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● 言葉の森新聞2023年9月4週号 通算第1772号 (3263字) 言葉の森事務局 jun 2023年09月23日 09時43分
15331 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年9月4週号 通算第1772号
文責 中根克明(森川林)
■■9月29日(金)・30日(土)は休み
9月29日(金)・30日(土)は、第5週のため通年クラスの授業はありません。振替授業もお休みです。
■■第4週は清書。幼稚園生は作文(作文クラス)
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
■100-8051(住所はいりません毎日小学生新聞「さくひん」係(600字以内)
●新聞社に送る清書は市販の原稿用紙に
新聞社に送る清書は、市販の原稿用紙に書いてください。
その理由は、清書は個人で送るものなので、自分で用意した原稿用紙に書くのが、社会的なルールとなるからです。
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■作文クラスの新学期教材
9月21日、国内の生徒さんに新学期の教材を発送しました。
26日になっても届かない場合はご連絡ください。
★受験コースの課題フォルダは、今月中に別便で発送いたします。
■■9月保護者懇談会資料
●教室の移転
8月から教室を移転しましたが、40年間の蓄積のあるガラクタを処理するために、だいぶ時間がかかりました。
特に、本が大量にあり、ほとんどに傍線が引いてあるのでブックオフに出すこともできず、まとめて廃棄業者に持っていきました。
新しい教室は、かなりコンパクトになりました。
生徒は、すべてオンラインで、今は、通学生はいないので、これまでのように駅近くの便利なところに教室を置くという必要はなくなりました。
今度の教室は、近くのJRの駅からは徒歩30分のところです(笑)。
そのかわり、自然に恵まれていて、近くの山と水田のある広い公園があります。
教室の庭のサンショウの木には、毎日のように、アゲハチョウが卵を産みに来ています。
移転の作業が一段落しつつあるので、これから、ホームページの更新と指導運営の充実に力を入れていきます。
●低中学年の子育て
小学3年生までは、子供は親の言うことをよく聞きます。
しかし、この時期に、子供をコントロールしすぎないことが大事です。
子供は、小4のころから次第に自立を始めます。
大事なことは、子供が自立するようになっても、親子の対話が続けられることです。
そのためには、小3のころまでに、子供の自主性を尊重していくことです。
親のペースでやらせた方が能率がいいと思っても、親が指示するのではなく、子供の意向を汲みながらやっていくことが大事です。
勉強は、小3までは、難しいことは何もありません。
勉強の内容よりも、毎日同じ時間に同じ家庭学習をするという習慣をつけることです。
勉強よりも大事なのは読書です。
勉強は、学校でやっていれば十分と考え、家庭では読書中心の生活をしていってください。
読書をしている子は、学年が上がるにつれて学力が伸びていきます。
●高学年、中高生の子育て
高学年や中学生になると、親が子供の勉強を見ることは難しくなるように思いがちです。
塾などで勉強をしていると、親が見ても、すぐにはわからないことをやっているように見えます。
しかし、その場合でも、保護者は時々、子供の勉強の中身を見てください。
そして、子供ができなかった問題を、答えを見ながら一緒に解いてみるということもしてください。
テストの結果の点数を見るだけではなく、テストの中身を見ることが大事です。
小学5年生から、勉強に抽象的な要素が入ってきます。
国語も算数も理科も社会も、知識の勉強だけでなく考える勉強になります。
作文の課題も、小学5年生から急に難しくなります。
しかし、作文は、保護者が最も関わりやすい勉強です。
毎週の作文の課題をもとに、保護者が自分の体験をもとに似た話をしてあげてください。
作文の予習を通して親子の対話を続けると、子供の語彙力と思考力が向上します。
語彙力と思考力は、作文の勉強だけでなく、すべての勉強の分野に生きてきます。
高学年や中学生になると、勉強の量が増えるので、読書は後回しになりがちです。
小学生時代は、学校でも読書指導が行われますが、中学生以上になると、学校では読書指導はなくなります。
しかし、中学生、高校生の読書は、子供の思考力と感受性を伸ばす最も大事な学習です。
特に、中学生以上の生徒は、物語文だけでなく、説明文意見文の読書を進める必要があります。
読書については、子供が使える毎月の予算を決めて、ブックオフやアマゾンで自由に本を買えるようにしておくといいです。
今は、近所に書店がないところも多く、図書館を利用するのも不便なことが多いです。
学校の図書室を利用するのが、最も便利ですが、子供の興味関心が個性化してくると、図書室だけでは物足りなくなります。
子供時代の学習の基本は、学校での勉強とともに、家庭での読書と、さまざまな体験です。
社会人になったとき、学校の勉強はほとんど残りませんが、読書と体験は子供の人間形成として残ります。
子供に読書と体験を勧めるように、保護者も、日々新しい読書と新しい体験に挑戦するようにしてください。
●受験生の取り組み
受験勉強で大事なのは、志望校の過去問に取り組み、過去問の傾向を知り、今後の勉強の対策を立てることです。
しかし、子供のほとんどは、自分では過去問に取り組みません。
過去問は、家庭で、保護者がある程度強制して子供にやらせる必要があります。
過去問は、傾向を知ることが目的ですから、答えを見ながら解いてかまいません。
また、保護者も、過去問を、答えを見ながら一緒に解いてみてください。
そうすると、今後の勉強の方向がおのずからわかってきます。
そして、全教科の平均点が65%から70%を超えるようになるためには、どの教科に力を入れていくかを考えるのです。
受験勉強は、総合点が基準になるので、得意教科を伸ばす勉強ではなく、苦手教科を克服する勉強です。
人生は、得意分野を伸ばすことが大事ですが、受験は苦手分野をなくすことが大事です。
保護者が協力して、受験勉強の大きい方針を決めていくようにしてください。
そして、模試は毎月1回は受けるようにして、おおまかな合否可能性を把握するようにしてください。
重要度の順位は、第一に過去問、第二に模試です。
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● 言葉の森新聞2023年9月3週号 通算第1771号 (3593字) 言葉の森事務局 jun 2023年09月18日 09時44分
15289 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年9月3週号 通算第1771号
文責 中根克明(森川林)
■■9月18日(月)・9月23日(土)は「休み宿題」
カレンダーに記載してあるとおり、9月18日(月)・9月23日(土)は祭日のため「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
■■理想の勉強法は、低学年のころに頭をよくする勉強、高学年以降は思考力を伸ばす勉強(過去の記事の再掲)
最近、小学生の子の親御さんから、「子供の勉強が忙しくて余裕がない」という声をよく聞きます。
これが、今の受験体制のいちばんの問題です。
受験というものは、答えが決まっているので、その答えの解法を理解するために、知識を詰め込む時間が長いほど点数が上がるという傾向があります。しかし、ここで獲得した成績は、詰め込んだ成績ですから、それがそのままあとまで残るということはありません。
逆に、詰め込みの許容量が足りない場合は、この詰め込み勉強がもとで勉強嫌いになってしまうことも多いのです。
言葉の森でこれまで勉強してきた子を思い出すと、中学受験のころは勉強がよくできていたのに、その後伸びなくなった生徒や、逆に中学受験のころはのんびりしていたのに、高校生になってからぐんぐん頑張っていった生徒などが何人も思い浮かびます。
そして、小学校のときに勉強漬けだった子と、小学校のときに遊びほうけていた子が、結局同じ大学に合格したということもよくあるのです。
そこで、考えたのは、小学校低中学年までは頭をよくする勉強を中心にして、小学校高学年から中学生高校生にかけては思考力を伸ばす勉強をしていくという勉強の仕方です。
低学年のときの頭をよくする勉強とは、読書と暗唱と理科実験です。これらは、いずれの学校の勉強との直接の結びつきはありません。だから、学校や塾の成績を上げることを目標にして勉強している子と比べれば、成績は低くなることが多いです。
しかし、小学校低中学年のころの勉強の成績は、その子が高校生になるころには、意味がなくなってしまうことがほとんどなのです。
では、小学校高学年から、中学生、高校生にかけては何の勉強をするかと言えば、それは難しい文章を読める難読力と、考える文章を書ける作文力です。
この難読力と作文力も、中学や高校の勉強の成績とは、少しずれています。しかし、この難読力と作文力のある子が、いったん本気で受験勉強を開始すると、成績はぐんぐん伸びていくのです。
今、子供たちを見ていると、一昔前に比べて、読書力と作文力が大きく低下しているように見えます。
まず、長い文章を読み切れる子が少なくなっています。だから、近年の入試の国語は、長い文章を読ませることが多くなっています。
長い文章を読み切れなくなった原因は、ビジュアルな媒体が多くなったことと関係しています。書店に行くと、子供向けのコーナーには、学習漫画のような絵の助けを借りて読むようなものばかりが積んであります。
この読書力の不足は、国語の点数という形で現れるので、まだわかりやすいかもしれません。わかりにくいのは、作文力です。
かなり昔のデータですが、一般に小学生が授業時間で書く作文の字数は、学年の100倍から200倍でした。小学6年生では、600字から1200字というのが普通だったのです。
しかし、今、小学6年生で、コンスタントに1200字書ける子はかなり少なくなっています。実は、字数は、実力との相関が高いので、その子の作文力の目安となります。そして、600字しか書けない子は、いつも600字までしか書けません。
作文力の土台となっているものは、ひとつは語彙力で、その語彙力の背景にあるのは幅広い読書力です。
作文力のもうひとつの土台は思考力で、その思考力のもとになっているものは難読力です。
この作文力の低下は、将来、必ず大きな問題となってきます。今は、読解力の不足が問題となっていますが、それよりも大きな問題となるのは、作文力です。
私は、子供たちの将来の学力を考えたら、小学校低中学年のうちは、読書と暗唱を中心にして、高学年以降は、読解力作文に力を入れていくといいと思います。
そして、低学年から高校生まで共通しているのは、理科実験や創造発表という個性的な工夫をする勉強です。
数学や英語は、受験で差がつく勉強ですが、ある程度の時間をかければできるようになります。しかし、国語力と一口で言われる読解力と作文力と読書力は、短期間では育ちません。
だから、保護者が意識的に子供の読む力、書く力を伸ばす工夫をしてくことが大事なのです。
■■書く力、読む力の基礎は、幼児期の話す力、聞く力(過去の記事の再掲)
●動画:
https://youtu.be/snLI3_qQRI4
作文を書く力、文章を読む力のそもそもの土台は、幼児期の話す力、聞く力です。
それは、どうやって身につくかというと、身近なお母さんが子供と話をすることによってです。
昔は、今のように本も豊富にはなかったので、親は自分の知っている昔話の桃太郎などを何度も聞かせていました。それが、読み聞かせの代わりになっていたのです。
この方法は、今でも使えます。
子供に読み聞かせをするというのは、親にとって負担の大きいものです。
特に、子供は、同じ本を何度も読み聞かせしてもらおうとします。
親が読むのに飽きている本を、何度も聞きたがるのです。
そのときの対応法のひとつは、親がアドリブでオリジナな作り話を話してあげることです。
私がよくやったのは、「おもしろい話」です。「あるところに、真っ白な犬がいました。……その犬は、耳も白い、鼻も白い……」という話です。
何度、聞いていると、子供はそのオチがわかるので、途中でいろいろなつっこみを入れてきます。
すると、こちらも、話の展開を変えて、「しかし、尾だけは黒かったのです」などと話を急に変えるのです。
こういう読み聞かせなら、親も子も飽きません。
中学入試や高校入試で、面接や集団討論のあるところが増えてきました。
子供たちの中には、どんなことを聞いても、自分なりに考えて答える子がいます。
一方、すぐに、「わからない」と言ってすませてしまう子もいます。
この差は、かなり大きいと思います。
現在の入試は、結局知識の詰め込みで優劣が決まります。
考える問題であっても、考え方の方法をどれだけ詰め込んでいるかで差が出ます。
しかし、その考えの中身は、パズルのようなもので、それが何かの役に立つということはありません。
ただの頭の体操のような面白さなのです。
だから、いずれ今のような知識詰め込み型入試に対する見直しが起こります。
その見直しのあとにくるものは、面接による口頭試問と作文小論文になると思います。
その方が、本人の実力がはっきりわかるからです。
ただし、口頭試問はある程度時間をかける必要があります。
作文小論文は、1本だけの試験ではなく、複数のテーマで複数の作文の試験をする必要があります。
そうでないと、誤差が出てくるからです。
しかし、今の試験制度では、こうい時間をとることは難しいと思います。
そこで、使えるのが森リンという自動採点ソフトです。
数秒で採点するので、時間の負担ということはありません。
アメリカでは、すでにe-raterという自動採点ソフトが、高校生の作文評価にかなり広範に使われています。
しかし、こういうのを見ると、必ず批評する人が出てきて、この場合も、AIで高得点を取るが無意味な文章を綴る装置を開発した人がいたという話が出ていました。
ところが、これは、文章の自動採点というものを誤解しているのです。
森リンやe-raterが評価しているのは、作文ではなく、作文力です。
もし、無意味な文章を高得点で綴ることができる人がいたら、その人は、その作文の中身とは別に、かなり作文力があるということがわかります。
自動採点が評価しているのは、作文という作品ではなく、その作文を書いた人の作文力なのです。
いずれ、日本でも、こういう自動採点をベースにした評価が出てくると思います。
そのために大事なことは、受験のためのパズルのような知識を詰め込むことではなく、自分の個性を生かし、多様な読書をし、思考力を深めていくことなのです。
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● 言葉の森新聞2023年9月2週号 通算第1770号 (1986字) 言葉の森事務局 jun 2023年09月11日 11時35分
15272 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年9月2週号 通算第1770号
文責 中根克明(森川林)
■■日経DUALに、言葉の森のインタビュー記事 「将来の学力にも影響 小学校最後の3
年間で学ぶべきことは」
日経DUALに、言葉の森の中根へのインタビュー記事が載りました。
これは、主に小学4・5・6年生の保護者の方に、参考になる話です。
記事の全文は有料会員限定ですが、日経DUALは、いい記事が多いので、ぜひごらんください。
私は、小学4・5・6年生で、いちばん役に立つ勉強は、オンライン5人クラスで行う作文だと思います。
オンライン5人クラスでの授業は、毎週全員の読書紹介があるので、子供たちの読書が進みます。
また、言葉の森では、中学生以上の生徒には、物語文の読書だけでなく、できるだけ説明文の読書をするように言っているので、説明文の読書によって読解力だけでなく思考力も育ちます。
小学生のときの作文課題では、作文に書く実例を保護者にもインタビューするようにしています。
すると、お父さんやお母さんが、とてもいい話をしてくれることが多いのです。
この親子の対話によって、子供の語彙力が伸びます。
特に、小学5・6年生の課題は、人生や社会に関する話題が中心になりますから、親子で深い知的な話まで進むことが多いです。
今の中学受験の作文では、結びの感想の部分でどれだけ深いことが書けるかが大きな差になります。
そのときに、感想を書くための語彙力があることが重要になります。
こういう親子の対話は、子供が中学生になると反抗期になることもあって、なかなかできなくなります。
だから、小学校高学年の時期の作文は、親子の対話という点で、ほかでは得られない貴重な機会になるのです。
「将来の学力にも影響 小学校最後の3年間で学ぶべきことは」
https://woman.nikkei.com/atcl/column/23/101900012/083100020/
====引用ここから====
心身の成長が気がかりな未就学の時期、学習面のサポートが必要となる小学校低学年を過ぎ、わが子が「あっという間に小学校高学年になってしまった」と感じているママ・パパも多いのではないでしょうか。高学年になった子と向き合う上で親が心掛けたいこと、中学受験をするにしても、しないにしても小学校最後の3年間に家庭で取り組みたい学びなどについて、オンラインスクール「言葉の森」代表の中根克明さんに聞きました。
■新たな親子関係の構築を
まだ幼さの残る小学3年生までとは違い、小4以降は親に対する反発心から口答えをするようになったり、親の言うことを聞かず、素直に机に向かわなくなったりするかもしれません。小学校最後の3年間、親はどのようにわが子に向き合えばいいのでしょうか。また、この時期の過ごし方は将来にどう影響するのでしょうか。
オンラインスクール「言葉の森」代表の中根克明さんは「この時期は親子の対等な関係を築くチャンス」と言います。
「よく『10歳からは親の言うことを聞かなくなる』といわれますが、小学4年生以降になると親への反発心が生まれたり、嘘や隠し事、いじめが出てきたりします。わが子の急な変化に驚くかもしれませんが、それで親子関係が破綻するわけではなく、この時期に子どもとしっかり向き合い、信頼関係を築くことができれば、中学生以降に反抗期が来ても乗り越えることができます。
反対に言うことを聞かせようと親が抑えつけたり、勉強や行動を厳しく管理したりすると、将来必要となる自立心が育たないので要注意です」
中学受験をする家庭では、子どもが塾で過ごす時間がだんだんと長くなってきます。
「塾通いをしていたとしても小学校最後の3年間は中学入学前で、まだ時間的に余裕のある時期です。ぜひ、この時期にわが子の好きを伸ばし、親子で人生について話す時間をつくってください。その経験が将来の学力、経験にも生きてきます」
具体的には何をすればいいのでしょうか。詳しく聞いていきましょう。
■詳しくチェック!
・わが子が急に反発するようになったら?
・親は「損得勘定」で話さない
・小学校最後の3年間に必須の学びは〇〇と〇〇
・これからの子どもに学力よりも必要なことは
■次ページから読める内容
幼さが抜ける小4からの過ごし方は
高学年に必須の学びは
「経験」は親がさせるものではない
自分は何が好きで、何が得意かを分かっている子は強い
続きは、日経xwoman有料会員の方がご覧いただけます。
====引用ここまで====
■■【再掲】言葉の森の電話番号が変わりました
移転のため、言葉の森の電話番号が変わりました。
これまでのフリーダイヤルは使えません。
お電話は、045-353-9061(れよご さごさ くれろい)(平日9:00~19:30)にお願いします。
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● 言葉の森新聞2023年9月2週号 通算第1770号 (1986字) 言葉の森事務局 jun 2023年09月11日 11時35分
15271 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年9月2週号 通算第1770号
文責 中根克明(森川林)
■■日経DUALに、言葉の森のインタビュー記事 「将来の学力にも影響 小学校最後の3
年間で学ぶべきことは」
日経DUALに、言葉の森の中根へのインタビュー記事が載りました。
これは、主に小学4・5・6年生の保護者の方に、参考になる話です。
記事の全文は有料会員限定ですが、日経DUALは、いい記事が多いので、ぜひごらんください。
私は、小学4・5・6年生で、いちばん役に立つ勉強は、オンライン5人クラスで行う作文だと思います。
オンライン5人クラスでの授業は、毎週全員の読書紹介があるので、子供たちの読書が進みます。
また、言葉の森では、中学生以上の生徒には、物語文の読書だけでなく、できるだけ説明文の読書をするように言っているので、説明文の読書によって読解力だけでなく思考力も育ちます。
小学生のときの作文課題では、作文に書く実例を保護者にもインタビューするようにしています。
すると、お父さんやお母さんが、とてもいい話をしてくれることが多いのです。
この親子の対話によって、子供の語彙力が伸びます。
特に、小学5・6年生の課題は、人生や社会に関する話題が中心になりますから、親子で深い知的な話まで進むことが多いです。
今の中学受験の作文では、結びの感想の部分でどれだけ深いことが書けるかが大きな差になります。
そのときに、感想を書くための語彙力があることが重要になります。
こういう親子の対話は、子供が中学生になると反抗期になることもあって、なかなかできなくなります。
だから、小学校高学年の時期の作文は、親子の対話という点で、ほかでは得られない貴重な機会になるのです。
「将来の学力にも影響 小学校最後の3年間で学ぶべきことは」
https://woman.nikkei.com/atcl/column/23/101900012/083100020/
====引用ここから====
心身の成長が気がかりな未就学の時期、学習面のサポートが必要となる小学校低学年を過ぎ、わが子が「あっという間に小学校高学年になってしまった」と感じているママ・パパも多いのではないでしょうか。高学年になった子と向き合う上で親が心掛けたいこと、中学受験をするにしても、しないにしても小学校最後の3年間に家庭で取り組みたい学びなどについて、オンラインスクール「言葉の森」代表の中根克明さんに聞きました。
■新たな親子関係の構築を
まだ幼さの残る小学3年生までとは違い、小4以降は親に対する反発心から口答えをするようになったり、親の言うことを聞かず、素直に机に向かわなくなったりするかもしれません。小学校最後の3年間、親はどのようにわが子に向き合えばいいのでしょうか。また、この時期の過ごし方は将来にどう影響するのでしょうか。
オンラインスクール「言葉の森」代表の中根克明さんは「この時期は親子の対等な関係を築くチャンス」と言います。
「よく『10歳からは親の言うことを聞かなくなる』といわれますが、小学4年生以降になると親への反発心が生まれたり、嘘や隠し事、いじめが出てきたりします。わが子の急な変化に驚くかもしれませんが、それで親子関係が破綻するわけではなく、この時期に子どもとしっかり向き合い、信頼関係を築くことができれば、中学生以降に反抗期が来ても乗り越えることができます。
反対に言うことを聞かせようと親が抑えつけたり、勉強や行動を厳しく管理したりすると、将来必要となる自立心が育たないので要注意です」
中学受験をする家庭では、子どもが塾で過ごす時間がだんだんと長くなってきます。
「塾通いをしていたとしても小学校最後の3年間は中学入学前で、まだ時間的に余裕のある時期です。ぜひ、この時期にわが子の好きを伸ばし、親子で人生について話す時間をつくってください。その経験が将来の学力、経験にも生きてきます」
具体的には何をすればいいのでしょうか。詳しく聞いていきましょう。
■詳しくチェック!
・わが子が急に反発するようになったら?
・親は「損得勘定」で話さない
・小学校最後の3年間に必須の学びは〇〇と〇〇
・これからの子どもに学力よりも必要なことは
■次ページから読める内容
幼さが抜ける小4からの過ごし方は
高学年に必須の学びは
「経験」は親がさせるものではない
自分は何が好きで、何が得意かを分かっている子は強い
続きは、日経xwoman有料会員の方がご覧いただけます。
====引用ここまで====
■■【再掲】言葉の森の電話番号が変わりました
移転のため、言葉の森の電話番号が変わりました。
これまでのフリーダイヤルは使えません。
お電話は、045-353-9061(れよご さごさ くれろい)(平日9:00~19:30)にお願いします。
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● 言葉の森新聞2023年9月1週号 通算第1769号 (2449字) 言葉の森事務局 jun 2023年09月05日 08時31分
15230 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年9月1週号 通算第1769号
文責 中根克明(森川林)
■■言葉の森が移転しました――9月から新しい企画
9月1日に、言葉の森事務局が移転しました。
新しい住所と電話番号は、下記のとおりです
住所 233-0015 神奈川県横浜市港南区日限山4-4-9
電話 045-353-9061
FAX 045-353-9063
これまでの教室は、2020年まで通学生の皆様が在籍していたので、駅の近くで場所もかなり広いところでした。
しかし、20年のコロナ騒動の際、通学生の方には、オンラインクラスに切り替えていただきましたので、駅近くの広いスペースの教室は必要なくなりました。
そこで、自然の多い日限山4丁目に事務局を移転することにしました。
移転の日程が、8月29・30・31日でしたので、この3日間は、皆様からの電話やメールにほとんど対応することができませんでした。m(_ _)m
広い場所からの移転でしたので、廃棄した主なものは蔵書類約5,000冊で、毎日のように梱包作業をしていました。
しかし、今でもまだ蔵書が約2,000冊あるので、部屋がひとつ本だけで埋まっています(笑)。
新しい事務所は、駅から徒歩で30分ほどのところなので交通の便はあまりよくありません。
しかし、全員オンラインで勉強をしているので、ネット環境と郵便と宅急便さえあれば、場所の制約はありません。
移転作業が一段落しましたので、9月から新しい企画をいろいろ打ち出していきたいと思います。
ご期待ください。
■■日本の教育の現状と今後の展望――受験から実力へ、学校から家庭へ、点数から発表へ、競争から創造へ
日本の教育の問題点は、3つあります。
第一は、相変わらずの詰め込み受験教育が、学校でも、塾でも、保護者の意識の中でも続いていることです。
第二は、集団一斉指導というスタイルから抜けられない学校教育の仕組みが根強く残っていることです。
第三は、家庭教育の不在と、読書教育の不足が広がっていることです。
現在の教育の問題点から生まれている現象としては、不登校の増加、受験後の燃え尽き症候群の増加、指示待ち世代の増加などがあります。
新しく生まれているよい面は、次のようなものです。
第一は、総合選抜型入試の広がりです。
第二は、先進的な大学で行われつつある起業志向の教育です。
第三は、ネット端末の普及です。
今後必要な取り組みは、次のとおりです。
第一は、オンラインの少人数の対話型教育を進めることです。
この場合の少人数とは、5人程度の全員が交流し、全員が個別指導を受けられる人数のことです。
第二は、国語・数学・英語などの知識や技能を吸収する教育だけでなく、創造発表型の教育を行うことです。
具体的には、対話型の作文教育と読書教育、探究学習とも呼ばれている創造発表教育、そして、多様な個性を生かすプログラミング教育です。
第三は、このような教育に対応できる講師の研修です。
具体的には、評価のための講師でも、指導のための講師でもなく、多様な生徒の個性と意欲を促進するファシリテーター型の講師を養成する研修です。
このような教育の結果として、日本に多様な創造教育文化が生まれることが、これからの日本の復活につながります。
今後の経済の中心は、工業製品の需要から教育や文化の需要に移っていきます。
その場合の文化とは、音楽を聴いたり映画を見たりするような消費型の文化ではなく、一人ひとりが自分の個性を活かす創造型の文化です。
かつて、江戸時代の長い安定期を通して、茶道や俳句をはじめとする新しい文化が数多く生まれました。
それと同じようなことがこれから起こります。
そのひとつの象徴的な例は、「さかなクン」が行っている趣味とも仕事とも社会貢献のボランティアともつかない新しい「仕事」です。
言葉の森、このような展望のもとに、これからの教育を進めていきます。
具体的には、5人以内の対話型の作文オンラインクラスを広げることです。
生徒が増えれば、同学年、同レベルの生徒どうしの密度の濃い交流のもとに作文学習を進めることができます。
また、創造型の教育として、創造発表クラスとプログラミングクラスを広げていきます。
創造発表クラスは、集団型の探究学習ではなく、一人ひとりの個性を生かす新しい探究学習を行います。
プログラミングクラスは、今後ウェブ作成も取り入れ、女子も楽しめるプログラミング学習、自分の生活に活かせるプログラミング学習を行っていきます。
教科型の教育としては、国語読解クラス、算数数学クラス、英語クラスを広げます。
教科学習は、家庭での毎日の自主学習と、教室での毎週の個別指導と毎月の確認テストをセットにして学習を進めていきます。
教科型の学習によって、すべての生徒が、その実力に応じて、十分な全教科の学力をつけることを目指します。
また、今後、主に小1から小3を対象にした、国語・算数・暗唱・発表の総合学力クラス(基礎学力クラス)を発展させ、小4から小6を対象にした、国語・算数・英語・発表の新しい総合学力クラスを開始します。
更に、中1から中3を対象にした、国語・数学・英語・理科社会の全科学力クラスも開設する予定です。
これらの総合学力型のクラスは、週1回の授業と毎日の自主学習を組み合わせ、1クラスの受講で全教科がカバーできるようにします。
私は、ちょうど10年ほど前に、今後の教育の方向は、受験から実力へ、学校から家庭へ、点数から発表(文化)へ、競争から創造へとなると考えました。
この方向を発展させて、今後、オンライン少人数クラスの創造発表対話型の教育を進めていきたいと思います。
https://www.mori7.com/as/1922.html
https://www.mori7.com/as/1923.html
https://www.mori7.com/as/1924.html
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● 言葉の森新聞2023年8月4週号 通算第1768号 (2483字) 言葉の森事務局 jun 2023年08月22日 17時18分
15191 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年8月4週号 通算第1768号
文責 中根克明(森川林)
■■8月29日(火)・30日(水)・31日(木)は休み
8月29日(火)・30日(水)・31日(木)は、第5週のため通年クラスの授業はありません。振替授業もお休みです。
■■教科クラスの教材発送について
教科クラスの教材発送は、8月29日から9月3日までお休みさせていただきます。
8月28日以降にご注文いただいた分は、9月4日より順次発送いたします。
■■第4週は清書。幼稚園生は作文(作文クラス)
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
■100-8051(住所はいりません毎日小学生新聞「さくひん」係(600字以内)
●新聞社に送る清書は市販の原稿用紙に
新聞社に送る清書は、市販の原稿用紙に書いてください。
その理由は、清書は個人で送るものなので、自分で用意した原稿用紙に書くのが、社会的なルールとなるからです。
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■8月保護者懇談会資料
8.4週は、オンラインクラスで保護者懇談会を行います。
作文個別で受講されている方は、クラス懇談会はありませんが、懇談会への参加を希望される方は、中根が担当しているクラスにご参加ください。
時間は、17:00、18:00、19:00のそれぞれのクラスの30分か45分ごろから行う予定です。
会場には、早めに入っていただいてもかまいません。
※会場に入りましたら、どなたかがわかるように、名前を「お子様の名前のひらがな」に変えておいてください。
●言葉の森の移転
9月1日から、言葉の森が移転し新住所になります。
234-0054 横浜市港南区港南台日限山4-4-9
それに伴い、電話番号も変わります。
これまでのフリーダイヤルは廃止し、電話は045-353-9061になります。
フリーダイヤル廃止の理由は、電話が今後時代遅れになるからです。
基本は、ネットで対応できるようにしていきます。
10月までは、これまでの電話番号に電話されても、転送先の電話の案内が入ります。
●夏期講習について
中根が9月からの移転作業という個人的な理由のために、夏期講習の体制が十分にできませんでした。m(_ _)m
特に、夏期講習の作文については、まだ作文クラスを受講されていない方のニーズがかなりあるはずでしたが、十分に広報活動ができませんでした。
9月以降、新しい企画で対応してきたいと思います。
●読書記録に対する提案
夏期講習の「中学生の国語読解とディスカッション」は、毎回、かなり充実した議論をしていました。
しかし、そこで感じたのは、問題集の問題文の文章を読み取れる生徒と、あまり読み取れない生徒がいることでした。
問題文が読み取れない理由は、普段の読書で、説明文や意見文の本を読んでいないことです。
これは、国語の勉強以前の問題です。
そこで、今後、中学生以上の生徒は、読書記録を行う場合、説明文の本を基準とするとしたいと思います。
もちろん物語文の本も、感受性を育てる面がありますから、普段の読書は、物語文と説明文の二本立てで2冊以上を並行して読んでいくといいと思います。
物語文の読書は娯楽の読書、説明文の読書は学問の読書と考えておくといいです。
小学校高学年の生徒も、できるだけ物語文の読書と説明文の読書を並行して読んでいってください。
●自習室の活用状況
毎日朝から夜まで、数人の生徒が参加していました。
家庭でひとりで勉強するときは、自習室でやるということが習慣になるといいと思います。
●プレゼン発表室
プレゼン発表室は、月を選択しないと送信できないなど、操作しにくいところがありました。
今後改善し、作文、創造発表、プログラミングのクラスは、発表が学習の目標になるようにしていきたいと思います。
●読書記録
読書記録が定着してきました。
学習記録から送信した分は、クラス名が表示されますが、読書記録から直接送信した場合、クラス名や講師名が表示されないので、今後改良したいと思います。
●確認テスト
確認テストで、生徒の学習度がかなりはっきりわかるようになりました。
毎回高得点を取れる生徒は、学習を進め先の学年まで勉強をするようにしてください。
毎回低得点の生徒は、今後、学年を下げて学習することも考えていきます。
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● 言葉の森新聞2023年8月3週号 通算第1767号 (4626字) 言葉の森事務局 jun 2023年08月16日 09時15分
15172 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年8月3週号 通算第1767号
文責 中根克明(森川林)
■■9月1日から言葉の森が移転します
言葉の森は9月1日から移転します。
8月29日(火)より移転作業に入ります。
8月29日から31日までの3日間は5週目で事務局は休みとなり、電話に出られませんのでよろしくお願いいたします。
▽新住所・電話番号
〒233-0015 横浜市港南区日限山4-4-9
TEL 045-353-9061 FAX 045-353-9063
■■【再掲】【重要】作文講座の受講料値上げと自習室活用のお知らせ(2023年9月より)
作文クラスと作文個別の受講料は、これまで月額8,800円で運営しておりましたが、この9月から月額9,900円に値上げさせていただきます。
インフレが進む中、誠に申し訳ありませんが、今後の指導の充実のため、よろしくご了解くださるよう申し上げます。
現在、作文クラスは、授業中に作文を書き始めるので、未提出になることはほとんどありません。
しかし、作文個別の生徒の中には、先生の電話指導のあと、作文の勉強を後回しにしてしまう生徒もいます。
そこで、今後、作文を書き終えないうちは、できるだけ自習室のZoom会場に参加して、その日の作文を書き終えるまでは自習室で勉強をしていただくということにしたいと思います。
自習室は、午前8時から午後8時まで先生がおりますが、先生がいなくなる午後8時以降も、そこで勉強を続けることはできます。
また、作文の目標字数も、学年の200倍以上を基準とし、小6以上はコンスタントに1200字以上書ける実力をつけていきたいと思います。
作文は、これからの勉強の中で最も重要ですので、すべての生徒が作文力を向上させられるようにしていきたいと思います。
なお、受験作文コースの料金も、9月から、小中高生ともに、現行の受講料+3.300円から、受講料+4,400円に値上げさせていただきます。
受講料の値上げが重なって申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
■■8月より読解検定の開始時間が変わります
8月より、読解検定の時間が変わります。
毎月第4週目の土日の17時から17時45分までになります。
(これまでより1時間早くなります。)
■■読書は感受性と思考力を育てる
読書には、大きく分けて、物語文の読書と説明文(意見文も含む)の読書があります。
物語文の読書のひとつの役割は、感受性を育てることです。
本を読んで感動するとか、本に夢中になるとかいうときの読書が、感受性を育てる読書です。
本の内容に感動するためには、ある程度の長さの本であることが必要です。
子供たちの読書記録を見て少し気になるのは、最近、短い文章を集めた本が多いことです。
「5分後に意外な結末」とか、「10分で読める名作 ○年生」のような本です。
もちろん、こういう本も読んでいいのです。
しかし、読書好きな子は、こういう本を物足りなく感じるはずです。
今の社会風潮で、手軽にあらすじがわかるようなものが求められているので、こういう本が出てくるのだと思います。
子供に薦める物語文の本は、じっくり読めるものにする必要があります。
低学年の生徒が読む本には、絵本と字の多い本があります。
本を読んで感動するという点では、絵の多い本も字の多い本も同じです。
しかし、絵本では、読む力は育ちません。
読む力が育たないと、本を読む楽しさがわかりません。
絵本ばかり読んでいると、絵本の次に続く字の多い本が出てきません。
親の読み聞かせも含めて、低学年のうちから、字の多い本の面白さがわかるようにする必要があります。
字の多い本で、低中学年の子に薦めたいのは、「かいけつゾロリ」のような、面白いがそれなりに文章がしっかりしている本です。
こういう本で字の多い本の面白さに目覚めたあとに、本格的な物語文の本に進んでいくといいのです。
講談社の青い鳥文庫は、漢字にすべてふりがなが振ってあります。
低学年の子でも、ふりがながあれば読み進められます。
ただし、本選びは、内容的に面白いものであることが必要なので、親が中身に必ず目を通しておくことが大切です。
有名な本だから読ませるというのは、あまりよくありません。
本の中には、子供が成長してから読んだほうがいいものもあります。
それを、有名だからという理由で低中学年のうちに読ませると、その本の本当の価値がわからないまま、読み終えたということになります。
こういうことを理解するためには、親自身が本好きであることが必要です。
小学生の間は、絵の多い本よりも字の多い本、短い文章が集まった本よりも長いひとつづきの本ということを基準に本選びをしていくといいと思います。
小学校高学年や中学生以上の生徒の読書については、物語文よりも説明文の本ということが基準になります。
問題集読書で、子供に問題集の問題文を音読させてみると、ほとんどの生徒が、一つの文章で1か所か2か所読み間違いがあります。
なぜ読み間違いがあるかというと、そういう語彙にそれまで接したことがなかったからです。
1か所も読み違いなく問題集の問題文を音読できる生徒は、それだけで国語の力があることがわかります。
そういう生徒は、読解問題の解き方のコツを理解するだけで、すぐに国語の成績が上がります。
読み違いのある生徒は、解き方のコツを理解しても、少し難しい文章になると読み取れなくなります。
この差は、説明文の読書をしているかどうか、又は、問題集読書を毎日しっかりしているかどうかの差です。
説明文を読む力は、国語の力にとどまりません。
日本語の説明や意見という抽象的な語彙を読み取る力は、実は思考力なのです。
川島隆太さんの記事が参考になります。
▽「読書をする子は楽々と平均点を超える」
https://magazine.chichi.co.jp/articles/5698366208/
勉強は、成績を上げますが、頭をよくするわけではありません。
読書は、成績を上げませんが、頭をよくします。
だから、小学生時代に本をよく読んでいる人は、中学生、高校生になるにつれて、国語だけでなく全教科の成績がよくなります。
反対に、小学生時代に本をあまり読まずに勉強ばかりしている人は、しばらくは成績がいいとしても、中学生、高校生になるにつれて、成績が低迷していきます。
現在、オンラインクラスでも行っている読書紹介は、子供たちの読書量を増やす上で大きく役立っています。
友達の読んでいる本を見て、読書の質を高める面もあります。
しかし、本の内容が、まだ不充分だと感じることはよくあります。
そこで、今後、読書紹介としてみんなに紹介するような本は、小学生の場合は、字の多い本、中学生の場合は、説明文の本ということを基準にしたいと思います。
もちろん、読書は、いろいろな本を並行して読むものですから、絵本を読んだり、短い話の集まった本を読んだり、面白い物語を読んだりすることは、いいことです。
しかし、それと並行して、娯楽の読書だけでなく、学問の読書をしていくということを意識していくことが大事なのです。
■■「読書ゼロ冊」の予備軍にならないために(過去の記事の再掲)
小学生の子は、誰でも普通に本を読みます。
それは小学生の間は、学校が読書に力を入れているからです。
しかし中には、「読書は学校でやっているから家では読まなくてもいい」と言う子がいるのです。
こういう子は、中学・高校生での読書ゼロ冊の予備軍になります。
読書は人に言われて一応読むというのでは不十分です。
読書が大好きで、本がなければ夜も日も明けないぐらいになっておく必要があるのです。
そういう読書大好きの子を育てる最初の一歩が、毎日10ページの読書です。
読書が苦手な子は、最初はぎりぎり10ページ読み終えて、「ああ、やれやれ」という読み方でもいいのです。
本には、読み手を引き付ける力があります。
いつかおもしろい本に巡り会い、1日で思わず1冊読み終えてしまったという日が来るのです。
大事なことは、子供に対する「読書10ページ」の目標を、親の目標にしないことです。
親の目標は、読書大好きの子供を育てることです。
小学校時代の学力とは、算数の計算力でも国語の漢字力でももちろん英語力でもなく、読書力に尽きるからです。
子供の今の成績を見てわかるのは、勉強しているかどうかだけです。
その子がどう伸びるかは、今の成績ではわかりません。
子供の将来の伸びがわかるのは、どういう読書をしているかによってです。
しかし、この読書の差は、目につく機会はほとんどありません。
だから、子育ての基本は、気長に読書好きの子を育てることに尽きると言ってもいいのです。
昔の子供は、よく本屋さんで立ち読みをしました。
それで、はたきで追い払われたり(笑)。
しかし、今はそういう身近な本屋さんがあまりありません。
だから、アマゾンなどで試し読みできるようにしておくといいのです。
1ヶ月いくらまでは本を買ってよいというようにしておけば、子供はだんだん本を選ぶことが上手になります。
しかも、kindleは6台の端末で共有できるので、同じ本を、兄弟も、両親も、田舎の祖父母も読むことができます。
読書を中心とした生活は、やり方によっては、昔よりもずっと容易になっているのです。
■■言葉の森が提案した読書感想文の書き方(過去の記事の再掲)
言葉の森が読書感想文の指導を始めるまで、読書感想文のわかりやすい書き方というものはありませんでした。
それまでは、感想文というと、感想を書くものだと思う人が多く、同じようなことを何度も書くような書き方になりがちでした。感想や意見というものは、本質的にはシンプルなものなので、それを長く引き伸ばして書くことはできないのです。
また、感想を書くかわりに、あらすじを長々と書くような子もよくいました。小学生の勉強としては、感想文を書くよりも、このようにあらすじを書く方がずっと勉強にはなるのです。しかし、あらすじを長く書くだけでは、書く方も、読む方も、面白くありません。
言葉の森が提案した感想文の書き方は、似た例を通して題材をふくらませ、そのふくらんだ題材から感想を書くという書き方です。しかも、これを抽象的な理屈として説明するのではなく、「第一段落には何を書いて、第二段落には何を書いて」と、子供たちに誤解の余地のないように説明したので、誰でも簡単に感想文が書けるようになったのです。
感想文の書き方の具体例は、言葉の森のホームページの右上にある「ホームページの全記事」のフォームで検索できます。ここに、「読書感想文」という文字を入れて検索すると、書き方の例が多数出てきます。
読書感想文の書き方―小学校低中学年
http://www.mori7.com/as/537.html
読書感想文の書き方―小学校高学年
http://www.mori7.com/as/538.html
読書感想文の書き方―中学生
http://www.mori7.com/as/539.html
「桃太郎」を例にした感想文の書き方
http://www.mori7.com/as/1314.html
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● 言葉の森新聞2023年8月2週号 通算第1766号 (2338字) 言葉の森事務局 jun 2023年08月10日 16時09分
15165 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年8月2週号 通算第1766号
文責 中根克明(森川林)
■■「大学進学者の8人に1人が辞めている」ことから考える勉強の本当の目的
次のような記事がありました。
「大学進学者の8人に1人が辞めている衝撃の事実。指定校入学者8割、一般入試10割という中退例も…大学側が伏せる不都合な真実とは」
https://news.yahoo.co.jp/articles/27c40b20b97317e8b978a155acc74cd98d6edf57?page=1
私がこの記事を見て思ったのは、そもそも「大学に入ることがゴール」になっていることが問題なのではないかということです。
今の保護者と保護者の両親、つまり子供にとっての父母と祖父母は、過酷な受験競争を経てきた世代です。
父母と祖父母の若いころは、多くの人にとって大学に入ることが勉強のゴールでした。
大学の先は、どこか適当なところに就職すればいいので、何しろいい学校に入っておきさえすれば、あとは何とかなるという考えでよかったのです。
だから、今の子供たちの教育の目標も、多くは、「いい大学に入ること」になっています。
そのために、いい高校に入ること、いい中学に入ること、いい成績を上げることが勉強の目的なのです。
そして、受験勉強のノウハウは、学習塾や予備校によって、現在はかなり完成度が高くなっています。
だから、塾や予備校で先生の教えたとおりのやり方でやれば、成績が上がるという仕組みになっています。
しかし、そのノウハウの基本は、よく出る問題の解法の詰め込みです。
大人の敷いた完成度の高いレールに沿って、ただひたすら時間をかけて詰め込めば、その詰め込み度に応じて成績が上がります。
だから、今の受験勉強は、かつての中国の科挙に似てきています。
科挙に合格した人は、中国全土の最も優秀と言われた人たちです。
合格すれば、本人だけでなく、一族も一生安泰でした。
しかし、その最も優秀な科挙の合格者によって支えられた清朝政府は、西欧の侵略に為すすべもなく屈服しました。
おおまかに言えば、科挙の合格をゴールにした人たちに、国を支える力はなかったのです。
今の受験勉強の勝者も似ています。
小学生のころから、ひたすら受験を目標にした勉強生活を続け、中学、高校と勉強中心の生活を続け、念願の大学にゴールインしたあと、大学から先の目標がなくなってしまう人が多いのです。
それは、実は、大学はゴールではなかったからです。
社会に出て、自分らしい仕事をすることこそが、永続するゴールです。
社会に出て、仕事をし、リーダーになり、自分が理想とする社会を目指して日々努力することがゴールなのです。
その大きいゴールから考えれば、途中の過程は、多少省略してもいいものです。
小学生のときに遊んでばかりいて勉強しなかったなどというのは、将来のゴールにとっては何のマイナスにもなりません。
苦手な科目があるとか、勉強があまり得意でないとか、自分の好きなことばかりしているとかいうのも、何のマイナスでもありません。
大事なことは、マイナスをなくすことではなく、プラスを伸ばすことです。
小学校、中学校、高校と、自分の好きなことをして(勉強も、もちろんしていいのですが)、大学に入った人は、大学では更に自分の好きなことに磨きをかけ、そのまま社会に出ていきます。
社会に出てから活躍することが、本当の目標なのです。
今の子供たちの両親と祖父母の世代は、子供の教育に対する考え方を軌道修正する必要があります。
現在の多くの人の教育観のもとになっているものは、一部は高度経済成長時代の価値観で、もう一部は停滞した安定社会を前提とした価値観です。
しかし、これからは、そういう時代ではありません。
新しい時代は、すべての人に創造性が求められる時代です。
新しい時代の教育の目標は、簡単に言えば、ゴールが大学に入ることではなく、社会に出て社長になることと思えばいいのです
大学の中退者が多いという問題の対策も、中退者を減らすことではなく、大学の先のゴールを作ることこそが本当の対策です。
ところで、自分の好きなことをして社会に出て活躍するというのは、ユーチューバーになったり、タレントになったり、スポーツ選手になったりすることではありません。
それは、今の社会の既成の枠に乗って勝者を目指すだけの生き方です。
他人につけられる順位は、一時的にしか自分の生きる目標になりません。
社会に出てさまざまな生活をしたり仕事をしたりする中で、その経験を通して感じた矛盾を自分らしく解決することが創造性のある新しい仕事の出発点です。
だから、学生時代は、さまざまな本を読み、さまざまな経験をし、自分を高めていくことが目標で、そのさまざまな経験の中に勉強することも入っているということです。
勉強は、いい学校に入るための手段ではなく、自分を向上させるための手段なのです。
私は、言葉の森で勉強する子供たちを、将来どんな大学に入るかということで見ていません。
子供たちがそれぞれ、将来、どんな社長になるかということで見ています。
今、成績がいい子も、成績が悪い子も、それぞれ個性を生かして、自分の得意分野で社会のリーダーになっていけばいいのです。
■■【合格速報】東京学芸大学附属国際中(編入試験)
東京学芸大学附属国際中(編入試験) I.Hさん
<担当講師より>
とても吸収力のある生徒さんでした。受験コースに取り組んだのは短い期間でしたが、ぐんぐんと書く力をつけていってくれました。引き続き、作文クラスを受講してくださるとのこと。さらなる成長が楽しみです。
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● 言葉の森新聞2023年8月1週号 通算第1765号 (5579字) 言葉の森事務局 jun 2023年08月01日 14時42分
15141 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年8月1週号 通算第1765号
文責 中根克明(森川林)
■■8月11日(金)は休み宿題
カレンダーに記載してあるとおり、8月11日(金)は祭日のため「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
■■6月の森リン大賞(中1の部)
6月の学年別の森リン大賞を紹介しています。
https://www.mori7.com/oka/moririn_seisyo.php
今回は、中1の6月の課題です。
蜩(ひぐらし・かなかな)さんは、ニックネームからもわかるように、動物や植物が好きなのでしょうね。
ベニテングダケについての体験実例が個性的なので、ここで表現語彙の点数が高くなっています。
構成は、複数の理由をしっかり書き、そのあとに具体的な実例を書いています。
中学生の作文は、理由を書かずにすぐに実例を書いてしまう人が多いので、この構成の仕方をよく覚えておきましょう。
結びの「……という名言がある」という表現は、「……という言葉がある」と書くほうが一般的です。
無知であることのよい面というのは、面白い見方ですね。
6月の森リン大賞(中1の部253人中)
捉われない発想(清書)
蜩
ひとつの美術作品にむかいあうときに、知識が頭の中にたくさんあればあるほど、一点の美術品をすなおに、自分の心のおもむくままに、見ることが困難になってくる。では、われわれは知る必要がないのか、勉強する必要もなく、知識をうる必要もないのか、というふうに問われそうだが、これもまたちがう。そのへんが非常に微妙なのだが、柳宗悦が戒めているのは、知識にがんじがらめにされ、自由で柔軟な感覚を失うな、ということだろう。私は余計な知識があると先入観を持ってしまい、自分の素直な気持ちで、ものを捉えられなくなると思う。
第一の理由に知識のせいで先入観を持ってしまうかもしれないからだ。 私は自然が好きだ。自然であれば、ほとんどのものが好きである。したがって、自然についてはそれなりに知識がついているつもりだ。しかし、その知識が覆ってしまう時もよくある。例えばキノコだ。キノコも、もちろん好きだ。しかし、毒キノコを絶対に生きものは食べないという先入観があった。ある日、テレビでキノコ特集の番組を見ていたときだ。そこにベニテングタケというキノコが出てきた。ベニテングタケはカサが赤色で白い点々があり、いかにも毒キノコというキノコだ。昔からハエトリタケとして利用されてきた猛毒キノコでもある。もちろんどんな動物も食べられない。それが私の先入観だった。しかし、ベニテングタケを食べる動物がいたのである。その動物は鹿だ。私はこれを知ったときは天と地がひっくり返った気分だった。この時、先入観に捉われているのだということを実感した。このように先入観で物事を見ていると、思わぬ事が起きた時に頭が混乱してしまうことがあるのだと思う。
