるようになるのです。
個人指導という言葉は、集団指導に対する新しい概念として広がっていましたが、その個人指導も、今後は時代遅れになります。
ところで、ChatGPTには、すぐに後続の大規模言語モデルの仕組みが次々に出てくるはずですから、以下、ChatGPTではなくより広範なAIという言葉で呼びます。
AIの発達によってなくなる職業には、今後、教師の仕事も入ります。
答えのあることを教えるというのは、しかも、その子の理解度に応じて気長に教えるというのは、AIの最も得意とすることだからです。
未来の子供たちは、自宅で、AIに教えてもらいながら、小中高の学年に必要な基礎学力を学ぶようになります。
これまでの学校で残るものは、友達との交流、先生との対話になります。
勉強の中身は、人間が教えるよりもずっと的確にAIが教えてくれるようになるからです。
そのときの学習の形態は、オンラインの少人数クラスになるというのが、私の予測です。
30人の集団指導でもなく、マンツーマンの個人指導でもなく、4~5人の同レベルの少人数のクラスで発表と対話と交流を行うことが学校の役割になるのです。
では、そのときの学校での教育の中身は何になるかというと、それは吸収と再現の対極にある学習、つまり創造と発表です。
これからのオンライン少人数クラスの学習の中心は、作文、プログラミング、創造発表など、少人数の創造と発表と対話と交流のあるものになっていきます。
そして、国語、算数数学、英語などの教科の学習も、やはり発表と対話が中心になっていくのです。
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● 自分のホームページが作れます【送信指定】 (671字) 森川林 nane 2023年03月25日 16時40分
14620 (言葉の森オンライン新聞)
この連絡は、プログラミングクラスと創造発表クラスの生徒及び講師にお送りしています。
これまで、プログラミングクラスのJavaScriptやPythonの練習は、画面共有の形で発表していることが多かったと思います。
また、創造発表クラスでパワーポイントを使っている人も、画面共有で発表していたと思います。
自分のホームページがあれば、JavaScriptやPythonもウェブで公開できます。
パワーポイントも、HTMLファイルに変換して、ウェブで公開できます。
プログラミングクラスでJavaScriptやPythonに取り組んでいる人、及び、創造発表クラスの小6以上の人は、下記のページを参考にして、FTPソフトをダウンロードし、できるだけ自分のホームページを作ってください。
作成に必要なコード、パスワードは、個別れんらく板で質問してくれれば折り返し連絡します。
「自分のホームページを作るためのFTPの使い方」
https://www.mori7.com/ope/index.php?e=14617&innsatu=on
ただし、FTPソフトは、自分のページ以外のファイルにもアクセスできるので、くれぐれも自分のファイル以外は開かないようにしてください。
このことは、保護者の方からもよく伝えてくださるようお願いします。
また、マウスで操作することが多くなるので、マウスが滑ってほかのファイルに行ってしまうことも、なくはありません(笑)。
iPadなど指で操作する端末は使わずに、必ずマウスで操作して、操作は慎重に行うようにしてください。
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● 言葉の森新聞2023年3月4週号 通算第1748号 (8261字) 言葉の森事務局 jun 2023年03月22日 19時13分
14611 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年3月4週号 通算第1748号
文責 中根克明(森川林)
■■3月29日(水)・30日(木)・31日(金)は休み
3月29日(水)・30日(木)・31日(金)は、第5週のため通年クラスの授業はありません。振替授業もお休みです。
■■第4週は清書。幼稚園生は作文
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
■100-8051(住所はいりません毎日小学生新聞「さくひん」係(600字以内)
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■真の教育改革は、よい先生でもよい教材でもなく、よいシステムを作ることから――現在の集団一斉指導の通学教育は時代遅れに
●動画:
https://youtu.be/6VKpHfCY38o
日本の教育問題を語る人は多いのですが、それらの人々の共通の弱点は、これまで自分が受けてきた教育の延長で改善点を考えていることです。
だから、よい教師を採用するとか、よい教材を利用するとか、あるいはこれまで無意味に受け継がれてきた宿題の強制やテストによる競争をやめるとか、そういう提案が出てくるのです。
それらの提案は、いずれも正しいものです。
しかし、そこで改善されるのは、その学校だけとか、その地域だけとか、又は、そこの教育長や校長のリーダーシップがあるところだけとかいうことになってしまうのです。
では、どうしたらいいかというと、根本的な解決策は、江戸時代の寺子屋のように、少人数の生徒を、それぞれの生徒の全体像が把握できる範囲で、固定した先生が見ることなのです。
勉強の基本は簡単です。
先生があれこれ教えることは最小限で構いません。
充実した教材があれば、生徒は自学自習で勉強を進めていけます。
先生は、その生徒の勉強の進め方をアドバイスし、躓(つまず)いたところだけを見てあげればいいのです。
しかし、この少人数の生徒指導という授業の仕方は、今の通学式の学校や塾ではまずできません。
たまたま少人数の授業になることはあるかもしれませんが、システムとして少人数を維持することはできないのです。
しかも、その少人数の生徒は、同じぐらいのレベルである必要があります。
通学式の教室で、同レベルの少人数の生徒を集めるシステムはどこにもありません。
だから、新しい教育は、全国ネットのオンライン教育である必要があるのです。
オンライン教育の欠点は、リアルな交流ができないことだと言われていますが、その問題は既に解決されています。
4~5人の少人数のオンライン学習では、通学式の教室よりもはるかにリアルな生徒どうしの交流があります。
また、場合によっては、年に何回かの遠足や合宿によって、いくらでも実際の交流の機会を作ることができます。
大事なことは、学習という教育の基本のところで、充実した授業ができることなのです。
言葉の森のオンラインクラスの中には、作文がよく書ける子だけが同じ学年で集まったクラスがあります。
作文以外にも、国語や算数数学や英語やプログラミングや創造発表で、よくできる子が自然に集まったクラスがあります。
こういうクラスでは、自然に授業の中での切磋琢磨が生まれます。
逆に、作文を書くことが苦手な子だけが集まるクラスも、理屈の上では可能です。
こういうクラスでは、その苦手さに応じた充実した授業ができます。
しかし、苦手な子だけのクラスというのは、まだありません。
いずれ、そういうクラスもできるようになると思います。
つまり、オンラインクラスでは、同レベルの少人数の生徒が4~5人で交流しながら学ぶ仕組みができるのです。
これが、システムの力です。
よい先生、よい教材、よいリーダーは、こういうシステムの上でこそ、本当の力を発揮することができます。
日本の教育界は、遅れているので、ここで述べたような改革はまずできないと思います。
だから、言葉の森が、新しい教育の先鞭をつけていこうと思っています。
そのために、今後、保護者との個別連絡や、クラスごとの発表室連絡などを生かして、多くの方の意見を集め、よりよい教育を作っていきたいと思います。
■■小学校低学年の作文のポイント――構成、題材、表現、主題、表記のうち、小学校低学年は主に題材と表記
小学校低学年の重点は、題材と表記です。
小学校中学年は、主に表現です。
小学校高学年は、主に主題です。
中学生以上は、主に構成です。
小学1、2年生のころは、子供は書きたいことを自由に書きます。
題材を選ぼうという意識が出てくるのは、小学3年生ごろからです。
小学校中学年になると、面白い話や読まれて価値ある話を書こうとい意識が生まれます。
その価値ある題材をもとに、表現を工夫して書くことが学習の重点になります。
しかし、小学校低学年のころは、どういう話が価値ある話かという意識はなく、自分の書きたいことをただ書くだけです。
だから、小学1、2年生の作文では、「学校でこんなことがあった」「学童であんなことをした」「友達と遊んだ」「○○を見に行った」という、自分が体験した直接的な話が多くなるのです。
そのため、文章力のある生徒でも、題材が平凡になりがちです。
子供が成長して、あとで自分が小学校低学年のときに書いた作文を見ても、あまり面白いと思わない日々の長い日記のようなものが題材になっていことが多いのです。
ここで必要になるのが、保護者の方の工夫です。
子供は、自分でいい題材を選ぼうという意識がありませんから、お母さんやお父さんが題材を工夫してあげるといいのです。
例えば、「今度、土曜日に一緒にたこ焼きを作ろうか」とか、「日曜日に、近くの公園で、カエルの卵を見つけに行こうか」とか、「この本の理科実験面白そうだから、今度やってみようか」という題材作りです。
「○○を見に行こうか」というのは、あまりいい題材になりません。
親子の対話や子供の直接的な体験が少ないからです。
作文の題材作りをきっかけに親子の対話が増えると、自然に子供の語彙力も増えてきます。
親子で話をする機会が多い子は、作文の結びの感想の部分が次第に充実してきます。
子供の感想でよくあるのは、「とても楽しかったです」「また○○したいです」という結び方です。
これをもっと個性のある感想にするためには、感想のための語彙力が必要です。
その語彙力を育てるのが、親子の対話です。
作文の勉強というと、作文の上で添削してよりよい表現にするようなことを考えがちですが、そうではありません。
作文の勉強は、作文のアウトプットを直すのではありません。
作文のアウトプットの土台になる、読むことや経験することというインプットを充実させていくことが大事です。
作文の題材は、作文を書くときに引き出すものではなく、毎日の生活の中で少しずつ入れておくものです。
小学校低学年で作文の勉強をしている生徒の保護者の方は、いい題材作りということを意識して毎日の生活を送る工夫をしていってください。
■■AO型の大学入試に対応する力をつけるには
AERA.dotにAO型入試と中学受験の話が載っていました。
これを読むと、現在の入試のおおまかな現状がわかると思います。
「AO型の大学入試を考えたら、私立の中高一貫校に行くべき?」 中学受験のプロが語った私学の裏事情
https://dot.asahi.com/dot/2023031300003.html?page=1
学習塾は、よく「中高一貫校の受験をしないと、大学入試で不利になる」という宣伝をしていますが、特にそういうことはありません。
あるとしたら、中高一貫校は数学の先取りができるので、大学入試の数学で高3の1年間は受験に特化した勉強ができるという点です。
だから、公立高校に進む人は、スタディサプリなどを利用して、数学だけは学校の勉強よりも1年間先に進み、高3の夏休み以降は、志望校の過去問に特化した受験勉強をしていけばいいのです。
大事なことは、学校や塾や予備校に頼らずに、自分の判断で勉強の方針を決めていくことです。
中高一貫校は、周りの生徒が同じぐらいの学力なので、よくすると、周囲に引っ張られて自然に勉強するということがあります。
しかし、悪くすると、成績が下がって落ちこぼれることもあります。
また、周囲に合わせて低いレベルになることもあります。
公立中学は、不明朗な内申点があることがいちばんの問題です。
内容のない宿題や提出物などは、保護者が手伝ってあげてもいいと思います。
公立中学には、周囲によくできる生徒も、あまりできない生徒もいます。
そういう多様な生徒のいる中で勉強するのは、将来プラスになります。
また、学校によっては荒れているところもありますが、中学の勉強は自分ですればいいので、荒れているかどうかは勉強の進み具合には関係ありません。
すべて、本人次第ということです。
公立中学は、中3で高校入試があります。
中学3年生は、勉強の自覚ができる時期なので、この時期に受験があるというのは、生徒の成長に大きく役立ちます。
反対に、中高一貫校の私立中の場合は、中3のころに中だるみ状態になることもあります。
だから、中学受験で中高一貫校に行くか、中学受験をせずに公立中に行くかは、すべて中学に入ってからの本人次第です。
AO型の入試による大学合格者は、すでに全体の半数以上になっています。
保護者の感覚は、一般入試が主流だった時代のものですから、今の状況を理解しにくいと思います。
大事なことは、大学入試をゴールとしないことです。
本当のゴールは、社会に出て、自分らしい仕事をして世の中に貢献することです。
そう考えると、勉強の方向は、はっきりしてきます。
基礎学力をしっかりつけておくことは大事です。
しかし、1点差を争うような過度な成績競争は必要ありません。
それよりも大事なのは、コミュニケーション力、リーダーシップ、個性的な生き方、創造力、思考力、読書力、当意即妙の発言力、他者への思いやりなどです。
これらが、本当の実力です。
しかし、こういう力は、いずれも学校の成績には出てきません。
直接話をしたり行動したりしていると、自ずから感じられる実力なのです。
オンラインクラスのよいところは、読書紹介や一人一言などで、誰もが発言する機会があることです。
その中で、相手の実力を感じ、自分の実力を伸ばすことができます。
この実力を伸ばす場として、特に有効なのは、作文クラスと創造発表クラスです。
作文も、創造発表も、学校の成績とは直接結びつかないところが、なぜか共通しています。
■■本当の勉強は、インプットを再現するものではなく、アウトプットのためにインプットをすること
本当の勉強とは、与えられたものを詰め込んでそれをそのまま再現することではありません。
今の勉強のほとんどは、詰め込み再現型の勉強になっています。
先生が教えたことや教科書に書かれていることをそのまま吸収して、テストのときにそのとおりに再現することが勉強だと思われています。
基礎学力はもちろん大切です。
しかし、吸収→再現という勉強の仕方は、AIが人間よりももっと正確に素早くやってくれるようになっています。
だから、今、文章を書くときに、忘れた漢字があっても、誰も「小学校のときにもっと漢字の勉強をしておけばよかったなあ」などとは思いません。
計算をする必要があったときに、「もっと小学生のときに計算の練習をしておけばよかったなあ」とも思いません。
吸収→再現のほとんどの部分は、ソフトがやってくれるようになったからです。
では、人間は何をすべきなのかと言えば、それはアウトプットです。
もっといい日本語で言うと、人間のすべきことは創造です。
しかし、新しい何かを世の中に創造するためには、その根底に問題意識がなければなりません。
問題意識は、今、ここに、自分が身体を持って生きているということがもとになっています。
つまり、時間と空間と欲望の組み合わせが問題意識を生み出しています。
AIは、今の段階では、時間や空間や身体と分離された機構です。
だから、AIは、独自の問題意識を持ちません。
したがって、AI独自の創造というのもまたありません。
創造らしいことをすることはあっても、それは人間に委託された創造であって、独自の創造ではありません。
人間のすべきことは、創造つまりアウトプットです。
そのアウトプットをするためには、材料となるインプットが必要です。
それが教育なのです。
アウトプットが個性的であるように、インプットもまた個性的です。
基礎となる学力で共通する面はあるとしても、基礎学力のかなりの部分はソフトで代替されるようになっています。
大事なことは、何をインプットすべきかということではなく、何をアウトプットしたいかということです。
それぞれの個人の個性に合わせてアウトプットをすることが、未来の教育です。
この未来の教育の代表的なものは、言葉の森のオンラインクラスで言えば、作文クラスとプログラミングクラスと創造発表クラスです。
これらのクラスでは、アウトプットが主体となる勉強をします。
ひとつだけの正解がない勉強が、これからの勉強なのです。
■■ChatGPTと教育
ChatGPTは、今後、教育にも使えるようになります。
例えば、数学の勉強をしていてわからないところがあり、解法を見ても理解できないときはChatGPTに聞いてみます。
すると、個人の家庭教師のように教えてくれます。
質問を追加することもできるから、わかるようになるまで質問を繰り返すこともできます。
読解の勉強でも同じです。
なぜ、その答えがそうなのかということを説明してくれるようになります。
しかし、今はまだ、できるかどうかはわかりません。
それは、日本語のデータがまだ少ないせいだと思います。
プログラミングでもできます。
動かないプログラムがあったとき、どこが違っているのかを教えてくれるようになります。
学校で出される宿題は、もう意味がなくなります。
「○○の作文や感想文を書いてくる」という宿題も、ChatGPTにやってもらえばそれでおしまいです。
つまり、答えがある問題、又は、答え的なものがある問題は、人間ではなくChatGPTで十分できるようになってくるのです。
では、人間に何が残るかと言えば、それは、答えのない問題です。
なぜ答えのない問題があるかというと、それは問題そのものが新しく作られたものだからです。
つまり、新しい問題意識を持つことが、人間のできることです。
ChatGPTが新しい問題を作れないのは、ChatGPTが、今の段階では、人間と本質的に違うところがあるからです。
その違いとは、人間が、特定の時間と特定の空間と特定の身体の上で生きているのに対して、ChatGPTは、そういう特定さがないからです。
だから、ChatGPTを活用するには、人間が、特定された質問をする必要があります。
ChatGPTが普及し、誰もがスマホでChatGPTを利用できるようになった時代に、残るのは何かと言えば、それは対話です。
FacebookでもTwitterでもYouTubeでも、デジタルの媒体であれば、ChatGPTを利用して気の利いたことはいくらでも言えるようになります。
今のアレクサのように、ダジャレも言えるようになります(笑)。
つまり、誰にとっても、必要に応じて、あらゆることにいつでもカンニングができる社会になるのです。
そのときに残るのは、リアルな対話とリアルな創造です。
私(森川林)は、この春から、創造発表クラスを2つ開設しました。
これは、もうこれまでの勉強は終わり、これからは新しい勉強の始まる時代になると思ったからです。
新しい勉強とは、すべて自分がオリジナルに発信する勉強です。
その勉強のために、従来の吸収する勉強があるという関係です。
これまでの勉強は、吸収すること自体が目的の勉強でした。
例えば、植物に維管束があり、師管と導管があり、植物の種類によって師管と導管の配置が違うというようなことは、頭の片隅にでも入っていれば、必要に応じていつでも調べられます。
試験をして、知識として詰め込む必要などないものです。
そういう知識を覚えるよりも、なぜ植物はそういう仕組みを選んだのかとか、もっといい方法はなかったのかとか、その仕組みを人間社会に適用するとどういうことが考えられるかということを考えた方がずっと面白いはずです。
しかし、今の30人から40人の学級では、そういう勉強はまずできません。
それは、単純に、一緒に勉強する人数が多すぎるからです。
1人の先生が、例えば30人学級の生徒に、一人ひとりの意見を聞いていたら、1人5分の持ち時間としても、約2時間半かかります。
だから、これからの教育は、全員が発言できる4~5人の少人数クラスで行われなければならないのです。
しかし、まだ子供たちは、従来の勉強観から抜け出せないので、調べたこと自体を発表する傾向があります。
理科実験にしても、工作にしても、自由研究にしても、どこかに書かれていることをそのままなぞって、そのとおりできて完成という発表をしていることが多いのです。
面白い勉強とは、最初に、自分のしたいことがあって、そのしたいことをもとにして、実験したり、工作をしたり、研究をしたりすることです。
アウトプットしたいことが先にあり、そのアウトプットのためにインプットがあるのであって、インプット自体が目的ではないのです。
ChatGPTの普及によって、このような創造中心の勉強が次第に広がると思います。
作文と創造発表とプログラミングのクラスは、そういう勉強としてやっていきたいと思っています。
ちなみに、今度、春期講習で行う創造発表は、小学生は「図工理科」、中学生は「ディスカッション」です。
中学生のディスカッションは、文藝春秋の「日本の論点」などをもとにして、参加者でディスカッションをする予定です。
いずれも、答えのない勉強なので、面白いと思いますが、面白くなくなるかもしれません(笑)。
■■【合格速報】弘前大学医学部・自治医科大学
●弘前大学医学部・自治医科大学 O.Y.さん
<担当講師より>
幼稚園の頃から言葉の森で作文を書いていたことが役に立ったと感じることが多かったとおっしゃっていました。
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● 3月読解検定の問題を本日お送りします【送信指定】 (96字) 森川林 nane 2023年03月20日 09時26分
14605 (言葉の森オンライン新聞)
この連絡は、3月の読解検定を受検される方にお送りしています。
先日お送りした3月の読解検定は、問題の文章しか掲載されていませんでした。
問題は、本日お送りしますので、しばらくお待ちください。
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● 言葉の森新聞2023年3月3週号 通算第1747号 (6208字) 言葉の森事務局 jun 2023年03月16日 10時14分
14598 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年3月3週号 通算第1747号
文責 中根克明(森川林)
■■3月26日~4月5日、春期講習を行います
3月26日~4月5日の範囲で、春期講習を行います。
オンラインクラス一覧表の3月26日以降のページをごらんください。
https://www.mori7.com/teraon/shlist.php?kjb=20230326
作成したばかりですので、まだ講座が限られていますが、これから講座が増えますので、時々チェックしてください。
受講料は、どの講座も1コマ1,650円です。
現在、表示している講座は、中根の
8:00 中高生対象の国語読解
9:00 小学生対象の創造発表(図工理科)
10:00 中学生対象の創造発表(ディスカッション)
です。
追加(2023/3/9)
9:00 作文(みわ先生)
11:00 プログラミング(みわ先生)
中高生対象の国語読解は、高校生レベルの問題をもとに、問題の解説を中心に行います。(準備不要)
小学生対象の創造発表(図工理科)は、図工理科掲示板を参考に、作品を発表していただく授業です。(要準備)
https://www.mori7.com/ope/index.php?k=122
中学生対象の創造発表(ディスカッション)は、創造発表掲示板に毎回、時事問題、社会問題、人生問題などのテーマの文章を入れるので、それを読んでディスカッションをする授業です。(準備不要)
https://www.mori7.com/ope/index.php?k=sh
言葉の森の生徒以外で参加を希望される方は、事前にコード登録をしておいてください。
https://www.mori7.com/tr.php
■■3月21日(火)は「休み宿題」
カレンダーに記載してあるとおり、3月21日(火)は祭日のため「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
■■作文は、原則として当日提出。しかし、事情がある場合は連絡を
●動画:
https://youtu.be/OJstNADFWCw
作文クラスの作文は、原則として当日に書き上げ、当日中に送信してください。
これは、これまで、次のようなケースがあったからです。
(1)今日は十分に書けないから、明日続きをやると言って、そのまま書けなくなってしまう。
(2)じっくりいい作品を書くために、何日もかけて作文を書き、やがて作文を書くことが負担になってしまう。
(3)今日は忙しいから、時間があるときに書くと言って、結局次の週になってしまう。
作文の勉強が2回分や3回分たまると、それはまとめて書けなくなるのが普通です。
今日書けなかったら、その日は欠席ということにして、次の週まで持ち越さないことが大事です。
だから、何が何でも授業のあるその日に書いておく必要があるのです。
将来、作文試験などを受ける場合、必ず時間制限と字数制限があります。
必要以上に長い時間を書けて作文を書いていると、時間をかけることが習慣になってしまいます。
高学年や中学生、高校生の場合でも、最長1時間半で書き上げると決めて、その時間内に書いたところまでで提出するという方が、結局は勉強が長続きします。
ただし、機械的に、「当日中に提出」というのではありません。
受験は、機械的に時間制限がありますが、毎週の作文の授業では、さまざまな事情がありますから、当日に提出できないときは、その旨を個別連絡や発表室連絡で、担当の先生に伝えてくれればいいのです。
原則は当日提出、しかし、事情がある場合はその旨を講師に連絡ということでやっていってください。
ところで、作文が2回分以上たまった場合は、前の週の作文は出さなくていいと決めてください。
作文は、きわめて負担の大きい勉強なので、1日に2回分まとめて書くということは、まずできません。これは、経験していないとわかりません。
真面目な生徒は、まだ出していない分から書くと言いますが、それは親も先生も止めるようにしてください。
大事なのは、その週の作文を書くことだけで、前の週で書けなかった作文はもう書かないと決めることが大事です。
勉強で大事なのは継続することで、継続するためには、1回1回をその場で終わらせて、あとに持ち越さないことだからです。
■■大学入試の英語の半分は国語力――「東大志望の受験生狙い?慶応大、常識を覆す「英語の試験なのに出題文が日本語」の衝撃」の記事
●動画:
https://youtu.be/zqkTS6dNiTU
私は、大学入試の英語は、国語力だけで半分は解ける問題だと思っています。
言い換えれば、国語力がないと、英語の力だけでは解けない問題も結構あるということです。
これは、普通に考えてもわかりますが、英語圏にいる小学生がいくら英語が堪能だからといって、そのまま大学の英語の入試問題が解けるかというと、そういうことはありません。
高校3年生になって、英語が伸び悩む生徒の場合、国語力が不足していることがあります。
英語であろうと、日本語であろうと、書かれている内容を読み取ることが大事で、その力は表面的な語学力ではなく、要するに理解力です。
先日、東洋経済オンラインに、同じようなことが書かれた記事が載っていました。
「東大志望の受験生狙い?慶応大、常識を覆す『英語の試験なのに出題文が日本語』の衝撃」
https://news.yahoo.co.jp/articles/439048f4b9dfb55c5cd263400502fafe8331dc49
内容は読めばわかりますが、つまりは、英語力以前に、内容を理解する力が大事で、その基本は日本語力だということです。
逆の例で言うと、海外にいる生徒が日本の学校の受験をする場合、そして日本語の作文や小論文の課題がある場合、いちばんの障害になるのは、漢字があまり書けないということです。
だから、保護者の方は、よく、学年相応よりも易しい課題で勉強したいということが多いのですが、そういう必要は全くありません。
日本語が不自由であっても、英語で考える力があれば、日本語の難しい課題でも十分にこなしていけるのです。
漢字が弱いということは、思考力とは関係がありません。
英語で十分に考える力があれば、日本語でも同じように考えて書くことができます。
英語でも日本語でも、大事なことは、難しい文章の内容を読んで理解する力です。
そのためには、小中学生の間から、できるだけ、物語文だけでなく説明文や意見文の本を読んでおく必要があります。
考える力のある生徒は、物語文では物足りないと思うことが多いはずです。
説明文や意見文の本を読む機会が少ない場合は、国語読解クラスの問題集読書を毎日続けていくことです。
勉強の本質は、かなり単純なところで共通しているのです。
■■創造発表クラスの授業や、総合学力クラスの発表の授業の参考になるページ
●動画:
https://youtu.be/sCfMf8vTrSs
これから必要になる学力は、与えられた知識を吸収して再現するだけの学力ではありません。
自分で問題を発見し、それを学問的に研究し、創造的に発表する学力です。
また、発表の時間は、親子の対話の機会としても価値があります。
これまでは、それぞれの生徒や家庭に任せる形で発表の授業を行っていましたが、今後は、参考になる記事を提供していきます。
▽創造発表掲示板
https://www.mori7.com/ope/index.php?k=sh
▽図工理科掲示板
https://www.mori7.com/ope/index.php?k=122
オンラインクラス一覧表のタイトルをクリックすると、リンク先が表示されます。
■■作文字数ランキングのページ
作文の上達度は、小学生の場合は主に字数に、中学生高校生の場合は主に森リン点で評価できます。
これまで、生徒それぞれの字数の推移を表示するグラフはありましたが、その生徒が全体と比較してどれぐらいのレベルにあるかという表示はありませんでした。
そこで、今回、作文字数ランキングのページを作りました。
生徒コードを入れると、自分が第何位かということがわかります。
https://www.mori7.com/oka/sk_rank.php
毎月、少しずつ字数を伸ばし、学年の200倍(小1は200字、……小6以上は1200字)の字数が書けるように頑張っていきましょう。
■■森リンランキングのページ
森リン点の個人別ランキングのページができました。
https://mori7.com/moririn/moririn_rank.php
ホームページ→よく使うリンク→13.ランキングから行くことができます。
個人の検索のページや、オンラインクラスの学習記録のページから行くこともできます。
小学生は、主に字数が、作文力の目安になりますが、中学生、高校生は、森リン点が作文力の目安になります。
森リン点を基準にして、密度の濃い作文を書いていてください。
■■読検ランキングのページ
読解検定の個人別ランキングのページができました。
https://mori7.com/dokken/md_rank.php
ホームページ→よく使うリンク→13.ランキングから行くことができます。
個人の検索のページや、オンラインクラスの学習記録のページから行くこともできます。
これまでは、自分の点数の推移しかわかりませんでしたが、読検ランキングのページでは、四半期ごとの、自分の点数の全体の位置がわかります。
毎月少しずつ自分の順位を上げるようにがんばっていきましょう。
■■算数の問題集に「標準新演習算数」を追加しました
今年度の算数の問題集に「標準新演習算数小456」を追加しました。
これまで、今年度の算数の教材は、「中学受験新演習算数上下」にしていました。
これは、公立中高一貫校を受験する生徒も多いため、難しい問題も練習する必要があったためです。
しかし、難しすぎる問題も多く、勉強が進まないという声が多かったので、「標準新演習算数」で勉強することもできるようにしました。
ただし、標準新演習は、図形の問題が易しいので、図形の問題に関しては中学受験新演習を利用するとよいと思います。
将来の高校入試では、図形で差がつくことが多いので、小学生のうちから図形の考え方に慣れておくといいからです。
○○○算のような、私立中学受験向けの勉強は、中学生以降はほとんど使いませんので、小学生のうちは、標準新演習の標準問題を完璧に解けるようになれば十分です。
「標準新演習算数」は、教材注文のページで注文できるようになっています。(1300円)
https://www.mori7.com/teraon/jgkyouzai.php
■■発達障害について考える――大事なのは他人との関わりと言葉の力
●動画:
https://youtu.be/vZ6zE0lDjyw
保護者から、時々「うちの子は発達障害で……」と言われることがあります。
これまで、そういう子の作文指導をしてきて感じることは、発達障害という診断は全く気にする必要がないということです。
子供たちは、もともとやんちゃで、個性があり、一律の集団生活になじめないことが多いものです。
それは、子供の普通の成長の姿です。
学校で集団一斉指導をしているとき、その一斉行動に合わないことをする子を、先生が別の枠に入れたいというだけのことではないかと思います。
むしろ、私は、発達障害と簡単に診断すること自体の方に問題があると思います。
集団の一斉行動に合わない子をどうしたらいいかということは、発達障害という診断とはまた別のことです。
その方法は、3つあると思います。
第一は、気にしないことです。
年齢の成長とともに、人間は、周囲の状況と自然に合わせるようになっていくからです。
第二は、他人との接触や親子の対話の機会を増やすことです。
集団生活で問題があるように思われる子の中に、人の話を聞かないとか、人の話に対応した行動や言動をとらないとか、自分の言いたいことやしたいことだけをするという子がいます。
子供はもともとそういうものなので、それ自体は問題はないのですが、周囲と協調するためには、相手の意向に対応した行動をとる必要があります。
その練習のいちばんの方法が、他人と接することです。
昔は、子供たちは、戸外で一緒に遊ぶことが多かったので、その中で、他人とのいろいろな摩擦を経験し、自然に集団行動になじんできました。
今は、子供はひとりで遊ぶ機会も多いので、他人とのわずらわしい関わりを経験する機会が少なくなっています。
自然の遊びの代わりに、集団で行動するスポーツなどに参加するという方法があります。
ただ、問題は、今の日本の子供スポーツは、勝ち負けにこだわることが多いとことです。
勝ち負け自体は悪いことではないので、大事なのは、指導者の姿勢だと思います。
親子で対話をする場合、親が子供の意向を汲み取って話をすることが多いので、子供は他人との関わりに伴う摩擦を経験する機会がありません。
だから、親子が友達どうしのように話す機会を増やすといいのです。
その方法のひとつが、親子が協力して理科実験などの共同研究をすることです。
私は、その機会として、創造発表クラスを利用することもいいと思っています。
そのほかに、親子でゲームをしたり、親子でキャンプに出かけたりするのもいいと思います。
そのゲームやキャンプに、ほかの家族にも呼びかけて、複数の子が参加するようになれば、更にいい経験ができると思います。
第三の、集団行動になじむための方法は、言葉の力をつけることです。
そのための手段は、対話と読み聞かせと読書です。
私は、これがいちばん大事だと思います。
問題行動を起こしがちな子の中に、言葉のやりとりが苦手という子がよくいます。
言葉を通して状況を理解し、言葉を通して自分の行動を方向づけるということができないので、たとえは悪いですが動物的な行動をとってしまうことがあるのです。
子供の頭に言葉を入れるというのは、口で言うほど簡単なことではありません。
日常のいろいろな機会を通して気長に言葉を入れ続ける必要があります。
毎日、読み聞かせや読書を続けて、子供に変化が見られるようになるのは、半年ぐらいかかると思います。
ダイヤモンドonlineに、関連する記事があったので紹介します。
「発達障害の子どもが「13年で10倍に急増」の裏事情、ベテラン小児科医が解説」
https://diamond.jp/articles/-/319170
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● 【重要】言葉の森 新学期の教材について【送信指定】 (579字) 森川林 nane 2023年03月14日 10時08分
14583 (言葉の森オンライン新聞)
保護者様
言葉の森の新学期の作文教材は、3月22日頃に発送する予定です。
海外で作文の受講されている生徒の皆様に送る教材は、次の方法から選択していただくようになります。
(1)ウェブで教材を見て、ご自分で印刷していただく。(無料。新教材は16~18日にアップロードする予定です。)
https://www.mori7.com/kaigai/
(2)国内の住所に送る。(無料。お送りする国内住所及び到着を希望される期間をお知らせいただきます。)
(3)EMS便で郵送する。(郵送料2,000円。ただし、EMS便を取り扱っていない地域もあります。)
以上の(1)~(3)いずれかをご選択いただき、下記の「教材送り」のページより、3月20日までにお知らせくださるようお願い申し上げます。
https://www.mori7.com/kaigai/okuri.php
なお、特にお申し出がない場合は、(1)の「ウェブで教材を見て、ご自分で印刷していただく。」にさせていただきます。
誠に申し訳ありませんが、よろしくお願い申し上げます。
※このメールは、ご登録いただいているメールあてにお送りしています。
お送りするメール先の変更を希望される場合は、「検索の坂」の「データ変更」リンクでお願いいたします。
https://www.mori7.com/sato/hennkou.php
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● 【重要】算数の問題集に「標準新演習算数」を追加しました【送信指定】 (494字) 森川林 nane 2023年03月10日 11時31分
14574 (言葉の森オンライン新聞)
この連絡は、算数クラスを受講されている新小学4・5・6年生の方にお送りしています。
★今年度の算数の問題集に「標準新演習算数小456」を追加しました。
これまで、今年度の算数の教材は、「中学受験新演習算数上下」にしていました。
これは、公立中高一貫校を受験する生徒も多いため、難しい問題も練習する必要があったためです。
しかし、難しすぎる問題も多く、勉強が進まないという声が多かったため、「標準新演習算数」で勉強することもできるようにしました。
ただし、標準新演習は、図形の問題が易しいので、図形の問題に関しては中学受験新演習を利用するとよいと思います。
将来の高校入試では、図形で差がつくことが多いので、小学生のうちから図形の考え方に慣れておくといいからです。
○○○算のような、私立中学受験向けの勉強は、中学生以降はほとんど使いませんので、小学生のうちは、標準新演習の標準問題を完璧に解けるようになれば十分です。
「標準新演習算数」は、教材注文のページで注文できるようになっています。(1300円)
https://www.mori7.com/teraon/jgkyouzai.php
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● 言葉の森新聞2023年3月2週号 通算第1746号 (5134字) 言葉の森事務局 jun 2023年03月08日 09時31分
14550 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年3月2週号 通算第1746号
文責 中根克明(森川林)
■■作文の提出率を100%にするため、当日送信の徹底を――3月2週から、その日のうちに作文を提出していない場合は、講師から連絡があります
オンラインクラスは、その場で作文を書き始め、授業終了時にどこまで書いたか確認するので、原則として提出率は100%のはずですが、提出の遅れる生徒がまだ一部にいます。
そこで、3月2週から、作文クラスに出席した人は、必ず当日中に作文を送るようにしてください。
当日中に送れない場合はその旨を連絡するようにしてください。(例えば、急にデータが消えてそのあと風邪を引いて寝てしまったなど)
送るのは絵だけでも、要約だけでも、途中まででもいいこと、ということでやっていきます。
講師は、授業の翌日に作文が送られていない場合は、個別れんらくで、その生徒・保護者向けに「個別れんらく板」で連絡をします。
作文クラスに出席した人は、必ずその日のうちに、書いた作文を送信するということでやっていきたいと思います。
もうひとつ、自分の作文の上達度がわかるような生徒別の作文グラフを作る予定です。
小学校高学年や中学生高校生の上達度は、森リン点が参考になりますが、小学校低中学年は、字数が参考になります。
字数が伸びている生徒は、作文も上達しています。
他人との競争ではなく、自分がどれだけ進歩しているかということがわかるような表示にしたいと思っています。
■■学校の成績とは関係のない新しい勉強をする創造発表クラス
創造発表クラスの勉強は、学校の成績とはほぼ関係がありません。
言葉の森が作文教室を始めた40年前は、作文の勉強にも、同じような面がありましたが、今は作文試験を課す中学、高校、大学が増えてきたので、作文クラスの勉強は、受験と結びつくようになりました。
創造発表の勉強には、まだそういう面はありません。
しかし、小さな例ですが、東大の推薦入試をはじめとする総合選抜型の入試では、個性や思考力や創造力が評価されるので、将来はこういう創造発表型の勉強が、ほかでも広がる可能性があると思います。
これからの世の中で大事になるのは、自分だけの世界を持つことです。
これまでの社会では、みんなと同じ道を進むのが正解でした。
高度経済成長時代のような社会が上げ潮に向かっているときは、メジャーなものの方が潰しがきくという面があったからです。
これまでは、運動の得意な人は、野球やサッカーやバスケットボールのようなみんなに人気のあるスポーツを目指しました。
しかし、これからは、多くの人が参加するメジャーなスポーツよりも、参加者の少ないマイナーなスポーツの方が、活躍できる余地が広がります。
ただし、それを自分が好きな場合です。
スポーツでも勉強でも趣味の世界でも、みんなと一緒に楽しくやるのはいいのですが、そこに留まるのではなく、自分だけの世界を持つことが大切です。
自分だけの世界を開拓して、その分野で第一人者になるような生き方がこれからは求められてきます。
創造発表クラスの勉強は、そういう方向の勉強です。
創造発表型の勉強は、少人数でなければできません。
STEM教室とか、ロボット教室とか、プログラミング教室とかいうものは増えていますし、学校でも発表型の授業を行うところが少しずつ現れてきました。
しかし、それらの多くは、一斉の教材、一斉の課題、一斉の実験や工作で、結果も一斉に発表する形です。
それは、ほとんどが10人以上の教室で、学校では30人から40人の教室で授業を行っているからです。
少人数クラでスでは、個別の教材、個別の課題、個別の実験や研究で、個別の発表ができ、同じクラスの中で個別の対話もできます。
ただ、少人数クラスの中の発表だけでは、ものたりない面があるので、今後は対外的な発表の機会を利用することも考えています。
例えば、学研の自由研究コンテストというものがあります。
https://kids.gakken.co.jp/jiyuu/contest2022/
こういう発表の機会を利用して、学習の意欲を高めていきたいと思います。
また、言葉の森でも、独自に創造発表大賞を作る予定です。
創造発表クラスは、まだクラス数が多くありませんが、学校でのメジャーな勉強とは少し離れた独自の勉強や研究をしたい人は、体験学習に参加してください。
ところで、現在、創造発表クラスに参加している中学生以上の生徒は、できるだけGoogleアカウントを取得し、GoogleフォトやYouTubeのアカウントやZOOMのアカウントも取得しておいてください。
パワーポイントやワードで作成したローカルな資料も、ZOOMの画面共有でレコーディングし、それをYouTubeの限定公開モードでアップロードすれば、グローバルな資料になります。
将来、推薦入試などで自分のこれまでの実績を発表する必要が出てくれば、それらを資料として提出することができます。
個性的な勉強の好きな人は、創造発表クラスで、将来のイグノーベル賞を目指すユニークな研究をしていきましょう。
■■勉強はやる気になればいつでもできる――それよりも大事なのは出会いと挑戦
今、熱心に受験勉強に取り組んでいる方の感覚とは少しずれると思いますが、私(森川林)の勉強に対する基本的な考え方です。
言葉の森で作文教室を始めたとき、ごく自然に、「国語の勉強を教える学習塾のような教室にはしない」と思っていました。
できない子をできるようにするというのは、誰でも思いつきます。
そして、そういう教室はいくらでもあると思っていたのです。
作文は、できない子をできるようにする教室ではなく、できる子をそれ以上の創造的な子にする教室にしたいと考えていたからです。
しかし、実際に作文教室を運営していると、国語の苦手な子が多いわりに、国語を教える教室というものはないことがわかりました。
作文を教える教室も、もちろん当時はひとつもありません。
だから、始めたばかりの作文教室で、生徒はほとんど集まりませんでした。
しかし、当時作文教室に来る少数の生徒は、みんな優秀な子ばかりでした。
この傾向は、今も続いていて、低学年で作文の勉強を始める子は、どの子もかなり優秀です。
ところで、作文の勉強に比べると、国語の勉強は実は簡単です。
難しい本をばりばり読むことが基本で、あとは、問題の解き方のコツを理解するだけです。
問題の解き方のコツは、1、2時間じっくり説明すればだれでもわかり、それから成績が急上昇します。
こういうことを教えられる先生が学校にいないだけです。
数学の勉強は、1冊の問題集を完璧に仕上げることと、解法を理解することです。
時間をかければ、誰でもできます。
英語の勉強は、1冊の問題集を完璧に、ということは5回以上繰り返して仕上げ、英文を丸ごと暗唱することです。
こういう勉強的なことは、本人がやる気になればすぐできることで、わざわざ他人が教えるようなことではないと思います。
答えのある勉強は、やり方がわかれば誰でもできるのですから、わざわざ人に教えてもらう必要はありません。
では、何が大事かというと、それは、出会いと挑戦です。
自分が知らなかったことや考えていなかったことを、知っていたり考えていたりする人に出会うことが自分を成長させます。
また、自分がやったことのないことを勇気を持って挑戦するときに、人間は成長します。
答えのある勉強をできるようにすることは、やれば誰でもできることなので、人生の主要なテーマではありません。
やる気になったときに時間をかけてやればいいだけです。
大事なことは出会いと挑戦で、特に挑戦です。
しかし、真に価値ある挑戦をするためには、学力の土台が必要になるという関係です。
言葉の森のオンラインクラスには、勉強の時間以外に、読書紹介や一人一言の時間があります。
これらの時間は、一見雑談の時間ように見えますが、子供たちの中に残るのは、そこで勉強した中身よりも、こういう交流と発表の時間の方です。
人間は、受け身で参加する授業によって成長するのではなく、自分から進んで発表したり行動したりする授業によって成長します。
こういう創造発表型の教育の主なものが、作文と創造発表とプログラミングです。
しかし、今後、国語読解、算数数学、英語の授業も、創造と発表の面を生かせるようにしていきたいと思っています。
■■講師と生徒保護者とのコミュニケーションのある教室――個別れんらく、発表室連絡
●動画:
https://youtu.be/LPsAy3hhz00
教育の本質は、人間の関わりの中で学ぶ学問と創造です。
勉強の力をつけるだけであれば、能率のよい教材はいくらでもあります。また、勉強法も優れたものが数多くあります。
しかし、大事なのは、その教育の周りの環境である身近な人間と社会です。
それは、人間が身体を持つ存在で、特定の空間と時間の中で生きているからです。
一緒に勉強する友達や先生との関わりの中で学び、現在の社会に対する問題意識を持ち、新しい何かを創造しようとすることが、人間の人間らしい学び方です。
そこが、AIの学び方と人間の学び方の違う点です。
言葉の森のオンラインクラスの特徴は、全員が対話に参加できる少人数であることです。
勉強する時間が中心なので、対話の時間は限られていますが、クラスの中で生徒どうしや先生と生徒との関わりがあることが、勉強そのものと同じぐらい大事なものだと考えています。
しかし、これまでは、生徒どうしや生徒と先生の間のコミュニケーションはあっても、保護者とのコミュニケーションは、必ずしも十分とは言えませんでした。
そこで、今度、個別れんらくのほかに、発表室連絡という形で、そのクラスの生徒保護者全員に対して、クラスごとの連絡をできるようにしました。
いわゆる「クラス通信」のようなものです。
オンラインクラス一覧表にある「発」の発表室に、講師が投稿した場合、その連絡がそのクラスの参加者にメールで届きます。
保護者の方は、それを見て、今、そのクラスでどんなことが行われているかを知ることができます。
また、それに対して、個別れんらくやその発表室で返信することもできます。
言葉の森が考えているのは、昔の寺子屋教育を現代のオンライン環境とネットワーク技術で新たに復活させ、更に創造性のある教育を行うことです。
そのために、今後、コミュニケーションを生かす教室作りをしていきたいと思っています。
■■合格速報
●兵庫県立篠山産業高校機械科 I.R.さん
<担当講師より>
いつもより明るい声で報告してくれました。試験は面接と小論文だったそうです。
中学1年生から作文を始めて、国語以外の教科にも役立ったと話してくれました。
合格おめでとうございます。実りのある3年間になりますように。
●横浜市立金沢高校 K.A.さん
<担当講師より>
第一声「中根先生の後輩になります」とのことでした(笑)。
しっかりと考え、自分らしい文体で表現して、受験直前でも書けたものはちゃんと提出してくれました。
充実した高校生活を送られると思います。
本当におめでとうございます!
●白梅学園清修中学校 T.S.さん
<担当講師より>
受験を決めたのは、夏だそうです。最初は数学から始め、国語に本格的に取り組めたのは冬からだったそうですが、これまで言葉の森で培ってきた国語力でのりきれたとおっしゃっていました。
見事、第一志望合格です! おめでとうございます。
●フェリス女学院中学校 T.A.さん
<担当講師より>
「読む力」だけでなく「書く力」を培ってきたことが強みになったとお母様がおっしゃっていました。国語受験で受けた学校にも見事合格したそうです。第一志望、合格おめでとうございます。また3月からいっしょに頑張りましょう!
●国立東京工業高等専門学校・東京電機大高校 M.K.さん
<担当講師より>
合格おめでとうございます!
小さなころからの豊富な読書量に支えられた表現力はとても魅力的で、毎回の作文を読ませてもらうことが楽しみでした。
新しい学び舎でのますますの活躍を心よりお祈り申し上げます。
●千葉県立船橋高等学校 M.S.さん
<担当講師より>
受験期間中も課題提出を欠かさない努力家の生徒さんです。毎回要点をしっかり理解し、素晴らしい作品を仕上げていました。おめでとうございます!
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● 言葉の森新聞2023年3月1週号 通算第1745号 (10937字) 言葉の森事務局 jun 2023年03月01日 15時55分
14530 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年3月1週号 通算第1745号
文責 中根克明(森川林)
■■【重要】3月1週は次学期の進度の参考試験(作文)
3.1週は、これまでの2ヶ月間の勉強の実力を見て、次の学期からの進度の参考にする実力試験として行います。
ただし、今学期から受講を開始された方は、実力試験の結果にかかわらず原則として自動進級します。
【課題】 課題はその週の作文又は感想文の課題です。
【評価】 課題フォルダの構成・題材・表現・主題の★印と字数が全部できていることが評価の基準になります。(表現の項目などで二つ以上の項目が指定されている場合はどちらかができていればその項目は◎です)。
キーワードと字数が採点の基準ですので、指定された字数以上で必要な項目が全部入る作文を書いてください。項目を入れたところには、項目マークを必ず書いておいてください。
【時間】 時間制限はありませんが、参考のためにかかった時間を記録しておいてください。時間は、課題を見てから書き終えるまでの時間です。
【締切】 作文実力試験の提出締切は、8日です。(郵便の場合は8日投函までですが、郵便に時間がかかるためオンラインでの提出をおすすめします。)
■■読解検定ランキングを更新しました
読解検定ランキングは、これまで、年間で何回100点を取ったかという基準で表示していました。
しかし、100点だと、該当者がかなり少なくなるので、2月からは、88点以上取った人を基準に表示することにしました。
読解検定の平均点は、大体60点です。
読解検定は、大学入試共通テストと同じような性格のテストなので、この読解検定での点数が高校生になったときの共通テストの現代文の点数になると考えておくとよいと思います。
この読解検定の点数を上げる方法は、第一に問題集読書を5回以上繰り返し、難しい語彙のある文章を読み慣れることです。
難しい語彙の文章を読み慣れる前提として、普通の読書で読むこと自体に慣れておくことも大切です。
読書では、物語文の本だけでなく、説明文の本も並行して読んでいくようにしましょう。
第二に、自分が問いた問題の答えの解説をすることです。
問題を解くだけでなく、自分がどういう理由でその答えを出したかを説明することが大事です。
読解検定ランキングのページはこちらです。
https://www.mori7.com/dokken/dk_rank.php
(ホームページの「よく使うリンク」の「13.ランキング」のリンクから行けます。)
※年間のランキングなので、現在学年の部以外に、昨年の学年の部にも掲載されていることがあります。
なお、名前は、ニックネーム、又は生徒コードのひらがなで表示されています。
ニックネームを変更する場合は、
https://www.mori7.com/sato/hennkou.phpのページでお願いします。
ニックネームは、オンラインクラス一覧表に表示しやすくなるように、できるだけ3文字以内にしてください。
■小1の課題の部
順位 コード 名前 性別 回数
1位 akatata あっちゃん 男 6回
2位 ayanaka あやか 女 3回
2位 akiyura ゆきの 女 3回
3位 aeneo あえねお 男 1回
3位 akatiyu あかちゆ 男 1回
3位 aoana あおあな 男 1回
■小2の課題の部
順位 コード 名前 性別 回数
1位 aemao あえまお 女 6回
2位 akaneya あかねや 女 4回
2位 aeneo あえねお 男 4回
2位 aohane はるひと 男 4回
2位 aemara まろっち 女 4回
3位 aetiyo ゆんじ 女 3回
3位 akaono あかおの 女 3回
4位 akatoyo あかとよ 男 2回
4位 akakasa あかかさ 男 2回
5位 aukati とうり 男 1回
5位 akasoyo あかそよ 男 1回
5位 aenehi あえねひ 男 1回
5位 aokate かずてる 男 1回
5位 akakoku りえこ 女 1回
5位 aotuku あおつく 女 1回
5位 aonono あおのの 女 1回
5位 akisia あきしあ 女 1回
5位 aoyayu あおやゆ 女 1回
5位 imasin ななつ星 男 1回
5位 misa みさ 女 1回
5位 aoora あおおら 1回
5位 aoyumi あおゆみ 女 1回
5位 aetoyu あえとゆ 女 1回
■小3の課題の部
順位 コード 名前 性別 回数
1位 aukati とうり 男 8回
2位 aoyayu あおやゆ 女 6回
3位 aenini にな 女 4回
3位 imasin ななつ星 男 4回
4位 aetoyu あえとゆ 女 3回
4位 misa みさ 女 3回
4位 aemiku あえみく 女 3回
5位 aomemi あおめみ 女 2回
5位 aeneo あえねお 男 2回
5位 aomoto あおもと 男 2回
6位 okamoto ゆめある 女 1回
6位 akasoyo あかそよ 男 1回
6位 akanonu かい 男 1回
6位 akisia あきしあ 女 1回
6位 akatoyo あかとよ 男 1回
6位 aemori あえもり 女 1回
6位 aokati ここ 女 1回
6位 aomami あおまみ 女 1回
6位 aonoe ふうか 女 1回
6位 aewami みほ 女 1回
6位 aoseo こうき 男 1回
6位 auraru さき 女 1回
6位 airihi あかり 女 1回
6位 akateya あかてや 男 1回
■小4の課題の部
順位 コード 名前 性別 回数
1位 akasoyo あかそよ 男 6回
2位 akiako かんこ 女 5回
2位 aonoe ふうか 女 5回
3位 harutosa はるとさ 男 4回
4位 aoseo こうき 男 3回
4位 kohasei こはせい 男 3回
5位 akatoha あかとは 男 2回
5位 auraru さき 女 2回
5位 akaruho あかるほ 男 2回
5位 akatoyo あかとよ 男 2回
5位 Aemaru IQ2222垓超えのSho Messi God 天才?? 男 2回
5位 aerawa みずかみ 男 2回
5位 nakasou なかそう 男 2回
5位 aienu たけ 男 2回
5位 aeriri りーちゃん 女 2回
6位 akiasa あんこ 女 1回
6位 airihi あかり 女 1回
6位 akakano あかかの 男 1回
6位 aomoto あおもと 男 1回
6位 aioo たお 男 1回
6位 aewami みほ 女 1回
6位 sirae しらえ 男 1回
6位 aotusi ゆかり 女 1回
6位 aenao ちか 女 1回
6位 aunehu ポッポ 女 1回
6位 autoru 少年探偵団 男 1回
6位 aomike あおみけ 女 1回
6位 aikinu あいきぬ 男 1回
6位 aerema あえれま 女 1回
6位 mizutani みず 男 1回
6位 aorae あおらえ 男 1回
6位 aesasi しげか 女 1回
6位 aesami みちる 女 1回
6位 aesati あえさち 女 1回
6位 akiei あきえい 男 1回
■小5の課題の部
順位 コード 名前 性別 回数
1位 autoru 少年探偵団 男 10回
2位 aikinu あいきぬ 男 7回
3位 ausere あうせれ 女 6回
4位 aumona ゆう 女 4回
4位 aesasi しげか 女 4回
4位 aesami みちる 女 4回
5位 akarura あかるら 女 3回
5位 yamasou やまそう 男 3回
6位 aorae あおらえ 男 2回
6位 nakasou なかそう 男 2回
6位 aokisa きわみ 女 2回
6位 aeyuhu あえゆふ 男 2回
6位 auyama あうやま 男 2回
6位 aioo たお 男 2回
6位 aemaka でんでん 女 2回
6位 aiyusu あいゆす 女 2回
7位 kurumin くるみん 女 1回
7位 akanaho あかなほ 女 1回
7位 aerema あえれま 女 1回
7位 aeriri りーちゃん 女 1回
7位 mizutani みず 男 1回
7位 akanoha あかのは 女 1回
7位 aerami かなみ 女 1回
7位 akanuma あかぬま 男 1回
7位 aihoha かんたろう 男 1回
7位 akatoya とむにゃん 男 1回
7位 aitia あいちあ 女 1回
7位 autiro りんた 男 1回
7位 okayuna ゆな 女 1回
7位 aoyano あおやの 男 1回
7位 akarira あかりら 女 1回
7位 aerohi あえろひ 女 1回
7位 auyoe やも 男 1回
7位 aetao あえたお 女 1回
7位 Kanonon かののん 女 1回
7位 aiotu あいおつ 男 1回
7位 aomoto あおもと 男 1回
7位 aamesi ドドンパ 男 1回
■小6の課題の部
順位 コード 名前 性別 回数
1位 akaae あかあえ 女 7回
2位 autiro りんた 男 6回
3位 aitia あいちあ 女 5回
3位 aemaka でんでん 女 5回
4位 aiyusu あいゆす 女 4回
4位 akakiya あかきや 女 4回
5位 ausano あうさの 女 3回
5位 Kanonon かののん 女 3回
5位 aeiha あえいは 女 3回
5位 aohune あおふね 男 3回
6位 auea あうえあ 女 2回
6位 aetao あえたお 女 2回
6位 monaka もなか 女 2回
6位 aisara あいさら 女 2回
6位 aemoa あえもあ 女 2回
6位 aoyano あおやの 男 2回
6位 kenken けんけん 男 2回
7位 okayuna ゆな 女 1回
7位 aoaro とおま 男 1回
7位 aemaru IQ2222垓超えのSho Messi God 天才?? 男 1回
7位 auyoe やも 男 1回
7位 aemaki RUNAKUNN 男 1回
7位 akareto あかれと 男 1回
7位 aetami みさと 女 1回
7位 aereme めい 女 1回
7位 akatoa まつあさ 女 1回
7位 akatowa あかとわ 男 1回
7位 asayahu あさや 男 1回
7位 auaka 瑞風 男 1回
7位 auuki さっきー 女 1回
7位 auoki そうた 男 1回
7位 aarumu たく 男 1回
■中1の課題の部
順位 コード 名前 性別 回数
1位 auteha あうては 男 4回
1位 auuki さっきー 女 4回
2位 aosohu あおそふ 女 2回
2位 auaka 瑞風 男 2回
2位 aawayu ゆな 女 2回
2位 akareri あかれり 男 2回
2位 aamaka なおや 男 2回
2位 airena だいかく 男 2回
2位 auoha しらたま 男 2回
3位 aiea リンリン 女 1回
3位 aenina あえにな 女 1回
3位 aarumu たく 男 1回
3位 aihira あまね 女 1回
3位 risaru りさる 女 1回
3位 auyoto かずま 男 1回
3位 aonomi ゴボウ 男 1回
3位 akasono あかその 女 1回
3位 aehira あえひら 女 1回
3位 aiyono たくま 男 1回
3位 ayayumi ゆみ 女 1回
■中2の課題の部
順位 コード 名前 性別 回数
1位 aiyono たくま 男 3回
2位 riyuuto りゆうと 男 2回
2位 asese ホワイトボード 女 2回
2位 aonomi ゴボウ 男 2回
2位 aukeke なつみ 女 2回
2位 akasono あかその 女 2回
2位 aeneya あえねや 女 2回
2位 aototo あずさ 女 2回
3位 auyoto かずま 男 1回
3位 yukahiro ゆかひろ 女 1回
■中3の課題の部
順位 コード 名前 性別 回数
1位 aoniko あおにこ 女 5回
2位 yukahiro ゆかひろ 女 3回
3位 rayuni 清正 男 2回
3位 akaremi みゆ 女 2回
4位 aitasu カレー君 男 1回
4位 aonehi コバン 男 1回
4位 aehoyu あえほゆ 女 1回
4位 souhuku そうふく 男 1回
4位 aetoya あえとや 女 1回
■高1の課題の部
順位 コード 名前 性別 回数
1位 auyuna あうゆな 女 5回
2位 aetoya あえとや 女 2回
2位 aahayo 四季島 男 2回
3位 rarohu らろふ 男 1回
3位 akareke あかれけ 男 1回
3位 souhuku そうふく 男 1回
■高2の課題の部
順位 コード 名前 性別 回数
1位 akarea あかれあ 女 1回
■高3の課題の部
順位 コード 名前 性別 回数
1位 wayaru わやる 女 4回
2位 akarea あかれあ 女 3回
3位 aotenu あおてぬ 男 1回
3位 mareri まれり 男 1回
3位 auore あうおれ 女 1回
■■森リンベストのページに学年別月間ベスト10を掲載――将来のAIによる作文小論文自動採点に対応
森リンベストのページを更新し、学年別課題のベスト10にしました。
現在、ChatGPTに見られるように、AIによる文章の自動生成、自動編集の技術が発展しています。
将来予想されるものは、AIによる作文小論文の自動採点です。
評価の基準は、どれだけ個性的な実例で、どれだけ豊富な語彙を使い、どれだけ表現豊かに、どれだけ深く考えて書かれた文章かということです。
内容の価値的なものは、評価の中には入りません。
それだけ、人間による評価よりも客観的になります。
人間は、文章の純粋な評価よりも、内容の好悪や、字の上手さなどに目を奪われることが多いからです。
作文の自動採点の一番の利点は、評価が高速に行われることです。
すると、入試にも作文の自動採点が使われるようになります。
たぶん、最初はアメリカで行われるようになり、やがて日本でも広がるでしょう。
試験会場に、ポメラのようなテキスト入力に特化した端末が用意され、作文試験はその端末で一斉に作文を書くという形で行われるのです。
字数の基準は、60分から90分で1200字ぐらいになると思います。
森リンは、作文の自動採点を一歩先取りした自動採点ソフトです。
小学6年生以上は、この森リン評価で高得点を取ることを目標に作文の練習を続けていってください。
森リンベストのページはこちらです。
https://www.mori7.com/moririn/mori_best.php
(ホームページの「よく使うリンク」の「13.ランキング」のリンクから行けます。)
学年の課題のランキングなので、現在の学年以外に、参加して間もない高学年の生徒が入っている場合があります。
名前は、ニックネーム、又は生徒コードのひらがなで表示されています。
ニックネームを変更する場合は、
https://www.mori7.com/sato/hennkou.php
のページでお願いします。
ニックネームは、オンラインクラス一覧表に表示しやすくなるように、できるだけ4文字以内、できれば3文字以内にしてください。
【参考記事】
森リン点の解説(1)――高得点の作文はどのようにして書くか
https://www.mori7.com/as/4526.html
森リン点の解説(2)
https://www.mori7.com/as/4527.html
森リン点の解説(3)
https://www.mori7.com/as/4528.html
森リン点の解説(4)
https://www.mori7.com/as/4530.html
森リン点の解説(5)
https://www.mori7.com/as/4533.html
2023年 ベスト50
順位 題名(全学年) 名前 学年 総合点 字数 思考 知識 表現
1位 ●何故言葉を使うの らよろ 高2 94点 1290字 73 92 95
2位 ●安全な方法 ああるそ 高1 93点 1205字 67 93 90
3位 ●神との会話 サーサ 高2 92点 1442字 69 101 105
4位 ●多数決と全員一致 かずま 中2 92点 1389字 67 91 90
5位 ●学問 ああてこ 高2 91点 1218字 72 100 96
6位 ●自己開示 ああるそ 高1 91点 1159字 66 95 96
7位 ●安全な方法 ああるそ 高1 91点 1205字 69 96 89
8位 ●自己開示 ああるそ 高1 91点 1237字 68 83 88
9位 ●民主主義 ああるそ 高1 91点 1263字 73 79 85
10位 ●宗教による争い あえれふ 高2 91点 1307字 61 84 85
11位 ●全てが言語化され あえれふ 高2 91点 1401字 63 87 83
12位 ●価値観の違い Yuki 中2 90点 1263字 67 109 105
13位 ●そもそも勘違いの あうゆな 高1 90点 1391字 67 87 95
14位 ●謙虚 あえしゆ 高1 90点 1261字 69 102 91
15位 ●自信を持った生き あかみさ 中3 90点 1242字 68 102 90
16位 ●自信を持った生き あかみさ 中3 90点 1242字 68 102 90
17位 ●自己中人間 あえよゆ 小6 90点 1274字 67 70 88
18位 ●調和の取れた街 あえれふ 高2 90点 1297字 67 78 80
19位 ●勝敗の必要性 あああさ 中2 89点 1173字 62 79 89
20位 ●勝敗の必要性 あああさ 中2 89点 1173字 62 79 89
21位 ●自然のメリット・ あえはな 小6 89点 1265字 61 77 85
22位 ●心の価値 あえれふ 高2 89点 1391字 72 95 85
23位 ●モダンなコミュニ あえしゆ 高1 89点 1141字 63 84 83
24位 ●同類を見つける ああるそ 高1 89点 1223字 63 71 82
25位 ●日本独自の社会 あえれふ 高2 89点 1231字 61 88 81
26位 ●知的好奇心の衰え あおやの 小6 89点 1546字 59 78 81
27位 ●情のある風景 あえれふ 高2 89点 1295字 67 77 80
28位 ●生きるための学問 あえれふ 高2 89点 1322字 67 75 75
29位 ●虎の威を借る傀儡 あうゆな 高1 88点 1401字 59 97 95
30位 ●他者も自分と同じ らるせ 高1 88点 1441字 63 96 92
31位 ●学問は誰のために らよろ 高2 88点 1632字 58 93 88
32位 ●愛情と躾 さっきー 中1 88点 1152字 62 78 87
33位 ●綺麗な水 りんた 小6 88点 1828字 63 73 80
34位 ●知的好奇心の衰え あおやの 小6 88点 1440字 58 76 80
35位 ●緊張する時 あかない 小6 88点 1261字 58 84 79
36位 ●綺麗な水 りんた 小6 88点 1529字 61 73 79
37位 ●挑戦 ああるそ 高1 88点 1203字 62 73 78
38位 ●ポイ捨て あえねき 中1 88点 1356字 69 67 78
39位 ●成人 あえしゆ 高1 88点 1293字 58 76 76
40位 ●多数決 あえねや 中2 88点 1274字 59 74 76
41位 ●民主主義の重要性 らるせ 高1 87点 1399字 64 112 106
42位 ●ちょうどいい環境 さっきー 中1 87点 1286字 56 88 90
43位 ●自然~環境破壊に あおふね 小6 87点 1996字 61 96 88
44位 ●きれいな部屋と散 あうては 中1 87点 1179字 59 80 88
45位 ●中身と外観=クラ あおふね 小6 87点 1294字 57 89 88
46位 ●旅は最高の学び場 らるせ 高1 87点 1356字 56 90 86
47位 ●旅は最高の学び場 らるせ 高1 87点 1356字 56 90 86
48位 ●知恵と知識 あああさ 中2 87点 1076字 63 77 85
49位 ●戦争 あえなね 中2 87点 1227字 61 89 83
50位 ●他人への注意 ああるそ 高1 87点 1054字 71 72 80
■■中学生の意見文は、構成と主題を中心にした言葉の森の独自の指導法
作文の要素を大きく分けると、字数、構成、題材、表現、主題、表記になります。
小学生までの作文は、題材と表現が中心です。
その人らしい価値ある題材を、表現を工夫して書くということです。
低学年の場合は、ここに、正しい表記で書くということも入ります。
文章を構成する意識ができてくるのが、小学5年生からです。
ものごとをまとめる力がついてくるのです。
ですから、要約の練習も小5から始まります。
しかし、安定した要約ができるようになるのは、中学生になってからです。
ところで、要約の指導法は、実は簡単です。
世間では、一段落ずつ要点をまとめさせたり、文章の終わりの部分中心にまとめさせたりする教え方が多いようですが、そういう方法ではありません。
よく理解できたところに線を引きながら何度か繰り返し読み、重要だと思った文を3つ選びつなげるという書き方です。
小学4年生では、3文抜き書きという練習をしますが、この方法であれば、一度の説明でだれでも要約ができるようになります。
小学6年生で要約のできる生徒は50%というデータがあるようですが、それは教え方が悪いのだと思います。
小学1、2年生では、文章を要約するようなことはまずできません。
この時期は、文章を丸ごと読む時期なので、要点をまとめるということはできないのです。
読書紹介でも、小学1、2年生は、本のあらすじを最初から最後まで言おうとします。
しかし、これは逆に、小学1、2年生の能力でもあり、この時期は、誰でも暗唱がすぐにできるようになります。
さて、中学生になってからの作文の主要な要素は、構成と主題になります。
例えば、自分の意見と他の人の意見の違いを明らかにし、自分の意見の裏付けとなる理由を複数述べるという書き方です。(中1の課題)
このときに、多くの生徒が、理由という抽象化されたことを書けずに、具体的な実例だけを書いてしまいます。
「私は、宿題はよくないと思う。それは、この間とても時間がかかったからだ」というのが、実例の文です。
理由の文は、「私は、宿題はよくないと思う。それは、生徒が自主的に学習することができないからだ。例えば……」という形です。
抽象化された理由を書けるか書けないかは、語彙力の差です。
抽象的な説明文をよく読んでいる生徒は、すぐに理由を書けます。場合によっては、3つも4つも理由を書くことができます。
それに対して、本をよく読んでいない生徒は、なかなか実例だけの文章から抜け出せません。
中学2年生の課題は、複数の意見と総合化の主題という書き方になります。
この総合化の主題は、かなり頭を使うので、うまくまとめられる子はあまりいません。
Aという意見のよい面を書き、反対のBという意見のよい面も書き、結論は、AとBの対立を超えたCという意見でまとめるという形です。
ほとんどの生徒は、折衷案のような形でCの意見を書いてしまいます。
昔、予備校の小論文の授業でトップの成績を取ったという子が、この総合化の主題がよく書ける生徒でした。
中学3年生の課題は、当為の主題と複数の方法という書き方です。
複数の方法のところで、ほとんどの生徒は、自分ができそうなことを中心に書いてしまいます。
自分ができそうなことはもちろん大切ですが、それと並行して、社会をどうするかという書き方もする必要があります。
これも、読書力が必要で、政治、経済、社会の本を読んでいれば、複数の方法の幅が広がります。
読書力が大切なのは、実例の選び方に出てきます。
データ実例、伝記実例、歴史実例、昔話実例、自然科学実例などをすぐに思いつける生徒は、本をよく読んでいます。
作文力は、作文の上だけの問題ではなく、読書力という土台の問題でもあるのです。
■■コオロギ食に反対する――タンパク源は、豆腐でもガンモドキでも歴史の試練に耐えたものが日本にはたくさんある
徳島県の高校で、コオロギ食材を給食として提供したという記事が載っていました。
体に入るものについては、長期間の試験が必要で、特に子供たちの食事については安全性が確認されたものだけにする必要があります。
コオロギ食を利用する根拠は、肉類の供給が難しくなるからということです。
しかし、タンパク源については、日本には、昔から、豆腐やガンモドキや納豆や油揚げなど植物性で安全性が確定したものがたくさんあります。
昆虫食についても、イナゴの佃煮や蜂の子のようなものは、歴史的に安全性が確立しています。
そういう日本の伝統をふまえれば、海外の論調に合わせて昆虫食を日本に導入する必要はありません。
コオロギは、ペットとして飼うもので、食材として利用するものではありません。
しかし、コオロギを室内で飼うと、夜うるさくて眠れません(笑)。
万葉集より
「蔭草(かげくさ)の 生ひたるやどの 夕影に 鳴くこほろぎは 聞けど飽かぬかも」
「秋風の 寒く吹くなへ 我がやどの 浅茅がもとに こほろぎ鳴くも」
「庭草に 村雨降りて こほろぎの 鳴く声聞けば 秋づきにけり」
(
https://manyuraku.exblog.jp/28670506/ より引用)
コオロギは、食べるものではなく、愛でるものです。
■■合格速報
●日本大学医学部 K.S.さん
<担当講師より>
小学1年の作文から、ご本人の意思でずっと継続されてきた生徒さんです。大学受験が近づくと、受講時間が遅くにしかとれませんでしたが、課題文をしっかり読み込んでお話しすることができました。
自分のやりたいことを継続することで、すばらしい文章力も身につけられました。医学の道で新しいやりたいことを見つけてください。
おめでとうございます。
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● 言葉の森新聞2023年2月4週号 通算第1744号 (8486字) 言葉の森事務局 jun 2023年02月22日 18時14分
14523 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年2月4週号 通算第1744号
文責 中根克明(森川林)
■■第4週は清書。幼稚園生は作文(作文クラス)
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
■100-8051(住所はいりません毎日小学生新聞「さくひん」係(600字以内)
●新聞社に送る清書は市販の原稿用紙に
新聞社に送る清書は、市販の原稿用紙に書いてください。
その理由は、清書は個人で送るものなので、自分で用意した原稿用紙に書くのが、社会的なルールとなるからです。
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■入試の合格、不合格を越えて(1)
「合格しなくたって大丈夫」
https://www.mori7.com/as/4000.html
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毎年この時期になると、「志望校に合格しました」という知らせとともに、「合格しませんでした」という知らせも受けます。
そのときに、いつも思うのが、「合格しなくたって大丈夫」ということです。
勉強をよくしていて、考える力も十分にあり、読書も好きで、性格もよく、絶対に合格してほしい生徒が合格しなかったという報告を受けると、「その学校は人を見る目がなかったんだなあ」と思います。
合格しなかったのは、受験した生徒の問題ではなく、受けた学校の問題です。
だから、合格しなかった人は、それを乗りこえて、「合格しなくてよかった」と思うような人生をこれから歩むことになるのです。
私も昔、出版社と新聞社を受けて、ペーパー試験はもちろん楽勝でしたが(ホントか)、面接で軽く落とされました。
それまで、大きい試験で不合格になるというようなことはなく初めての経験だったので、心からがっかりしましたが、すぐに、「あんなところに受からなくてよかったと言えるような人生にしよう」と考えを切り換えました。
だから、不合格の人も、考えを切り換えることです。
たぶんもう切り換えていると思いますが。
しばらくすると、不合格ということが、自分の人生の一つのエピソードになります。
生きていれば、山もあり谷もあり、時には山頂に立つことも、谷底に落ちることもあります。
しかし、振り返ると、それらがどれも自分の人生のそれぞれの色どりになって、その人の個性を形成していくのです。
不合格になった人は、その不合格が自分の勲章になるような生き方をこれからしていってください。
失敗は、あとから振り返ると、すべて自分の勲章になるのです。
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「不合格なんて気にしない――その学校に人を見る目がなかっただけ」
https://www.mori7.com/as/3570.html
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M君、こんにちは。
ペンネームの方が慣れているので、それで呼ばせてもらいますが(笑)。
受験は残念だったけれど、それは誰もが言うように、いい経験をしたと思うといいということです。
しかも、得難いいい経験だったということで、神様がもしいるとすれば、神様にいい経験をさせてくれてありがとうと言ってもいいくらいです
人間は、この世でいろいろな経験を積むために生きているので、先生も何かあるたびに、そう感謝するようにしています。
こういう経験は、挑戦した人でなければ得られないことですから、その挑戦も含めて自分をより強く豊かな人間にするための機会だったということです。
さて、試験のことについてですが、先生は途中でちょっと過去問に対応した勉強が大丈夫かなあと思ったのです。
受験というのは、実力の試験ではなくて、志望校の傾向に合わせたテクニックが必要な試験です。
これまで合格した生徒や不合格になった生徒を見ても、実力はむしろ逆ぐらいのことが多く(と、先生の周囲の人もよく言っていますが)、難しい問題に時間をかけず、うまく易しい問題に取り組んだ人がいい点数になるようなところがあったからです。
特に、算数の問題については、今の公立中高一貫校の試験は実力だけでは解けず、解き方のテクニックをかなり身につけておかなければなりません。また、テクニックを身につけていたとしても、ほとんど誰も解けないような問題もところどころにあります。
そこをうまく、というか偶然飛ばした人がいい点数になるというところもあるのです。
合否は実力の差で決まるわけではありませんが、合格した人は、自分が勉強が得意だったと思うようになり、不合格になった人は自分が勉強が苦手だったと思うようになります。
すると、何か難しい勉強に取り組むときも、得意な人は自然に自分はできるはずだと思って取り組むようになり、苦手な人はその難しいものをできれば避けたいと思って取り組むようになります。この意識の差が大きいのです。
だから、不合格になったときは、自分が合格できなかったと思うのではなく、その学校が自分を合格にするような正しい評価ができなかったと思うといいのです。
M君は、実力は十分すぎるくらいあったと思います。普段の発表学習クラスの様子を見ていると、それがよくわかります。
だから、そういう有望な人材を採用できなかった学校は、人を見る目がなかったということです(笑)。
今の試験システムが、まだ本当に有望な人を採用する仕組みになっていないのです。
しかし、だから逆に、受験のテクニックとしての過去問対策を十分にやれば、どこでも受かることができるようになっています。
今回はまだそういう準備の期間が短かったと思いますが、次回の高校入試や大学入試では、もっと自覚的にそういう対策ができるはずです。
途中の経過で回り道になったり直線の道になったりすることはあっても、最終的には自分の実力に応じたところに行くようになっていますから、むしろ回り道を経験した分だけ自分が丈夫になったと思うといいのです。
人生には、いろいろな勝ち負けや合否の経験がありますが、早めにそういう経験をしておくと勝ち負けの免疫ができます。
それが、これからの人生に何度も役に立つ場面が出てくると思います。
今後の勉強ですが、中学の勉強の中心は数学になります。中1のころはかなり易しい勉強なので、スタディサプリなどを使って1学年先のところまで勉強を進めるようにし、中3の受験のときには受験対応の数学に取り組むようにするといいです。
これは、高校に入っても同様です。学校に合わせてのんびり勉強しているのではなく、数学だけは自分で先に進めておくといいのです。それは、日本の受験がそういう仕組みになっているからです。
英語は、真面目さに比例する教科なので、Mくんは心配要らないと思いますが、基本は教科書の暗唱です。教科書に出てくる文章を全部空で言えるぐらいに音読しておくといいと思います。ただし、今の英語の教科書は会話が多く地の文が少ないので、自分で音読の教材を選んでもいいと思います。
大事なことは、ひとつの教材に絞ってそれを何度も繰り返し読み、どこに何が書いてあったか思い出せるぐらいに自分のものにするということです。
今の受験は、数学を中心とした記憶力と過去問対策の試験になっていますが、これからの試験はだんだん変わってきます。
これからの受験は、個性と自主性のあるユニークな人材を採用するという方向に進んでいきます。
それは、社会がそういう人を求めるようになっているからです。
M君のこれまでの発表の様子を見ていると、理解力や表現力という実力は十分にありますが、それ以上に自主性と創造性に優れていることがわかります。
その長所がこれから発揮できるような試験になり、社会になっていくのです。
だから、自分の持ち味に自信を持ち、これからも今の路線でやっていくといいと思います。
それでは、また新しいユニークなことに挑戦しながら、これからも元気にいろいろなことに取り組んでいってください。
追伸
この手紙を書いていて、ほかの不合格になった人にも同じようなことを伝えて励ましたいと思ったので、名前のところを匿名にしてホームページの記事に載せたいと思います。
わかる人にはわかると思いますが(笑)
それでは、新しい気持ちで、これから明るい春を迎えてください。
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■■新中学1年生から始める意見文の作文(1)
●作文は、小学校の間だけの勉強ではない。
作文というと、小学生のころの生活作文を連想する人が多いと思います。
それは、小学校の、特に低学年では、作文の授業がかなりあるからです。
低学年の作文の授業は、正しい書き方に直すことが中心です。
しかし、高学年になると、次第に作文の授業はなくなります。
正しい書き方を身につけたあとは、それ以上教えることがなくなるからです。
●作文の勉強が本当に生きてくるのは中学生の意見文から。
中学生や高校生になると、作文(小論文)の授業は、ほぼなくなります。
それは、先生が、中学生や高校生の作文を教えることができなくなるからです。
しかし、作文力がほんとうに大事になるのは、中学生の意見文からです。
言葉の森の作文指導は、中1から中3にかけて、さまざまな意見文の練習をしていきます。
中学生の3年間で、意見文の書き方を身につければ、それだけで大学入試の小論文に対応できる力がみにつきます。
作文の本当に価値ある勉強は中学生から始まります。
小学生のころの作文は、中学生からの意見文の助走期間なのです。
●作文力は、高校入試でも大学入試でもますます重要になる。
近年、中学入試でも、高校入試でも、大学入試でも、作文力が大きく評価されるようになっています。
それは、作文力がその生徒の学力の全体をほぼ正確に表しているからです。
現在、ChatGPTで文章を生成したり要約したりする技術が発展しています。
今後、この技術の応用で、文章を評価する技術が生まれてくるはずです。
すると、先進的な入試では、安価なテキスト端末で作文を書かせ、それをAIが評価するようになります。
こういう作文入試が、やがて現在のガラパゴス入試に取って代わるようになります。
●言葉の森の作文は、事後の添削ではなく、事前の構成指導。
言葉の森の作文指導の特徴は、事後の赤ペン添削ではなく、事前の構成指導です。
このような事前の作文指導を行っているのは、言葉の森だけです。
この指導法によって、小学1年生から高校3年生まで、作文の一貫指導ができているのです。
●赤ペン添削では、作文は上達しない。
赤ペン添削は、どれほど詳しく書かれていても、生徒の作文力にはつながりません。
事後の添削ではなく、事前の構成指導と、そのための準備と取材が、作文力を伸ばします。(つづく)
■■合格速報
●獨協中学校 S.T.さん
<担当講師より>
作文クラスにいつもしっかりと準備して臨み、友だちの発表を興味を持って聞いてクラスを盛り上げる質問感想を伝えてくれていました。言葉の森で勉強を続けてきたことが安定した国語力につながり、受験期を支えてくれたそうです。合格おめでとうございます!