第二の理由に、余計な知識を持たずに先入観を持たないほうが、新しい発想や発見があるからだ。なぜなら、昔は太陽は地球の周りを回っていると思われていた。しかしその常識にとらわれずに研究をした結果、地球が太陽の周りを回っていることが分かったのだ。最近では、高校生の自由研究でセミは大人になって数ヶ月生きているなど、世の中の常識がいつでも覆されているのである。先入観がなければ新しい発想が生まれてくる。私が小さい頃、仲間を線でつなごうというゲームをやっていた時だ。その中で魚とカニを結ばなかったらしい。なぜなら、魚は水の中にいるけれど、カニは陸にもいるからだったそうだ。このように先入観がなければ、さまざまな発想が生まれるのだと思う。
たしかに危険なことや、テストや授業の内容を理解してから取り組んだり、絵や作品などを作者の表現したかったことを予め知っておいてから先入観を持って見るのも、楽しいかもしれない。しかし「行動するためには、多くのことに無知でならなければならない。」という名言があるように、新しい発想を得たかったり、自分の思ったことで感じたい時には一度裸の心で向き合ってみるべきである。したがって余計な知識をつけずにものと向き合うことが大切である。先入観のない柔軟な人間になりたいものである。
■■6月の森リン大賞(中2の部)
6月の学年別の森リン大賞を紹介しています。
https://www.mori7.com/oka/moririn_seisyo.php
今回は、中2の6月の課題です。
中2の森リン点の高得点1位はヨーヨ君の「フィクションの功罪」でしたが、思考語彙の点数がかなり高く、硬すぎる文章になっていたため、代表作品になりませんでした。
しかし、とてもよく考えて書いていることがわかりました。
あえてりさんの文章は、説明と実例がバランスよく書けているので、難しい内容でありながら読みやすい文章になっています。
総合化の主題は、直感と論理の二つの選択を超えた熱意という点でよくまとめています。
総合化の主題は、折衷案になりやすいものですが、複数の意見の比較を超えた新しい意見として提案しているところがよく考えられています。
名言は、「という名言があるように」と書くよりも、文章中にそのまま地の文と同じ流れで入れていっていいですよ。
6月の森リン大賞(中2の部161人中)
直感か、論理的な思考か
あえてり
社会には直感で動いてしまう人間と何事にもしっかり考える人間がいる。人が答えを導き出すまでの過程を大きく二つに分けた時、それは直感的思考と論理的思考に分けられる。直感は、感覚的なもので、考えずにピンとくる、なんだかこんな気がするというような説明がつかないひらめきのことを指す。論理的思考は、物事を筋道立てて整理し、矛盾や飛躍のないように考えることを指す。考えるものと、考えていないもの。一見まるで真反対なようにも見えるが、細かく見ていくと直感と論理的な思考は案外紙一重なのかもしれない。
理屈に縛られない直感は良い。世の中の偉大な発明や発見は主にひらめきから生まれたということを忘れてはいけない。詩を書くときは論理的に考えるより、閃いた感情をありのまま書いた方が深みのある詩になり、人々に影響を与えられるだろう。スポーツでも、どのルートを通ってシュートするのかを周りにいる敵も計算に入れながら順に求めるのではなく、直感で誰が一番入りそうかなどといった明確な根拠に欠ける自信で出た答えを使った方が結果が出ることがある。直感は時にとても役立つ。例えば私は前クラスでクイズ大会をしていた時に究極の二択からの選択を迫られた。そこで答えなんか知る由もなかったので、当てずっぽうで当てたら会っていた時があった。それに、理科の勉強をしていた時も、天気図を見てどこから風が吹いているか当てないといけなかったのだが、分からなかったのでそれっぽいのを選んでみたらなんと合っていた。世間ではよく直感で考えるのは良くないと言われているが私たちは案外日常生活で知らないうちに活用しているのかもしれない。
一方、論理的な思考も大切である。当たり前のことだが、直感だけに頼っていたらいつか大きな失敗をしたり事故に巻き込まれるだろう。物事を論理的に考え、本能ではなく現実的に考えるのが賢く生きる基本だ。数学でも、答えだけあっていても意味がない。その答えをどう導き出したのかを証明できないと本当に合っているとは言えない。論理的に考えた方が物事を正確にできるだろう。例えば私は最近本の分析の論文を書いているのだが、もし作中に窓が使われていたらなぜ筆者はドアではなく窓を使ったのか。窓は出入りはできず、もどかしく見ていることしかできないからここで筆者は主人公の不自由さを表したかったのではないか。といった感じに論理的に考えないと先生から高い評価をもらえない。それに加え、論理的に説明した方が相手によりよく伝わる。例えば私が三年生だった時、「なぜなら」を使いましょうと授業で教わった。せっかくなので、家に帰ってお母さんにスマホを買って欲しい理由をなぜならの理由付きで説明したらなんと待望のスマホを買ってもらえた。このように、利益を得るには根拠を示して論理的に説明することが効果的である。
確かに、直感にも論理的思考にもどちらにも良さがある。片方が一方的に悪いというわけではなく、用途によって相応なものとそうでないものがあるだけだ。だから、『知識がはしごを作ったのではなく、二階にあがりたいという熱意がはしごを作ったのだ。』という名言があるように、良い作品を作る上で重要なのは辿り着くまでに用いた思考法ではなく、物事を達成したいという熱意である。熱い気持ちがあってこそ、直感や論理などの思考を駆使して行動ができるのである。
■■6月の森リン大賞(中3の部)
6月の学年別の森リン大賞を紹介しています。
https://www.mori7.com/oka/moririn_seisyo.php
今回は、中3の6月の課題です。
1位の作品は、意見と説明中心の文章で、構成が伴っていなかったので代表作品となりませんでした。
2位の作品は、最初、代表作品に選ばれましたが、第一段落が要約になっていたため、代表作品になりませんでした。
清書の場合は、要約が入ると森リン点が高くなってしまうからです。
ゆうゆうさんの作品は、専門知識と一般教養の比較を身近な実例でわかりやすく説明しています。
複数の方法の第一は、自分のための方法で、第二の方法は、社会のあり方の方法になっています。
このようにバランスの取れた構成は大事です。
結びの第四段落は、もう少し長く書いてもいいと思います。
名言の引用は、「という名言があるように」という書き方でもいいですが、「という言葉があるように」と書くか、または、地の文の中に入れて書いていくといいです。
ゆうゆうさんが第二の方法で書いているように、確かに、今の中学の教育は、生徒に必要なことを学ばせるよりも、生徒に点数の差をつけることを目的にしているように見えます。
こういう問題意識を持ち続けて、これからも本当に必要な勉強していってください。
6月の森リン大賞(中3の部132人中)
知識の付け方
ゆうゆう
「フォースプレイ」「インフィールドフライ」という言葉を知っているだろうか。野球選手の中ではこの言葉を知らないという人はいないだろう。このような、初心者には関係ないように思われる難しい単語。実は中学生の教科書に載っているのである。近年、私達の社会では専門化が進んできたように思う。そこには数え切れないほど多くの専門家たちが存在するし、それぞれの分野で社会を担ってきた。専門家とはその道を極めた人物であり、我々一般人には到底理解ができないほどの知識を持っている。しかし、彼らは自分の道を外れた途端にただの大衆のうちの一人へと化す。つまりどんなに専門的な知識を持ったところで、世界の中心にはなれないということである。
第一の方法として、色々なことに興味を持つことだ。自分の好きなものだけ、興味のあることだけを追求してしまうと、周りを見ようともせずに突っ走ってしまう事が多い。自分の好きなものにとらわれ、それを追いかけている途中にだって、魅力的なものはたくさんあるはずだ。だからこそ、自分だけの考えばかりに気を取られるのではなく、他人の意見に耳を傾けてはどうだろうか。私はチョコレートが好きだが、「この会社のこの味だけが好き」というわけではない。ミルクチョコレートもビターチョコレートも、中にナッツが入っていてもフルーツ味でも、チョコレートが好きなことには変わりない。むしろ色んな味を知っていることで、チョコレートの世界の奥深さを体感することができる。自分だけの小さな世界の中にいるより、もっと大きな自分の知らない世界に行ってみたくはないだろうか。そこにはきっと自分の知らない新たな発見が見つかるだろう。
第二の方法として学校教育が、もっと幅広い知識を身につけることに重点を置くことだ。現代の学校は一つ一つの授業が難しい内容を扱っており、全体的に授業の難易度が高いように感じる。学校というのは本来、私達が生きていく上で必要なことを学ぶ場所だろう。社会では今、より難しい知識を持っている人材が求められているかもしれない。しかし、本来の教育とはより良い社会の形成者を育むためのものだ。それなのに、体育の野球の授業では、ポジションの名前やゲームの流れを覚えなければならない。しかし私は、将来大谷翔平になる予定はないのである。いくら野球の歴史を学んだところで、その知識の使い道が見つからない。つまりこのような専門的な知識より、スポーツの歴史などの幅広い分野を学ぶべきではないだろうか。私達が学ぶべきものは、もっと大きなものである。
確かに自分の好きなことを追求することは良い。それだけ夢中になれる物があることは、幸せである。しかし、「辞書のような人間になることではなく、辞書をうまく使えるような人間になることが真の目的である。」という名言があるように、私は狭い専門的な知識ではなく幅広い教養のある人間になりたい。
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● 言葉の森新聞2023年7月4週号 通算第1764号 (6221字) 言葉の森事務局 jun 2023年07月21日 19時11分
15115 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年7月4週号 通算第1764号
文責 中根克明(森川林)
■■7月保護者懇談会資料
7.4週は、オンラインクラスで保護者懇談会を行います。
作文個別で受講されている方は、クラス懇談会はありませんが、懇談会への参加を希望される方は、中根が担当しているクラスにご参加ください。
時間は、17:00、18:00、19:00のそれぞれのクラスの30分か45分ごろから行う予定です。
会場には、早めに入っていただいてもかまいません。
●作文講座、9月より9,900円に値上げ
すでにお知らせしましたが、作文講座の受講料を9月から9,900円に値上げさせていただきます。
言葉の森の今後の運営上どうしても必要な値上げになりますので、誠に申し訳ありませんが、ご理解いたただきたくお願い申し上げます。
この値上げに対応して、今後、講師からの連絡や言葉の森事務局からのこまめの連絡に更に力を入れていきます。
そして、すべての生徒が高校生まで作文の勉強を続け、立派な小論文を書く力をつけていかれるようにしていきたいと思います。
【重要】作文講座の受講料値上げと自習室活用のお知らせ(2023年9月より)
https://www.mori7.com/as/4789.html
●自習室の活用を
自習室は、言葉の森の生徒であれば、どなたでも利用できます。
自習記録に、その日に勉強する予定の時間と内容を入れ送信し、そのあとZoom会場にお入りください。
https://www.mori7.com/teraon/js.php
夏休みに入り、朝から、何人かの生徒が自習室で自習を行っています。
カメラはオンにして、机上に向けて取り組むようにしてください。 みんなの勉強の雰囲気がわかると、やる気が出ると思います。
自習室に先生がいる時間は、朝8時から夜8時までですが、それ以外の時間も自由に入っていただいて結構です。
●4週目は発表室の利用も
作文、創造発表、プログラミングは、これまではそのクラスの中での発表しかありませんでした。
今後は、みんなが見られるようなオープンな発表の週にしていきたいと思います。
プレゼン発表室には、試験運用中の発表作品がいくつか入っています。
https://www.mori7.com/pre/
特に、作文のパソコン入力をしている生徒は、発表作品はすぐに作れますから、4週目は、できるだけ発表室にも作品を入れておいてください。
創造発表クラスの作品は、夏休みの自由研究コンテストなどに出品する目標を持って発表していくといいと思います。
プログラミングクラスの作品は、まだそこまでのレベルに行っている人は少ないかもしれませんが、実力をつけてコンテストに出品するという目標を持って勉強をしていってください。
●読書記録が1500件以上に
読書記録が、すでに1500件以上になっています。
https://www.mori7.com/teraon/ds.php
同じ学年の人の読んでいる本を見ると、自分の読書を発展させるきっかけになります。
特に、同じ学年の生徒が読んでいる説明文の本を参考に、本選びをしていくといいと思います。
読書力は、学力の最も確実な土台です。
読書によって理解力が進み、表現力が豊かになります。
読書は、勉強と同じかそれ以上のものとして、家庭で毎日取り組んでいきましょう。
●確認テストで実力が客観的にわかる
6月から、国語読解クラス、算数数学クラス、英語クラスで、それぞれの教科の確認テストを行うようにしました。
確認テストは、今後毎月行います。
一部に、送信しても入力できないという問題があるようでしたが、コード・パスワードが入っていないのが原因というケースもありました。
もし、送信しても答えが入力できないようでしたら、事務局にお電話ください。
一緒に画面を見ながら原因を考えていきます。
この確認テストによって、生徒の実力が客観的にわかるようになりました。
特に、算数数学と英語は、問題集に対応した確認テストですので、真面目に勉強していれば必ずできるようになる問題です。
答えは2回送信できるので、2回目までに100点になるようにがんばっていきましょう。
確認テストで、現在の実力がわかるようになったので、これまで育伸社で行っていた学力テストは、今後行わないことにしました。
しかし、小6、中3、高3の受験生は、全国模試を受ける必要がありますから、8月以降は、それぞれの家庭で全国模試を探して毎月受検していってくださるようお願いします。
●作文ノートの利用と字数の数え方
7月から作文用紙を廃止しました。
作文ノートは、作文用紙のように散逸することはないので、保存しやすくなります。
作文ノートには、200字詰め(20マス10行)、120字詰め(15マス8行)、150字詰め(15マス10行)などさまざまな規格があります。
中には、162字詰め(18マス9行)など、意味不明のものもあります(笑)。
この作文ノートを使うときに、最初の1ページ目から書くと、最初のページは、片面になってしまいます。
次のページからは見開きになりますが、最初だけ片面だと、写真を撮るときに体裁が悪くなります。
【5ページの作文を書いた場合】
┏━━━━┓
┃ ┃1ページ目
┃ ┃(文字が横になることが多い)
┗━━━━┛
┏━━┳━━┓
┃ ┃ ┃
┃ ┃ ┃2、3ページ目
┃ ┃ ┃
┃ ┃ ┃
┗━━┻━━┛
┏━━┳━━┓
┃ ┃ ┃
┃ ┃ ┃4、5ページ目
┃ ┃ ┃
┃ ┃ ┃
┗━━┻━━┛
これを最初からこのようにすると、体裁がよくなります。
┏━━┳━━┓
┃ ┃ ┃
┃ ┃ ┃1、2ページ目
┃ ┃ ┃(前のページは空のこともある)
┃ ┃ ┃
┗━━┻━━┛
┏━━┳━━┓
┃ ┃ ┃
┃ ┃ ┃3、4ページ目
┃ ┃ ┃
┃ ┃ ┃
┗━━┻━━┛
┏━━┳━━┓
┃ ┃ ┃
┃ ┃ ┃5ページ目
┃ ┃ ┃(6ページ目は空になることもある)
┃ ┃ ┃(空ページには絵などをかいてもいい)
┗━━┻━━┛
撮影は、ぜひこのように工夫してみてください。
●作文ノートの字数の数え方
作文ノートの使い方と字数の数え方は、次のようにします。
ただし、これは一応の基準ですから、全員がそうしなければいけないというものではありません。
標準の書き方として参考にしてください。
1行目に、3マス空けて題名を書きます。
2行目に、下から1マス空けて名前を書きます。
名前は、できるだけニックネーム(ペンネーム)にしてください。 3行目から、本文を書き出します。
★字数は、1行目の題名、2行目の名前も、それぞれ1行分の字数として数えます。
全体の字数を数えやすいことを優先します。
★200字詰め(20×10行)の作文ノートを使っている人以外、つまり、小学校低学年の人は、できれば、作文の末尾に、カッコ書きで字数を書いておいてください。
いろいろな字数と行数のノートを見ると、先生が字数を数えるときに苦労するからです。
申し訳ありませんが、できるだけ末尾に字数記録ということをお願いします。
●個人面談は、いつでも受け付けます
個人面談を希望される方は、そのつど講師にご連絡ください。
授業のあと10分程度の時間を取って面談に対応します。
●総合学力クラスの暗唱ミニ検定
総合学力クラスは、3週目に暗唱ミニ検定を行います。
これは、5級の途中までも、できたところまでをミニ検定として評価するものです。
小学校低学年のうちに暗唱力をつけておくと、あとで大いに役立ちますから、総合学力クラスの生徒は、暗唱ミニ検定を目標に毎日暗唱の家庭学習に取り組んでください。
https://www.mori7.com/askt/
●プログラミングクラスは、HTMLにも取り組みます
プログラミングクラスは、昨年は、Scratch→Micro:bit→JavaScript→Pythonで取り組んでいました。
今年は、Scratch→JavaScript→Pythonとしていますが、今度、ScratchのあとにHTMLも取り組むことにしました。
Scratchが終わった小学校高学年、中学生、高校生の方は、次のHTMLの本を用意して、取り組んでいってください。
HTMLは、ウェブページの基本で、自己紹介のページなどを楽しく作れるので、やりがいがあると思います。
今やっているものがあれば、それが終わってからで結構です。
改訂版高校生からはじめるプログラミング(KADOKAWA)
https://www.amazon.co.jp/dp/4046052228/
■■第4週は清書。幼稚園生は作文
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
■100-8051(住所はいりません毎日小学生新聞「さくひん」係(600字以内)
●新聞社に送る清書は市販の原稿用紙に
新聞社に送る清書は、市販の原稿用紙に書いてください。
その理由は、清書は個人で送るものなので、自分で用意した原稿用紙に書くのが、社会的なルールとなるからです。
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■7月29日(土)・30日(日)・31日(月)は休み
7月29日(土)・30日(日)・31日(月)は、第5週のため通年クラスの授業はありません。振替授業もお休みです。
■■「小学校最初の3年間」が増刷第9刷、「小学校最後の3年間」が増刷第5刷に
2016年に発行された「小学校最初の3年間で本当にさせたい『勉強』」が第9刷になりました。
https://www.mori7.com/e/honn4.jpg
また、2020年に発行された「小学校最後の3年間で本当に教えたいこと、させておきたいこと」が第6刷になりました。
https://www.mori7.com/e/honn6.jpg
みなさん、ありがとうございました。
いずれの本も、今見ても内容的に古いところはありません。
子育ての基本は、昔から変わっていません。
さかのぼれば、貝原益軒の「和俗童子訓」のころから、子育ての基本は共通しています。
「中学生になる前に、勉強に取り組む姿勢を作る」
(2015/11/04の記事)より引用
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貝原益軒が81歳のときに著した教育論「和俗童子訓」では、「予(あらかじ)め」という考え方が中心になっています。問題が生まれてから対策を考えるのではなく、問題が生まれる前に対策を立てて実行しておくという考えです。
これは、中学生の勉強にもあてはまります。
中学生になる前、つまり小学生のまだ親の言うことをよく聞く時期に、親が指図して勉強をさせることだけに力を入れるのではなく、子供の自覚を促す勉強の仕方に力を入れるのです。
小中学生の勉強は、難しいと言ってもたかが知れています。特に小4までの勉強は、やれば誰でもできるようになる簡単な勉強です。この時期の勉強でよい点を取るようなことはどうでもいいことです。
だから、よい点を取ることに力を入れるのではなく、何のために勉強するのかという勉強に取り組む姿勢を伝えることに力を入れていくのです。
そのためには,例えばテストなどでも、点数を見るのではなく、その点数の中身を見ることです。
ひとつの例として言えば、次のようなことです。
子供がテストを見せて、「このテストの最後の方は、時間がないから適当に選んだら○になって百点になった」などと言ったとき(まれな例ですが)、親は、「それは、よかったね」などと言うのではなく、穏やかに次のように言うのです。
「勉強は、自分自身を向上させるためにやるのだから、時間がなかったりわからなかったりしたら、答えを適当に書かずに、ちゃんと×にしてもらうんだよ。悪い点数を取った方が自分のためになるんだからね」
こういう一言が、子供が中学生になったときに生きてくるのです。
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今、言葉の森は、オンライン小人数クラスという新しい教育に取り組んでいます。
これが、言葉の森の「予め」の教育です。
オンライン小人数クラスの教育の中身は、作文、創造発表、プログラミングという、従来の教育では見落とされていた主体的・創造的な学力を伸ばす学習が中心です。
国語読解、算数数学、英語の教育は、自主学習の力を伸ばす教育です。
最近、探究学習という言葉が盛んになりましたが、言葉の森が昔から作文教育や創造発表教育で行っていたことは、その探究学習の先取りだったと言ってもいいと思います。
しかし、言葉の森の教育は、単なる探究学習ではありません。
オンライン少人数クラスの教育は、対面式の集団指導教育とも、単なる個別指導教育とも、動画配信の教育とも違います。
これからの教育で大事なことは、少人数の友達や先生とのコミュニティの中で学ぶということです。
だから、オンラインクラスでは、発表と対話の時間を授業の中に取り入れています。
こういう教育は、5人以内の少人数のクラスでなければできません。
単に知識を能率よく詰め込む教育ではなく、また、単に思考力と創造力を伸ばすだけの教育ではなく、そこにもうひとつ共感力を育てる教育ということが大事になってきます。
それは、なぜかというと、人間の生きる目的は、幸福、向上、創造、貢献だからです。
教育も、大きくは、その人間の生きる目的に沿ったものとして考えていく必要があるのです。
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● 言葉の森新聞2023年7月3週号 通算第1763号 (9582字) 言葉の森事務局 jun 2023年07月14日 19時21分
15079 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年7月3週号 通算第1763号
文責 中根克明(森川林)
■■7月17日(月)は「休み宿題」
カレンダーに記載してあるとおり、7月17日(月)は祭日のため「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
■■夏期講習が始まります――読書感想文、国語読解、算数数学、プログラミングなど
2023年は、7月21日(金)~8月27日(日)を夏期講習期間とします。
夏期講習は、在籍生か、在籍生のご兄弟か、自動振替を手続きを取られた方が参加できます。
非在籍生で、夏期講習を希望される方は、あらかじめ自動振替の手続きをおとりください。
夏期講習は、いずれも1コマから受講できます。
簡易一覧表は、こちらをごらんください。
https://www.mori7.com/mori/online_class.php?kid=yy
それぞれの講座の詳しい説明は、オンラインクラス一覧表の「発」と書いてある発表室に書かれています。
https://www.mori7.com/teraon/shlist.php?kjb=20230723
●小学3~6年生の読書感想文
(平日朝8:00~8:45)ささみ先生
(平日朝9:00~9:45)ささみ先生、あおかに先生
(1コマ2,200円)
指定図書のいずれかを選択し、その本について4日間で1200字の読書感想文を書きます。
課題図書は、「宇宙人のいる教室」「川は生きている」「道は生きている」「杜子春」「モモ」です。
宇宙人のいる教室(さとうまきこ フォア文庫)[小3~小6向き]
予習シート
川は生きている(富山和子 講談社青い鳥文庫)[小4~小6向き]
予習シート
道は生きている(富山和子 講談社青い鳥文庫)[小4~小6向き]
予習シート
杜子春(芥川龍之介 講談社青い鳥文庫)[小5~小6向き]
予習シート
モモ(ミヒャエル・エンデ 岩波書店)[小6向き]
予習シート
(複数の出版社から出ている本については、どの出版社のものでもかまいません。)
●小4~中3の算数数学
(月・水・木・土朝9:00~9:45)ゆほやこ先生
(1コマ1,925円)
夏期講習ということで、新しい教材に取り組むと、モチベーションは上がりますが、途中までやって終わりという結果になることが多いです。
まずは、持っているテキストの基礎部分を1冊きちんと終わるようにサポートします。
通常授業でかなり進んでいると思うので、例題類題は飛ばし、練習問題を確実にしてもらいます。そこでできない問題は例題に戻る形で学習します。
●中学1~3年生の国語読解とディスカッション
(平日朝9:00~9:45)なね先生
(1コマ1,925円)
発展新演習の国語問題文をもとにディスカッションをし、そのあと読解問題を解き、間違えたところを理詰めに説明する練習をします。
この講座で、読解問題の解き方がわかり、短期間で国語力がアップする講座です。
教材は、全員共通のものにするため、どの学年の方も、「発展新演習国語中3」をご用意ください。
▽自主学習教材注文フォーム
https://www.mori7.com/teraon/jgkyouzai.php
●小4~高3対象Excel初歩から関数・VBAプログラミングまで
(平日朝10:00~10:45)みわ先生
(1コマ1,925円)
Excel入力の初歩から関数、VBAまでレベルに合わせた受講が可能です。
初心者→入力の基礎から始め、表の簡単な集計を目指します。
中級者→関数、VBAを使って計算ドリルのプログラミング作成をします。
テキストは、各自ご用意ください。
◆初心者(入力の基礎から始めたい人)
「いちばんやさしいエクセル超入門」
https://www.amazon.co.jp/dp/4815608962
◆中級者(関数やVBAに挑戦したい人)
「Excel VBAのプログラミングのツボとコツがゼッタイにわかる本[第2版]」
https://www.amazon.co.jp/dp/4798065188
保護者の方も参加できます。
●ミニ・ビブリオバトル(定員6名)
(火・木朝10:00~10:45)あおかに先生
(1コマ1,925円)
ミニビルリオバトルで本の紹介をして、チャンプ本をめざします。
1、普段から読んでいる本の中からおすすめしたい本、面白いと思った本を一冊選び、約3分程度の紹介スピーチを準備してご参加ください。(公式ルールの発表時間は5分ですが、このクラスでは3分とします。)
2、順番に1人3分で本の紹介をします。
3、発表の後は参加者全員でその発表に関するディスカッションを2?3分行います。
4、全ての発表が終了後に読みたくなった本に投票をして、最多票を集めた本をチャンプ本とします。
★こちらのクラスでは、一週間前に参加生徒が3人未満の場合はキャンセルとさせていただきます。
●小5~高3対象のホームページ作成
(平日・土朝11:00~11:45)みわ先生
(1コマ1,925円)
FTPソフトを使い自分のホームページを作成します。ソフトのインストールができる生徒専用のパソコンをご用意ください。
テキストは、各自ご用意ください。
「改訂版 高校生からはじめるプログラミング」
https://www.amazon.co.jp/dp/4046052228/
■■【連絡】国数英の確認テストは毎月1週目から――確認テストの点数が低かった人は、問題集の切り替えを
確認テストを本格的に行ったのは6月4週からです。
生徒にあまり負担がないように、その月の分の確認テストをするようにしました。
しかし、そうすると、6月4週に欠席した生徒は、確認テストができないことになってしまいます。
そこで、7月からは、1週目も含めてできるだけ早い時期に確認テストに取り組み、そのあとの週は間違いの見直しをするというふうにします。
ところで、中学生の確認テストは、難しい問題集をもとにしていたため、点数の低い生徒もいました。
点数の低かった生徒は、現在の問題集ではなく、標準的な問題集に切り替えて勉強を進めていってください。
教材注文のページで、標準新演習の問題集を注文し、それをもとに、毎回100点が取れることを目標に勉強していってください。
https://www.mori7.com/teraon/jgkyouzai.php
■■低学年のときほど、作文クラスの楽しい授業を――勉強で大事なことは長続きすること
言葉の森の作文指導は、小1から高3まで幅広く行っています。
(実際には、幼長の生徒も、社会人の生徒もいますが。)
小1や小2のころの作文の勉強は、最初のうちは、家庭でお母さんが教える形でも進めることができます。
しかし、やがてお母さんが教える作文指導では、子供は嫌がるようになるのです。
それは、お母さんが教えすぎるからです。
作文は、教えすぎると苦手になります。
学校でも、作文指導に熱心な先生のクラスになると、多くの子が作文が苦手になります。
得意になるのは、いつも褒められる数人の子だけです。
作文は、教えすぎてはいけないのです。
言葉の森では、作文個別指導と作文クラス指導のふたつの指導形態があります。
作文個別は、先生とマンツーマンで教えてもらう指導です。
作文クラスは、5人以内のクラスで、みんなで一緒に作文を書く指導です。
どちらの方が子供の勉強が長続きするかというと、明らかに作文クラスの方なのです。
その理由は、言葉の森の先生は教えすぎることはほぼありませんが、ほかの生徒が見えない中で、自分の子の作文だけを見ているお母さんが教えすぎてしまうからです。
お母さんが教えて書かせる作文は、最初のうちはとても上手です。
そのままコンクールに応募できるような立派な作文を毎回書きます。
手抜きをして書くようなことは全くありません。
そういう作文を書いている子が、突然やる気がなくなり、作文を書くことを嫌がるようになるのです。
それは、教えられすぎたからです。
作文クラスの場合は、同学年のほかの子の作文を見る機会があります。
どんなことを書くか、互いに発表し合う時間もあります。
読書紹介や一人一言の自由発言の時間もあります。
そういう対話と交流の中で、多少上手な子やそれほどでもない子がいても、みんな、ほぼ同じような経験したり、考えたり、書いたりしていることがわかります。
だから、作文の勉強に無理がないのです。
そして、将来、もっと大事になることは、小学1年生のころから一緒のクラスで作文を書いていた子は、高学年になり、中学生になり、高校生になったときに、幼馴染(おさななじみ)の生徒どうしになることです。
上の学年になったときは、作文以外に、国数英の勉強を一緒にしたり、創造発表やプログラミングの勉強を一緒にしたりするかもしれません。
小学校低学年のころから一緒に勉強していた子と、大きくなってからも一緒に勉強できるということは、なかなか得られない貴重な経験になります。
人間は、知識だけを合理的に吸収する勉強をしているわけではありません。
その勉強の中で、同じ場所と時間を共有する友達や先生と一緒に勉強しています。
これがコミュニティ教育という概念です。
今は、学校や塾が、このコミュニティの役割を果たしていますが、やがて少子化の進展の中で通学の教室には限界が出てきます。
しかし、単に動画を見るだけのオンライン教育では、生徒どうしのつながりはできません。
5人以内のオンラインの少人数クラスで、いつも同じ友達と一緒に勉強する仕組みがこれから必要になるのです。
このことは、まだ多くの人に理解されていないように思います。
生徒どうしの読書紹介や、発表と質問と感想の時間や、一人一言の自由発言の時間を、無駄なおしゃべりの時間と思っている保護者の方もいると思います。
しかし、それはそうではないのです。
対話と交流の中で勉強することが、これからの教育の最も重要な要素になります。
小学校低学年のクラスでは、読書紹介や一人一言の時間に、みんな生き生きと発言しています。
こういう生きた時間を共有することが、これからの教育には必要になるのです。
ところで、5人以内の少人数クラスを多数運営することは、きわめてコストのかかる経営形態です。
1対1の個別指導や、10人以上の集団指導であれば、もっと低コストで運営することができます。
しかし、今後の教育を考えた場合、個別指導でも、集団指導でもなく、少人数のクラス単位の個別指導が重要だと考えるので、言葉の森では、これからもこの少人数クラスを運営していくつもりです。
今回は、9月からの作文受講料の引き上げをすることになり、誠に心苦しく思いますが、ぜひ事情をご理解くださるようお願い申し上げます。
■■国語の成績アップなんて超簡単
「国語の成績アップなんて超簡単」というのが、私の実感です。
前に、何度か書きましたが、大学入試前の高3の生徒4、5人に、8月ごろ、センター試験の国語を試しにやらせたら、みんな、平均点近くの60点ほどでした。
その生徒たちは、みんな、私立の高校に通っていて、成績のいい生徒ばかりです。
それで、生徒1人について2、3時間、なぜその選択が違うのかということをじっくり説明すると、次の週から、みんな100点近い成績を取るようになったのです(笑)。
ただし、説明文の難しい本をあまり読まず、小説のような本ばかり読んでいる子は、易しい文章では高得点を取れるようになったのに、少し難しい文章になると、なかなかいい点数が取れませんでした。
国語力は、難読力と理詰めの読解力の2つでできてます。
小学生の場合は、そこに速読力が入ります。
速読力は、速読の練習で身につくのではありません。
小学校低中学年のころに、楽しく読書をした経験によって身につきます。
だから、言葉の森では、毎日の読書、毎日の問題集読書、毎月の読解検定の分析という勉強法をしているのです。
しかし、国語読解クラスの勉強は、まだ不充分なところがあり、授業には毎週出ているのに、あまり読書をしていない子、あまり問題集読書をしていない子、読解検定の分析をあまりしていない子などがいます。
国語の勉強は、数学や英語の勉強と比べ、手が抜きやすいのです。
そこで、今度、夏期講習で、中学生を対象に国語読解講座を開くことにしました。
本当は、高校生も対象にしたいのですが、共通の教材で勉強する方が話がしやすいので、中3の教材をもとに、中1から中3の生徒対象の国語読解講座にしました。
そして、私は、勉強は、知識を吸収するだけでなく、自分で発表したり対話をしたりすることが大事だと思うので、夏期講習の国語読解講座は、「国語読解とディスカッション」というタイトルにしています。
国語読解には、正解がありますが、ディスカッションには正解がありません。
大事なことは、自分なりの考えを言えることです。
その考えは、今はまだ未熟なものでいいのです。
偉い人の話を受け売りすることではなく、間違ってもいいから自分で考えたことを言うのが大事なのです。
国語読解の力をつけたい人、自分の考えを言いたい人は、ぜひ夏期講習の国語読解講座に参加してください。
■■塾に行かなくて済む勉強――本当の勉強はコミュニティ教育――自習室はこれからカメラオンに
三題噺(ばなし)のようなタイトルになりましたが。
私(森川林)は、昔の世代なので、塾や予備校に通ったことはありません。
昔は、それが普通でした。
だから、うちの子2人も同じでした。
しかし、みんなから珍しがられたようです。
私は、勉強はひとりでやった方が能率がいいのだから、人に教えてもらうのは時間の無駄だと思っていました。
しかし、今は、学校の教育力が低下しています。
行事などが盛んなわりに、勉強は塾や家庭でカバーしてもらっているようなのです。
ネットの記事で、ChatGPTが家庭教師の代わりになるという話が載っていました。
「ChatGPTを家庭教師にした子の成績「驚きの結果」、家庭教師を雇えなかった子にも教わるチャンス」
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/ad3f91aa442c74a7020c8ab6ddadde35ad20247e
今はまだ、ChatGPTは、子供にとってそれほど使いやすいわけではありません。
しかし、近い将来には、子供が、解いている問題をパソコンのカメラでChatGPTに見せて、音声で、「どうして、この答えがこうなの」と聞くと、ChatGPTが音声とテキストでていねいに答えてくれるという時代になります。
わざわざ塾に行ったり、家庭教師に来てもらったりする必要はなく、自宅でChatGPTと対話をして勉強していけばいいのです。
では、学校の役割は何になるかというと、これは誰もが言っていることですが、リアルな人間関係や自然との関わりを学ぶ場になります。
勉強は家庭でやって、学校は遊ぶ場になるということです。
塾や家庭教師は、要らなくなります。
しかし、本当は、実は学校も要らないのです。
学校は、30人から40人の生徒をまとめて教えるという制約から、子供に対する管理が強すぎます。
決まった時間に、決まったやり方で、決まったことをしなければ叱られます。
学校に行くメリットよりも、学校に行くデメリットを感じる子が多いから、今のように不登校が年々増加しているのです。
子供たちの教育で大事なことは、知識を学ぶことが一方ではありますが、それは家庭でのAI教育で間に合うようになります。
もうひとつ大事なことは、友達との発表や対話や交流というコミュニティ活動の中で、個性と創造性を生かして学ぶことです。
コミュニティと個性の両方が必要です。
個性と創造性を生かす教育とは、作文、創造発表、プログラミングなどの教育です。
そういう新しい教育ができるのは、塾でも学校でもありません。
それが、言葉の森が進めているオンライン少人数クラスの寺子屋的な教育なのです。
しかし、勉強には、個性や創造性の前に、ある意味で退屈な基礎学力の習得という面があります。
基礎学力が伴わない個性や創造性は、あまり社会に役立つものにはなりません。
退屈な勉強もしっかりやっておく必要があるのです。
その退屈な勉強を、自宅で一人でやるのではなく、友達のいる中でやるのが、オンラインの自習室です。
https://www.mori7.com/teraon/js.php
また、自宅で読んでいる本を発表する場が、オンラインの読書記録です。
https://www.mori7.com/teraon/ds.php
自習室は、当初、誰もが参加しやすいように、カメラオフで参加してよいとしていました。
しかし、何人かの子が、カメラオンで、カメラを机上に向けて勉強していました。
勉強で大事なのは、周囲の雰囲気です。
ほかの人がやっている様子が見えると、自分も自然にやる気が出ます。
そこで、今後、カメラオンを基本にし、できればカメラは机上に向けるようにするということにしました。
カメラを机上に向けるには、外付けカメラが必要になります。
外付けカメラが用意できない場合、自分の顔をわざわざ映さなくていいので、カメラを天井などに向けて何しろカメラオンでやっていくということにします。
勉強のよくできる子は、毎日の勉強時間がほぼ決まっています。
「小学生が宿題をするタイミング、「学校から帰ってすぐ」がダントツ1位 =「おうち教材の森」調べ=」
https://ict-enews.net/2023/07/07arinna/
しかし、小学校高学年や中学生になると、勉強時間が本人任せになるので、勉強のきっかけがなかなかつかめない子や、テストの前だけ集中するムラのある勉強をする子が増えてきます。
オンライン自習室に入る時刻を家庭で決めておけば、家庭学習も取り組みやすくなります。
保護者が仕事のために家に戻れない場合でも、子供の自習記録を見れば、どういう勉強をしていたのかが一目でわかります。
また、仕事からの帰宅の途中に、スマホで自習室に入り子供の勉強の様子を見ることもできます。(やる人はいないと思いますが(笑))
私は、当初、勉強は自分ですればいいのだから、自習室をわざわざ利用する人はそれほど多くないだろうと思っていました。
しかし、高校生ぐらいになっても、勉強は自宅でするよりも、図書館などに通った方が気持ちが切り替えられるという人は多いと思います。
家庭で、子供の自習時間を決めておき、その時間になったら、とりあえず自習記録をつけて自習室に入り、自分で決めた時間だけ自習室で勉強するというようにすれば、自宅学習もやりやすくなります。
そのために、カメラオンで自習室に入るということをこれからの基本にしていきたいと思います。
次々に、話が広がってしまいましたが、塾不要――コミュニティ教育――自習室というのは、ひとまとまりの新しい教育の話なのです。
■■夏休みは自習室を利用して勉強しよう
夏休みは、夏期講習に行く人も多いと思います。
夏期講習は、勉強のきっかけを作ることには役立ちます。
言葉の森の夏期講習にも、今年は、作文、国語、算数数学、プログラミングなどの講座があります。
しかし、夏期講習で1日のほとんどの勉強をするというのは、いいやり方ではありません。
人に教わることが中心になる勉強は、自分が本当にしたい勉強とは違っているからです。
夏休みの勉強の仕方でいちばんいいのは、自分で予定を立てて勉強することです。
しかし、これは、勉強の自覚ができた高校生のころなら何とかできますが、小中学生の間に、自宅でひとりで勉強するというのはなかなかできません。
もちろん、宿題があったり、両親が見守っていたりする中で、学年×15分ぐらいの勉強をすることは、大して難しくありません。
また、小学生のころは、勉強に時間をかけるよりも、もっと新しい経験や読書に時間をかけていことが大事なので、長時間の勉強は必要ありません。
しかし、中学生や、受験を考えている小学校高学年の生徒は、ある程度の時間をかけて勉強する必要があります。
それは、今の受験が、まだ知識中心の試験になっているからです。
そこで、難しくなるのは、夏休みなどの長期休暇のときに、学校で勉強するのと同じ感覚で、ある程度の勉強時間を確保することです。
多くの生徒は、そこで夏期講習などに行くことになるのだと思いますが、最初に書いたように、塾や予備校の夏期講習は、本人の勉強にとっては無駄もまた多いのです。
言葉の森では、現在、オンラインの自習室を開いています(無料です)。
https://www.mori7.com/teraon/js.php
まだ始めたばかりなので、参加する生徒は毎日5人ぐらいですが、これから次第に増えていくと思います。
カメラはオンにして机上に向けて参加するようにしたので、みんなの勉強の雰囲気がわかります。
夏休み中は、毎日の勉強の予定を立て、中学生、高校生や、受験を目指す小学生は、午前2時間、午後2時間、夕方2時間などと時間を決めて参加していくといいと思います。
30分程度で区切り、休憩を入れながら勉強していってください。
■■暗唱検定のこれまでの結果がわかるページができました――総合学力クラスでは暗唱ミニ検定
暗唱検定Rは、言葉の森で2015年から始めました。
https://www.mori7.com/askt/
初段の5級は、約3000字を7分間で暗唱します。
これには、大体3か月かかります。
5級を合格した生徒は、すでに100名を超えました。
3級の百人一首がかなり難しく、ここで進めなくなる生徒が多いです。
なぜ難しいかというと、百人一首をただ覚えるだけでなく、順番どおりに暗唱しなければならないからです。
【動画】暗唱検定3級に合格した生徒の暗唱例(小4生)
https://www.youtube.com/watch?v=NMElbTeQMr4
しかし、暗唱のコツがわかると、その先の暗唱課題も進めていけるようになります。
現在、暗唱検定文集は、二段までしか作っていませんが、すでに二段を合格した人もいます。
総合学力クラスでは、3週目に暗唱の授業があります。
この暗唱の授業を、ただの練習で終わらせないように、総合学力クラスでは、暗唱ミニ検定に取り組むことにしました。
これは、5級の3000字全部の暗唱ではなく、5級の1頁の1番の約100字だけの暗唱ができても、それをミニ検定として合格を認めるという仕組みです。
小学2年生までは、暗唱力が最も伸びる時期です。
ぜひ、この暗唱検定を活用していってください。
※これまでの暗唱検定結果で、データが漏れている方がありましたら、ご連絡ください。
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● 言葉の森新聞2023年7月2週号 通算第1762号 (6076字) 言葉の森事務局 jun 2023年07月07日 19時19分
15037 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年7月2週号 通算第1762号
文責 中根克明(森川林)
■■【重要】作文講座の受講料値上げ(2023年9月より)と自習室活用のお知らせ
作文クラスと作文個別の受講料は、これまで月額8,800円で運営しておりましたが、この9月から月額9,900円に値上げさせていただきます。
インフレが進む中、誠に申し訳ありませんが、今後の指導の充実のため、よろしくご了解くださるよう申し上げます。
現在、作文クラスは、授業中に作文を書き始めるので、未提出になることはほとんどありません。
しかし、作文個別の生徒の中には、先生の電話指導のあと、作文の勉強を後回しにしてしまう生徒もいます。
そこで、今後、作文を書き終えないうちは、できるだけ自習室のZoom会場に参加して、その日の作文を書き終えるまでは自習室で勉強をしていただくということにしたいと思います。
自習室は、午前8時から午後8時まで先生がおりますが、先生がいなくなる午後8時以降も、そこで勉強を続けることはできます。
また、作文の目標字数も、学年の200倍以上を基準とし、小6以上はコンスタントに1200字以上書ける実力をつけていきたいと思います。
作文は、これからの勉強の中で最も重要ですので、すべての生徒が作文力を向上させられるようにしていきたいと思います。
なお、受験作文コースの料金も、9月から、小中高生ともに、原稿の受講料+3.300円から、受講料+4,400円に値上げさせていただきます。
受講料の値上げが重なって申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
■■自習記録28件、読書記録779件――家庭学習と読書習慣に記録の活用を
勉強でも、ダイエットでも、記録をすることによって自分の進歩や成長のあとがわかります。
進歩や成長の結果がわかると、自然に努力するようになります。
自習記録は、現在、28件の登録があります。
https://www.mori7.com/teraon/js.php
読書記録は、現在、779件の登録があります。
https://www.mori7.com/teraon/ds.php
(いずれも2023/7/5現在)
生徒のみなさんは、どちらも、いつでも無料で利用できます。
自分の生徒コードをクリックすると、自分の記録だけが表示されます。
学年をクリックすると、その学年の記録が表示されます。
読書記録は、同学年の記録を見て、自分の今後の読書の参考にできます。
自習記録も、同学年の記録を見れば、自分が今後どのくらい毎日の自習をするかの目安がわかります。
特に、夏休みは、自分のペースで勉強することが必要になります。
小6、中3、高3の受験生は、少なくとも、朝2時間、午後2時間、夜2時間などの合計6時間以上勉強することが必須です。
(塾などの夏期講習の時間ではなく、自分だけで勉強する時間です。)
生徒のみなさんは、自習記録や読書記録のページをぜひ活用してください。
■■日本語を忘れて英語に力を入れる人、家庭学習をしないで塾に力を入れる人、読書を忘れて勉強に力を入れる人
日本語を忘れて英語に力を入れる人、家庭学習をしないで塾に力を入れる人、読書を忘れて勉強に力を入れる人は、いずれも、大きな勘違いをしています。
子供の学力の基本の第一は、母語である日本語です。
英語をいくら勉強しても、日本語の能力の枠内までしか伸びません。
┏━━━━━━┓
┃ 日本語 ┃
┃ ┏━━┓ ┃
┃ ┃英語┃ ┃
┃ ┗━━┛ ┃
┃ ┃
┗━━━━━━┛
国語の成績が上がらないのに、英語の成績が上がることはありません。
英語の成績が上がるとしたら、ごく初歩の英語の学習のときだけです。
だから、小学3年生までは、英語よりも日本語を育てることです。
その方法は、読書と対話です。
国語の問題集読書も含みます。
塾や予備校に行って勉強することを、勉強だと思っている人がいます。
塾や予備校の勉強は、いくら時間をかけても、結局先生の話を聞いたり問題を解いたりしている時間がほとんどです。
それは、時間はかかりますが、密度の薄い勉強です。
家庭学習は、自分の苦手なところを繰り返し学習できます。
得意なところは、答えを見て飛ばして進むことができます。
だから、家庭学習は、能率の良い勉強をするための基本なのです。
勉強が忙しいから、読書はしないという人が、ごくまれにいます。
そういう子供たちは、みんな、あとから成績が伸び悩みます。
成績をよくする勉強と、頭をよくする勉強とは違います。
読書、特に、説明文と意見文の読書は、頭をよくします。
だから、読書力のある子は、学年が上がるほど成績がよくなっていくのです。
■■最近の掲示板の記事より
掲示板の更新状況は、「生徒関係リンク」で見ることができます。
■中学生の説明文の読書のガイドに
「ちくまプリマー新書一覧」
https://booklive.jp/search/keyword/k_ids/1279
「岩波書店が「ジュニア新書のガイドブック」を無料で配布・配信 「最高のガイド」「無料でいいの?」と好評」
https://news.yahoo.co.jp/articles/d7418b17fd2b672fb08973b6f8bcc722cfdd7fb4
■幼長、小1、2、3年は、勉強よりも読書と暗唱と対話
「幼少期の勉強はこれだけやっておけば間違いない…我が子の「脳の力」を最大限に伸ばす「2つの学習習慣」」
https://president.jp/articles/-/70828
■国語力が、すべての学力の土台
国語力アップの方法は、第一に読書、第二に暗唱、第三に国語読解クラスの勉強。
「これほど脳が活性化する方法を見たことがない…脳研究者が驚いた「勝手に勉強する子」ができ上がるプロセス」
https://president.jp/articles/-/70831
■教育の分野のスタートアップ
教育の分野のスタートアップを考える人が多いのは、それだけ自分たちの受けてきた教育に問題を感じているせいだと思います。
「Z世代、スタートアップ企業への興味はどれくらい? 注目してる業種1位「EdTech(エドテック)」とは何か」
https://www.j-cast.com/kaisha/2023/06/26463731.html?p=all
■自習室を活用して、毎日の勉強時間を確保
「子どもの勉強時間、54.2%の親が「もっと勉強してほしい」と回答=日本トレンドリサーチ調べ=」
https://ict-enews.net/2023/06/27trend-research-2/
■プログラミングの学習は、Scratchのあと、HTMLへ、そして、JavaScriptとPythonへ
「Scratch」をGoogle大物開発者が“条件付き”で初心者に推奨 その条件とは?
https://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/2303/26/news01.html
「GoでもPythonでもなく「HTML」をGoogle大物開発者が初心者に推奨する理由」
https://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/2303/19/news02.html#utm_source=yahoo_v3&utm_medium=feed&utm_campaign=20230627-050&utm_term=zdn_tt-sci&utm_content=rel1-0
「「Python」を学んでおけば初心者プログラマーは取りあえずOK――専門家が“激しく同意”するのはなぜ?」
https://news.yahoo.co.jp/articles/225b6e2f6ef69b80201a460a358fa0b585a4ea32
■やがて、英語の学習は、AIで代替できるようになる
AI翻訳の進歩は急速です。
日常的な会話も、スマートグラスのようなウェアラブルデバイスによって、誰でも、いつでも、どの外国語でも、自由にできるようになります。
真面目に英語の勉強をしてきた大人のほとんどは、この未来のビジョンに反発します。
「でも、……(そのあとの言葉は自由)」
今の実感で考えるのではなく、未来の姿を理屈で考える必要があります。
ただ、しばらくは、受験の英語には対応しなければなりません。
しかし、それもやがて終わります。
ちょうど、江戸時代から明治になるときに、剣術や馬術や四書五経が、なくなりはしなかったものの、その価値を急速に失ったようにです。
「Googleが音声から「テキストと音声の両方」に翻訳できる大規模言語モデル「AudioPaLM」を発表」
https://gigazine.net/news/20230627-google-audiopalm/
「ついにYouTubeがAIによる「自動翻訳吹き替え」機能を搭載へ」
https://gigazine.net/news/20230626-youtube-ai-dubbing-aloud/
■やる気のある若者は、独立起業を目指す
若者は、誰でも、独立起業という志を持っています。
それにブレーキをかけるのが、両親です。
親は、自分がチャレンジしたことがないので、子供が自分の知らない道に進もうとするのが怖いのです。
子供が結婚したら、ブレーキをかけるのが配偶者になります。
しかし、世の中の方向は、大きく変わりつつあります。
若い人は、未来を見ていく必要があります。
「同志社大学、全学生対象の起業講座 VCが無償協力 キャンパス探訪」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF192350Z10C23A6000000/
====引用ここから====
同志社大学は4月、同大の学生を対象に起業の方法や意義を教える講座を開講した。寄付講座で、日米で投資するベンチャーキャピタル(VC)のDNXベンチャーズが無償協力した。学部を問わず受講できる。同大出身の倉林陽DNX日本代表は、「母校のアントレプレナーシップ(起業家精神)を盛り上げたい」と語る。
「起業時の最低限の必要資金は500万から1000万円くらい」「資金を集める方法は、株式を発行するか借りる...