●桐朋中学校 A.K.さん
<担当講師より>
合格おめでとうございます!
中学の受験勉強と並行して、作文の勉強を続けているA.K.くん。1月も休まず指導を受けてくれました。お母様のお話では、塾で一般的に国語は伸びないと言われていたのに、ぐんぐんと実力が上がったとのこと。言葉の森を続けたお蔭だと感謝されました。これからも、作文を続けてくれるとのこと。益々の成長を期待しております。
■■オンラインクラス保護者懇談会2月の資料
★動画:
https://youtu.be/YFpqWDKuuu4
●教材は、新教材を中心に。国・数・英は確認テストを定期的的に行う予定
新年度の国語、算数数学、英語のテキストは、教材注文のページから注文できます。
https://www.mori7.com/teraon/jgkyouzai.php
2月からは、これらの新しい教材を中心に指導をしていきます。
古い教材は、原則として使いませんので、これまでの古い教材をお持ちの方は、授業の中とは別に家庭学習の教材として使っていってください。
教材を変更した主な理由は、確認テストを定期的に行うようにするためです。
このため、小4以上は、確認テストを外した状態でお送りします。
すでに確認テストの含まれている教材をお持ちの方は、保護者の方で保管しておいてくださるようお願いします。
新教材は、全体に前年度よりも難しい内容になっています。
小1は、ウィンパス国語、ウィンパス算数のままです。
小2~小3は、ジュニア新演習国語、ジュニア新演習算数になります。
小4~小6は、中学受験新演習国語、中学受験新演習算数になります。
中1~中3は、発展新演習国語、発展新演習数学、発展新演習英語になります。
高校生は、高校新演習プログレス現代文です。
いずれも、算数数学については、標準レベルの問題を100%完璧に解けるように繰り返し学習してください。
余裕のある人は、発展問題やチャレンジ問題の難問に取り組んでもいいですが、難問のページは飛ばしてもかまいません。
2020年から始まった教科書改訂の影響で、改訂前の教材と改定後の教材がわかりにくく混在しています。
2022年の12月以降に教材を注文された方で、下記の改定前の教材を持っている方は、無償で改訂版と交換しますので、ご連絡ください。
見分け方は、改定前の教材は、裏表紙の左上のバーコードの上の数字で、
○○○○○-0014-○○○となっているのが改定前、
○○○○○-0021-○○○となっているのが改定後です。
(○は数字又はアルファベット)
該当する教材は、
「中学受験新演習国語小4~小6」
「中学受験新演習算数小4~小6」です。
授業中に教材の内容が違っていることがわかった場合もご連絡ください。
●作文力を伸ばすコツは、事前の準備と読書、特に説明文読書――準備の中心は取材
作文について、「直して上手にさせる」と考える人がかなりいますが、直して上手にできるのは一時的で、直す指導をすると、生徒はかえって作文が苦手になります。
作文を上達させるポイントは、事前の準備と読書です。
言葉の森の作文指導は、事前の項目指導が中心ですので、項目に合わせた内容が書けるように準備することが大事です。
小学生の場合、準備の中でも特に必要なものは、保護者への取材です。親子の対話で、子供の語彙力を伸ばすようにしてください。
また、作文力のもとになる語彙力は、読書から来ています。
絵本のような絵ばかりの本でなく字の多い本、物語文の本ばかりでなく説明文の本を読むようにしてください。
説明文を読む機会があまりない場合は、国語読解クラスの問題集読書を毎日数ページずつ続けるようにしてください。
小学校高学年、中学生、高校生の作文力は、説明文と意見文の読書が土台になっています。
●国語読解の力をつけるには、問題集読書を進めること――読検高得点賞は88点以上に
国語読解クラスで、これまで読検ランキングへの掲載を100点以上としていましたが、2月から88点以上としました。
https://www.mori7.com/dokken/dk_rank.php
このランキング表に載ることを目標に、国語読解の勉強をしてください。
国語読解の力が伸び悩む原因のほとんどは、問題集読書の不足です。
問題集の問題文を毎日数ページずつ音読し、1冊を5回以上繰り返し読むことを目標にしてください。
●総合学力は、家庭学習のきっかけを作るためのクラス――暗唱練習や読書紹介に活用
総合学力クラスは、その場で勉強することだけを目的にしたクラスではありません。
基本になるのは、毎日の家庭学習で、その家庭学習のきっかけにするために毎週の授業があるという関係です。
これは、他の国語読解、算数数学、英語のクラスでも同様です。
授業に出ることが勉強ではなく、毎日の家庭学習が勉強で、授業ではそれをチェックするという関係です。
例えば、暗唱なども、その場で暗唱の練習をすることが目的なのではなく、毎日の暗唱の家庭学習を評価する場が授業ということになります。
また、暗唱については、自分の好きなところをやるよりも、暗唱文集の順番どおりに暗唱できるようにし、暗唱検定に合格することを目標にしてください。
暗唱検定を目標にしやすいように、今後、総合学力クラスでは、300字程度の短い範囲のミニ暗唱検定を行う予定です。
●算数数学は、標準問題を完璧に仕上げること――難問は飛ばしてもよい
算数数学クラスは、現在の受験に対応するために、難度の高い問題も取り組むようにします。
しかし、小学校時代の難問は、考える練習にはなりますが、中学生以降の勉強には生きてきません。
小学校時代は、標準的な問題が完璧にできることを目標にしていってください。
同様に、中学生の問題集の中にも、必要以上の難問があります。
中学生も、標準的な問題が完璧にできることを目標に勉強を進めていってください。
完璧にできるようにするためには、1冊の問題集を5回以上繰り返すことです。
いろいろな問題集やプリントに取り組むのではなく、1冊を完璧にということが大事です。
●英語は、英文の音読暗唱を中心に、問題集は文法を確実に繰り返す
中学生の英語は、教科書の音読暗唱が中心になります。
最近の英語の教科書は会話体が多く参考にならないので、市販の「英会話・ぜったい・音読」をすすめています。
毎日の音読暗唱、更には暗写で、英語力をつけていってください。
英語の問題集で特に大事なのは、文法の説明です。問題を解くことよりも、文法を理解することを目標に問題集を繰り返し読むようにしてください。
●創造発表は、東大の推薦入試に対応できる個性を伸ばす学習
創造発表クラスは、これからの学力として必要になる、個性、創造力、思考力、発表力を伸ばす学習です。
取り組むテーマは自由ですから、自分の好きな分野を深掘りして勉強を進めていってください。
発表がしやすくなるように、中学生以上の生徒は、YouTubeのアカウントを取得しておくといいと思います。
●プログラミングは、テキストを読んで理解することを中心に
プログラミングクラスで、Scratchなどのビジュアルプログラミングは、低学年から取り組めますが、ビジュアルな操作だけでなく、説明の部分も読むことが必要です。
ビジュアルな試行錯誤だけで学習を進めていると、途中で限界が来ます。
必ず、解説の部分を読み取り、自分が何をしているか理解しながら勉強を進めていきましょう。
コードプログラミングのJavaScriptやPythonは、プログラミングの前に、エディタをインストールしたり、パソコンの中にフォルダを作ったりという事前の環境作りに時間がかかります。
保護者の方が、協力して環境づくりを手伝ってあげてください。
JavaScriptやPythonは、Scratchと違って、ウェブで簡単に表示することができないので、今後サーバーをレンタルし、生徒の作品がウェブでも表示できるようにする予定です。
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● 言葉の森新聞2023年2月3週号 通算第1743号 (3814字) 言葉の森事務局 jun 2023年02月15日 11時34分
14503 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年2月3週号 通算第1743号
文責 中根克明(森川林)
■■2月23日(木)は「休み宿題」
カレンダーに記載してあるとおり、2月23日(木)は祭日のため「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
■■言葉の森の「オンライン少人数クラス」とベネッセの「オンラインならいごと」
●動画:
https://youtu.be/qUKtw418Y7U
言葉の森が、コロナ禍の2020年にオンラインクラスを多様に開講したとき、私(森川林)はすぐに、同じようなことをするところが出てくるだろうと思いました。
言葉の森でのオンラインクラスという仕組みそのものは、2013年から作っていましたが、それが広がったのは、ちょうど2020年からでした。
当時の世の中のオンライン教育のほとんどは、授業の動画をただ流すだけのものでした。
高学年の真面目に勉強する子にとっては、かいつまんで見ることができない動画の授業は、無駄な時間が多すぎました。
一方、低学年や勉強の自覚のない子にとっては、動画の授業はすぐに飽きてしまうものでした。
IT先進国のように言われていたアメリカでさえ、オンライン教育は、低学年の子供が飽きるということに対応できていませんでしたから、日本のオンライン教育は、もちろんそれ以下でした。
しかし、当時の言葉の森のオンライン教育が、小学校低学年の生徒も、高学年や中高生の生徒も飽きさせなかったのは、4~5人という少人数のクラスで、生徒自身が発表する時間を確保していたからです。
現在、言葉の森の幼長や小1の生徒がいるオンラインクラスでも、オンライン学習が楽しく続いています。
また、中学生や高校生の生徒も、オンラインクラスで勉強をしています。
それは、勉強の時間以外に、読書紹介や作文発表や一人一言の時間や2人1組の勉強などで、子供たちの発表と交流の時間をできるだけ確保しているからです。
この発表と交流が、学習の意欲につながります。
子供でも、大人でも、先生の話をそれがどんなに面白い話であっても、ただ聞くだけよりも、自分の力で何かをしたいものです。
私自身が、小学生のときにそうでした。
授業中は、いつも退屈だったので、教科書のほとんどすべてのページに落書きを書いていました。
落書きを書かないときは、窓の外を見ては、「スズメは自由でいいなあ」と思っていました。
唯一ほっとするのは、テストの時間でした。それは、自分が何かをすることができる時間だったからです。
多くの子供たちは、今も同じような感覚で学校の授業に参加していると思います。
勉強は、教科書や参考書や問題集をもとに、自分ですればいいものです。
どうしてもわからないときだけ教えてくれる人がいればいいのですが、そういうことは滅多にありません。
教科書は、学校で先生が教えることを前提に作られているので不親切ですが、市販の参考書や問題集は、解説や解法が詳しく書かれているので、子供が独力で勉強できます。
だから、勉強は家庭で自分ですればいいのです。
というよりも、家庭での自学自習が勉強の基本で、授業に参加するのは友達と交流したり先生に質問したりするためです。
これを反転学習と呼ぶ人もいますが、もともとの勉強は自学自習が基本なのです。
だから、私は、ベネッセの「オンラインならいごと」という企画を見たとき、次のようなことを聞きたいと思いました。
ところで、この記事は、ベネッセの企画に対する批判ではなく、オンライン教育のあり方についての記事です。
質問したいことの第一は、そのオンライン学習が何人のクラスで行われているかということです。
言葉の森のオンラインクラスは、5人以内の人数で行われています。
それは、全員の読書紹介と交流と個別指導を、45分から60分の時間内に両立させるためには、5人という人数が限界だからです。
双方向をうたっているオンライン教育であっても、10人以上のオンラインクラスでは全員の参加はできません。
数人が双方向で、他の子供は聞いているだけというのでは、聞いている子供はいつも聞いているだけです。
双方向というためには、全員の参加が必要なのです。
第二は、そのオンライン学習が固定したメンバーで行われているかということです。
人間の交流は、ただ一緒にいればいいというのではなく、親しい子と一緒にいるということが大事です。
人間が、どこで他の人と親しくなるかというと、それはかけた時間によってです。
同窓会というものが成立するのは、一緒に過ごした時間が長かったからです。
もともと仲のいい子が集まったのではなく、集まったあとに、一緒に過ごす時間があったから、親しくなったのです。
だから、言葉の森のオンラインクラスは、不特定多数の生徒が、不特定多数の先生に教えてもらう形ではなく、固定した生徒のグループが、固定した先生と一緒に勉強する形にしています。
そのために、それぞれのクラスの曜日や時間が固定しています。
ただし、欠席した分は、他のクラスに振替で参加することができます。
また、先生が急な用事で休講した場合は、他の先生が代講で授業を担当します。
オンライン教育というと、グローバルな教育と考えられがちですが、言葉の森のオンライン教育は、ローカルなオンライン教育です。
ローカルだから、サマーキャンプや遠足なども行います。(2020年からはコロナ禍で、ほとんどできませんでしたが。)
サマーキャンプに参加する子の多くが、オンラインクラスに参加していた子です。
「あの子が行くから、ぼくも行く」、「先生が行くなら、私も行く」という感じで参加しているのです。
教育の中で何が残るかというと、勉強の中身よりも、人間のつながりです。
私は、オンラインクラスに参加している子供たちの間で、やがて生涯の友達になったり、結婚したり(笑)する子が出てくると思います。
言葉の森には、幼長から社会人の生徒までが参加しています。
中学生や高校生の中には、小学校低学年から勉強を続けている子がいます。
私のうちの子2人も、小1から高3まで言葉の森の作文を続けました。
昔の電話個別指導の時代には、生徒の人間的なつながりは、教えてくれる先生だけでした。
しかし、オンライン少人数クラスでは、生徒の人間的なつながりは、先生とともに、同じクラスの生徒どうしになります。
小1のころ無邪気に、「私の読んでいる本は『ぐりとぐら』です」などと言っていた子が、高学年になると、「今、読んでいるのは『はてしない物語』です」などとなり、高校生になると、「最近読んでいるのは、デカルトの『方法序説』です」などとなります。
そういう成長のあとを、みんなで共有できるのです。
話は変わりますが、昔、教室の高校生数人に、「方法序説」が簡単だと思い、感想文を書くために読ませていたら、みんな寝てしまったことがありました(笑)。
私は、オンライン教育がこれから広がるのは、大歓迎です。
だから、いろいろな教育機関が、こういうオンライン教育を企画してほしいと思っています。
なぜなら、今の学校や塾の通学式の集団一斉指導は、限界に来ているからです。
また、不特定多数の通信教育や、マンツーマンの通信教育にも、限界があります。
従来の教育の枠を超えた新しいオンライン教育が、今必要とされているからです。
新しいオンライン教育は、江戸時代の寺子屋教育を、デジタル技術とネットワーク技術で、現代に復活するものになるはずです。
更に言うと、自動翻訳技術で、その現代寺子屋教育が、世界に広がるものになるはずだと思っています。
■■合格速報
●芦屋国際中等教育学校 O.S.さん
<担当講師より>
「合格おめでとうございます。
受験コースの授業では、お母さまも準備に協力してくださっていました。スポーツを通して学んだことや自分の長所を中学校生活でどう活かすかということを、具体的に書く練習がしっかりとできていたと思います。
受験後、「発表が楽しみです」と言っていました。これからも明るく前向きな笑顔で、充実した学校生活を送ってください。」
●東京学芸大学附属国際中等教育学校(帰国子女枠編入試験) S.R.さん
<担当講師より>
「第一志望合格おめでとうございます。
試験問題を見て『自分らしい実例を書こうと意識した』と話してくれました。受験コースで書いた体験実例を思い出して書いたとのこと。Rさんらしさが伝わる作文になったのだろうと思います。日本での中学校生活も応援しています。」
<前担当講師より>
「おめでとうございます!
読書量が豊富で、大人向けの本もたくさん読んでおられました。
ミステリーの犯人が最後まで書かれていない小説について、
妹さんを含め三人で犯人予測をしたことが懐かしいです。
楽しい中学校生活を送ってほしいです。」
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● 言葉の森新聞2023年2月2週号 通算第1742号 (1822字) 言葉の森事務局 jun 2023年02月09日 17時35分
14493 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年2月2週号 通算第1742号
文責 中根克明(森川林)
■■合格速報
●千葉大教育学部附属中 M.M.さん
<担当講師より>
「合格、おめでとうございます。
作文の授業のときは、読書紹介の説明がとても上手でした。
作文も、構成のしっかりした文章を書いていました。
考える力があるので、合格は順当なところだったと思います。(倍率は高かったと思いますが。)
中学の勉強では、数学が重要になります。
中学では作文の授業はたぶんほとんどありませんが、高校入試や大学入試では必要になります。
時間ができたら、作文と数学クラスを始められるといいと思います。
それでは、春から楽しい中学生活を送ってください。」
「Mちゃん、頑張りましたね!
受験勉強で忙しかったと思いますが、いつも明るい笑顔で授業に参加してくれていました。
構成をや字数いっぱいに書くことを意識して、課題に取り組まれていました。努力が実って本当に良かったです。おめでとうございます!」
●大妻中学校 M.S.さん
<担当講師より>
いつも予習シートにしっかり書き込みをして毎回欠かさず提出していた生徒さんです。
中学校のスケジュールが分かり次第、また言葉の森も再開されるそうです。
●早稲田中学校 W.Y.さん
<担当講師より>
第一志望、合格おめでとうございます。
いつも発想力豊かな作文を書いてくれていました。さらなる成長を楽しみにしています。
●宝仙学園 中学校共学部 理数インター M.K.さん
<担当講師より>
いつも問題集をしっかり読み、何を聞いても的確に質問に答えることができていました。
入試では、日本語リスニングとグループワークによるプレゼンテーションがあったそうですが、オンラインクラスの読書紹介では、毎回、中身のある面白い話を的確に紹介してくれていたので、プレゼンテーションは超得意だったと思います(笑)。
読書の幅も広く、読解検定での100点を連続して取っていたので、実力は十分でした。
これからも、楽しい中学校生活を送ってください。
●公文国際学園中等部 K.T.さん
<担当講師より>
合格おめでとうございます!
数学は大好き、国語は苦手、というT君でしたが、苦手を克服すべく 読解クラスに参加していました。コツコツ頑張った成果が、出たのだと思います。
お父様も、陰に日向に応援していらして、家族での努力の賜物だなあと思います。
本当にうれしいです!おめでとうございます!
●お茶の水女子大学附属中学校 K.Y.さん
<担当講師より>
趣味や特技が幅広く、努力家なので作文にも日頃の気づきを体験に上手につなげてくれます。これからも頑張ってください。
●武蔵野大学中学校 K.E.さん
<担当講師より>
とってもうれしそうにご本人からご報告がありました。試験は本当に緊張したそうですが、合格できたことを誇りに思ってくれるといいなと思っています。
●専修大学松戸高校、昭和学院高等学校 M.S.さん
●國學院大學文学部史学科 Y.S.さん
<担当講師より>
第一志望合格、おめでとうございます。言葉の森は姉妹で受講してくれました。妹さんも歴史が大好きです。これから、本格的に歴史を勉強して、姉妹で歴史談義に花を咲かせることでしょう。本当におめでとうございます。
●湘南白百合学園
●大妻多摩中学校(特待生)
●聖園女学院
●共立第二女子中学校(S奨学生)
●宮崎日大附属中学校(特別奨学生) K.M.さん
<担当講師より>
通塾で忙しいときも、言葉の森の自習と読書を欠かさず、見事合格を勝ち取ることができました! 時にはくじけそうになることもあったと思いますが、持ち前の明るさと粘り強さで、頑張り抜きましたね。本当におめでとうございます! これからも一緒に頑張っていきましょう。
●都立日野台高校 K.T.さん
<担当講師より>
合格おめでとうございます。
とにかく努力家のTさん。何ごとにも全力投球で取り組む姿にいつも感心していました。
新高校生活では、いろいろなことにチャレンジして自分を更に磨いていってほしいと思っています。
応援しています。
●高輪中学校 T.D.さん
<担当講師より>
受験前も12月の末まで、国語読解のテキストを集中して読み進めました。読む速度も上がり、内容もしっかり把握できるようになり自信を持って入試にのぞめましたね。おめでとうございます。楽しい中学生活が待っていますね。
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● 言葉の森新聞2023年2月1週号 通算第1741号 (4594字) 言葉の森事務局 jun 2023年02月02日 17時20分
14475 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年2月1週号 通算第1741号
文責 中根克明(森川林)
■■2月11日(土)は「休み宿題」
カレンダーに記載してあるとおり、2月11日(土)は祭日のため「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
■■創造発表クラスの勉強について――これからの大学入試の変化にも対応できる
日経DUALに、「国立大で一般入試枠が減少 対応できる力の育て方」という記事が載っていました。
https://woman.nikkei.com/atcl/column/23/060200133/011300006/
(会員限定記事です)
主な内容は、下記のとおりです。
====
2021年度入試では、国公私立大学の入学者の過半数(50.3%)が、「総合選抜型」と「学校推薦型選抜」の入試で合格しました。
一般選抜型の入試は、むしろ少なくなっています。
2023年度の国公立大の入試では、総合選抜型が6403人(6.7%)、学校推薦選抜型が12238人(12.9%)となりました。
国公立大の一般選抜型の入試は、76156人で今も主流ですが、その割合は年々減少しています。
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推薦型入試は、大学入試共通テストという普通の問題で基本的な学力を担保し、志望学部に合わせたレポートや小論文や面接で合否を判断する形になっています。
これは、欧米などで行われている入試に近いもので、今後、この推薦型入試の形態が広がっていくと思われます。
つまり、これからの社会や大学で求められる学力は、思考力、創造力、コミュニケーション力などになり、これまでの「科挙」的な知識のつめこみは、次第に問われなくなってくるということです。
そのための対策として考えられることは、二つあります。
ひとつは、基本的な学力は、満遍なくつけておくということです。
もうひとつは、自分の関心のある分野は、特に深く掘り下げて研究していくということです。
しかし、関心のある分野というのは、試行錯誤の中で少しずつわかってくるものです。
だから、小中学生のうちは、学校の勉強とは関係のない形でいいので、いろいろなことを幅広く経験したり研究したり実験したりしていくことが大事になります。
創造発表クラスは、自由な研究を創造的に発表するクラスです。
指定の教材はありません。
そのかわり、今は、STEM関係をはじめとするさまざまな書籍が手に入るので、それらの書物やインターネットを利用して、自由に研究し、その成果を発表します。
中学生や高校生は、自分の力だけでいろいろなことができると思いますが、小学生は、お母さんやお父さんの手助けも必要になります。
ただ、それを親子の知的な対話の機会と考えて、前向きに取り組んでいってくださるといいと思います。
勉強というものは、かけた時間にも比例しますが、それ以上に熱意に比例します。
自分の好きなことに取り組んでいるときは、頭脳が活性化します。
そのためだと思いますが、創造発表クラスで毎週自分で研究したり実験したりしたことを発表している生徒は、なぜか学力全体が向上するのです。
創造発表クラスは、まだクラス数が多くありませんが、中根が今度新しく担当することにしたクラスは、水1900と土1000の2クラスです。
対象学年は、主に小学校高学年から、中学生、高校生になります。
新しいスタイルの勉強をするクラスとしてやっていきたいと思います。
▽関連する昔の記事と動画
https://www.mori7.com/as/3574.html
https://www.mori7.com/as/3153.html
https://www.mori7.com/as/3152.html
■■国語力低下の原因は対話の不足――スマホやゲームが悪いのではなく、対話を豊かにすることが大事
●動画:
https://youtu.be/al5AwugHxDI
国語力が低下している子が増えています。
国語力とは、漢字の書き取りをする力ではありません。
漢字の書き取りは、練習すれば誰でもできるようになる知識の勉強です
国語力の本質は読解力です。
読解力の発展したものが作文力ですから、当然、子供たちの作文力も低下しています。
国語力低下の原因をスマホやゲームに求める人がいますが、スマホやゲームをやめれば国語力が向上するわけではありません。
いけないものをやめるという考え方ではなく、いいことをするという考え方が必要です。
スマホやゲームや漫画やテレビがいけないのではなく、読書と対話が不足していることがいけないのです。
読書と対話が十分に行われていれば、スマホやゲームの害はありません。
せいぜい時間をコントロールしておけばいいだけです。
話は少し変わりますが、見落とされがちなのは、テレビやビデオで子供の意図とは無関係に音声が流されている環境に置かれることです。
特に、幼児期にビデオやCDで音声を聞かされ続けた子は、人間とのコミュニケーションが苦手になる可能性があります。
人間の成長にとって最も必要なものは、人間による言葉がけです。
その言葉がけの発展したものが、対話と読み聞かせと読書です。
本を読まない子の原因に、読み聞かせの不足があり、読み聞かせの不足の原因に、対話の不足があるのです。
対話とは何かというと、子供が興味を持って聞きたくなるような話を、折に触れて親がしてあげることです。
そのためには、親の努力も必要です。
しかし、それは作業的な努力ではなく、知的な努力ですから、親にとっても楽しい努力になります。
作業的な努力の代表的なものは読み聞かせです。
読み聞かせも、もちろん必要です。
しかし、読み聞かせの代わりに、親が面白い話を聞かせてあげることもできます。
親の知っている昔話や、その場でアドリブで作った物語を子供に聞かせてあげれば、それは親にとっても楽しい知的な努力になります。
対話や読み聞かせをたっぷりされた子は、自分から進んで本を読むようになります。
よく、幼児期にはたくさん読み聞かせをしたという人がいますが、それは、親にとっての「たくさん」であって、子供にとっての「たくさん」ではなかったのです。
子供が小学生になると、「もう自分で本を読みなさい」と突き放してしまう人がいます。
同じように、子供が中学生になると、「もう自分で計画を立てて勉強しなさい」と突き放してしまう人もいます。
子供が自立するのは、子供の方から自然にするものです。
それまでは、親が手とり足とり世話を焼いてあげればいいのです。
子供は、成長するにつれて自然に自立します。
大事なのは自立させることではなく、成長させることです。
その成長は、塾や学校での勉強ではなく、家庭での対話の中で親がしていくものなのです。
家庭での親子の対話を増やすコツはあります。
第一に、家族で食事をするときは、親子でいろいろな話をすることです。
子供から話を引き出すのではなく、親が楽しい話をしてあげるのです。
そのためには、家族がそろって食事をするようなときは、テレビやスマホは消しておくことです。
途中から家庭の習慣を変えるのは難しいので、子供ができるだけ小さいうちから、食事中はテレビやスマホは消すと決めておくことが大事です。
こういう小さな決まり事の積み重ねが、家庭の文化になります。
第二に、親が読書をすることです。
それは、子供の成長に合わせた理科や社会の読書です。
親が、面白い科学の話や、面白い伝記のエピソードを知っていると、身近な生活の場面に合わせた興味深い話を子供にしてあげることができます。
こういう話は、読書よりも心に深く残るので、子供の感受性や思考力や語彙力を育てます。
第三に、外部の機会を利用することです。
ひとつは、季節の行事です。
正月の遊びや、節分の豆まきや、春の花見や、年末の大掃除など、費用をかけずにできる行事はたくさんあります。
子供にプレゼントを渡すことが中心になる商業化された行事よりも、家庭で独自に工夫できる行事を生かすことです。
もうひとつは、生き物を飼うことです。
ザリガニやカタツムリやメダカやカブトムシなどは、あまり手間をかけずに飼うことができます。
犬や猫や手乗りの小鳥は、人間とのコミュニケーションが取れるので、子供の感情を豊かにします。
飼うことが大変ならば、ベランダや庭に、スズメの餌台を置いておくとか、アゲハチョウが産卵に来るサンショウの木を植えておくとかすることができます。
うまく行けば、珍しい鳥が来たり、スズメが巣を作ったり、アゲハチョウの幼虫が蛹(さなぎ)になったりする様子を見ることができます。
更にもうひとつは、これは宣伝ではありませんが、言葉の森の勉強を生かすことです。
作文の勉強では、子供の書く課題を事前に見て、その課題に合わせた親の体験談や意見を話してあげることができます。
創造発表の勉強では、親子で実験や観察や調査や研究の企画について、知的な対話をすることができます。
暗唱や音読の勉強では、その内容について親子で話をすることができます。
また、読書紹介や一人一言の時間に、みんなにわかるように話をすることは、子供の対話力を育てます。
勉強の知識を詰め込むことよりも、言葉を通して頭脳を活性化することが国語力になり、将来の学力につながっていくのです。
■■合格速報
●浜松学芸中学・高等学校 Y.H.さん
<担当講師より>
決めたことは厳しくとも継続できること、作文クラスでの発表や意見交換ではユーモアに富んだ発言もあり楽しんで臨んでいることなど、Y.H.くんの個性も合格につながったのではないかと思います。
おめでとうございます。これからのご成長が楽しみです。
●才教学園中学校 S.M.さん
<担当講師より>
5年生の最初の頃は要約に苦労していたのですが、諦めず投げ出さず毎回真摯に練習を重ね、今ではどんな文章も見事に要約できるようになった努力家の生徒さんです。合格おめでとうございます!
●鹿児島県立楠隼中高一貫教育校 M.N.さん
<担当講師より>
N君、おめでとう!
毎回、指定の字数いっぱいに書いていました。
体験実例が前向きで、結びの感想にも抽象的な語彙がしっかり使えていました。
読書紹介の本も、説明文が多かったので、読む力がありました。
中学校生活でも、将来の夢を目指してがんばってください。
●大阪府立水都国際中学校 T.K.さん
<担当講師より>
いつも予習をしっかりしていて、作文もスピーディに字数いっぱいまでしっかり書いていました。ぴったりの体験談も毎回うまく取り入れて、自分の考えをしっかり書くことができました。努力が実ってよかったです。おめでとうございます!
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● 言葉の森新聞2023年1月4週号 通算第1740号 (4143字) 言葉の森事務局 jun 2023年01月25日 14時12分
14457 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年1月4週号 通算第1740号
文責 中根克明(森川林)
■■1月29日(日)・30日(月)・31日(火)は休み
1月29日(日)・30日(月)・31日(火)は、第5週のため通年クラスの授業はありません。振替授業もお休みです。
■■第4週は清書。幼稚園生は作文
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
清書をしたあと、時間に余裕のある場合は読解問題をしてください。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
■100-8051(住所はいりません毎日小学生新聞「さくひん」係(600字以内)
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■言葉の森オンラインスクール――4人クラスの全講座案内
言葉の森のオンライン4人クラスは、毎回、参加生徒全員の読書紹介と対話と発表と個別指導がある少人数のオンライン学習です。勉強が進むのは、友達との切磋琢磨と交流があるからです。
■作文クラス
幼児から小中高一貫指導の作文で思考力を育てる。
幼長~高3・大・社
幼長、小1は、親子で協力して作文を書きます。小3、小4は生活作文の力が伸びる時期です。小5、小6は作文試験に対応できる説明文、中学生は、本格的な意見文を学びます。高校生は、高度な論説文で大学入試の小論文に対応します。
■国語読解クラス
反復音読と理詰めの解法で国語力を伸ばす。
小3~高3(小1・小2の国語は、総合学力クラスでお願いします。)
国語読解力は、作文をはじめあらゆる学力の土台です。しかし、国語読解力を伸ばせる塾や学校はほとんどありません。言葉の森の国語読解学習は、塾専用教材による毎日の問題集読書と、毎月の読解検定の理詰めの解説です。大学入試共通テストの現代文100点を目指します。
■総合学力クラス
勉強に対する興味関心を育て学習習慣をつける。
幼長~小4
国語読解の基礎、算数の基礎、暗唱の練習、理科実験や工作などの発表の練習を総合的に行います。国語と算数は、自由選択。幼長から小2までは暗唱力が最も伸びる時期です。学力とともに発表力がつく楽しい授業を行います。
■算数数学クラス
一冊完璧主義で数学力の学年先取りを目指す。
小3~中3(小1・小2の算数は、総合学力クラスでお願いします。)
算数数学は、得意な子も多いかわりに、苦手な子も多いという特殊な教科です。算数を得意にするコツは、個別学習と個別指導で、塾専用教材の1冊の問題集を完璧に仕上げることです。1学年先を目指す学習で受験に対応します。
■英語クラス
音読暗唱をもとに効率のよい英語学習の力をつける。
小3~中3
塾専用の英語問題集を基本に、英文暗唱や自由英作文を行い、主体的に英語を学びます。中1から中3の問題集は、発展レベルでトップ高の入試に対応。少人数クラスで密度の濃い英語の学習を行います。英検5級から2級対策の問題集も使用できます。
■プログラミングクラス
主体的に学び工夫する楽しさを学ぶ。
小3~高3
Scratch、JavaScript、Pythonの学習を行います。初心者から経験者まで、自分のペースで学べます。少人数クラスで、実習と発表を中心とした学習です。他の生徒の発表を参考に、自分なりの工夫ができる交流のあるプログラミングクラスです。
■創造発表クラス
これから必要になる学力は創造力と発表力。
小3~高3(小1・小2の創造発表は、総合学力クラスでお願いします。)
理科実験、技術工作、社会調査、自由研究など、自分の興味関心に基づいて、自由に研究や実践をし発表します。「個性を学問に、学問を創造に」がテーマです。将来の東大推薦入試、京大特色入試、AO入試、イグノーベル賞(笑)を目指します。
■体験学習を希望される方は、お電話ください。
電話 0120-22-3987
(受付時間は、平日9:00~19:30 土曜9:00~12:00。個別れんらく板からもご連絡いただけます。)
■オンラインクラスが初めての方は、朝8:30からの初参加説明会にご参加ください。
●初参加説明会は、平日又は土曜日の朝8:30から15分程度行っています。スマホでも参加できますが、画面の大きいパソコンの方が操作しやすく便利です。
●無料体験学習が1回できます。継続される場合の受講料は、作文クラスは8,800円、国語読解・総合学力・算数数学・英語・創造発表・プログラミングの各クラスは、6,600円です。(言葉の森に初めて参加される場合は入会金11,000円、ご兄弟で参加される場合は事務手数料3,300円です。)
●体験学習をされる方には、体験学習用の教材をお送りします。学習を継続される場合、必要な問題集などの教材はウェブからご注文ください。
●毎週の授業は、ZOOMの4~5人クラスで行います。授業は、読書紹介・自主学習又は作品発表・個別指導を組み合わせて行います。4週目には保護者懇談会があります(自由参加)。欠席された場合、他のクラスへの振替ができます。
■■教育の目的は競争ではない――自分で考える勉強の目的と方法
●動画:
https://youtu.be/dSgT0D2LrnY
私たちは、競い合うことに燃えます。
勝つか負けるかということに、一喜一憂します。
それが普通です。だから、それは、それでいいのです。
しかし、その競争は、食事に例えると、単なる薬味であって主食ではありません。
競争は面白いけれど、競争に勝つことは目的ではありません。
では、目的は何かと言えば、それは創造と向上と貢献と幸福です。
人間は、そういうことのために生きています。
競争に勝つというのは、その大きな目的のためのひとつの手段にしかすぎません。
だから、あまり多くの人が競い合うような場所では、そっと負けた方がいいのです。
そして、競争のない場所で、自分らしい創造をして、社会に貢献し、幸福な人生を送るのです。
やがて、地球全体がそういう星になります。
愛と笑いと創造の惑星になるのです。
しかし、それは、まだ少し先の話です。
もしかすると、だいぶ先の話かもしれません。
だから、とりあえずは、競争に勝つことが、人生の大きな目標になります。
目的ではなく、目標です。
競争に勝つための方法は、昔から言うように、敵を知り己を知ることです。
勉強で言えば、志望校の過去問を研究し、自分の得意不得意を自覚し、そのための対策を立てることです。
今は、学習塾や予備校で、それらの準備をしてくれるようになっていますが、人生は受験だけではありません。
これから遭遇するさまざまな課題に立ち向かうためには、自分の力で、志望校を研究し、自分の得意不得意を自覚し、自分で対策を立てることです。
そういう試行錯誤のできるのが面白いと思うことです。
人に言われたとおりにやって、うまく行っても、本当の喜びはありません。
自分で考えて、やってみて、うまく行ったり行かなかったりするから、人生は面白いのです。
ただ、全く最初から自分の力でやるというのは無駄が多いので、先人の知恵を借りることは重要です。
いちばんの基本は、世の中にある勉強法の本を読むことです。
中学生だったら、「中学生の勉強法」のような本を探して読むのです。
小学生や高校生や大学生や社会人でも同じです。
それらの情報を仕入れた上で、自分なりのやり方を作っていきます。
人間には個性がありますが、土台のところは誰でもほぼ同じです。
土台は、単なる模倣でいいのです。
その先は、自分の個性でやっていくのです。
ちなみに、私がこれまで見た中で、いいと思った中学生のための勉強法の本は、こういうものです。
「中学生の自宅学習法」
https://www.amazon.co.jp/dp/4879203254/
「志望校のランクが上がる!中間・期末テストに強くなる勉強法」
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B00UJ4Z6QK
探せば、もっといい本が出ているかもしれません。
アマゾンなどで、「中学生の勉強法」で検索すると、多数の本が出てきます。
こういう本を10冊ぐらい買うのです。
このための出費は、全く惜しくありません。
勉強の方針を決めるための費用は、勉強のための出費で最優先するものだからです。
大学入試でも、勉強法の本があります。
読むと必ず参考になります。
高校生は、塾や予備校に頼る前に、まず自分でそういう本を探して読んでみることです。
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● 【至急】本日1/20金ホームページに接続できず (139字) 森川林 nane 2023年01月20日 07時33分
14449 (言葉の森オンライン新聞)
【至急】本日1/20金ホームページに接続できず
本日1/20金6:00ごろから言葉の森のホームページが接続できなくなっています。
しばらくお待ちください。
申し訳ありませんが、お急ぎの方は、お電話でお願いします。
電話0120-22-3987(海外の方は045-830-1177
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● 言葉の森新聞2023年1月3週号 通算第1739号 (4922字) 言葉の森事務局 jun 2023年01月16日 09時19分
14440 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年1月3週号 通算第1739号
文責 中根克明(森川林)
■■子供の頭をよくするのは、塾や学校ではなく、家庭での読書と対話
●動画:
https://youtu.be/OWnQb8OB2_I
言葉の森のオンラインクラスでは、どのクラスも毎週子供たちの読書紹介を行っています。
全員の読書紹介なので、どうしても10分から15分はかかります。
その分、学習時間が短くなりますが、学習の時間と同じように価値ある時間なので、これからも続けていく予定です。
その読書紹介で、子供たちの今後の学力の見通しがつきます。
自分の好きな本を読むのが基本なので、どういう本を読んでもいいのですが、その本が家庭の文化力を表しています。
その文化力が、その後の子供たちの成長に最も関係してきます。
いい塾に行って、宿題を毎日やっているから安心だという考えの人がいますが、子供たちが成長するのは、塾や学校ではなく、家庭での毎日の読書と対話です。
読書について、時々気になるのは、小学校低学年でいつまでも絵本のような本ばかり読んでいる子です。
絵本の内容はいいのです。
感動する話や、心が明るくなる話が載っている本です。
しかし、それが絵と単語のような短い言葉だけで書かれています。
繰り返しますが、それはそれでいいのです。
漫画でも、図鑑でも、子供が好きな本なら何でもいいのです。
問題は、そういう本しか読んでいないように見えることなのです。
一方、文章の多い本を読んでいる子でも、「○年生の名作」「○年生の伝記」のような指定された教科書のような本を読んでいる子は、読書の楽しさを感じる機会がなかなか生まれてきません。
子供の読書の傾向は、親の読書力を反映しています。
読書好きの親であれば、子供にとって面白くて価値ある本がどういうものかということが大体わかります。
子供は、絵ばかりの軽い本や、怖さや下品さで気を引くようなレベルの低い本に手を出しがちです。
何度も言いますが、それはそれでいいのです。
しかし、そういう本ばかり読んでいるとしたら、親はそこに危機感を持たなければなりません。
それが、家庭の文化です。
小学校高学年や中学生、高校生では、また別の問題があります。
第一は、読書量が少ないことですが、それはオンラインクラスに参加した最初のうちだけで、毎週の読書紹介の中で次第に改善されていきます。
第二は、短編集が多いことです。
長いひとまとまりの文章ではなく、すぐに読み切れるような文章がいくつも載っている本です。
「○分間で○○」のような本がよく読まれていますが、読書力のある子は、そういう本は気軽に読めるが物足りないと思うはずです。
第三は、殺人事件のような話で読み手を引き付ける物語の本です。
何度も言いますが、そういう本も含めて、自分の好きなものは何でも読んでいいのです。
しかし、何でも吸収できる貴重な時期に、そういうレベルの低い本を読んでいるのは、もったいないことです。
読書は、自分の心の成長と思考の成長のために読むものです。
そういう本のおおまかな基準は、やはり古典と言われているものになります。
しっかりした内容の本や、古典の本を読むときに役に立つのが付箋読書という方法です。
付箋読書のよいところは、数分の短い時間でも利用して分厚い本を読めることです。
しかも、複数の本を並行して読めるので、自然に読書量が増えます。
小学校低中学年では、まだ古典と言われるような本はありませんから、それをカバーするのが家庭での対話です。
家庭で、お父さんやお母さんが、子供の心と頭を豊かにするような話を折に触れて話してあげるのです。
この対話が、小学校高学年になってからの作文の中で生きてきます。
そして、中学生以降の読書力や作文力の土台になります。
対話は、ただ長くたくさん話せばいいというものではありません。
逆に、ただ長いだけの話は、子供の聞く力や考える力を低下させます。
簡潔に要点を絞って中身のある話を面白くしていく必要があります。
そういう話のもとになるものは、親の読書生活です。
■■作文の通信教育は時代遅れ。作文の通学教室は個別指導が難しい。作文のオンライン少人数クラスは実習と対話と読書紹介と個別指導がある
●動画:
https://youtu.be/DkQCY-ltCe0
ほかのところを批判するつもりはありませんが、これから作文の勉強をする人の参考になるように、作文の勉強はどのようにしたらいいのかということを説明します。
昔、作文や小論文は通信教育という形で勉強するのが普通でした。
なお、言葉の森は、作文という言葉で小論文も含めているので、以下、作文という言葉で書きます。
なぜ作文の学習で通信教育が主流だったのかというと、作文の勉強をするというニーズが少ないために、通学教室ではまとまった生徒指導ができなかったからです。
しかし、近年、中学入試でも、高校入試でも、大学入試でも作文試験を課すところが増えてきました。
そこで、次第に通学教室という形でも、作文指導ができるようになりました。
だから、作文の通信教育は、今は時代遅れになりつつあります。
以上が現状です。
しかし、現在の通信教育も、通学教室も、十分な指導ができているとは言えません。
●作文の通信教育の場合
通信教育の場合は、勉強のほとんどを家庭に任せる形になります。
だから、子供が小学校低学年のころは勉強ができますが、高学年や中学生以降になると、本人の自覚が強くなければ勉強が続かなくなります。
作文の勉強というものは、他の勉強に比べてきわめて精神的負担の大きい勉強なので、よほど強い意志がなければ続かないのです。
これに対してオンライン少人数クラスの作文の勉強は、45分の授業の中で、子供たちが一斉に作文を書き始めます。
一緒に勉強している友達と作文を書き出すので、作文を書くハードルはかなり低くなります。
しかも、言葉の森の場合は、事前の予習を発表する時間があるので、ウォーミングアップができている状態で、作文を書き始めることができます。
この予習の発表についても、もしこれが、通信教育で先生と生徒の一対一の指導しかないとしたら、子供は十分な予習をして来ません。
事前の準備をしていなくても、一応書けることが誰でも書けるからです。
しかし、その日に書くことを決めていなければ、もちろん充実した作文は書けません。
オンライン少人数クラスであれば、生徒どうしの交流の中で予習を発表する時間があるので、子供たちは自然に書くことを準備して授業に臨みます。
だから、毎回、力作を書くことができるのです。
●作文の通学教室の場合
作文の通学教室の場合は、一斉指導をする形になることがほとんどです。
しかし、作文力は、生徒による個人差が大きいので、ごく初歩の段階以外は一斉指導には向きません。
これが、小学校でも、学年が上がると作文指導ができなくなる理由です。
一斉指導は、数学や英語のような答えが一律に決まっている教科であればできます。
しかし、答えの決まっていない作文のような勉強には向かない指導形態なのです。
通学教室における個別指導は、主に添削という形になりますが、添削を受けるだけで上手になる子はまずいません。
意味ある個別指導をするためには、先生が口頭でそれぞれの生徒に直接話をする必要があります。
しかし、通学のクラスの中で、生徒全員が作文を書いているときに、先生が一人ひとりの生徒を呼んで個別指導をするという仕組みをとっているところはまずありません。
昔の言葉の森の通学教室は、全員が作文を書いている中で、先生が一人ひとりの個別指導を口頭で行っていました。
しかし、小学校高学年や中高生で考える作文を書いている生徒は、周囲で話し声が聞こえると、書くことに集中できません。
それで、教室での個別指導は、毎回かなり苦労して行っていました。
この通学教室は、2020年春のコロナ休校の際に廃止したので、通学生徒は現在すべてオンラインクラスに移っています。
●オンライン少人数クラスの場合
オンライン少人数クラスであれば、全員が作文を書いている中で、先生は、生徒を別の部屋に呼んで個別指導をすることができます。
また、少人数のクラスであれば、互いに予習を発表したり、読書紹介をしたり、月に1回は作文を発表し合ったりすることができます。
こういう対話や交流ができる人数は、1クラス4~5名までです。
だから、1クラスで10人もいる場合は、意味ある少人数クラスとは言えません。
オンライン少人数クラスが、作文の通学教室に比べて優れている点はほかにもあります。
それは、自宅からの参加が容易であること、欠席した場合の振替が容易であることなどのほかに、同年齢、同進度の生徒でクラスを作りやすいことです。
なぜ同年齢、同進度の生徒でクラスを作りやすいかというと、オンラインの生徒は、全国から参加しているからです。
例えば、東南アジアやオーストラリアにいる生徒は、日本と時差が近いので、日本にいる生徒と同じクラスに参加しています。
オンライン教育というと、多くの人は、子供がひとりでオンラインの動画を見るだけというイメージで考えています。
実際、多くのオンライン教育と呼ばれるものは、そういう運営を行っています。
申し訳程度に双方向の対応をしているところもありますが、その双方向も、集団一斉指導の枠内での限られた双方向です。
オンライン教育が真に意味ある教育であるためには、1クラス4~5人という少人数で、生徒どうしの対話や発表がある中で行われる必要があるのです。
●未来の学校
言葉の森が考えている未来の学校のイメージは、日本全国からオンライン少人数クラスに参加でき、日常的にオンラインで学習している生徒が、夏休みなどにリアルに集まり、自然の中で合宿し交流するという形です。
そこで学ぶ内容は、これまでの国語、数学、英語、理科、社会のような基本的な教科だけではありません。
従来の教科とともに、作文、創造発表、プログラミング、読書、自然体験のような思考力、創造力、共感力を育てる教科も、同じように重要な学習として行われるようになります。
作文の勉強は、単に作文試験があるから行うというのではなく、子供たちの思考力、創造力、共感力を育てるというビジョンの中で行っていく必要があります。
■■中学生の子供の「さぼり」と「反抗」にどう対処するか
●動画:
https://youtu.be/xRvdntt1lw4
中学生のころは、子供はよく悪いことをします。
それを、主体性の表れと考えることです。
もちろん、その悪いことについては厳しく叱ります。
しかし、その叱っている気持ちの背後で、「こういう悪いことができるぐらい成長したんだ」と温かい目で見ておくことが大事です。
逆に言えば、叱られないような子は、かえって困るのです。
叱られるぐらいの子でなければ、世の中の荒波に抗して生きていけません。
「葉隠」に、次のような言葉がありました。
うろ覚えですが、「酒を飲め、嘘をつけ、博打をしろ。それぐらいの者でなければ大きな仕事はできない」という内容です。
基本は、真面目にやっていくことです。
しかし、いざというときには大博打を打てるようなことも必要になります。
社会で活躍している人には、誰でも、そういう経験がひとつやふたつはあると思います。
悪い子は、機会があれば、まともな子になることができます。
しかし、悪いことができない子が、悪い子になることはできません。
子供が悪いことをしたら、厳しく叱ることです。
それは、どちらかと言えば、お父さんの役割になります。
たぶん、それをお母さんが優しくフォロウするようになると思います。
父母で一緒に厳しく叱ってはいけないのです。
そして、何年も経ってから、みんなで、「あのときは、あんなことがあったよなあ(笑)」という思い出話になるのです。
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● 言葉の森新聞2023年1月2週号 通算第1738号 (2141字) 言葉の森事務局 jun 2023年01月11日 18時38分
14423 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年1月2週号 通算第1738号
文責 中根克明(森川林)
■■対話型AIチャットボットと言われるChatGPTの未来
●動画
https://youtu.be/6CjQ_pRaY3s
正月に時間があったので、ChatGPTにいろいろ聞いてみました。
そのひとつです。
●私
「日本の正月の1月1日にはどんなことをしたらいいですか。」
■ChatGPT
「日本では、正月の1月1日には、お正月を祝うためにさまざまなことをすることが一般的です。例えば、おせち料理を食べることや、お年玉をもらうことがあります。また、お正月の伝統的な行事として、おそらに福を招くために「おそら餅」を食べたり、年賀状を作ったりすることがあります。また、家族や友人と一緒にお花見を楽しんだり、新年を迎えるためにお祭りに参加することもできます。」
適当に文章を作っているのですが、かなりまともな答えです。
ただし、お正月の答えの下線の部分は、自信を持って答えているわりには作り話になっています。
下記のページで、試してみることができますが、今は混雑しているようです。
https://chat.openai.com/
このChatGPTがどういう方向に進むかということについて、いろいろな意見がありますが、私は長い目で見れば、次第にまともな方向に向かうと思います。
これは民主主義と同じで、短期的には衆愚政治になることはあっても、長期的には正しい方向に収斂されるからです。
その正しい方向を加速させるには、ChatGPTの答えを評価することをすべての人に開放するのではなく、ある割合で選抜された人に開放することです。
ただし、その選抜には、年齢や地域の配分を考慮する必要があります。
AIは、個人の利己主義的な要求に対して、一時的にはそのエゴに応じた答えを出すことはあるかもしれませんが、最終的には、利己主義を超えたより普遍的な答えを出すはずです。
それは、人間よりも速く広く考えることができるからです。
しかし、AI自体が意志を持つことは、理屈上はありません。
なぜかというと、意志というものは、欲望に基づいており、欲望というものは身体に基づいているからです。
AIに身体を持たせる可能性というのは、まだSFの世界の話です。
今後、AIの進化によって、世の中は大きく変わります。
教育に関して言えば、AIでできることは人間はしなくてもよいという方向に向かいます。
漢字力、計算力、語学力、さまざまな教科の表面的な知識などは、すべてAIに肩代わりされます。
しかし、人間の身体性に結びついた知識や技能は残ります。
例えば、母語教育は、すべての国で最も必要な教育になります。
なぜなら、人間の思考や感情は母語と結びついていて、その結びつきは知識的なものではなく身体的なものだからです。
同様に、漢字の感覚、数字の感覚、歴史の知識の感覚なども、身体的なものとして残ります。
例えば、漢字の書き取りで「薔薇」や「葡萄」という漢字は書けなくてもよいが、「薔薇」や「葡萄」という漢字の味わいが好きだという感覚は、人間の身体性として残るということです。
したがって、未来の教育は、身体性と結びついて再編成されるようになります。
ChatGPTなどのAIの進化について、もうひとつ考えられることは、自分の考えたことをデータベースとする個人的なChatGPTが作られる可能性です。
すると、その個人的ChatGPTは、もう一人の自分という相談相手になります。
これが、ロボット犬アイボなどに組み込まれると、自宅でロボットのペットといつも楽しい対話ができるようになります。
これは、技術的にはすぐにできることなので、早く作られるといいと思います。
■■合格速報
●ラグビースクール タイランド校 K.O.さん
<担当講師より>
「目標に向かって、日、週、月と短期目標を設定し、時間濃く過ごすことができておられました。素晴らしかったです。これからも自ら学び、考え、創造する楽しさを携え、前に進む生きる喜びと共に頑張っていってください。」
●東京大学教育学部附属中等教育学校(推薦選抜) H.A.さん
<担当講師より>
・(作文)難関の志望校合格、おめでとうございます!
この学校に行きたいという強い思いが実を結んだのですね。小学生の間ずっと学んできた作文の力や創造発表クラスで得た自信が、試験の際役に立ったとお聞きして、とても嬉しいです。
これからも、学びを深めていってくださいね。
・(創造発表)おめでとうございます。低学年からずっと続けていた創造発表では、かわいい出来事の発表から、実験や創作の発表につながり、6年生では発表の内容からこれからの課題や意欲を見出し、自分ひとりのことではない語りができるようになりました。
これからの学びの世界が楽しみですね。
●同志社大学 グローバルコミュニケーション学部 S.R.さん
●盛岡中央高等学校附属中学校 東大・医進コース N.K.さん
●昭和学院中学校 M.Y.さん
●京都橘大学・佛教大学 (学校型推薦選抜) Y.F.さん
<担当講師より>
心理学を専攻するとのことでした。
おめでとうございます!
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● 言葉の森新聞2023年1月1週号 通算第1737号 (3576字) 言葉の森事務局 jun 2023年01月04日 10時02分
14405 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年1月1週号 通算第1737号
文責 中根克明(森川林)
■■新年の挨拶
●動画:
https://youtu.be/ICAiywFSQNE
新年明けましておめでとうございます。
オンライン四人クラスの講座は、作文、国語読解、総合学力、算数数学、英語、創造発表、プログラミングなど、現在一八〇クラス、受講生は八一〇名を超えました。
これからの教育は、受験から実力へ、学校から家庭へ、点数から個性へ、競争から創造へと進んでいきます。
かつての寺子屋教育が作り上げてきた基礎学力の教育と、現在のインターネットテクノロジーを生かした教育と、思考力、創造力、共感力を育てる教育の、新しいプラットフォームを作っていきたいと思います。
これからの日本に必要なものは、創造です。
あらゆる分野で、日本人一人ひとりが創造的であれば、それが社会を豊かにし、個人の人生を豊かにします。
しかし、その創造の根底に、考える力が必要です。
学問に裏打ちされない創造は、浅い創造にしかなりません。
創造は、思考によって深い創造になります。
この創造力と思考力に方向を与えるものが共感力です。
共感する力によって、他の人の幸福と、社会への貢献が生まれてきます。
思考力、創造力、共感力という3つの教育の理念を実現するものが、新しい教育のプラットフォームです。
教育については、これまでさまざまな理想が語られてきました。
しかし、それらの理想の多くが実現しなかったのは、今の学校教育のプラットフォームを暗黙の前提としていたからです。
インターネットテクノロジーの発達は、新しい教育のプラットフォームを可能にしました。
すべての生徒が主体的に参加し発表する教育ができるようになったのです。
今後の課題は、この新しい教育の器に、新しい価値のある中身を盛り込むことです。
今年は、そのためにがんばっていきたいと思います。
■■1月9日(月)は「休み宿題」
カレンダーに記載してあるとおり、1月9日(月)は祭日のため「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
■■新しい未来の学習――創造発表
学力には、3つの面があると思います。
第一は、知識です。これは基本的な技能も含みます。
漢字の読みの知識や、基本的な計算力や、理科や社会の分野の多様な知識です。
この知識を学力の横軸と考えるとします。
一般に、学力と言われているものがこの横軸です。
しかし、学力には、この横軸以外のものががあります。
第二の学力は、創造力です。
これを知識の横軸の上に立つ高さの縦軸と考えることができます。
第三の学力は、思考力です。
これは知識の横軸の下に伸びる深さの縦軸と考えることができます。
このように考えると、学力の全体像が◇(ひし形)の形で形成されると見ることができます。
更に言えば、共感力は、その学力の全体が進む方向です。
今の教育の多くは、知識の横軸だけを伸ばしているように見えます。
受験の学力も、結局は解法の知識ですから、知識を能率よく時間かけて身につけることが学力を育てることのように考えられています。
それは、横軸が答えのある勉強になりやすいからです。
しかし、大事なのは、ひし形全体の面積です。
だから、横軸の知識に加えて、上の縦軸の創造力と、下の縦軸の思考力が必要です。
縦軸は、答えのない勉強です。
上の縦軸を伸ばす学習が、創造発表とプログラミングです。
下の縦軸を伸ばす学習が、読書と作文です。
下の縦軸を伸ばす読書は難読に進む読書です。
難読とは造語で、難しい内容を読み取る読書です。
例えば、説明文や意見文の読書です。
小学校低中学年なら、「理科好きな子に育つふしぎのお話365」のような主に理科関係の本、高学年や中学生なら、「岩波ジュニア新書」や「ちくま少年図書館」のような中高生向けの説明文の本、高校生なら「岩波新書」や「中公新書」のような社会人向けの説明文の本、大学生なら、「岩波文庫」の青帯、白帯、緑帯や「ヘーゲルの精神現象学」のような古今東西の本格的な古典の本です。
小中高校生が手軽に接することのできる説明文の文章が、問題集読書です。
興味を持った問題文の出典を見て、その本を図書館で借りるという形で読書生活を発展させることができます。
作文は難作に進む作文です。
難作も造語で、難しい内容を考える作文です。
例えば、小学校高学年から中学生、高校生が書くような抽象的な課題を含んだ作文です。
上の縦軸を伸ばす学習である創造発表は、自分の興味に基づいて実験や工作や調査や研究を行い、それを創造的に発表する学習です。
プログラミングも、自分の興味に基づいてプログラムを作り創造的に発表する学習ですが、その前提になるプログラミングを学ぶ期間は、横軸の学習になります。
横軸の学習は、評価が可能です。
ある基準があって、そこにどれだけ到達したかが客観的な評価になります。
この評価を目標にして、学習意欲を持つことができます。
縦軸の学習には、評価がありません。
しかし、評価の代わりになるものがあります。
それが発表と対話です。
だから、読書紹介、作文発表、創造発表、プログラミング発表などは、縦軸の学習に伴って自然に生まれてくる授業形態です。
創造発表で大事なことは、自分の興味関心に基づくことと、創造的であることです。
最初は、理科実験の本などを参考に、自分がやってみたいことに取り組みますが、本に書かれているとおりにうまくできたというのは、出発点です。
そこから、自分なりの新しい創造を試みることが大事です。
その創造は、独自の感想という形で表すこともできます。
社会研究も、資料を調べてまとめるという研究レポートのようなところまでは、出発点です。
そこから、自分なりの創造的な見解を持つというところが大事です。
たとえ、その創造がすぐにはできなくても、テキストに沿ってできたところまでは出発点だという自覚を持って研究することが大事です。
日本のアカデミズムには、西洋に追いつくことが目標という意識がまだ残っているため、独創性を評価しない文化があります。
しかし、これからの若者が活躍する分野は、日本ではなく世界です。
世界という土俵で生かせる武器は、横軸の広さではなく、縦軸の高さと深さです。
今後、力を入れていく創造発表は、そういう新しい学習として進めていきたいと思っています。
■■1月1週の作文課題の説明
1月1週の作文課題の動画です。
授業を受けずに作文を書く人は、この動画を参考にしてください。
小1 自由な題名
https://youtu.be/KVlDlYxrOQU
https://www.youtube.com/watch?v=r81Hcjz8j5k
(前半が作文の説明。後半の勉強の説明は昔のもので、今は関係ありません。)
小2 自由な題名
https://www.youtube.com/watch?v=EqaGw02TzP0
小3 お父(母)さんとあそんだこと
https://www.youtube.com/watch?v=C9WoHyZZZ_0
小4 休み時間
https://www.youtube.com/watch?v=o-FYfvi33qc
小5 お正月
https://www.youtube.com/watch?v=2WtNADS5SUk
小6 除夜の鐘
https://youtu.be/W4awdudIMcQ
https://www.youtube.com/watch?v=4Z2ZpNgQj3g
(前半が作文の説明。後半の勉強の説明は昔のもので、今は関係ありません。)
中1 ポイ捨て
https://www.youtube.com/watch?v=rOvJT20qiyY
中2 本当の豊かさ
https://www.youtube.com/watch?v=hhJZQfVrmck
中3 内申点
https://youtu.be/IbQxEM5YV1w
高1 独裁と民主主義
https://youtu.be/6ayHMgVoO0Q
高2 宗教
https://youtu.be/RldINhjJXDo
高3 ベンチャー
https://youtu.be/n3YGjdRkIfY
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● 言葉の森新聞2022年12月4週号 通算第1736号 (9889字) 言葉の森事務局 jun 2022年12月22日 19時08分
14383 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2022年12月4週号 通算第1736号
文責 中根克明(森川林)
■■新学期の教材を発送しました
12月16日~19日、国内の生徒さんに新学期の教材を発送しました。
25日になっても届かない場合はご連絡ください。
★受験コースの課題フォルダは、今月中に別便で発送いたします。
■■12月29日(木)・30日(金)・31日(土)は休み
12月29日(木)・30日(金)・31日(土)は、第5週のため通年クラスの授業はありません。振替授業もお休みです。
■■1月1日(日)・2日(月)は「休み宿題」
カレンダーに記載してあるとおり、1月1日(日)・2日(月)は祭日のため「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます
■■第4週は清書。幼稚園生は作文
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
清書をしたあと、時間に余裕のある場合は読解問題をしてください。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
■100-8051(住所はいりません毎日小学生新聞「さくひん」係(600字以内)
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■探究型学習と学力――中学受験を含めて子供たちの将来をどう考えるか
●動画:
https://youtu.be/yPr2DN5UFYM
昨日18日は、言葉の森の東京近辺の講師の忘年会で、私(中根)は、久しぶりに品川に行ってきました。
品川駅の港南口に降りたのは初めてだったので、品川が大きく変わっていたのに驚きました。
私は、未来の話をよく考えるわりに、足元のことは遅れていることが多いです。
その品川に行く途中の電車の中で、読みかけだった「2040教育のミライ」を読んでいました。
著者の礒津政明(いそづまさあき)さんは、2015年にソニーグループ唯一の教育事業会社である「ソニー・グローバル・エデュケーション」を立ち上げ、現在は会長を務めている人です。
この本の内容は、以前にも少し紹介したことがありますが、子供の未来の教育を考える保護者には必読だと思います。
日本の身近な現実を見ていると、世界の教育が大きく変わっていることがわかりません。
そして、やがて遅ればせながらも日本の教育も、世界に合わせて変わらざるを得ません。
その方向を知ることは、今後の子育ての前提条件として必要になります。
礒津さんの本を読んで思ったことは、言葉の森がこれまで言ってきたことや、やってきたこととほぼ全く同じだということです。
例えば、近年話題になり始めた探究型学習は、言葉の森が10年以上前に始めた創造発表クラスと同じです。
この探究型学習の授業行っているアメリカの公立学校のひとつであるハイテクハイでは、入学試験がないため生徒の40%が低所得の家庭であるにもかかわらず、卒業生の大学進学率は87%だそうです(同じカリフォルニア州の20代の大学進学率は30%)。
つまり、探究型学習によって、生徒の学ぶ意欲が大きく向上しているということです。
教育で大事なのは、いい教材でも、いい先生も、いい校舎でもなく、ただ生徒の意欲です。
言葉の森のオンライン4人クラスの基本方針も、先生が教える授業ではなく、生徒が自ら学ぶ授業です。
言葉の森で、以前教えていた創造発表クラスの当時小学5年生の生徒が、その後、全員、国立、私立、公立の受験にそれぞれ合格したことがありました。
そのときの創造発表クラスで毎週みんなが発表する内容は、どの子もその子らしい個性のある力作でした。
受験の合否とは別に、こういう独自の発表ができる子は、社会人になっても、自分らしい工夫と挑戦をするだろうといつも思っていました。
本当の頭のよさや実力や意欲は、こういうところで表れるのです。
ところが、今、学習塾で受験の実績を上げているところの多くは、この探究型学習とは逆の詰め込み型学習を行っています。
頻繁にテストを行い、たくさんの宿題を出し、競争をあおり、勉強に時間をかけるようにすれば、誰でも成績は上がります。
そういう競争的な勉強で、子供はそれなりに充実した時間を過ごしているように見えます。
しかし、そういう子供たちが、長期間続く学習意欲を持っているかというと、そういうことは逆に少ないのです。
子供が、自律的な学習意欲を持つのは、人によって多少の違いはありますが、15歳になってからです。
孔子は、「吾十有五にして学に志す(われじゅうゆうごにしてがくにこころざす)」と言いました。
15歳は、昔からそういう年齢なのです。
そのころになると、子供は、自分の生き方や将来の夢などを自分なりに考えるようになります。
その年齢からは、いくら詰め込み勉強をしても、子供が自ら選んだ勉強ですから、プラスになることはあってもマイナスになることはありません。
しかし、15歳未満のまだ自分が確立していない時期は、外からの詰め込みはできるだけしない方がいいのです。
ところが、小学5、6年生になると、生活に余裕が出てきます。
子供はそれなりに意欲的に生きています。また、向上心も出てきます。
そのときに、受験のような目標がないと、子供の生活に張りがなくなります。
そのときの一つの選択肢は、公立中高一貫校の受験をすることです。
しかし、今はまだ公立中高一貫校の数が少ないので、倍率はどこもかなり高くなっています。
本当は、もっと公立中高一貫校の数を増やす必要がありますが、たぶん現在の私立学校の存続と結びついた利権のために、公立中高一貫校の数が増やせないのだと思います。
将来は、公立中高一貫校の受験の機会は増えると思いますが、今はまだ不合格の可能性の方が高い受験になります。
それでも、受験という目標があることは、無理な詰め込みをしなければ、高学年の子供にとってはいい選択になると思います。
小学校高学年のもうひとつの選択肢は、高学年から発達する考える力を生かして、創造発表とプログラミングと作文の学習をし、好きな読書をすることです。
これらの学習と読書は、いずれも直接の学校の成績には関係ありませんが、子供がいくらでも自分なりの個性を生かして熱中できる勉強になります。
また、将来のことを考えると、これらの勉強と読書は、国数英理社の主要五教科の勉強よりも、あとでずっと役に立ちます。
子供が公立中学に進んだ場合、学校によっては荒れている学校があったり、内申点で縛られる不自由な学校生活があったりします。
しかし、勉強は自分のペースでしていけばいいので、自分がしっかりしていれば学校の環境は関係がないし、むしろ自分の生き方のバネになります。
大事なことは、中学3年生の夏休み前までに、中3の数学の勉強を終わらせておくことです。
それは、今の入試は、数学力で差がつくので、中3の夏休み以降は受験に特化した数学の勉強をする方がいいからです。
中学生になると、不登校の子も増えてきますが、今はインターネットの学習環境が充実しているので、学校には行かなくても勉強面での心配はありません。
ただし、生活のペースが崩れないように、朝起きる時間だけは決めて、朝8時からのオンラインクラスで、その日の生活を始めるというようにするといいと思います。
あとは自宅で勉強すればいいので、学校で勉強するよりも数倍能率のよい勉強ができるはずです。
学校の利点は、友達との交流があることですが、それも今ではインターネットでカバーできます。
オンラインクラスであれば、勉強や読書を通して友達との交流ができます。
そして、必要に応じて、仲のいい友達と自分なりのペースでリアルの交流をする機会を持てばいいのです。
子供が高校に進んだ場合、自分のペースというのは更に重要になります。
この場合も、日本の大学入試を考えると、高2の終わりまでに、高3の数学を終わらせておくことが重要になります。
また、今は、一般入試よりも推薦入試が増えているので、小論文の力と、自分がアピールできる個性的な持ち味を作っておくことが大事になります。
将来は、オンラインを利用した海外留学が増えます。
今後は、AI翻訳で「読む書く話す聞く」の四技能ができるようになるので、英語や中国語などの語学力の必要性は低下し、海外留学のハードルは低くなります。
海外留学の利点は、異なる文化の同年代の人と交流できることです。
今はまだオンライン海外留学は一般的ではありませんが、近い将来は、日本国内のガラパゴス的な入試よりも、海外留学を希望する人の方が増えると思います。
また、日本の大学も、海外からのオンライン留学の体制を作るところが出てくるはずです。
スクーリングで実際に交流することを考えると、日本の国内が基盤になっている方が安心できます。
今後の海外留学では、基礎学力よりも、個性的な学力と意欲が重視されるようになります。
それは、日本の大学入試でも同様で、東大の推薦入試、京大の特色入試をはじめとするそれぞれの大学のAO入試では、個性的な学力の可能性があることが最も重要な学力の指標となります。
基礎学力として必要なのは、読解力と作文力と数学力に絞られてきます。
しかし、今はまだ英語力が重視されるので、しばらくは英語にも力を入れておく必要があります。
大学卒業後は、又は、大学在学中は、自分が将来自立できる仕事を探していくことが目標になります。
大学生は、失敗の許される時期ですから、この時期にさまざまなことに挑戦し、リーダーシップを発揮する練習をしていくといいのです。
例えば、どこかのサークルに入るだけでなく、自分で新しいサークルを立ち上げるというようなことです。
会長や委員長になる経験は、副会長や副委員長になる経験とは質が違います。
こういう将来の展望を考えると、小学校高学年からは、個性的な学力と基礎学力を伸ばすことが重要になります。
その代表的な学習が、創造発表、プログラミング、作文、読書、そして、教科としては算数数学で、それに加えてコミュニケーション力になると思います。
■■暗唱力が伸びる総合学力クラスの勉強――英語の暗唱もできるようになり、数学も得意になる
●動画:
https://youtu.be/9Zp0ujArVck