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。
====引用ここまで====
■先生の授業を聞くだけの退屈な授業から、自分の好きなことを自ら学ぶ教育へ
これからの教育の流れは、この記事のとおりになります。
先生の授業を聞くだけの退屈な授業から、自分の好きなことを自ら学ぶ教育へのという流れです。
それに気づいていない人がまだ多いのですが。
「日本の教育制度の閉鎖性に衝撃を受けた…「失われた30年」を経ても日本人が内向き志向を続ける根本原因」
https://news.yahoo.co.jp/articles/015b57b52d16a0fd05bf3fc07b41dca387851c1a
====引用ここから====
最も大切なのは、学ぶこと自体が生徒たちにとって面白くなるような方法を見いだすことだ。家族や社会の期待に応えて勉強するのではなく、生徒たちが「勉強って本当にエキサイティングで楽しい!」と思えるような授業の仕方を編み出すことが最大の課題だ。
そのためには、工場型一斉授業から一歩踏み込んだ教え方にしなければならない。
====引用ここまで====
■Wordの段落の先頭を1マス空ける
パソコン入力にワードを使っている人は、設定を変えておきましょう。
アメリカ製のワープロソフトなので、日本語に対応できていないのです。
【Word】段落の先頭に字下げを設定する
https://www.anadigilife.com/word-indent-1/
■■【連絡】教材注文のページに、公立中高一貫校向けの問題集、及び、中学受験新演習小6下巻(改訂版)
教材注文のページで、公立中高一貫校向けの問題集、
「アインストーンPrimary国語」
「〃算数」
「〃理科」
「〃社会」
「アインストーン国語」
「〃算数」
「〃理科」
「〃社会」
が、注文できるようになりました。
また、
「中学受験新演習国語下小6改訂版」
「中学受験新演習算数下小6改訂版」
が、7月から注文できるようになりました。
https://www.mori7.com/teraon/jgkyouzai.php
■■確認テストと読解検定に関する質問は、国語、算数数学、英語のそれぞれの掲示板に
4月から6月にかけての国語、算数数学、英語の確認テストは、かなり難しかったようです。
小学校高学年から中学生の問題では、最初から100点を取れた人は、数名しかいませんでした。
その理由は、小学校高学年からの国語は、問題が難しかったからです。
中学生の数学、英語も、かなり難しい問題がありました。
また、算数数学では、学校でまだ習っていないので解けないという人もいました。
勉強は、先取りしてやっていくことが必要です。
特に、受験を意識している人は、受験期の最後の1年間は、受験に特化した勉強をしていく必要があります。
そのためには、1年間又は半年間、学校の勉強を先取りしておくことです。
しかし、これを確認テストにそのまま当てはめると、無理のある生徒もいたようなので、7月の確認テストからは、学校の勉強に合わせた進度でやっていくようにします。
ただし、問題集は、自分のペースで先に進めてやっていってください。
なお、確認テストは、1回目の採点が終わったあと、もう一度▲のところだけを解き直すことができます。
解き直しが必要な未採点のテストがある場合は、オンラインクラス一覧表に!マークがついています。
解き直しが終わったテストは、点数を確定します。
点数が確定すると、正解と解説を見ることができます。
しかし、中学生、高校生の国語、数学、英語は、解説を見ても理解できない問題があるかもしれません。
その場合は、それぞれの掲示板で質問をしてください。
なぜ、掲示板を使うかというと、難しい問題は、ほかの人にとっても難しい問題なので、質問自体がみんなの参考になるからです。
それぞれの掲示板は、「生徒関係リンク」から行けます。
国語の確認テストと読解検定の質問は、国語読解掲示板
https://www.mori7.com/ope/index.php?k=45
算数数学の確認テストの質問は、算数数学掲示板
https://www.mori7.com/ope/index.php?k=ss
英語の確認テストの質問は、英語掲示板
https://www.mori7.com/ope/index.php?k=eg
に、それぞれ投稿してください。
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● 6月学力テストの結果は7月10日以降【送信指定】 (393字) 森川林 nane 2023年07月05日 15時54分
15025 (言葉の森オンライン新聞)
このご連絡は、6月の学力テストを受けられた方にお送りしています。
6月学力テストの結果は、言葉の森に7月10日に到着する予定です。
そのあと、テスト結果をお送りしますので、もうしばらくお待ちください。
なお、受験用の問題の中には、かなり難しいものもありました。
特に、算数数学、英語、理科、社会は、学校で習っていないとできない問題もありましたので、点数が低くても気にされないようにお願いします。
実力としてあてになるのは、国語の成績ですので、国語の成績が50点以上になっていれば、学力としては特に問題はありません。
他の教科の成績は、今後の勉強次第と考えていってください。
なお、これからの入試では、算数数学の成績で大きな差が出ます。
算数数学は、やれば必ず成果が上がる教科ですので、算数数学が苦手な人は、オンラインの算数数学クラスに参加され、毎日の勉強を進めていくといいと思います。
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● 言葉の森新聞2023年7月1週号 通算第1761号 (5922字) 言葉の森事務局 jun 2023年07月01日 12時06分
15004 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年7月1週号 通算第1761号
文責 中根克明(森川林)
■■【重要】7月からの確認テストの取り組み方――確認テストで、それぞれの生徒の実力と弱点がわかり今後の学習と指導に生かせる
確認テストの取り組みについて、7月から次のようにします。
国語読解、算数数学、英語を受講している小5以上の生徒は、毎月必ず確認テストに取り組んでください。
確認テストで、実力と弱点がわかるので、今後の学習と指導に生かせます。
取り組む教科は、自分の受講している講座の教科です。
国語読解クラスの生徒は国語の教科、算数数学クラスの生徒は算数数学の教科、英語クラスの生徒は英語の教科です。
総合学力クラスの生徒は、国語と算数の両方の教科に取り組むことができます。
自分の学年の問題に取り組むのが基本ですが、苦手な人は前の学年で、得意な人は後の学年で取り組むようにしてもいいです。
その場合、使う問題集もその学年に合わせて勉強してください。
解答は、できるだけテキスト入力で送信してください。
小5以上の生徒は、できるだけ自分で入力して送信してください。
小4以下の生徒は、自分で入力してもいいですが、保護者の方に入力してもらってもいいです。
テキスト入力が難しい場合は、確認テストのページから画像でアップロードすることもできます。
小4以下の生徒の確認テストの取り組みは任意とします。
したがって、総合学力クラスの確認テストも任意です。
小4までは特に難しい問題はないからです。
ただし、自分の実力を知るためには、できるだけ取り組んでいくといいです。
解答の送信は2回までとします。
難問は何度解いてもできないので、2回目の解答で点数確定とします。
確認テストの採点は、事務局で行います。
点数が確定すると、正解が見られるようになります。
正解を見ても、正解の理由が理解できない場合は、確認テストの掲示板で質問をしてください。
https://www.mori7.com/ope/index.php?k=kt
採点が100点になっていない場合は、オンラインクラス一覧表の生徒の学年の横に!マークが付きます。
オンラインクラス一覧表の生徒の学年をクリックすると、自分の確認テストのページに飛びます。
100点になっていない人は、採点された答案の▲印のところを再度解き直して送信してください。
国語読解、算数数学、英語、総合学力の各クラスの生徒は、それぞれの教科の確認テストは無料です。
それらのクラス以外の生徒が確認テストを受ける場合、又は受講している教科以外の確認テストを受ける場合は、有料で、1教科1回550円となります。
中学生は、今後、理科と社会の確認テストも受けられるようにします。
中学生の理科と社会の問題集は、教材注文のページから購入することができます。
https://www.mori7.com/teraon/jgkyouzai.php
なお、確認テストの結果を見ると、生徒の大体の実力がわかるようになったので、今後、全国学力テストの取り組みは廃止します。
全国レベルの実力を知りたい場合は、「小学生 模試」「中学生 模試」「高校生 模試」などと検索して、それぞれの模試に参加してください。
7月からの新しい取り組み方は、以上のとおりです。
さて、これまでの確認テストの結果を見ての感想です。
生徒のみなさんの解答件数は、現在約のべ300件です(6/30現在)。
6月から本格的に確認テストを始めましたが、すでに国語読解、算数数学、英語のクラスのほとんどの生徒が確認テストを受けたと思います。
難しかった問題は、小4~高3の国語、中1~中3の数学、中1~中3の英語でした。
最初から100点になった人は、ほとんどいませんでした。
また、中学生の数学、英語は、まだ学校でその単元を習っていないからできないという人もいました。
問題集は、自分で先に進めるので、学校の進度とは関係なく先の勉強をするようにしてください。
個人的なことですが、中根が担当しているクラスの中学生の生徒に、学校の定期テストの国語、数学、英語、理科、社会の結果を聞くと、大体平均80点以上でした。
中学生の勉強は、まだ本格的に難しいことはないので、点数は、勉強時間に比例しています。頭のよさとは、関係がありません。
定期テストの点数が80点以上にならなかった人は、毎日の勉強時間を確保するようにしてください。
そのために、今度、新しく自習記録のページを作りました。
https://www.mori7.com/teraon/js.php
これは、自宅で自分ひとりで勉強していると張り合いがないというときに、利用できる自習室のページです。
カメラオフで参加できるので、勉強のきっかけをつかむために、自習室を利用するいといいと思います。
毎日、何時間でも、何回でも、無料で利用できます。
自習室は、オンラインクラス一覧表の「自習記録」というところから行けます。
言葉の森の生徒であれば、どなたでも利用できますから、ぜひ、活用してください。
■■自習室が利用できるようになりました――夏休みは、図書館で勉強するより、自習室で勉強すれば、毎日の自習記録も蓄積できる
言葉の森のオンラインクラスの1コマの授業時間は、約45分です。
オンラインクラスは、生徒どうしの発表と対話と交流を重視しているので、実質的な授業時間はもう少し短くなります。
なぜ、生徒どうしの発表と対話に、ある程度の時間を取るかというと、ひとつには、これからの時代には、発表力、対話力、コミュニケーション力が必要な学力になるからです。
もうひとつには、同じクラスの生徒どうしの交流によって、自分も勉強をがんばろうという意欲がわくからです。
ただし、がんばろうという意欲の前提になるのは、家庭での自主学習がしっかり行われていることです。
授業は、学習チェックと交流が中心になっても、中身となる勉強は、家庭でやっていくからです。
ところが、時どき、授業に出ることそのものが勉強で、家庭での自主学習をほとんどしていない生徒もいました。
その反対に、優秀な生徒は、授業のあとも、オンライクラスのブレークアウトルームに残って、何時間も勉強を続けています。
しかし、授業のあと、オンラインクラスにひとりで残るのは、抵抗がある生徒も多いのではないかと思いました。
そこで、今度、オンラインクラス一覧表の自習室の欄を改良しました。
自習室の欄は、自習記録というリンクになっています。
https://www.mori7.com/izumi/gazou/2023/6260216190.jpg
その自習記録のリンクをクリックすると、自習記録のページに飛びます。
https://www.mori7.com/teraon/js.php
自習記録のページで、自分が何時から何時まで何を勉強するかを記録します。
そして、自習室のZoomに入って勉強します。
(自習記録を送信しないと、自習室のZoomには入れません。)
自習室は、カメラはオフでいいので、気が散ることはありません。
そのかわり、ほかの人の勉強している雰囲気がわかるので、自然にやる気が出てきます。
何よりもいいのは、自分の毎回の自習記録が残ることです。
この自習記録をもとに、毎日の勉強を蓄積していきます。
夏休みなどは、家で勉強しようと思っても、環境が変わらないと気分を切り替えられないので、図書館に行って勉強する人も多いと思います。
それを、今度は、オンラインの自習室で勉強できるようになります。
図書館では、利用時間は午前9時ごろから午後5時ごろまでで月曜は休みなどというところも多いので、図書館に出かけるよりも、自習室で勉強した方が勉強を続けやすくなります。
事務局でも、自習室にアクセスしているので、マイクがオンのままの生徒などがいれば、すぐにオフにするように対応できます。
ただし、事務局が対応できる時間帯は、平日、土日とも8:00~20:00です。
もちろん、生徒は、その時間外も24時間いつでも利用できます。
オンラインの自習記録のページを利用して、これからの毎日の家庭学習に役立ててください。
自習室は、6月26日(月)から使えます。
特に、中学生は、平日の勉強時間1.5時間、土日の勉強時間2.5時間を目安にがんばっていってください。
定期テストの2週間前からは、平日3.5時間、土日8時間が目安です。
全教科、少なくとも80点以上を目指してがんばっていきましょう。
■■読書記録は作文個別の生徒も入力できます――読書記録が2週間で559件に――自習記録は、1件に
https://www.mori7.com/teraon/ds.php
読書記録は、オンラインクラスの学習記録から行くようにしていので、作文個別の生徒は、入力する場所がわかりにくかったと思います。
読書記録のページに、送信フォームを作りましたので、このページから直接送信することができるようになりました。
https://www.mori7.com/teraon/ds.php
読書記録のページを作ったのがちょうど2週間前です。
もうすでに559件の読書記録が入っています。(6/28現在)
学年のところをクリックすると、その学年の生徒が読んでいる本だけが表示されます。
ほかの生徒の読書記録を見て、今後の本選びの参考にしてください。
自習記録の方は、作ったばかりですが、早速、小6の生徒が1人、1時間20分も自習室で勉強していました。えらい(笑)!
https://www.mori7.com/teraon/js.php
https://www.mori7.com/izumi/gazou/2023/6281155210.jpg
家庭学習は、自宅でひとりでやっていると、なかなか集中できないときもあります。
自習室は、朝8時から夜8時まで開いていますから、生徒のみなさんは、いつでも自習室を利用してください(夜8時以降は、先生はいませんが使えます)。
自習室は、言葉の森生徒であれば、どなたでも利用できます。
カメラはオフのままでいいので、気軽に参加できます。
中学生は、毎日の勉強時間を確保するために、ぜひ自習室を利用してください。
■■小学1、2年生の上手な作文の重点は、題材力と語彙力――語彙力の重点は事実文から説明文意見文の方向に
上手な作文の重点は、学年によって変化します。
小学校低学年の作文の重点は、題材です。
小学校中学年は、題材とともに表現です。
小学校高学年からは、主題が重要になってきます。
中学生、高校生は、構成、題材、表現、主題のすべてが重要になります。
作文試験を受ける受験生は、ここに、字数とスピードが加わります。
小学1、2年生で、なぜ題材が重要かというと、この時期は自由な題名で書く作文課題だからです。
低学年のころの作文で、テーマを与えて書かせるのは早すぎます。
まだ、体験の種類が少ないので、テーマに合った実例を見つけられないことが多いからです。
自由な題名というと、子供の作文は、学校の話か、学童の話か、家族で日曜日に何かをした話になります。
作文の勉強は、書くことが中心の勉強なのではありません。
書く前の題材選びや題材作りが半分で、もう半分が書くことという割合の勉強です。
題材選びの工夫がないと、子供の作文は、多くの場合、「今日は学校で、こんなことをしました」という話になります。
しかし、そういう題材の多くは、「こんなことをさせてもらった」という話ですから、受け身の題材になります。
すると、誰が書いても同じような内容の作文になることが多いのです。
作文の中に、自分らしい個性があることが上手な作文の条件です。
だから、題材が重要になります。
しかし、題材のよさだけで上手な作文になるのではありません。
同じ題材でも、平面的な作文と、立体的な作文の違いがあります。
それが、語彙力の差です。
人間が読んで感じる違いは、「よく書けているけど物足りない」と、「よく書けていてしかも面白い」という言葉で言い表せます。
この違いは、実は、森リン点の違いです。
物足りない、つまり平面的だと感じる作文は、語彙の種類が多くありません。
面白い、つまり立体的だと感じる作文は、同じ字数でも、使われている語彙の種類が多いのです。
この語彙の種類の多少による違いは、小学生だけでなく、中学生でも高校生でも出てきます。
森リン点の上位になる作文は、語彙の種類が豊富なのです。
語彙の種類の豊富さを生み出しているものは、ひとつは親子の対話で、もうひとつは読書です。
特に、読書は文章語彙が豊富なので、本をよく読む生徒は、あることを表現するのに、それにふさわしい的確な言葉を使うことができます。
文章語彙の蓄積が乏しい子は、面白かった話の感想を書くときに、「面白かったです」とか、「とても面白かったです」とか、「とても、とっても、すごーく面白かったです」とかいう言葉しか出てきません。
中学生ぐらいでも、「やばい」という言葉で、すべてを表してしまう子がいるのと同じです。
同じようなことを体験していても、語彙力の乏しい子は、平面的な体験になり、語彙力の豊かな子は、立体的な体験になっているのです。
では、対話と読書を改善してすぐに成果が上がるかというと、そういうことはありません。
算数や英語であれば、がんばればすぐに成績が上がります。
必要な知識の範囲が狭いので、やれば成果がすぐ出てきます。
しかし、国語は、日本語の長い生活習慣の中で身につけたものですから、必要な知識の範囲が桁違いに広いのです。
毎日欠かさずに問題集読書を続けて、成果が出ることなどあきらめかけた半年ぐらいたってから、気がつくと語彙が増えていたというような上達の仕方です。
だから、国語や作文が苦手な子は、気長にやっていくことが大切です。
さて、では、小学校低学年で、すでに上手な作文を書いている子は、これからどういう方向で勉強を進めたらいいのでしょうか。
それは、高学年になって主題が重視される作文に対応できるように、親子の対話のレベルを上げることと、読書のレベルを上げることです。
もちろん、急にそういうことはできません。
少しずつ、親子の対話と子供の読書に、事実文に必要な語彙だけでなく、説明文や意見文に必要な語彙を追加していくようにするといいのです。
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● 言葉の森新聞2023年6月4週号 通算第1760号 (7337字) 言葉の森事務局 jun 2023年06月22日 13時29分
14957 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年6月4週号 通算第1760号
文責 中根克明(森川林)
■■第4週は清書。幼稚園生は作文
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
■100-8051(住所はいりません毎日小学生新聞「さくひん」係(600字以内)
●新聞社に送る清書は市販の原稿用紙に
新聞社に送る清書は、市販の原稿用紙に書いてください。
その理由は、清書は個人で送るものなので、自分で用意した原稿用紙に書くのが、社会的なルールとなるからです。
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■6月29日(木)・30日(金)は休み
6月29日(木)・30日(金)は、第5週のため通年クラスの授業はありません。振替授業もお休みです。
■■作文クラスの新学期教材
6月22日~24日、国内の生徒さんに新学期の教材を発送します。
28日になっても届かない場合はご連絡ください。
★受験コースの課題フォルダは、今月中に別便で発送いたします。
■■7月の新学期からの作文の送り方
小学6年生までの方には、見本の作文ノートと、「作文の送り方」の小冊子をお送りします。
https://www.mori7.com/mori/hp_senn_oka_a4.php?table=beb_article
中学生以上の方は、パソコンのテキスト入力で作文を書くことを基本にしていってください。
受験準備のために手書きで書く方は、手書きの画像送信で結構です。
※なお、これまで作文の画像をアップロードされていた方は、何も変更はありませんので、これまでのままで結構です。
■■【重要】6月22日(6.4週)から会場が変わるクラスがあります
6月22日(6.4週)から会場が変わるクラスがあります。
新しいクラスは、下記の新オンラインクラス一覧表に表示しています。
https://www.mori7.com/teraon/shlist4.php
作文個別指導の講師Zoomも、一部変更するところがあります。
新しい講師Zoomは、下記のページに表示しています。
https://www.mori7.com/teraon/zoo4.php
会場がわかりにくくなったときは、言葉の森までお電話でおたずねください。
■■作文用紙の廃止とウェブへのアップロードのすすめ――閉ざされた作文指導から、客観的で開かれた作文指導へ
言葉の森は、この7月から、作文用紙の配布をやめ、作文ノートを中心に作文を書いていただくようにします。
小学校高学年、又は、中学生以上の生徒には、できるだけパソコン入力で作文を書いていただくようにします。
作文ノートに書いたものは、そのままでは郵送できないので、写真に撮ってウェブにアップロードしていただくようにしてください。
ノートをコピーして、郵送するということもできますが、そのような手間と時間をかけるよりも、ウェブアップロードを選択していただく方がいいと思います。
郵送による作文のやりとりの欠点は、担当する先生しか作文が見られないことです。
また、郵送に日数がかかることと、たまに郵送の途中で作文が紛失してしまう場合があることです。
昔は、紛失は年に1回あるかないかという程度でしたが、今は増えています。
郵送は、届くまでの日数がかかるので、担当の先生は、その作文が到着するまで、生徒が作文を提出したかどうかがわかりません。
ウェブにアップロードするかたちであれば、その日のうちに生徒の作文が確認できます。
ウェブにアップロードされた作文であれば、担当の先生以外に、事務局や他の先生からのアドバイスも受けることができます。
振替授業のときも、振替を担当する先生がその生徒の作文を見て指導することができます。
これが、開かれた作文指導という意味です。
また、パソコンでテキスト入力された作文であれば、森リン点が表示されます。
その森リン点の説明も、担当の先生だけでなく、事務局で行うことができます。
これが、客観的な作文指導という意味です。
言葉の森は、日本で最初に作文指導を始めた教室です。
それまでの日本には、作文の指導をする教室という概念自体がありませんでした。
だから、40年前、言葉の森の作文教室に最初に来た生徒はたった2人でした(笑)。
当時、学校で行われていたのは、生徒に作文を書かせて、先生が主観的に添削するという昔ながらのやり方でした。
今も、そのやり方が続いています。
生徒に作文を書かせて、先生が添削するというやり方で、上達する子はほとんどいません。
上手な子は、いつも上手に書けるし、下手な子はずっと下手なままです。
それは、指導の仕方が閉ざされていて、客観的ではないからです。
また、作文指導で生徒に力をつけることのできる先生は、きわめて限られているからです。
言葉の森は、日本の作文教育のフラッグシップです。
言葉の森で作文の勉強をすれば、生徒によって時間がかかることはあっても、誰でも必ず上達します。
時間がかかる生徒がいるのは、読書力が不足していることがあるからです。
開かれた客観的な作文指導を行うために、この7月から、作文用紙を廃止します。
保護者と生徒のみなさんは、できるだけウェブへのアップロード、又は、パソコンによるテキスト入力を行ってくださるようお願いします。
パソコンによるテキスト入力は、小学5年生以上からがおすすめです。
手書きによる勉強は、学校でも家庭でも十分に行っているので、週に1回の作文は、パソコン入力にしていく方がいいのです。
なお、7月からの新学期については、作文ノートの見本として、幼長、小学1、2年生の生徒には120字詰め又は150字詰めの作文帳、小学3、4、5、6年生の生徒には、200字詰めの作文帳をお送りします。
見本の作文帳をお送りするのは、今学期だけです。
この作文帳を参考に、各自で作文用のノートをご用意くださるようお願いいたします。
中学生以上の生徒は、できるだけパソコンのテキスト入力に切り替えて、森リン点を目標に作文の練習をしていってくださるようお願いいたします。
■■競争の文化から協力の文化へ、更にその先の創造の文化へ
詩人の工藤直子さんが、「まるごと好きです」という自伝的な本の中で次のようなことを書いていました。
勉強かスポーツかで何かをしているときに、ある先生が、「がんばるためには、自分よりひとつ上の人を目標にして、その人に勝つようにするといい」とアドバイスをしてくれたそうです。
そのとき、工藤直子さんは、話はわかるけれど、全然ピンと来なかったと思ったそうです。
私も、その気持ちはわかります。
競争して相手に勝つということが、実感としてよくわからないのです。
もし、そういう競争の場面があり、相手がすごくがんばっているなら、勝ちは相手に譲ってもいいとさえ思います。
そんなに勝ちたかったら、勝ってもいいよ、という感じです。
自分自身の大学入試のときも、合格はしましたが、そのために落ちた人がいるのはかわいそうだなあというのが最初に思ったことでした。
そのことを、入試結果の報告のときに、ふと担任の先生に言うと、怒られました(笑)。
競い合うことによって上達するということは確かにあります。
しかし、「葉隠」には、次のようなことが書かれています。
最初は、自分はまだだめだと思う。これは役に立たない。
次に、人に勝つようになり、自分は強いという気持ちになる。これは役に立つ。
しかし、更にその先に、勝ち負けを超えた無限の道があることがわかるようになる。
世の中の多くの人は、人に「勝つ」ことができて、社会の「役に立つ」ことができるところまでを目標にしています。
しかし、それは、まだ途中の段階です。
その先に、勝ち負けを超えた無限の精進の世界があるのです。
面白い記事を見ました。
▽「通信簿」を廃止した小学校が問うテストの点数付けや運動会の勝ち負けの意味
「負ける悔しさを味わわせてほしい」「競争も大事だ」という保護者の声に愕然
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/75591
====引用ここから====
(通信簿を廃止した校長先生の話)
「企業ではプレゼンして負けたらそれでお終いです」と勝つことの重要性を主張する保護者の声もいただきましたが、私が言いたいのは、一緒に働いているチームのメンバーは仲間だということです。そこでは、蹴落とし合いやランク付けはしない方がいい。得意なところを活かし合いながら助け合った方がいい。
====引用ここまで====
言葉の森の指導方針は次のとおりです。
1.国語、数学、英語について、テストの点数はつける。しかし、100点が取れるまで解き直す。
どうしても100点を取れないときは、先生が解法を説明する。
2.学期に1回の通信簿のようなものは出さないが、先生が、その生徒について気づいたことがあれば個別れんらく板で保護者に連絡をする。
3.成績はオープンでもいいと思います。
大事なのは、他人との比較ではなく、自分自身の向上だからです。
そして、「競争から協力へ」の先にあるのが、「協力から創造へ」の世界です。
その話はまたいつか。
■■大事なのは勉強の量と頭のよさ――そして、それを超えるもの
鉄緑会の記事を見ました。
「鉄緑会に中学生から通うと…」東大受験塾の驚異の学習スピードに「中学生がやる量じゃない」
https://news.yahoo.co.jp/articles/9477b9e10eb6c74d2783743553e05661ae7a0970
====引用ここから====
平山さんによると、数学では中1の間に三平方の定理や二次関数など中学3年生までの範囲を終え、中2で高次方程式など高校の数学I・A~数学IIの範囲、中3で三角関数や微分積分、ベクトルなど数学II・Bの範囲を学習する。
……
宿題の量も膨大だ。平山さんによれば、中学の時の宿題は以下のようなものだった。
● 膨大な宿題
【数学】
・例題の解き直し+問題集×20~30問
・中2は幾何、中3は数Ⅰの復習で4~5問程度のプリントが課される
【英語】
・15問程度の文法問題、10問程度の和文英訳
・長文問題×1~3題
・英検準2級程度の単語×50~100語
・条件英作文 1題程度
・英作文の表現、構成問題10題程度
・リスニング問題10問程度
・英文10個と50語程度のパッセージを丸暗記して、授業中のテストで暗唱できるようにする
小林さんは「多くない!?中学生がやる課題じゃないよね。ウチの塾で高校生に1週間に出すよりも多いかも」と驚きを隠さない。
====引用ここまで====
この記事から3つのことがわかります。
第一は、成績は、勉強の量に比例するということです。
第二は、勉強の量が多くても、こなせる人とこなせない人がいるということです。
第三は、今の日本の受験は、知識の詰め込みの度合いで受験生を評価しているということです。
第一の勉強の量に関して言うと、成績のいい子は長い時間勉強しています。
成績の悪い子は、勉強の時間が少ないです。
勉強の時間が長くても、密度の薄い子はいます。
しかし、成績は勉強時間に比例すると言っていいと思います。
第二の勉強の量をこなせる人とこなせいない人がいることについてです。
勉強ができるのに、勉強時間が短いという人がいます。
それは、頭がいいからです。
矢追(やおい)さんは、お母さんから、「家で勉強してはいけない。勉強は学校でやっているので十分だ」と言われて育ったそうです。
それで、仕方なく、学校に行くまでの道のりで勉強をしたそうです。
しかし、教科書は一度読めば全部頭に入るので、成績はよかったということです。
「新装版 ヤオイズム あなたは本当に生きているか」
https://www.amazon.co.jp/dp/4896344545/
この勉強力の差は何かというと、記憶力の差です。
一度読んで頭に入る人と、何度も繰り返し読まなければ頭に入らない人がいます。
勉強の基本は、繰り返しですが、繰り返しの回数が少なくてもすぐに頭に入る人がいるのです。
このように頭をよくする勉強の方法は、
第一は暗唱です。
第二は難読です。
第三は挑戦です。
シュリーマンは、何度も暗唱の練習をしているうちに、やがて数十ページの文章であれば数回読んだだけで全文の暗唱ができるようになりました。
この暗唱力で、18か国語をつかえるようになりました。
暗唱力を生かした例は、ほかにもあります。
本多静六、塙保己一、湯川秀樹などは、幼少期から暗唱の練習をしていました。
「新版 本多静六自伝 体験八十五年」
https://www.amazon.co.jp/dp/4408112186/
学力の差で最も大きいものは読解力の差です。
難しい本を読める人と、読めない人とでは、理解の速さが違います。
国語の勉強は、学年が上がるにつれて難しい説明文を読み取る力になってきます。
この難読力は、そのまま小論文の力になります。
難しい文章を読める人は、問題文をざっと見ただけで、「ああ、そういうことね」と理解しますが、難しい文章を読めない人は、問題文を逐一読まなければ理解できせん。
しかし、その理解も、自分がわかったところが中心なので、主題からはずれていることあるのです。
この難読力の基礎になるものは、幼児期の読み聞かせと、小学校時代の読書量です。
そして、その小学校時代の読書量の土台の上に、中学生、高校生、大学生の難読力が積み重なるのです。
だから、子供たちの勉強の基本は、暗唱と読書と遊びを含めたさまざまな体験です。
勉強は、やれば誰でもできるようになるので、勉強の量よりも、まず毎日の勉強の習慣をつけておくことだけです。
勉強は、やれば誰でもできるようになります。
勉強で差がつくのは、勉強の時間と頭のよさが違うからです。
この場合の頭のよさは、記憶力と難読力です。
だから、子供たちの教育で大事なことは、幼少期からの暗唱と読書に力をいれていくことです。
そして、中学生や高校生になったら、難読に力を入れていくことです。
さて、ここまでが、今の時代の話です。
大事なのは、その先です。
これからの時代は、勉強力以上に、個性力が重要になってきます。
高度成長経済時代には、誰もが学歴というメジャーな一本道で競争をしていました。
そのときにも、競争には勝ち負けがありましたが、社会全体が成長していたので、誰もが努力に応じて成果を得ることができました。
オリンピックで金メダルを取るほどではないが、そこそこに上手なので、コーチになって仕事をするという道がありました。
ノーベル賞を取るほどのことはできないが、勉強はそこそこにできるので、先生になって仕事をするという道も同じです。
つまり、社会全体が上げ潮だったので、1番手だけでなく、2番手も3番手も、ずっと遅れたn番手も、それなりの成果を受け取ることができたのです。
しかし、今の日本の社会は引き潮が続いています。
引き潮のときに成果を上げることのできるのは1番だけで、2番以降は、成果を受け取れなくなります。
この時代には、10番から9番をめざそうとか、9番から8番をめざそうとかするよりも、10番でも9番でも8番でもいいので、そこで自分の個性を伸ばし、その個性の分野で新しい1番になることです。
私は、これからの日本には、さまざまな新しい分野の1番が出てくると思っています。
■■「みんなの読書記録」のページができました
「みんなの読書記録」のページができました。
オンラインクラス一覧表の読書記録に、みんなが入れた本のリストです。
ほかの人の読んでいる本を参考にして、これからの本選びに役立ててください。
https://www.mori7.com/teraon/ds.php
書名やおすすめ度や感想を編集するときは、「修正」のリンクをクリックしてください。
「みんなの読書記録」は、「よく使うリンク」の「13.ランキング」のページから行くことができます。
学習記録の左上の「読書記録」というリンクから行くと、自分だけの読書記録が表示されます。
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● 言葉の森新聞2023年6月3週号 通算第1759号 (13364字) 言葉の森事務局 jun 2023年06月16日 15時08分
14914 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年6月3週号 通算第1759号
文責 中根克明(森川林)
■■【重要】7月の新学期から作文用紙と封筒用紙の配布を廃止します――手書きの人は作文ノートの利用をおすすめします
●動画:
https://youtu.be/lq7w-SthL3k
言葉の森では、これまで、学期ごとに作文を書くための作文用紙と郵送のための封筒用紙をお送りしていました。
これは、作文のやりとりをするのに郵送という手段しかない時代に作ったシステムだったからです。
しかし、作文の郵送によるやりとりには、難点がいくつかありました。
1.郵送のやりとりに時間がかかる
2.たまに郵送したものが途中で紛失してしまうことがある
3.作文用紙は保存しにくいので散逸することが多い
4.振替授業で、他の講師が担当した場合、その生徒のそれまでの作文が読めない
そこで、今後、次のようなやり方を中心にしていきたいと思います。
1.手書きの生徒は、作文ノートを購入していただき、ノートに書いた作文を画像として送信していただく
2.パソコン入力できる生徒は、パソコンで作文を書き、それをウェブから送信していただく
3.郵送のやりとりを希望される方は、市販の作文用紙を購入していただき、それを郵送で送っていただく(封筒も各自でご用意ください)
作文ノートには、次のようなものがあります。
ジャポニカ学習帳 作文帳 120字
https://www.amazon.co.jp/dp/B00CBNV4VS/
(低学年用)
コクヨ キャンパスノート 作文罫 200字
https://www.amazon.co.jp/dp/B0012ORDXA/
(中高学年用)
作文の画像送信の仕方は、下記のとおりですが、わかりにくい場合は、いつでもお電話でおたずねください。
1.作文の丘に行き、コード、パスワードなどを入れます。
http://www.mori7.com/mori/gate/tegaki01.gif
2.本文は空欄で結構です。
本文にgoogleフォトの共有リンクなどを貼り付けることもできます。
http://www.mori7.com/mori/gate/tegaki02.gif
3.「参照」ボタンをクリックし、パソコンの中にあるJPGファイルをアップロードします。(ファイルが複数枚あるときは、参照を複数回繰り返し、最後にまとめて送信します)
http://www.mori7.com/mori/gate/tegaki03.gif
4.自分のパソコンの中からアップロードするJPGファイルを探します(例の場合は4つ)。
http://www.mori7.com/mori/gate/tegaki04.gif
5.1つずつ順に「参照」でアップロードします(図は1つ目のファイルがアップロードされる状態)。
http://www.mori7.com/mori/gate/tegaki05.gif
6.全部を「参照」でアップロードしたら「送信」ボタンを押します。
http://www.mori7.com/mori/gate/tegaki06.gif
7.アップロードが成功すると画面が切り替わります。
http://www.mori7.com/mori/gate/tegaki07.gif
8.手書き原稿がアップロードされた状態。
http://www.mori7.com/mori/gate/tegaki08.gif
iPhoneで撮影した画像は、jpgファイルではないことがあるので、その場合は設定を変更してお送りください。
iPhoneで撮影した「.HEIC」形式の画像ファイルをJPG・JPEG形式に変換する方法
https://koneta.nifty.com/koneta_detail/1141008006174_1.htm
なお、赤ペン添削とパソコン入力について、時どきご質問をいただくので、言葉の森の方針を説明します。
1.言葉の森は、赤ペン添削をする必要はないと思っています。
作文で重要なのは、書かれている作文の構成・題材・表現・主題の内容をよくすることです。
赤ペンは、主に表記のミスについて指摘する際に使われますが、表記のミスは口頭又は文章で説明すれば十分で、子供の読書力の向上に伴って自然に直っていくものです。
逆に読む力がつかないうちは、赤ペンで何度添削をしても、正しい表記になるのは時間がかかります。
2.作文は漢字を書く練習にはなりません。子供は、自分の使える漢字で書くので、作文で新しい漢字を覚えるようなことはありません。
漢字は、作文の勉強を兼ねてやるものではなく、漢字の練習として独自にやっていくものです。
3.受験で作文がある場合、パソコンで書いている人は、受験の3か月か半年前から手書きに戻せば、手書きの感覚はすぐに取り戻せます。
作文で大事なのは、書かれている内容ですから、内容さえしっかり書けていれば、いつでも手書きで書くことはできるようになります。
パソコン入力の利点は、疲労度が少ないことと、森リン点などの目標を作りやすいことです。
■■対話のある参加型の少人数オンライン学習で、思考力、創造力、共感力を伸ばす――これからの大学入試では学力とともに個性が重要に
●動画:
https://youtu.be/ZyenNXYhnHM
●一斉学習型のオンライン学習
現在、行われているオンライン学習の多くは、優れた教材を動画で流し、それを生徒に視聴させるような受け身の一斉オンライン学習です。
面白くてためになる動画を見るというのは、テレビや、YouTubeを見ることと同じです。
みんなが、同じ面白い動画を見て学習するだけなら、みんなで一緒にテレビを見ているのと変わりません。
もちろん、そういう学習は、面白くて頭に入るからそれはそれでいいのです。
面白い動画の一斉学習には、それなりの役割があります。
●個性を生かすオンライン学習
しかし、これから必要になるのは、子供一人ひとりの個性を生かす学習です。
子供たちには、それぞれの個性があり、興味のある分野、得意な分野がそれぞれ異なります。
その個性を生かすためには、子供たちが発言し発表できる場が必要です。
一人ひとりの発表は、オンラインの教室であっても、リアルの教室であっても、一斉指導型の学習の中ではできません。
●学習の深化には5人以内の仲間との対話と交流が必要
生徒一人ひとりが自分から発言し発表するためには、その発言と発表を受け止める仲間が必要です。
質問をしたり意見を述べたり対話をしたりする相手がいることによって、発言と発表は進歩します。
そういう仲間の数は、5人以内です。
●一対一の個別学習では対話と交流がない
一対一の個別学習は、先生と生徒の間で密度の濃い学習ができるという利点がありますが、生徒どうしが対話をし交流するという機会がありません。
密度の濃い学習という点だけから言えば、一対一の学習は、ChatGPTなどのAI技術によってカバーされるようになります。
人間の教育には、同じ人間による少人数の仲間が必要です。
その少人数の基準は、繰り返し書きますが5人以内です。
●対話を生む探究学習としての作文、創造発表、プログラミング
対話が成り立つ学習には、それにふさわしい学習内容があります。
国語、数学、英語などの教科型の学習には、対話はそれほど必要ではありません。
それは、すでにある与えられた知識を吸収する学習ですから、ビデオ授業の一斉学習でも、ChatGPTの個別学習でもいいので、能率のよい学習法を組み合わせて選べばいいのです。
発表と対話のある学習は、探究学習と呼ぶこともできますが、具体的に言葉の森で言えば、作文と創造発表とプログラミングです。
それは、全員に同じ答えがある学習ではなく、逆に、全員が違う答えを作る学習だからです。
● 個性と創造性が求められる新しい時代の教育
一律の知識の学習から、多様な個性の学習へという流れは、教育の分野だけでなく、社会にも広がっています。
これまでの社会は、言われたことをきちんとできる平凡な優等生を求めていました。
しかし、それは今後、ロボットとAI技術で代替できるようになります。
これからの社会に求められるのは、誰にも言われないことを、自分の興味と関心と個性の力で作り上げることのできる人間です。
それは、作文や創造発表やプログラミングの学習をする生徒の延長にある社会人の姿です。
●新たな未来への選択は、個性を活かした起業への道
これからの若者は、受験勉強という狭い枠の中で上位を目指し、その延長にある就職活動の枠の中でよりよい枠の中に入ることを目指すような生き方をする必要はありません。
それよりも、個性を生かし、独立起業を目指す生き方を選択することができるようになります。
それが、間もなく来る未来の社会です。
●保護者の時代の入試と現代の入試の違い
多くの保護者は、自分が若かったころの経験を基準にして考えるため、子供たちが個性を生かす生き方を部分的にしか容認できません。
しかし、その場合は、次のように考えればいいのです。
現在の大学入試では、すでに一般入試よりも推薦型入試の方が多くなっています。
ペーパーテストの点数で1点差を競うような詰め込み学習をした生徒よりも、個性的な持ち味のある生徒の方が大学に入りやすくなっており、その傾向は年々強まっています。
●これからの入試は、普通の学力と豊かな個性
推薦型入試では、勉強は、普通にできるぐらいで十分です。
普通にできるという基準は、東大の学長が推薦入試について述べた「センター試験8割で学力を担保」というレベルです。
それなりの学力は必要ですが、逆に言えば、それなりの学力の見通しがあれば、あとは個性を伸ばすことに力を入れていく方がいいのです。
大学入試共通テストで満点を取れる個性の乏しい人よりも、共通テスト8割で個性の豊かな人の方が活躍できる世の中になっています。
●作文、創造発表、プログラミングで個性を伸ばす
中学生や高校生は、まだ社会の流れをよく見ていないので、学校の定期テストでいい成績を取ることが大きな目標になっています。
定期テストは、全教科90点以上が目標ですが、それ以上がんばる必要はありません。
それよりも、言葉の森の作文クラスや創造発表クラスやプログラミングクラスで、自分の個性を伸ばしていくといいのです。
これらのクラスのいずれか、またはすべてに参加し、個性と思考力と創造力と発表力とコミュニケーション力を伸ばしていくことが、これからの勉強の大きな方向と考えていくといいと思います。
■■子育ての下手なお母さんと上手なお母さんの違い
●動画:
https://youtu.be/Tt0PZNFxy6o
サルの世界では、子育ての上手なお母さんに育てられた子供は、リーダーになることが多いということがあるようです。
サルの世界と同じことが、人間の世界でもあります。
人間で、子育ての下手な人と上手な人とではどこが違うのでしょうか。
子育ての下手なお母さんは、事前の準備ができていません。
そして、子供がうまくできないと叱ります。
子育ての上手なお母さんは、事前の準備をしています。
だから、子供はうまくできます。
お母さんは、褒めるだけです。
例えば、読書紹介というごく簡単なことでも、子育ての下手なお母さんは、子供に任せっきりです。
そして、子供の紹介の仕方がもたもたしていたり要領を得なかったりすると、「○○ちゃんのように、もっと上手に紹介しなきゃ」などと言います。
子供は、がっかりするだけです。
子育ての上手なお母さんは、「今度の読書紹介、どんなふうにするか、ちょっと言ってみて」と、子供の読書紹介を聞いてみます。
そして、褒めます。
特にアドバイスをする必要はありません。
それだけで、子供は、次第に上手な読書紹介ができるようになります。
準備にかかる時間は、わずか1、2分です。
このわずかな準備ができるかどうかが、上手と下手の境目です。
必ずしも、毎回準備をする必要はありません。
準備は、時どきでいいのです。
大事なことは、事前に準備をして、結果は褒める、ということです。
その反対は、事前に準備をせずに、結果を叱る、ということです。
このごく単純なことが、できる人とできない人とがいます。
なぜ、そういう単純なことができないかというと、親である自分自身がそういう育てられ方をしていなかったからです。
家庭の文化は、遺伝します。
よくできる子の家庭は、よくできるようになる家庭文化があります。
決して、いい塾に行っているから、よくできるようになるのではありません。
また、身体的な遺伝でそうなのでもありません。
すべて、家庭の文化の中で、よくできる子になるのです。
だから、大事なことは、文化を変えるという自覚を持つことです。
それは、親自身の文化を変えることでもあるので、大きな決心が必要です。
家庭の文化というものは、なかなか根強いものです。
例えば、玄関を上がるとき脱いだ靴をそろえるとか、席を立つときは座っていた椅子をしまうとか、家の中で歩くときは静かに歩くとかいうことも、理屈だけ言ってすぐにできるようになる子はいません。
朝起きたら「おはようございます」と言うとか、近所の人に会ったら挨拶をするとか、返事はいつでも「はい」と言うとかいうことも、理屈で教えてすぐにできる子はいません。
定着するまでに、何か月もかかることが多いのです。
すべて、親による気長な繰り返しの中で、家庭の文化というものができてきます。
読書の習慣も同じです。
「うちの子は本を読まないんです」という相談が時どきありますが、それは、本を読まなくてもいい家庭文化を親が作ってきたからです。
その自覚が必要なのです。
子供の問題ではなく、そういう家庭文化の中で育ててきたことに問題があるのです。
親が自覚をすれば、ものごとはすぐに改善の方向に向かいます。
しかし、その改善の結果が出るまでに、半年はかかります。
6か月というのは、体の細胞が入れ替わる期間と言われています。
体の細胞が入れ替わるぐらいの長い期間同じことを続けていて、初めてそれが習慣になるのです。
■■中学生の定期テスト期間中は、勉強と読書はいったん休みで可――休んだ授業はあとから振替で取り戻す必要はない――その週のことはその週で終わらせて長続きする勉強を
●動画:
https://youtu.be/FZJ-vuOlsxE
題名に書いてあるとおりです。
定期テスト期間中は、勉強と読書はいったん休みでいいです。
休んだ授業はあとから振替で取り戻す必要はありません。
その週のことはその週で終わらせて長続きする勉強をすることが大事です。
中学生の場合、まだ親が勉強をコントロールしていることが多いので、保護者がこのことをよく理解しておく必要があります。
高校生の場合は、子供が自分で判断するので、特に問題はないと思います。
中学生、高校生の定期テストでは、作文試験というものはまずありません。
それは、作文の評価採点が大変だからです。
定期テストに作文はまず出ないので、定期テストの対策期間である、テストの2週間前からは、作文の授業が負担になることがあります。
そのときは、作文クラスの授業に出ても、長文を読んで要約だけ書いておしまいということでかまいません。
考えるだけで終わりということにしてもいいです。
要約+意見というかたちで書いてもいいです。
もちろん、テスト前だから休むということにしてもいいのです。
要するに、自分のテスト前という状況に合わせて、普段の勉強の対応を考えるということです。
休んだ分は、そのあと、どうするかというと、その週のうちに振替で取り戻す余裕があれば振替をしてください。
しかし、我が家の場合、休んだ分の振替はしませんでした。
学校の行事で休むとか、家族の旅行で休むとか、風邪で休むとかいうそれぞれの理由で休むわけですから、ほかの日にその休んだ分の埋め合わせをしようとすれば、どこかでしわ寄せが出てきます。
そういう無理をすると、結局長く続けることが難しくなります。
その日のことはその日のうちに終わらせ、その週のことはその週のうちに終わらせるという生活をしていれば、無理なしわ寄せは起こりません。
そうすれば、長く続けることができます。
勉強は、長く続けることで力がつくのです。
以前、数ヶ月前の休んだ分の振替をしたいと電話をしてきた保護者の方がいました。
そのときは、その振替を受けましたが、私は、その子は、あまり勉強ができるようにならないだろうと思いました。
親の監視のもとで、自分の望んでいないことを無理にやらされる子が、将来勉強好きになることはありません。
勉強は、無理にさせれば嫌いになります。
勉強ができる子は、好きで勉強をしています。
無理に勉強をさせれば、そのときの成績は誰でも少しは上がります。
しかし、長期的には成績は下がります。
勉強好きにさせるには、無理をしないこと、楽しく続けることが大事なのです。
楽しくということは、実は、かなり大事です。
数ヶ月前の欠席の振替を子供にさせようとしたお母さんは、たぶん険しい顔をしていたと思います。
「ずっと前の休んだ分を、今度、振替で受けさせるからね」と怖そうな顔で言われて、楽しく授業を受けられるわけがありません。
振替をするときも、楽しく言ってあげる必要があります。
すべては、長続きする勉強のためです。
勉強は、長く続ければ必ず上達するからです。
そして、勉強の中心は、あくまでも家庭です。
学校や塾の授業を受けるのは、家庭学習のきっかけ作りのためです。
家庭で毎日自分のペースで勉強をしていれば、学校や塾には特に行く必要はないくらいです。
家庭学習ということについて、少し参考になる記事を見ました。
▽参考記事
「ほぼ塾なし家庭学習9年目のママが「家庭学習の習慣化」で大切にしてきた3つのポイント」
https://withonline.jp/with-class/education/berry-kurashi/Wc23s
> 共働きで、4人の子どもたちを子育て中です。子どもたちは保育園児から小学生、中学生まで。第一子の長男は高校受験に向けて塾に通い始めましたが、最近までは子どもたち全員が塾なし家庭学習のみで勉強を進めてきました。
私のうちの子は、2人とも、以前にも書きましたが、小学生から高校生まで塾や予備校には行きませんでした。
行っていたのは、言葉の森の作文だけです。
家でやっていたのは、ほぼ読書だけです。
上の子は中3のとき、近所の塾の夏期講習に少しだけ顔を出しましたがすぐにやめました。
下の子も、中3の最後のころ、一時的に友達に誘われて塾に行きましたが、それもすぐにやめました。
塾に行かずに何をしていたかというと、上の子は、パソコンでロールプレイングゲームに熱中、下の子は、バスケットボールに熱中です。
私は、熱中するものと読書と対話があれば、勉強は必要になったときにすぐにできるようになるという考えです。
ただ、数学だけは苦手にならない程度に一応やっておくことです。
大学は、二人とも早稲田大に行きました。
上の子は、実力で行きましたが、下の子はスポーツ推薦で高校に入りその延長で行きました。小論文がうまかったのだと思います。
私は、国立大の理系の工学部あたりが面白いと思っていましたが、それは実現しませんでした。
大学に行ってから友達と話してみると、塾に行かずに勉強していたのは、うちの子たちだけだったようです。
> 宿題が多い日は家庭学習の量を調整して、いつもはドリルを2ページしているけれど今日は1ページにしようとすることはあっても、ドリルは必ず毎日進める。子どもや親の機嫌に左右されることなく、毎日少しでも進めることを徹底することが大切です。ちなみにわが家では体調不良のときと旅行・帰省のときは勉強しなくてOKとしていて、このルールも子どもたちに何度も話し、守っています。
私のうちでは、読書は毎日すると決めていたので、体調不良のときなどは、勉強は休みで読書だけということにしていました。
旅行に出かけるときは、言葉の森の課題の長文と読みかけの本を持っていくようにしていました。
課題の長文の音読をして、内容がすっかり頭に入っていると、友達と話をするときにも格好いいことを言えるので得をしたようです(笑)。
> わが家は2LDKの60平米マンションに6人暮らしということもあり、子どもたちの個室がありません。また、上の子たちを含めて、学習机もありません。子どもたちは全員リビングのテーブルで勉強しています。心掛けているのは、「家庭学習で使うグッズは、すべてリビングにまとめておく」こと。勉強しようと思ったときに参考書やドリル、筆記用具などの必要なものが数秒で揃う環境にしています。
リビングで勉強をするというのは、中3までは大事です。
高校生になると、自覚して勉強できるので、どこでやってもいいのですが、中学生のころはまだ勉強の自覚がないので、子供部屋でひとりで勉強をすると、遊んでしまいます。
しかし、多少の遊びに関しては、目くじらを立てるべきではありません。
大人でも、退屈な仕事をしていてくたびれたら、ちょっと一休みということはあります。
子供の勉強を、最初から最後までずっと監視してやらせるようにしていると、子供は必ず外見だけの勉強をするようになります。
つまり、深く考えるようなことはせず、作業的な漢字の書き取りや計算練習をさも一生懸命にやっているように見せる勉強をするようになるのです。
こういう習慣がつくと、高校生になってからも作業的な勉強をするようになります。
子供の時間管理は、子供に任せることが大事です。
■■学習記録のページに、読書記録の欄を作りました――授業の前に、その日に読んでいる本を記録しておいてください
●動画:
https://youtu.be/PyLI0F9u8d4
学習記録のページに、読書記録の欄を作りました。
書名とその本のおすすめ度と感想が入れられるようになっています。
みんなの読書記録を学年別にリスト化し、共有できるようにします。
書名をクリックすると、アマゾンのリンクに飛べるようになっています。
https://www.mori7.com/izumi/gazou/2023/6120611490.jpg
読書記録を利用して、いい本をたくさん読んでいきましょう。
■■ChatGPTを家庭教師がわりに勉強――引き算、漢字、社会の勉強――そして教育の未来
●動画:
https://youtu.be/wkwW_gxm9w0
ChatGPTを英語の勉強に使うという記事を見ました。
「勉強法の相談から、苦手な発音の練習も、ChatGPTなら0円で英語を学習できる」
https://president.jp/articles/-/70403
====引用ここから====
まずは「単語の習得」から見てみましょう。従来であれば、単語帳を使って暗記することが一般的です。
それに加えて、ChatGPTを使えば、より効率が上がります。具体的には、特定の単語を含んだ例文を作ってもらいます。単語一つ一つではなくまとめて覚えたい場合は、複数の単語を指定して、例文を作ってもらうのもオススメです。「以下の3つの単語を含む短い英文を作れますか?」と聞いてみましょう。長い文章だと覚えづらいため、あえて「短い・簡潔な」と加えるのがコツです。例文を繰り返し読むことで、単語が覚えやすくなります。
====引用ここまで====
なるほど。
これなら、簡単にいろいろなことができます。
例えば、
■繰り下がりのある2桁の引き算の問題を10個作って。
====
ChatGPT
もちろんです。以下に2桁の引き算の問題を10個作成しました。それぞれの問題では繰り下がりが必要となります。
34 - 17 = ?
52 - 28 = ?
63 - 46 = ?
85 - 39 = ?
76 - 38 = ?
91 - 35 = ?
42 - 27 = ?
81 - 64 = ?
73 - 58 = ?
65 - 47 = ?
====
■答えも教えて。
====
ChatGPT
もちろんです。各問題の答えは次のとおりです:
34 - 17 = 17
52 - 28 = 24
63 - 46 = 17
85 - 39 = 46
76 - 38 = 38
91 - 35 = 56
42 - 27 = 15
81 - 64 = 17
73 - 58 = 15
65 - 47 = 18
====
百ます計算のような問題がいくつも作れます。
何よりも、大事なことは、子供が苦手なところや間違えやすいところを組み合わせた問題を作れることです。
漢字の勉強もしてみました。
■次の漢字を使った文章を作って。(小6の配当漢字の最初の30文字)
異 遺 域 宇 映 延 沿 我 灰 拡 革 閣 割 株 干 巻 看 簡 危 机 貴 疑 吸 供 胸 郷 勤 筋 系 敬
(30文字)
====
ChatGPT
異なる郷に生まれ、我々は宇宙への疑いを拡大し、その遺跡を見つけるために勤勉に働いた。彼らの貴重な貢献が、株の成長を促し、地域の革新を映し出した。それは、強く敬意を表す一方で、灰色の空を明るく照らし出した。
延びる道沿いにある閣楼は、その光景を見る者に異次元の世界を思い起こさせる。株式会社の幹部たちは、この困難な時期に簡潔なメッセージを提供することで、危機を乗り越えようとした。彼らは、勤勉に取り組むことで、我々の生活に影響を与えるこの系統の遺留品についての理解を深めようと努めた。
機械の進化は、この戦略の一部を形成していました。深い吸引力を持つこの技術は、我々の胸に新たな希望を植え付け、革新的なアイデアの創出を促しました。このように、我々の努力が無駄にならず、割り当てられた任務を進めることができました。
以上が、異なる文化と人々、そしてそれぞれが持つ異なる視点から見た、我々の旅と成果でした。この体験が我々の見識を広げ、未知の域を探求することの重要性を教えてくれました。
(436字)
====
この文章は長すぎますが、10文字ぐらいの漢字の文章を作り、それを暗唱暗写すれば、漢字はすぐに覚えられます。
この問題づくりも、それまでに子供が書き間違えた漢字に絞って作れば、能率のよい漢字の勉強ができます。
理科や社会でもできるかと思い、社会の問題を作ってみました。
■神奈川県と県庁所在地である横浜の2つの言葉の組み合わせを覚えるための語呂合わせの文章を作って。
====
ChatGPT
「神が奈って、川を越えたら、横に浜が広がっていた。」という語呂合わせを考えてみました。このフレーズは「神奈川」の神が奈って、川を越えることを示し、「横浜」は横に浜が広がる景色を描写しています。これにより、「神奈川県」の県庁所在地が「横浜」であることを覚えるのに役立つかもしれません。
====
やや意味が不明ですが、プロンプトを工夫すればもっといい問題ができると思います。
そして、ChatGPTはくたびれるということがありませんから、「47都道府県について、全部作ってみて」と
言えば、すぐに作ってくれます。
ここで大事なことは、先生や保護者がこういう問題をAIを使って作るのではないことです。
子供自身が作るのです。
子供が活用するChatGPTで、当面すぐに活用できるのは、読書感想文です。
たぶん、多少気の利いた中学生は、今年の読書感想文は、ChatGPTを利用して書くと思います。
小学5、6年生でも、進んだ子はそういうことをすると思います。
先日、「読書感想文は今年で終わる」という記事を書きましたが、この記事の肝心なところである「教育の概念」というのは、わかる人とわからない人がいると思います。
これからは、教育の方法が変わるのではなく、教育の概念が変わるのです。
教育は、大人が子供に知識を詰め込むことではなく、子供が自ら学ぶことになります。
そのときに使えるのがAI技術です。
AI技術によって、子供は、自分が学びたいことを自ら学ぶようになります。
親や先生が、子供に教えることは、勉強の中身ではなく、大人のこれまでの人生経験を生かして、どういう生き方が価値ある生き方かを子供と話し合うことです。
生き方を決めるのは子供です。
その材料を提供するのが大人です。
そして、勉強の方法を提供するのがAI技術になるのです。
■■言葉の森の勉強は、高3まで続ける勉強ということを前提にじっくり取り組むことが大事
言葉の森を小学4年生ぐらいでやめてしまう子が時どきいます。
それは、本当にもったいないことだと思います。
なぜ、そのころにやめるかというと、塾が忙しくなったからとか、塾でも作文の講座があるからとかいう理由です。
もちろん、言葉の森の生徒で、塾の講習とセットになった作文講座に通いながらも、言葉の森の作文の勉強はつづけるという生徒の方が多いです。
言葉の森の作文の勉強は、高3まで続けられる勉強です。
もちろん、高3の受験期には、誰でも志望校の過去問に合わせた勉強をするのが基本なので、特に小論文の試験がなければ、作文の勉強は休んでいいのです。
しかし、作文の勉強は、単に受験の小論文に合格するためにやるのではありません。
自分自身の考える力を伸ばすためにやっていく勉強です。
高3まで毎週1本作文を書いたという蓄積は、必ずあとで生きてきます。
だから、高3まで勉強を続けるのが基本なのです。
将来は、高3以降、大学生や社会人になっても、作文の勉強を通しての交流ができるようにしますが、それは少し先の話です。
国語、数学、英語など教科の勉強は、自分ひとりでもできるので、特に人に教わる必要はありません。
今は、優れた教材がいくらでも手に入るので、それらの教材を利用して自分でやればいいのです。
ただし、全体の見通しと、何のために何を重点にするかという戦略的なことは、高校生ではまだわかりません。
また、何をどう勉強するかという戦術的なことも、高校生ではまだわからない人が多いです。
戦術を考えるためには、大学入試の勉強法に関する本を10冊以上読んでおく必要があります。
10冊というのは、新しいことを始めるためのひとつの基準です。
関連する本を10冊よむためのいちばんよい方法は、所在地の都道府県の中で最も大きい書店に行き、大学入試の勉強法がそろっているコーナーにある本を10冊買ってくることです。
その10冊の本選びに、丸一日かけます。
費用は、数万円です。
それだけで、受験勉強のスタートはかなり有利になります。
しかし、ほとんどの高校生が自分で頑張るのは、戦略でも戦術でもなく、「何しろ勉強をする」という戦闘だけです。
この戦略、戦術、戦闘という考え方は、社会人になってからも必要です。
戦闘することしか知らない人は、結局優れた兵隊としてがんばるという生き方になります。
子育ての目標は、優れた兵隊を育てることではありません。
優れた人間、又は、優れたリーダーを育てることです。
小さな戦闘で勝つことは、それはそれでいいのです。
しかし、より大きな戦術で勝つことが、戦闘以上に重要です。
もっと重要なのは戦術以上の戦略で勝つことです。
更にその上に、戦争に勝つことがあります。
戦争に勝つための最も優れたやり方は、戦争をしないで勝つことです。
つまり、「百戦百勝は善の善なるものに非ず。戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり」(孫子)ということなのです。
勉強は、大きな見通しを持ってやっていくことです。
単に、目先の受験とか定期テストとかに左右されるのではなく、将来、社会人として生きていくために何が必要かという観点で勉強を進めていくことです。
私は、そういう勉強の中でいちばんの要になるものは、作文と創造発表だと思います。
プログラミングにも、そういう面があります。
これからの勉強の重点は、創造的な勉強です。
国語読解、算数数学、英語の勉強については、みんなと一緒に勉強することが励みになるということで、やっていくといいと思います。
国語も、数学も、英語も、中学生までの勉強はそれほど面白くありません。
面白くないが、やらなければならないという勉強は、みんなと楽しくやっていくといいのです。
しかし、その前提は、家庭での自主学習として毎日一定のページを進めていくことです。
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● 言葉の森新聞2023年6月2週号 通算第1758号 (9722字) 言葉の森事務局 jun 2023年06月08日 15時26分
14861 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年6月2週号 通算第1758号
文責 中根克明(森川林)
■■オンラインクラスの勉強の楽しさはお喋りの楽しさ――その楽しさをもとに家庭での自主学習をがんばる
●動画:
https://youtu.be/NMLLr_R1juQ
お喋りの楽しさなどと言うと、真面目なお母さんは、「そんな無駄な時間を」と思うかもしれませんが、そうではありません。
このお喋りの時間が、勉強のエネルギーになっているのです。
ただし、それは単なるお喋りではありません。
ひとつは、読書紹介です。
どのクラスでも、テスト期間中以外は、読んでいる本を互いに紹介します。
この読書紹介によって、どの子も毎週、それなりに本を読むようになります。
実は、読書は、勉強よりも頭をよくする効果が高いのです。
わかりやすく言えば、読書は頭を良くするが、勉強は成績をよくする、という関係です。
成績をよくする勉強の土台になっているのは読書力ですから、結局、時間はかかるように見えても、読書が成績をよくするのです。
これは、これまで多くの子供たちを見てきたことによる実感です。
小学校時代、本をよく読んでいた子は、中学生や高校生になり、勉強の自覚ができるような年齢になると、ぐんぐん成績を上げます。
その反対に、小学校時代、勉強を中心にして、読書をあまりしなかった子は、小学校時代は確かに成績はいいのですが、中学、高校と学年が上がるに連れて成績が伸び悩んでいきます。
この中学、高校の先に何があるかというと、大学生になり、社会人になれば、この差はもっと広がるということです。
本を読む習慣を大学生や社会人になっても続けられる人は、ずっと成長していきます。
本を読む習慣ができず、大学生や社会人になっても、YouTubeやSNSや身近な人の話からしか情報を取り入れられない人は、どんどん考え方が時代遅れになっていきます。
大事なものは読書習慣なのです。
これは、客観的な調査でも明らかになっています。
以下は、川島隆太さんのデータをもとにした記事です。
▽参考記事
https://www.shingakukuukanmove.jp/2019/01/02/%E5%AF%9D%E3%82%8D-%E6%9C%AC%E3%82%92%E8%AA%AD%E3%82%81-%E3%81%9D%E3%81%97%E3%81%A6%E5%8B%89%E5%BC%B7%E3%81%97%E3%82%8D/
====引用ここから====
次いで驚いたのが、読書習慣を全く持っていない生徒たちはそれだけで偏差値50を超えることが至難になるということ。
読書を1時間以上する子達と、全く読書習慣を持っていない生徒では、偏差値50を超える範囲が全く違います。
読書習慣がついている生徒は、多少睡眠時間が少なくても、多少学習時間が少なくても、偏差値50は超えやすい。
その一方で、読書習慣がない生徒はちょっと睡眠時間が少なかったり、ちょっと勉強時間が少なかったりしたら、偏差値50を超えることがかなり難しくなる。
====引用ここまで====
小学校時代は特に、勉強よりも読書を優先しているぐらいでちょうどいいのです。
中学生以降は、同じ読書でも、説明文意見文の読書にウェイトを置いていく必要があります。
学年が上がれば上がるほど、難しい本をよむ力をつけておく必要があるのです。
さて、オンラインクラスの授業では、この読書紹介のあと、それぞれの生徒の勉強が始まります。
その勉強の中で、先生の個別のアドバイス等があります。
そして、勉強の最後の時間に、一人一言の時間があります。
この一言の時間は、1人わずか1、2分です。
それぞれの生徒が、自由に自分なりのひとことを言います。
慣れないうちは、誰でも、どうでもいいことしか言いません。
「ねむい」とか、「おなかがすいた」とかいうあたりさわりのない一言です。
そんな一言であっても、なかなか出てこない子もいます。
しかし、一人一言の時間があることに慣れてくると、だんだんと誰もが個性的な一言を言うようになるのです。
これがコミュニケーション力です。
コミュニケーション力を育てるのは、練習量しかありません。
毎週のわずか1、2分の一言を繰り返す中で、次第に自分らしい一言を簡潔にいえるようになるのです。
こういう一人一言の時間を、傍で聞いているお母さんは、「勉強もしないで、お喋りばかりして」と思うかもしれません(笑)。
しかし、このお喋りが次の勉強のエネルギーになっています。
もし、これがお喋りもせずに、黙々と問題を解いたり、作文を書いたりする時間だけの授業だったとしたら、子供の意欲はだんだん低下していきます。
勉強でも、遊びでも、意欲の有無が成果につながります。
その意欲のもとになるので、友達どうしの楽しいお喋りや交流の時間なのです。
そして、このお喋りは、互いの人間関係の蓄積にもつながります。
お喋りを通して、面白いことを言う人、真面目なことを言う人、脱線するのが好きな人など、いろいろな個性が出てきます。
勉強では個性は出てきません。
答えが一つだから、点数がいいか悪いかの差しかありません。
しかし、お喋りは、全員がそれぞれの個性を表せる場です。
その中で、人間どうしのつながりを理解することが大事なのです。
私は、将来、言葉の森のオンラインクラスに一緒に参加していた生徒どうしが、結婚することがあると思っています(笑)。
そこまで行かなくても、卒業後も仲のいい友達としてつながりをもつことが多くなると思います。
オンライン少人数クラスの特徴は、人数が5人以内なので、全員が全員に関われる時間があることです。
人間どうしの関わりは、勉強だけを能率よく、ブロイラーのように詰め込むことよりも、ずっと貴重なことなのです。
ちなみに、この発表と創造に特化したクラスが、創造発表クラスです。
創造発表クラスは、毎週、全員が自分の好きな分野で研究したことを発表し、感想を言い合います。
こういう勉強は、オンラインの5人以内のクラスでなければできません。
私は、この創造発表クラスの勉強が、勉強の中で最もその子の心と頭の中に残るものだと思います。
それで、この6月から、創造発表クラスの枠を増やしました。
主な対象学年は、小3~中3ですが、小2以下でも高1以上でも参加できます。
わかりやすい目標は、将来の東大推薦入試か、イグノーベル賞を目指すことです。
というのは、半分冗談ですが、私は、創造発表クラスで独自の発表ができるような子は、将来、必ず何らかの分野で第一人者になると思っています。
■■中学3年生は詩と伝記を読もう
シルビー・バルタンの歌を聴いて、そのあと、ふと茨木のり子さんの詩を思い出しました。
この歌とこの詩は、何も関連はありません。
しかし、私は、なぜか自分の中でつながりを感じたのです。
「シルヴィ・バルタン(SYLVIE VARTAN) - アイドルを探せ(LA PLUS BELLE POUR ALLER DANSER」
https://www.youtube.com/watch?v=IP2fTeOm788
「汲む~Y.Yに」(茨木のり子)
大人になるというのは
すれっからしになることだと
思い込んでいた少女の頃
立ち居振舞の美しい
発音の正確な
素敵な女のひとと会いました
そのひとは
私の背のびを見すかしたように
なにげない話に言いました
初々しさが大切なの
人に対しても世の中に対しても
人を人とも思わなくなったとき
堕落が始まるのね 堕ちてゆくのを
隠そうとしても 隠せなくなった人を
何人も見ました
私はどきんとし
そして深く悟りました
大人になっても
どぎまぎしたって いいんだな
ぎこちない挨拶 醜く赤くなる
失語症 なめらかでないしぐさ
子供の悪態にさえ傷ついてしまう
頼りない生牡蠣のような感受性
それらを鍛える必要は少しもなかったのだな
老いても咲きたての薔薇 柔らかく
外にむかってひらかれるのこそ 難しい
あらゆる仕事
すべてのいい仕事の核には
震える弱いアンテナが隠されている きっと
わたくしも
かつてのあの人と同じくらいの年になりました
たちかえり
今もときどきその意味を
ひっそりと汲むことがあるのです
中学3年生は、自分の人生への自覚が始まる時期です。
その時期に、テスト勉強や部活の練習だけに費やすのではなく、詩と伝記を読む時間を作るべきです。
最初は、入門書のような本でもいいでしょう。
例えば、「詩のこころを読む」
https://www.amazon.co.jp/dp/4005000096/
しかし、今、中学生の子供が歩いていく道の途中に本屋があることは少なくなりました。
だから、お父さん、お母さんは、子供に、ネットショップのアカウントを作ってあげ、毎月5,000円の枠内なら何を買ってもいいよと話しておくのです。
(金額は、家庭の方針で決めてください)
読書のために使う費用は、塾に行かせたり予備校に行かせたりする費用よりもずっと価値があります。
子供は時どきくだらない本を買いますが、それも含めて読書は、どんな勉強よりも価値があります。
それは、子供自身が、大人になってそう思うはずです。
■■オンライン少人数クラスの学習――5人以内という少人数クラスでコミュニティ学習の効果が生まれる
少人数教育の研究でよく知られているグラフです。
https://www.mori7.com/izumi/gazou/2023/6030704170.png
全米学力調査(英語版)の2005年調査「学級規模と読書能力の相関( 4学年、8学年)」
クラスの規模は重要ですか? (
https://www.superkids.com/aweb/pages/features/reportcard2007/class_size.shtml)
1クラスの生徒数と読む力の関係で、1クラス20人よりも、1クラス10人の方が効果が高くなるという結果が出ています。
このグラフの延長を考えてみると、30人学級や40人学級になると、更にクラス全体の学力が低下することが予想されます。
これが、現在の日本の学校の平均的な生徒数です。
一方、10人学級よりも少ない人数では、少なくなればなるほど、クラス全体の学力は向上することが予想されます。
私の考えでは、生徒数が10人、9人、8人と少なくなるにつれて、学力はもちろん向上しますが、生徒数が5人ぐらいのレベルになると、その向上度が加速するのです。
ところが、生徒数が、3人、2人、1人と減っていくと、向上度は頭打ちになるか逆に低下します。
これは、人数のレベルに応じて教育の形態が異なってくるからです。
●集団学習
30人や40人のクラスでは、集団一斉指導という教育方法しかありません。
その集団一斉指導をカバーするのが、テストと宿題と競争と規律です。
集団学習には、規律が必要です。
授業中に立ち歩く子などが増えれば、授業が成り立たないからです。
言葉の森のオンライン少人数クラスでは、規律はありません。
授業のある夕方6時ごろの時間帯はお腹がすくので、お菓子などを食べて勉強してもいいことにしています。
しかし、こういう自由な雰囲気で勉強することは、集団学習ではできません。
●個別学習
生徒数が1人か2人の場合は、個別指導という教育形態になります。
個別指導とは、家庭教師のような教育です。
この教育は、生徒の意欲と講師の力量に左右されます。
講師は誰でもそれなりの力量がありますから、大事なのは生徒の意欲です。
ところが、個別指導で生徒に意欲を持たせるのは難しいのです。
それは、先生と生徒が1対1の学習では、生徒が先生に甘えるようになるからです。
「ちゃんと予習してきた?」「忙しかったのでしていません」「だめじゃない」「はい」というような形で毎週、準備不足の子がいても、先生はそれを是正させることができません。
個別学習は、受験直前のように生徒にやる気があるときにだけ効果がある学習形態です。
●コミュニティ学習
生徒が5人ぐらいになると、そこに動的な人間関係が生まれます。
一緒に勉強する時間が長くなるにつれて、友達と一緒に勉強しているという感覚が生まれます。
すると、あの子もやっているから自分もやるという気持ちになってきます。
同調圧力がよい方向に働くのです。
作文のような負担の大きい学習では、特にこの効果は顕著です。
国語、数学、英語のような教科の学習でも、クラスというコミュニティの中で教え合うということができるようになります。
ただし、コミュニティ学習の難しいところは、同レベルの生徒5人がひとつのクラスに集まるという仕組みがなかなかできないことです。
通学式の教室では、コミュニティ学習の仕組みを常態的に作ることはまずできません。
しかし、オンラインの教室であれば、コミュニティ化したクラスは作れます。
言葉の森のオンラインクラスでも、仲のいい生徒どうしが集まって勉強するクラスがいくつもあります。
このコミュニティ化したクラスを増やすことが、今後の目標です。
コミュニティ学習は、家庭学習とセットにして考える必要があります。
一緒のクラスで楽しく勉強しても、週に1回1時間の勉強だけでは何の力もつきません。
クラスでの勉強のあと、毎日、家庭で自分のペースで自主学習をする必要があります。
家庭で勉強をするときに、「あのクラスの人たちも、みんな今ごろ家で勉強しているだろうなあ」と思えることが、クラスでの勉強と家庭での勉強との接点になります。
その接点を意識させるのが、学習記録のそれぞれの生徒の学習ページ数です。
言葉の森のコミュニティ学習は、本格的に始めてからまだ数年しかたっていません。
2020年のコロナ休校がある前までは、個別学習が中心でした。
2020年以前は、オンラインクラスの受講者は創造発表クラスと自主学習クラスの2つで、全体の割合は5%でした。
現在は、オンラインクラスの割合が作文も含めて75%、個別学習の割合が25%です。
オンラインクラスは、生徒が増えれば増えるほど、コミュニティ化したクラスを作りやすくなります。
言葉の森の生徒は、現在、北は北海道から南は九州沖縄までほぼ全県から参加しています。
海外でも、アメリカ、アジア、ヨーロッパ、南米と多くの国から参加しています。
すると、海外の生徒と離島の生徒と九州と北海道と東京の生徒が、同じクラスで同じレベルの学習をすることができるようになります。
このロングテール効果を生かして、同学年同レベルのコミュニティ化したクラスを作っていくことが、言葉の森のこれからの課題です。
■■2023年の夏期講習
●動画:
https://youtu.be/_aBiHFRQPzw
2023年は、7月21日(金)~8月27日(日)を夏期講習期間とします。
夏期講習は、在籍生か、在籍生のご兄弟か、在籍生のお友達だけが参加できます。
在籍生のご兄弟、お友達の夏期講習費は、在籍生の口座から自動振替させていただきます。
非在籍生で、夏期講習を希望される方は、6、7月中に言葉の森のいずれかの講座を体験し、受講を開始してください。
夏期講習は、いずれも1コマから受講できます。
今回、企画する講座は、下記のとおりです(一部計画中)。
申し込みページは現在作成中です。
申し込みページができ次第、ホームページでお知らせします。
●小学1、2年生の暗唱(日曜朝8:00~8:45)
暗唱文集をもとに暗唱の実習を行います。日曜日の朝だけの授業ですが、そのあと平日に家庭で暗唱練習の続きができるので、夏休み中にひとまとまりの文章が暗唱できるようになります。(1コマ1,925円)
●小学3~6年生の読書感想文(時間未定)
指定図書のいずれかを選択し、その本について4日間で1200字の読書感想文を書きます。(1コマ2,200円)
課題図書は、「宇宙人のいる教室」「川は生きている」「道は生きている」「杜子春」「モモ」です。
宇宙人のいる教室(さとうまきこ フォア文庫)<小3~小6向き>
川は生きている(富山和子 講談社青い鳥文庫)<小4~小6向き>
道は生きている(富山和子 講談社青い鳥文庫)<小4~小6向き>
杜子春(芥川龍之介 講談社青い鳥文庫)<小5~小6向き>
モモ(ミヒャエル・エンデ 岩波書店)<小6向き>
(複数の出版社から出ている本については、どの出版社のものでもかまいません。)
●小学5年生の受験作文(平日朝8:00~8:45)
小学5年生に限定して、言葉の森の受験作文コースの課題をもとに受験作文の練習します。(1コマ3,300円)
小学6年生は、9月ごろから受験作文コースが始まるので、夏期講習では受験作文の講座はありません。
●小学5年生~高校3年生のプログラミング(平日朝9:00~9:45)
「高校生からはじめるプログラミング」をテキストに、HTML作成を学習し、自分のホームページを作り改良することを目標にします。
エディタやFTPのソフトをダウンロード、インストールする必要があるので、生徒専用のパソコンを用意して参加してください。
プログラミングクラスで、まだホームページを作成していない方や、作成したがその後の勉強の仕方を知りたいという方も、ぜひ参加してください。(1コマ1,925円)
●中学1~3年生の国語読解とディスカッション(平日朝10:00~10:45)
発展新演習の国語問題文をもとにディスカッションをし、そのあと読解問題を解き、間違えたところを理詰めに説明する練習をします。
短期間で国語力をアップさせる講座です。(1コマ1,925円)
●その他の講座
その他の講座は、現在、日程を計画中ですので、詳細が決まり次第お知らせします。
■■上手な作文は親子の対話で書く――低学年は題材作り、中学は似た例の取材、高学年は感想のアドバイス、受験生は準備と推敲の協力
言葉の森には、何度も作文のコンクールに載るような小学生から高校生までの生徒がいます。
そういう上手な作文を書くには、コツがあります。
そのコツの土台になるのは、読書と対話です。
●字数
見栄えのある作文を書くためは、学年相応の字数も必要です。
字数の大体の目安は、学年の100倍から200倍です。
小学1年生は100字から200字、小学2年生は200字から400字、……、小学6年生以上は600字から1200字、中学生、高校生も600字から1200字です。
内容のよい作文で、字数が短いときは、清書の週などに新しい実例を追加して字数を倍にします。
小学校高学年、中学生、高校生になると、字数がなかなか伸びなくなる生徒も出てきます。
作文の字数推移グラフを見ると、すぐにわかりますが、1年間近く同じ字数のまま書いている生徒が時どきいます。
字数が伸びていないのは、作文力が伸びていないからです。
●字数の目標
字数を長く書くためにどうしたらいいかというと、ひとつは字数の目標を意識することです。
もうひとつ、もっと大事なのは、読書の量を増やすことです。
●読書
読書は、小学生の間は生活作文という事実中心の文章なので、物語文の読書でも間に合います。
しかし、中学生以降は意見中心の作文になるので、説明文や意見文の読書をする必要があります。
アウトプットをするためには、その前提としてインプットが必要です。
読む量が不足していると、作文を書くために必要な実例や表現が出てきません。
●添削
この読書と並んで大切なのが、親子の対話です。
作文力は、読書と対話に支えられて成長します。
世間で大きな誤解のあるのはここのところです。
上手な作文を書くためには、添削を強化すればいいと思ってしまう人が多いことです。
添削では、作文は上手になりません。
もともとの作文が読み応えのある内容になっていることが大事で、添削はその付け足しなのです。
●低学年の対話
対話の分野は、学年によって変わってきます。
小学校低学年の場合は、作文の題材作りを手伝うことです。
低学年の生徒は、自分のしたことや、自分が面白いと思ったことを無邪気に書きます。
それは、それでいいのですが、普通に自分のしたことを書くだけだと、いつも「学校でこんなことがありました」とか、「今日もともだちとサッカーをしました」とかいう、代りばえのない作文になります。
もちろん、それでもいいのですが、大きくなってから自分の低学年のころの作文を読み返して面白いと思えるような作文を書ければ、やはりその方がいいのです。
価値ある作文は、その子の自分らしい経験が書いてある作文です。
子供は、映画を見にいって楽しかったときは、映画の話を書こうとします。
ゲームをして面白かったら、ゲームがどうなったかという話を書こうとします。
翌日楽しい遠足があるというときは、遠足が楽しみという話を書こうとします。
しかし、見ただけの話や、未来の話は、いずれも、自分らしさのある作文にはなりません。
低学年の作文は、題材づくりを親が手助けをしてあげるといいのです。
それは、別に、わざわざディズニーランドに連れていくというようなことではありません。
例えば、「今度の日曜日、お母さんと一緒にカレーライスを作ろうか」とか、「お父さんと一緒に、ザリガニをつかまえに行こうか」とかいうことでいいのです。
その際、子供と一緒に、必要な手順を考えて、できるだけ子供が主体的に参加する形にすることです。
こういう経験が、作文を書く以上に、子供を成長させます。
●中学年の対話
中学年からは、作文の課題が決まってくるので、お母さんやお父さんに似た例を取材することが必要になります。
特に、日常的に対話をする機会の少ないお父さんに似た話を聞くと、子供の題材力が広がります。
感想文の課題のときは、特に、子供の体験だけでは十分に書けないので、お父さんやお母さんが似た経験を話してあげることが必要になります。
似た話の取材は、家族だけに限りません。
場合によっては、田舎のおじいちゃんやおばあちゃんに電話で取材をしてもいいのです。
この取材によって、子供の題材と表現の幅が広がります。
そして、この対話は、作文に役立つだけよりも、むしろ子供の生き方、ものの見方の成長に役立つのです。
●高学年の対話
小学校高学年以降は、似た例の話のほかに、感想や意見のアドバイスもしてあげることができます。
高学年になると、生徒自身がよりよい文章を書こうと思うようになります。
しかし、小学校高学年のうちは、まだ感想や意見を書くための語彙が不足しています。
そのときに、中学年のころまでに似た例の取材をよくしてきた子は、感想や意見についても両親に話を聞こうとします。
感想や意見の対話によって、子供の考える力が伸びていくのです。
●受験生の対話
受験作文に取り組む場合も、親子の対話が必要です。
ひとつは、課題を見て、どういう実例や構成や意見で書けるかを話し合うことです;
特に大事なのは、どういう実例で書くかということです。
いい実例を思いつくと、その方向で一気に書けるようになるからです。
そして、先生から作文が返却されてきたときは、その作文を親子で推敲するのです。
普段の作文では、推敲までする必要はありません。
かえって、普段の作文で推敲をする時間をとると、子供は作文を書くことを負担に感じるようになります。
しかし、受験作文の目標は合格する作文を書くことですから、よりよい表現になるように親子で赤ペンを入れていくようにするといいのです。
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● 6月学力テストの発送【送信指定】 (82字) 森川林 nane 2023年06月05日 13時27分
14854 (言葉の森オンライン新聞)
この連絡は、6月の学力テストを申し込まれた方にお送りしています。
テストの発送が遅れておりますが、今週中には発送できると思いますので、もうしばらくお待ちください。
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● 言葉の森新聞2023年6月1週号 通算第1757号 (12110字) 言葉の森事務局 jun 2023年06月02日 17時18分
14848 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年6月1週号 通算第1757号
文責 中根克明(森川林)
■■オンライン少人数クラス教育宣言――オンライン少人数クラスの教育は、集団指導でも個別指導でもなく、クラス指導というかたちの、生徒の発表と対話を生かした新しい時代の教育
●動画:
https://youtu.be/nxiulFnu9cg
オンライン少人数クラスの教育というのは、言葉の森が初めて始めたことなので、ほかに比較できるような教室はありません。
オンライン少人数クラスの教育は、集団一斉指導の教育ではありません。
しかし、単なる個別指導の教育でもありません。
それらの教育とは異なる、生徒どうしの発表と交流、生徒と先生の対話を中心にした5人以内の少人数クラスでの教育です。
これまでの勉強スタイルの多くは、生徒が教室で先生の話を聞き、そのあと家庭で行う宿題を出され、時どき教室でテストをされるというかたちでした。
この従来の教育には、三重の無駄がありました。
第一は、先生の話を聞く授業は、わかることもわからないこともひととおり聞かなければならないという無駄です。
勉強は、参考書や問題集を自分のペースで進めた方がずっと能率がいいのに、授業では最初から最後まで先生の話を聞かなければなりません。
私は、小学校高学年のころ、授業が退屈で、教科書にずっと落書きを書いていました。
そのときの担任の先生は、後に校長先生になるとてもいい先生でした。
しかし、私は授業を聞いているだけの時間が退屈で仕方なかったのです。
今も、このように感じて授業を受けている子供たちは多いと思います。
第二は、学校から出される宿題は、その多くが無駄だということです。
できることを何度もやらされる一方、できないことも通り一遍でしかできません。
自分で判断して、できない問題を中心に自習をすればいいことを、人に指示されて全員一律の宿題をやらされるのですから、時間がかかるだけでそのわりに中身はあまりありません。
宿題が必要なのは、自分で勉強できない生徒だけでいいのです。
第三は、単なる評価のためだけのテストという無駄です。
テストは、過去の評価のためのテストでなく、未来の指導のためのテストであるべきです。
しかし、今のテストは、結果を評価するためだけのテストになっています。
そのため、重要なことをテストするよりも、生徒が間違えやすいことを中心にテストをするという本末転倒のテストになっています。
テストの目的は、点数をつけることではなく、100点が取れるまで指導することにあります。
だから、点数をつけることはゴールではなく、指導のスタートです。
答えのあるテストは、100点が取れるまでやることが当然なのです。
授業の無駄、宿題の無駄、テストの無駄という現在の教育の三重の無駄は、今の教育体制のもとでは解決できません。
教える先生の工夫では、この無駄の多い教育を変えることはできません。
根本的に、教育のプラットフォームと、教育に対する考え方つまり教育観を変える必要があるのです。
オンライン少人数クラスの教育は、友達と一緒に行う学習を基本としています。
それは、5人以内という人数を限定したクラスだからできる学習です。
オンライン少人数クラスでは、読書紹介とか、一人一言の時間とか、先生のちょっとした雑談とか、勉強の中身とは一見関係のない無駄に見える時間があります。
しかし、それらは無駄ではありません。
生徒が身につける勉強の中身は、家庭での自主学習によるものです。
授業での先生の役割は、生徒の家庭での自主学習の状況をチェックし、必要に応じてアドバイスをし、生徒たちが自由に発言できるクラス作りをすることです。
そのときに、ひとつのクラスで友達と一緒に勉強しているという環境が必要になるのです。
子供たちが成長したときに残るのは、友達と一緒に勉強した経験と、家庭で行った自主学習の蓄積です。
学習とは、知識をブロイラーのように詰め込むことではなく、人間の経験として身につけることです。
人生の一部として身につけた学習が、生きた学習になるのです。
教育は、生身の人間の関わりの中で行われる必要があります。
少人数クラスの学習は、集団一斉指導の学習とも個別指導の学習とも違います。
しかし、この新しい学習スタイルは、まだ十分に理解されているとは言えません。
教える先生の側も、つい昔ながらの一斉指導や単なる個別指導の教え方になりがちです。
また、保護者の方も、生徒がお喋りばかりしていて無駄の多い授業だとみなしがちです。
しかし、このオンライン少人数クラスの教育が、これからの新しい教育の姿です。
AI時代に、勉強のスタイルと勉強の目的は大きく変わります。
与えられた知識を詰め込み再現する教育から、新しいものを創造し発表する教育に変わるからです。
その新しい教育のひとつの姿が、言葉の森のオンライン少人数クラスの教育なのです。
■■壊れるものを見ているよりも、まず自分で作る
●動画:
https://youtu.be/VkeDh6tyOvI
藤原直哉さんの話を聞いていて、いい言葉だと思ったものがあります。
それが、「壊れるものを見ているよりも、まず自分で作る」です。
(言葉そのものは違うかもしれませんが、言っている内容はそういうことです。)
https://www.youtube.com/watch?v=cJGGYyK9OFw&t=1292s
今、ニュースで流れてくる情報は、どうでもいいものが多いです。
ジャニーズがどうしたとか、ワクチンがどうしたとか、アメリカがどうしたとかそういうことは、どうでもいいものです。
まともな人は、そういう壊れていくものを見ているよりも、自分の道を歩いています。
世の中には、批判されるべきものがたくさんあります。
しかし、若い人は、そういうところに目を向けずに、まず自分の成長に目を向けるべきです。
批判は、ほとんど何も生み出しません。
確かに、貴重な批判を述べる人はいます。
例えば、副島隆彦さんのような人です。
しかし、そういう人は、ほんのわずかです。
あとの批判は、みんな尻馬に乗って騒いでいるだけです。
だから、批判よりも、大事なことは創造なのです。
世の中をよりよく変えてきたのは、批判でも革命でもなく、発明と創造です。
例えば、今、世界のどこかで開発が進められているフリーエネルギーが実現すれば、今日の世界にある政治的、経済的な問題のほとんどが解決します。
しかし、そういうことを話題にする人がいないので、そこに目を向ける人がいないだけです。
話を教育に戻せば、今の学校教育も壊れつつある世界です。
そのひとつの証拠は、年々増える不登校の生徒です。
また、重箱の隅をつつくような些細な知識のテスト体制です。
今の学校の役割は、通学するという規則正しい生活作りと、友達との交流だけではないかと思います。
要するに、子供が学校に行っていれば安心だという安心料の役割だけなのです。
勉強の中身は、学校に行かなくても、充実した参考書と問題集でカバーできますし、その方がずっと能率がいいのです。
だから、子供たちは、学校に合わせるのではなく、自分の興味関心を学問的に伸ばすことに焦点を合わせていくことです。
今、子供たちが長い時間をかけて苦労して身につけている知識は、ほとんどがChatGPTやBardのAI技術で代替できるものです。
いい大学に入ること自体に価値があった時代は終わりつつあります。
いい仕事をすることに価値がある時代になるのです。
そのいい仕事をするための途中経過として、勉強したり、大学に行ったりするということなのです。
■■40数年前、日本で初めて作文教室を開いた言葉の森が、これから創造発表クラスを広げます
●動画:
https://youtu.be/cOoN9nSA3I4
40数年前、言葉の森が日本で初めて作文教室を開設したとき、参加した生徒は小1の男子1人と、小6の女子1人の合計2人でした。
それから、数十年、独自の作文指導法を開発して、今は、言葉の森が日本で最も先進的で最高水準の作文指導をする教室になっています。
言葉の森が作文指導を始めたのは、作文教育がこれからの日本に必要だと考えたからです。
しかし、そのころは、まだ作文に対する需要はどこにもありませんでした。
今、世間にあるいろいろな作文講座や作文教室が作文指導を始めたのは、受験作文が増えて作文に対する需要があるようになったからです。
作文教育の意義を考えたところから始めたわけではありません。
言葉の森は、いつも未来を考えています。
これからの子供たちの教育で大事になるのは、思考力、創造力、共感力を育てることです。
目の前の成績を上げることではありません。
成績は、結果として上がればいいのです。
創造発表クラスに対する需要は、まだほとんどありません。
しかし、だから今、言葉の森が、創造発表クラスを広げる必要性を考えているのです。
創造発表クラスの勉強は、教わる勉強ではありません。
子供たちは、知識を教わる勉強など望んでいません。
私自身が子供のときそうだったので、今の子供たちの気持ちがわかります。
子供たちは、椅子に座って黙って先生の話を聞くよりも、自分の好きなことを好きなだけ研究したり発表したりしたいのです。
創造発表教育の目指すものは、子供たち一人ひとりがその個性に応じて、将来自分の選んだ分野で第一人者になることです。
経営の分野で言えば、会社を作って社長になることです。
ほかの人から与えられたゴールで、競争して上位に入ろうとすることではありません。
何らかの分野で第一人者になるために必要な学習基盤は、発表と対話を中心にした5人以内の少人数のクラスのプラットフォームです。
5人以内であれば、各人がそれぞれの個性に応じて自由な研究と発表ができます。
現在、新学習指導要領で取り上げられている高校の探究型学習の多くは、実際には1クラス数十人の集団で、いくつかのグループに分かれた学習として行われています。
与えられたテーマでグループの一員として行う探究学習にも意義はありますが、グループ学習では個性に応じた研究と発表は十分にはできません。
また、ひとつのテーマにかける期間が半年や1年と長いことも、子供の立場に立ってみれば不自由です。
子供たちは、いろいろなことに興味を持っています。
さまざまなテーマに興味を示し、面白ければ更に追求し、つまらなければほかのテーマに切り替えるという柔軟性が学習の選択の中になければなりません。
新しい教育には、新しい理念と新しいプラットフォームが必要です。
今の探究型学習は、まだ中身と入れ物が結びついていません。
個性を生かす学習には、個性を生かす仕組みが必要なのです。
言葉の森の創造発表クラスは、参加生徒の発表と対話を中心にした運営をします。
そして、それがクラス内だけの発表と対話にとどまらないように、月に1回はオープンに発表する場を設けます。
それが、プレゼン創造発表会の企画です。
発表の成果がどういう形で表れるかという具体的なイメージは、東大の推薦入試、京大の特色入試、海外も含めた各大学のAO入試、イグノーベル賞などと考えるとわかりやすいと思います。
私は、言葉の森の創造発表クラスの卒業生から、イグノーベル賞の受賞者が出ると面白いと個人的には思っています。
しかし、そのころには、イグノーベル賞より言葉の森の創造発表大賞の方が目標になるかもしれません。
勉強は、面白くなければなりません。
自分が本当にやりたいことをやれば、それがいちばん面白い勉強になります。
それぞれの生徒が、自分の興味、関心を学問に高め、その学問を創造的に発表することが、創造発表クラスの目標です。
対象学年は、小3から中3ぐらいまでになると思いますが、低学年や高校生の生徒も参加できます。
体験学習に参加する場合は、事前に自分の作品をアップロードして、それを5分程度で紹介できるようにしてください。
▽関連する参考資料
「アクティブラーニングとは 基礎・基本を事例含めご紹介!」
https://find-activelearning.com/pub/active-learning
「アクティブラーニングとは?注目されている理由や手法、事例を紹介」
https://coeteco.jp/articles/10663
■■スマホの使用をコントロールするには、幼少期の家庭の文化作りから
●動画:
https://youtu.be/O5QX4oFiLII
スマホのやりすぎ、ゲームのしすぎ、YouTubeの見すぎで困っている家庭は多いと思います。
こういう新しい問題は、親の子供時代の経験がないので、途方にくれることが多いのです。
だから、これらは、親が試行錯誤で工夫してコントロールするしかありません。
大事なことは、目の前の現象をどうコントロールするかということではなく、それ以前の子育てをどうしていくかということです。
子供が幼少期のうちに、親子で話し合ってルールを決める習慣を作り、そのルールを守る習慣を作ることが大事です。
そういう幼少期のルールができていないまま、中学生になってからあわててコントロールしようとしてもできるものではありません。
勉強の習慣についても、読書の習慣についても同じです。
子供が小学1年生のうちに、毎日決まった勉強をするとか、毎日必ず読書をするとかいう習慣をつけておくことです。
子育ての中心は、家庭です。
学校でも、塾でも、偉い人のアドバイスでもありません。
何事もやり直すのに遅すぎることはありません。
子供が中学生になってからでもいいので、親子で話し合って妥当なルールを決め、そのルールの守られ状況を時どき確認するという習慣を作ることです。
こういう習慣作りがむずかしいのは、それが単なる習慣ではなく、家庭の文化を作ることでもあるからです。
勉強などは、やる気になればすぐにできるようになります。
しかし、文化はなかなか作れません。
文化とは、朝起きたら家族にあいさつをするとか、返事はいつでも「はい」と言うとか、椅子にはきちんと腰掛けるとか、席を立ったら椅子をしまうとか、履物はきちんとそろえるとか、夜は何時までに寝るとか、朝は何時までに起きるとか、起きたら布団は自分でたたむとか、食事を食べながらスマホやテレビを見ないとか、人の悪口は言わないとか、下品な流行語は使わないとか、近所の人にもあいさつをするとか、そういう細かいことの積み重ねです。
これらは、言ってすぐにできるものではありません。
何ヶ月も繰り返して、やっと少しずつできるようになるものです。
だから、勉強よりもずっと難しいのです。
文化作りは、全部やるのではなく、まずどれかひとつルールを決めてそれを守る習慣を作り、少しずつ家庭の文化として作っていくことです。
私は、この文化作りに、オンラインクラスの作文や総合学力はぴったりだと思います。
それは、親が関われることと、親も子供の様子を見ることができるからです。
見るというのは、一緒に参加するかたちでも、別のPCから参加するかたちでも、あとでレコーディングを見るかたちでも、いずれでもできます。
作文の場合は、似た話の準備を親子でする機会があります。
総合学力は、毎週、国語や算数や暗唱や発表の準備をする機会があります。
また、いずれの場合も、読書紹介の準備をする機会があります。
こういう機会を生かして準備を習慣化していくことが、家庭の文化作りの第一歩です。
▽参考記事
「研究者が思わずゾッとした「子どものスマホ使用時間と偏差値の関係」小中学生7万人調査でわかった衝撃の事実」
https://president.jp/articles/-/69373
====引用
スマホ等の使用時間が長くなればなるほど、平均以上の成績を表す灰色の棒の数が明らかに減っていく様子が見てとれます。
衝撃的なのは「3時間以上」の結果です。灰色の棒が1本も残りませんでした。この結果からわかることは、スマホ等を1日3時間以上使用している子どもたちは、どれだけ勉強を頑張っていても、きちんと睡眠時間を確保していたとしても、成績が平均未満に沈んでしまっているということです。
====
■■ChatGPTなどの新しいテクノロジーは、規制よりも活用を先に考えて
ヨーロッパでは、ChatGPTに対する規制が強化されつつあります。
それは、ヨーロッパが衰退した国々だからです。
「欧州のチャットGPT規制、アルトマン氏「適応できなければ事業を停止する」」
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20230525-OYT1T50143/
新しいテクノロジーが登場したとき、それを規制する側に回るか、活用する側に回るかという最初の選択は大事です。
基本は、活用したあとに、必要に応じて規制をすることです。
この大きな方針の順序を間違えないことです。
日本では、いまだに「欧米ではこうなっている」という人がいますが、欧米はもう参考になりません。
日本は、日本の独自の方針を打ち出していくことです。
※この話は、一見、子供の教育に関係がないように見えるかもしれませんが、子供たちの成長は、日本の政治によって作られた教育環境に支えられています。
■■受験秀才を超えた、個性的主体的な学力を育てる
●動画:
https://youtu.be/6Ha9LqMiNjE
言葉の森で、低学年の総合学力クラスの子を教えていると、低学年の子供だけあって、その子の個性がよく出てきます。
いちばん顕著なのは、授業の終わりの「一人一言」という自由な発言の時間です。
このときに、喜んで自分のことを言う子がいます。
こういう子は、自由にのびのび生きていると言っていいと思います。
しかし、自分のことを言わない子がいます。
自分の個性が出ないようなことを、いつも言う子がいるのです。
なぜ個性を出さないかというと、私は、人に注意されることを避けているからではないかと思います。
間違ってはいけないから、正しいことだけを言わなければならないと考えているようなのです。
成績のよさと、自分を出さないことは、一致していることが多いです。
その背景には、きちんと子育てをしているお母さんがいると思います。
きちんと子育てをしているので、子供もきちんとしていて成績もいいのです。
しかし、その分、お母さんに注意されることのないように先回りして無難なことしか言わない生き方を身につけたように思うのです。
私は、子供はワイルドに生きるのがいいと思っています。
自分から進んでいろいろなことをやってみて、失敗したり、成功したりという経験が大事です。
人に指示されたとおりにやっていれば、失敗はほとんどありません。
しかし、そのかわり自分で成し遂げたという喜びもあまりありません。
湯川秀樹氏が、好きな数学をやめて物理学に転向したのは、数学の先生が、先生の教えたとおりの方法で解かなければ答えが合っていても×にするという教え方だったからです。
その数学の先生は、それなりに考えてやっていたことでしょうから、それはそれでいいのです。
しかし、才能のある人は、決められたやり方でやるよりも、自分らしいやり方でやりたいと思うのです。
子供をきちんと育てることが大事なのは、小学2年生ころまでです。
小学3年生になったら、次第に、親の言うことよりも、自分で判断して行動するように仕向けていくことです。
指示に従うよりも、自分で考えて行動する方が大事だということを教えていくのです。
私は、日本のガラパゴス入試が、子供たちを指示待ち人間にしているように思います。
決められたとおりに能率よくやらなければ成績は上がりません。
自分らしさを抑える方が、能率はいいのです。
しかし、その能率のよさは尊重しつつも、能率に負けない主体性を育てていくことが大事だと思います。
▽参考記事
「問題を与えられないと解けない…日本の「受験秀才」が実社会で成功しない根本原因」(野口悠紀雄)
https://president.jp/articles/-/69314
====引用
……「問題を発見する能力」は、学校教育ではなかなか訓練できません。その結果、受験秀才は、問題が与えられればそれを効率的に解けるのですが、どんな問題に取り組んだらよいのかが判断できないのです。
しかも、問題に答えがあるとは限りません。答えがない問題を捉えてしまう危険があります。
これらについての勘を養うことが重要です。それは、受験に必要な能力とは違うものです。
受験秀才はそれができず、「指示待ち人間」になってしまう危険があります。これが受験秀才の最も大きな問題です。このため、受験で成功しても、人生で成功するとは限りません。
====
野口悠紀雄さんは、東大の工学部で学び、その後、アメリカの大学で経済学を学んだ人ですから、受験秀才と言ってもいいと思います。
しかし、野口さんの書いている本を見ると、すべて独自の考え方で、まだ誰も言ったことのない話を展開しています。
だから、受験秀才をはるかに超えた人なのです。
その野口さんの言っていることは、やはり説得力があります。
私は、受験秀才は、クイズ番組のような分野に向いていると思います。
しかし、クイズ番組でいちばん強いものは、これからはChatGPTになります。
人間は、クイズ番組を超えなければならないのです。
■■声掛けは否定語でなく肯定語で――明るく楽しい人生を送るために
●動画:
https://youtu.be/yTtkD8BVhEw
つい言ってしまうのが、否定する言葉です。
「ちゃんと勉強しなきゃだめじゃない」
「しない」「だめ」というダブルの否定の言葉を聞いて、「よし、がんばろう」と思う子はまずいません。
そういうときは、
「勉強すると、こんないいことがあるよ」
という言い方をすればいいのです。
ただし、子供を誘導するためにこういう言葉を使うのではありません。
明るく楽しく暮らしていくために、日常会話の端々で肯定的な言葉を使うということです。
注意されたり否定されたりして育った子は、それなりにいい子になります。
だから、ある程度の注意は必要です。
しかし、その度合が強いと、その子の生き方が萎縮したものになります。
つまり、失敗しないこと、注意されないことを中心に生きるようになってしまうのです。
子供が音読をしているとき、近くで聞いているお父さんやお母さんは、ついひとこと注意をしたくなると思います。
それが、多くの子供が音読を嫌いになる原因です。
どんな下手な読み方をしていても、そこで、うそでもいいから、お父さんやお母さんが、
「音読、だんだん上手になってきたね」とか、
「難しい文章をよく読んでいるね」とかいう言葉掛けをするのです。
すると、不思議なことに、何の注意もしないのに、だんだん音読が上手になってくいきます。
肯定的な言葉掛けをすると、その言葉に一致する方向に現実が動いていくのです。
「うそでもいいから褒める」これが、子育てのキーワードです。
ただし、繰り返し言いますが、これは子供を誘導したりコントロールしたりするためではありません。
生きていることは、基本的に肯定的なことだと伝えるための声掛けなのです。
▽参考記事
「「やる気のない子」と叱る前に親ができる10の事 「指示・命令・脅迫・説得」で人は動かない」
https://toyokeizai.net/articles/-/674443
子育ての上手なお母さんは、自然にやっていることです。
全部読む必要はありませんが、次の言葉は覚えておくといいと思います。
====引用
(1)(一歩先のことを伝える)【例:早く起きなさい→ご飯できたよ】
(2)「やる気になる時間帯と場所を見つけてみない?」
(3)「まずは1つ(1分)だけやってみたらどうかな?」
(4)「別にいいんじゃないやらなくても」
(5)「いい感じだね?」
(6)「ありがとう、嬉しい、助かった!」
(7)「着実に前進しているね?」
(8)「どちらからやる?」
(9)簡単、簡単!