総合学力クラスでは、毎月第3週に暗唱の時間を取っています。
総合学力クラスは、学年が小1~小3の生徒が多いので、年齢的に暗唱がいちばん得意になる時期です。
暗唱が得意になる時期は、幼長から小2までです。
この時期は、模倣の時期なので、あらゆるものをすべてそのまま自分のものにすることができます。
だから、この時期のお父さん、お母さんの接し方はとても大事です。
子供は、お父さんやお母さんの生き方を模倣して成長していくからです。
お父さん、お母さんが毎日楽しそうに本を読んでいる姿を見せると、子供は自然に本好きになります。
この模倣の時期は小3まで続きますが、小4になると、今度は模倣から離れて自立の時期に入ります。
小3までは、親の言うことをよく聞いて言われたとおりに勉強していた子が、小4になると、親の指示に従わないときが出てきます。
実は、これが子供の正しい成長の姿です。
子供が反発するようになったら、それは子供がたくましく成長しているという証拠です。
逆に、子供がいくつになっても素直に親の言うことに従っていたら、その子は、大きくなっても頼りになりません。
親が将来話し相手になれるような一人前の子は、親に反発できる子なのです。
と、話が脱線しましたが、この小2か小3までの模倣の時期に最もやっておきたい勉強が暗唱です。
暗唱ができるようになると、読解力、表現力、思考力、語彙力、記憶力が育ちます。
こういう多くの効果がある勉強法は、ほかにはありません。
しかし、暗唱の勉強というのは、親自身が子供時代に暗唱をした経験がないので、子供にさせにくい面があります。
掛け算の九九などは、親がしたことがあるので、子供にさせることも無理なくできますが、暗唱は、プログラミングと同じように親がさせにくい勉強なのです。
ところが、総合学力クラスで、みんなが暗唱の発表をする機会があると、ほとんどの子が自分から進んで暗唱の練習をするようになります。
子供は、友達と一緒に暗唱したところを発表し合うのが楽しいのです。
総合学力クラスでは、毎月1週から4週まで、国語、算数、暗唱、発表という順序で週ごとに勉強をしていきますが、国語と算数は、勉強習慣をつけるというような意味なので、他の塾での勉強と内容的に大差はありません。
しかし、暗唱と発表は、ほかではまずやる機会のない勉強です。
国語と算数の週は、自由になにをしてもいいので、この週のときも暗唱を選ぶ子もよくいます。
このあたりは、自由選択になっています。
小2の終わりまでに暗唱の力をつけ、暗唱のコツを身につけておくと、それは高学年になっても、中学生になっても、高校生になっても、更には社会人になっても役に立ちます。
今、オンラインの英語クラスでは、英文の暗唱を勉強の中に取り入れていますが、日本語の暗唱のコツをつかんでいる子は、この英文の暗唱もすぐにできるようになります。
この英文の暗唱が、英語の学力の土台として最も役に立ちます。
野口悠紀雄さんの「図解超英語法」の本に、英語と暗唱の話がわかりやすく載っています。
https://www.mori7.com/izumi/gazou/2022/7201500140.jpg
「教科書を全部覚えていれば、試験はほぼ完全にできる。単語の意味がそれが含まれる文章を思い出せば、前後関係からわかる。穴埋め問題もすぐにわかる。英作文は、覚えている文章を基本にして単語を適宜入れ替えるだけだから、簡単だ。あまりに簡単なので、まるでルール違反をしているような後ろめたささえ覚えた。」
野口さんは、大学生になると、ケネディ大統領の就任演説を全文暗唱したそうです。
卒業して役所に入り、アメリカに留学する機会がありましたが、英語で苦労した思い出はなかったということです。
先日聞いた話ですが、言葉の森の高校生で、「英語好きな子に育つたのしいお話365」の「桃太郎」「かぐや姫」「赤ずきん」「ガリバー」「ヘンゼルとグレーテル」「ジャックと豆の木」の文章を暗唱した生徒が、英語が超得意になったいうことでした。
「暗唱って何の役に立つのですか」と聞かれる方がよくいますが、やってみなければわからないというのが正直なところです。
だから、小学2年生までのうちに、何しろ日本語の暗唱に慣れておくといいのです。
英語の暗唱は、今後AI翻訳の実用化によって、暗唱学習の意義は薄れるかもしれませんが、日本語は日本人にとっては、伝達の手段であるとともに思考の手段です。
日本語の暗唱力をつけておくことは、子供たちの将来の学力の土台になります。
私がこれまで子供たちの暗唱を見ていて思うのは、暗唱力と頭のよさは関係が深いということです。
中学生や高校生でも、成績のいい子は、暗唱がすぐにできます。
逆に、暗唱のできる子は、成績もよくなります。
林学博士の本多静六氏は、大学生時代、赤点を取った数学を暗唱の勉強で一気に学年一番の成績にまで引き上げ、卒業時には恩賜の銀時計を賜るまでになりました。
何を暗唱したかというと、数学の問題集の例題をすべて暗唱できるようにしたということです。
この勉強法は、「数学は暗記科目である」を書いた渡部由輝さんや、「数学は暗記だ!」を書いた和田秀樹さんと、本質的には同じ勉強法です。
暗唱をするから頭がよくなるのか、頭がいいから暗唱が得意になるのかと言えば、どちらもあると思います。
■■オンラインクラス保護者懇談会12月資料
●動画:
https://youtu.be/sGOb09YFnU8
■オンライン4人クラスは反転学習
これからの学習は、反転学習が中心になります。
従来の学習は、生徒が学校や塾に行き、そこで教えてもらい、家に帰って宿題をする形の学習スタイルでした。
これは、能率の悪いやり方で、特に学力の高い子にとっては無駄な時間の多い勉強の仕方でした。
つまり、聞く必要のない講義を聴く時間があるとともに、家に帰ってわからないことがあっても質問する機会がないという二重の非能率があったということです。
反転学習では、生徒が自宅で勉強を進め、授業の中では先生がその勉強をチェックするとともに、生徒の質問を聞き、クラスによっては生徒が自分のしてきたことを発表する時間があります。
これは、能率のよい勉強法で、高学年の生徒や学力の高い生徒ほど、反転学習の勉強の仕方を好みます。
この反転学習を進めるためには、第一は、講師が生徒の学習状況を毎回チェックする必要があります。
第二は、生徒又は保護者が、毎回学習記録をつける必要があります。
12月から学習記録に、ページ数だけでなく繰り返しの回数を入れられるようにしました。
学習記録で1冊の問題集を繰り返し勉強している生徒は、確実に学力がついています。
その反対に、問題集の繰り返しの少ない生徒や、授業のあるときだけしか勉強していない生徒は学力がなかなかつきません。
今後、教室から生徒の学習状況を連絡するようにしますので、保護者の方は、ときどき生徒の勉強の進み具合を確認してください。
■できるだけパソコンで参加を
オンラインクラスは、生徒の参加と生徒どうしの対話を中心にした授業を行っています。
スマホやタブレットでは、画面が小さかったり、文字入力の操作がしにくかったりするという問題があります。
今後、生徒がプログラミングの勉強などをすることを考え、できるだけパソコンで参加するようにしてください。
慣れてきたら、生徒専用のパソコンを買ってあげるといいと思います。
これからの学習には、パソコンは、ノートや教科書と同じ必需品になります。
■新年度の改訂版の教材が注文できます
新年度から、国語、算数数学、英語で教材を大幅に入れ替えました。
理由は、難しい問題もある問題集にすることと、確認テストができるようにすることの2つです。
小6の国語・算数と高2の国語の改訂版は、12月27日ごろから発送できますので、教材注文フォームから注文してください。
上巻と下巻の両方がある場合は、当面上巻だけを注文しておくといいです。
■新年度の教材は、各学年1教科1種類に統一する予定
新年度の教材の入れ替えに伴い、旧年度の教材と、改定前の教材と、改定後の教材がしばらく混在するようになります。
これは、2月を目処に、新年度の改定後の教材に統一したいと思います。
旧年度の教材や改定前の教材は、内容的には充実しているので、そのまま自宅での学習に使っていただくといいのですが、授業の中では新年度の改定後の教材で授業を進めていきます。
一時的に教材が2種類になる方もいると思いますが、授業の能率を上げるためということでご了解くださるようお願いします。
■自習室を活用できるようにします(計画中)
オンラインクラスには、自習室がありますが、この自習室をもっと活用できるようにします。
具体的には、自習室の生徒の入退室を管理し、生徒がどういう勉強をしたかを記録し、保護者に連絡するようにします。
「何時に入室し、何の勉強を行い、何時に退室した」という記録です。
勉強の内容に関する質問は取り扱いません。
参加できるのは、言葉の森の生徒だけです。
管理できる時間帯は、夕方15時ごろから20時ごろまでと考えていますが、管理時間外でも自習室は自由に利用できます。
ただし、安全のために、パスコードを設定する予定です。
実施できるようになりましたら、改めてご連絡します。
■低学年の読書紹介は、保護者も協力して準備を
読書紹介は、子供たちの読書習慣を定着させ、読書の幅を広げるのに役立っています。
読書紹介は1人2分以内としているので、本のあらすじを紹介するのではなく、自分がいちばん印象に残ったところを紹介してもらうようにしています。
低学年の生徒の場合は、本のあらすじを説明してしまいがちになるので、保護者が紹介の仕方をアドバイスし、必要なところに付箋を貼っておくなどの準備をしておいてください。
■冬期講習
今回の冬期講習は、講座数が少ないため、満員になってしまうところが多くなりました。
希望した講座に入れなかった方には、申し訳ありませんでした。
次回の春期講習は、講座数を増やすようにしていきます。
■休講時の分散振替
講師の急な休講があった場合、代講の講師が代わりに入れないことがあります。
その場合、同じ時間帯の同じ講座のクラスに分散して振替で参加していただくことがあります。
そういうケースは、ほとんどないと思いますが、やむを得ない場合は分散振替になることがあるとご了解ください。
もとの講師の会場には、事務局が待機していて、生徒に会場の変更先を連絡するようにします。
■小学生の作文を上達させるポイントは親子の対話
小学生で作文が上達する子は、保護者への取材を毎回よく行っています。
子供に似た話を聞かれた場合、お父さん、お母さんは、自分の子供時代を思い出して、面白い話をたっぷりしてあげてください。
できれば、子供の課題を見て、事前に似た話の準備をしておくといいと思います。
また、小学生は、上手に書けた作文があったら、新聞社などに投稿してください。
その際、言葉の森の作文用紙は使わないこと、お父さんの会社の封筒などは使わないこと、複数の媒体に同じものを送らないことなどに注意してください。
■中学生、高校生は、パソコンで作文を書き、字数と森リン点を基準に
小学校高学年、中学生、高校生は、パソコンで作文を書くようにしてください。
字数と森リン点を基準にして勉強に取り組むと毎回の学習の目標ができます。
今後、大学入試でも、就職試験でも、文章力が問われることがますます多くなります。
学校では作文の勉強はほとんどないので、言葉の森の勉強で独自に作文力をつけていってください。
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● 言葉の森新聞2022年12月3週号 通算第1735号 (10875字) 言葉の森事務局 jun 2022年12月15日 16時38分
14365 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2022年12月3週号 通算第1735号
文責 中根克明(森川林)
■■学力8割、個性2割の生き方――「未来の大学入試はどうなるか」の記事を見て
●動画:
https://youtu.be/peatT-9pGOI
言葉の森のオンラインクラスでは、勉強のほかに、読書力、発表力の時間があります。
勉強の方の中身は、反転学習です。
家庭での毎日の自主学習で学んできたことを、先生が授業の中でチェックします。
だから、きわめて効率のよい学習になります。
読書紹介と発表では、全員に発言する時間があります。
どの子も、それぞれ個性的な紹介や発表をします。
このように勉強と読書と発表を両立させている授業はほかにはありません。
オンラインクラスは、学力8割、個性2割のペースで進めているのです。
言葉の森の生徒は、学校でも好成績の子が多いです。
中学、高校、大学の合格校も、かなりレベルの高いところが多いです。
https://www.mori7.com/beb_category.php?id=19
勉強もでき、個性もあるという子が多いのです。
私は、人生には、二つの大きな道があると思います。
ひとつは、勉強して、いい大学に入り、いい就職をして、安定した生活を目指す道です。
ほとんどの人が、この方向で生きていくと思います。
しかし、この安定の道には、いくつかの問題があります。
それは、与えられた仕事をこなす人生は、面白くないし、成長しないし、今後はどうなるかわからないということです。
高度成長経済時代は、与えられた仕事であっても、面白いし、成長するし、将来の発展性がありました。しかし、今後の低成長時代には、それが逆に回転する可能性があります。
もうひとつの道は、個性を生かし、自分なりの仕事を始める道です。
これは、未知の要素が多い道です。
ほとんどの人は、この道を頭の片隅で考えるだけで、その方向で生きようとする人はまずいません。
この独立の道には、いくつかの特徴があります。
それは、独立の道は、面白いし、成長するし、工夫次第で発展するが、不安定で苦労が多いということです。
しかし、日本の社会では、失敗しても生きていけないことはありません。
我慢すればどんな仕事もあるし、実力があれば再起することもできます。
ここで大事なことは、どちらかの道しか選べないということではないということです。
ほとんどの人は、決められた勉強もしっかりするし、自分の個性を生かした時間もたっぷり過ごしています。
だから、学生時代は、両方がんばっていくといいのです。
しかし、社会に出るときには、どちらかを選ばなければなりません。
片手間でできる仕事というのは、ほとんどありません。
そして、結婚をして子供のいる生活が始まれば、方向転換することはまず無理になります。
だから、私は、社会に出るときには、独立の道を選ぶのがいいと思います。
最初は会社に就職をするとしても、将来の独立のために、その独立の手段になる会社に就職すると考えていくのです。
そのためには、学生時代の勉強は、勉強と個性を8対2ぐらいの割合で進めていくことになると思います。
そして、会社に入るにせよ独立するにせよ、大事なことは、学力だけでなく、発表力、読書力を育てていくことです。
オンラインクラスの読書紹介や発表の様子を見ていると、生徒によっては、どこの学校に行こうが、どういう会社に入ろうが、必ず自分らしい実力を発揮するだろうということを感じさせる子がいます。
それは、勉強の成績を見ているだけではわからない、その生徒の本当の実力です。
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▽参考記事(ダイヤモンド・オンライン)
「これからの中学受験生が直面する「2030年の大学入試」の見取り図」
https://diamond.jp/articles/-/313261
基本的な方向は、ここに書かれているとおりだと思います。
1.少子化で誰でも大学に入るようになる。その際、大学は、生き残りのために一般入試よりも早めの推薦入試、AO入試を増やす。
2.トップ2割の大学の入試はほぼ変わらない。
3.だから、大学入試は二極分化していく。
しかし、私は、もっと先のことを考えています。
それが上に述べた記事です。
■■学力8割個性2割の続き――創造力の時代がなぜ来るか、そのために何をするか
●動画:
https://youtu.be/AykGnMHP_yo
学生時代は、学力8割個性2割で生活し、社会人になるときは自分の個性を生かす方向で独立するというのが、これからの人間の生き方の基本になってくると思います。
そんなのはまだ早いと思う人がいるかもしれませんが、これは歴史の流れを見ればわかることです。
今、人類の生産力は、人類全体の消費に必要な量をはるかに上回っています。
だから、誰の役にも立たない軍需産業が盛んになっているのです。
人間が熱心に必要と思うものの多くは、マイナスをゼロに戻すものです。
健康産業も、教育産業も、ほとんどがそうです。
だめなものを普通に戻すというのは、わかりやすいし、常に需要があるのです。
しかし、マイナスをゼロに戻しても、世界は豊かにはなりません。
大事なことは、ゼロをプラスにすることです。
未来の健康産業や教育産業は、そういうものになるでしょう。
ゼロをプラスにするための答えはどこにもありません。
マイナスからゼロに戻すときのゼロは、誰にでも見える答えです。
ゼロをプラスにするためには、創造力が必要なのです。
軍需産業以外にも、世の中に、何も生み出していない仕事は数多くあります。
具体的に書くと差し障りがありますが、ひとつだけ書くと、例えば広告産業などがそうです。
正しい情報が伝わることが大事で、広告の情報がどれだけ伝わっても、世界には何のプラスもありません。
人類の生産力が、人類の消費力を上回っているから、多くの無駄なものが生まれています。
その無駄なものが多すぎるために、豊かな生産力が人々の豊かさに結びついていないのです。
しかし、やがて、これは是正されるでしょう。
正しいことが伝わると、世の中は自然にその方向に変わります。
今は、インターネットの力で、正しい情報が流れるようになりました。
Twitterは民間企業ですが、正しい情報を流す方向に転換しているように見えます。
やがて、他の情報メディアも、次第に正しい方向に向かうでしょう。
先日、雑誌プレジデントで、これまでマスメディアに載らないであろうと思われた記事が掲載されていました。
メディア全体も、内部の力で、今大きく変わろうとしているのです。
さて、豊かな生産力、正しい情報と並行して生まれているものは何かと言えば、それはAIやロボットの技術です。
現在、文を入れると絵をかいてくれるソフトが出ています。下手な絵を上手にかきなおしてくれるソフトもあります。質問すると、正しい答えを返してくれるソフトも生まれています。自動翻訳ソフトも、深層学習によって実用的なものになっています。
ということは、これまでの画家、作曲家、文章家、翻訳家などの仕事が能率的になる一方、それらの仕事全体のニーズはこれから急速に減っていくということです。
自動運転が実用化されると、運転手の仕事がなくなるということは以前から言われていますが、配達の仕事、レジ打ちの仕事なども、やがてなくなるでしょう。
教育に関しても、ただ教えるだけの仕事は必要がなくなります。
ちょうど明治維新のあとに、それまでの剣術や馬術の練習が必要なくなり、剣術や馬術が単なる趣味の文化に変わっていったように、今後、多くの仕事が形を変えていきます。
しかし、それを否定的なことと考える必要はありません。
世の中が豊かになる一方で、仕事が減ると、その結果、所得が減り消費が減ります。
供給だけが豊かになり続け、需要が減り続けるという負の循環に対処するためには、需要を人為的に増やす必要があります。
ケインズの時代には、それは公共投資や戦争でした。
現代は、国全体の公共投資や戦争ではなく、国民一人一人に対するベーシックインカムです。
これからの時代を考える前提として、ベーシックインカムの時代が来ると考えておくといいのです。
その時代に必要になるのは、個性と創造力です。
しかし、ここで大事になるのは、創造力の底辺に広い学力の土台があることです。
創造力というと、多くの人のイメージとして、絵をかいたり、音楽を作ったり、文章を書いたり、スポーツをしたりということが思い浮かべられると思います。
しかし、そういう創造力は底辺の狭い、自分の身体だけを主な底辺とした創造力です。
幅広い底辺とは何かというと、それは幅広い学力なのです。
小学校から中学、高校にかけて学ぶことは、人類がこれまで積み上げてきた知の共有財産です。
この共有財産を広く自分のものにすることが、その人の創造力のより個性的な進歩につながります。
その学力の底辺と創造力の高さの比が、今は8:2ぐらいだろうと私は考えているのです。
■■言葉の森には、なぜ成績のよい子が多いのか
●動画:
https://youtu.be/MOoQylma4T0
言葉の森に来ている生徒には、優秀な子が多いです。
特に、低学年で言葉の森に来る生徒はそうです。
言葉の森は、作文と国語を中心に、算数数学や英語やプログラミングや創造発表という幅広い教育を行っています。
だから、作文や国語が苦手な子が来るかというと、そういうことはありません。
むしろ、作文や国語の得意な子が多いのです。
もちろん、苦手な子も来るので、苦手な子にも十分対応できます。
作文が超苦手だったという子が、体験学習で親も子も驚くほど書けるようになったという例は数え切れないほどあります。
なぜ、そういうことができるかというと、簡単に言えば教え方が科学的だからです。
低中学年から言葉の森に来た子は、大学入試でもかなり難しいところにすんなり入っています。
合格情報を見てもわかるように、東大、早稲田大、慶応大などに入っている子は、毎年います。
卒業した生徒が、連絡してきてくれるのです。
なぜ、言葉の森にそういうよくできる子が多いかというと、これは、言葉の森のホームページに文章ばかりが載っているからではないかと思います。
こういう文章を読んで共感できる保護者の方は、学力がかなり高い人です。
作文や国語が苦手だからという理由で来る場合でも、そういう文章理解力のある保護者の言う「苦手」ですから、実態は「普通」か「普通の上」で、もともとの学力はかなり高いのです。
面白いことに、作文の体験学習のときに、子供に、「作文は得意、苦手、普通のどのくらい?」と聞くと、ほぼ8割の子が「苦手」と答え、2割の子が「普通」と答えます。
「得意」と答える子はまずいません。みんな謙虚です。
ところが、「普通」と答える子は、すべてよく書ける子です。
「苦手」と答える子は、普通かよく書けるかのどちらかです。
みんな、学校の勉強で、作文が苦手だと思い込んでいるだけなのだと思います。
言葉の森は、作文が苦手な子にも、得意な子にも対応できますが、これは、教科の勉強についても同様です。
言葉の森が学力の高い子にも対応できるのは、いい成績を取る以上のことを目指しているからです。
それが、思考力、創造力、共感力を育てるという目標です。
■■不登校の子も参加できる――個性を生かす創造発表クラス、土曜日10時開講
●動画:
https://youtu.be/km71RfD9vaU
今、学校に行かない子が増えています。
私が知っている範囲で言うと、そういう子供たちは、みんな優秀です。
普通に勉強すれば、学年のトップクラスに入るような子たちばかりです。
勉強もできるし、考え方もしっかりしているし、コミュニケーション力もあるし、何も問題がないどころか、みんなのリーダーにもなれるような明るい性格の子供たちです。
子供たちと言っていますが、私が知っているのは、主に中学生ぐらいの生徒たちです。
そういう恵まれた素質を持つ子供たちが、学校に行っていないことを自分のマイナス面であるかのように感じて、萎縮していることがとてももったいないと思います。
創造発表クラスは、もともと自由な創造的な発表をするクラスとして作りました。
ただ、教材もカリキュラムもないので、生徒も先生もやりにくいところがあるかもしれません。
しかし、私は、教材やカリキュラムがなくても楽しくできるのが、創造発表クラスの本来の姿だと思っています。
これまで、創造発表クラスでは、とても優れた発表がありました。
ちょうど小学5、6年生ばかりが集まった5人ぐらいのクラスがありましたが、毎回どの子も個性的な発表をするので、熱で学校を休んだような子も、創造発表クラスだけは参加するというほどでした。その子たちは、学校の勉強もとてもよくできました。
今後、土曜日10:00に読書と対話をセットにした創造発表クラスを開設します。
この創造発表クラスでは、次のような形で授業を進めていきます。
最初は、読書紹介です。今読んでいる本をお互いに紹介します。
(これはどの講座でもやっていますが。)
そのあと、質疑応答をして、次に、各自のやっていることを発表してもらいます。
この発表が創造発表クラスの中身です。
発表の内容は、何でもいいのです。
大事なことは、自分の本当に好きなことを発表することです。参考書のコピーのようなことを発表をするのではありません。
名前のとおり創造ですから、ほかの人がやっていないことを発表することです。レベルは低くても高くても構いません。
新しいことをやろうとすれば、失敗することも多くなります。その失敗も創造です。
要は、自分の好きなこと、ほかの人のやっていないこと、というのが基本です。
発表することがまだできていない場合は、授業の中で、みんなの発表を聞きながら、自分の発表の準備をするか、途中経過までを発表するという形で参加できます。
発表が目的ではなく、発表という結果を目標にして、創造する過程が本当の目的です。
私は、オンラインクラスの仕組みを作った最初のころ、もう10年以上前になりますが、この創造発表クラスの仕組みを作りました。
私は、自分のうちの子2人が小学1年生のときに、2人をそれぞれ言葉の森の作文教室に入れました。
うちの子は、ほかの習い事は、何もしませんでした。
しかし、そのときに、創造発表クラスのようなものがあれば、そのクラスにも必ず入れたと思います。
作文と創造発表と読書は、同じような性格の勉強です。
学校の普通の勉強は、やればすぐできる勉強です。
数ヶ月か、長くても1年間集中して取り組めば、中3までの学校の勉強はすぐに追いつけます。
それは、答えの決まっている勉強だから、本気でやればすぐにできるようになるのです。
しかし、多くの子は、その退屈な勉強の過程で、それなりに文章を読んだり、問題を考えたりして頭を使います。
だから、勉強で成長するのではなく、勉強に取り組む過程で成長しています。
大事なことは、何に取り組むかではなく、取り組むこと自体なのです。
その取り組みを、させられる取り組みではなく、自分から進んで選ぶ取り組みにするのが、創造発表クラスの勉強です。
土曜日10時の創造発表クラスの対象学年は、小学校高学年から高校生までとします。
小学5年生以上になると、考える力がつくので、自分なりの創造ができるようになります。
創造発表クラスの勉強のあと、大学に入り好きな勉強をして、社会に出て活躍することまでがゴールです。
このクラスは誰でも参加できますが、特に、学校の勉強に飽き足らない人、学校にあまり行っていない人が、主に参加するといいと思います。
もちろん、学校に仕方なく行っている人も参加できます。
仕方なくというのは、学校の勉強はつまらないが、好きな人がいるから行っているというようなことです。私がそうでした(笑)。
■■メディアに取り上げられた言葉の森ーー作文、国語、低学年の勉強法
●動画:
https://youtu.be/t89XKPaTtDk
これまで、メディアに取り上げられた「言葉の森」の記事を紹介します。
過去の記録は、こちらです。
https://www.mori7.com/as/759.html
「東洋経済オンライン」
英語より「問答力」!元外資系パパの教育哲学
https://toyokeizai.net/articles/-/18374
(名前は出ていませんが、ここで紹介されている作文教室は言葉の森です)
「日経デュアル」
低学年 説明文の本こそ読み聞かせ 論理的に考える力を
https://dual.nikkei.com/atcl/column/17/101900011/110200149/?n_cid=nbpxwoman_sied_ssealist
「東洋経済オンライン」
プロに聞く「子どもの作文力」劇的に上げる方法
https://toyokeizai.net/articles/-/348162
「東洋経済オンライン」
国語の「読解が甘い子」が激変する具体的な方法
https://toyokeizai.net/articles/-/338023
「ダイヤモンド・オンライン」
「子どもの脳を耕せる」たった1つの親の習慣
https://diamond.jp/articles/-/249740
(これは一部に引用されているだけです)
■■ゴールは大学入試ではなく、35歳までに見つけるもの――正攻法の子育てとは何か
●動画:
https://youtu.be/AI5WQCb3Vg4
ひろゆきさんが、「35歳までに見つけないと手遅れになる」という記事を書いていました。
それは、何かというと、一日中そのことを考えているような仕事を見つけるということです。
仕事のことを考えるのは仕事の時間だけにして、あとは自分の好きなことを自由に考えたりしたりしているというのではありません。
人間の成長や幸福ということを考えると、このひろゆきさんの話は、多くの人が納得できると思います。
一日中考えているのは、別に仕事でなくてもいいのです。
子供の教育であっても、趣味であっても、研究であっても何でもいいのですが、35歳までにというのはひとつの目安になる年齢だろうと思います。
私は、子育てというのも、このように子供が35歳になったときに一日中考えているような仕事を見つけられるようになることを目標にするといいと思います。
もちろん、そのころになると、子供はもうすっかり親の手から離れていますから、直接の子育てというでのはありません。
その土台作りを、小学生のときから考えていくということです。
こう思ったのは、子供の教育に関して、近い目標だけをゴールにしている人が多いように感じることがあったからです。
子供が小学生のときは、当面のゴールは中学受験になる人も多いと思います。
中学生になってからのゴールは、中間テストや期末テストになり、やがて人によっては高校入試がゴールになります。
そして、高校生になると、大学入試がゴールになり、このゴールが最も本格的なゴールになります。
そして、無事に大学入試が終わると、ゴールを達成したので、あとは学生生活を楽しむということになる人という人が多いと思います。
親も、子供が大学まで行けば、もう心配はないという感じになりますが、本当のゴールは、そのあとにまだ続いています。
その本当のゴールとは、35歳になったときに見つける自分の人生の方向性です。
ときどき、テストで時間切れになったら、何でもいいから選択肢に○をつけてくるとか、テスト前の一夜漬けで出そうなところを教えてもらい山を張るとかいうことを言う人がいます。
しかし、その後の長い人生で役立つのは、こういう目先の損得とは正反対の生き方です。
そういう正攻法の生き方を教えるのが、子育てのいちばんの基本になると思います。
「ひろゆきが「35歳までに見つけないと手遅れ」と語る、残酷な事実」
https://diamond.jp/articles/-/314025
■■国語の「勉強ができない人」の勉強法は、辞書で調べたり段落をまとめたりすること――自習室の活用で毎日の読む勉強を中心に
●動画:
https://youtu.be/KSk1yaqYv9A
勉強ができる人とできない人の勉強法の差というものがあります。
結論を言うと、勉強ができる人は、大雑把にやって何度も繰り返す勉強の仕方をしています。
これは、プログラミングの勉強でも同じです。
先に進める人は、曖昧なところはとりあえず飛ばして先に進むことができる人です。
先に進んでいると、前のことがわかるということが多いのです。
反対に、勉強ができない人の勉強法は、最初から完全に理解しようとすることです。
あるところでつまずいたら、そこを必ず解決して、その解決のあとに先に進もうと考えることです。
この方法は、一見、正しいように見えます。
しかし、それは、勉強ができない人の陥りがちな方法です。
この方法のいちばんの欠点は、つまずいたところを解決しようとして、そこにとどまっているうちに、次第に嫌になって勉強全体を諦めてしまうことです。
国語の読解力をつける勉強法でも、同じように、よい勉強法と悪い勉強法があります。
先に、悪い勉強法を説明します。
悪い勉強法は、理屈の上では、もっともらしく見えると思います。
その方法は、第一に、文章全体を読む前に、その文章の中の個々の段落を理解し、段落全体を読む前にその段落の中の個々のわからない単語を調べるという方法です。
このように細分化していく勉強法は、一見理屈にかなっているように思えます。
だから、多くの人がこういう勉強法を取ります。
しかし、この勉強法のいちばんの弱点は、時間がかかることと、つまらない勉強の仕方なので飽きてしまうことです。
勉強するのがロボットであれば、こういう勉強法は有効かもしれません。
しかし、勉強は、人間がしているのですから、飽きてやめてしまえば結果は生まれません。
では、読解力をつけるよい勉強法は何かというと、それは繰り返し読むことなのです。
ただし、読解力には二つの面があり、ひとつは読む力をつけること、もうひとつは解く力をつけることです。
解く力をつける勉強法は理詰めの勉強法です。
これは、理詰めに解く方法を身につければ、誰でも成績が上がります。
しかし、子供たちの多くは、理詰めに解く勉強をする前に、読む力が不足していること多いのです。
読む力をつける勉強は、まず全体を読むことです。
そして、自分がわかるところだけを理解していきます。
そのようにして、1冊の問題集を読み終えたら、そのあと、また最初のページからその問題集を読みます。
こうして、1冊の問題集を5回以上繰り返し読みます。
読むときに、自分のよく理解できたところに傍線を引いておくと、繰り返し読むときに参考になります。
どうしてもわからないところは、先生に聞いてもいいかもしれませんが、そういうことはあまりありません。
読む力がないうちは、わからないというところ自体がよくわからないからです。
しかし、何度も繰り返し読んでいるうちに、わかるところが次第に増えてきます。
わかるところが増えてくると、わからないところもはっきりしてきます。
そのわからないところは、辞書を引いて調べたり、先生に聞いたりすればいいのです。
読む力のある人は、みんな、そのような勉強の仕方をしています。
先生に教えてもらうのではなく、自分で何度も読んでいるうちに、わかるところが次第に増えてくるという読み方をしているのです。
世の中のほとんどの勉強は、同じような仕組みになっています。
教えてもらって理解するという方法も確かにあります。
しかし、それ以前に、まずその勉強を繰り返すことが大事なのです。
言葉の森の国語読解の勉強法は、第一は問題集読書です。第二は読解検定の解説です。
成績がなかなか上がらない人は、この二つのうちの問題集読書が不足していることが多いのです。
問題集読書は、家で毎日やることが大事です。
授業のある日だけ読んでも力はつきません。
そこで、今考えているのは自習室の活用です。
自習室に先生が待機していて、生徒が入室し勉強し退室するところまでを記録します。
また、何の教材を何ページから何ページまでやったかを記録します。
その記録を毎回保護者にメールで連絡します。
この自習室は、もちろん無料です。
本当は、保護者が毎日、子供の勉強をチェックできればいいのですが、今は保護者も忙しいので、毎日のチェックはなかなかできません。
だから、その勉強の経過だけをチェックしてくれるところがあればいいと思いました。
ただし、ここで注意していただきたいのは、時間を基準にして勉強をさせないことです。
小学生のころのように、まだ勉強の自覚がない年齢のときに、時間を基準にして勉強させると、子供は終わる時間を気にしてだらだら勉強をするようになります。
勉強は、ページ数を基準にしてさせていくことが大事です。
ただし、ページ数を基準にする場合は、子供が無理なくできるページにすることと、もし決めたページ数が早く終わったとしても決して追加をさせないことです。
早く終わったから追加をするという勉強のさせ方をしていると、この場合もすぐにだらだら勉強するようになります。
親の勉強のさせ方が大事なのです。
もうひとつは、確認テストの活用です。
これから使う新年度の問題集には、確認テストが付いています。
その確認テストを定期的に行い、生徒の定着度を見ていくようにします。
これまでも、担当の先生は、生徒の学習記録をもとに問題チェックをしていましたから、生徒の定着度はわかっていますが、それを保護者にも共有できるように数値化していくということです。
勉強ができない人の共通点ということで、ひろゆきさんが、同じような内容の記事を書いていました。
「勉強ができない人」のたった1つの特徴
https://news.yahoo.co.jp/articles/f4c5898af6a21b75d25ea7f0b254545428684647
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● 言葉の森新聞2022年12月2週号 (12324字) 言葉の森事務局 jun 2022年12月08日 16時06分
14337 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2022年12月2週号 通算第1734号
文責 中根克明(森川林)
■■冬休み中の授業と冬期講習のお知らせ
■冬休み中の授業について
1.言葉の森の授業は、カレンダーのとおりです。
https://www.mori7.com/mine/mine_koiwa.php
2.「休」や「宿題」となっているところは、授業がありません。
具体的には、12/29 12/30 12/31 1/1 1/2は、授業がありません。
3.授業のある日に、欠席される場合は、早めにご連絡ください。
ホームページの「よく使うリンク」の「1.欠席連絡」のところから連絡ができます。
https://www.mori7.com/kennsaku/
4.年末年始は、講師の都合で休講になる場合があります。
(1)作文個別の生徒で、講師が休講になり代講の講師が決まらない場合は、前日の19時までに個別れんらく板からご連絡します。
(2)オンラインクラスの生徒で、講師が休講になる場合は、オンラインクラス一覧表に休講が表示されます。
5.講師の休講、又は、生徒の欠席で授業ができなかった分は、振替で授業を受けてください。
振替のできる日程の範囲は、授業を受けなかった日の前後1か月です。(例えば、1月に授業を受けられなかった場合、12月~2月の範囲で振替ができます。)
(1)作文個別の生徒は、電話で振替の授業を受けてください。
(2)オンラインクラスの生徒は、オンラインクラス一覧表で振替のクラスを選択してください。
(冬期講習のクラスには、振替はできません。ただし休講の分の振替に限り、冬期講習のクラスでも振替ができます。)
■冬期講習について
1.冬期講習の期間は、12月24日(土)~1月9日(月)です。
受講できる講座は、オンラインクラス一覧表の12/24以降に表示されています。
2.冬期講習の受講の仕方は、下記の動画を参考にしてください。
https://youtu.be/2ofU707eQko
3.冬期講習は次のように行います。
・冬期講習に参加する場合の受講料は、1回1,650円です。
・欠席※1 の振替で冬期講習に参加することはできません。
・休講※2 の振替で冬期講習に参加することはできます。
・欠席の振替は、これまでと同じように、(冬期講習ではなく)通年講習で振替をしてください。
・新しい講座に初めて参加する人は、初参加説明会に参加してください。
・教材は、今使っているものを使うか、それがない場合は教材注文フォームから注文してください。
https://www.mori7.com/teraon/jgkyouzai.php
※1 欠席=生徒都合により授業を欠席する場合
※2 休講=講師都合により授業ができない場合
■■保護者からの質問要望にその場で答えるオンラインサロン――12月11日(日)8:30から
毎月第4週目の保護者懇談会で、いろいろな質問や要望が出ています。
担当クラスの講師では、十分に答えられないことが多いので、代表の中根が直接お答えし、その場で対応できるものはすぐに改善します。
日程は、
12月11日(日)8:30~
会場は「中庭」です(生徒関係リンクの11番にあります)。
https://zoom.us/j/156334327
質問や要望の内容は、質問感想掲示板に入れておいてください。
当日、その場で話してくださっても結構です。
https://www.mori7.com/ope/index.php?k=123
言葉の森が行っていることは、実は、日本で初めてのことが多いです。
作文教育についても、40年前に、言葉の森が日本で最初に始めました。
私は、作文教育に関する古今東西の本を200冊以上読んで、自分なりに理論を組み立てました。
言葉の森が作文教育を始めたややあとに、宮川俊彦さんの国語作文教室というものが出てきました。
私は、同じようなことをしている人がいるのだと知って話を聞きたいと思い、宮川さんに直接電話をしたことがあります。
しかし、そのときは、「自分はボランティアとしてやっている」というようなことを言われ、作文教育の中身に関して話すことはほとんどありませんでした。
そのかなりあと、齋藤孝さんの作文教育に関する本が出ました。
私は参考になるかもしれないと思い読んでみましたが、自分が既に考えたこと以上のことは何も書かれていなかったので、日本の作文教育のレベルは、かなり低いのだということがわかっただけでした。
その後、私は、作文教育を発展させるために、森リンという自動採点ソフトを作りました。
作文の自動採点ソフトの開発というのも、言葉の森が日本初です。
今でも、こういう実際に使われているソフトはほかにはありません。
私は、この森リンをAI森リンに発展させる方法を考えましたが、時間がないのでまだ作っていません。
しかし、簡単な方法なので、そのうち誰かが作れると思います。
言葉の森の作文教育は、初めてのことばかりだったので、作文指導の仕方も、最初のうちは改良につぐ改良で、毎月のように教材や指導法を変えました。
それで、やっとやり方が完成したのです。
今でも、言葉の森の作文教育は、「まともにやれば」誰でも上達するということで、日本で最も優れた作文指導になっていると思います。
その証拠は、日々更新されている「入選の滝」やこれまでの「合格実績」にあります。
他の作文講座などで、こういう成果を上げているところはほかにはないと思います。
なお、「まともにやれば」ということは、毎日の読書と、毎日の2、3分の長文音読と、毎週の事前の準備としての親子の対話を行うということです。
オンライン教育についても、言葉の森が今行っているオンライン4人クラスは、日本で初めてです。
だから、2020年の突然のコロナ休校に対しても、他の教育機関が授業を単に動画で流すようなやり方で取り組んだのに対して、言葉の森はオンラインの少人数クラスで双方向の授業をする形の対応ができました。
今でも、言葉の森のようなオンラインの超少人数教育を行っているところは、ほかにはありません。
国語読解クラスの教育も、言葉の森のようなやり方はどこでもやっていません。
国語教室と銘打っているところはあると思いますが、言葉の森のように実際に国語力をつける指導法を行っているところはないと思います。
国語読解クラスの生徒で国語の成績がまだ上がらない場合は、毎日の読書と、問題集読書と、毎週の読解検定の解説という簡単なことをを言われたとおりにやっていないか、又は国語読解クラスを始めてまだ期間が短いかのどちらかです。
読解検定の解説の仕方は、次の本を読めばわかります。
「小学生のための読解・作文力がしっかり身につく本」
(「小学生のための」と書いてありますが、保護者や大学入試の高校生も対象です。)
国語読解の学習は、やれば誰でも力がつくので、今度、冬期講習で行う予定です。
総合学力クラスの運営方法も、日本初です。
読書の習慣と発表の力と親子の対話と勉強の楽しさを知るという運営方法で、幼長からの授業を行っているところは、ほかにはありません。
何よりも、「思考力、創造力、共感力を育てる」という教育の目標自体が、ほかにはないものです。
だから、という言い訳をするわけではありませんが、言葉の森の組織全体としてきちんとしたフォローが追いついていないことが多いのです。
その原因の第一は、新しい試みが次々にあるので、システム作りが追いついていないことです。
担当している講師は、他の学習塾などと比べると、とても優れたレベルの人が多いです。
それは、多くの保護者の方が日々感じていることだと思います。
しかし、その講師の指導の土台になるシステムが、代表の中根の多忙さのため十分にできていません。
中根の多忙の原因は、いつも新しいことをやろうとしていることです。
なぜ新しいことをやろうとしているかというと、私は、いつも日本と世界の未来を考えているからです。
これから、世界は激動期に入ると思います。
藤原直哉さんが話しているような世界情勢はほぼ全面的に納得できます。
「令和4年12月時事解説・時局分析」(1時間30分)
https://www.youtube.com/watch?v=--_a8mv4FEI