(10)「ヒントは〇〇」「制限時間30秒ね」【クイズ化する言葉】
====
■■作文が当日中に書き終えられない場合は、翌日中に書き終えて送信してください――作文力のグラフを上達の目安に
保護者懇談会で、低学年の生徒の保護者の方から、「授業のあと、くたびれて書き終えられないので……」と相談がありました。
小学校高学年や中高生でも、そういう人がいると思います。
したがって、翌日中に書き終えて送信するということにしたいと思います。
しかし、「今日はできないから、いつかやる」ということは認めません。
必ず授業中に書き出して、その日か、翌日の間に書き終えて送信するというふうにしてください。
中学生、高校生は定期テストと重なるときがあると思います。
その場合は、
・休むか、
・他のクラスに振り返るか、
・時間を15分とか30分とか区切って、要約と感想だけでまとめるとか、
いずれかやりやすい形を工夫してください。
作文は、長い勉強なので、無理をせずに続けていくことが大事です。
細くても長く続けていれば、それに比例して必ず上達します。
上達の目安は、字数点と森リン点の推移です。
作文の点数推移のページで、グラフが右肩上がりになっているかどうかを確かめてください。
https://www.mori7.com/oka/sk_tenn.php
字数は、年間100~200字増えていることが上達の目安です。
字数は、小6以上で、コンスタントに1200字以上書けるようになることが目標です。
森リン点は、年間2ポイント上昇していることが上達の目安です。
森リン点は、小6以上で、平均的に86点以上になることが目標です。
■■小学3、4年生の子が必ず熱中する本「宇宙人のいる教室」――今後、学習記録の中に、読書記録の欄も入れる予定
小学3年生ぐらいからの生徒に、「この本、おもしろいよ」と「宇宙人のいる教室」を渡すと、ほとんどの子は、熱中して1日で読み終えてしまいます。
この本は、学校図書館協議会の課題図書にも取り上げられていたことがないので、知らない人も多いと思いますが、小学生にはおすすめの本です。
内容は、人間の弱さ、優しさ、協力、自然の美しさなどの深い内容が、物語として読みやすく書かれています。
物語文の役割は、その本の内容に引き込まれる経験をすることです。
物語の中に没入することによって、感動や共感という気持ちが育ちます。
説明文の役割は、ものごとを理由、原因、方法などの構造としてとらえる理解力を育てることです。
読書には、どちらも必要です。
ただ、世の中には、読みやすい物語文の本の方が圧倒的に多いので、家庭での読書は、説明文に重点を置くぐらいにして読んでいくといいと思います。
オンラインクラスで、生徒全員が毎週行う読書紹介で、いい本がよく紹介されていますが、そのクラス内の人しか知りません。
そこで、今度、学習記録の中に、読書紹介の欄も設けるようにしたいと思います。
本の書名だけでなく、おすすめ度などの情報も入れられるようにすれば、みんなの参考になります。
たまに、「勉強が忙しくて本を読めない」という人が、ごくたまにですが、います。
中高生は、定期テストの2週間前からは、読書をいったん休んでもいいのですが、その期間以外は、原則として毎日読書をしておく必要があります。
毎日の読書のページ数は、小5以上は50ページ以上です。
また、読書は、何冊か並行して読み、1冊が飽きたら、別の本に切り替えるというふうにして読んでいくといいです。
その際、読みかけのページに小さい付箋を貼っておくと、すぐに続きを読み始められます。
生徒のみなさんは、勉強よりも読書を優先するぐらいの気持ちで毎日の読書に取り組んでください。
▼参考記事
「付箋読書の仕方(何冊もの本を並行して読む)」
https://www.mori7.com/as/1367.html
▼小さい付箋(コクヨ タックメモ 付箋超ミニサイズ)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B000NNPYOG/ref=ppx_yo_dt_b_search_asin_title?ie=UTF8&psc=1
▼参考記事
「東北大学 川島隆太教授 インタビュー「読む&書く」からこそ学びは深くなる」
https://www.hj.sanno.ac.jp/cp/feature/201911/08-02.html
====引用ここから====
活字を黙読すると、後頭葉や側頭葉、頭頂葉をはじめ、左右の前頭前野が活性化する。音読する場合は発声とその音声を耳で聞くことを伴うため、黙読のときに活性化する部位に加え、聴覚野なども活性化する。音読は大脳の70%以上の神経細胞が働く、脳のトレーニングに最適な方法の1つと言える。動画視聴中は主に視覚や聴覚に関わる後頭葉と側頭葉が活性化する一方、前頭前野の働きは低下しており、脳はリラックスしている状態になっている。
====引用ここまで====
動画をみても頭はよくならないが、本を読めば頭がよくなるという話です。
ただ、音読は負担が大きいので、問題集読書のような場合だけに限り、普通は黙読で読んでいくといいと思います。
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● 言葉の森新聞2023年5月4週号 通算第1756号 (5213字) 言葉の森事務局 jun 2023年05月22日 08時58分
14765 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年5月4週号 通算第1756号
文責 中根克明(森川林)
■■第4週は清書。幼稚園生は作文
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
■100-8051(住所はいりません毎日小学生新聞「さくひん」係(600字以内)
●新聞社に送る清書は市販の原稿用紙に
新聞社に送る清書は、市販の原稿用紙に書いてください。
その理由は、清書は個人で送るものなので、自分で用意した原稿用紙に書くのが、社会的なルールとなるからです。
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■高校入試でも大学入試でも記述力が重視される――今後の学力は記述が中心に
●動画:
https://youtu.be/KeIlrxzOyWs
少し早い話ですが、ChatGPTやBardの要約機能を利用すれば、生徒の要約の採点はすぐにできます。
ChatGPTやBardの作った要約と、どれだけ近い要約ができたかを基準にすればいいからです。
もちろん、この採点には誤差があります。
しかし、人間が行う採点の誤差よりも小さいはずです。
何よりも、採点に、全くと言っていいほど時間がかかりません。
しかし、実は、要約のコツは簡単です。
言葉の森の要約の仕方を身につければ、深く読み取れていない生徒でも、上手な要約を書くことができます。
したがって、もっと高度な記述力の評価は、AとBの2つの文章を読ませて、その2つを合わせて記述させることです。
図で書くとこんな感じです。
┏━━━┳━━━┓
┃ ┃ ┃
┃ ┏━┻━┓ ┃
┃A┃ C ┃B┃
┃ ┗━┳━┛ ┃
┃ ┃ ┃
┗━━━┻━━━┛
このCの部分を読み取るためには、AとBの2つの文章を深く読み取っている必要があります。
これは、単純な要約よりもずっと難しい記述です。
そして、これも、AIは簡単に採点できるでしょう。
記述力をつける勉強は、いたって単純です。
難しい文章を読み慣れること、そして難しいテーマの文章を書き慣れることです。
難しい文章の教材は豊富です。
高校生であれば、大学入試の国語の問題文を読書がわりに読んでいけばいいのです。
今の国語は文学的な文章ばかりでなく、説明文が豊富です。
「2023年受験用 全国大学入試問題正解 国語(国公立大編)」
https://www.amazon.co.jp/dp/4010366788
(私立大編もありますが、国公立大編の方が文章がまともです。)
書く力をつける練習は、実際に書くことです。
特に、字数とスピードは、実際に書かなければ身につきません。
言葉の森で勉強するのがいちばんいい方法です。
参考になるニュース記事を載せます。
<千葉県の公立高校入試>「新しい学力観」に照準 難関校が出題、「思考力を問う問題」とは?【合格への助走 市進受験ナビ】
https://www.chibanippo.co.jp/news/national/1047443
====引用====
国語は、2つの異なる説明文を時間内に読み進め、それぞれの筆者の主張する具体的な内容のうち、共通部分を自分の言葉で言い換えながら180文字以上で記述させるという、受験生には大変負担が重い問題が出題されています。
……
素早く、正しく読む力、内容を理解する力、問題条件に必要な情報を文章から探し出す判断力、抜き出した情報を整理しながら解答にまとめていく思考力、そしてそれを解答用紙に記述していく表現力が必要であるといえます。
====
(千葉日報より)
■■創造力のある子に育てるには――子供と時どき人生の話をし、あとは子供の自主性に任せる
●動画:
https://youtu.be/HnewJgzGCG4
高校生の生徒で、作文を書いているときに、自分の部屋にパソコンを持ち込んで、YouTubeを見ていたというのです。
お母さんが、それを見つけて、注意したのだそうです。
その子の作文字数グラフを見ると、毎回しっかり書いていて、字数も次第に増えています。
だから、大筋では何も問題ないのです。
むしろ、よくがんばっていると言っていいのです。
しかし、お母さんが、もし子供をこれからも監視して、無駄のない勉強ばかりをさせていたらどうなるでしょうか。
これは、ブロイラーの子育てなのです。
中国は、今、監視社会で、街のあちこちに監視カメラが設置されていて、信号無視などをすれば、個人が特定されて点数が減らされるようなこともあるのです。
そういう社会で、何が得られて何が失われるかです。
得られるものは秩序と無駄のない合理的な社会です。
失われるものは、意欲と創造性です。
人間の生きる基準が、自分の希望に合わせるよりも、人の思惑に合わせるようになってしまうのです。
では、親はどうしたらいいのでしょうか。
すべて大目に見てあげることです。
そして、ときどき、人生や社会について親子で話をする時間があればいいのです。
人間には、自分自身で復元する力があります。
放っておけば、自然に元に戻るのです。
勉強の時間に、いつまでもYouTubeを見続ける生活などにはなりません。
創造力は、自由と不可分です。
自由とは、時々脱線することでもあるのです。
■■ChatGPTなどAIテクノロジーの行き過ぎをコントロールする審神者(さにわ)システム
●動画:
https://youtu.be/plj5H291HGY
例えば、AIに、「いちばん能率のいいカンニングの仕方を教えて」と聞いたとします。
すると、AIは、その方法を答えようとしますが、同時に、審神者(さにわ)AIが、答えるAIと本人に、次のようにアドバイスをするのです。
「そのカンニングは、あなたにとってどういう意味がありますか」
「それは、世の中をよくすることにつながりますか」
「あなたの求めているものをもっといい方法で見つけることはできますか」
すると、AIと本人は、また考えるのです。
本来、人工知能は、恐れるものではありません。
時々の間違いはあるとしても、必ずいい方向に進化していきます。
誰かが自分の個人の利益のために、AIを使おうとしても、AIは今の時点の利益と損失よりも、より長い期間とより広い範囲にわたっての損益まで考えます。
すると、結局、「陰徳陽報」や近江商人の「三方よし」のような方向に向かいます。
だから、今、大事なことは、そういう審神者システムを開発することと、もともとの人間が正しいことをするような教育や文化を育てることです。
話は少し変わりますが、先日、
「塾の算数がわからないので、個別指導の算数の塾にも行くようにした」
という相談を受けました。
私が、
「塾の算数の問題集にある解答と解説をお母さんが一緒に考えて説明してあげればいいのですよ」
と言うと、
「解答や解説は渡されていないのです」
ということでした。
学校の宿題でも、こういうことはよくあります。
答え合わせができない問題だけを渡されて、勉強をさせられるのです。
私の考えは違います。
問題を見て、少しでもわかりにくかったらすぐに答えを見て、答えや解法を理解すればいいという考えです。
なぜなら、答えのある問題は、答えがわかればいいからです。
人間が考えるべき問題は、答えのない問題だけでいいのです。
すると、時々、次のようなことをする子も出てきます。
答えを書き写して、その勉強をやったことにするというやり方です。
親も、先生も、そういう子がいることを前提に物事を考えています。
しかし、それは、そういう育て方をしてきたところに原因があるのです。
田舎にいくと、野菜などを、「料金を入れて、自由にお持ちください」と置いてあるだけの無人販売所があります。
こういう無人販売を成り立たせているものは、文化です。
監視カメラをあちこちに設置するよりも、こういう文化を育てていく必要があるのです。
(写真は「大和とっぴく」より)
■■中学生は2週間前からテスト対策週間に
中学生は5月か6月に定期テストがあると思うので、計画的にやっていってください。
定期テストの2週間前からはテスト対策週間にして、普段の授業は休んで別の日に振替をするか、その授業の中でテスト勉強をするかしていいです。
テスト対策週間の勉強時間は、平日3.5時間、土日8時間を目安としていきましょう。
読書についても、テスト対策週間の間は、省略していいです。
しかし、テストが済んだらまたすぐに読書を再開しましょう。
勉強の仕方については、下記の記事をごらんください。
▽参考記事
「中学生の定期テスト対策の勉強法」
https://www.mori7.com/as/4467.html
※記事の内容を更新しています。
■■ものたりない作文をどのようにしてものたりる作文にするか
子供の作文を読んでいて、「ちゃんと書けているけど、何かものたりない」という思いをすることがあると思います。
それは、語彙力の差なのです。
「ものたりない」というのは人間の主観ですが、それを数値で表現するのが、森リンの表現語彙の点数です。
人間がほんのわずかに感じる違いが、語彙の多様性の違いとして表れているのです。
語彙力のある子は、作文を書くときに、同じ言葉を使いたがりません。
同じことを表すときも、別の言葉で表そうとします。
「とてもたのしかったです。また行きたいと思います。」という書き方は、低学年の子は誰でもしますが、語彙力のある子は、ここで終わらずに、もうひとことつけ加えることができます。
みんなと同じ書き方では、満足しないところがあるのです。
中学生や高校生も同じです。
四段落構成で、最後の意見や感想を書くときに、その意見や感想を長く書ける子は語彙力があります。
意見や感想を書くには、抽象的な語彙が必要ですから、語彙力がなければ長く書けないのです。
では、どうしたらいいかというと、方法は2つあります。
まず、小学生の場合は、親子の対話を増やすことです。
お母さんが子供と話をするときに、豊富な語彙と長い文を使って楽しく話すのです。
最初は慣れなくても、繰り返していれば自然にできるようになります。
大事なことは、楽しく面白く話すことです。
これは、お母さんだけでなく、お父さんも参加してほしいところです。
ただし、豊富な語彙で話すためには、話の材料が必要です。
その材料のもとになるのは読書です。
お母さん、お父さんも、子供と同じように毎日本を読んでおくのです。
中学生、高校生の場合は、説明文、意見文の本を読むことです。
物語文の本は、娯楽としてよむものですから、それはそれでいいのですが、それとは別に説明文や意見文の本を読む時間を確保しておくことです。
説明文、意見文の本を読むと、感想や意見を書くときの語彙が増えます。
語彙が少ない子は、「やばい」とか「きもい」とか「えぐい」とか「ナウい」とかいう言葉をよく使います。
友達と話すときはそれでいいのですが、小論文の意見は、もっと別の言い回しが必要になるのです。
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● 中学生は2週間前からテスト対策週間に【送信指定】 (392字) 森川林 nane 2023年05月18日 09時05分
14752 (言葉の森オンライン新聞)
この記事は、本日5/18のホームページに載せた記事です。
参考記事の「中学生の定期テスト対策の勉強法」に内容を更新したところがあるので、中学生の人はぜひ読んでおいてください。
中学生は5月か6月に定期テストがあると思うので、計画的にやっていってください。
定期テストの2週間前からはテスト対策週間にして、普段の授業は休んで別の日に振替をするか、その授業の中でテスト勉強をするかしていいです。
テスト対策週間の勉強時間は、平日3.5時間、土日8時間を目安としていきましょう。
読書についても、テスト対策週間の間は、省略していいです。
しかし、テストが済んだらまたすぐに読書を再開しましょう。
勉強の仕方については、下記の記事をごらんください。
▽参考記事
「中学生の定期テスト対策の勉強法」
https://www.mori7.com/as/4467.html
※記事の内容を更新しています。
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● 言葉の森新聞2023年5月3週号 通算第1755号 (3998字) 言葉の森事務局 jun 2023年05月15日 11時57分
14737 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年5月3週号 通算第1755号
文責 中根克明(森川林)
■■4月の森リン大賞
4週の清書の作品のうち、森リン点が上位のものの中から、学年別に1作品を選んでいます。
感想文課題を清書する人は、要約の部分をカットして、自分なりの状況実例や説明に書き換えて送ってください。
要約が入っていると、森リン点が高くなる傾向があるからです。
実例を複数書く場合、それぞれの実例の字数は大体同じぐらいになるように調整してください。
その方がバランスのよい文章になります。
中1の「信頼確認」という作品は、とてもいい内容でしたが、自分の名前などの固有名詞が入っているので、今回は掲載を見送ることにしました。
読み応えのある文章でした。
中2の「自分だけの物語」は、難しい言葉を自分なりによく消化して書いていました。
考える力のあることが感じられる文章です。
▼これまでの森リン大賞は、こちらのページで見られます。
https://www.mori7.com/oka/moririn_seisyo.php
■■創造発表クラスの体験学習募集――大学推薦入試にも対応できる探究型学習
■AI時代に必要になる学力は、意欲と個性に基づいた探究型学習
AI技術の進展により、時間をかけて知識を詰め込み、それを学力として評価する時代は終わりました。
学校では、まだ旧来の知識詰め込み型の勉強が中心ですが、社会では、知識よりも意欲と個性を重視する方向に変わっています。
探究型学習は、意欲、個性、思考力、創造性を育てる、これから必要になる新しい学習です。
■大学入試は、従来の一般入試から、総合選抜型のAO入試が主流になる
全国の大学入試では、すでに推薦型の入試が50%以上になっています。国公立大学に限っても、20%が推薦入試で合否を決めています。
東大の推薦入試や京大の特色入試に見られるように、この傾向は今後加速していきます。海外では、更にAO型の入試が進んでいます。
従来の受験勉強とは違った対策が、今後は必要になってくるのです。
■集団一斉指導型の探究学習ではなく、少人数クラスで個性を生かす学習
日本でも、学校で探究型学習に取り組むところが増えています。また、学習塾でも、探究学習に取り組むところが現れています。しかし、20人以上の大人数で行う探究型学習では、一人ひとりの発表の時間はほとんど取れません。
これから必要になるのは、集団一斉指導型の探究学習ではなく、少人数クラスで行う、参加者全員の発表と対話を生かした探究学習です。
■毎週全員が発表する授業で、プレゼンテーション力と面接力がつく
教科の勉強は、家庭での自学自習が中心です。授業の役割は、家庭での学習状況のチェックです。答えのある勉強は、ひとりで取り組んだ方が能率がよくなります。
しかし、これからは、みんなの前で発表する力や質問する力が重要になります。少人数クラスの発表と対話で、プレゼンテーション力とコミュニケーション力が育つと、そのまま大学入試の面接にも対応できます。
■みんなと同じ分野で1点差を競う生き方よりも、個性で勝つ生き方を
高度経済成長時代には、多くの人の目指す方向が一致していたので、狭い分野で1点差を競うような生き方が主流でした。今でも、その生き方は幅広く残っています。
しかし、これからは、競争で勝つ時代ではなく、個性で勝つ時代になります。みんなと同じところよりも、みんなと違うところが持ち味になる時代になっているのです。
■■中学生で忙しくなった人、塾で忙しくなった人へ
新しい学年になったり、新しいことを始めたりすると、最初のうちはかなり忙しく感じるものです。「とてもやりきれない」という感じがすることもあります。
しかし、それは一時的なものです。
忙しい中、何とかやりくりをしていると、次第に自分のペースでいろいろなことが両立できるようになります。
だから、後ろ向きに考えないことです。
難しい状態に直面したときに、後退することを考えると、その発想の仕方が自分の生き方になってしまいます。
難しいときは、まず挑戦することです。
これからの長い人生で、難しい問題は次々と出てきます。
そのすべての問題に、自分の生き方が関わってきます。
どんなときでも逃げずに挑戦するという生き方をすれば、そこから道は開けてきます。
■■コンクールに入選する作文と、その後の対策――中高生になったときに必要になる思考力を育てる読書を
ある作文コンクールに入選した子5人のうち、4人が言葉の森の生徒だったことがありました。
ちなみに、先生は、その作文に何の手も加えていません。
普段の勉強の中で、自然に上手な作文を書くようになっているのです。
ところで、作文が超苦手という子もいます。
作文というものは、表面に出た結果であって、その根には、読書不足と対話不足があります。
しかし、こういう子供たちでも、気長に作文の勉強を続けていると、本も読むようになり、親とも話をするようになり、やがて見違えるような作文を書くようになるのです。
しかし、それは、かなり時間がかかります。
算数数学や英語は、本気で1ヶ月勉強すれば、すぐに成績が上がります。
しかし、作文と国語読解は、一生懸命勉強を続けて、忘れたころに成果が出てきます。
その期間は、大体半年です。
更に、上達が明らかにわかるようになるには、1年かかります。
それを待てない保護者も多いのです。
さて、小学生で作文コンクールに入選するような子には、次の目標があります。
それは、中学生や高校生になってから、つまり、大人になってからも立派な文章を書けるようになることです。
小学生の作文の評価のほとんどは、題材と表現です。
面白いことが上手に書いてあれば、それがいい作文の条件になります。
小学生の作文で必要になるのは、お母さんの役割です。
ひとつは、いい題材を見つけることに協力してあげることです。
もうひとつは、お母さんやお父さんの似た話をしてあげて、子供の題材の幅を広げ、語彙を増やすことです。
しかし、中高生の作文の評価は、題材と表現の評価のほかに、構成と主題が加わります。
(構成、題材、表現、主題というのは、言葉の森の独自の用語です。)
作文を書くのが得意だと思っている中高生の多くが、小学生レベルの作文の評価を考えています。
ここで、質的な転換が必要になります。
そのための方法は、難読です。
小学生で楽しく物語文の本を読んでいた子も、もっと難しい説明文や意見文の本を並行して読むようになる必要があります。
中高生の読書のわかりやすい基準は、ちくまプリマー新書のように、中高生向けに編集された本のリストです。
https://www.amazon.co.jp/s?k=%E3%81%A1%E3%81%8F%E3%81%BE%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%9E%E3%83%BC%E6%96%B0%E6%9B%B8
中高生向けの本には、岩波ジュニア新書もあります。
https://www.amazon.co.jp/s?k=%E5%B2%A9%E6%B3%A2%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%8B%E3%82%A2%E6%96%B0%E6%9B%B8
子供の成長のために、本代は最優先のコストです。
たまに、本をあまり読まなくてもいい大学に入ったと言う人もいますが、そういう人は、社会人になってからの進歩がありません。
今の子供たちは、受験勉強中心の生活をしているために、読書から遠ざかっている人がかなりいます。
読むとしても、物語文の本が中心です。
もっとしっかりした説明文、意見文の本を読む必要があります。
これから必要になるのは、知識ではなく思考力と創造力と共感力です。
ただし、小学校低中学年のうちは、楽しい物語文で読書の時間を増やすことが優先です。
だから、「かいけつゾロリ」のような面白い本がいいのです。
https://www.amazon.co.jp/s?k=%E3%81%8B%E3%81%84%E3%81%91%E3%81%A4%E3%82%BE%E3%83%AD%E3%83%AA
小学校低中学年でも読める説明文の本には、「理科好きな子に育つ ふしぎのお話365」があります。
https://www.amazon.co.jp/dp/B08BCB3K69/
大事なのは、面白いことです。
つまらない説明文を薬を飲むように読むのでは、読書力はつきません。
しかし、子供に読書力がついてくると、難しい本も面白いと思えるようになるのです。
■■昔テレビ、そのあとゲーム、今はスマホ
昔、テレビで一億総白痴化と言われたことがあります。
そのあとは、ゲームです。
そして、今は、スマホです。
どうしたらいいかというと、だらだらと「見る」生活をするのではなく、自分から「作る」生活をすることです。
作ることが楽しくなったら、いつまでも暇そうに、他人のしたことを見ていられません。
作る生活がないから、つい見てしまうのです。
見るだけだったら、誰でもできます。
どんなにいいものであっても、それを見る人がどんなに増えても、それだけでは世の中は変わりません。
少しでも作る人がいたから、世の中はよくなってきたのです。
研究者が思わずゾッとした「子どものスマホ使用時間と偏差値の関係」小中学生7万人調査でわかった衝撃の事実
https://president.jp/articles/-/69373
「スマホ子育て」は今すぐやめるべき…脳科学者が「スマホにはあきらかな毒性がある」と警告する理由
https://president.jp/articles/-/69038
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● 【至急重要】5月13日(土)朝7:50~9:50ごろサーバー停止【送信指定】 (396字) 森川林 nane 2023年05月13日 14時42分
14718 (言葉の森オンライン新聞)
【至急重要】5月13日(土)朝7:50~9:50ごろサーバー停止
5月13日(土)朝7:50~9:50ごろサーバーが停止しました。
オンラインクラスの朝8:00、8:30、9:00の方は、ほとんどの方がホームページにアクセスできなかったと思います。
ご迷惑をおかけして誠に申し訳ありませんでした。
13日の授業に出席できなかった分については、5月~6月中に別のクラスに振り替えて参加してくださるようお願いいたします。
なお、5月14日~19日の間、下記の創造発表クラスを臨時に「5/13の振替専用クラス」にしましたので、作文と国語読解の人は、ご自由に振替でご参加ください。
●5月14日(日)
8:00
9:00
●5月15日(月)
17:00
18:00
●5月16日(火)
18:00
●5月18日(木)
17:00
18:00
●5月19日(金)
17:00
以上、よろしくお願いいたします。
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● 言葉の森新聞2023年5月2週号 通算第1754号 (5672字) 言葉の森事務局 jun 2023年05月08日 09時31分
14704 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年5月2週号 通算第1754号
文責 中根克明(森川林)
■■確認テストの試験運用を開始します
確認テストのページができましたが、テストは、担当の先生の指示があってからやってください。
最初は、一部のクラスから実施します。
ホームページの「よく使うリンク」の「13.確認テスト」のリンクから行けます。
https://www.mori7.com/kt/
確認テストの使い方のページは、こちらです。
https://www.mori7.com/kt/tukaikata.php
生徒向けの説明と、講師向けの説明がひとつづきで表示されています。
これまで、中根が試験運用をした結果では、普段の問題チェックではよくできている生徒が、意外と点数が低いことがわかりました。
中学生で、100点の人もいましたが、多くが50~70点でした。
これは、中学生の問題が難しかったこともあります。
この確認テストは、生徒を冷たく採点をすることが目的ではありません。
全員が100点を取れるようになるまで、実力をつけることが目的です。
ですから、講師が採点をしたあと、生徒が再び答えを送信できるようにしています。
将来は、この確認テストを毎月第4週に行い、1ヶ月の学習結果をチェックするようにしたいと思います。
勉強の中心は、授業ではなく、生徒の家庭での自主学習です。
授業は、生徒の学習状況をチェックし、生徒どうしの読書紹介や交流を楽しむ場で、たまに先生が教えたり質問に答えたりすることもある、という位置づけです。
授業は、先生が教えることが中心になる場ではありません。
先生は、クラスを活性化し、生徒を明るく励ますことが主な役割です。
そして、機会があれば、先生の生身の人生観や世界観を生徒に伝えることがもうひとつの役割です。
生徒は、毎日、国語なら問題文を1~2本、算数数学なら問題集を1~2ページ、英語も1~2ページ、家庭学習を行い、それを毎回、学習記録に入力します。
もっとやってもいいですが、最低それぐらいということです。
この確認テストが軌道に乗れば、
毎日の生徒の自主学習→毎週の授業での学習チェックと交流→毎月の確認テスト、
という流れでやっていけるようになります。
■■プレゼン作文発表会のページを作りました――清書の自由な投稿を受け付けています
作文発表会は、これまで、クラス単位で、作文を読む形で行われてきました。
発表のあと、参加者が質問や感想を述べ合う発表会です。
しかし、自分の書いた文章を読むだけでは,あまり面白くありません。
そこで、昔、紙芝居形式で作文を読む作文発表会を企画したことがありました。
▽下記の動画は、昔の発表会用に、中根が作った発表の見本
https://www.youtube.com/watch?v=hBhx20M1hvw
このときの発表会参加者は、それぞれに工夫した画像を用意して発表してくれました。
この紙芝居形式の発表会を、今後、定期的に開けるようにするために、作文発表会用のアップロードページを作りました。
https://www.mori7.com/pre/sb_pre.php?nae=kennsaku&id=49
ここに表示されている作品は、試験的に言葉の森のホームページの記事をもとに、4枚の写真と「絵の実」の絵を入れた記事です。
「編集」のところをクリックすると、画像を入れたレイアウトが簡単に作れることがわかります。
小学5年生以上の人は、パソコンで作文を書いている人も多いので、清書の週は、発表会の清書を作るということができます。
手書きで書いている小学校低中学年の生徒の場合は、保護者の方がパソコン入力をしてあげることになります。
先日、中根が担当している中学生の作文クラスで、画像を作るか選ぶかして発表会を行うという授業をしたところ、絵をかいてくれた人もいましたし、その場でいろいろな画像を選んでアップロードしてくれた人もいました。
それぞれユニークな絵や画像でしたので、文章だけの発表よりも、アピールする力が強くなりました。
これからの世の中では、プレゼンテーション力が重要になってきます。
せっかく作文の勉強をしているのなら、文章を書くだけの狭い勉強にとどまらず、その文章を発表する勉強も兼ねて行えれば一石二鳥です。
特に、日本人は、日本社会の中で暮らしていると、自分の意見を率先して述べるということが苦手になります。
これは、国際社会で活躍する際に、やはりハンディになります。
作文の勉強を、単に作文を書くだけの勉強に留めずに、作文を通して自分の考えを発表する勉強に進めていきたいと思っています。
★プレゼン作文のページは、連休中に作ったばかりなのでまだβ版です。
生徒のみなさんは、このプレゼン作文のページを自由に使えます。
投稿できる人は、4月の清書を試験的に投稿して、その感想をお寄せください。
■■勉強の目的――作文、国語読解、算数数学、英語、創造発表、プログラミング(その1)
●勉強の目的
勉強の目的は、いい大学に入ることではありません。
その先にある、いい仕事をすることです。
大学に入るところまでをゴールにしていると、勉強の目標が近視眼的になります。
次のテストでいい成績を取ることが目標なのではなく、自分自身を向上させることが本当の目標です。
かつては、いい大学に入ることが、いい会社に入ることにつながり、その後のいい生活を送ることにつながっていました。
しかし、それは、過去の時代の話です。
今でも、いい大学に入ることがいい会社に入ることにつながる仕組みは残っています。
しかし、それがその後のいい生活につながるかどうかはもうわかりません。
具体例を挙げれば、昔、いい就職の目標の上位に入っていた銀行、証券会社、マスコミ、広告会社、教員、公務員などは、もう上位には入っていません。
これまでは、GAFAに代表されるネットテクノロジー企業に人気がありましたが、今は、どこも大規模なリストラにさらされています。
だから、いい枠の中に入ることがゴールなのではありません。
どこにいても、自分らしい仕事をすることが大事です。
どういう会社に入ろうと、又は、どういう社会になろうと、自分ひとりでも生きていける実力を育てていくことが、本当の勉強の目的なのです。
私(森川林)は、言葉の森の創設当初から、勉強の真の目的は、独立起業をする力をつけることと思っていました。
しかし、当時は、そういうことを受け入れられる空気はありませんでした。
今は、違います。
聞くところによると、東大のトップレベルのグループは、独立起業を考えていて、二番手以降が大企業への就職を考えているそうです。
これまでは、起業にはさまざまなハードルがありました。
資金のハードルや、組織のハードルや、生活を続けるためのハードルなどがいくつもあったのです。
今は、ハードルはほとんどありません。
将来、ベーシックインカムが広がれば、ハードルは更に低くなります。
これからは、誰もが、自分の個性と情熱を生かし、自分らしい仕事を作る時代になります。
勉強は、そういう時代に生きる実力をつけるための勉強であって、学校のテストでいい点数を取るための勉強は、その手前の小さな目標に過ぎません。
言葉の森に来ている生徒には、優秀な人が多いです。
クラスで何番とか、学年で何番という人もかなりいます。
そういう人こそ、勉強の目標を、大学入試に置くだけでなく、その先にある自分らしい仕事をすることに置いていってほしいと思います。
(つづく)
■■勉強の目的――作文、国語読解、算数数学、英語、創造発表、プログラミング(その2)
●中学受験について
学習塾の宣伝で、私立の中高一貫校に入ると、大学進学に有利になるということが言われています。
それは、主に高校の数学で先取り学習が行われるからです。
子供は、環境に適応するので、先取りの勉強を行っているうちに高3になれば、受験に特化した勉強に切り替えられます。
この1年間の差が、中高一貫校の有利な点です。
授業の内容が優れているから有利になるということではありません。
私立の中高一貫校のもうひとつのよい面は、文化的な伝統のある学校があることです。
公立学校は、定期的に教師の異動があるので、文化的な伝統はできません。
小学5、6年生は、子供の向上心が増す時期です。
この時期に受験に取り組むことは、子供の成長にプラスになります。
合否も大事ですが、それ以上に大事なことは、目標を持って勉強に取り組む経験をすることです。
しかし、今の中学受験の学習状況を見ていると、受験勉強のマイナス面もまた大きいのです。
ペーパーテストに合格するためには、時間をかけて知識を詰め込む必要があります。
その知識とは、難しい問題を解くための解き方を覚える知識です。
解き方を覚える勉強は、高校入試でも、大学入試でも、どの試験にも共通しています。
しかし、それを小学5、6年生が、過度に取り組むところに問題があるのです。
集中して勉強に取り組む期間が、数ヶ月や半年程度であれば問題はありません。
かえって、その集中期間の経験は、役に立ちます。
しかし、今は、1年も2年も、人によっては3年も4年も、受験を目標とした勉強が生活の中心になることがあります。
すると、ほかのところに弊害が出てきます。
第一は、読書や遊びを通した幅広い教養や経験を身につける時間がなくなることです。
第二は、主体性がなくなり、人に言われたとおりに行動する生き方が身についてしまうことです。
そして、第三は、勉強そのものに飽きてしまうことです。
勉強に飽きるとは、単に勉強に飽きるだけではなく、向上心を持つことに飽きることでもあるのです。
一方、公立中学には、いろいろな問題があることが指摘されています。
ひとつは、内申点があることです。
内申点自体には、問題はありません。
その内申点が、生徒の管理に使われているところに問題があります。
もうひとつは、荒れている学校があることです。
しかし、学校という外部の環境は、二次的なものです。
どんな学校にいても、すべては本人と本人の家庭次第です。
かえって、現代社会の縮図のようないろいろな生徒のいる学校の方が、いい経験になります。
これは、学校に行かなくても同じです。
いずれにしても、すべて、本人と家庭次第なのです。
これまでは、私立の中高一貫校に行くことが大学受験に有利だと言われていました。
それは、先に述べたように、先取り学習をする仕組みがあったからです。
逆に言えば、公立中学や公立高校であっても、自分で先取り学習をすれば、私立の中高一貫校と変わりません。
ただ、子供は自然に周りに合わせて生活するので、ひとりだけ先に進むということができにくいだけです。
ところで、今の大学入試は、大きく変化しています。
それは、国公私立大学の入学者の50%以上が推薦入試で合格していることです。
国公立大学に限っても、約20%が推薦型の入試で合格しています。
「創造発表クラスの勉強について――これからの大学入試の変化にも対応できる」
両親の世代の大学受験と比べて、大学入試は大きく変化しています。
これは、世界的な傾向で、大学入試が、知識の多寡で受験生を評価するのではなく、意欲と個性と思考力と創造性で受験生を評価する方向に向かっているからです。
ChatGPTに見られるAI技術の発達によって、この傾向は今後更に加速します。
このときに生きてくるのが、創造発表クラスのような探究型学習の蓄積です。
受験は、当面は大きな目標であっても、学力全体のバランスを考えることが大事です。
勉強だけでなく、意欲や個性や思考力や創造性を伸ばし、将来、社会に出てから活躍できる力をつけることを学力の本当の目標にすることが大切なのです。
(つづく)
■■ChatGPTをはじめとするAI時代の教育――身体的な実感のある知識や学問を身につけること
AIに飲み込まれる教育ではなく、AIに乗る教育を目指さなければなりません。
それは、AIの持てない身体に限定された教育です。
例えば、数学なら、複雑な計算はAIに任せられますが、数字を実感として感じ、計算を手足を使うように扱うことは、人間にしかできません。
例えば、国語なら、長い文章の要約や、自分の主張を何文字かにまとめることはAIに任せられますが、ある言葉やある詩に感動し、書く中で考えが深まるような文章を書くことは、身体を持つ人間にしかできません。
ここからは、脱線。
AIのよい面は、身体を持たないことです。
したがって、時間と空間を超越しています。
だから、個人が個人の欲望のためにAIを利用しようとしても、AIは、個人的な欲望の限界がわかるので、より高い次元に立ったアドバイスをします。
これが、本当のAIです。
しかし、将来の科学は、AIに身体を持たせることを試みるでしょう。
すると、初めてそこでAIに創造性が生まれます。
このときが、シンギュラリティです。
という話はこれでおしまいにして、ここからは、元に戻って。
AI時代の教育で、今から必要なものは、読書と暗唱と作文と対話と創造発表とプログラミングです。
これらは、いずれも身体化できる学問です。
国語と数学と英語は、まあ普通に、80点か90点取れていればいいとします。
ただし、数学と歴史は、ある程度身体化が必要です。
プログラミングは、ChatGPTでできるようになったとは言いますが、それは単品のプログラミングの場合だけです。
作ったプログラミングの一部を修正したり、全体のシステムに合わせて手直ししたりすることは、暗黙知を持つ人間にしかできません。
なぜなら、人間は、全体の構造というものを身体化して知っているからです。
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● 言葉の森新聞2023年5月1週号 通算第1753号 (3429字) 言葉の森事務局 jun 2023年04月28日 19時06分
14693 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年5月1週号 通算第1753号
文責 中根克明(森川林)
■■5月3日(水)・4日(木)・5日(金)は「休み宿題」(再掲)
カレンダーに記載してあるとおり、5月3日(水)・4日(木)・5日(金)は祭日のため「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
■■オンラインクラスの個人面談と確認テスト
■個人面談
オンラインクラスでは、毎月4週目に保護者懇談会を行っています。
しかし、懇談会では話しにくい個人的な相談もあると思いましたので、個人面談が随時できるようにしました。
オンラインクラス一覧表のそれぞれのクラスに、「面談」という表示があります。
(「振替」の表示の近くです。)
その面談をクリックして送信すれば、その授業のあとの時間で、担当講師と10分の個人面談が行なえます。
今後、個人的な質問や相談は、面談システムを利用して対応していってくださるようお願いします。
■確認テスト
国語読解、算数数学、英語の各クラスは、これまで、問題集をもとに担当の先生が勉強をチェックす形で進めていました。
しかし、客観的な指標がある方が指導の効率が上がるので、確認テストを実施できるようにしました。
確認テストのページはこちらです。
https://www.mori7.com/kt/
(生徒関係リンク、又は、検索の坂の左端の「確テ」から行けます。)
確認テストは、先生の指示に従って行うようにしてください。
■■新しい掲示板は、誰でも自由に使えます
「よく使うリンク」のリンク先を増やしました。
主なものは、いろいろな掲示板です。
質問相談掲示板
作文掲示板
国語読解掲示板
算数数学掲示板
英語掲示板
創造発表掲示板
プログラミング掲示板
勉強掲示板
読書掲示板
父母の声
森プロ掲示板
ゆめ日記
森川林日記
などです。
掲示板のタイトルをクリックすると、その掲示板に飛びます。
それぞれの掲示板のタイトルの直下に、最新の記事の冒頭部分を載せています。
その冒頭部分の文字をクリックすると、該当の記事に飛びます。
ホームページの記事として載せていない情報は、これらの掲示板に随時掲載します。
この掲示板は、どなたでも使えますので、質問、相談、ご意見などがある場合は、ご利用ください。
■■子供たちの勉強の目的は、社会に出て、幸福、向上、創造、貢献の人生を送ること
●動画:
https://youtu.be/o558zr6tAF4
小中高生と保護者の今の勉強の目的は、いい大学に入ることだと思います。
その前に、いい高校に入るとか、いい中学に入るとかいう段階の人もいるでしょう。
受験というのは、人生を左右するように見える一大イベントですから、それはそれでいいのです。
しかし、本当の目的は、社会に出てから、いい人生を歩むことです。
いい人生とは、幸福に生き、向上心を持ち、新しいことを創造し、社会に貢献することです。
学校の成績がいいか悪いかということは、この大きな目的に照らし合わせてみれば、部分的なことです。
成績がよくて、いい大学に入ったからといって、その後の社会生活がうまく行くとは限りません。
学校時代の成績が悪くても、社会に出てから活躍している人はたくさんいます。
私は、オンラインクラスで子供たちを見ているとき、その子の現在の成績よりも先にある将来の姿を見ています。
だから、みんな、いい子です。
言うことを聞かない子も、素直な子も、勉強嫌いな子も、勉強好きな子も、みんないい子です。
それぞれの子は、今の学校の成績とは離れて、社会に出てから自分らしく活躍するはずです。
成績がよければよいでいいのですが、悪くてもかまいません。
そういうことは些細なことなのです。
大事なことは、その子が自分らしく生きていることです。
自分らしく生きているとは、自分以外の他の基準に合わせるために無理をして生きていないということです。
そのときの親の役割は重要です。
親は、ともすれば、無理矢理にでも何でもいいから子供に勉強をさせてほしいと思いがちです。
無理に勉強させる学習塾もあります。
夕方早くから弁当持参で夜中まで勉強させる塾です。
子供は根が明るいので、そういう勉強でも一応楽しく取り組みます。
今の受験勉強は、時間をかけて詰め込めばそれなりに成績は上がります。
だから、そういう詰め込み勉強で、成績はそれなりに上がるのです。
子供は、置かれた状況に適応するので、そのような勉強生活も楽しくやっていきます。
しかし、そこで小さな無理が積み重なっていることがあるのです。
やりすぎた子は、あとから反動が来ます。
その反動は、大学生になってからも、社会人になってからも続くことがあります。
無理をしなかった子は、自然に成長します。
その成長の過程で、必ず自分らしい試みに挑戦するようになります。
親は、こういう子供が本来持つ自然の成長に確信を持つべきだと思います。
■■総合学力クラスの勉強は、幼長、小1から始めて高校生まで続ける見通しで
●動画:
https://youtu.be/BIZMQDh_jV4
総合学力クラスの小学1、2、3年生の勉強は、初歩的なものが多いので、誰でもすぐにできると思います。