(1時間半の長い動画ですが、聴く価値は十分にあります。)
【追加】12/4 9:44
最近の短い動画がありました。(9分)
https://www.youtube.com/watch?v=nQ0vOq90Uys
こういう新しい時代に取り組むためには、新しい試みをしなければなりません。
しかし、その土台にあるのは、基本的なことだけです。
子育てで言えば、基本は、「よく遊び、よく学べ」です。
「よく遊ぶ」とは、自然と友達の中で遊ぶということです。
「よく学ぶ」とは、読書と対話と、毎日の短時間の勉強習慣の中で学ぶということです。
もうひとつ付け加えれば、いつも子供が笑顔でいるような生活を送ることです。
この原則さえ守っていれば、子供は自然に立派に成長します。
そのほかの小さいことは、どうでもいいことです。
できるだけ遠くの未来を見ていくことが大事です。
とは言っても、日々の足元のことはもちろん大事なので、保護者の方の質問に答えるオンラインサロンを開催することにしました。
なお、このオンラインサロンは、録画では残しません。
参加できない方は、また別の機会のオンラインサロンにご参加ください。
■■頭の悪い子が増えているという話――子供の頭をよくする方法
●動画:
https://youtu.be/LUHrQqQC5yw
「日本人の8割がTwitterの短文すら理解できない」というタイトルの記事が、PRESIDENT Onlineに載っていました。
しかし、それでも、日本人の理解力は、OECDの調査によると、世界でトップなのだそうです。
以前、アメリカのコカ・コーラ社のFacebookのコメント欄を見て不思議に思ったことがあります。
多数のコメントが、ほとんど叫び声のような文ばかりなのです。
たぶん、まともにコメントを書く人がほとんどいなかったのだと思います。
昔、SNSで使われている言語シェアの調査がありましたが、日本語はかなり上位でした。
日本語で投稿されている記事が多いということだと思いました。
しかし、最近は、そういう調査はないようです。
戦時中、日本と戦ったアメリカ軍は、日本兵の多くが手帳に日記を書いたり歌を書いたりしていたことに驚きました。
アメリカでは、文章を書く人は、ごく一部のエリートに限られていたからです。
江戸時代の庶民の楽しみのひとつは、手紙のやりとりでした。
当時、日本人の識字率は世界でも突出して高かったので、自然にそういう文章のやりとりによる文化が生まれたのです。
ところが、今、日本人の識字率はかえって低下しているように見えます。
新井紀子さんは、「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」で、子供たちの読解力が低下していること実証的に明らかにしました。
先日、小学校で算数を教えているという人の話を聞きましたが、繰り下がりのある引き算をいくら説明しても理解できない子がいるということでした。
私は、この話を聞いて、できないのは算数の計算の仕方ではなく、説明を読んで理解する力ではないためではないかと思いました。
大事なのは、文章を理解する力で、実はこれが頭のよさの本質なのです。
総合学力クラスに参加している小1や小2の子供たちを見ていると、読書紹介をするときに、読んでいる本の差がかなり大きいことがわかります。
絵がほとんどの本を読んでいる子と(読書は楽しみのために読むものですから、それはそれでいいのですが)、字の多い本を楽しく読んでいる子との違いでます。
また、文章の読み方にも、大きな差ががあります。
初めて見る文章をすらすら読める子もいれば、つっかえながら読む子もいます。
つっかえながら読む子は、読書の楽しさを知る以前の段階にいます。
この読書力は、読解力であり、更には頭のよさでもあるのです。
だから、頭のよさというものは生まれつきのものではなく、教育によって変わるものです。
その場合の教育とは、ドリルで勉強をするようなものではありません。
質のよい日本語を、耳と目からふんだんに吸収することが学力の基本になります。
しかし、この場合、CDやビデオのような、生身の人間を通さない音声のインプットは、かえって害があります。
生身の人間からではない音声は、感情を伴わない言語葉の理解になるからです。
理解力と共感力をともに育てるためには、人間による直接の話しかけが必要です。
子供の理解力と共感力を育てるための最も簡単な方法は対話です。
日常生活の中で、親が子供に、折に触れて面白い話を聞かせてあげることです。
そのためには、親自身が日常生活の中で、面白い話題を見つけることが必要になります。
そのためのいちばんの方法は、やはり親自身の読書です。
作文力は、学力の集大成です。
小学校高学年の作文でレベルの高い文章を書く子は、共通して、親から面白い話を取材してきます。
子供に、「○○というテーマで作文を書くけれど、お母さん、何か似た話ある?」と聞かれたとき、子供が面白がるような深い話をすぐに思いつけるということが大事です。
「そんなの自分で考えなさい」とか、「ネットで調べてみなさい」というのでは、子供は賢くなりません。
学力は、勉強によって育てるものではなく、豊富な日本語によって育てるものなのです。
▽PRESIDENT Onlineの記事
「日本人の8割がTwitterの短文すら理解できない?」…急増する"バカ"の正体」
https://president.jp/articles/-/63846?page=3
■■ゼロサムゲームの時代から創造のゲームの時代へ
●動画:
https://youtu.be/0af3YQG7MFc
昔、お年玉付きの年賀状というのは、みんなはわずらわしく思っているだろうからと思って、お年玉付きでない年賀状を出していたことがあります。
すると、身近な人から、「そんなことを思っている人はほとんどいないから、お年玉付きで出したほうがいい」と言われました。
そんなものかなあと思って、それからは、お年玉付きで年賀状を出すことにしました。(素直。)
小学生のころ読んだ本で、「昔、お金の鋳造というものが貴重だったころ、田んぼにお金を落とした人が、人を雇ってそのお金を探させた」という話を読んで、なるほどと思ったことがあります。
落としたお金の金額より、人を雇った金額の方がずっと大きいのです。
しかし、人を雇えば、そのときに使ったお金は、働く人に渡ります。だから、無駄でも何でもありません。
落としたお金を見つけなかったら、それはその分だけ世の中の富がマイナスになります。
よく、物を値切る人がいますが、値切って得した分は、値切られて損をした分と同じだから、世の中は何も豊かになっていません。
だから、そういう損得は、どうでもいいことです。
宝くじも同じです。得した少数の人は、その分、小さく損をした多数の人と損得が相殺されているので、世の中は何も豊かになっていません。
入試についても同じです。
合格した人の分、不合格になった人がいるのですから、その合否は世の中の進歩とは無関係です。
合否のために努力することは貴重ですが、その過程が貴重なのであって、合否の結果は世の中全体を考えればどうでもいいことなのです。
高校3年生のとき、大学入試の合格を担任の先生に報告しに行き、そういう自分の気持ちをふと伝えたら、担任の先生に怒られました。
そのとき、そういうことは、あまり一般的な考え方でないのだと知って、やや意外に思いました。
では、何がいちばん価値があるかというと、自分も得をして、他人も得をして、世の中全体が得をするものです。
すべての人が得するもの、それは創造なのです。
これまでの世の中にないものを作り出せば、それは自分も、他人も、世の中全体もよくなります。
競争ではなく、創造。これからは、そういう時代になっていくと思います。
話は変わりますが、私が、競争よりも創造という考えを持つようになったのは、自分の性格も影響していると思います。
私は、何か他人と対立するようなことがあったら、大体自分の方を譲ります。
意識はしていませんが、自分が損をしても他人が得をすれば、世の中全体は変わらないと気持ちがあるからだと思います。
しかし、また話は変わりますが、最近のマスクとか、ワクチンとか、消毒とかいうことについては、他人から言われても自分の思ったとおりにやっています。
つまり、マスクもしないし、ワクチンも打たないし、消毒もしません。
人間は、すべてのことについて、自分の自由な考えで行動することが大事で、それが世の中をよくすることにつながると思うからです。
(マスク、ワクチン、消毒については、科学的にも害があることがわかっているということもあります。そのことについては、In deppさんの記事を参考にするといいと思います。)
■■受験作文の取り組み方
●動画:
https://youtu.be/XvOfBbukZHU
言葉の森の受験作文についての資料を末尾に載せます。
受験作文に取り組まれている保護者の方には既に郵送でお送りしていますが、まだご覧になっていない方は、ぜひ目を通しておいてください。
その中の記事を一部を紹介します。
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■作文試験合格のコツは、字数ぴったりに書く力 3194
言葉の森では、構成を重視した書き方の作文指導をしています。
小学校高学年から中学生高校生まで、すべて同じ大きな四段落の構成でいろいろな形の書き方を学びます。
なぜ四段落かというと、四段落は三段落に縮めることもできるし、段落の中を分けて更に多い段落にすることもできるので、短い字数にも長い字数にも対応しやすいからです。
四段落の内訳は、書き出しの説明又は意見、展開1、展開2、まとめの意見という形です。
展開の部分には、実例、理由、意見、方法、原因、対策などが入ります。
この四段落のそれぞれの段落を同じぐらいの字数で書くと、文章全体の印象が安定したものに見えてきます。
複数の実例を書く場合でも、第一の実例と第二の実例が同じぐらいの長さで書かれていると、全体の構造が理解しやすくなるのです。
この段落ごとに同じぐらいの字数でまとめるというのは、ある程度の文章力がないとできません。
文章力の第一の条件は、字数をコントロールする力でもあるとも言えます。
書く力のある生徒は、800字の作文課題と言うと800字ぴったりに収める書き方をします。
原稿用紙の最後の行の最後のマス目に、句点がくるような書き方をすることができるのです。
作文の採点評価には、内容の評価以前に外見の印象評価が大きく影響します。
字数がぴったりにまとまっていて、それぞれの段落が同じぐらいの長さできちんと書いてある文章を見ると、内容を読む前から印象点が大きく上がります。
場合によっては、それで合否がほぼ決まってしまうこともあるのです。
しかし、もちろんこれは、作文試験に対しての作文ということで、作文の勉強全体について字数の力というのは枝葉の話です。
作文で最も大事なことは、創造性のある文章を書くということだからです。
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■作文試験の印象点を左右する漢字力――文字の上手下手は無関係(1) 3198
作文試験では、手書きの作文を人間が読んで評価をしていますから、印象点がかなり大きな差になります。
近い将来、作文試験は手書きOCRまたはキーボード入力でテキスト化される形で行われるようになり、それを人工知能が採点し、その人工知能の採点で上位に入ったものを人間が読んで評価するというやり方になると思います。
この方法は、既に言葉の森が作文検定試験で何年も前にやっていたことですから、やる気さえあれば明日からでも実施できるぐらいのものです。
ところが教育の世界は保守的なところがありますから、まだしばらくは手書きの作文を人間が読んで評価するという形が続くと思います。
さて、そのときに作文小論文の評価の重要な要素となるものが、字数と漢字力なのです。
それは、読む人の印象点を左右するものだからです。
この印象点というのが、人間の採点と機械の採点との最も大きな違いです。
その漢字力とはどういうものかというと、第一は難しい語彙や難しい漢字を書けるという力です。
第二は、間違った字を書かないこと、つまり誤字がないという漢字力です。
例えば、中学入試の作文で、その文章の中に普通の小学生ではあまり知らないような語彙が漢字で正しく書けているとそれだけで印象点が上がります。
また逆に、普通は間違えないと思われる漢字が間違って書かれていると、それだけで印象点は大幅に下がります。
だから、現在の作文試験では、この漢字力をつけておくことが合格の第一の条件になります。
では、文字の上手下手は、印象点に影響するかというと、そういうことはほとんどありません。
漢字の間違いがあると、その生徒はあまり文章を書いたことがないし、学校の勉強をきちんとしていないだろうという予測が成り立ちます。
しかし、字が下手であるというのは、その生徒の学力の予測にはなりません。
これまで見てきた生徒の学力と字の上手さの関係について考えると、字の上手下手と学力とは全く相関がないと言えると思います。
逆に、字の下手な子は、ユニークな考えをする、どちらかというと学力の伸びしろのある子に多いという印象さえあります。
それはなぜかと言うと、字の下手な子は、幼児のころに知的な関心が高く見よう見まねで文字を書き、その自己流の書き方が定着してしまったとも考えられるからです。
つまり、簡単に言えば、知的好奇心が高く頭のいい子は、字が下手になりがちだということなのです。
字の上手な子は、その子が文字に関心を持ち始める時期と同時に、字の練習をする機会があったということになると思います。
だから、文字の練習は小学1年生になってから一律に行うのではなく、子供それぞれの成長に合わせて文字に関心を持つようになった時期と同時に始めるのが最もよいやり方だと思います。
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■字を上手に書くコツ――作文試験の印象点を左右する漢字力(2) 3199
字が下手なのは直らないというのが基本的な考え方ですが、本当は他の人の目に触れることによって少しずつ読みやすい字になっていきます。
また、練習方法によっては、ごく短期間に上手な字を書けるようになることもあります。
その方法は、手本となる字を、超スローモーでいいのでその手本のとおりに書き写すという方法です。
このやり方で1時間も練習すると、自分の書く字が見違えるほどを上手になってきます。
わずか1時間でと思うかもしれませんが、これは本当です。
コツは、よく見てゆっくり書き写すことです。カタツムリの動くスピードよりもずっと遅いぐらいの速さで書いていきます。
子供たちで、漫画の好きな子がよくキャラクターをそっくりに描き写すことをしますが、ちょうどそのような感じです。
私も、学生時代、この方法で字が一時期とても上手になったことがあります。自分でも驚いたぐらいです(笑)。
しかし、普段の字を書く生活は、それほどゆっくりやることはできないので、日常生活の中で文字を書いているうちに、またすぐもとの自分の字の癖に戻ってしまいます。
江戸時代の寺子屋における文字の練習は、手本となる文字を半紙が真っ黒になるまで書き写すという方法でした。
これは、字を覚えるというよりも、上手な字の書き方を手に覚えさせるという方法だったと思います。
子供時代のまだ字を書く量が少ない時期に、このように繰り返し手に覚えさせる練習をしていたのです。
漢字の書き方についても、形や意味から覚えるという方法がありますが、私は手に書き方を覚えさせるという方法が、誰にも単純にできるよりよいやり方ではないかと思っています。
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■作文力は文章力ではなく準備力 3262
「材料七分に腕三分」という言葉がありますが、作文の場合は、「準備七分に腕三分」です。
これは、作文だけでなく、スピーチや対話や仕事にも共通することだと思います。
受験に合格する作文を書く力も同じです。
作文力は、上達するのにかなり時間がかかるので、実力で合格作文を書くレベルまで行くには最初からある程度文章力があることが必要になります。
そこまでの実力がまだない人はどうしたらいいかというと、それが準備なのです。
毎回の作文で、テーマに合わせて、自分で考えたり、調べたり、お父さんやお母さんに取材したりするのが準備です。
準備をすれば、材料が豊富になります。
その材料を組み合わせて作文を書くので、長くも書けるし、読み応えのある作文も書けるようになるのです。
そういう練習を行っていると、作文の試験のときにも使える材料が蓄積されていきます。
蓄積される材料の中には、実例だけでなく、表現や主題も含まれます。
それらの実例や表現や主題は、そのテーマのときだけに使えるのではなく、ある程度応用範囲があります。
受験作文コースでは、過去問に沿った課題で勉強しますが、過去問とそっくり同じ課題でやる必要はありません。
例えば、ロボットの話がよく出る学校でも、科学技術一般の課題で材料を増やしていけばいいですし、音楽の話が出る学校でも、藝術一般の課題で材料を増やしていけばいいですし、歯科の話に絞られた学校でも、医療一般の課題で材料を増やしていけばいいのです。
材料を豊富に持っている子は、受験作文のときも、課題に合わせた材料を自分の過去の蓄積の中からすぐに取り出せます。
これが、合格する作文を書くコツです。
この受験作文の準備と同じことを、小学校低学年からやっていくといいのです。
小学校低学年の生徒には、実行課題集という教材があります。小学3年生から6年生までは題名課題と感想文課題に合わせた予習シートがあります。
これらをもとに、子供が親に聞くだけでなく、親が子供によりよい材料を見つける機会を作ってあげるのです。
この親子の関わりは、確かに親にとって負担になる面があります。
しかし、その負担を楽しむつもりでやっていくといいのです。
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■■「19×19までの暗算をどう身につけるか」という記事を読んで
●動画:
https://youtu.be/yVeKWhgfVt0
受験の算数で計算の問題が単純に出ることはほとんどありませんが、応用問題の一部として計算が必要になる場面はかなりあります。
特に、公立中高一貫校の入試問題は、理科や社会の問題についても、ややこしい計算をさせる問題が出てきます。
教科書に準拠した問題を出すという制約があるので、計算力や問題を解くスピードで差をつけようとしているのです。
将来の入試は、電卓持ち込み可、辞書持ち込み可のようなものになると思います。
というよりも、今のような入試はやがてなくなると思います。
しかし、とりあえず、今の小学生は、そういう計算力や漢字力のようなものも強化しておく必要があります。
計算力を上げる方法のひとつは、百ます計算のように単純な計算練習を毎回時間を測りながら行うことです。
時間を計測して上達していることがわかると、やる気が出てくるので長く続けられます。
しかし、毎回の勉強は長くやりすぎないことが大事です。
「もっとやりたい」と思うところで止めておく方がいいのです。
もうひとつは、インド式算数のように、基本的な計算は暗記してしまうことです。
言葉の森の計算表は、11×11から19×19までを九九のように暗唱して覚えてしまう練習の表です。
例えば、19×19は「いくいく さろい」です。
幼長から小学2年生のころまでは暗唱力があるので、こういう表もすぐに頭に入れてしまいます。
九九の記憶のように、いったん頭に入ったものは、いつでも使えるようになります。
だから、幼長から小2にかけては、暗唱、漢字表、計算表に力をいれていくといいのです。
暗唱するコツは、いちばん最初はゆっくり正確にやり、慣れてきたら早口でやることです。
最初に間違った読み方をすると直らなくなります。
そして、確実に暗唱できるようになるまでは、うろ覚えで思い出そうとしないことです。
思い出そうとすると、思い出す癖も一緒に暗唱の中に入ってしまうようになります。
また、できるだけ同じ教材で同じ順番どおりにやることです。教材を変えたり、順序を変えたりすると、暗唱が定着しなくなります。
総合学力クラスの教材です。
「暗唱文集」
https://www.mori7.com/mine/as5.php
「漢字表」
https://www.mori7.com/mori/kgkannji.php
「計算表」
https://www.mori7.com/mori/kgkeisann.php
ところで、「DIAMOND Online」に次のような記事がありました。
「受験生は19×19までの暗算をマスターして「心理的優位」を身につけよう」
https://diamond.jp/articles/-/313567
こういう工夫をして暗算をマスターする方法もありますが、私は、単純なことは単純に頭に入れてしまえばいいと思っています。
単純なことを頭に入れたあと、考える勉強は作文と親子の対話で行います。
考える勉強のもとになるものは、読書と、国語の問題文の難読と、算数数学の考える問題と、理科社会の知識と、自分から進んで行う体験です。
それらの勉強を行う環境で大事なことは、できるだけ友達と一緒に明るく楽しくやることです。
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● 言葉の森新聞2022年12月1週号 通算第1733号 (10565字) 言葉の森事務局 jun 2022年12月01日 09時50分
14313 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2022年12月1週号 通算第1733号
文責 中根克明(森川林)
■■【重要】12月1週は次学期の進度の参考試験(作文)
12.1週は、これまでの2ヶ月間の勉強の実力を見て、次の学期からの進度の参考にする実力試験として行います。
ただし、今学期から受講を開始された方は、実力試験の結果にかかわらず原則として自動進級します。
【課題】 課題はその週の作文又は感想文の課題です。
【評価】 課題フォルダの構成・題材・表現・主題の★印と字数が全部できていることが評価の基準になります。(表現の項目などで二つ以上の項目が指定されている場合はどちらかができていればその項目は◎です)。
キーワードと字数が採点の基準ですので、指定された字数以上で必要な項目が全部入る作文を書いてください。項目を入れたところには、項目マークを必ず書いておいてください。
【時間】 時間制限はありませんが、参考のためにかかった時間を作文用紙に記録しておいてください。時間は、課題を見てから書き終えるまでの時間です。
【締切】 作文実力試験の提出締切は、8日ポスト投函までです。(郵便に時間がかかるためオンラインでの提出をおすすめします。)
■■暗唱の意義――暗唱は創造性を育てる
●動画:
https://youtu.be/EXKDWNIchX0
暗唱をすると、言葉と言葉の関係の繋がり方が強くなります。
ちょうど、よく知られていることわざや名言のように、ある言葉と他の言葉が結びつくようになります。
言葉は、その言葉だけであれば、現実との関連を持つだけです。
例えば、「犬」という言葉は、実在の犬と結びついています。
しかし、「犬も歩けば棒に当たる」ということわざを知っている人には、「犬という言葉が、「棒」という概念が弱く結びつくようになります。
同じように、「雀そこのけそこのけお馬が通る」という俳句を知っている人には、「雀」という言葉が、「馬」という概念と弱く結びつくようになります。
ある言葉が、その言葉と直接の関係のない他の言葉と結びつくということは、言葉の持つ概念の手足が増えるということです。
言葉の持つ概念の手足が増えるということは、その言葉が近い概念と結びつく手足だけでなく、遠い概念と結びつく手足も持つということです。
言葉が狭い概念と結びつくだけでなく、広い概念と結びつくことによって、たとえやダジャレのような表現の工夫が生まれます。
しかし、これは単なる表現の工夫だけではなく、ものごとの認識の仕方の広がりも生み出します。
この認識の広がりが創造性です。
よく「創造性を育てる」ということが言われますが、創造性を育てる具体的な方法については、ほとんど述べられていません。
創造性を育てる方法は、次のようなものです。
第一は、暗唱力をつけることによって、言葉の持つ概念の広がりを作ることです。
第二は、難読によって、創造的なものの考え方を身につけることです。
第三は、作文の構成、題材、表現、主題の項目によって、方向性を持ったものの見方の練習をすることです。
第四は、創造発表の学習によって、個性と創造性を発揮する学習習慣を身につけることです。
作文学習の持つ創造性とは、次のようなことです。
構成で、例えば、「複数の理由」という項目に合わせて作文を書こうとすると、自然に新しい理由を考えるようになります。
題材で、例えば、「昔話の実例」という項目を書こうとすると、自然に昔話のような実例の持つ新しい側面を見つけることができます。
表現で、例えば、たとえや自作名言を書こうとすると、自然に新しい表現を作ることができます。
主題で、例えば、「総合化の主題」という項目に合わせて意見を書こうとすると、自然に新しい考え方ができるようになります。
これらの創造性を発揮する土台となるものが、豊富な知識と幅広い語彙の概念です。
幅広い語彙の概念とは、言い換えれば多様な手足を持つ語彙の力を身につけているということです。
暗唱教育は、かつての日本の伝統でした。
四書五経の素読などを、日本の子供たちはずっと行ってきました。
しかし、戦後、GHQの改革によって、暗唱教育は行われなくなりました。
だから、今の親の世代、更には、祖父母の世代も、暗唱の効果を知りません。
暗唱を、単に記憶力を育てる学習としてではなく、創造性を育てる学習の土台として考えることが大切です。
■■面白いことは、行動の中にある
●動画:
https://youtu.be/2CKABrlX88Q
面白いことは、TwitterやFacebookやYouTubeやニュースの中にはありません。
ただ、自分の行動の中にあるのです。
ときどき、保護者の方から、「子供が暇さえあればYouTubeを見ている」という相談を受けることがあります。
一昔前は、「暇さえあればテレビ」とか、「暇さえあればゲーム」でしたが、今はYouTubeを見る子が多いようです。
これは、大人も同じです。
スマホ中毒ということが言われることがありますが、暇さえあればスマホを見てしまうのです。
暇さえあれば、画像や動画を見るとか、短い文章を見るだけというのは、積もり積もれば時間の無駄でしかありません。
では、なぜそうなるかというと、本当の面白さは、見る中にはないということを知らないからです。
見る面白さは、それはそれでいいのですが、本当に面白いのは行動と創造の中にあります。
しかし、ほとんどの子供にとって行動と創造の時間は限られています。
勉強は、ほとんどが面白くないものです。
それは、与えられたものを消化するだけの時間ですから、創造的な子ほど勉強に熱中しません。
それを無理に机に縛り付けるような勉強のさせかたをすると、子供は密度の薄い勉強の仕方をするようになります。
密度の薄い勉強の仕方とは、できる問題を何問の解くような、考えずに手だけ動かすような勉強です。
それは、YouTubeを見るよりも密度の薄い時間です。
では、どうしたらいいかというと、いちばん取り組みやすい方法は、暇なときに本を読むことです。
その読み方に、コツがあります。
1冊の本を最初から最後まで読もうとすると、本を手に取ること自体が億劫になります。
「暇があったら本でも読もう」という気になれません。
そこで、小さい付箋を貼るのです。
そして、1冊だけでなく、何冊もの本を並行して読むようにします。
暇になったら、そのとき気になった本を、付箋を貼ってあるところから読み、飽きたら次の付箋の本に移ります。
こういうふうに読んでいくと、時間がすぐたちます。
これは、YouTubeを見続けるよりも、ずっと中身のある時間になるのです。
▽「付箋読書の仕方」
https://www.mori7.com/as/1367.html
■■水をやらなければ木は枯れる、手入れをしなければ山は荒れる
●動画:
https://youtu.be/ihtIuAyPz3M
子供は自然に成長していきます。
それは、動物や植物が自然に成長していくのと同じです。
しかし、人間らしい成長をするためには、毎日の水やりが必要です。
その水やりが、躾と愛情です。
日本のサッカーのサポーターが、自分たちの座席の後片付けをしたことで世界から称賛されています。
なぜ、日本人だけがそういうことが自然にできるかというと、子供のころから身の回りをきれいにするという文化の水やりの中で育ったからです。
日本の里山も、日々の手入れの中で維持されてきました。
ほったらかしでは、荒れ果てた山になります。
もちろん、荒れ果てた山でも、自然のままに維持されていくことはできます。
しかし、その自然は、人間とは共存できない自然です。
現在のお母さんは、仕事をしてくたびれて家に帰ってきて、やっと子供と一緒にわずかの時間を過ごします。
だから、手を抜くのは仕方がないというのではありません。
子供の小さいころの時間は、二度と帰ってきません。
この時期に、親はがんばって、子供への日々の水やりを続けねばならないのです。
■■STEM教育から創造発表教育へ――創造発表クラスを新たに開設
●動画:
https://youtu.be/_yE86s9HfTU
日本の受験教育の中ではまだあまり話題になっていませんが、世界の教育の潮流は、個性と創造性を生かす方向に進んでいます。
そのひとつの流れがSTEM教育です。(Science、Technology、Engineering、Mathematics。)
言葉の森は、このSTEM教育が話題になる前から、同じようなことを目指す教育を行ってきました。
それが創造発表クラスの教育です。
創造発表クラスは、科学・技術・工学・数学に限らず、人文科学的なことにも、社会科学的なことにも、又は勉強以外の遊びにも範囲を広げた創造的な発表を目的としています。
しかし、自由な創造発表ということで、学習や研究の方向が絞りにくい面もあったので、今後、創造発表のカリキュラムを作ることを目指していこうと思います。
一昔前に比べて、理科実験や自由研究や遊び方に関する情報は、かなり多くなってきました。
小学生新聞の記事などにも、「こんなことを家庭でやってみよう」という実験の話題が増えてきました。
しかし、ほとんどの場合、それらの記事や情報は、読み物として読まれているだけで、実際にやってみる人は少ないと思います。
その理由は、子供がやりたいと思っても、そのための材料の準備などで親の関わる面が大きいからです。
今のSTEM教育と言われるもののほとんどは、一律のお仕着せの企画です。
学校での理科実験なども同じです。
数十人の子供にまとめて指導するために、一見面白くてやりやすい実験や工作に絞って授業が組み立てられています。
本当のSTEM教育は、個々の生徒が自分の興味に沿って取り組むものです。
しかし、それでは、大人数の一斉指導を前提としている学校教育では対応できません。
だから、今の学校の理科実験は、一斉にやりやすいものだけに絞って行われています。
誰でも経験があると思いますが、アサガオの葉っぱの一部をアルミニウム箔で覆い、ヨウ素液に浸してでんぷんができたかどうかを調べるという光合成の実験が、何十年も同じように行われています。
それが悪いというのではありませんが、一斉指導の理科実験では、そういうことしかできないのです。
子供たちが自分の興味や関心に従って実験や観察や工作や自由研究をするためには、家庭での取り組みと、それを発表する場としての少人数クラスの反転教育が必要です。
これが創造発表クラスの学習の意義です。
創造発表クラスでは、結果は二の次です。
子供が興味をもってやりたいと思うようなものは、大抵難しい取り組みになるものがほとんどです。
それでもやってみると、うまく行かないことがよくあります。
しかし、大事なのは、結果ではなくそれに取り組もうとした意欲と途中の過程です。
子供たちは、こういう取り組みを通して、科学や事実の面白さを実感していきます。
「日本のロケットの父」と言われる糸川英夫氏は、子供のころ、ベーゴマで相手に勝つために、両親が寝静まったことを見計らって、ベーゴマに溶かした鉛を盛り込み、最強のベーゴマを作りました。
こういう発想が、大きくなってから、戦闘機隼(はやぶさ)を改良したり、宇宙ロケットの前身となるペンシルロケットを作ったりする土台になったのです。
来年1月から、森川林の創造発表クラスが、土10:00にスタートします。
参加を希望される方は、体験学習においでください。
対象学年は、小1~中3です。
創造発表クラス全体の一覧表は下記のページをごらんください。
https://www.mori7.com/teraon/shlist.php?kjb=20221210&gs=&ks=&zs=%E5%89%B5%E9%80%A0%E7%99%BA%E8%A1%A8
■■意味ある競争は、社会を進歩させる競争
●動画:
https://youtu.be/pvd2LDJgesA
スポーツは、人間を熱狂させます。
野球でも、ゴルフでも、バスケットボールでも、また、ボクシングや格闘技のようなスポーツでもそうです。
それは、肉体が動くことによる競争なので、人間が自分の感情を移入しやすいからです。
しかし、その熱狂の結果、何が生まれるかというと、ほとんど何も大したものは生まれていません。
せいぜい、そのスポーツによって作られた経済の広い裾野のようなものだけです。
技術の競争は、そうではありません。
F1レースの競争や、スパコンの競争は、その競争の副産物として技術の進歩を生み出します。
こういう競争が、社会を進歩させる競争です。
これからの競争に必要なのは、創造の競争です。
創造はそれ自体面白いので、特に競争で煽る必要ありませんが、創造に取り組む厚い層を形成するために、創造に競争が加味される必要があります。
創造の競争に似ているのが、ノーベル賞のような科学技術の競争です。
しかし、これは、頂点が限られているので、ノーベル賞を目指す厚い層が形成されるということはありません。
競争の裾野を広げるためには、小学生の子供から参加でき、社会人になっても更に頂点が高くなる創造の賞を作ることです。
その賞が広がるかどうかは、単純に賞金の額にかかっています。
だから、これは国策として行う必要があります。
今ある競争の多くは、欧米のペースで作られた競争です。
日本発の新しい競争を作り、それを世界に発信していく必要があります。
それが、創造の賞です。
ノーベル賞を上回る質と量と多様性を持った、定期的な創造の祭典を日本から行っていくことが、競争を意味ある競争に発展させるひとつの道になると思います。
言葉の森の作文発表会や創造発表クラスも、このような見通しで行っています。
■■世の中で活躍するためには自信が大切――子供の自信をどう育てるか
●動画:
https://youtu.be/gl5alDckQgA
世の中で活躍した人の話を聞くと、母親が優しかったということが多い気がします。
父親は、いい場合も悪い場合もありますが、総じてあまり関係ないようです。
子供にとって、小さいころ、母親は世界のすべてです。
小学生になっても、母親は世界のかなりの部分を占めています。
その母親が優しい母親だったら、子供は世界に対して自信を持つのです。
しかし、今の母親は、子供を競争社会の落伍者にしないために、厳しい態度で子供に接することが多くなっています。
躾の原則が厳しいということは大切ですが、勉強に対して厳しくなると、注意の回数が自然に増えます。
そのように注意を受けて育った子は、小さいころは成績もよく、躾もよくできていて、いい子になるでしょう。
しかし、その子が、世界に対して自信を持つかどうかはわかりません。
その自信が出てくるのは、勉強生活が終わった社会人になってからです。
社会人になると、言われたことがきちんとできるかどうかは基本の基本であって、それ以上のものではありません。
社会人になって必要になるのは、言われたことをきちんとすることではなく、積極性や挑戦の意欲です。
その土台になるものが、自分に対する理由のない自信です。
お母さんは、いつも子供を褒めて育てることです。
子供が普通に成長していれば、叱って育てる場面はほとんどないはずです。
たまに大きく叱るのは、お父さんにやってもらえばいいのです。
■■日本の教育を根本的に改善するオンライン4人クラス――対面式教育とオンライン式教育を超えた新しいオンライン教育のプラットフォーム
●動画:
https://youtu.be/vmCwxnwgblU
現在の教育には、学力格差、不登校の増加、読解力の低下、創造力を伸ばさない教育など、数多くの問題があります。
オンライン4人クラスの教育であれば、これらの問題の多くは、コストをかけない形で改善されます。
逆に言えば、現在の教育問題のほとんどは、そして、解決策の多くが理屈倒れになっている原因は、教育が次のような前提で考えられているからです。
第一は、リアルな教室で行うことを前提にしていることです。
第二は、大人数で一斉に行うことを前提にしていることです(大人数とは10人以上)。
第三は、人間の関わりのない形で、能率のよい教育を目指そうとしていることです。
これらの考え方に対置させて、オンライン4人クラスは次のような方針で教育を行っています。
■オンラインであること
第一は、オンラインであることです。
現在のオンライン教育は、ZOOMなどのウェブ会議システムを使うことによって、リアルな対面教育以上に、参加者どうしのコミュニケーションが深められるようになっています。
言葉の森のサマーキャンプに参加する子も、その多くが、オンラインクラスで知り合った子供たちです。
オンライン教育のよいところは、ロングテールを生かせるということです。
逆に言えば、対面教育の悪いところは、ロングテールがないことです。
リアルな教室は、物理的に通学できる範囲が限られているので、同質の少人数クラスを作ることが難しいのです。
オンラインクラスであれば、日本中から、更には世界中から、同じ年齢、同じ学力、同じ興味関心を持った生徒が、少人数で集まることができます。
そういう同質の少人数だから、勉強もはかどり、雑談も話が弾むのです。
もちろん、言葉の森は、まだそのロングテールを十分に生かし切れていません。
それは、まだ言葉の森の規模が小さいからです。
しかし、理論的に可能なことは、時間の経過とともに実現します。
今は既に、特定の学年の生徒だけのオンライン4人クラスが、作文や他の教科で次々に作られています。
このクラス分けが進めば、将来は、進度別、興味関心別、相性別などのクラス編成が柔軟にできるようになります。
■超少人数であること
オンライン4人クラスの教育で、第二に大事なことは、4人という少人数のクラスだということです。超少人数と言ってもいいでしょう。
超少人数の基準は、4~5人です。せいぜい6人までです。
10人以上のクラスは、超少人数とは言えません。大人数の枠の中の普通の少人数です。
超少人数と大人数や少人数との違いは、全員に発表する時間と質問感想を述べる時間があるかどうかです。
学校の30人から40人のクラスで、生徒が発表する授業の場面を見ることがありますが、発表できるのはごく少数の子供だけです。
もし全員が発表するとしたら、1人1分というような時間的制約のある、形だけの発表しかできません。
しかも、そういう発表も、たぶん年に何回もできません。
オンライン4人クラスであれば、全員の発表と質問感想の時間を毎回確保することができます。しかも、それらの発表や質問感想と並行して、生徒一人ひとりの学習時間も確保できます。
実際に、言葉の森のオンライン4人クラスでは、どの教科も、授業の最初に全員の読書紹介があり、授業の最後には、一人一言の時間があります。
授業の間も、先生が話をするのではなく、生徒が説明をしたり話をしたりする形が中心になっています。
家庭での自主学習と結びついた反転学習の授業なので、このような形の運営ができるのです。
超少人数クラスで、主体的な参加者として授業に出席することが、子供たちの学習意欲のもとになります。
学習で最も大事なものは、よい教材でも、よい先生でもなく、生徒本人の意欲だからです。
■個人でも団体でもどこでもすぐに始められる
オンライン4人クラスは、パソコンの端末さえあれば、すぐに始められます。
今は、家庭から参加する生徒がほとんどですが、学童クラブから参加することも、学習塾から参加することも、学校から参加することも、いずれもすぐにできます。
オンライン4人クラスの教育を、リアルな集団指導の教室の中で行う場合は、一種のブレンデッド教育という形になります。
例えば、学年も進度も教科も異なる生徒が数人から数十人いるリアルな教室で、それぞれの生徒が個別の端末を使い、自分の学年と進度と教科に合ったオンラインクラスに参加します。
一人ひとりの生徒がヘッドセットを使えば、狭い教室の中でも、全員が個別のニーズに対応した自分だけの少人数クラスに参加することができます。
これを発展させれば、現在多くの学校で増えている日本語の不自由な外国人生徒の教育も能率のよい形で行うことができます。
例えば、ベトナム国籍の小学4年生で日本語の不自由さが同じぐらいの生徒が4人で集まれるオンラインクラスなどを、日本全国の学校を対象にしたブレンデッド教育で作ることができるということです。
■人間の関わりがあること
オンライン4人クラスの教育で、第三に重要なことは、少人数であることとも関連しますが、先生と生徒、生徒どうし、先生と保護者の個別のコミュニケーションがあり、人間的な関わりがあることです。
今の教育は、答えの決まった問題をいかに早く正確に解くかということで行われています。
先生の教えることは同じ、生徒の勉強することも同じ、親がその路線に沿って子供をがんばらせることも同じです。
こういう教育のもとでは、点数や偏差値が共通の話題になります。
勉強ができたかどうかだけが、先生と生徒と保護者の共通項で、それ以外の子供の個性のさまざまな面は、子供の個人的な問題となってしまいます。
しかし、4~5人という少人数で、生徒どうしや生徒と先生が話をすると、そこに必ず個性的な関わりが出てきます。
生徒も自分の個性を出し、先生も自分の個性で対応します。
それは、成績という共通項を離れた、人間の個人性に基づいた関わりになります。
言葉の森の作文教室で、これまで、小学1年生から高校3年生まで作文の勉強を続ける子が何人もいたのは、そこにこういう個性的な関わりがあったからです。
■真の個別対応
現在、教育のDX(デジタル・トランスフォーメーション)で、子供の学習について個別に対応する仕組みが作られています。
それぞれの子が、どこでつまずいているか、どのように学習が進んだかを個別に把握できる仕組みです。
これは、デジタル化のひとつの進歩なので、これからもっと活用されていく必要があります。
しかし、その個別対応は、学力の到達目標というひとつの枠に収まるための個別対応です。
これまでの教育で、人間が時間をかけて個別に対応していたものをデジタル化することによって能率よくしたものがDXの個別対応ですが、それは人間でなければできなかったものを取り除いた上での能率化です。
例えば、生徒が「今日はちょっとやる気が出ないんですけど」と個人的な相談した場合、AIは、アレクサ(アマゾンが開発したAI音声対応サービス)が答えるように、「その場合は、こんなことをするといいです」とパターン化した答えをすることはできるかもしれません。
しかし、その個別対応は、人間が阿吽(あうん)の呼吸で対応する個別対応とは本質的に異なります。
人間の個別の問題は、決められた枠のない問題ですから、人間の関わりの中でしか答えることができません。
もちろん、その個別対応は、誤解や間違いや未熟さを含んだ個別対応です。
だからこそ、その個別対応の中で、人間どうしは成長していくのです。
■大事なのは教育の理念
オンライン4人クラスの教育を行っているのは、今のところ言葉の森だけです。
いずれ、このオンライン4人クラスの教育プラットフォームを見て、大手の通信教育や学習塾が同じようなことをすると思います。
しかし、このプラットフォームのシステムよりも大事なことは、どういう教育をするかという理念です。
言葉の森の教育理念は、子供たちの思考力、創造力、共感力を育てることです。
他の通信教育や学習塾は、受験競争に勝つことが教育の目的です。
言葉の森は、思考力、創造力、共感力を育てる結果として、受験競争にも勝つということで勉強を進めています。
だから、言葉の森は、成績を上げるための無理な詰め込みはしません。
しかし、小学校高学年や中学生ぐらいになると、ほとんどの子はがんばって勉強するようになります。
普通に育っていれば、子供たちは中学3年生になるころには、自然に自分の意思でがんばるようになります。
大事なことは、知識の詰め込みを先取りすることではなく、子供たちの自然な成長を育てることです。
今は、人為的な環境が多いので、自然に育てることをまず意識的に行っていく必要があります。
自然に育てるということは、楽しく遊び、楽しく学ぶ環境を作るということです。
将来、現在のような受験競争を中心とした勉強はなくなります。
それに代わって登場するのは、子供たちの個性を伸ばし創造性を育てる教育です。
大人は、今の価値観で子供の教育を考えるのではなく、子供たちが成長する時代の価値観を想像して子供の教育を考えていく必要があります。
未来の子供たちは、すべての子が、それぞれ一国一城の主(あるじ)となるような形で成長します。
だから、今から、子供たちが、将来、ひとりの主となるように育てる教育をしていく必要がありますす。
それが、思考力、創造力、共感力を育てる教育なのです。
■オンラインクラスの詳細
言葉の森が行っているオンラインクラスの簡易一覧表は、こちらにあります。
https://www.mori7.com/mori/online_class.php?kid=all
無料体験学習は、こちらからお申し込みできます。
https://www.mori7.com/ftaikenn.php
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● 葉の森新聞2022年11月4週号 通算第1732号 (7797字) 言葉の森事務局 jun 2022年11月24日 10時40分
14292 (言葉の森オンライン新聞)
葉の森新聞2022年11月4週号 通算第1732号
文責 中根克明(森川林)
■■11月29日(火)・30日(水)は休み
11月29日(火)・30日(水)は、第5週のため通年クラスの授業はありません。振替授業もお休みです。
■■全国学力テスト2023年1月の申し込み受付中(11月30日締め切り)
全国学力テスト1月(育伸社)の申し込みを受け付けています。
オンラインの受検なので、自宅で参加することができます。
学力の客観的な位置をつかむことで、教科ごとの早めの対策を立てることができます。
試験科目は、
小1~小3は国語・算数、
小4~小6は国語・算数・理科・社会、
中1~中3は国語・数学・英語・理科・社会です。
詳しくは、お申込みページをごらんください。
●お申込みページ
https://www.mori7.net/gakute/#g
●対象
言葉の森の小1~中3の生徒
●生徒への問題配布
12月10日発送
●試験日
12.3週(12/15-12/21)(自宅で受検できます)
●言葉の森への答案締め切り
12月25日言葉の森に必着
●結果返却
1月24日発送
●料金
3,300円(受講料と合わせて自動振替させていただきます)
■■第4週は清書。幼稚園生は作文
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
清書をしたあと、時間に余裕のある場合は読解問題をしてください。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
■100-8051(住所はいりません毎日小学生新聞「さくひん」係(600字以内)
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■勉強する意欲は、友達との交流の中で生まれる――誰もが本を読むようになる読書紹介
●動画:
https://youtu.be/8oP_YlufzE4
子供たち、特に小中学生のころの子供たちは、友達との関係の中で生きています。
正確に言えば、小学4年生から中学2年生にかけては、友達関係が本人の行動に大きく影響します。
だから、逆に、いじめなどがあるのもこのころです。
小学2、3年生は、親子関係を中心とする大人との関係が子供の行動に影響するので、友達関係の影響もあまりないかわりに、友達による問題はあまりありません。
また、中学3年生以降は、親子や友達との関係よりも、自分自身の内面が基準になるので、誰もがそれなりに自分のペースで行動するようになります。
しかし、友達関係による影響が弱くなるとは言っても、子供の行動に大きな影響があるのは、やはり友達が何をしているかとか、何を考えているかということです。
この友達関係の影響をプラスに向けられるのが、オンライン4人クラスのような少人数のグループによる学習です。
35人学級のような大きな集団では、勉強の中での友達関係というのはまずできません。
誰もが孤立した状態で授業に参加しているからです。
大人数の学級で友達関係が生かせるのは、授業の間の休み時間や登下校のときだけです。
オンライン4人クラスで、友達関係が特にはっきり出るのが、毎週の読書紹介のときです。
それまで、ほとんど本を読まなかったような子が、毎週の読書紹介の中で、ほかの生徒の読書に触れて自然に本を手に取るようになります。
読書には、もともと読み手を引き付ける力があるので、本を読み始めた子は、すぐに読書の面白さに気づくようになります。
親や先生が、いくら本を読みなさいと言っても聞く耳を持たなかった子が、同じクラスの友達の読書紹介を聞いて、自然に本を読むようになるのです。
この逆の関係はありません。
本をよく読んでいた子が、同じクラスのほかの子たちがみんな本を読まない子なので、自分も本を読まなくなるということはないのです。
本を読むことが習慣になっている子には、他人の動向とは関係なくその習慣を自然に続けるからです。
読書紹介ではっきりと出る友達関係のプラス面は、実は勉強にも生きています。
友達と一緒に勉強していると、自然にがんばるようになるのです。
わかりやすい例は、総合学力クラスの暗唱練習のような場合です。
暗唱は、家庭でひとりでやっているだけでは、あまり張り合いがありません。
しかし、総合学力クラスで、月に1回の暗唱の授業があると、どの子も自然に暗唱のページが進むのです。
作文も、国語読解も、算数数学も、英語も、友達の学習状況が共有されるようになると、自然にみんなが勉強に前向きに取り組むようになります。
それは、競争で煽る勉強法ではなく、友達関係の中で自然に生まれる前向きな勉強姿勢なのです。
■■幼長や小1から、子供だけで参加できるオンライン少人数教育――総合学力クラスで読書力と基礎学力と発表力をつけよう
●動画:
https://youtu.be/LEUm2GikCP0
言葉の森は、幼長や小1の生徒が子供だけで参加できるオンライン教育を行っています。
アメリカなど、IT先進国と言われる国の教育でも、低学年のオンライン教育はほとんどありません。
世間一般のオンライン学習では、動画を流すような一斉指導型のものがほとんどなので、子供が飽きてしまうからです。
なぜ、言葉の森のオンライン教育が、子供だけで参加できるかというと、第一は4人以内の少人数のクラスだからです。
先生が、全員に対する目配りができるので、どの子も、自分が主体的に参加する意識で授業に臨むことができるのです。
第二は、子供たちの発表と、先生の個別指導を中心とした対話型の学習だからです。
小学校低中学年の勉強の中身は、ほとんど誰でもわかる簡単なものです。その勉強を、ノルマをこなすようなやり方で取り組んでも面白くはありません。
友達との交流の中で取り組むから、勉強する意欲が湧いてきます。
第三は、勉強の対象が、国語や算数という教科的なもの以外に、読書や暗唱や発表や作文という広がりを持ったものだからです。
また、読書紹介は、作文や国語のクラスだけでなく、算数数学や英語やプログラミングなどのいずれのクラスでも行っています。
世の中の多くの教育機関、学校や塾や通信教育では、点数化できるものが勉強の中心ですが、言葉の森は、点数化できないものが中心です。
だから、読書紹介や一人ひとりの発表や作文の練習に力を入れています。
そういう点数に表れない勉強をした子が、あとになって本当の学力がつくのです。
■■実力をつけるための勉強と勝つための勉強を区別して学ぶことが大切
●
https://youtu.be/ANuHf5lV9JI
中学生の生徒から、「塾で、学校の期末試験の過去問を教えてくれるので、それを友達からもらった」という話を聞きました。
今は、そういう対応をする塾がほとんどだと思います。
成績を上げるためには、過去問対策が最強だからです。
しかし、私は、中間テストや期末テストで、そういう過去問対策に乗った勉強はしない方がいいと考えています。
過去問に合わせた勉強をすると、能率はいいかもしれませんが、その能率は実力が伴わないものになるからです。
公立中の場合、中学生の試験の本番は、高校入試です。
高校入試は、勝つための試験ですから、ここでは過去問対策をするのが絶対に必要です。
しかし、中間テストや期末テストは、勝つための試験というよりも、自分の実力をつけるきっかけとするための試験ですから、過去問対策をするのではなく、全出題範囲を網羅的に勉強していくことが大事なのです。
今の世の中は、目先の勝ち負けに左右されやすい社会です。
それだからこそ、物事を考えるときは、勝ち負けの基準をできるだけ遠くにおいておくのがいいのです。
目先の勝ち負けにこだわると、大きな勝ち負けを見落としてしまいます。
キャノンの社長であった賀来龍三郎(かくりゅうざぶろう)さんの話を引用します。
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「私は父の仕事の関係で、中学校は戦前の中国の青島(チンタオ)中学に学んだ。数学と物理を教わったのが秋山先生という高等師範学校出身の教育熱心な先生だった。秋山先生いわく、『公式など覚えなくていい。それより十分理解することが大事で、理解していればいつでも自分で導きだせる。難しい公式を覚えて応用問題を解こうなどということは考えるな。ただし、中等教育ではレンズの焦点を測る公式と電圧の公式(電流と電圧と抵抗の関係式)だけは覚えておきなさい。それだけはいくら導きだそうと思ってもできないから』。私はクソ真面目な生徒であったので、その教えを忠実に守った。
その後、旧制五高の理科に進学したが、そのときまではその教えでよかった。しかし終戦後、大学に進学するために、いざ受験する段になって公式を覚えないという勉強方法がいかに不利かということを思い知らされた。東大の工学部を受験したのだが、公式を作りながら解いているうちに一問目で二時間のほとんどがすぎてしまい、受験に失敗したのである。
このため私は当時、『秋山先生はけしからん、あんなこと教えるからいけないんだ』と非常に恨んだ。やはり受験には暗記した公式を基にさっさと解いていく受験テクニックが必要なのだと思った。
ところが、実社会に出てみて、私は再び秋山先生の教えが正しかったことを身をもって感じるようになったのである。東大受験に失敗した後、戦後の混乱が続く中、小学校の代用教員や病気になったりしての回り道を経て、九州大学の経済を卒業して、一九五四(昭和二九)年キャノンに入社した。
キャノンに入社して、仕事の中で様々な問題にぶつかる。しかし、どれもこれも前もって決まった答えなどない。ただ時間は十分ある。テーマによっては一カ月でも半年でも一年でもじっくり考えることができる。そうすると、どんな難問でも解決できる。
多くの人は考えることが面倒くさくなり、『会社生活なんて面白くない』ということになるのだが、私は逆に入社早々から仕事が楽しくて仕方なくなってしまった。十分な時間の中で考えることで、答えは必ず見つけられる。これこそ創造的教育のおかげではないかと、秋山先生の教育方針を再評価したのである。」
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限られた時間の中で、要領よく勉強することは大切です。
しかし、要領のよさを考え過ぎると、逆に大きなものを見落とします。
大物を目指す人は、要領は最後の場面で考えればいいのです。
■■未来の国際対話クラスのビジョン
●動画:
https://youtu.be/JCxQp492LlU
「AI翻訳革命」の著者、隅田 英一郎さんは、次のように述べています。
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今の「自動翻訳の英語力は英語能力テスト『TOEIC』が900点の人と同レベル」で、「英検1級をパスする可能性もある」。
https://style.nikkei.com/article/DGXZQOKC207CP0Q2A021C2000000/
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ここで大事なことは、自動翻訳は、英語に限らずあらゆる言語に対応できるということです。
これから、日本人が外国語を学ぶとすれば、英語のほかに中国語も必要となります。
今でも、日本人の英語の学習は諸外国に比べて遅れているのに、これ以上中国語を学ぶ余地はほぼありません。
もうひとつの引用です。
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米国務省の外務職員局の調査によると、英語話者が外国語を取得するのに要する時間は、
・最も易しい言語群で600時間かかる(フランス語など)。
・より易しくない言語群では1.5倍の900時間かかる(インドネシア語など)。
・難しい言語群では2倍弱の1100時間かかる(ロシア語など)。
・最も難しい言語群では4倍弱の2200時間かかる(日本語など)。
https://news.yahoo.co.jp/articles/920a90624d80fcc44fbbcd8185fb7308a274dbe9
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こう考えると、これからは語学の学習は、AI翻訳に任せて、日本人はもっと別のところに学習時間を使う必要があります。
英語や中国語を学ぶ時間を別の時間にあてるとすれば、それは、英語圏の人や中国語圏の人と交流し対話することです。
そのためのツールとして使えるものは、今ならZOOMの「翻訳キャプション」になると思います。
対応する言語は、現時点で、次のとおりだそうです。
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翻訳可能な言語は、日本語(ベータ版)を含め、ウクライナ語、ロシア語、中国語(簡体字、ベータ版)、オランダ語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、韓国語(ベータ版)、ポル 今後、対応言語を2倍以上に増やしていく計画。さらに、対英語の翻訳だけでなく、フランス語からドイツ語への翻訳など、英語を介さない翻訳も可能にするという。
https://japan.cnet.com/article/35192463/?utm_source=newspicks&utm_medium=news_distribution&utm_campaign=newsfeed_distribution
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日本語がまだベータ版というところと、対英語の翻訳だけというところが気になりますが、これは今後改善されていくと思います。
いろいろな言語の人たちと交流する国際対話クラスをどのように運営するかというと、例えば、オンライン4人クラスに、日本人、中国人、アメリカ人、ロシア人の子供たちが一緒に参加したとします。
(対英語以外の言語どうしにも対応できるようになった場合です。国籍はどこでもいいですが。)
一人ずつが読書紹介をし、質問や感想を言い合い、そのあと自分の意見を発表室に書き、その後それぞれにコメントを付け合います。
これは、国際的な交流ということ以上に、思考力を育てる学習になります。
この国際対話クラスに最も必要な学力は、それぞれ自分の国の言語による読書力、作文力、発表力です。
翻訳機能オプションによると、それぞれの国の言葉で喋ったことが、翻訳キャプションで表示されるということですから、外国語ができなくてもこの国際対話クラスに参加することができます。
これからの外国語学習の時間は、AI翻訳の時代に、このように大きく変化していくと思います。
■■文章が「書けない」大学生に何ができるか――というフォーラムの案内を見て
「文章が『書けない』大学生に何ができるか…未来の先生フォーラム」という企画があるそうです。
https://reseed.resemom.jp/article/2022/11/18/5096.html
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自分の思いや考えを表現する「正解のない問題」が近年の総合型選抜・学校推薦型選抜においてみられるようになった。さらに、大学の初年次教育では約9割の大学がレポート・論文の書き方等文章力向上に関する授業を取り入れている現状がある。そのため、「文章力」の重要性が高校と大学の双方で高まるとともに、文章力の向上を目指す高大の円滑な接続・連携は国語科に限らず学校教育にとって重要な課題と考えられるという。
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ということだそうです。
言葉の森の生徒で大学生や社会人になった人から、ときどき次のような声を聞くことがあります。
「中学生のころに自分が書いた作文を見たが、かなりレベルの高いことを書いていた。今、そういう文章を自分が書けるかどうかわからないぐらいの内容だった」
大学生や社会人になった人が、自分が小学校高学年や中学生のときに書いた作文を見て、感心するのです。
しかも、それは、その生徒がそのときに自分の言葉でしっかり考えて書いた作文です。
これが、言葉の森の毎週の作文の成果と言えるものです。
今の学校教育では、生徒が毎週作文を書くということは、たぶんありません。
小学校低学年のころは、作文の授業があっても、小学校高学年や中学生になると、作文の授業はほとんどなくなります。
中学生の場合は、作文の授業としてではなく、夏休みの宿題として、税金とか人権とかいうわけのわからない作文課題を出す程度です。
しかも、その宿題に関するアドバイスも評価もないのが普通です。
なぜ高学年や中学生、高校生になると作文指導がなくなるかというと、指導の方法がないからです。
今の日本で、小学1年生から高校3年生までの作文指導のカリキュラムを持っているのは、言葉の森だけだと思います。自慢するわけではありませんが。
では、今の学校でどういう作文教育をしたらいいかというと、それは、小4からはパソコン入力で森リンのような自動採点をすることです。使える自動採点は、森リンしかないと思いますが。
今の教育の最大の問題点は、教育が、競争に勝つための教育になっていることです。
だから、人生や社会にとって役に立つことのない、受験で差のつきやすい問題を解く教育に明け暮れているのです。
そういう勉強の多くは、知識の詰め込みです。
一見考える勉強のように見えることも、考え方という知識の詰め込みです。
その考え方の知識も、人生や社会に役立つことではなく、受験という競争に勝つための知識です。
作文や読書や対話は、受験のための教育ではありません。
最近は、受験作文が増えてきたので、受験のために作文を勉強する人も増えてきましたが、本当は自分の思考力、読解力、創造力を伸ばすための勉強です。
それが結果として受験にも役立つということです。
文章を書くための教育も、単なる書き方の指導ではなく、なぜ文章を書くのかという意義にまでさかのぼる必要があります。
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● 言葉の森新聞2022年11月3週号 通算第1731号 (5730字) 言葉の森事務局 jun 2022年11月15日 17時34分
14272 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2022年11月3週号 通算第1731号
文責 中根克明(森川林)
■■11月23日(水)は「休み宿題」
カレンダーに記載してあるとおり、11月23日(水)は祭日のため「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
■■発表力を伸ばす教育が、頭をよくする。授業に主体的に参加する子ほど力が伸びる
●動画:
https://youtu.be/EYoOdD9kRAQ
「何か質問がありますか」と言うと、すぐに、「はい」と手を挙げる人がいます。
そこまででなくても、「○○さん、どうですか」と聞くと、すぐに自分の考えを言える人がいます。
そういう人は、仕事のできる人ですし、グループで仕事をするときもリーダー的な役割を果たせる人です。
これは、頭のよさももちろんありますが、それ以上に、いつも主体的に行動できる姿勢を持っている人だということです。
しかし、こういう発表の練習をする場は、今の教育ではほとんどありません。
むしろ、日本では、授業中に質問するような人は、先生から煙たがられることがあります。
「出る杭は打たれる」という文化の中では、黙って素直に聞いているだけの人が生まれやすいのです。
言葉の森のオンライン4人クラスでは、発表の機会が数多くあります。
まず、授業の最初の読書紹介がありまです。
自分の読んでいる本をわかりやすく紹介するというのは、かなり難しいことですが、小学校高学年になると、その本の要約を簡潔に述べつつ、印象に残ったところを説明し、自分なりの感想を言うというところまでを短時間でわかりやすく説明する子が増えてきます。
先日、小学5年生のお母さんから、「子供が、病院で、自分のことをわかりやすく医師に説明したので、その先生に褒められた」という投稿がありました。
ほかの人の前で、自分の言いたいことを具体的にかつ簡潔に述べることができるというのは、慣れていないとなかなかできません。
オンラインクラスでは、授業の中身も、生徒の説明を重視しています。
先生が教えるのではなく、先生はむしろ質問役で、子供が説明する時間が長いのです。
こういう授業スタイルは、35人の生徒のクラスではまずできません。
オンラインクラスでは、授業の最後の締めくくりの時間に、「一人一言」という時間を設けることがあります。
これは、今日のことでも、昨日のことでも、未来のことでも、自分が思っていることでも何でもいいので、一人一言のスピーチをする時間です。
この時間帯に、子供たちの個性が出ます。
勉強という答えの決まった世界では、個性はほとんど出せませんが、自由な一言の時間には、誰もがそれぞれ個性的な自分らしさを発揮します。
これからの教育では、このような答えのない時間に、自分らしい個性を出すことが大事になってきます。
こういう発表型の勉強で育った子には、今の学校や塾での勉強は、物足りなさを感じることが多いと思います。
発表の時間は、勉強の知識を吸収する時間に比べて、おまけの時間のように思う人がいるかもしれませんが、実は、この発表の時間は、単なる勉強の時間よりもずっと頭が活性化しています。
発表と参加を中心とした主体的な学習で、頭自体がよくなっていくのです。
■■学習記録のページの欄に、繰り返しの回数を入れられるようにしました
学習の基本は、同じ教材を繰り返し勉強して、その教材の中身を確実に頭に入れることです。
1、2回やって理解した気持ちになっても、それはそのときだけの理解であって、自分のものになっていないことが多いものです。
これは、読書も同じです。
特に、説明文や意見文の読書は、1回目に読んだときは、自分が既に知っていることに近い内容しか頭に入っていません。
説明文や意見文の本は、印象に残ったところに線を引きながら読み、2回目以降は、その線を引いたところだけを繰り返し読んでいくといいのです。
問題集や参考書も、大事だと思ったところに線を引きながら読み、2回目以降は、線を引いたところを重点に読んでいくようにします。
オンライクラスの学習記録の欄は、これまでページ数しか記録するところがありませんでしたが、今度、読んだ回数も記録できるようにしました。
国語読解、算数数学、英語の勉強をしている人は、ページ数とともに、回数も記録するようにしてください。
回数の大事なことは、読み聞かせでも同じです。
幼児は、読んでほしい本を何度も親にせがみます。
何度も読んでいると、その絵本の文章がすっかり頭に入り、暗唱できるようになります。
そのぐらい繰り返し読む本があると、そこで幼児の思考力は伸びるのです。
よく、「同じような本ばかり読んでいるから、たまには違うジャンルの本を読んでほしい」と言う保護者の方がいます。
気持ちはわかりますが、子供が同じような傾向の本を読んでいるときは、そこで考える力がついているのです。
違うジャンルの紹介してあげるのはいいことですが、本は満遍なく読むことがいいのではありません。
その子の好きな本を繰り返し読むような読み方がいちばんいいのです。
■■勉強ができるようになる子の特徴――早めにクラスに入り、にこにこ参加する
将来よくできるようになるという子の特徴があります。
それは、オンラインクラスで、授業時間の前にやや早めに参加してくる子です。
授業が始まってから、いつも少しだけ遅刻して入ってくる子もいます。
そういう子は、今は成績がよくても、将来あまりできるようになりません。
時間に早めに来るか遅めに来るかという差は、準備の差です。
早めに入ってくる子は、その日の授業の準備がよくできています。
少し遅れて入ってくる子は、準備があまりできていないことが多いのです。
これは、オンラインクラスに限らず、その子の生活習慣になっています。
だから、遅刻しがちな子は、生活のどの分野でも遅刻しがちになります。
クラスの授業が始まってから、にこにこした顔で参加する子がいます。
そういう子は、よくできる子です。
なぜにこにこしているかというと、いざ自分の発言が求められることがあったらすぐに対応しようという気持ちで参加しているからです。
授業に前向きに取り組む姿勢があるから、自然ににこにこした顔で参加するようになるのです。
これも、その子の生活習慣ですから、にこにこ顔で参加する子は、他の分野でも常に前向きに参加しているはずです。
だから、自然にいろいろな面で力がついてくるのです。
もちろん、顔とは関係なく主体的な子もいますが、大体において積極的に取り組もうという子は、明るい顔で授業に参加しています。
大人は、つい成績や点数のようなわかりやすいところに目を向けがちですが、本当に大事なことは、点数には出ない、主体的な姿勢の方です。
高度成長時代には、社会にエスカレーターのような仕組みができていました。
最初のエスカレーターにうまく乗れたら、その先ずっと安心だということがあったのです。
しかし、今の社会にもまだ残っているように見えるエスカレーターは、もはやあてにはなりません。
近い将来、エスカレーターは実はなかったということが明らかになるでしょう。
エスカレーターのない時代に必要なことは、目の前の階段を登り続ける意志です。
それが、前向きに生きる姿勢です。
いつでも前向きに生きる子供の姿勢を育むものは、お母さんの褒め言葉です。
どんなときも、子供のいい面を見てあげると、子供は自然に前向きに生き、主体的に参加する気持ちを育てていきます。
注意されながら育った子は、小さいころは成績がよくても、肝心の自信が育ちません。
だから、いざというときに、挑戦しない方を選んでしまうことが多いのです。
答えのない時代に生きる上でいちばん大事なことは、失敗を恐れず挑戦する意識です。
人間は、勉強によって育つのではなく、小さな挑戦の積み重ねによって育つのです。
■■褒めて育てれば頭脳が成長し、叱って育てれば頭脳が退化する
●動画:
https://youtu.be/PC5YxjfiwRE
厳しいお母さんのもとで厳しく育てられた子は、低学年のころは成績がいいのです。
しかし、学年が上がってくるにつれて、伸び悩んでくるように見えます。
その理由は、叱られた分だけ頭脳が萎縮してしまうからだと思います。
特に、夜寝る前に叱るのは、子供の肉体的な成長にとってもマイナスになります。
もし、夕方叱ることがあっても、夜寝る前にはその倍ぐらい楽しく褒めてあげることが大切です。
叱るというのは、親がまだ未熟だからです。
悪いのは子供ではなく、これまでそういうふうに子供を育ててきた親の方だと自覚することが大切です。
社会で名を残した人で、母親が厳しかったということはあまり聞きません。
逆に、母親は無条件に優しかったという人が多いのです。
例えば、野口英世の母がそうです。
無学であっても、英世のことをこころから愛して育てていました。
母からの手紙を見ると、そのことが感じられます。
英世自身も、母親を心から尊敬していました。
▽母から英世あての手紙
https://www.mori7.com/izumi/gazou/2022/11120721400.jpg
昔、作文の一斉体験学習で、「たとえを使ってみよう」という課題を出すことがありました。
「お母さんは」と書くと、ほとんどの子が「おにみたい」と言いました(笑)。
「お父さんは」と聞くと、「ゴリラみたい」とか、「かいじゅうみたい」とか言う子が多く、こちらはバラエティに富んでいました。
もちろん、これはみんな冗談ののりで言っていたのでしょうが、私は、最初、そういう母親のたとえの答えを聞いたとき、意外に思いました。
母は、優しいのが普通だと思っていたからです。
しかし、今の母は、子供から鬼みたいと思われていることが多いのです。
では、なぜ母が鬼みたいになったのかというと、それは、今の競争社会の中で子育てをしているからです。
もちろん、子供のしつけに関しては、母も父も、鬼のようになっていいのです。
そういう場面は、滅多にありませんが、しつけは、社会生活を送るために必要なことだからです。
しかし、競争社会で生き残ることを目的にすると、叱り方が、人に負けないように叱るということになってきます。
その叱り方は、歪んだ叱り方です。
そして、そういう叱り方は、日常化することが多いのです。
子育てでいちばん大事なことは、子供が幸福を感じる時間を長くすることです。
未来の準備のために、苦しい時間を我慢することではありません。
そういう幸福な子供時代を過ごした子ほど、将来の社会生活でも自分らしい幸福を感じながら生きていくのだと思います。
■■新年度からの教材について――2月から変更予定の教材あり
●動画:
https://youtu.be/QQ-FaVtKppQ
新年度からの教材を一部変更します。
改訂版になるものもあるので、正式に変更するのは2月からになりますが、今の時点で新年度の教材を注文し使っていただくこともできます。
ただし、改訂版は2月以降にご注文ください。
変更する教材は下記のとおりです。
(1)国語:これまでの小4~小6の国語、質の高い難問のあるよい問題集でしたが、確認テストがなかったので、同レベルの問題集の確認テストがある教材にします。
(2)算数:これまでの小2~小6の算数は、標準的な問題が中心でしたので、難しい受験対応の問題も入っている教材にします。
(ただし、基本問題や標準問題だけをやる形で進めてもいいです。)
(3)英語:これまでの小5~小6の英語は、確認テストがなかったので、確認テストがある教材にします。
▼2023年度から変更する教材(中学生の教材は、変更なし)
┏━━┳━━┳━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃教科┃学年┃2022年度 ┃2023年度 ┃
┣━━╋━━╋━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━┫
┃国語┃小2┃ウィンパス国語┃ジュニア新演習国語上下 ┃
┃国語┃小3┃ウィンパス国語┃ジュニア新演習国語上下 ┃
┃国語┃小4┃エフォート1 ┃中学受験新演習国語上下 ┃
┃国語┃小5┃エフォート2 ┃中学受験新演習国語上下 ┃
┃国語┃小6┃エフォート3 ┃中学受験新演習国語上下(改訂)┃
┃ ┃ ┃ ┃ ┃
┃国語┃高2┃プログレス2 ┃プログレス現代文2(改訂) ┃
┣━━╋━━╋━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━┫
┃算数┃小2┃ウィンパス算数┃ジュニア新演習算数上下 ┃
┃算数┃小3┃ウィンパス算数┃ジュニア新演習算数上下 ┃
┃算数┃小4┃ウィンパス算数┃中学受験新演習算数上下 ┃
┃算数┃小5┃ウィンパス算数┃中学受験新演習算数上下 ┃
┃算数┃小6┃ウィンパス算数┃中学受験新演習算数上下(改訂)┃
┣━━╋━━╋━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━┫
┃英語┃小5┃ウィンパス英語┃標準新演習英語 ┃
┃英語┃小6┃ウィンパス英語┃標準新演習英語 ┃
┗━━┻━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━┛
※ただし変更以前の2022年度の教材も使用できます。
※教材注文のページは、まだ変更が完了していませんので、ジュニア新演習小2・小3の注文はしばらくお待ちください。
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● 葉の森新聞2022年11月2週号 通算第1730号 (8052字) 言葉の森事務局 jun 2022年11月08日 18時44分
14258 (言葉の森オンライン新聞)
葉の森新聞2022年11月2週号 通算第1730号
文責 中根克明(森川林)
■■暗唱の練習は、幼長から小2までが最もよくできる――暗唱の効果について考える
●動画:
https://youtu.be/XKLpjq-_mBo
暗唱の効果や意義について書かれたものは、私の見るかぎりありません。
暗唱の学習をした子とそうでない子を統計的に比較した資料がないからです。
しかし、私(森川林)は、いろいろな事例から暗唱は頭をよくする効果があると確信したので、言葉の森の創設の最初のころから音読と暗唱の学習に取り組んできました。
ところが、暗唱の練習を続けられる子は、最初はほとんどいませんでした。
まず、親が暗唱という学習をしたことがないので、子供に暗唱を続けさせることができないのです。
これは、今でも同じです。いまだに、「暗唱ってただ覚えるだけでしょう」「それが何の役にたつのですか」と聞く人がかなりいます。
また、暗唱となると続けさせるのが大変だから、単なる音読で済ませてしまう人もかなりいます。
昔は、音読さえも、「音読が何の役に立つのですか」と聞く人がほとんどでした。
今でも、音読の意義を説明できる人はたぶんいません。
ただ音読がよさそうだと言われているからやっているということです。
私が考える音読の意義とは、
第一に、同じ文章を繰り返し読むときでも、斜め読みにならないということです。同じことを繰り返すと、ほとんどの子供は飽きるので、表面的な繰り返しになってしまうからです。
第二は、目で読むだけでなく、口でも読み、耳でも読むので、読みが更に深まり、文章の内容だけでなく、文章のリズムも頭に入るからです。
しかし、音読の練習は、あとに形が残らないので、達成感がありません。
また、音読の練習をしていると、近くで聞いているお母さんが、ほぼ必ずひとこと注意をしたくなります。
これは、日本語の特徴で、日本語脳では、左脳で子音と母音と感情を処理しているので、耳から入る言葉は気になるからです。
日本人以外の脳では、左脳で子音だけを処理し、母音と感情は右脳で処理しているので、耳から入る言葉は、あまり気にならないのだと思います。耳から入る言葉は、感情から分離しているのです。
こういう事情をふまえた上で、親は、子供の音読に対してはいつも必ず褒めるだけにすると決心することが大事です。
音読は、どんな読み方をしていても、ふざけて読んでも、間違って読んでも褒めるだけにしていれば上達します。
しかし、ほとんどのお母さんは善意でひとこと注意してしまうので、子供は音読を続けることを嫌がるようになるのです。
さて、音読と暗唱は、質的に異なります。
音読は声を出して読むだけですから、黙読よりも時間がかかる分、頭によく入るということがありますが、それ以上のものではありません。
しかし、暗唱は、この音読の繰り返しをすることによって、文章をまるごと頭に入れてしまうことです。
音読は、文章を理解することにとどまりますが、暗唱は、文章の理解から更に進んで、その文章と一体化するところまで進みます。
ある文章を理解しても、同じような文章を表現することまではできません。しかし、文章を暗唱すると、同じような文章を表現できるようになります。
これは、単なる記憶ではなく、記憶を超えた一体化ですから、折に触れてその文章の一節を思い出したり、同じ文章を聞くと懐かしさを覚えたりします。
暗唱は、記憶の方法としても有効ですが、記憶以上のものです。
わかりやすい例のひとつは九九です。九九を記憶ではなく暗唱ですから、必要なときに特に思い出そうとしなくても、「3×7=21(さんしちにじゅういち)」などと頭に思い浮かべることができます。
暗唱とは、手足のようなもので、特に手を伸ばして何かを取ろうと意識しなくても自然に手が動くように、思い出そうとしなくても必要に応じて思い出すことができます。暗唱は、手足のついた記憶なのです。
これまで多くの子の暗唱の指導をしてきて不思議に感じていることがあります。
それは、頭がいい子は、ほぼみんな暗唱が得意になるのです。
逆に言うと、暗唱ができる子は、ほぼみんな頭がよくなるのです。
頭がいいとは、必ずしも成績がいいことではありません。成績は、頭のよさではなく、勉強に比例しているからです。
しかし、頭のいい子は、いざ勉強を始めるとすぐに成績が上がります。
その頭のよさと暗唱のどちらが先かということはわかりませんが、頭のよさと暗唱の相関はかなり高いようです。
シュリーマンは、最初は暗唱が苦手でしたが、長年暗唱の練習をしているうちに、どのようなものもすぐに暗唱できるようになり、やがて10数か国語をマスターするようになりました。
そう考えると、暗唱に頭をよくする効果があると考えることができると思います。
この暗唱を続けやすくするために、2011年に暗唱検定という制度を作りました(暗唱検定は言葉の森の登録商標)。
これまで多くの子が、暗唱検定に合格してきました。
この暗唱検定を取り組みやすくするために、今後、暗唱の範囲を細かく細分化することを考えています。
また、これまでに暗唱検定に合格した子を、森リンランキングや読検ランキングなどのように表示することを考えています。
暗唱の勉強をしやすくするために、暗唱検定のほかに、暗唱のクラスを作ることを一時考えました。
しかし、暗唱だけを毎週45分間やるよりも、月に1回暗唱だけをする時間を設ける方がいいと考え、現在は、総合学力クラスで毎月第3週は暗唱の練習というふうにしています。
この暗唱の時間では、ほとんどの子が自分のできる範囲で暗唱をどんどん進めています。
自分の力に応じてなので、最初の方を繰り返しやる子もいれば、かなり先まで進んでやる子もいます。
どの子もしっかりやっているので、この暗唱の時間はかなり効果があると思っています。
暗唱には、適齢期があり、最も暗唱がしやすい時期は、幼長から小2にかけてです。
なぜかというと、この時期は、模倣の時代とも言われ、あらゆることをまるごと吸収できる時期だからです。
そのため、例えば、小学2年生くらいまでの子に、読んだ本の内容について、「どんなことが書いてあった」と質問すると、その本の内容を要約して説明できる子はまずいません。
ほぼ全員が、最初から最後までのあらすじを全部言うかたちで説明します。
だから、読書紹介では、先生は、子供に「どんな話だった」とは質問せずに、「どこか面白かった」と質問するようにしています。
小学2年生までの子は、読んだ本を理解するのではなく、まるごと自分と一体化して読んでいるのです。
だから、暗唱の文章も、何度か繰り返し音読していると、その文章がまるごと頭に入ります。
これが、小学校高学年や中学生になると、その文章を理解して記憶しようとするので、暗唱がなかなかできなくなります。
だから、小学2年生までの時期に暗唱のコツを覚え、それを高学年、中学生、高校生になっても生かしていくようにするといいのです。
たぶん、今暗唱に力を入れている子は、日々頭がよくなっていると思います。
■■言葉の森が考えるこれからの社会と未来の教育(2)――新しいオンライン教育の可能性
●動画:
https://youtu.be/b57aT9zM7Xg
今の教育には、いろいろな問題があると言われています。
その根底にあるのは、三十数人の生徒を一人の先生が教えていることです。
問題の第一は、進度も個性も異なる大勢の生徒に、同じ形で教えていることです。
問題の第二は、「教える」ということそのものです。
第一の「進度も個性も異なる大勢の生徒を同じ形で教える」ことの問題点はわかりやすいと思います。
第二の「教えるということそのもの」という問題は、少しわかりにくいかもしれません。
ハイポニカ農法を生み出した野沢重雄氏は、農業にとってきわめて大事だと言われる「土」そのものが、実は植物の生長の制約にもなっているのではないかと考えました。
同じことが教育にも言えます。
教育にとってきわめて大事だと言われる「先生が教える」ということそのものが、子供たちの成長の制約になっているのです。
いい先生も、悪い先生もいます。
しかし、本当は先生そのものが要らないのです。
子供は、教科書や参考書や問題集を自分で選び、それをもとに自分で学習します。
わからなければ解説を読みます。
解説を読めば、ほとんどのことはわかります。
解説がわかりにくい場合は、別のわかりやすい教材を選べばいいのです。
しかし、どうしてもわからない場合も、ごくまれにあります。
そのときに、質問や相談ができる人がいれば助かります。
その人が、先生と言えば先生です。
その先生は、教える先生ではなく、子供が行こうとする先に予想される問題をアドバイスする先生です。
子供が自分で勉強を進める。
困ったときだけ助けてくれる先生がいる。
これで教育は十分なのです。
しかし、子供にとって、勉強は、最初のうちは面白くないのが普通です。
義務教育段階の勉強は、登山で言えば、長い単調なアプローチです。
見晴らしのいい尾根道にたどりつくまでは、ただ足元を見て歩いているだけです。
勉強の面白さは、前に学んだことが後になって生きてくることがわかり、自分が成長していることがわかるという螺旋(らせん)形の面白さです。
それは、ゲームの面白さと本質的には同じものですが、ゲームが小さい螺旋形ですぐ結果が出るのに対して、勉強の多くは大きい螺旋形のためなかなか結果が見えないところが違います。
だから、小中学校時代の勉強は、ほとんどが本来面白くないものなのです。
しかし、その単調な勉強を面白くする方法があります。
それが、一緒に勉強する友達との交流です。
そして、吸収するだけの勉強ではなく、発表する時間のある勉強です。
生徒一人ひとりの進度に応じたアドバイス、一緒に勉強する友達との交流、吸収だけではなく発表する勉強。
このいずれもが、今の集団一斉指導型の教育ではできません。
また、マンツーマンの個別指導型の教育でもできません。
試験で同じ学力の子だけのクラス分けをしたり、先生がカバーできない分をグループ学習で補ったり、ブレンデッド教育と言って情報通信技術を組み合わせた個別対応の学習をさせたり、という工夫が行われていますが、いずれも不十分です。
最も有効な解決策は、オンラインで4~5人の超少人数クラスを運営をし、その授業の内容を、思考型、創造型、発表型、対話型にすることです。
これからの学校や教室は、何かを教えてもらいに行くところではなくなります。
生徒が自宅の自主学習で学んだことを、先生に確認してもらい、友達と交流し、自分の個性を発表する場所として行くところになります。
オンラインですから、教室に行くのではなく、自宅で教室を開くという方がふさわしいでしょう。
思考型、創造型、発表型、対話型の教育として、特に当てはまるクラスは、現在は、作文クラス、総合学力クラス、創造発表クラス、プログラミングクラスなどです。
しかし、国語読解クラスも、算数数学クラスも、英語クラスも、やり方を工夫すれば、思考型、創造型、発表型、対話型の教科にすることができます。
単なる知識の詰め込みでない、新しい未来の教育をオンライン4人クラスで作っていきたいと思います。
▽関連記事
「言葉の森が考えるこれからの社会と未来の教育(1)」
https://www.mori7.com/as/4556.html
■■田舎でこそできる、現金収入のある価値ある仕事と、未来の観光立国日本
●動画:
https://youtu.be/YcM26npcQLw
昔、岐阜の位山に登ったとき、途中、車で景色のいい田舎道を走りながら考えていました。
こんなにきれいな場所なのに、ここにある主な産業はやはり農業で、そのほかには、地元の人を相手にした床屋や飲食店などがぱらぱらとあるだけです。
昔は、こういう田舎に工場があったこともありますが、今、そういう工場は日本の田舎ではなく海外に移転しています。
藤原直哉さんは、これからの大不況の時代に、仕事がなくなった人は、農村でその地域の特性を生かした農業に携わればいいのではないかと考えているようです。日本では、歴史的に、農村がそういう緩衝板の役割を果たしてきたのです。
そして、単なる緩衝板ではなく、日本を、それぞれの地域の特徴を持った観光立国にすることが、今後の日本の方向だと考えているのだと思います。
観光立国と言っても、海外の人を呼び込むことだけを目的とした観光ではありません。独自の個性的な文化と特徴を持った、そこに住んでいる人が喜びを持って仕事のできる地域経済を作るということです。