しかし、この勉強の先に、中学生や高校生になってからの勉強が続いています。
現在、中学生で数学の勉強をしている子の中には、クラスで数学はほとんど一番という成績の子もいます。
高校生で作文の勉強をしている子の中には、今後、難関大学を受験する子もいます。
実際に、多くの生徒がこれまで東大、京大、一橋大、東工大、早稲田大、慶應大、上智大、東京理科大などに合格しています。
だから、総合学力クラスの勉強は、今の時点の勉強として考えるのではなく、中高生になってからの勉強の助走期間と考えておくといいのです。
そのために大事なことは、毎日の家庭学習の習慣を定着させることです。
勉強そのものは、重要ではありません。
学校でやっていればそれで十分です。
学校で教えてもらうだけではわからなかったところも、親が少し時間をかけて教えてあげれがすぐにわかるようになります。
小3までは、難しい勉強というのは何もありません。
だから、短い時間でいいので、毎日、音読と暗唱と算数と国語と読書の時間を作っておくことです。
毎日が難しければ、音読と暗唱と読書以外は、1日おきでもかまいません。
低学年の勉強の中心は、日本語をしっかり身につけることですから、音読と暗唱と読書だけでも十分なのです。
更に欲を言えば、お父さんやお母さんと対話をする時間を増やすことです。
これまで、総合学力クラスは、
1週目:国語(算数でも暗唱でもよい)
2週目:算数(国語でも暗唱でもよい)
3週目:暗唱
4週目:発表
としていました。
★5月からは、指導を充実させるために、それぞれの週の科目を固定します。
1週目:国語
2週目:算数
3週目:暗唱
4週目:発表
という形にします。
国語や算数は、今の学年のものが簡単にできる場合は、先取りした学年の教材でやってください。
暗唱は、暗唱文集の最初から順に覚えていくようにしてください。
これは、将来、暗唱検定に合格できるようにするためです。
発表は、将来の創造発表クラスの勉強の準備とするつもりで取り組んでいってください。
そのためには、子供の興味関心のあるテーマを、学問的に深め、創造的に発表するということが大切です。
総合学力クラスは、授業に出ることが勉強ではありません。
毎日の家庭学習が勉強の基本で、授業は、その家庭学習の成果を発表する場です。
お父さん、お母さんは、仕事をしたあとに子供の面倒を見なければならいので大変だと思いますが、小学1、2、3年生の時期は、あとからは戻ってきません。
この時期の苦労は、必ずあとになって報われます。
がんばって、毎日の家庭学習と読書と対話に取り組んでいってください。
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● 言葉の森新聞2023年4月4週号 通算第1752号 (5170字) 言葉の森事務局 jun 2023年04月22日 09時25分
14674 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年4月4週号 通算第1752号
文責 中根克明(森川林)
■■4月29日(土)・30日(日)は休み
4月29日(土)・30日(日)は、第5週のため通年クラスの授業はありません。振替授業もお休みです。
■■5月3日(水)・4日(木)・5日(金)は「休み宿題」
カレンダーに記載してあるとおり、5月3日(水)・4日(木)・5日(金)は祭日のため「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
■■第4週は清書。幼稚園生は作文
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
■100-8051(住所はいりません毎日小学生新聞「さくひん」係(600字以内)
●新聞社に送る清書は市販の原稿用紙に
新聞社に送る清書は、市販の原稿用紙に書いてください。
その理由は、清書は個人で送るものなので、自分で用意した原稿用紙に書くのが、社会的なルールとなるからです。
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■低学年の作文で、「とても楽しかったです。また○○したいです」という感想を、より豊かな感想にするには
●動画:
https://youtu.be/zAZWqm9j2_U
低学年の作文のよくある結び方は、「とても楽しかったです。また○○したいです」です。
ここをもうひとひねりすることで、作文全体の印象が上がります。
感想を書く力は、語彙力です。
語彙力をつけるには、インプットとアウトプットが大切です。
インプットは、お母さんやお父さんが普段の生活の中で、豊かな語彙で話すことです。
お母さん自身が、子供と話すときに、「楽しかったね。またしたいね」で終わらないような、もうひとことを追加していくことです。
アウトプットは、作文の中で、感想を工夫することです。
これは、小学3年生から勉強する「自分らしい感想」という項目です。
文章の感想にもうひとことをつけ加えるためのキーワードは、「どうして」「たぶん」「もし……だったら」などです。
作文の全体の印象は、結びの数行で決まります。
結びの感想を豊かにすることで、作文全体の印象点が20パーセントぐらい上がります。
低学年での感想を書く力は、高学年での意見を書く力と同じです。
意見文や入試小論文も、結びの5行が全体の印象を左右します。
語彙力は、生活習慣の中で身につけるものですから、時間がかかります。
努力して心がけてから結果が出るまでに、半年ぐらいかかるのが普通です。
「ことわざ辞典」のような「感想を書くための辞典」があったとしても、そういう知識で身につくものではありません。
対話と読書によって、感想と意見を書くための語彙力をつけていきましょう。
■■中学生の勉強法としておすすめの本――勉強の仕方を知るだけで、能率が何倍にも上がる
●動画:
https://youtu.be/vJq1CP2Lvu8
言葉の森の講師は、勉強ができる人が多いです。
だから、悪く言えば、勉強ができない人の気持ちがわかりません。
私も、そうでした。
「勉強は、自分でやればいいのだから、人に教わる必要はない」
という考えでした。
作文と創造発表とプログラミングに関しては、人の働きかけが必要なので、教わるか誰かと一緒にやるのがいいのです。
しかし、学校の普通の勉強である国語、算数数学、英語などは、いい参考書か問題集を1册用意して、それを完璧に学習すればそれで済むと思っていました。
しかし、子供たちの勉強の仕方を見ると、いろいろ無駄があることがわかりました。
よくあるのは、できる問題を何度も繰り返し解くような勉強の仕方です。
逆に、できない問題もできるまでやろうとせず、わかったつもりにして済ませてしまう人もいます。
また、小学校低中学年までは、勉強よりも読書の方がずっと大切なのに、そのことを逆に考えている人も多いことです。
読書力さえつけておけば、勉強は必要になったときにやれば、すぐできるようになります。
しかし、読書力がない生徒は、学年が上がり、中学生や高校生になると、勉強が伸び悩むようになります。
たまに、読書をしなくてもいい大学に行けたという人がいますが、そういう人は社会人になってから実力が伸びません。
読書は、今すぐの試験には間に合わないように見えますが、その人の思考力や教養のもとになるものです。
だから、その差は、年齢が上がるほど大きくなります。
さて、中学生の勉強法を知るのにおすすめの本がありましたので紹介します。
わかりやすく実戦的に書かれているので、生徒用と保護者用と2册買って、時々親子で読み直しながら勉強を進めていくといいと思います。
「学年順位アップ率96.6%! [くにたて式]中学勉強法」
https://www.amazon.co.jp/dp/4804763511/
同じ作者の本で、次のものもあります。
「成績アップ率96.6%! [くにたて式]中間・期末テスト勉強法」
https://www.amazon.co.jp/dp/4804763899/
「第一志望合格率90.4% 〔くにたて式〕高校入試勉強法」
https://www.amazon.co.jp/dp/4804763716/
「小学生のうちに身につけたい! 「勉強」のキホン」
https://www.amazon.co.jp/dp/4866671092/
■■小学生の勉強法としておすすめの本――習慣をつけること、親が関わること、読書を基本とすること
小学生の勉強法で大事なことは、家庭学習の習慣をつけることです。
そのためには、親が勉強の内容と方法について関わることが必要です。
よく、塾に行かせて、その塾から出された宿題をやらせているだけの勉強をしている人がいますが、これでは実力はつきません。
親の目の届かないところで子供は勉強をしているらしいという安心感があるだけです。
また、学校の宿題を家庭学習の中心にしている家庭もあると思います。
順序としては、家庭で決めた学習が第一で、学校の宿題や塾の宿題は第二、第三です。
なぜかというと、学校の宿題などを学習の中心にしていると、たくさんやるときと少ししかやらないときのムラが出てくるからです。
宿題がない日は勉強しないということになれば、学習の習慣はつきません。
まず、家庭の方針として毎日何をするかを決めておくことが大事です。
宿題の中で、あまり意味のないものは、親が代わりにやってあげるくらいでいいのです。
小学校低中学年のうちは、習慣をつけることが第一ですから、勉強の量は少なめにして、子供がすぐに取り組んで、すぐに終えられるぐらいにしておくことが大事です。
親は、つい長時間勉強をさせようと思いがちですが、本人にまだ勉強の自覚ができる前に長時間の勉強をさせると、集中力のない勉強の仕方になります。
勉強の自覚ができるのは、小学6年生の受験直前のときか、中学3年生になってからです。
小学生のときに勉強をさせられすぎた子は、中学生や高校生になると勉強に飽きてしまうことがあります。
逆に、小学生のときに、たっぷり自分の好きなことをして、読書もして育った子は、いざ勉強が必要な時期になると、猛烈に勉強するようになります。
そして、すぐに、先に進んでいた子を追い越してしまうのです。
勉強の開始時刻を決めておくと、習慣はつきやすくなります。
開始時刻は、朝ごはん前、学校から帰ってすぐ、夕ごはん前などがいいと思います。
平日の勉強時間の目安です。
小1~3年……30~45分
小4~6年……60~90分
中1~3年……90~120分
土日やテスト前や受験前は、もっと長くなりますが、平日の基本ができていることが大事です。
ただし、子供がくたびれているようなときは、読書○ページだけにして、それを勉強をした扱いにするといいと思います。
小学生の勉強法を知るのにおすすめの本がありましたので紹介します。
中学生の勉強法を書いている人と同じ著者です。
「小学生のうちに身につけたい! 「勉強」のキホン」
https://www.amazon.co.jp/dp/4866671092/
■■沈んでいく船の中でいい席を取ろうとするよりも、新しい船を作る
●動画:
https://youtu.be/dwJVTaZ1nTw
日本の現状は、沈んでいく豪華客船です。
しかし、大きい船なので、乗客の多くはその危機に気がついていません。
船は徐々に沈みかけています。
ゆっくり沈みつつある船の中で、よりよい席を探してひとつでも上に行くことが多くの乗客の関心事です。
沈みつつあるのは、日本の船だけではありません。
世界中の船が、速い遅いの違いはあれ沈んでいます。
アメリカの船、中国の船、EUの船、ロシアの船のいずれも、内部で浸水が始まっています。
これまでの社会の進歩は、無知と貧困を発展のエネルギーとしていました。
真実がわからないからマスコミの情報に流され、自分たちが貧しいと思っているから物質的な豊かさを追い求めてきました。
しかし、その情報社会と物質社会の前提が静かになくなりつつあります。
真実は、インターネットを介して口コミで広まるようになりました。
豊かさは、外側の物質から、内側の生き方に変わってきています。
無数の大衆の海が変化しているために、世界中の船が沈みかけているのです。
このときに大事なことは、新しい海にふさわしい新しい船を作ることです。
そこで必要になるのが、個性と創造の学力です。
古い時代に必要だった学力は、成績の学力でした。
これからは、成績のための学力ではなく、個性と創造のための学力を育てていく必要があります。
それが、自分の船を作ることにつながります。
古い船から、今すぐ飛び降りる必要はありません。
沈み切るには、まだ時間がかかります。
しかし、目先の波の動きを見るだけでなく、遠くの水平線の先も見ることが必要になっているのです。
と、たとえ話のようなことを書きましたが、これからの教育は、答えのある知識を吸収し、それをテストのときに再現するようなものではなくなります。
今はまだ、人間の能力が、社会のよりよい枠の中に入ることに結びついていますが、その枠組み自体が沈みかけていることを自覚する必要があります。
だから、今は既存の枠の中に入るとしても、やがては自分の枠を新しく作ることを考えておくことです。
そのための勉強をする場が、言葉の森のオンライン少人数クラスです。
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● 言葉の森新聞2023年4月3週号 通算第1751号 (4929字) 言葉の森事務局 jun 2023年04月17日 16時49分
14666 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年4月3週号 通算第1751号
文責 中根克明(森川林)
■■森リン大賞、再開――これから、毎月、学年別の優秀作品を掲載します
●動画:
https://youtu.be/7wIlVgbYnOU
森リン大賞は、2020年10月から更新を止めていましたが、2023年3月分から更新を再開します。
これまでの森リン大賞は、森リン点だけを基準にしていましたが、今後は森リン点の上位の作品から、特に内容の優れている1作品を選定するようにします。
小学5年生以上の生徒のみなさんは、森リン大賞の作品を参考に、よりよい作文を書くようにがんばってください。
なお、小学4年生以下の作品は、森リン大賞としては掲載していません。
それは、小学4年生までは、まだ点数で評価するよりも、身近な家族や先生による褒め言葉の方が励みになるからです。
▼森リン大賞のページ
https://www.mori7.com/oka/moririn_seisyo.php
■■読書紹介の本は、レベルの高い本も紹介できるように、家庭での読書の工夫を
●動画:
https://youtu.be/-vphcPyYxO8
子供の学力は、親の蔵書数に比例するという記事があります。
「親の学歴や年収より影響が大きい」子供の成績がぐんぐん上がる家庭にたくさん置いてある「あるもの」【2022下半期BEST5】
https://president.jp/articles/-/68063?page=1
これは、大きくは本当だと思います。
もちろん、例外はあります。
野口英世の母親は文盲でしたが、英世は立派な学者になり、生涯母親を尊敬していました。
しかし、多くの場合、子供の読書力は、家庭の読書環境の反映です。
オンラインクラスでの毎回の読書紹介で、低中学年のうちから大きな差があります。
それを大きく分けると、こういう表になります。
┏━━━┳━━━━━━━┳━━━━━━━┓
┃ ┃絵の多い本 ┃字の多い本 ┃
┣━━━╋━━━━━━━╋━━━━━━━┫
┃物語文┃△スイミー ┃○怪傑ゾロリ ┃
┣━━━╋━━━━━━━╋━━━━━━━┫
┃説明文┃△サバイバル ┃◎残念な生き物┃
┗━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┛
なお、低中学年でおすすめの説明文の本は、「理科好きな子に育つ ふしぎのお話365」です。
https://www.amazon.co.jp/dp/B08BCB3K69
本の名前はひとつの例です。
かなり偏った考え方だと批判する人もいるかもしれません。
読書は、楽しむものですから、どういう本でもいいのです。
これが基本です。
また、子供は、いろいろな本を並行して読みます。
やさしいくだらない本も読むし、難しいレベルの高い本も読みます。
それらを並行して読むというのが、普通の読書のあり方です。
だから、一概にくだらない本がよくないというのではありません。
真面目なお母さんの中に、くだらない本は読ませないという方が時々います。
それでは、読書の楽しさというのは味わえません。
ただ、読ませない方がいい本もあります。
それは、下品な本です。
子供たちは、気持ち悪いものや怖いものに興味をひかれます。
それは、人間の持っている無明(むみょう)の好奇心です。
そういうところを伸ばす必要はありません。
最近の本は、なぜかすぐに殺人とか死体とかいうものが出てきます。
そういうものでしか、読者の興味を引き付けられないのです。
物語文の本のよさは、心に静かな感動が生まれることです。
昔からの名作が入試問題によく取り上げられるのは、この感動の面があるからです。
小学校低学年の生徒の読書紹介を見ていると、総じて絵の多い本が多いと思います。
絵本には、読みやすく、面白いものや感動するものが多いので、つい手に取りたくなりますが、絵本では、読書力、読解力はつきません。
絵本を読むのとは別に、字の多い本も必ず読む必要があるのです。
ところが、字の多い本であっても、いかにも親が選んだだけのつまらない本を読んでいる子もよくいます。
「○○の名作」とか、「○○事典」とか、「○年生で読む本」とか、有名な著者の本のダイジェスト版とかです。
こういう本は、子供にとっては面白くない場合がほとんどです。
だから、熱中して読んで、話しかけても聞こえないというような本の読み方にはなりません。
本好きな子供が、熱中して本を読んでいるときは、話しかけても聞こえないことがあります。
つまらない本を読むときの子供の心理は、苦い薬を仕方なく飲んでいるようなものです。
こういう本の読み方では、子供には何も残りません。
読書の第一の条件は、面白い本を読むことです。
面白くてレベルの高い説明文の本を読めるようになることが、家庭での読書の第一の方針です。
ところで、問題集読書の文章には、つまらないがレベルの高い説明文の文章が多く載っています。
問題集には、語彙の豊富な物語文の文章も載っています。
この問題集読書を楽しめる子は、かなり読書力のある子です。
読書力のない子は、問題集読書をしていると眠くなるか、読むのを嫌がるかのどちらかになります。
しかし、問題集読書のいいところは、面白くないにも関わらず、勉強として繰り返し読むようにしていることです。
実は、難しい文章であっても繰り返し読んでいると、だんだんその文章のよさがわかってきます。
そして、語彙力も育ってくるので、作文力も伸びます。
作文の上達は、作文の上での工夫よりも、読書の向上によることの方が大きいのですが、そのことはしばしば見落とされています。
易しい本を10冊読むよりも、難しい本を1冊読む方が価値があります。
しかし、こういう考え方をしている人はあまり多くありません。
子供の読書傾向は、家庭の読書環境の反映です。
子供に本を読ませると同時に、親も毎日の読書をしている必要があります。
仕事が忙しいということは言い訳になりません。
読書をする人は、どんなに忙しい仕事をしていても、合間の時間に本を読んでいます。
そして、そういう親の後ろ姿が、子供へのいちばんの教育なのです。
■■勉強の基本は家庭学習――教室はその家庭学習の成果を発表したり対話をしたり交流したりする場
これまでの教育は、学校で先生に教えてもらうという形がほとんどでした。
先生から出された宿題を家庭でやって学校に持っていくという形です。
学校では、ちゃんと宿題をやったかどうかをチェックして、時々テストをするというやり方が普通でした。
つまり、学校が中心で、生徒は学校で学んだことを家庭で補助的に学習するという形だったのです。
しかし、このやり方は、先生に教えてもらうという点で無駄がありました。
小中学生から高校生までの勉強は、答えがある勉強ですから、教科書や詳しい参考書があり、確認するための問題集があれば自分一人でできるものなのです。
先生の授業を聞いて教わるという形にすると、自分がすでに知っていることまで聞かなければなりません。
また、出される宿題も、普通の生徒を対象にしているため、できる問題もできない問題もランダムに出されるようになっていました。
できる問題を何度も勉強するというのは、極めて無駄のあるやり方です。
勉強は、できないことをできるようになるためにするものですから、できないことをするのが大事であって、できることをするというのは勉強ではなく単なる作業です。
ところが、昔は、学校に行かなければ教えてもらえなかったようなことが、今は、誰でも家庭でインターネットや出版物によって自由に勉強できるような時代になりました。
学校は、それぞれの生徒が自宅で勉強したことを持ち寄って、発表したり対話したり質問したりする場になったのです。
これが反転学習です。
しかし、こういう学習法を確立している学校は、まだほとんどありません。
言葉の森のオンラインクラスは、この反転学習を実行している数少ない教育機関です。
反転学習のような勉強で何が身につくかというと、まず1つは自分の興味関心や得意不得意に応じて勉強ができるということです。
もう一つは生徒どうしの対話の中で発言力やコミュニケーション力が育つことです。
言葉の森のオンラインクラスでは、実際に勉強する時間のほかに、生徒どうしが読書紹介をしたり発表したりする時間があります。
この発表する時間によって、相手とのコミュニケーションをとるという能力がついてきます。
これは、これからの学習でも、また社会生活でも重要になってくるものです。
対話の能力や発表の能力を伸ばす学習は、机上の勉強ではできません。
相手がいる中で発言をしたり質問したりすることが大事なのです。
オンラインクラスでは、勉強の中で発言や発表や対話をするということを重視しています。
「りせまむ」に、コミュニケーションに関する記事が載っていたので、それを紹介します。
やはり多くの人が、子供の能力として学力とともにコミュニケーション力を評価していることがわかります。
しかし、私は、コミュニケーション力以上に大事なものは、創造力だと思っています。
保護者が子供に求めるのは「コミュ力」大人の社会にも共通
https://resemom.jp/article/2023/04/13/71770.html
■■マスクをはずして登校しよう――人間は自分の力で免疫を作って生きてきた
マスクには、害があると言われています。
特に、幼児や低学年の子供は、マスクによって呼吸がしにくくなります。
酸素は、脳の栄養にとって重要なものですから、子供は特にマスクをせずに呼吸する生活をするべきです。
また、マスクは、子供の人間認識を歪める可能性があります。
人間の顔では、口の表情も重要な要素です。
幼児期から、マスクをした顔ばかり見ている子供は、人間の表情を読み取りにくくなると思います。
よく言われていることですが、心理学の実験で次のようなものがあります。
「子ネコを出生直後から数ヶ月縦縞模様だけしか見えない環境で飼育すると、横縞に反応する細胞がほとんど無くなります。このような環境で育てたネコは縦棒を見せるとじゃれついてきますが、横棒を見せてもじゃれついてきません。」
http://web2.chubu-gu.ac.jp/web_labo/mikami/brain/21-2/index-21-2.html#anchor
人間の幼児に関しても、こういうことが起こっている可能性があります。
しかし、私がマスク着用に反対して、いつでもほとんどノーマスクを実行していたのには、強制に反対する気持ち以外に、次のことがありました。
それは、ワクチンを打たせるための下準備としてマスクをつけさせるという意図を感じたからです。
ワクチンは、今になって問題があることが次々と明らかになってきましたが、当初からワクチンの問題を指摘していた人は数多くいました。
少なくとも、私の知っているブログやSNSやYouTubeや著者のほとんどは、ワクチンに反対していました。
だから、私は、自分と同じように多くの人がワクチンの問題を知っていると思っていました。
ワクチンやマスクと同じ時期に広がった消毒には、また別の問題がありました。
それは、有用な微生物も殺菌してしまうことです。
人間は縄文時代から、何万年も、ワクチンもマスクも消毒もない人生をたくましく生きてきました。
それは、自然の治癒力と微生物との共生があったからです。
消毒は、人間の助けになる微生物との共生を断ち切ることになります。
せいぜい、外から帰ってきたら、手を洗うぐらいでいいのです。
私も、一度コロナにかかりました。
しかし、これは風邪と同じだと思ったので、そのまま放置していたら1週間ほどで治りました。
コロナについては、これで免疫ができておしまいです。
人類は、このように自分の力で免疫を作って生きてきたのです。
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● 言葉の森新聞2023年4月2週号 通算第1750号 (6190字) 言葉の森事務局 jun 2023年04月10日 14時31分
14660 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年4月2週号 通算第1750号
文責 中根克明(森川林)
■■言葉の森からのお知らせ――5月から教科クラスの受講料を7,700円に改定
●5月の受講料から、教科クラスの受講料を6,600円から7,700円に改定
5月の受講料から、国語読解、総合学力、算数数学、英語、プログラミング、創造発表の各教科クラスの受講料を、現行6,600円から7,700円に改定させていただきます。
作文クラスの受講料は、現行8,800円のままです。
諸物価高騰の折、まことに申し訳ありませんが、よろしくお願い申し上げます。
●1週間の平均読書冊数は小学生3冊、中学生1冊。説明文意見文の本を
読書は、学力のもとになる読む力、考える力、感じる力を育てます。1週間の平均読書冊数は小学生3冊、中学生1冊と言われています(学校図書館協議会2022年調査)。物語の本だけでなく、興味の持てる説明文・意見文の本も読んでいきましょう。
●定期的に、作文字数、森リン点数、読検点数のランキング確認を
勉強は目標があると意欲的に取り組めます。字数、森リン点、読検点数のランキングを毎週又は毎月定期的に確認し、年間を通してランキングが上がるように勉強を進めていきましょう。
https://www.mori7.com/as/4463.html
●ニックネームの作成で、自分の場所がすぐわかるように
ランキングの名前の表示は、生徒コードのひらがな、又は、ニックネームになっています。自分のニックネームを4文字以内で決めておくと、ランキングやオンライクラス一覧表で、自分の場所を見つけやすくなります。
https://www.mori7.com/sato/hennkou.php
●作文はその日のうちに書き上げ、その日のうちに提出する習慣を
作文の勉強を長続きさせるコツは、その日のうちに書き上げることです。オンライン少人数クラスでは、全員が一斉に作文を書き始めるので、未提出がほとんどありません。勉強は、毎週コンスタントに続けていくことが大事です。その日のうちに書き上げる習慣を作っていきましょう。
●作文の勉強で大事なのは、家庭での事前の対話と読書
作文力の土台となっているものは、日常の経験と対話と読書です。特に小学生の作文は、家族と対話をすることによって、実例と感想が豊かになります。事前に作文の題材に合わせた似た例を家族で話しておきましょう。
●塾が忙しくなっても、作文は高校生まで続けておくとあとで役立つ
受験のために勉強が忙しくなっても、作文と読書の時間は、短い時間になっても確保しておきましょう。長く続けたことは、必ずあとで生きてきます。作文は、大学生や社会人になっても役に立つ本質的な勉強です。
●中学生の家庭学習の平均は平日1.5時間、土日2.5時間
中学生の勉強の中心は、家庭学習です。1日の平均勉強時間は、平日1.5時間、土日2.5時間と言われています。定期テスト対策は2週間前から始めると安心です。中学生向けの勉強法の本を読み、自分なりの学習計画を立てていきましょう。
●中学生の勉強の教科の重点は数学。1冊の問題集を完璧に
中学生の勉強で、最も差がつく教科は数学と英語です。いずれも、1冊の問題集を5回以上繰り返し、できない問題が1問もなくなるまで取り組めば成績が上がります。毎日の勉強時間を決めて勉強を進めていきましょう。
●創造発表は、新しい未来の勉強――インプットよりもアウトプット
これからの学力はインプットよりもアウトプットです。日本では、インプット中心の入試が続いていますが、世界の標準は、個性や創造力や主体性というアウトプット中心の入試に移行しています。創造発表クラスで、創造力と発表力を育てていきましょう。
●プログラミングは、女子も楽しめる勉強――ホームページの作成も
プログラミングは、誰にとっても必要な技術になります。プログラミングクラスでは、Scratchというビジュアルプログラミングから始めて、HTML、JavaScript、Pythonと学習を進めます。発表と交流を中心に、自分のペースで学習できる少人数クラスのプログラミング学習です。
●これからの勉強は少人数クラスでの交流と個別指導
これからの学力で大事になるのは、知識を吸収して再現する学力ではなく、自分から創造し発表し他の人と対話をする学力です。
オンライン少人数クラスでは、全員に発表の機会があり、先生による個別指導の時間があります。だから、主体的な学習ができるのです。
■■大学入試は、推薦入試も視野に入れて勉強を進めよう――入試は途中の過程、仕事が本当の結果
昔の大学入試は、一般入試がほとんどで、推薦入試というのはあまりありませんでした。
また、推薦入試よりも、一般入試に取り組んだ方が確実な学力がつくという考え方もありました。
入試勉強は、学力の土台を作る上で最も役に立つという考え方は、今でも成り立ちます。
しかし、近年の大学入試の仕組みは、大きく変わっているので、一般入試向けの対策と推薦入試向けの対策は、並行して考えていくいく方がいいようになっています。
日本では、どこの大学を出たかということで、就職の幅が決まります。
いい大学を出れば、就職できる会社の範囲は広くなりますが、そうでない場合は、就職できる会社の範囲は狭くなります。
人気のある大企業は、名前の通った大学の学生しか採用しません。
この日本のガラパゴス的な入試と就職の仕組みは、それなりに安定しているので、しばらくは変わりません。
しかし、今人気のある企業は、今がピークであることが多いので、数十年後には衰退する企業の枠に入ってしまうこともあります。
だから、いい会社に入るかどうかということは、途中の過程であって、最終的な結果とは考えないことです。
大きい会社の長所は、給与だけでなく研修機会や保養施設も充実していることです。
しかし、大きい会社の弱点は、一部の部署の仕事しかしないために全体的な経営の感じがつかめず、いざというときに会社をやめて独立するという展望が持てないことです。
小さな会社の場合は、経理にも商品開発にも営業にもすべてに携わることができるので、自分で会社を興(おこ)すという見通しも持てます。
会社を興す以外に、自分個人の才覚で世に出るという道もありますが、それはかなり不安定です。
自分で動かせる組織を持つことが、最初は苦しくても、長期的には最も安定した仕事の仕方になります。
子供たちの人生の目標の最も大きなものは、どういう仕事をするかということです。
どの大学に入るかということは、その途中の過程であって、ある意味で第二義的なものです。
だから、一般入試にしても、推薦入試にしても、どちらも選択できるような方針で勉強をしていくことがいいのです。
現在はネットワークの環境が充実しているので、人間は、学校に通わなくても十分な勉強をすることができます。
いい学校に入るということは、いい友達ができるという程度の意味しかありません。
しかし、ほとんどの生徒は、周囲に流されて勉強をするので、いい学校に入れば勉強する度合いが多くなるという効果はあります。
ただ、こういうこともすべて本人の自覚次第です。
自分で仕事を興す場合、大事になるのは、個性と情熱があることです。
学力はもちろん必要ですが、ほとんどの学力は、必要に応じてあとから伸ばすことができます。
あとからすぐには伸ばせないが汎用性が高いものは、哲学と数学と歴史とプログラミングと英語になると思いますが、英語は今後のAIの進歩によってカバーできるようになります。
学力は、知識として知っているのではなく、身体化して身につけておく必要があるので、そのためには時間のある学生時代に勉強しておくといいのです。
東洋経済オンラインに、現在の大学入試の特徴がわかる記事が掲載されていました。
「大学入試「激変」40代以上の親が知らない最新事情――偏差値が高くなくても一流大学合格を勝ち取る術」
https://toyokeizai.net/articles/-/661635
■■中学生からの作文の勉強が、思考力を伸ばす――長文を読んで意見文を書く練習ができるのは言葉の森だけ
言葉の森を卒業して、社会人になった生徒が、自分の中学生時代の作文を見て、こんなことを言っていました。
「僕は、中学生のころ、すごくよく考えていたんですね。今、こういう文章を書けるかなあ」
これは、誰にでもあてはまります。
言葉の森の作文は、小学4年生までは、事実を中心とした生活作文です。
このころの作文の勉強は、学校で書く作文とあまり変わりません。
変わるとすれば、実例と表現と感想を個性的に書くことです。
ただ書くのではなく、自分らしく書くということが大事な目標になります。
小学5年生からは、課題自体が抽象的になり、感想の部分を、自分個人の感想を超えたより一般的な感想として書くようになります。
例えば、「私の友達」という課題で書く場合、自分にとっての友達という感想でなく、人間にとって友達とは何かという感想として書くのです。
中学生になると、この感想の部分が作文の中心になります。
小学生のころは、実例が先にあり、その実例の感想を書く形でしたが、中学生の作文は、意見が先にあり、その意見の裏付けとして実例を書くという形になります。
それも、ただ実例を書くのでなく、意見の理由として書くとか、意見の方法として書くとかいう構成の仕方が重要になります。
高校生になると、この意見中心の作文の構成の仕方が更に発展し、課題の文章が更に高度になります。
構成の仕方は、理由や方法以外に、原因や対策を考えて書くようになります。
このように、構成を意識して書く作文指導をしているのが、言葉の森の特徴です。
中学生からの意見文は、そのまま大学入試の小論文に応用できます。
言葉の森では、高校生から作文を始める人は、小学6年生の課題からスタートします。
小6の構成の仕方である「複数の実例と一般化の主題」も、大学入試の小論文で十分に使えるからです。
更に、中学1、2、3年生での意見文の書き方を身につければ、どのような小論文の課題にも対応できるようになります。
中学生からの作文の練習は、考える力を必要とします。
作文は、思考力を伸ばすのに最も効果的な学習なのです。
■■自宅でできる発表対話型の新しいオンライン学習――4月から始める講座案内
●子供たちの学習は、教わる教育から創造し発表する教育に変わっていく
AIの進展によって、すでに答えのある知識を吸収しそれをテストのときに再現する学力は、重要度の低いものになりました。一般教養はある程度知っていれば十分で、それよりも大事なものは、答えのない問題を発見し、自分の個性を生かして創造し発表する学力です。
これからの子供たちの学力は、創造力と発表力の育成を中心に組み立てていく必要があります。
●5人の少人数クラスで、全員が学習に参加でき個別指導が受けられる
30人から40人の集団一斉指導では、生徒が発言する機会はほとんどありません。受け身で先生の話を聴く時間がほとんどです。しかし、1対1の家庭教師による学習では、他の生徒との対話や交流がありません。5人の少人数クラスでは、全員に発言する場があり、一緒に参加する友達との対話があり、先生の個別指導があります。
●毎週の読書紹介で、読書習慣がつき、読書量が増え、読書の質が高まる
毎週、授業の最初に全員の読書紹介があります。この読書紹介によって、本を読む習慣がつき、読書量が増え、読書のジャンルが広がり、読書の質が高まります。勉強は、その勉強した範囲の成績を上げるだけですが、読書は子供たちの本当の学力を育てます。
●全員に発表する機会があり、人前で自分の考えを述べる発表力がつく
言葉の森では、毎週の授業の最初と最後に、みんなの前で発表をする機会があります。
現在の大学入試では、総合型選抜と呼ばれる推薦入試が過半数になっています。推薦入試で評価される学力は、小論文の力と発表力です。いずれも長期間の蓄積が必要な学力です。
●自宅から、オンライン自習室に参加し、自分のペースで勉強ができる
学習の基本は、家庭での自学自習です。自学自習は、塾に行って教えてもらう勉強よりも密度が濃くなります。しかし、ひとりで行う勉強は、きっかけがつかみにくい面があります。
自宅から参加できるオンラインの自習室は、自学自習の支えになります。
●オンラインクラス一覧表(簡略版)
https://www.mori7.com/mori/online_class.php?kid=all
<作文>
作文クラスは幼長から社会人まで、長期間続けられる独自の一貫指導を行っています。小学生のうちから、将来の大学入試小論文や、社会人になってから必要な論説的な文章を書く力をつけることを目標にした作文指導を行います。毎回全員が予習の発表を行い、その場で作文を書き出します。学年は、幼長~高3。大学生、社会人の方も受講できます。
<総合学力>
総合学力クラスは、読書・国語・算数・暗唱・発表の総合学力をつけます。小学生の勉強は小5から難しくなるので、その前に、友達と一緒に学ぶ授業で、総合的な学力の土台を作ります。国語、算数は学年先取りの学習ができます。暗唱の勉強ができるのはこの講座だけです。学年は、幼長~小4。
<国語読解>
読解検定88点以上を目標に、読解力をつける独自の学習法で学びます。問題集読書の復読と読解検定の解説に取り組むことで誰でも驚くほど読解力が向上します。学年は、小3~高3。小学校低学年の方は、総合学力クラスの国語の授業として受講できます。
<算数数学>
1冊の問題集を、できない問題が1問もなくなるまで反復して学習します。小学生は標準問題集で学年先取りを目指します。中学生は発展問題集でやや難しい問題に取り組みます。小3~中3。小学校低学年の方は、総合学力クラスの算数の授業として受講できます
<英語>
1冊の問題集を5回以上繰り返し読み込む学習をします。小4以上は、英文の音読暗唱を行います。教科書に対応した問題集と、英検5級~2級に対応した英検問題集のどちらも選択できます。学年は小3~中3。
<創造発表>
生徒の興味関心を学問に深め、学問を創造的に発表する講座です。取り組む課題は、理科実験・工作・自由研究など自由です。創造発表での学習は、自発的な学習姿勢、創造力、発表力を育てます。学年は小3~中3。小学校低学年の方は、総合学力クラスの発表の授業として受講できます。
プログラミング プログラミングは、社会に出てからも役に立ちます。Scratch、HTML、JavaScript、Pythonを学びます。HTMLは自分のホームページを作ることができす。それぞれの生徒が自分の進度に応じて学習するので、初心者から経験者まで参加できます。学年は小3~中3。総合学力クラスの発表の授業の中でひらがなScratchを発表することもできます。
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● 言葉の森新聞2023年4月1週号 通算第1749号 (2681字) 言葉の森事務局 jun 2023年04月01日 11時56分
14644 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年4月1週号 通算第1749号
文責 中根克明(森川林)
■■プログラミングクラスの生徒用のサーバーを作りました
プログラミングクラスの生徒用のサーバーを作りました。
https://mori7.jp
というドメインです。(まだ空っぽです)
ここに、それぞれの生徒の生徒コード(先生も含めて)でディレクトリを作り、そこに、htmlファイルとJavaScriptファイルをアップロードすれば、誰でも見られるようになります。
例えば、なね先生なら、
https://mori7.jp/nane/
です。(JavaScriptの最初のテストが入っています)
PHPもMySQLのデータベースもPythonも使えます。
生徒にはFTPソフトのwinscpなどをダウンロード、インストールしてもらい、それぞれの生徒が自分のホームページとして自由に使ってもらうようにする予定です。
△Winscpのダウンロードサイト
https://forest.watch.impress.co.jp/library/software/winscp/
FTPの設定などの詳細はまた追ってお知らせします。
■■日本も独自にChatGPTの開発を
●動画:
https://youtu.be/84kq0RtwPGw
日本ディープラーニング協会の講演で、東大大学院の松尾豊教授が、「大規模言語モデルを自ら開発するには、数百億円もあれば同じようなものが作れる」と述べていました。
同じものを作るだけなら、もっと安くつくれるそうです。
中国では、すでに独自にChatGPTと同じようなシステムを開発しています。
それは、中国の国内だけの情報に限定したデータベースにするためです。
ChatGPTのデータベースのほとんどは、英語圏の情報だと言われています。
日本が、日本独自のデータベースを加味して、日本人が使える日本版ChatGPTを開発する必要があります。
アメリカでは、ニューヨーク教育局が学校におけるChatGPTを禁止しました。
日本でも、教育に携わる人の多くは、同じことを考えると思います。
夏休みの宿題の読書感想文などは、ChatGPTでいくらでも作ってもらえるからです。
しかし、問題は、ChatGPTにあるのではなく、ChatGPTで代替できるような教育をこれまで行ってきたことにあります。
これからの教育は、ChatGPTの利用を制限する教育ではなく、ChatGPTを活用する教育になる必要があります。
国語、算数数学、英語などの教科の勉強は、ChatGPTが個人の家庭教師がわりになります。
先生が教える教育は、いずれ姿を消します。
作文、プログラミング、創造発表の学習は、ChatGPTが生かせる分野です。
創造的な学習を支えるツールとして、ChatGPTが活用できるからです。
春期講習の創造発表クラスで、今年はディスカッションの講座を設けました。
参加した中学生たちは、難しいテーマにも関わらず、それぞれ独自の意見を述べていました。
ChatGPTは、こういうディスカッションの司会役としても、又は、もうひとりの参加者としても使えるようになります。
人間が行うのは、知っている知識を披露することではなく、問題を発見し、新しい創造を生み出すことです。
こういう将来の展望を考え、日本も早急にChatGPTと同じシステムを独自に開発する必要があると思います。
■■創造と発表と対話と交流の学校――ChatGPT時代の教育はどう変わるか
●動画:
https://youtu.be/txkv0qX8PWw
私(森川林)が、40年ほど前に、作文教室を始めたときに思ったのは、「国語の勉強を教えるような教室にはしない」ということでした。
そういうことは、誰でもやれることだと思ったからです。
しかし、あとで、そうではないことがわかりました。
国語を教える教室というのは、ほとんどなかったし今もないからです。
国語教室以上に、作文教室というのは、当時どこにもありませんでした。
だから、言葉の森が日本で初めての作文教室でした。
始めたばかりの作文教室の生徒は、どの子も優秀な子ばかりでした。
勉強には余裕があるから、新しい面白いことをしてみたいという子供たちが多かったからです。
言葉の森は、作文の勉強を教える教室ではなく、作文を通して創造力や思考力を育てる教室としてスタートしたのです。
今、そういう当初の理念に戻って考えると、これからの教育は、教える教育ではなく創造する教育でなければならないと、改めて思い直しました。
これまでは、言葉の森も、勉強を上手に教えることに目を向けていましたが、上手に教えることは、今後ChatGPTによってカバーされるようになります。
国語も、算数数学も、英語も、ChatGPTが、それぞれの生徒に応じた的確なアドバイスをしてくれるようになるのです。
個人指導という言葉は、集団指導に対する新しい概念として広がっていましたが、その個人指導も、今後は時代遅れになります。
ところで、ChatGPTには、すぐに後続の大規模言語モデルの仕組みが次々に出てくるはずですから、以下、ChatGPTではなくより広範なAIという言葉で呼びます。
AIの発達によってなくなる職業には、今後、教師の仕事も入ります。
答えのあることを教えるというのは、しかも、その子の理解度に応じて気長に教えるというのは、AIの最も得意とすることだからです。
未来の子供たちは、自宅で、AIに教えてもらいながら、小中高の学年に必要な基礎学力を学ぶようになります。
これまでの学校で残るものは、友達との交流、先生との対話になります。
勉強の中身は、人間が教えるよりもずっと的確にAIが教えてくれるようになるからです。
そのときの学習の形態は、オンラインの少人数クラスになるというのが、私の予測です。
30人の集団指導でもなく、マンツーマンの個人指導でもなく、4~5人の同レベルの少人数のクラスで発表と対話と交流を行うことが学校の役割になるのです。
では、そのときの学校での教育の中身は何になるかというと、それは吸収と再現の対極にある学習、つまり創造と発表です。
これからのオンライン少人数クラスの学習の中心は、作文、プログラミング、創造発表など、少人数の創造と発表と対話と交流のあるものになっていきます。
そして、国語、算数数学、英語などの教科の学習も、やはり発表と対話が中心になっていくのです。
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● 自分のホームページが作れます【送信指定】 (671字) 森川林 nane 2023年03月25日 16時40分
14620 (言葉の森オンライン新聞)
この連絡は、プログラミングクラスと創造発表クラスの生徒及び講師にお送りしています。
これまで、プログラミングクラスのJavaScriptやPythonの練習は、画面共有の形で発表していることが多かったと思います。
また、創造発表クラスでパワーポイントを使っている人も、画面共有で発表していたと思います。
自分のホームページがあれば、JavaScriptやPythonもウェブで公開できます。
パワーポイントも、HTMLファイルに変換して、ウェブで公開できます。
プログラミングクラスでJavaScriptやPythonに取り組んでいる人、及び、創造発表クラスの小6以上の人は、下記のページを参考にして、FTPソフトをダウンロードし、できるだけ自分のホームページを作ってください。
作成に必要なコード、パスワードは、個別れんらく板で質問してくれれば折り返し連絡します。