今はインターネットを利用して、田舎であっても、その地域の独自性のある産物を、日本全国をマーケットにして販売することができます。
例えば、私(森川林)は、くさやとか、蜂の子とか、イナゴの佃煮とか、そういう変なものが好きですが、近所のスーパには、そのような商品はあまり置いてありません。
たぶん、日本中には、自分がまだ目にしたことのない面白い食べ物や工芸品があるはずです。
観光立国とは、そういう個性のある地域経済が全国各地に生まれるということです。
しかし、私が車を運転しながら考えたのは、もう少し即戦力のあることです。
それは、田舎で行うオンライン4人クラスの教育です。
少子化で子供がほとんどいない地域であっても、オンライン4人クラスであれば、すぐに同学年、同教科の生徒を日本中から集めることができます。
そして、週1回、自分の都合に合わせた時間帯で、子供たちの教育に携わることができます。
オンラインの少人数クラスですから、たまたま自分の都合が合わずに休講する場合でも、他の同じようなネット上の講師に代講を依頼することができます。リアルな対面教室のような時間や場所の制約はありません。
そして、もうひとつ重要なのは、その地域の特性を生かした、きれいな自然、伝統のある文化や祭りなどを活用して、遠足や合宿などの企画もできるということです。
このオンライン少人数教育と結びつけた観光立国が、これからの日本が目指すひとつの方向だと思います。
この場合の教育は、単に成績を上げるための受験教育ではなく、思考力、創造力、共感力を伸ばすための創造教育である必要があります。
言葉の森は、すでに横浜のひとつの教室で、世界中の生徒を相手にしたオンライン教育を行っています。
もちろん、世界中と言っても、海外からの生徒はまだ5パーセントほどです。これは受講料やテキストのやりとりにまだ制約があるからですが、今後この制約が技術的に克服できるようになれば、文字どおり世界をマーケットにした教室になります。
作文指導も、日本語の作文に限らず、ザ・サクブンというような講座で、あらゆる言語に対応した作文教育を行えるようになります。
ザ・サクブンは、言語の壁を超えた世界共通の新しい教科になる可能性があります。
こういう世界規模の地域教室ができることと、日本各地の観光立国を結びつけることができれば、日本の未来は明るいのではないかと思いました。
■■偏差値を超える教育――本当の学力とは何か
●動画:
https://youtu.be/ddrU3MH-eYo
言葉の森の教育理念は、偏差値という基準ではありません。
今の教育は、受験のための学力となっていますが、大事なことは実力のための学力です。
受験のための学力とは、他人との競争に勝つために、間違えやすい問題を間違えないというクイズを解くような学力です。
それは、今の受験がそういう試験を作り、学校や塾がその試験に対応するために、クイズを解くような知識を詰め込んでいるからです。
しかし、振り返ってみればわかるように、小中高と勉強してきたことの中で、社会人になってからのものの考え方に生かせないものはかなりあります。
例えば、中学の理科の試験でよく出てくる植物の維管束でどちらが導管でどちら師管とか、単子葉植物と双子葉植物でどう違うかというようなことです。
私(森川林)は生物が好きだったので、今でもよく覚えていますが(笑)、こういうことは知識として知っていてもいいが、すぐに忘れてもいいことで、思い出したかったらネットで調べればいいことです。
それを、試験という形で微妙な問題を出して、本当に覚えているかどうかチェックして評価するというのは、時代遅れだと思います。
もちろん、勉強は、しなくていいのではありません。
古文も漢文も根の公式も、一応勉強していると、生かせることがあると思います。
(私は、森リンのプログラムを作っているときに、根の公式を知っていてよかったと思ったことがあります。そのかわり、いろいろな因数分解の仕方は、試験のための知識であって、何も役に立たないように思いました。)
本当の勉強は、受験の偏差値のための勉強ではなく、将来の創造のための勉強です。
高校生でときどき、「○○という教科は、自分の受験には出ないから手を抜く」という人がいます。
これは、勉強の目的を、将来の創造のためと考えるともったいないことです。
勉強は、目先の損得でするものではなく、自分自身の向上のためにするものです。
日本の中学、高校の教科書のレベルは、かなり充実しています。
社会人として必要な一般教養は、たぶん中学までの教科書を読んでいれば間に合います。
ただし、社会の教科書に関しては、価値観の違いがあるので、偏ったところもあります。
あとは、社会人になっても、毎日の読書を欠かさないことです。
これからの学力は、試験のための学力ではなく、将来の創造のための学力、つまり本当の実力のための学力と考えると、勉強の方向がはっきりすると思います。
■■小学6年生は、冬休みから中学の数学、英語の先取り学習を
小学6年生で受験中の生徒は、まだ中学の勉強の先取りの余裕はありませんが、特に受験をしない生徒に関しては、早めに中学の勉強の先取りをしておくといいと思います。
中学の勉強の数学、英語は、最初のころは基本的なことがらなので、問題集の解説を読めば自分で進めることができます。
中学生用の教材中1~中3には、標準新演習と発展新演習があります。
標準新演習は、「教科書内容や入試頻出問題を取り入れ、公立高校入試で合格するための工夫が満載」という説明です。
発展新演習は、「標準的な問題から発展的な難問までこの1冊で! 私国立高校受験の対策に最適」となっています。
発展新演習の難問には、かなり難しいものもありますが、発展新演習の標準的な問題を中心にやっていくこともできます。(標準問題はA、発展問題はBとなっているので、Bは飛ばしてAを中心にやっていくということです。)
数学が苦手か普通の人は標準新演習、数学が普通か得意の人は発展新演習でやっていくといいと思います。
いずれも、1冊を5回を目安に繰り返し、その問題集を完璧に仕上げることが大事です。
学校や学習塾では、次々に新しいプリント類が渡されることがありますが、いろいろな問題をただこなすだけというのが、最も能率のよくない勉強です。
「1冊を完璧に」ということをいつも思い出してやっていってください。
教材の注文は、こちらのページからできます。
(中学生の教材については、新年度も変更はありません。)
https://www.mori7.com/teraon/jgkyouzai.php
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● 言葉の森新聞2022年11月1週号 通算第1729号 (7199字) 言葉の森事務局 jun 2022年11月01日 16時21分
14234 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2022年11月1週号 通算第1729号
文責 中根克明(森川林)
■■11月3日(木)は「休み宿題」
カレンダーに記載してあるとおり、11月3日(木)は祭日のため「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
■■算数数学の勉強法――学習の仕方と教材の選び方
●動画:
https://youtu.be/TRuxxv8zPxQ
算数数学は、手順どおりにやれば誰でもできるようになる勉強ですが、いったん苦手意識を持つと、その苦手意識が固定化することがあります。
算数数学の勉強は、家庭学習の自主学習が中心で、家庭で毎日○ページ、又は毎日○分という予定を決めて勉強するようにすることが大事です。
その際、1冊の問題集を完璧に仕上げることが大切で、同じ問題集をできなかったところだけ何度も解き直す勉強法が基本です。
しかし、学校や学習塾などの勉強法では、次々に新しい問題プリントが渡されることがあり、そうすると、できなかった問題だけを繰り返しやるという勉強の仕方がかえってできなくなります。勉強は、自分のペースでやることが大事です。
算数数学クラスでは、先生は、その生徒が勉強した範囲について、生徒に解き方を質問します。
生徒がすらすら答えられれば問題はありません。
うまく答えられない場合は、その問題をメモしておき、再度次回にその生徒に質問するようにします。
講師が生徒に教えるようなことは原則としてしません。易しい問題だと、つい講師が生徒に教えたくなりますが、解き方を人から教わると本当の実力が付きません。
生徒が自分で考えて、次回に正しく答えられるようにするということが大事です。
低学年の場合は、あまり勉強的にしっかり個別指導をすると勉強に飽きることがあるので、2人1組でブレークアウトルームに呼び、生徒どうしのコミュニケーションが図れるような指導をすることがあります。
これは、国語読解や英語の指導でも同じです。
教材について、小1~小6のウィンパスは、教科書レベルの問題なので、できる子にはものたりないと思います。
自分の学年の標準問題がすべてできたら、学年先取りをして、小6の場合は中1の問題集に進むようにするといいです。
標準問題集よりも難しい問題集として、小1~小3の場合は、ウィンパスでなく、市販の算数ラボ、又は、算数ラボ2をやってもいいです。
算数ラボ2は、算数ラボの新版だと思いますが、内容は似たような感じです。
小4~小6は、中学受験新演習小4上下~中学受験新演習小6上下をやってもいいです。
しかし、私立中の中学受験に対応する指導まではしないので、問題集の中で解く問題は例題と基本問題だけにとどめて、練習問題とチャレンジ(という問題)はしないでいいです。
中学生は、標準新演習という問題集が標準問題で、発展新演習という問題集が発展問題です。
普通の問題はどちらも同じぐらいの難しさですが、難しい問題は発展新演習はかなり難しくなるものがあります。自分の実力に応じて取り組んでください。
■■読解問題を解かせるのは時間の無駄――読解検定のチェックだけで十分
●
https://youtu.be/pB51LE3Sa5A
保護者懇談会で、国語問題集の問題の解き方についての質問がありました。
しかし、言葉の森の国語の勉強では、問題は解きません。
問題文を繰り返し音読するだけの勉強です。
そのことを書こうと思っていたら、ちょうど同じことを言っている記事がありましたので、紹介します。
「読解問題を解かせていると頭が悪くなる…「真に賢い子」の親が毎日ていねいにやっていること」
https://president.jp/articles/-/62790?page=1
ここに書かれていることは、言葉の森がこれまで言ってきたことと同じです。
問題を問いて国語力がつくわけではありません。
ほとんどが、「あたった」「はずれた」という話で終わってしまうからです。
問題を解くのであれば、まちがえたところを徹底して自分なりに理詰めに理解する必要があります。
理詰めの説明なく、ただ漠然と○や×をつけても国語の力はつきません。
問題を理詰めに解く勉強は、毎月の読解検定で十分です。
そのかわり、読解検定は、常に100点を取れるようになるまでやらなければなりません。
問題を解くのがよくない理由は、時間がかかるからです。
問題文を読むだけであればすぐ終わる勉強であっても、問題を解くことまで入れると、読むだけの勉強に比べて5倍から10倍の時間がかかります。
この時間が無駄なのです。
問題を解く作業にかける時間があれば、その分、問題文を繰り返し読むことに力を入れていく方がよいのです。
読解検定は、小2までは比較的易しい問題なので、がんばれば100点は取れます。
小1のころは、問題文を読むことが難しい場合もあるので、そのときはお母さんが一緒に読んであげて一緒に問いてあげてもいいです。
読解検定は小3から少しずつ難しくなります。
高校生の読解検定は、旧センター試験と同じレベルですから、ここで解き方のコツを身につければ、大学入試の国語の読解問題にもそのまま対応できます。
読解検定は、一般の人は550円、国語読解クラスと総合学力クラスの生徒は330円です。
国語読解クラスと総合学力クラスの生徒は、印刷物の表示を必要としなければ、ウェブで無料で受けることもできます。
国語読解クラスの生徒は、毎月必ず読解検定を受けるようにしてください。
読解検定を受けていない場合は、国語読解クラスの授業中に読解検定に取り組む時間を設けます。
■■競争に勝つことよりも、創造に勝つこと
●
https://youtu.be/nzajfnoac4E
マンモスの牙が役に立たないぐらい伸びたのは、定向進化と言われています。
進化がある方向に進み、ある段階になると、その進化が役に立たないものになっても進み続けるということです。
その発端は、たぶんマンモスどうしの競争でした。
最初は、牙が長い方が強いし、格好もよかったのです。
しかし、やがて牙の長さで競い合うようになると、役に立つかどうかということよりも、格好だけが優先して牙だけがどんどん伸びていきました。
こういう定向進化が起こるのは、生物が他の種と競争する必要がなくなり、同じ種どうしの間での競争が、競い合う主な分野になっていっためです。
もし、マンモスと対抗しうる他の生物がいたら、牙の定向進化などという悠長なことはやっていられずに、もっと生存に役立つ他の能力が伸びていったはずです。
先日、たまたま見たウェブに、「GalaxyとPixelのどちらが優れているか」という記事が載っていました。
その中身は、どちらがどれだけ厚みがあるとか、バッテリーが持つかとか、重たいかという、言わば、マンモスの牙の長さ比べのような話でした。
実は、これが今の日本や社会の置かれている、他との競争のない平和な社会の状態なのです。
かつて、競争が社会の進歩の動因になっていた時代がありました。
今も、競争には、社会の進歩を進めるという面があります。
社会主義国が資本主義国に経済面で負けたのは、競争のない体制だったからという話は、確かにそのとおりでしょう。
しかし、世の中は今、急速に競争のない時代に向かっています。
競争のない時代に生きる生き方は、平和に生きることだと言う人もいます。
しかし、競争の持つエネルギーやワクワク感に比べると、平和の持つエネルギーやワクワク感はかなり小さいものです。
人間は、そういうところに十分な満足感を見つけることはできないでしょう。
競争のない時代で、しかもワクワクできる生き方は、創造です。
他人に勝つことに情熱を燃やすのではなく、新しいものを創造することに情熱を燃やすような生き方がこれから求められてきます。
マンモスは、長い牙と厚い体毛を持ったまま滅んでいきましたが、生物の種全体は、個々の種が滅ぶのと並行して、新しい種を創造していきました。
今日の世界の多様性は、その創造の結果です。
私は、子供の教育に関しても、競争から創造へという大きな流れが生まれていると思います。
■■国語読解の苦手な子が増えている――読解力をつけるための対話と読書の方法
●動画:
https://youtu.be/j9p6fXQqghc
国語読解の苦手な子が増えています。文章を読んで理解する力が弱いのです。
共通点は、あまり本を読んでいないことです。
読むとしても、絵が多く字の少ない本とか、長いひとつながりの本ではなく短編がいくつも並んだ本とかいうものが多いのです。
では、本を読まずに、空き時間は何をしているかというと、YouTubeを見たりゲームをしたりしているのです。
もちろん、YouTubeもゲームもいいのです。
問題は、そのために本を読む時間を取れなくなることです。
しかし、保護者の多くはそれが問題だと気がついていません。
子供は学校にちゃんと行っているし、出された宿題も一応やっているから大丈夫だと思ってしまうのです。
今の学校には、教育力はなくなっています。
小学生時代にいちばん大事なのは、文章を読んで理解する力をつけることですが、学校ではそれ以外の時間が多すぎます。
しかも、算数の授業では、基礎を身につけるよりも難しい問題をクイズのように解かせる趣味的な授業もあります。
理科、社会も、授業を面白くするために、難しい問題を出すことが多いのです。
更に、勉強とは関係のない行事の時間と、行事の準備のための時間が多すぎるのです。
子供の学力は、学校ではなく、家庭でつける必要があります。
そのためには、親子で対話をする時間を作ること、子供が読書をする時間を作ることが必要です。
ところが、多くの家庭では、子供に算数や国語の問題集をやらせるような勉強をしています。
問題集を解くような勉強は、勉強の習慣がつくこと以外の意味はありません。
問題集を問いて学力がつくということはないのです。
対話と読書の不足が学力の不足として表れてくるのは、高学年になってからです。
小学4年生のころまでは、表面的には何も問題ないように見えます。
読書をしない子でも、人との話だけは普通にできます。
むしろ活発に話をするので、学力があるように見られることもあります。
学力の差がはっきりするのは、作文を書くようなアウトプットの勉強をするときです。
作文の学力は、それまでのすべての学力の集大成ですから、すぐに上達することはありません。
だから、作文に、その子の本当の学力が表れるのです。
子供の学力を育てるのは、学校ではありません。
また、家庭でやる問題集でもありません。
ただ、親子の対話と読書の習慣を続けることです。
対話と読書で育った子は、いざ勉強が必要になったときには、すぐにその勉強の力をつけることができます。
読書力のある子は、勉強だけして早めに成績がよかった子をすぐに追い越してしまうのです。
今、小学生の子をお持ちのお母さんは、家庭での対話と読書にできるだけ時間を割くようにしていってください。
対話のコツは、子供の長文音読や理科実験の発表を利用することです。
子供が長文を読んでいたら、その長文に関係する親の体験談を話してあげるのです。
子供が暗唱の練習をしていたら、その暗唱の内容に関連する親の体験談を話してあげます。
また、理科実験の発表の時間があったら、一緒に発表のテーマを決めて、そこで子供と一緒に相談してあげます。
本当は、お母さんだけでなく、お母さんとお父さんがともに対話に参加できるようになるのが理想です。
いちばんいいのは、当の子供そっちのけで、お父さんとお母さんの話が弾むことです。
子供はそういう話を聞いて、語彙力と話す力と聞き取る力を育てていきます。
読書については、毎日必ず本を読む時間を作ることです。
子供だけに読ませるのではなく、家族全員で読む10分間読書の時間を設けることもできます。
子供は、親の後ろ姿を見て育ちます。
親が楽しそうに本を読んでいれば、子供も、自然にそういう大人になりたいと思います。
だから、日常生活の中で、親が本を読んでいる姿を見せることも大事なのです。
■■問題集読書が国語力の鍵――速読では読む力はつかない、読書と問題集読書は本質的に異なる
●動画:
https://youtu.be/-kPW_3xTVfg
言葉の森が問題集読書を提唱したのは、もう30年近く前になります。
問題集読書は、問題集の問題文を読書がわりに読むだけという単純な勉強法ですが、その単純さ故に、実行できる子はほとんどいませんでした。
その代わり、問題集読書を実行できた子は、必ず国語の成績が上がりました。
問題集読書がなぜ続けにくいかというと、問題集の問題を解くような勉強に比べて、あとに形として残るものがないので、張り合いがないからです。
しかも、1冊の問題集を音読で5回以上繰り返し読むという勉強法ですから、張り合いがないわりに忍耐力や継続力が必要な勉強だからです。
ほとんどの子は、音読を嫌がります。それは、黙読よりも時間がかかるからです。
また、子供が音読をしていると、ほとんどの保護者はその音読を聞いて何らかの注意をしたくなります。
日本語は母音言語なので、読んでいる声を軽く聞き流すことができないからです。
しかし、音読を注意された子は、だんだん注意する人の前では音読をしないようになります。
だから、音読を聞いている人は、常に褒めてあげることが必要なのです。
音読の褒め方は、こうです。
子供がどんなに下手な読み方をしていても、
「難しい文章をよく読んでいるね」
とか、
「だんだん読むのが上手になってきたね」
とかいう励ましの言葉を言ってあげるのです。
すると、何も注意しなくても、必ず上手に読めるようになってきます。
さて、実行の難しい問題集読書の家庭学習を、確実に実行させる方法として始めたのが国語読解クラスの勉強です。
国語読解クラスでは、その子の問題集読書の読んだ範囲について質問をします。
しかし、まだすらすら答えられる子は、一握りです。
多くの子は、元の文章を見ながらでないと答えられません。
それは、読む回数がまだ5回以上になっていないからという面もありますが、音読ではなく黙読で表面的に読んでいる子が多いからということもあると思います。
さて、先日、保護者の方から速読についての質問がありました。
実は、言葉の森のサイトにも、速読のページがありました。
しかし、今はほとんど使っていません。
「長文速読問題」
https://www.mori7.com/kai/
「長文速読の磯」
https://www.mori7.com/iso/
(横書きの表示で見てください)
読書のスピードの大人の平均は、1分600字ぐらいです。
文庫本の1ページが約600字ですから、1ページを1分で読めれば普通の読書スピードです。
この読書スピードを時々測ってみると、速く読む意識がついてきます。
読書が遅くなる原因のひとつが、少し前に戻って読み直すという読み方です。
ですから、読んだところを手で隠しながら読んでいくと、自然に読書のスピードが上がります。
しかし、この速読法は、大人になってからやればいいのであって、子供のころは、速読よりもまず難しい文章を普通に読める難読力の方が大事です。
その難読力の練習が、問題集読書になるのです。
ところで、問題集読書は、普通の読書の代わりになるかというと、そういうことはありません。
読書には、熱中して読むという面があります。途中で止まらなくなって読むことがあるのが読書です。
問題集読書は、薬を飲むような勉強法です。問題集読書に熱中して止まらなくなるということはありません。
だから、問題集読書は、読書の代わりにはなりません。
それと同じように、短編の集まった本や、「5分で読める○○」や、「○○の名作20選」というような本も、熱中して読む本にはなりません。
子供には、熱中して読める本に出合うことが必要なのです。
■■新しい講座、土曜10:00に読書対話クラスを開講します
11月5日(土)から、土曜10:00に読書クラスを開設します。
このクラスでは、読書紹介、対話、そして、ときどき勉強を行います。
学年は、小1~高3です。
学校に行かない子、学校にあまり行きたがらない子が主な対象です。
学校に行かなくても、自分の好きな本を読んで、みんなと対話をして、そして、もし勉強もしたいのであれば勉強をしてもいいというクラスです。
勉強をする場合は、その勉強のアドバイスも行います。
参加しやすいように、無料体験学習は1か月4週行います。
体験学習を希望される方は、オンラインクラスからお申込みいただくか、お電話でお申込みください。
11月5日までの先着順ですが、定員を超えそうなときは、高学年の方を優先させていただきます。
▽関連記事
https://www.mori7.com/as/4548.html
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● 公中検模試11月の問題発送は11月5日ごろ【送信指定】 (184字) 森川林 nane 2022年10月29日 12時54分
14229 (言葉の森オンライン新聞)
公中検11月模試の問題発想は11/5ごろに
公中検11月模試の問題発送は、当初10月末の予定でしたが、11月5日ごろになる予定です。
11月模試の答案の締切は、当初の予定どおり11月17日言葉の森必着となります。
なお、小学6年生に関しては、11/1~11/15の間、公中検模試12月の受付を行います。
12月模試は、小6のみ対象で、これが今年度最後の模試になります。
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● 言葉の森新聞2022年10月4週号 通算第1728号 (4867字) 言葉の森事務局 jun 2022年10月22日 10時00分
14220 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2022年10月4週号 通算第1728号
文責 中根克明(森川林)
■■10月29日(土)・30日(日)・31日(月)は休み
10月29日(土)・30日(日)・31日(月)は、第5週のため通年クラスの授業はありません。振替授業もお休みです。
■■第4週は清書。幼稚園生は作文
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
■100-8051(住所はいりません毎日小学生新聞「さくひん」係(600字以内)
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
●新聞社に送る清書は市販の原稿用紙に
新聞社に送る清書は、市販の原稿用紙に書いてください。
その理由は、清書は個人で送るものなので、自分で用意した原稿用紙に書くのが、社会的なルールとなるからです。
■■学校に行かない生徒向け読書対話クラス
学校に行きたがらない子の多くは、個性的で、学力があり、感受性も豊かな子です。
そういう子供たちが、学校という枠に縛られて不自由な思いをしなくても済む時間を持てるように、読書対話クラスを開講します。
読書対話クラスでは、毎回、自分の読んでいる本をみんなに紹介し、その時々のテーマで自由に対話をする時間を取ります。
生徒の希望に応じて、勉強についてのアドバイスも行いますが、勉強の取り組みは自由です。
毎週土曜日 朝10:00~10:45
対象は小1~中3。
受講料は週1回6,600円の有料ですが、自習室は毎日いつでも無料で利用できます。
自習室では、ひとりで、又は、気の合った友達と一緒にそれぞれのペースで勉強や交流をしてください。
これからは、自分らしい仕事をする時代です。
小学校から中学・高校・大学と、決められた順序どおりに学校に通って社会に出る必要はありません。
必要な勉強は、必要を感じたときにいつでもできます。だから、学校は、行っても行かなくても自由です。
個性を伸ばして自分らしい人生を歩むことを第一に考えていきましょう。
11月5日(土)から、無料体験学習を受け付けます。
平日の昼間の時間も希望者がいれば開講します。
■■小1の作文はアドバイスをせずに褒めるだけ
小学1年生の子が書いた作文を見ると、いろいろアドバイスをしたくなるところが見つかると思います。
しかし、そこで単純にアドバイスをすると、低学年の子供は一応素直に言うことを聞きますが、その一方で、子供は書くことをだんだん負担に感じるようになってきます。
保護者や先生は、善意のつもりでアドバイスをするのですが、そのアドバイスが子供に、作文を書くことを負担に感じさせるようになるのです。
大事なことは、どうしたらアドバイスをせずに、上手に書けるようにするかということです。
そのためのいちばんよい方法は、読む力をつけることです。
(ほかにも、いろいろな方法がありますが、今回は省略。)
読む力をつける最も自然な方法は、読書の量を増やし、読書の質を高めていくことです。
読書量が増えれば、子供は自然に正しい書き方を身につけます。
また、読書量のある子は、ひとことのアドバイスですぐにそのことができるようになります。
逆に、読書量の少ないうちは、同じことを何度注意してもできるようになりません。
例えば、会話の改行などは、大人から見れば簡単なことですが、子供の日常生活では、読書を通して以外に会話の改行に出合うことはありません。
こういう簡単に見えることほど、わかりにくいのです。
小学1年生の作文で大事なことは、楽しく書くことです。
楽しく書くためには、いつも、どんな作文であっても、褒めるだけにすることです。
しかし、褒めるだけであっても、例えば、オンライン4人クラスで、自分の作文を発表し、ほかの子の作文の発表を聞くうちに、みんな正しい書き方を身につけていきます。
子供を褒めることができるためには、親や先生が人間的に成長している必要があります。
叱って直すというのは、人間的にまだ未熟だからです。
ほかの子を褒めるとか、兄弟で比較するとかいうのも、叱って直すことと同じです。
その子のいいところだけを見てあげることで、子供は成長していくのです。
■■オンラインクラスの保護者懇談会10月の資料
●動画:
https://youtu.be/TMVdj8bibcw
■パソコンの利用
オンラインクラスは、できるだけパソコンを利用して参加してください。
スマホやタブレットは、受け身で、見たり聞いたりすることが主になる端末です。
パソコンが、主体的に参加することが主になる端末です。
パソコンで参加すれば、レコーディング、画面共有、テキスト入力、ビューオプション機能、プログラミングなど、自分が操作できることが増えます。
▽参考記事
「オンラインクラスは、スマホではなく、できるだけパソコンで参加を」
https://www.mori7.com/as/4546.html
■作文クラス
作文クラスは、小1から参加できます。
本人がまだ十分に書けなくても、ひらがなさえ読めれば大丈夫です。
本人が書けない場合は、子供が絵を書き、親が子供の話をもとに作文を書き、それを子供が発表するという形の学習です。
子供本人が全部書くこともできますが、子供が数行書き、親がそのあとの続きを書いてあげることもできます。
この方法のよいところは、親子の対話が弾むこと、子供が負担を感じないこと、発表を通して友達と交流できること、親の書いたふりがな付きの作文を読むことで作文の書き方を身につけ漢字の読み方を身につけること、小1からの作文が子供の記念になること、です。
大事なことは、正しく書くことよりも楽しく書くことを優先することです。
どの学年の作文の勉強にも共通することは、事前の準備で、子供が親に似た話を取材することです。
保護者はできるだけ、子供の作文課題を見ておき、似た話をしてあげる準備をしておいてください。
■国語読解クラス
国語読解クラスの生徒は、必ず毎月読解検定を受けてください。
読解検定は一般550円、国語読解クラスの生徒330円ですが、国語読解クラスの生徒は問題の郵送を必要としないウェブだけの採点であれが無料で受検できます。
読解力をつける要は、問題集読書のような難しい文章を繰り返し音読する練習を続けることです。
こういう単純な勉強は張り合いがないので、自分から進んでやる子はほとんどいません。
家庭学習の最重点として取り組むようにしてください。
難読力は、国語だけでなく、算数、英語、理科、社会などすべての勉強に生きてきます。
難しい文章を読んで理解することで、考える力が育つからです。
■総合学力クラス
総合学力クラスは、幼長~小4が対象です。
現在、生徒数が4人を超えているところがありますが、今後、学年を基準にして4人以内のクラスに分ける予定です。
総合学力クラスの保護者の方は、次の記事を参考にしてください。
「総合学力クラスの勉強(1)――家庭学習のきっかけとして授業に出る」
https://www.mori7.com/as/4532.html
「総合学力クラスの勉強(2)――国語の勉強法」
https://www.mori7.com/as/4534.html
「総合学力クラスの勉強(3)――読書の仕方、読書紹介の仕方」
https://www.mori7.com/as/4543.html
「総合学力クラスの勉強(4)――算数の勉強の仕方」
https://www.mori7.com/as/4544.html
■算数数学クラス
算数数学クラス基本となる教材は、小学生は「ウィンパス」、中学生は「標準問題集」です。この問題集を100%完璧にできるようにすることが第一です。そのためには、5回を目安に、できなかった問題だけを繰り返し学習することです。
全部できるようになったら、学年を先取りするか、難しい問題集に取り組んでください。
難問の載っている発展的な教材は、小学1~3年生は「算数ラボ(市販)」、小学4~6年生は「中学受験新演習」、中学生は「発展問題集」です。
難しい問題が解けるようになると、算数数学の勉強に面白さを感じられるようになります。
日本は、他の国に比べて算数数学の難問が多く、算数数学の成績が受験を左右する面があります。これはいずれ是正されるでしょうが、とりあえずは算数数学の力をつけておくことが大事です。
■英語クラス
英語の学習は、通常の英語問題集のほかに、英語音読暗唱の勉強と、英検問題集の勉強を取り入れています。
英語音読は、最も能率よくバランスの取れた英語力をつける勉強法なので、優先的に取り組んでください。
▽参考記事
「野口悠紀雄氏の本の一部」
https://www.mori7.com/izumi/gazou/2022/7201500140.jpg
小3までは日本語力が形成される重要な時期なので、幼少期は、英語の学習に取り組み過ぎないようにしてください。
そのときは、英語と日本語の両方ができているように見えても、肝心の日本語力が阻害されるので、あとで問題が出てくることが多いように思います。
▽参考記事
「幼児から小3までは日本語脳を育てる時期――英語脳は日本語の土台が確立してから」
https://www.mori7.com/as/3796.html
■プログラミングクラス
プログラミングは、将来、子供が自分で何かを始める場合に、必須の知識技能になります。
昔の自動車運転技能と同じようなものと考えるとよいと思います。
▽参考記事
「起業する前にアプリを作るスキルを身につけた方が良い(清水亮一氏のブログ)」
https://wirelesswire.jp/2022/10/83321/
■不登校
不登校になっても心配は要りません。
むしろ、学校に行かない子の方が、学力もあり、感受性も豊かで、個性的な子が多い印象です。
海外では、ホームスクールという言葉で、普通に学校に行かない子の学習法が認められているようです。
▽参考記事
「学校に行かない生徒向け読書対話クラス」
https://www.mori7.com/as/4548.html
(1ヶ月の無料体験学習を予定しています。)
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● 11月学力テストは10月22日に発送します【送信指定】 (264字) 森川林 nane 2022年10月18日 15時52分
14215 (言葉の森オンライン新聞)
この連絡は、11月学力テストにお申込みいただいた方に送信しています。
先日は、11月学力テストをお申込みいただきありがとうございました。
当初、問題用紙は10月10日にお送りする予定でしたが、手続きが遅れ10月22日に発送することになりました。
したがって、言葉の森への答案送りの締切は、11月7日(月)とさせていただきます。
現在、郵便の日数がかかることが多いので、答案の郵送はできるだけ11月1日までにしてくださるようお願いいたします。
結果の返却は、予定どおり11月21日になります。
以上、よろしくお願い申し上げます。
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● 言葉の森新聞2022年10月3週号 通算第1727号 (4158字) 言葉の森事務局 jun 2022年10月15日 08時43分
14209 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2022年10月3週号 通算第1727号
文責 中根克明(森川林)
■■オンライン超少人数クラスの教育が、子供たちを育てる
●動画:
https://youtu.be/_WibOCdampI
■クラスであること
これからの子供たちの教育環境で大事なことは、クラスという単位で子供たち相互の発表や質問や感想という交流の機会があることです。
子供は、先生から知識を詰め込まれて勉強するのではありません。自分が発表したり、友達の発表を聞いたりという互いの交流の中で、知識以上のものを身につけます。
知識だけを吸収するのであれば、特に先生の話を通して聞く必要はありません。本からでも、ウェブからでも、良質な知識はいくらでも手に入ります。
そして、その知識は、むしろ授業の中で吸収するよりも、家庭での自主学習の中で身につけた方がずっと能率がよくなります。
その家庭学習を発表しチェックしてもらう学習の場として、授業があるという反転教育のスタイルが、これからの学習方法の標準になってきます。
■超少人数であること
超少人数とは、3人から5人という範囲です。
クラスでの生徒どうしの交流が子供たちの成長に役立つとは言っても、そのクラスの人数が多い場合は、一人ひとりの持ち時間は限られてきます
。
例えば、1人2分の発表時間を確保する場合、35人学級では全員が発表するのに1時間以上かかります。
その発表のあと、先生による個別指導が1人につき5分あるとすれば、それだけで約3時間かかります。
ひとつの教科で合計4時間かかるとしたら、日常的な授業としては成り立ちません。
クラスとして授業を行う場合、1時間で発表と個別指導の両方を確保するためには、3人から5人の生徒数でクラス編成を行う必要があります。
しかし、生徒数が1人や2人では、生徒相互の交流が少なくなりますから、クラスとしての授業の効果は薄くなります。
3人から5人という超少人数の生徒数でクラスとしての授業を行うことが必要になるのです。
■オンラインであること
1クラス4人程度でクラス編成を行う場合、その4人が学年も進度もばらばらでは、クラスとして交流できる面が限られてきます。
リアルな教室の場合、ある特定の教科に同じ学年の同じ進度の生徒が4人集まるということは、まれにしか起こりません。
しかし、オンラインの教室であれば、生徒数の増加に応じて、クラス編成を機動的に行うことができ、同学年同進度の生徒で4人程度のクラスを作ることができます。
また、オンラインの教室であれば、国語、数学、英語のような一般的な教科だけでなく、作文、暗唱、理科実験のような特殊な教科のクラスも4人程度の人数で作ることができます。
これからの教育は、参加する生徒どうしがコミュニティを作れるようなものになる必要があります。
今のオンライン教育は、ZOOMでの交流で、生徒どうしがリアルな教育と同じように親しくなることができます。
このオンライン教育に、季節的な行事としてサマーキャンプや遠足や修学旅行を組み合わせれば、この新しいオンライン教育は、これからの教育の標準スタイルになると思います。
■これからの教育
現在の教育は行き詰まっています。
ひとつは、能率の悪い一斉指導の詰め込み授業がいまだに行われていることです。
もうひとつは、生徒が受け身で授業に参加するだけで、自分の個性を生かして発表する場がほとんどないことです。
そして、今の教育では、生徒どうしが互いの交流の中で成長するというコミュニティの要素が限られています。
授業の中で個性が発揮でき、友達との交流があり、先生からの個別指導がある教育であれば、勉強はずっと楽しくなります。
今、学校に行きたくない子が増えているのは、現在のほとんどの教育が楽しくない勉強を行っているからです。
オンライン超少人数クラスの教育は、今日の教育の行き詰まりを打開する根本的な方法です。
この教育プラットフォームが基本になれば、今ある教育問題の多くは解決し、子供たちは思考力、創造力、共感力を育てる真に価値ある教育を楽しく受けることができるようになると思います。
■昔の話
過去をふりかえっても仕方ないので、以下の文章は補足です。読まなくてもいいです(笑)。
言葉の森は、1981年の創立当初から、「Online作文教室言葉の森」という名称で、オンライン教育ということ基本方針にしていました。
それは、オンラインであることによって、参加者どうしの自由な交流ができると考えていたからです。
リアルな教室であれば、授業のほとんどは先生の話を受け身で聞くだけで、生徒どうしが交流できるのは、休み時間や帰り道の時間だけです。
オンラインであれば、自宅に戻ってからも、他の生徒とのやりとりができると考えていたのです。
そこで、1996年のホームページ開設当初から、生徒と講師全員の個人別掲示板を作り、生徒や保護者や講師どうしが交流ができるようにしていました。ちょうど今のFacebookのようなイメージです。
この掲示板は、活発に交流している生徒もいましたが、時代が早すぎたために、活用する生徒はあまり広がりませんでした。
2013年にGoogleハングアウトというウェブ会議システムを使って、オンラインの授業を行うようにしました。
しかし、これも時代がやや早すぎたためか、参加者は新しいものにすぐに対応できる人に限られていました。そのかわり、この時期に参加した生徒は、みんな優秀でした。
2017年に、GoogleハングアウトからZOOMに切り替えました。
Googleハングアウトは、ときどき接続できない生徒がいるというトラブルがありましたが、ZOOMにはほとんどそういうことがなかったので、ウェブ会議システムを全面的にZOOMに代えることにしました。
しかし、この時点でも、ウェブ会議に参加する人はかなり限られていました。
参加者が増えたのは、2020年にコロナ休校があり、オンラインの教室に参加する生徒が増えたためです。
当時、ZOOMを使った授業は続けていましたが、多数の生徒をクラス分けする形にはしていなかったので、すぐにオンラインクラスシステムを作ることにしました。
これが、現在のオンライン4人クラスの教育プラットフォームになっています。
当時のオンライン教育は、どこも、IT先進国と言われるアメリカをはじめ、ただリアルな授業を動画で流すだけの単純なものだったので、少人数クラスの双方向の授業ができるのは、言葉の森だけでした。
現在も、オンライン超少人数クラスで全員参加型の双方向の教育を行っているところはほかにありません。
■■オンラインクラスは、スマホではなく、できるだけパソコンで参加を
●動画:
https://youtu.be/Z9J-pqoudIM
オンラインクラスの便利なところは、スマホでも参加できることです。
だから、ときどき、家に戻るのが間に合わないときに、車の中からスマホで参加する子もいます。
オンラインの授業は、このように機動的に対応できるのがいいところです。
しかし、自宅に戻ったときは、やはりパソコンで参加するほうがしっかり勉強できます。
これからの勉強は、受け身で先生の授業を聞くものではなく、生徒が主体的に授業に参加し、情報を入力したり発信したりするものになります。
また、授業を録画したり、必要なものをダウンロードしたり、キーボード操作をしたりする場合も、スマホやタブレットでは十分に対応できません。
だから、低学年の子供であっても、できるだけ早めに子供専用のパソコンを用意してあげるようにしてください。
OSは、両親が使っているものと同じ方が操作しやすいと思います。
メモリは8ギガぐらいある方が、動きが早いです。
ハードディスクの容量は、今は外付けUSBや外付けSSDが使えるのでそれほどこだわる必要はありません。
新しいパソコンには、ウイルスワクチンソフトがセットになっているものが多いですが、私はそれはアンインストールして、独自に自分がいいと思ったものを入れています。
キーボードはアルファベット入力を基本にした方が英語も打ちやすいのでいいと思います。
子供に文字入力をさせるときは、最初にタッチタイピング(ブラインドタッチ)を覚えさせるようにするといいです。
指がばらばらになってしまうと、ときどきキーボードを見ながら打つようになるので能率が落ちます。
メーカーは、中国製は当たり外れがあります。有名なメーカーのものでも、評判の悪いものがあります。
日本語表記が基本になっている日本製のもののが方がやはり安心できます。
値段は、あまり高いものは買わずに、安いものを早めに買い換える方がいいです。
クロムブックは軽くて便利ですが、ZOOMの表示が日本語になっていないことと、文章を入力する機能が弱いことが弱点です。
また、録画やダウンロードができません。
将来的には改善されると思いますが、今はまだパソコンの方が使いやすいです。
Windows11は、重要なファイルをOneDriveというサービスに自動的に入れる仕組みにしているために、ファイルを削除するときに警告メッセージが出ずにそのままゴミ箱に入れてしまいます。
ゴミ箱のプロパティで「削除の確認メッセージを表示する」にチェックを入れておくといいと思います。
ZOOMに参加して、自分の発言が聞き取りにくいと言われることがあったら、ZOOMのオーディオ設定で、音声入力をチェックしてみてください。
改善しないときは、外付けマイクをつけるようにするといいです。
ZOOMのオンライン授業は、原則としてカメラはオンのままで勉強します。
勉強中、カメラがオンになっていると気が散るという場合は、外付けカメラにしてカメラアームをセットし、勉強しているときはカメラを机上に向けておくといいです。
どういうものがいいかは、パソコンと机の周辺の環境とカメラの形状によって違ってきますから、あまり大げさなものは買わずに、簡単にセットできるもので試してみるといいと思います。