「自分のホームページを作るためのFTPの使い方」
https://www.mori7.com/ope/index.php?e=14617&innsatu=on
ただし、FTPソフトは、自分のページ以外のファイルにもアクセスできるので、くれぐれも自分のファイル以外は開かないようにしてください。
このことは、保護者の方からもよく伝えてくださるようお願いします。
また、マウスで操作することが多くなるので、マウスが滑ってほかのファイルに行ってしまうことも、なくはありません(笑)。
iPadなど指で操作する端末は使わずに、必ずマウスで操作して、操作は慎重に行うようにしてください。
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● 言葉の森新聞2023年3月4週号 通算第1748号 (8261字) 言葉の森事務局 jun 2023年03月22日 19時13分
14611 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年3月4週号 通算第1748号
文責 中根克明(森川林)
■■3月29日(水)・30日(木)・31日(金)は休み
3月29日(水)・30日(木)・31日(金)は、第5週のため通年クラスの授業はありません。振替授業もお休みです。
■■第4週は清書。幼稚園生は作文
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
■100-8051(住所はいりません毎日小学生新聞「さくひん」係(600字以内)
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■真の教育改革は、よい先生でもよい教材でもなく、よいシステムを作ることから――現在の集団一斉指導の通学教育は時代遅れに
●動画:
https://youtu.be/6VKpHfCY38o
日本の教育問題を語る人は多いのですが、それらの人々の共通の弱点は、これまで自分が受けてきた教育の延長で改善点を考えていることです。
だから、よい教師を採用するとか、よい教材を利用するとか、あるいはこれまで無意味に受け継がれてきた宿題の強制やテストによる競争をやめるとか、そういう提案が出てくるのです。
それらの提案は、いずれも正しいものです。
しかし、そこで改善されるのは、その学校だけとか、その地域だけとか、又は、そこの教育長や校長のリーダーシップがあるところだけとかいうことになってしまうのです。
では、どうしたらいいかというと、根本的な解決策は、江戸時代の寺子屋のように、少人数の生徒を、それぞれの生徒の全体像が把握できる範囲で、固定した先生が見ることなのです。
勉強の基本は簡単です。
先生があれこれ教えることは最小限で構いません。
充実した教材があれば、生徒は自学自習で勉強を進めていけます。
先生は、その生徒の勉強の進め方をアドバイスし、躓(つまず)いたところだけを見てあげればいいのです。
しかし、この少人数の生徒指導という授業の仕方は、今の通学式の学校や塾ではまずできません。
たまたま少人数の授業になることはあるかもしれませんが、システムとして少人数を維持することはできないのです。
しかも、その少人数の生徒は、同じぐらいのレベルである必要があります。
通学式の教室で、同レベルの少人数の生徒を集めるシステムはどこにもありません。
だから、新しい教育は、全国ネットのオンライン教育である必要があるのです。
オンライン教育の欠点は、リアルな交流ができないことだと言われていますが、その問題は既に解決されています。
4~5人の少人数のオンライン学習では、通学式の教室よりもはるかにリアルな生徒どうしの交流があります。
また、場合によっては、年に何回かの遠足や合宿によって、いくらでも実際の交流の機会を作ることができます。
大事なことは、学習という教育の基本のところで、充実した授業ができることなのです。
言葉の森のオンラインクラスの中には、作文がよく書ける子だけが同じ学年で集まったクラスがあります。
作文以外にも、国語や算数数学や英語やプログラミングや創造発表で、よくできる子が自然に集まったクラスがあります。
こういうクラスでは、自然に授業の中での切磋琢磨が生まれます。
逆に、作文を書くことが苦手な子だけが集まるクラスも、理屈の上では可能です。
こういうクラスでは、その苦手さに応じた充実した授業ができます。
しかし、苦手な子だけのクラスというのは、まだありません。
いずれ、そういうクラスもできるようになると思います。
つまり、オンラインクラスでは、同レベルの少人数の生徒が4~5人で交流しながら学ぶ仕組みができるのです。
これが、システムの力です。
よい先生、よい教材、よいリーダーは、こういうシステムの上でこそ、本当の力を発揮することができます。
日本の教育界は、遅れているので、ここで述べたような改革はまずできないと思います。
だから、言葉の森が、新しい教育の先鞭をつけていこうと思っています。
そのために、今後、保護者との個別連絡や、クラスごとの発表室連絡などを生かして、多くの方の意見を集め、よりよい教育を作っていきたいと思います。
■■小学校低学年の作文のポイント――構成、題材、表現、主題、表記のうち、小学校低学年は主に題材と表記
小学校低学年の重点は、題材と表記です。
小学校中学年は、主に表現です。
小学校高学年は、主に主題です。
中学生以上は、主に構成です。
小学1、2年生のころは、子供は書きたいことを自由に書きます。
題材を選ぼうという意識が出てくるのは、小学3年生ごろからです。
小学校中学年になると、面白い話や読まれて価値ある話を書こうとい意識が生まれます。
その価値ある題材をもとに、表現を工夫して書くことが学習の重点になります。
しかし、小学校低学年のころは、どういう話が価値ある話かという意識はなく、自分の書きたいことをただ書くだけです。
だから、小学1、2年生の作文では、「学校でこんなことがあった」「学童であんなことをした」「友達と遊んだ」「○○を見に行った」という、自分が体験した直接的な話が多くなるのです。
そのため、文章力のある生徒でも、題材が平凡になりがちです。
子供が成長して、あとで自分が小学校低学年のときに書いた作文を見ても、あまり面白いと思わない日々の長い日記のようなものが題材になっていことが多いのです。
ここで必要になるのが、保護者の方の工夫です。
子供は、自分でいい題材を選ぼうという意識がありませんから、お母さんやお父さんが題材を工夫してあげるといいのです。
例えば、「今度、土曜日に一緒にたこ焼きを作ろうか」とか、「日曜日に、近くの公園で、カエルの卵を見つけに行こうか」とか、「この本の理科実験面白そうだから、今度やってみようか」という題材作りです。
「○○を見に行こうか」というのは、あまりいい題材になりません。
親子の対話や子供の直接的な体験が少ないからです。
作文の題材作りをきっかけに親子の対話が増えると、自然に子供の語彙力も増えてきます。
親子で話をする機会が多い子は、作文の結びの感想の部分が次第に充実してきます。
子供の感想でよくあるのは、「とても楽しかったです」「また○○したいです」という結び方です。
これをもっと個性のある感想にするためには、感想のための語彙力が必要です。
その語彙力を育てるのが、親子の対話です。
作文の勉強というと、作文の上で添削してよりよい表現にするようなことを考えがちですが、そうではありません。
作文の勉強は、作文のアウトプットを直すのではありません。
作文のアウトプットの土台になる、読むことや経験することというインプットを充実させていくことが大事です。
作文の題材は、作文を書くときに引き出すものではなく、毎日の生活の中で少しずつ入れておくものです。
小学校低学年で作文の勉強をしている生徒の保護者の方は、いい題材作りということを意識して毎日の生活を送る工夫をしていってください。
■■AO型の大学入試に対応する力をつけるには
AERA.dotにAO型入試と中学受験の話が載っていました。
これを読むと、現在の入試のおおまかな現状がわかると思います。
「AO型の大学入試を考えたら、私立の中高一貫校に行くべき?」 中学受験のプロが語った私学の裏事情
https://dot.asahi.com/dot/2023031300003.html?page=1
学習塾は、よく「中高一貫校の受験をしないと、大学入試で不利になる」という宣伝をしていますが、特にそういうことはありません。
あるとしたら、中高一貫校は数学の先取りができるので、大学入試の数学で高3の1年間は受験に特化した勉強ができるという点です。
だから、公立高校に進む人は、スタディサプリなどを利用して、数学だけは学校の勉強よりも1年間先に進み、高3の夏休み以降は、志望校の過去問に特化した受験勉強をしていけばいいのです。
大事なことは、学校や塾や予備校に頼らずに、自分の判断で勉強の方針を決めていくことです。
中高一貫校は、周りの生徒が同じぐらいの学力なので、よくすると、周囲に引っ張られて自然に勉強するということがあります。
しかし、悪くすると、成績が下がって落ちこぼれることもあります。
また、周囲に合わせて低いレベルになることもあります。
公立中学は、不明朗な内申点があることがいちばんの問題です。
内容のない宿題や提出物などは、保護者が手伝ってあげてもいいと思います。
公立中学には、周囲によくできる生徒も、あまりできない生徒もいます。
そういう多様な生徒のいる中で勉強するのは、将来プラスになります。
また、学校によっては荒れているところもありますが、中学の勉強は自分ですればいいので、荒れているかどうかは勉強の進み具合には関係ありません。
すべて、本人次第ということです。
公立中学は、中3で高校入試があります。
中学3年生は、勉強の自覚ができる時期なので、この時期に受験があるというのは、生徒の成長に大きく役立ちます。
反対に、中高一貫校の私立中の場合は、中3のころに中だるみ状態になることもあります。
だから、中学受験で中高一貫校に行くか、中学受験をせずに公立中に行くかは、すべて中学に入ってからの本人次第です。
AO型の入試による大学合格者は、すでに全体の半数以上になっています。
保護者の感覚は、一般入試が主流だった時代のものですから、今の状況を理解しにくいと思います。
大事なことは、大学入試をゴールとしないことです。
本当のゴールは、社会に出て、自分らしい仕事をして世の中に貢献することです。
そう考えると、勉強の方向は、はっきりしてきます。
基礎学力をしっかりつけておくことは大事です。
しかし、1点差を争うような過度な成績競争は必要ありません。
それよりも大事なのは、コミュニケーション力、リーダーシップ、個性的な生き方、創造力、思考力、読書力、当意即妙の発言力、他者への思いやりなどです。
これらが、本当の実力です。
しかし、こういう力は、いずれも学校の成績には出てきません。
直接話をしたり行動したりしていると、自ずから感じられる実力なのです。
オンラインクラスのよいところは、読書紹介や一人一言などで、誰もが発言する機会があることです。
その中で、相手の実力を感じ、自分の実力を伸ばすことができます。
この実力を伸ばす場として、特に有効なのは、作文クラスと創造発表クラスです。
作文も、創造発表も、学校の成績とは直接結びつかないところが、なぜか共通しています。
■■本当の勉強は、インプットを再現するものではなく、アウトプットのためにインプットをすること
本当の勉強とは、与えられたものを詰め込んでそれをそのまま再現することではありません。
今の勉強のほとんどは、詰め込み再現型の勉強になっています。
先生が教えたことや教科書に書かれていることをそのまま吸収して、テストのときにそのとおりに再現することが勉強だと思われています。
基礎学力はもちろん大切です。
しかし、吸収→再現という勉強の仕方は、AIが人間よりももっと正確に素早くやってくれるようになっています。
だから、今、文章を書くときに、忘れた漢字があっても、誰も「小学校のときにもっと漢字の勉強をしておけばよかったなあ」などとは思いません。
計算をする必要があったときに、「もっと小学生のときに計算の練習をしておけばよかったなあ」とも思いません。
吸収→再現のほとんどの部分は、ソフトがやってくれるようになったからです。
では、人間は何をすべきなのかと言えば、それはアウトプットです。
もっといい日本語で言うと、人間のすべきことは創造です。
しかし、新しい何かを世の中に創造するためには、その根底に問題意識がなければなりません。
問題意識は、今、ここに、自分が身体を持って生きているということがもとになっています。
つまり、時間と空間と欲望の組み合わせが問題意識を生み出しています。
AIは、今の段階では、時間や空間や身体と分離された機構です。
だから、AIは、独自の問題意識を持ちません。
したがって、AI独自の創造というのもまたありません。
創造らしいことをすることはあっても、それは人間に委託された創造であって、独自の創造ではありません。
人間のすべきことは、創造つまりアウトプットです。
そのアウトプットをするためには、材料となるインプットが必要です。
それが教育なのです。
アウトプットが個性的であるように、インプットもまた個性的です。
基礎となる学力で共通する面はあるとしても、基礎学力のかなりの部分はソフトで代替されるようになっています。
大事なことは、何をインプットすべきかということではなく、何をアウトプットしたいかということです。
それぞれの個人の個性に合わせてアウトプットをすることが、未来の教育です。
この未来の教育の代表的なものは、言葉の森のオンラインクラスで言えば、作文クラスとプログラミングクラスと創造発表クラスです。
これらのクラスでは、アウトプットが主体となる勉強をします。
ひとつだけの正解がない勉強が、これからの勉強なのです。
■■ChatGPTと教育
ChatGPTは、今後、教育にも使えるようになります。
例えば、数学の勉強をしていてわからないところがあり、解法を見ても理解できないときはChatGPTに聞いてみます。
すると、個人の家庭教師のように教えてくれます。
質問を追加することもできるから、わかるようになるまで質問を繰り返すこともできます。
読解の勉強でも同じです。
なぜ、その答えがそうなのかということを説明してくれるようになります。
しかし、今はまだ、できるかどうかはわかりません。
それは、日本語のデータがまだ少ないせいだと思います。
プログラミングでもできます。
動かないプログラムがあったとき、どこが違っているのかを教えてくれるようになります。
学校で出される宿題は、もう意味がなくなります。
「○○の作文や感想文を書いてくる」という宿題も、ChatGPTにやってもらえばそれでおしまいです。
つまり、答えがある問題、又は、答え的なものがある問題は、人間ではなくChatGPTで十分できるようになってくるのです。
では、人間に何が残るかと言えば、それは、答えのない問題です。
なぜ答えのない問題があるかというと、それは問題そのものが新しく作られたものだからです。
つまり、新しい問題意識を持つことが、人間のできることです。
ChatGPTが新しい問題を作れないのは、ChatGPTが、今の段階では、人間と本質的に違うところがあるからです。
その違いとは、人間が、特定の時間と特定の空間と特定の身体の上で生きているのに対して、ChatGPTは、そういう特定さがないからです。
だから、ChatGPTを活用するには、人間が、特定された質問をする必要があります。
ChatGPTが普及し、誰もがスマホでChatGPTを利用できるようになった時代に、残るのは何かと言えば、それは対話です。
FacebookでもTwitterでもYouTubeでも、デジタルの媒体であれば、ChatGPTを利用して気の利いたことはいくらでも言えるようになります。
今のアレクサのように、ダジャレも言えるようになります(笑)。
つまり、誰にとっても、必要に応じて、あらゆることにいつでもカンニングができる社会になるのです。
そのときに残るのは、リアルな対話とリアルな創造です。
私(森川林)は、この春から、創造発表クラスを2つ開設しました。
これは、もうこれまでの勉強は終わり、これからは新しい勉強の始まる時代になると思ったからです。
新しい勉強とは、すべて自分がオリジナルに発信する勉強です。
その勉強のために、従来の吸収する勉強があるという関係です。
これまでの勉強は、吸収すること自体が目的の勉強でした。
例えば、植物に維管束があり、師管と導管があり、植物の種類によって師管と導管の配置が違うというようなことは、頭の片隅にでも入っていれば、必要に応じていつでも調べられます。
試験をして、知識として詰め込む必要などないものです。
そういう知識を覚えるよりも、なぜ植物はそういう仕組みを選んだのかとか、もっといい方法はなかったのかとか、その仕組みを人間社会に適用するとどういうことが考えられるかということを考えた方がずっと面白いはずです。
しかし、今の30人から40人の学級では、そういう勉強はまずできません。
それは、単純に、一緒に勉強する人数が多すぎるからです。
1人の先生が、例えば30人学級の生徒に、一人ひとりの意見を聞いていたら、1人5分の持ち時間としても、約2時間半かかります。
だから、これからの教育は、全員が発言できる4~5人の少人数クラスで行われなければならないのです。
しかし、まだ子供たちは、従来の勉強観から抜け出せないので、調べたこと自体を発表する傾向があります。
理科実験にしても、工作にしても、自由研究にしても、どこかに書かれていることをそのままなぞって、そのとおりできて完成という発表をしていることが多いのです。
面白い勉強とは、最初に、自分のしたいことがあって、そのしたいことをもとにして、実験したり、工作をしたり、研究をしたりすることです。
アウトプットしたいことが先にあり、そのアウトプットのためにインプットがあるのであって、インプット自体が目的ではないのです。
ChatGPTの普及によって、このような創造中心の勉強が次第に広がると思います。
作文と創造発表とプログラミングのクラスは、そういう勉強としてやっていきたいと思っています。
ちなみに、今度、春期講習で行う創造発表は、小学生は「図工理科」、中学生は「ディスカッション」です。
中学生のディスカッションは、文藝春秋の「日本の論点」などをもとにして、参加者でディスカッションをする予定です。
いずれも、答えのない勉強なので、面白いと思いますが、面白くなくなるかもしれません(笑)。
■■【合格速報】弘前大学医学部・自治医科大学
●弘前大学医学部・自治医科大学 O.Y.さん
<担当講師より>
幼稚園の頃から言葉の森で作文を書いていたことが役に立ったと感じることが多かったとおっしゃっていました。
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● 3月読解検定の問題を本日お送りします【送信指定】 (96字) 森川林 nane 2023年03月20日 09時26分
14605 (言葉の森オンライン新聞)
この連絡は、3月の読解検定を受検される方にお送りしています。
先日お送りした3月の読解検定は、問題の文章しか掲載されていませんでした。
問題は、本日お送りしますので、しばらくお待ちください。
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● 言葉の森新聞2023年3月3週号 通算第1747号 (6208字) 言葉の森事務局 jun 2023年03月16日 10時14分
14598 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年3月3週号 通算第1747号
文責 中根克明(森川林)
■■3月26日~4月5日、春期講習を行います
3月26日~4月5日の範囲で、春期講習を行います。
オンラインクラス一覧表の3月26日以降のページをごらんください。
https://www.mori7.com/teraon/shlist.php?kjb=20230326
作成したばかりですので、まだ講座が限られていますが、これから講座が増えますので、時々チェックしてください。
受講料は、どの講座も1コマ1,650円です。
現在、表示している講座は、中根の
8:00 中高生対象の国語読解
9:00 小学生対象の創造発表(図工理科)
10:00 中学生対象の創造発表(ディスカッション)
です。
追加(2023/3/9)
9:00 作文(みわ先生)
11:00 プログラミング(みわ先生)
中高生対象の国語読解は、高校生レベルの問題をもとに、問題の解説を中心に行います。(準備不要)
小学生対象の創造発表(図工理科)は、図工理科掲示板を参考に、作品を発表していただく授業です。(要準備)
https://www.mori7.com/ope/index.php?k=122
中学生対象の創造発表(ディスカッション)は、創造発表掲示板に毎回、時事問題、社会問題、人生問題などのテーマの文章を入れるので、それを読んでディスカッションをする授業です。(準備不要)
https://www.mori7.com/ope/index.php?k=sh
言葉の森の生徒以外で参加を希望される方は、事前にコード登録をしておいてください。
https://www.mori7.com/tr.php
■■3月21日(火)は「休み宿題」
カレンダーに記載してあるとおり、3月21日(火)は祭日のため「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
■■作文は、原則として当日提出。しかし、事情がある場合は連絡を
●動画:
https://youtu.be/OJstNADFWCw
作文クラスの作文は、原則として当日に書き上げ、当日中に送信してください。
これは、これまで、次のようなケースがあったからです。
(1)今日は十分に書けないから、明日続きをやると言って、そのまま書けなくなってしまう。
(2)じっくりいい作品を書くために、何日もかけて作文を書き、やがて作文を書くことが負担になってしまう。
(3)今日は忙しいから、時間があるときに書くと言って、結局次の週になってしまう。
作文の勉強が2回分や3回分たまると、それはまとめて書けなくなるのが普通です。
今日書けなかったら、その日は欠席ということにして、次の週まで持ち越さないことが大事です。
だから、何が何でも授業のあるその日に書いておく必要があるのです。
将来、作文試験などを受ける場合、必ず時間制限と字数制限があります。
必要以上に長い時間を書けて作文を書いていると、時間をかけることが習慣になってしまいます。
高学年や中学生、高校生の場合でも、最長1時間半で書き上げると決めて、その時間内に書いたところまでで提出するという方が、結局は勉強が長続きします。
ただし、機械的に、「当日中に提出」というのではありません。
受験は、機械的に時間制限がありますが、毎週の作文の授業では、さまざまな事情がありますから、当日に提出できないときは、その旨を個別連絡や発表室連絡で、担当の先生に伝えてくれればいいのです。
原則は当日提出、しかし、事情がある場合はその旨を講師に連絡ということでやっていってください。
ところで、作文が2回分以上たまった場合は、前の週の作文は出さなくていいと決めてください。
作文は、きわめて負担の大きい勉強なので、1日に2回分まとめて書くということは、まずできません。これは、経験していないとわかりません。
真面目な生徒は、まだ出していない分から書くと言いますが、それは親も先生も止めるようにしてください。
大事なのは、その週の作文を書くことだけで、前の週で書けなかった作文はもう書かないと決めることが大事です。
勉強で大事なのは継続することで、継続するためには、1回1回をその場で終わらせて、あとに持ち越さないことだからです。
■■大学入試の英語の半分は国語力――「東大志望の受験生狙い?慶応大、常識を覆す「英語の試験なのに出題文が日本語」の衝撃」の記事
●動画:
https://youtu.be/zqkTS6dNiTU
私は、大学入試の英語は、国語力だけで半分は解ける問題だと思っています。
言い換えれば、国語力がないと、英語の力だけでは解けない問題も結構あるということです。
これは、普通に考えてもわかりますが、英語圏にいる小学生がいくら英語が堪能だからといって、そのまま大学の英語の入試問題が解けるかというと、そういうことはありません。
高校3年生になって、英語が伸び悩む生徒の場合、国語力が不足していることがあります。
英語であろうと、日本語であろうと、書かれている内容を読み取ることが大事で、その力は表面的な語学力ではなく、要するに理解力です。
先日、東洋経済オンラインに、同じようなことが書かれた記事が載っていました。
「東大志望の受験生狙い?慶応大、常識を覆す『英語の試験なのに出題文が日本語』の衝撃」
https://news.yahoo.co.jp/articles/439048f4b9dfb55c5cd263400502fafe8331dc49
内容は読めばわかりますが、つまりは、英語力以前に、内容を理解する力が大事で、その基本は日本語力だということです。
逆の例で言うと、海外にいる生徒が日本の学校の受験をする場合、そして日本語の作文や小論文の課題がある場合、いちばんの障害になるのは、漢字があまり書けないということです。
だから、保護者の方は、よく、学年相応よりも易しい課題で勉強したいということが多いのですが、そういう必要は全くありません。
日本語が不自由であっても、英語で考える力があれば、日本語の難しい課題でも十分にこなしていけるのです。
漢字が弱いということは、思考力とは関係がありません。
英語で十分に考える力があれば、日本語でも同じように考えて書くことができます。
英語でも日本語でも、大事なことは、難しい文章の内容を読んで理解する力です。
そのためには、小中学生の間から、できるだけ、物語文だけでなく説明文や意見文の本を読んでおく必要があります。
考える力のある生徒は、物語文では物足りないと思うことが多いはずです。
説明文や意見文の本を読む機会が少ない場合は、国語読解クラスの問題集読書を毎日続けていくことです。
勉強の本質は、かなり単純なところで共通しているのです。
■■創造発表クラスの授業や、総合学力クラスの発表の授業の参考になるページ
●動画:
https://youtu.be/sCfMf8vTrSs
これから必要になる学力は、与えられた知識を吸収して再現するだけの学力ではありません。
自分で問題を発見し、それを学問的に研究し、創造的に発表する学力です。
また、発表の時間は、親子の対話の機会としても価値があります。
これまでは、それぞれの生徒や家庭に任せる形で発表の授業を行っていましたが、今後は、参考になる記事を提供していきます。
▽創造発表掲示板
https://www.mori7.com/ope/index.php?k=sh
▽図工理科掲示板
https://www.mori7.com/ope/index.php?k=122
オンラインクラス一覧表のタイトルをクリックすると、リンク先が表示されます。
■■作文字数ランキングのページ
作文の上達度は、小学生の場合は主に字数に、中学生高校生の場合は主に森リン点で評価できます。
これまで、生徒それぞれの字数の推移を表示するグラフはありましたが、その生徒が全体と比較してどれぐらいのレベルにあるかという表示はありませんでした。
そこで、今回、作文字数ランキングのページを作りました。
生徒コードを入れると、自分が第何位かということがわかります。
https://www.mori7.com/oka/sk_rank.php
毎月、少しずつ字数を伸ばし、学年の200倍(小1は200字、……小6以上は1200字)の字数が書けるように頑張っていきましょう。
■■森リンランキングのページ
森リン点の個人別ランキングのページができました。
https://mori7.com/moririn/moririn_rank.php
ホームページ→よく使うリンク→13.ランキングから行くことができます。
個人の検索のページや、オンラインクラスの学習記録のページから行くこともできます。
小学生は、主に字数が、作文力の目安になりますが、中学生、高校生は、森リン点が作文力の目安になります。
森リン点を基準にして、密度の濃い作文を書いていてください。
■■読検ランキングのページ
読解検定の個人別ランキングのページができました。
https://mori7.com/dokken/md_rank.php
ホームページ→よく使うリンク→13.ランキングから行くことができます。
個人の検索のページや、オンラインクラスの学習記録のページから行くこともできます。
これまでは、自分の点数の推移しかわかりませんでしたが、読検ランキングのページでは、四半期ごとの、自分の点数の全体の位置がわかります。
毎月少しずつ自分の順位を上げるようにがんばっていきましょう。
■■算数の問題集に「標準新演習算数」を追加しました
今年度の算数の問題集に「標準新演習算数小456」を追加しました。
これまで、今年度の算数の教材は、「中学受験新演習算数上下」にしていました。
これは、公立中高一貫校を受験する生徒も多いため、難しい問題も練習する必要があったためです。
しかし、難しすぎる問題も多く、勉強が進まないという声が多かったので、「標準新演習算数」で勉強することもできるようにしました。
ただし、標準新演習は、図形の問題が易しいので、図形の問題に関しては中学受験新演習を利用するとよいと思います。
将来の高校入試では、図形で差がつくことが多いので、小学生のうちから図形の考え方に慣れておくといいからです。
○○○算のような、私立中学受験向けの勉強は、中学生以降はほとんど使いませんので、小学生のうちは、標準新演習の標準問題を完璧に解けるようになれば十分です。
「標準新演習算数」は、教材注文のページで注文できるようになっています。(1300円)
https://www.mori7.com/teraon/jgkyouzai.php
■■発達障害について考える――大事なのは他人との関わりと言葉の力
●動画:
https://youtu.be/vZ6zE0lDjyw
保護者から、時々「うちの子は発達障害で……」と言われることがあります。
これまで、そういう子の作文指導をしてきて感じることは、発達障害という診断は全く気にする必要がないということです。
子供たちは、もともとやんちゃで、個性があり、一律の集団生活になじめないことが多いものです。
それは、子供の普通の成長の姿です。
学校で集団一斉指導をしているとき、その一斉行動に合わないことをする子を、先生が別の枠に入れたいというだけのことではないかと思います。
むしろ、私は、発達障害と簡単に診断すること自体の方に問題があると思います。
集団の一斉行動に合わない子をどうしたらいいかということは、発達障害という診断とはまた別のことです。
その方法は、3つあると思います。
第一は、気にしないことです。
年齢の成長とともに、人間は、周囲の状況と自然に合わせるようになっていくからです。
第二は、他人との接触や親子の対話の機会を増やすことです。
集団生活で問題があるように思われる子の中に、人の話を聞かないとか、人の話に対応した行動や言動をとらないとか、自分の言いたいことやしたいことだけをするという子がいます。
子供はもともとそういうものなので、それ自体は問題はないのですが、周囲と協調するためには、相手の意向に対応した行動をとる必要があります。
その練習のいちばんの方法が、他人と接することです。
昔は、子供たちは、戸外で一緒に遊ぶことが多かったので、その中で、他人とのいろいろな摩擦を経験し、自然に集団行動になじんできました。
今は、子供はひとりで遊ぶ機会も多いので、他人とのわずらわしい関わりを経験する機会が少なくなっています。
自然の遊びの代わりに、集団で行動するスポーツなどに参加するという方法があります。
ただ、問題は、今の日本の子供スポーツは、勝ち負けにこだわることが多いとことです。
勝ち負け自体は悪いことではないので、大事なのは、指導者の姿勢だと思います。
親子で対話をする場合、親が子供の意向を汲み取って話をすることが多いので、子供は他人との関わりに伴う摩擦を経験する機会がありません。
だから、親子が友達どうしのように話す機会を増やすといいのです。
その方法のひとつが、親子が協力して理科実験などの共同研究をすることです。
私は、その機会として、創造発表クラスを利用することもいいと思っています。
そのほかに、親子でゲームをしたり、親子でキャンプに出かけたりするのもいいと思います。
そのゲームやキャンプに、ほかの家族にも呼びかけて、複数の子が参加するようになれば、更にいい経験ができると思います。
第三の、集団行動になじむための方法は、言葉の力をつけることです。
そのための手段は、対話と読み聞かせと読書です。
私は、これがいちばん大事だと思います。
問題行動を起こしがちな子の中に、言葉のやりとりが苦手という子がよくいます。
言葉を通して状況を理解し、言葉を通して自分の行動を方向づけるということができないので、たとえは悪いですが動物的な行動をとってしまうことがあるのです。
子供の頭に言葉を入れるというのは、口で言うほど簡単なことではありません。
日常のいろいろな機会を通して気長に言葉を入れ続ける必要があります。
毎日、読み聞かせや読書を続けて、子供に変化が見られるようになるのは、半年ぐらいかかると思います。
ダイヤモンドonlineに、関連する記事があったので紹介します。
「発達障害の子どもが「13年で10倍に急増」の裏事情、ベテラン小児科医が解説」
https://diamond.jp/articles/-/319170
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● 【重要】算数の問題集に「標準新演習算数」を追加しました【送信指定】 (494字) 森川林 nane 2023年03月10日 11時31分
14574 (言葉の森オンライン新聞)
この連絡は、算数クラスを受講されている新小学4・5・6年生の方にお送りしています。
★今年度の算数の問題集に「標準新演習算数小456」を追加しました。
これまで、今年度の算数の教材は、「中学受験新演習算数上下」にしていました。
これは、公立中高一貫校を受験する生徒も多いため、難しい問題も練習する必要があったためです。
しかし、難しすぎる問題も多く、勉強が進まないという声が多かったため、「標準新演習算数」で勉強することもできるようにしました。
ただし、標準新演習は、図形の問題が易しいので、図形の問題に関しては中学受験新演習を利用するとよいと思います。
将来の高校入試では、図形で差がつくことが多いので、小学生のうちから図形の考え方に慣れておくといいからです。
○○○算のような、私立中学受験向けの勉強は、中学生以降はほとんど使いませんので、小学生のうちは、標準新演習の標準問題を完璧に解けるようになれば十分です。
「標準新演習算数」は、教材注文のページで注文できるようになっています。(1300円)
https://www.mori7.com/teraon/jgkyouzai.php
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● 言葉の森新聞2023年3月2週号 通算第1746号 (5134字) 言葉の森事務局 jun 2023年03月08日 09時31分
14550 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年3月2週号 通算第1746号
文責 中根克明(森川林)
■■作文の提出率を100%にするため、当日送信の徹底を――3月2週から、その日のうちに作文を提出していない場合は、講師から連絡があります
オンラインクラスは、その場で作文を書き始め、授業終了時にどこまで書いたか確認するので、原則として提出率は100%のはずですが、提出の遅れる生徒がまだ一部にいます。
そこで、3月2週から、作文クラスに出席した人は、必ず当日中に作文を送るようにしてください。
当日中に送れない場合はその旨を連絡するようにしてください。(例えば、急にデータが消えてそのあと風邪を引いて寝てしまったなど)
送るのは絵だけでも、要約だけでも、途中まででもいいこと、ということでやっていきます。
講師は、授業の翌日に作文が送られていない場合は、個別れんらくで、その生徒・保護者向けに「個別れんらく板」で連絡をします。
作文クラスに出席した人は、必ずその日のうちに、書いた作文を送信するということでやっていきたいと思います。
もうひとつ、自分の作文の上達度がわかるような生徒別の作文グラフを作る予定です。
小学校高学年や中学生高校生の上達度は、森リン点が参考になりますが、小学校低中学年は、字数が参考になります。
字数が伸びている生徒は、作文も上達しています。
他人との競争ではなく、自分がどれだけ進歩しているかということがわかるような表示にしたいと思っています。
■■学校の成績とは関係のない新しい勉強をする創造発表クラス
創造発表クラスの勉強は、学校の成績とはほぼ関係がありません。
言葉の森が作文教室を始めた40年前は、作文の勉強にも、同じような面がありましたが、今は作文試験を課す中学、高校、大学が増えてきたので、作文クラスの勉強は、受験と結びつくようになりました。
創造発表の勉強には、まだそういう面はありません。
しかし、小さな例ですが、東大の推薦入試をはじめとする総合選抜型の入試では、個性や思考力や創造力が評価されるので、将来はこういう創造発表型の勉強が、ほかでも広がる可能性があると思います。
これからの世の中で大事になるのは、自分だけの世界を持つことです。
これまでの社会では、みんなと同じ道を進むのが正解でした。
高度経済成長時代のような社会が上げ潮に向かっているときは、メジャーなものの方が潰しがきくという面があったからです。
これまでは、運動の得意な人は、野球やサッカーやバスケットボールのようなみんなに人気のあるスポーツを目指しました。
しかし、これからは、多くの人が参加するメジャーなスポーツよりも、参加者の少ないマイナーなスポーツの方が、活躍できる余地が広がります。
ただし、それを自分が好きな場合です。
スポーツでも勉強でも趣味の世界でも、みんなと一緒に楽しくやるのはいいのですが、そこに留まるのではなく、自分だけの世界を持つことが大切です。
自分だけの世界を開拓して、その分野で第一人者になるような生き方がこれからは求められてきます。
創造発表クラスの勉強は、そういう方向の勉強です。
創造発表型の勉強は、少人数でなければできません。
STEM教室とか、ロボット教室とか、プログラミング教室とかいうものは増えていますし、学校でも発表型の授業を行うところが少しずつ現れてきました。
しかし、それらの多くは、一斉の教材、一斉の課題、一斉の実験や工作で、結果も一斉に発表する形です。
それは、ほとんどが10人以上の教室で、学校では30人から40人の教室で授業を行っているからです。
少人数クラでスでは、個別の教材、個別の課題、個別の実験や研究で、個別の発表ができ、同じクラスの中で個別の対話もできます。
ただ、少人数クラスの中の発表だけでは、ものたりない面があるので、今後は対外的な発表の機会を利用することも考えています。
例えば、学研の自由研究コンテストというものがあります。
https://kids.gakken.co.jp/jiyuu/contest2022/
こういう発表の機会を利用して、学習の意欲を高めていきたいと思います。
また、言葉の森でも、独自に創造発表大賞を作る予定です。
創造発表クラスは、まだクラス数が多くありませんが、学校でのメジャーな勉強とは少し離れた独自の勉強や研究をしたい人は、体験学習に参加してください。
ところで、現在、創造発表クラスに参加している中学生以上の生徒は、できるだけGoogleアカウントを取得し、GoogleフォトやYouTubeのアカウントやZOOMのアカウントも取得しておいてください。
パワーポイントやワードで作成したローカルな資料も、ZOOMの画面共有でレコーディングし、それをYouTubeの限定公開モードでアップロードすれば、グローバルな資料になります。
将来、推薦入試などで自分のこれまでの実績を発表する必要が出てくれば、それらを資料として提出することができます。
個性的な勉強の好きな人は、創造発表クラスで、将来のイグノーベル賞を目指すユニークな研究をしていきましょう。
■■勉強はやる気になればいつでもできる――それよりも大事なのは出会いと挑戦
今、熱心に受験勉強に取り組んでいる方の感覚とは少しずれると思いますが、私(森川林)の勉強に対する基本的な考え方です。
言葉の森で作文教室を始めたとき、ごく自然に、「国語の勉強を教える学習塾のような教室にはしない」と思っていました。
できない子をできるようにするというのは、誰でも思いつきます。
そして、そういう教室はいくらでもあると思っていたのです。
作文は、できない子をできるようにする教室ではなく、できる子をそれ以上の創造的な子にする教室にしたいと考えていたからです。
しかし、実際に作文教室を運営していると、国語の苦手な子が多いわりに、国語を教える教室というものはないことがわかりました。
作文を教える教室も、もちろん当時はひとつもありません。
だから、始めたばかりの作文教室で、生徒はほとんど集まりませんでした。
しかし、当時作文教室に来る少数の生徒は、みんな優秀な子ばかりでした。
この傾向は、今も続いていて、低学年で作文の勉強を始める子は、どの子もかなり優秀です。
ところで、作文の勉強に比べると、国語の勉強は実は簡単です。
難しい本をばりばり読むことが基本で、あとは、問題の解き方のコツを理解するだけです。
問題の解き方のコツは、1、2時間じっくり説明すればだれでもわかり、それから成績が急上昇します。
こういうことを教えられる先生が学校にいないだけです。
数学の勉強は、1冊の問題集を完璧に仕上げることと、解法を理解することです。
時間をかければ、誰でもできます。
英語の勉強は、1冊の問題集を完璧に、ということは5回以上繰り返して仕上げ、英文を丸ごと暗唱することです。
こういう勉強的なことは、本人がやる気になればすぐできることで、わざわざ他人が教えるようなことではないと思います。
答えのある勉強は、やり方がわかれば誰でもできるのですから、わざわざ人に教えてもらう必要はありません。
では、何が大事かというと、それは、出会いと挑戦です。
自分が知らなかったことや考えていなかったことを、知っていたり考えていたりする人に出会うことが自分を成長させます。
また、自分がやったことのないことを勇気を持って挑戦するときに、人間は成長します。
答えのある勉強をできるようにすることは、やれば誰でもできることなので、人生の主要なテーマではありません。
やる気になったときに時間をかけてやればいいだけです。
大事なことは出会いと挑戦で、特に挑戦です。
しかし、真に価値ある挑戦をするためには、学力の土台が必要になるという関係です。
言葉の森のオンラインクラスには、勉強の時間以外に、読書紹介や一人一言の時間があります。
これらの時間は、一見雑談の時間ように見えますが、子供たちの中に残るのは、そこで勉強した中身よりも、こういう交流と発表の時間の方です。
人間は、受け身で参加する授業によって成長するのではなく、自分から進んで発表したり行動したりする授業によって成長します。
こういう創造発表型の教育の主なものが、作文と創造発表とプログラミングです。
しかし、今後、国語読解、算数数学、英語の授業も、創造と発表の面を生かせるようにしていきたいと思っています。
■■講師と生徒保護者とのコミュニケーションのある教室――個別れんらく、発表室連絡
●動画:
https://youtu.be/LPsAy3hhz00
教育の本質は、人間の関わりの中で学ぶ学問と創造です。
勉強の力をつけるだけであれば、能率のよい教材はいくらでもあります。また、勉強法も優れたものが数多くあります。
しかし、大事なのは、その教育の周りの環境である身近な人間と社会です。
それは、人間が身体を持つ存在で、特定の空間と時間の中で生きているからです。
一緒に勉強する友達や先生との関わりの中で学び、現在の社会に対する問題意識を持ち、新しい何かを創造しようとすることが、人間の人間らしい学び方です。
そこが、AIの学び方と人間の学び方の違う点です。
言葉の森のオンラインクラスの特徴は、全員が対話に参加できる少人数であることです。
勉強する時間が中心なので、対話の時間は限られていますが、クラスの中で生徒どうしや先生と生徒との関わりがあることが、勉強そのものと同じぐらい大事なものだと考えています。
しかし、これまでは、生徒どうしや生徒と先生の間のコミュニケーションはあっても、保護者とのコミュニケーションは、必ずしも十分とは言えませんでした。
そこで、今度、個別れんらくのほかに、発表室連絡という形で、そのクラスの生徒保護者全員に対して、クラスごとの連絡をできるようにしました。
いわゆる「クラス通信」のようなものです。
オンラインクラス一覧表にある「発」の発表室に、講師が投稿した場合、その連絡がそのクラスの参加者にメールで届きます。
保護者の方は、それを見て、今、そのクラスでどんなことが行われているかを知ることができます。
また、それに対して、個別れんらくやその発表室で返信することもできます。
言葉の森が考えているのは、昔の寺子屋教育を現代のオンライン環境とネットワーク技術で新たに復活させ、更に創造性のある教育を行うことです。
そのために、今後、コミュニケーションを生かす教室作りをしていきたいと思っています。
■■合格速報
●兵庫県立篠山産業高校機械科 I.R.さん
<担当講師より>
いつもより明るい声で報告してくれました。試験は面接と小論文だったそうです。
中学1年生から作文を始めて、国語以外の教科にも役立ったと話してくれました。
合格おめでとうございます。実りのある3年間になりますように。
●横浜市立金沢高校 K.A.さん
<担当講師より>
第一声「中根先生の後輩になります」とのことでした(笑)。
しっかりと考え、自分らしい文体で表現して、受験直前でも書けたものはちゃんと提出してくれました。
充実した高校生活を送られると思います。
本当におめでとうございます!
●白梅学園清修中学校 T.S.さん
<担当講師より>
受験を決めたのは、夏だそうです。最初は数学から始め、国語に本格的に取り組めたのは冬からだったそうですが、これまで言葉の森で培ってきた国語力でのりきれたとおっしゃっていました。
見事、第一志望合格です! おめでとうございます。
●フェリス女学院中学校 T.A.さん
<担当講師より>
「読む力」だけでなく「書く力」を培ってきたことが強みになったとお母様がおっしゃっていました。国語受験で受けた学校にも見事合格したそうです。第一志望、合格おめでとうございます。また3月からいっしょに頑張りましょう!
●国立東京工業高等専門学校・東京電機大高校 M.K.さん
<担当講師より>
合格おめでとうございます!
小さなころからの豊富な読書量に支えられた表現力はとても魅力的で、毎回の作文を読ませてもらうことが楽しみでした。
新しい学び舎でのますますの活躍を心よりお祈り申し上げます。
●千葉県立船橋高等学校 M.S.さん
<担当講師より>
受験期間中も課題提出を欠かさない努力家の生徒さんです。毎回要点をしっかり理解し、素晴らしい作品を仕上げていました。おめでとうございます!
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● 言葉の森新聞2023年3月1週号 通算第1745号 (10937字) 言葉の森事務局 jun 2023年03月01日 15時55分
14530 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年3月1週号 通算第1745号
文責 中根克明(森川林)
■■【重要】3月1週は次学期の進度の参考試験(作文)
3.1週は、これまでの2ヶ月間の勉強の実力を見て、次の学期からの進度の参考にする実力試験として行います。
ただし、今学期から受講を開始された方は、実力試験の結果にかかわらず原則として自動進級します。
【課題】 課題はその週の作文又は感想文の課題です。
【評価】 課題フォルダの構成・題材・表現・主題の★印と字数が全部できていることが評価の基準になります。(表現の項目などで二つ以上の項目が指定されている場合はどちらかができていればその項目は◎です)。
キーワードと字数が採点の基準ですので、指定された字数以上で必要な項目が全部入る作文を書いてください。項目を入れたところには、項目マークを必ず書いておいてください。
【時間】 時間制限はありませんが、参考のためにかかった時間を記録しておいてください。時間は、課題を見てから書き終えるまでの時間です。
【締切】 作文実力試験の提出締切は、8日です。(郵便の場合は8日投函までですが、郵便に時間がかかるためオンラインでの提出をおすすめします。)
■■読解検定ランキングを更新しました
読解検定ランキングは、これまで、年間で何回100点を取ったかという基準で表示していました。
しかし、100点だと、該当者がかなり少なくなるので、2月からは、88点以上取った人を基準に表示することにしました。
読解検定の平均点は、大体60点です。
読解検定は、大学入試共通テストと同じような性格のテストなので、この読解検定での点数が高校生になったときの共通テストの現代文の点数になると考えておくとよいと思います。
この読解検定の点数を上げる方法は、第一に問題集読書を5回以上繰り返し、難しい語彙のある文章を読み慣れることです。
難しい語彙の文章を読み慣れる前提として、普通の読書で読むこと自体に慣れておくことも大切です。
読書では、物語文の本だけでなく、説明文の本も並行して読んでいくようにしましょう。
第二に、自分が問いた問題の答えの解説をすることです。
問題を解くだけでなく、自分がどういう理由でその答えを出したかを説明することが大事です。
読解検定ランキングのページはこちらです。
https://www.mori7.com/dokken/dk_rank.php
(ホームページの「よく使うリンク」の「13.ランキング」のリンクから行けます。)
※年間のランキングなので、現在学年の部以外に、昨年の学年の部にも掲載されていることがあります。
なお、名前は、ニックネーム、又は生徒コードのひらがなで表示されています。
ニックネームを変更する場合は、
https://www.mori7.com/sato/hennkou.phpのページでお願いします。
ニックネームは、オンラインクラス一覧表に表示しやすくなるように、できるだけ3文字以内にしてください。
■小1の課題の部
順位 コード 名前 性別 回数
1位 akatata あっちゃん 男 6回
2位 ayanaka あやか 女 3回
2位 akiyura ゆきの 女 3回
3位 aeneo あえねお 男 1回
3位 akatiyu あかちゆ 男 1回
3位 aoana あおあな 男 1回
■小2の課題の部
順位 コード 名前 性別 回数
1位 aemao あえまお 女 6回
2位 akaneya あかねや 女 4回
2位 aeneo あえねお 男 4回
2位 aohane はるひと 男 4回
2位 aemara まろっち 女 4回
3位 aetiyo ゆんじ 女 3回
3位 akaono あかおの 女 3回
4位 akatoyo あかとよ 男 2回
4位 akakasa あかかさ 男 2回
5位 aukati とうり 男 1回
5位 akasoyo あかそよ 男 1回
5位 aenehi あえねひ 男 1回
5位 aokate かずてる 男 1回
5位 akakoku りえこ 女 1回
5位 aotuku あおつく 女 1回
5位 aonono あおのの 女 1回
5位 akisia あきしあ 女 1回
5位 aoyayu あおやゆ 女 1回
5位 imasin ななつ星 男 1回
5位 misa みさ 女 1回
5位 aoora あおおら 1回
5位 aoyumi あおゆみ 女 1回
5位 aetoyu あえとゆ 女 1回
■小3の課題の部
順位 コード 名前 性別 回数
1位 aukati とうり 男 8回
2位 aoyayu あおやゆ 女 6回
3位 aenini にな 女 4回
3位 imasin ななつ星 男 4回
4位 aetoyu あえとゆ 女 3回
4位 misa みさ 女 3回
4位 aemiku あえみく 女 3回
5位 aomemi あおめみ 女 2回
5位 aeneo あえねお 男 2回
5位 aomoto あおもと 男 2回
6位 okamoto ゆめある 女 1回
6位 akasoyo あかそよ 男 1回
6位 akanonu かい 男 1回
6位 akisia あきしあ 女 1回
6位 akatoyo あかとよ 男 1回
6位 aemori あえもり 女 1回
6位 aokati ここ 女 1回
6位 aomami あおまみ 女 1回
6位 aonoe ふうか 女 1回
6位 aewami みほ 女 1回
6位 aoseo こうき 男 1回
6位 auraru さき 女 1回
6位 airihi あかり 女 1回
6位 akateya あかてや 男 1回
■小4の課題の部
順位 コード 名前 性別 回数
1位 akasoyo あかそよ 男 6回
2位 akiako かんこ 女 5回
2位 aonoe ふうか 女 5回
3位 harutosa はるとさ 男 4回
4位 aoseo こうき 男 3回
4位 kohasei こはせい 男 3回
5位 akatoha あかとは 男 2回
5位 auraru さき 女 2回
5位 akaruho あかるほ 男 2回
5位 akatoyo あかとよ 男 2回
5位 Aemaru IQ2222垓超えのSho Messi God 天才?? 男 2回
5位 aerawa みずかみ 男 2回
5位 nakasou なかそう 男 2回
5位 aienu たけ 男 2回
5位 aeriri りーちゃん 女 2回
6位 akiasa あんこ 女 1回
6位 airihi あかり 女 1回
6位 akakano あかかの 男 1回
6位 aomoto あおもと 男 1回
6位 aioo たお 男 1回
6位 aewami みほ 女 1回
6位 sirae しらえ 男 1回
6位 aotusi ゆかり 女 1回
6位 aenao ちか 女 1回
6位 aunehu ポッポ 女 1回
6位 autoru 少年探偵団 男 1回
6位 aomike あおみけ 女 1回
6位 aikinu あいきぬ 男 1回
6位 aerema あえれま 女 1回
6位 mizutani みず 男 1回
6位 aorae あおらえ 男 1回
6位 aesasi しげか 女 1回
6位 aesami みちる 女 1回
6位 aesati あえさち 女 1回
6位 akiei あきえい 男 1回
■小5の課題の部
順位 コード 名前 性別 回数
1位 autoru 少年探偵団 男 10回
2位 aikinu あいきぬ 男 7回
3位 ausere あうせれ 女 6回
4位 aumona ゆう 女 4回
4位 aesasi しげか 女 4回
4位 aesami みちる 女 4回
5位 akarura あかるら 女 3回
5位 yamasou やまそう 男 3回
6位 aorae あおらえ 男 2回
6位 nakasou なかそう 男 2回
6位 aokisa きわみ 女 2回
6位 aeyuhu あえゆふ 男 2回
6位 auyama あうやま 男 2回
6位 aioo たお 男 2回
6位 aemaka でんでん 女 2回
6位 aiyusu あいゆす 女 2回
7位 kurumin くるみん 女 1回
7位 akanaho あかなほ 女 1回
7位 aerema あえれま 女 1回
7位 aeriri りーちゃん 女 1回
7位 mizutani みず 男 1回
7位 akanoha あかのは 女 1回
7位 aerami かなみ 女 1回
7位 akanuma あかぬま 男 1回
7位 aihoha かんたろう 男 1回
7位 akatoya とむにゃん 男 1回
7位 aitia あいちあ 女 1回
7位 autiro りんた 男 1回
7位 okayuna ゆな 女 1回
7位 aoyano あおやの 男 1回
7位 akarira あかりら 女 1回
7位 aerohi あえろひ 女 1回
7位 auyoe やも 男 1回
7位 aetao あえたお 女 1回
7位 Kanonon かののん 女 1回
7位 aiotu あいおつ 男 1回
7位 aomoto あおもと 男 1回
7位 aamesi ドドンパ 男 1回
■小6の課題の部
順位 コード 名前 性別 回数
1位 akaae あかあえ 女 7回
2位 autiro りんた 男 6回
3位 aitia あいちあ 女 5回
3位 aemaka でんでん 女 5回
4位 aiyusu あいゆす 女 4回
4位 akakiya あかきや 女 4回
5位 ausano あうさの 女 3回
5位 Kanonon かののん 女 3回
5位 aeiha あえいは 女 3回
5位 aohune あおふね 男 3回
6位 auea あうえあ 女 2回
6位 aetao あえたお 女 2回
6位 monaka もなか 女 2回
6位 aisara あいさら 女 2回
6位 aemoa あえもあ 女 2回
6位 aoyano あおやの 男 2回
6位 kenken けんけん 男 2回
7位 okayuna ゆな 女 1回
7位 aoaro とおま 男 1回
7位 aemaru IQ2222垓超えのSho Messi God 天才?? 男 1回
7位 auyoe やも 男 1回
7位 aemaki RUNAKUNN 男 1回
7位 akareto あかれと 男 1回
7位 aetami みさと 女 1回
7位 aereme めい 女 1回
7位 akatoa まつあさ 女 1回
7位 akatowa あかとわ 男 1回
7位 asayahu あさや 男 1回
7位 auaka 瑞風 男 1回
7位 auuki さっきー 女 1回
7位 auoki そうた 男 1回
7位 aarumu たく 男 1回
■中1の課題の部
順位 コード 名前 性別 回数
1位 auteha あうては 男 4回
1位 auuki さっきー 女 4回
2位 aosohu あおそふ 女 2回
2位 auaka 瑞風 男 2回
2位 aawayu ゆな 女 2回
2位 akareri あかれり 男 2回
2位 aamaka なおや 男 2回
2位 airena だいかく 男 2回
2位 auoha しらたま 男 2回
3位 aiea リンリン 女 1回
3位 aenina あえにな 女 1回
3位 aarumu たく 男 1回
3位 aihira あまね 女 1回
3位 risaru りさる 女 1回
3位 auyoto かずま 男 1回
3位 aonomi ゴボウ 男 1回
3位 akasono あかその 女 1回
3位 aehira あえひら 女 1回
3位 aiyono たくま 男 1回
3位 ayayumi ゆみ 女 1回
■中2の課題の部
順位 コード 名前 性別 回数
1位 aiyono たくま 男 3回
2位 riyuuto りゆうと 男 2回
2位 asese ホワイトボード 女 2回
2位 aonomi ゴボウ 男 2回
2位 aukeke なつみ 女 2回
2位 akasono あかその 女 2回
2位 aeneya あえねや 女 2回
2位 aototo あずさ 女 2回
3位 auyoto かずま 男 1回
3位 yukahiro ゆかひろ 女 1回
■中3の課題の部
順位 コード 名前 性別 回数
1位 aoniko あおにこ 女 5回
2位 yukahiro ゆかひろ 女 3回
3位 rayuni 清正 男 2回
3位 akaremi みゆ 女 2回
4位 aitasu カレー君 男 1回
4位 aonehi コバン 男 1回
4位 aehoyu あえほゆ 女 1回
4位 souhuku そうふく 男 1回
4位 aetoya あえとや 女 1回
■高1の課題の部
順位 コード 名前 性別 回数
1位 auyuna あうゆな 女 5回
2位 aetoya あえとや 女 2回
2位 aahayo 四季島 男 2回
3位 rarohu らろふ 男 1回
3位 akareke あかれけ 男 1回
3位 souhuku そうふく 男 1回
■高2の課題の部
順位 コード 名前 性別 回数
1位 akarea あかれあ 女 1回
■高3の課題の部
順位 コード 名前 性別 回数
1位 wayaru わやる 女 4回
2位 akarea あかれあ 女 3回
3位 aotenu あおてぬ 男 1回
3位 mareri まれり 男 1回
3位 auore あうおれ 女 1回
■■森リンベストのページに学年別月間ベスト10を掲載――将来のAIによる作文小論文自動採点に対応
森リンベストのページを更新し、学年別課題のベスト10にしました。
現在、ChatGPTに見られるように、AIによる文章の自動生成、自動編集の技術が発展しています。
将来予想されるものは、AIによる作文小論文の自動採点です。
評価の基準は、どれだけ個性的な実例で、どれだけ豊富な語彙を使い、どれだけ表現豊かに、どれだけ深く考えて書かれた文章かということです。
内容の価値的なものは、評価の中には入りません。
それだけ、人間による評価よりも客観的になります。
人間は、文章の純粋な評価よりも、内容の好悪や、字の上手さなどに目を奪われることが多いからです。
作文の自動採点の一番の利点は、評価が高速に行われることです。
すると、入試にも作文の自動採点が使われるようになります。
たぶん、最初はアメリカで行われるようになり、やがて日本でも広がるでしょう。
試験会場に、ポメラのようなテキスト入力に特化した端末が用意され、作文試験はその端末で一斉に作文を書くという形で行われるのです。
字数の基準は、60分から90分で1200字ぐらいになると思います。
森リンは、作文の自動採点を一歩先取りした自動採点ソフトです。
小学6年生以上は、この森リン評価で高得点を取ることを目標に作文の練習を続けていってください。
森リンベストのページはこちらです。
https://www.mori7.com/moririn/mori_best.php
(ホームページの「よく使うリンク」の「13.ランキング」のリンクから行けます。)
学年の課題のランキングなので、現在の学年以外に、参加して間もない高学年の生徒が入っている場合があります。
名前は、ニックネーム、又は生徒コードのひらがなで表示されています。
ニックネームを変更する場合は、
https://www.mori7.com/sato/hennkou.php
のページでお願いします。
ニックネームは、オンラインクラス一覧表に表示しやすくなるように、できるだけ4文字以内、できれば3文字以内にしてください。
【参考記事】
森リン点の解説(1)――高得点の作文はどのようにして書くか
https://www.mori7.com/as/4526.html
森リン点の解説(2)
https://www.mori7.com/as/4527.html
森リン点の解説(3)
https://www.mori7.com/as/4528.html
森リン点の解説(4)
https://www.mori7.com/as/4530.html
森リン点の解説(5)
https://www.mori7.com/as/4533.html
2023年 ベスト50
順位 題名(全学年) 名前 学年 総合点 字数 思考 知識 表現
1位 ●何故言葉を使うの らよろ 高2 94点 1290字 73 92 95
2位 ●安全な方法 ああるそ 高1 93点 1205字 67 93 90
3位 ●神との会話 サーサ 高2 92点 1442字 69 101 105
4位 ●多数決と全員一致 かずま 中2 92点 1389字 67 91 90
5位 ●学問 ああてこ 高2 91点 1218字 72 100 96
6位 ●自己開示 ああるそ 高1 91点 1159字 66 95 96
7位 ●安全な方法 ああるそ 高1 91点 1205字 69 96 89
8位 ●自己開示 ああるそ 高1 91点 1237字 68 83 88
9位 ●民主主義 ああるそ 高1 91点 1263字 73 79 85
10位 ●宗教による争い あえれふ 高2 91点 1307字 61 84 85
11位 ●全てが言語化され あえれふ 高2 91点 1401字 63 87 83
12位 ●価値観の違い Yuki 中2 90点 1263字 67 109 105
13位 ●そもそも勘違いの あうゆな 高1 90点 1391字 67 87 95
14位 ●謙虚 あえしゆ 高1 90点 1261字 69 102 91
15位 ●自信を持った生き あかみさ 中3 90点 1242字 68 102 90
16位 ●自信を持った生き あかみさ 中3 90点 1242字 68 102 90
17位 ●自己中人間 あえよゆ 小6 90点 1274字 67 70 88
18位 ●調和の取れた街 あえれふ 高2 90点 1297字 67 78 80
19位 ●勝敗の必要性 あああさ 中2 89点 1173字 62 79 89
20位 ●勝敗の必要性 あああさ 中2 89点 1173字 62 79 89
21位 ●自然のメリット・ あえはな 小6 89点 1265字 61 77 85
22位 ●心の価値 あえれふ 高2 89点 1391字 72 95 85
23位 ●モダンなコミュニ あえしゆ 高1 89点 1141字 63 84 83
24位 ●同類を見つける ああるそ 高1 89点 1223字 63 71 82
25位 ●日本独自の社会 あえれふ 高2 89点 1231字 61 88 81
26位 ●知的好奇心の衰え あおやの 小6 89点 1546字 59 78 81
27位 ●情のある風景 あえれふ 高2 89点 1295字 67 77 80
28位 ●生きるための学問 あえれふ 高2 89点 1322字 67 75 75
29位 ●虎の威を借る傀儡 あうゆな 高1 88点 1401字 59 97 95
30位 ●他者も自分と同じ らるせ 高1 88点 1441字 63 96 92
31位 ●学問は誰のために らよろ 高2 88点 1632字 58 93 88
32位 ●愛情と躾 さっきー 中1 88点 1152字 62 78 87
33位 ●綺麗な水 りんた 小6 88点 1828字 63 73 80
34位 ●知的好奇心の衰え あおやの 小6 88点 1440字 58 76 80
35位 ●緊張する時 あかない 小6 88点 1261字 58 84 79
36位 ●綺麗な水 りんた 小6 88点 1529字 61 73 79
37位 ●挑戦 ああるそ 高1 88点 1203字 62 73 78
38位 ●ポイ捨て あえねき 中1 88点 1356字 69 67 78
39位 ●成人 あえしゆ 高1 88点 1293字 58 76 76
40位 ●多数決 あえねや 中2 88点 1274字 59 74 76
41位 ●民主主義の重要性 らるせ 高1 87点 1399字 64 112 106
42位 ●ちょうどいい環境 さっきー 中1 87点 1286字 56 88 90
43位 ●自然~環境破壊に あおふね 小6 87点 1996字 61 96 88
44位 ●きれいな部屋と散 あうては 中1 87点 1179字 59 80 88
45位 ●中身と外観=クラ あおふね 小6 87点 1294字 57 89 88
46位 ●旅は最高の学び場 らるせ 高1 87点 1356字 56 90 86
47位 ●旅は最高の学び場 らるせ 高1 87点 1356字 56 90 86
48位 ●知恵と知識 あああさ 中2 87点 1076字 63 77 85
49位 ●戦争 あえなね 中2 87点 1227字 61 89 83
50位 ●他人への注意 ああるそ 高1 87点 1054字 71 72 80
■■中学生の意見文は、構成と主題を中心にした言葉の森の独自の指導法
作文の要素を大きく分けると、字数、構成、題材、表現、主題、表記になります。
小学生までの作文は、題材と表現が中心です。
その人らしい価値ある題材を、表現を工夫して書くということです。
低学年の場合は、ここに、正しい表記で書くということも入ります。
文章を構成する意識ができてくるのが、小学5年生からです。
ものごとをまとめる力がついてくるのです。
ですから、要約の練習も小5から始まります。
しかし、安定した要約ができるようになるのは、中学生になってからです。
ところで、要約の指導法は、実は簡単です。
世間では、一段落ずつ要点をまとめさせたり、文章の終わりの部分中心にまとめさせたりする教え方が多いようですが、そういう方法ではありません。
よく理解できたところに線を引きながら何度か繰り返し読み、重要だと思った文を3つ選びつなげるという書き方です。
小学4年生では、3文抜き書きという練習をしますが、この方法であれば、一度の説明でだれでも要約ができるようになります。
小学6年生で要約のできる生徒は50%というデータがあるようですが、それは教え方が悪いのだと思います。
小学1、2年生では、文章を要約するようなことはまずできません。
この時期は、文章を丸ごと読む時期なので、要点をまとめるということはできないのです。
読書紹介でも、小学1、2年生は、本のあらすじを最初から最後まで言おうとします。
しかし、これは逆に、小学1、2年生の能力でもあり、この時期は、誰でも暗唱がすぐにできるようになります。
さて、中学生になってからの作文の主要な要素は、構成と主題になります。
例えば、自分の意見と他の人の意見の違いを明らかにし、自分の意見の裏付けとなる理由を複数述べるという書き方です。(中1の課題)
このときに、多くの生徒が、理由という抽象化されたことを書けずに、具体的な実例だけを書いてしまいます。
「私は、宿題はよくないと思う。それは、この間とても時間がかかったからだ」というのが、実例の文です。
理由の文は、「私は、宿題はよくないと思う。それは、生徒が自主的に学習することができないからだ。例えば……」という形です。
抽象化された理由を書けるか書けないかは、語彙力の差です。
抽象的な説明文をよく読んでいる生徒は、すぐに理由を書けます。場合によっては、3つも4つも理由を書くことができます。
それに対して、本をよく読んでいない生徒は、なかなか実例だけの文章から抜け出せません。
中学2年生の課題は、複数の意見と総合化の主題という書き方になります。
この総合化の主題は、かなり頭を使うので、うまくまとめられる子はあまりいません。
Aという意見のよい面を書き、反対のBという意見のよい面も書き、結論は、AとBの対立を超えたCという意見でまとめるという形です。
ほとんどの生徒は、折衷案のような形でCの意見を書いてしまいます。
昔、予備校の小論文の授業でトップの成績を取ったという子が、この総合化の主題がよく書ける生徒でした。
中学3年生の課題は、当為の主題と複数の方法という書き方です。
複数の方法のところで、ほとんどの生徒は、自分ができそうなことを中心に書いてしまいます。
自分ができそうなことはもちろん大切ですが、それと並行して、社会をどうするかという書き方もする必要があります。
これも、読書力が必要で、政治、経済、社会の本を読んでいれば、複数の方法の幅が広がります。
読書力が大切なのは、実例の選び方に出てきます。
データ実例、伝記実例、歴史実例、昔話実例、自然科学実例などをすぐに思いつける生徒は、本をよく読んでいます。
作文力は、作文の上だけの問題ではなく、読書力という土台の問題でもあるのです。
■■コオロギ食に反対する――タンパク源は、豆腐でもガンモドキでも歴史の試練に耐えたものが日本にはたくさんある
徳島県の高校で、コオロギ食材を給食として提供したという記事が載っていました。
体に入るものについては、長期間の試験が必要で、特に子供たちの食事については安全性が確認されたものだけにする必要があります。
コオロギ食を利用する根拠は、肉類の供給が難しくなるからということです。
しかし、タンパク源については、日本には、昔から、豆腐やガンモドキや納豆や油揚げなど植物性で安全性が確定したものがたくさんあります。
昆虫食についても、イナゴの佃煮や蜂の子のようなものは、歴史的に安全性が確立しています。
そういう日本の伝統をふまえれば、海外の論調に合わせて昆虫食を日本に導入する必要はありません。
コオロギは、ペットとして飼うもので、食材として利用するものではありません。
しかし、コオロギを室内で飼うと、夜うるさくて眠れません(笑)。
万葉集より
「蔭草(かげくさ)の 生ひたるやどの 夕影に 鳴くこほろぎは 聞けど飽かぬかも」
「秋風の 寒く吹くなへ 我がやどの 浅茅がもとに こほろぎ鳴くも」
「庭草に 村雨降りて こほろぎの 鳴く声聞けば 秋づきにけり」
(
https://manyuraku.exblog.jp/28670506/ より引用)
コオロギは、食べるものではなく、愛でるものです。
■■合格速報
●日本大学医学部 K.S.さん
<担当講師より>
小学1年の作文から、ご本人の意思でずっと継続されてきた生徒さんです。大学受験が近づくと、受講時間が遅くにしかとれませんでしたが、課題文をしっかり読み込んでお話しすることができました。
自分のやりたいことを継続することで、すばらしい文章力も身につけられました。医学の道で新しいやりたいことを見つけてください。
おめでとうございます。
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● 言葉の森新聞2023年2月4週号 通算第1744号 (8486字) 言葉の森事務局 jun 2023年02月22日 18時14分
14523 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年2月4週号 通算第1744号
文責 中根克明(森川林)
■■第4週は清書。幼稚園生は作文(作文クラス)
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
■100-8051(住所はいりません毎日小学生新聞「さくひん」係(600字以内)
●新聞社に送る清書は市販の原稿用紙に
新聞社に送る清書は、市販の原稿用紙に書いてください。
その理由は、清書は個人で送るものなので、自分で用意した原稿用紙に書くのが、社会的なルールとなるからです。
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■入試の合格、不合格を越えて(1)
「合格しなくたって大丈夫」
https://www.mori7.com/as/4000.html
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毎年この時期になると、「志望校に合格しました」という知らせとともに、「合格しませんでした」という知らせも受けます。
そのときに、いつも思うのが、「合格しなくたって大丈夫」ということです。
勉強をよくしていて、考える力も十分にあり、読書も好きで、性格もよく、絶対に合格してほしい生徒が合格しなかったという報告を受けると、「その学校は人を見る目がなかったんだなあ」と思います。
合格しなかったのは、受験した生徒の問題ではなく、受けた学校の問題です。
だから、合格しなかった人は、それを乗りこえて、「合格しなくてよかった」と思うような人生をこれから歩むことになるのです。
私も昔、出版社と新聞社を受けて、ペーパー試験はもちろん楽勝でしたが(ホントか)、面接で軽く落とされました。
それまで、大きい試験で不合格になるというようなことはなく初めての経験だったので、心からがっかりしましたが、すぐに、「あんなところに受からなくてよかったと言えるような人生にしよう」と考えを切り換えました。
だから、不合格の人も、考えを切り換えることです。
たぶんもう切り換えていると思いますが。
しばらくすると、不合格ということが、自分の人生の一つのエピソードになります。
生きていれば、山もあり谷もあり、時には山頂に立つことも、谷底に落ちることもあります。
しかし、振り返ると、それらがどれも自分の人生のそれぞれの色どりになって、その人の個性を形成していくのです。
不合格になった人は、その不合格が自分の勲章になるような生き方をこれからしていってください。
失敗は、あとから振り返ると、すべて自分の勲章になるのです。
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「不合格なんて気にしない――その学校に人を見る目がなかっただけ」
https://www.mori7.com/as/3570.html
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M君、こんにちは。
ペンネームの方が慣れているので、それで呼ばせてもらいますが(笑)。
受験は残念だったけれど、それは誰もが言うように、いい経験をしたと思うといいということです。
しかも、得難いいい経験だったということで、神様がもしいるとすれば、神様にいい経験をさせてくれてありがとうと言ってもいいくらいです
人間は、この世でいろいろな経験を積むために生きているので、先生も何かあるたびに、そう感謝するようにしています。
こういう経験は、挑戦した人でなければ得られないことですから、その挑戦も含めて自分をより強く豊かな人間にするための機会だったということです。
さて、試験のことについてですが、先生は途中でちょっと過去問に対応した勉強が大丈夫かなあと思ったのです。
受験というのは、実力の試験ではなくて、志望校の傾向に合わせたテクニックが必要な試験です。
これまで合格した生徒や不合格になった生徒を見ても、実力はむしろ逆ぐらいのことが多く(と、先生の周囲の人もよく言っていますが)、難しい問題に時間をかけず、うまく易しい問題に取り組んだ人がいい点数になるようなところがあったからです。
特に、算数の問題については、今の公立中高一貫校の試験は実力だけでは解けず、解き方のテクニックをかなり身につけておかなければなりません。また、テクニックを身につけていたとしても、ほとんど誰も解けないような問題もところどころにあります。
そこをうまく、というか偶然飛ばした人がいい点数になるというところもあるのです。
合否は実力の差で決まるわけではありませんが、合格した人は、自分が勉強が得意だったと思うようになり、不合格になった人は自分が勉強が苦手だったと思うようになります。
すると、何か難しい勉強に取り組むときも、得意な人は自然に自分はできるはずだと思って取り組むようになり、苦手な人はその難しいものをできれば避けたいと思って取り組むようになります。この意識の差が大きいのです。
だから、不合格になったときは、自分が合格できなかったと思うのではなく、その学校が自分を合格にするような正しい評価ができなかったと思うといいのです。
M君は、実力は十分すぎるくらいあったと思います。普段の発表学習クラスの様子を見ていると、それがよくわかります。
だから、そういう有望な人材を採用できなかった学校は、人を見る目がなかったということです(笑)。
今の試験システムが、まだ本当に有望な人を採用する仕組みになっていないのです。
しかし、だから逆に、受験のテクニックとしての過去問対策を十分にやれば、どこでも受かることができるようになっています。
今回はまだそういう準備の期間が短かったと思いますが、次回の高校入試や大学入試では、もっと自覚的にそういう対策ができるはずです。
途中の経過で回り道になったり直線の道になったりすることはあっても、最終的には自分の実力に応じたところに行くようになっていますから、むしろ回り道を経験した分だけ自分が丈夫になったと思うといいのです。
人生には、いろいろな勝ち負けや合否の経験がありますが、早めにそういう経験をしておくと勝ち負けの免疫ができます。
それが、これからの人生に何度も役に立つ場面が出てくると思います。
今後の勉強ですが、中学の勉強の中心は数学になります。中1のころはかなり易しい勉強なので、スタディサプリなどを使って1学年先のところまで勉強を進めるようにし、中3の受験のときには受験対応の数学に取り組むようにするといいです。
これは、高校に入っても同様です。学校に合わせてのんびり勉強しているのではなく、数学だけは自分で先に進めておくといいのです。それは、日本の受験がそういう仕組みになっているからです。
英語は、真面目さに比例する教科なので、Mくんは心配要らないと思いますが、基本は教科書の暗唱です。教科書に出てくる文章を全部空で言えるぐらいに音読しておくといいと思います。ただし、今の英語の教科書は会話が多く地の文が少ないので、自分で音読の教材を選んでもいいと思います。
大事なことは、ひとつの教材に絞ってそれを何度も繰り返し読み、どこに何が書いてあったか思い出せるぐらいに自分のものにするということです。
今の受験は、数学を中心とした記憶力と過去問対策の試験になっていますが、これからの試験はだんだん変わってきます。
これからの受験は、個性と自主性のあるユニークな人材を採用するという方向に進んでいきます。
それは、社会がそういう人を求めるようになっているからです。
M君のこれまでの発表の様子を見ていると、理解力や表現力という実力は十分にありますが、それ以上に自主性と創造性に優れていることがわかります。
その長所がこれから発揮できるような試験になり、社会になっていくのです。
だから、自分の持ち味に自信を持ち、これからも今の路線でやっていくといいと思います。
それでは、また新しいユニークなことに挑戦しながら、これからも元気にいろいろなことに取り組んでいってください。
追伸
この手紙を書いていて、ほかの不合格になった人にも同じようなことを伝えて励ましたいと思ったので、名前のところを匿名にしてホームページの記事に載せたいと思います。
わかる人にはわかると思いますが(笑)
それでは、新しい気持ちで、これから明るい春を迎えてください。
====
■■新中学1年生から始める意見文の作文(1)
●作文は、小学校の間だけの勉強ではない。
作文というと、小学生のころの生活作文を連想する人が多いと思います。
それは、小学校の、特に低学年では、作文の授業がかなりあるからです。
低学年の作文の授業は、正しい書き方に直すことが中心です。
しかし、高学年になると、次第に作文の授業はなくなります。
正しい書き方を身につけたあとは、それ以上教えることがなくなるからです。
●作文の勉強が本当に生きてくるのは中学生の意見文から。
中学生や高校生になると、作文(小論文)の授業は、ほぼなくなります。
それは、先生が、中学生や高校生の作文を教えることができなくなるからです。
しかし、作文力がほんとうに大事になるのは、中学生の意見文からです。
言葉の森の作文指導は、中1から中3にかけて、さまざまな意見文の練習をしていきます。
中学生の3年間で、意見文の書き方を身につければ、それだけで大学入試の小論文に対応できる力がみにつきます。
作文の本当に価値ある勉強は中学生から始まります。
小学生のころの作文は、中学生からの意見文の助走期間なのです。
●作文力は、高校入試でも大学入試でもますます重要になる。
近年、中学入試でも、高校入試でも、大学入試でも、作文力が大きく評価されるようになっています。
それは、作文力がその生徒の学力の全体をほぼ正確に表しているからです。
現在、ChatGPTで文章を生成したり要約したりする技術が発展しています。
今後、この技術の応用で、文章を評価する技術が生まれてくるはずです。
すると、先進的な入試では、安価なテキスト端末で作文を書かせ、それをAIが評価するようになります。
こういう作文入試が、やがて現在のガラパゴス入試に取って代わるようになります。
●言葉の森の作文は、事後の添削ではなく、事前の構成指導。
言葉の森の作文指導の特徴は、事後の赤ペン添削ではなく、事前の構成指導です。
このような事前の作文指導を行っているのは、言葉の森だけです。
この指導法によって、小学1年生から高校3年生まで、作文の一貫指導ができているのです。
●赤ペン添削では、作文は上達しない。
赤ペン添削は、どれほど詳しく書かれていても、生徒の作文力にはつながりません。
事後の添削ではなく、事前の構成指導と、そのための準備と取材が、作文力を伸ばします。(つづく)
■■合格速報
●獨協中学校 S.T.さん
<担当講師より>
作文クラスにいつもしっかりと準備して臨み、友だちの発表を興味を持って聞いてクラスを盛り上げる質問感想を伝えてくれていました。言葉の森で勉強を続けてきたことが安定した国語力につながり、受験期を支えてくれたそうです。合格おめでとうございます!
●桐朋中学校 A.K.さん
<担当講師より>
合格おめでとうございます!
中学の受験勉強と並行して、作文の勉強を続けているA.K.くん。1月も休まず指導を受けてくれました。お母様のお話では、塾で一般的に国語は伸びないと言われていたのに、ぐんぐんと実力が上がったとのこと。言葉の森を続けたお蔭だと感謝されました。これからも、作文を続けてくれるとのこと。益々の成長を期待しております。
■■オンラインクラス保護者懇談会2月の資料
★動画:
https://youtu.be/YFpqWDKuuu4
●教材は、新教材を中心に。国・数・英は確認テストを定期的的に行う予定
新年度の国語、算数数学、英語のテキストは、教材注文のページから注文できます。
https://www.mori7.com/teraon/jgkyouzai.php
2月からは、これらの新しい教材を中心に指導をしていきます。
古い教材は、原則として使いませんので、これまでの古い教材をお持ちの方は、授業の中とは別に家庭学習の教材として使っていってください。
教材を変更した主な理由は、確認テストを定期的に行うようにするためです。
このため、小4以上は、確認テストを外した状態でお送りします。
すでに確認テストの含まれている教材をお持ちの方は、保護者の方で保管しておいてくださるようお願いします。
新教材は、全体に前年度よりも難しい内容になっています。
小1は、ウィンパス国語、ウィンパス算数のままです。
小2~小3は、ジュニア新演習国語、ジュニア新演習算数になります。
小4~小6は、中学受験新演習国語、中学受験新演習算数になります。
中1~中3は、発展新演習国語、発展新演習数学、発展新演習英語になります。
高校生は、高校新演習プログレス現代文です。
いずれも、算数数学については、標準レベルの問題を100%完璧に解けるように繰り返し学習してください。
余裕のある人は、発展問題やチャレンジ問題の難問に取り組んでもいいですが、難問のページは飛ばしてもかまいません。
2020年から始まった教科書改訂の影響で、改訂前の教材と改定後の教材がわかりにくく混在しています。
2022年の12月以降に教材を注文された方で、下記の改定前の教材を持っている方は、無償で改訂版と交換しますので、ご連絡ください。
見分け方は、改定前の教材は、裏表紙の左上のバーコードの上の数字で、
○○○○○-0014-○○○となっているのが改定前、
○○○○○-0021-○○○となっているのが改定後です。
(○は数字又はアルファベット)
該当する教材は、
「中学受験新演習国語小4~小6」
「中学受験新演習算数小4~小6」です。
授業中に教材の内容が違っていることがわかった場合もご連絡ください。
●作文力を伸ばすコツは、事前の準備と読書、特に説明文読書――準備の中心は取材
作文について、「直して上手にさせる」と考える人がかなりいますが、直して上手にできるのは一時的で、直す指導をすると、生徒はかえって作文が苦手になります。
作文を上達させるポイントは、事前の準備と読書です。
言葉の森の作文指導は、事前の項目指導が中心ですので、項目に合わせた内容が書けるように準備することが大事です。
小学生の場合、準備の中でも特に必要なものは、保護者への取材です。親子の対話で、子供の語彙力を伸ばすようにしてください。
また、作文力のもとになる語彙力は、読書から来ています。
絵本のような絵ばかりの本でなく字の多い本、物語文の本ばかりでなく説明文の本を読むようにしてください。
説明文を読む機会があまりない場合は、国語読解クラスの問題集読書を毎日数ページずつ続けるようにしてください。
小学校高学年、中学生、高校生の作文力は、説明文と意見文の読書が土台になっています。
●国語読解の力をつけるには、問題集読書を進めること――読検高得点賞は88点以上に
国語読解クラスで、これまで読検ランキングへの掲載を100点以上としていましたが、2月から88点以上としました。
https://www.mori7.com/dokken/dk_rank.php
このランキング表に載ることを目標に、国語読解の勉強をしてください。
国語読解の力が伸び悩む原因のほとんどは、問題集読書の不足です。
問題集の問題文を毎日数ページずつ音読し、1冊を5回以上繰り返し読むことを目標にしてください。
●総合学力は、家庭学習のきっかけを作るためのクラス――暗唱練習や読書紹介に活用
総合学力クラスは、その場で勉強することだけを目的にしたクラスではありません。
基本になるのは、毎日の家庭学習で、その家庭学習のきっかけにするために毎週の授業があるという関係です。
これは、他の国語読解、算数数学、英語のクラスでも同様です。
授業に出ることが勉強ではなく、毎日の家庭学習が勉強で、授業ではそれをチェックするという関係です。
例えば、暗唱なども、その場で暗唱の練習をすることが目的なのではなく、毎日の暗唱の家庭学習を評価する場が授業ということになります。
また、暗唱については、自分の好きなところをやるよりも、暗唱文集の順番どおりに暗唱できるようにし、暗唱検定に合格することを目標にしてください。
暗唱検定を目標にしやすいように、今後、総合学力クラスでは、300字程度の短い範囲のミニ暗唱検定を行う予定です。
●算数数学は、標準問題を完璧に仕上げること――難問は飛ばしてもよい
算数数学クラスは、現在の受験に対応するために、難度の高い問題も取り組むようにします。
しかし、小学校時代の難問は、考える練習にはなりますが、中学生以降の勉強には生きてきません。
小学校時代は、標準的な問題が完璧にできることを目標にしていってください。
同様に、中学生の問題集の中にも、必要以上の難問があります。
中学生も、標準的な問題が完璧にできることを目標に勉強を進めていってください。
完璧にできるようにするためには、1冊の問題集を5回以上繰り返すことです。
いろいろな問題集やプリントに取り組むのではなく、1冊を完璧にということが大事です。
●英語は、英文の音読暗唱を中心に、問題集は文法を確実に繰り返す
中学生の英語は、教科書の音読暗唱が中心になります。
最近の英語の教科書は会話体が多く参考にならないので、市販の「英会話・ぜったい・音読」をすすめています。
毎日の音読暗唱、更には暗写で、英語力をつけていってください。
英語の問題集で特に大事なのは、文法の説明です。問題を解くことよりも、文法を理解することを目標に問題集を繰り返し読むようにしてください。
●創造発表は、東大の推薦入試に対応できる個性を伸ばす学習
創造発表クラスは、これからの学力として必要になる、個性、創造力、思考力、発表力を伸ばす学習です。
取り組むテーマは自由ですから、自分の好きな分野を深掘りして勉強を進めていってください。
発表がしやすくなるように、中学生以上の生徒は、YouTubeのアカウントを取得しておくといいと思います。
●プログラミングは、テキストを読んで理解することを中心に
プログラミングクラスで、Scratchなどのビジュアルプログラミングは、低学年から取り組めますが、ビジュアルな操作だけでなく、説明の部分も読むことが必要です。
ビジュアルな試行錯誤だけで学習を進めていると、途中で限界が来ます。
必ず、解説の部分を読み取り、自分が何をしているか理解しながら勉強を進めていきましょう。
コードプログラミングのJavaScriptやPythonは、プログラミングの前に、エディタをインストールしたり、パソコンの中にフォルダを作ったりという事前の環境作りに時間がかかります。
保護者の方が、協力して環境づくりを手伝ってあげてください。
JavaScriptやPythonは、Scratchと違って、ウェブで簡単に表示することができないので、今後サーバーをレンタルし、生徒の作品がウェブでも表示できるようにする予定です。
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● 言葉の森新聞2023年2月3週号 通算第1743号 (3814字) 言葉の森事務局 jun 2023年02月15日 11時34分
14503 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年2月3週号 通算第1743号
文責 中根克明(森川林)
■■2月23日(木)は「休み宿題」
カレンダーに記載してあるとおり、2月23日(木)は祭日のため「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
■■言葉の森の「オンライン少人数クラス」とベネッセの「オンラインならいごと」
●動画:
https://youtu.be/qUKtw418Y7U
言葉の森が、コロナ禍の2020年にオンラインクラスを多様に開講したとき、私(森川林)はすぐに、同じようなことをするところが出てくるだろうと思いました。
言葉の森でのオンラインクラスという仕組みそのものは、2013年から作っていましたが、それが広がったのは、ちょうど2020年からでした。
当時の世の中のオンライン教育のほとんどは、授業の動画をただ流すだけのものでした。
高学年の真面目に勉強する子にとっては、かいつまんで見ることができない動画の授業は、無駄な時間が多すぎました。
一方、低学年や勉強の自覚のない子にとっては、動画の授業はすぐに飽きてしまうものでした。
IT先進国のように言われていたアメリカでさえ、オンライン教育は、低学年の子供が飽きるということに対応できていませんでしたから、日本のオンライン教育は、もちろんそれ以下でした。
しかし、当時の言葉の森のオンライン教育が、小学校低学年の生徒も、高学年や中高生の生徒も飽きさせなかったのは、4~5人という少人数のクラスで、生徒自身が発表する時間を確保していたからです。
現在、言葉の森の幼長や小1の生徒がいるオンラインクラスでも、オンライン学習が楽しく続いています。
また、中学生や高校生の生徒も、オンラインクラスで勉強をしています。
それは、勉強の時間以外に、読書紹介や作文発表や一人一言の時間や2人1組の勉強などで、子供たちの発表と交流の時間をできるだけ確保しているからです。
この発表と交流が、学習の意欲につながります。
子供でも、大人でも、先生の話をそれがどんなに面白い話であっても、ただ聞くだけよりも、自分の力で何かをしたいものです。
私自身が、小学生のときにそうでした。
授業中は、いつも退屈だったので、教科書のほとんどすべてのページに落書きを書いていました。
落書きを書かないときは、窓の外を見ては、「スズメは自由でいいなあ」と思っていました。
唯一ほっとするのは、テストの時間でした。それは、自分が何かをすることができる時間だったからです。
多くの子供たちは、今も同じような感覚で学校の授業に参加していると思います。
勉強は、教科書や参考書や問題集をもとに、自分ですればいいものです。
どうしてもわからないときだけ教えてくれる人がいればいいのですが、そういうことは滅多にありません。
教科書は、学校で先生が教えることを前提に作られているので不親切ですが、市販の参考書や問題集は、解説や解法が詳しく書かれているので、子供が独力で勉強できます。
だから、勉強は家庭で自分ですればいいのです。
というよりも、家庭での自学自習が勉強の基本で、授業に参加するのは友達と交流したり先生に質問したりするためです。
これを反転学習と呼ぶ人もいますが、もともとの勉強は自学自習が基本なのです。
だから、私は、ベネッセの「オンラインならいごと」という企画を見たとき、次のようなことを聞きたいと思いました。
ところで、この記事は、ベネッセの企画に対する批判ではなく、オンライン教育のあり方についての記事です。
質問したいことの第一は、そのオンライン学習が何人のクラスで行われているかということです。
言葉の森のオンラインクラスは、5人以内の人数で行われています。
それは、全員の読書紹介と交流と個別指導を、45分から60分の時間内に両立させるためには、5人という人数が限界だからです。
双方向をうたっているオンライン教育であっても、10人以上のオンラインクラスでは全員の参加はできません。
数人が双方向で、他の子供は聞いているだけというのでは、聞いている子供はいつも聞いているだけです。
双方向というためには、全員の参加が必要なのです。
第二は、そのオンライン学習が固定したメンバーで行われているかということです。
人間の交流は、ただ一緒にいればいいというのではなく、親しい子と一緒にいるということが大事です。
人間が、どこで他の人と親しくなるかというと、それはかけた時間によってです。
同窓会というものが成立するのは、一緒に過ごした時間が長かったからです。
もともと仲のいい子が集まったのではなく、集まったあとに、一緒に過ごす時間があったから、親しくなったのです。
だから、言葉の森のオンラインクラスは、不特定多数の生徒が、不特定多数の先生に教えてもらう形ではなく、固定した生徒のグループが、固定した先生と一緒に勉強する形にしています。
そのために、それぞれのクラスの曜日や時間が固定しています。
ただし、欠席した分は、他のクラスに振替で参加することができます。
また、先生が急な用事で休講した場合は、他の先生が代講で授業を担当します。
オンライン教育というと、グローバルな教育と考えられがちですが、言葉の森のオンライン教育は、ローカルなオンライン教育です。
ローカルだから、サマーキャンプや遠足なども行います。(2020年からはコロナ禍で、ほとんどできませんでしたが。)
サマーキャンプに参加する子の多くが、オンラインクラスに参加していた子です。
「あの子が行くから、ぼくも行く」、「先生が行くなら、私も行く」という感じで参加しているのです。
教育の中で何が残るかというと、勉強の中身よりも、人間のつながりです。
私は、オンラインクラスに参加している子供たちの間で、やがて生涯の友達になったり、結婚したり(笑)する子が出てくると思います。
言葉の森には、幼長から社会人の生徒までが参加しています。
中学生や高校生の中には、小学校低学年から勉強を続けている子がいます。
私のうちの子2人も、小1から高3まで言葉の森の作文を続けました。
昔の電話個別指導の時代には、生徒の人間的なつながりは、教えてくれる先生だけでした。
しかし、オンライン少人数クラスでは、生徒の人間的なつながりは、先生とともに、同じクラスの生徒どうしになります。
小1のころ無邪気に、「私の読んでいる本は『ぐりとぐら』です」などと言っていた子が、高学年になると、「今、読んでいるのは『はてしない物語』です」などとなり、高校生になると、「最近読んでいるのは、デカルトの『方法序説』です」などとなります。
そういう成長のあとを、みんなで共有できるのです。
話は変わりますが、昔、教室の高校生数人に、「方法序説」が簡単だと思い、感想文を書くために読ませていたら、みんな寝てしまったことがありました(笑)。
私は、オンライン教育がこれから広がるのは、大歓迎です。
だから、いろいろな教育機関が、こういうオンライン教育を企画してほしいと思っています。
なぜなら、今の学校や塾の通学式の集団一斉指導は、限界に来ているからです。
また、不特定多数の通信教育や、マンツーマンの通信教育にも、限界があります。
従来の教育の枠を超えた新しいオンライン教育が、今必要とされているからです。
新しいオンライン教育は、江戸時代の寺子屋教育を、デジタル技術とネットワーク技術で、現代に復活するものになるはずです。
更に言うと、自動翻訳技術で、その現代寺子屋教育が、世界に広がるものになるはずだと思っています。
■■合格速報
●芦屋国際中等教育学校 O.S.さん
<担当講師より>
「合格おめでとうございます。
受験コースの授業では、お母さまも準備に協力してくださっていました。スポーツを通して学んだことや自分の長所を中学校生活でどう活かすかということを、具体的に書く練習がしっかりとできていたと思います。
受験後、「発表が楽しみです」と言っていました。これからも明るく前向きな笑顔で、充実した学校生活を送ってください。」
●東京学芸大学附属国際中等教育学校(帰国子女枠編入試験) S.R.さん
<担当講師より>
「第一志望合格おめでとうございます。
試験問題を見て『自分らしい実例を書こうと意識した』と話してくれました。受験コースで書いた体験実例を思い出して書いたとのこと。Rさんらしさが伝わる作文になったのだろうと思います。日本での中学校生活も応援しています。」
<前担当講師より>
「おめでとうございます!
読書量が豊富で、大人向けの本もたくさん読んでおられました。
ミステリーの犯人が最後まで書かれていない小説について、
妹さんを含め三人で犯人予測をしたことが懐かしいです。
楽しい中学校生活を送ってほしいです。」
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● 言葉の森新聞2023年2月2週号 通算第1742号 (1822字) 言葉の森事務局 jun 2023年02月09日 17時35分
14493 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2023年2月2週号 通算第1742号
文責 中根克明(森川林)
■■合格速報
●千葉大教育学部附属中 M.M.さん
<担当講師より>
「合格、おめでとうございます。
作文の授業のときは、読書紹介の説明がとても上手でした。
作文も、構成のしっかりした文章を書いていました。
考える力があるので、合格は順当なところだったと思います。(倍率は高かったと思いますが。)
中学の勉強では、数学が重要になります。
中学では作文の授業はたぶんほとんどありませんが、高校入試や大学入試では必要になります。
時間ができたら、作文と数学クラスを始められるといいと思います。
それでは、春から楽しい中学生活を送ってください。」
「Mちゃん、頑張りましたね!
受験勉強で忙しかったと思いますが、いつも明るい笑顔で授業に参加してくれていました。
構成をや字数いっぱいに書くことを意識して、課題に取り組まれていました。努力が実って本当に良かったです。おめでとうございます!」
●大妻中学校 M.S.さん
<担当講師より>
いつも予習シートにしっかり書き込みをして毎回欠かさず提出していた生徒さんです。
中学校のスケジュールが分かり次第、また言葉の森も再開されるそうです。
●早稲田中学校 W.Y.さん
<担当講師より>
第一志望、合格おめでとうございます。
いつも発想力豊かな作文を書いてくれていました。さらなる成長を楽しみにしています。
●宝仙学園 中学校共学部 理数インター M.K.さん
<担当講師より>
いつも問題集をしっかり読み、何を聞いても的確に質問に答えることができていました。
入試では、日本語リスニングとグループワークによるプレゼンテーションがあったそうですが、オンラインクラスの読書紹介では、毎回、中身のある面白い話を的確に紹介してくれていたので、プレゼンテーションは超得意だったと思います(笑)。
読書の幅も広く、読解検定での100点を連続して取っていたので、実力は十分でした。
これからも、楽しい中学校生活を送ってください。
●公文国際学園中等部 K.T.さん
<担当講師より>
合格おめでとうございます!
数学は大好き、国語は苦手、というT君でしたが、苦手を克服すべく 読解クラスに参加していました。コツコツ頑張った成果が、出たのだと思います。
お父様も、陰に日向に応援していらして、家族での努力の賜物だなあと思います。
本当にうれしいです!おめでとうございます!
●お茶の水女子大学附属中学校 K.Y.さん
<担当講師より>
趣味や特技が幅広く、努力家なので作文にも日頃の気づきを体験に上手につなげてくれます。これからも頑張ってください。
●武蔵野大学中学校 K.E.さん
<担当講師より>
とってもうれしそうにご本人からご報告がありました。試験は本当に緊張したそうですが、合格できたことを誇りに思ってくれるといいなと思っています。
●専修大学松戸高校、昭和学院高等学校 M.S.さん
●國學院大學文学部史学科 Y.S.さん
<担当講師より>
第一志望合格、おめでとうございます。言葉の森は姉妹で受講してくれました。妹さんも歴史が大好きです。これから、本格的に歴史を勉強して、姉妹で歴史談義に花を咲かせることでしょう。本当におめでとうございます。
●湘南白百合学園
●大妻多摩中学校(特待生)
●聖園女学院
●共立第二女子中学校(S奨学生)
●宮崎日大附属中学校(特別奨学生) K.M.さん
<担当講師より>
通塾で忙しいときも、言葉の森の自習と読書を欠かさず、見事合格を勝ち取ることができました! 時にはくじけそうになることもあったと思いますが、持ち前の明るさと粘り強さで、頑張り抜きましたね。本当におめでとうございます! これからも一緒に頑張っていきましょう。
●都立日野台高校 K.T.さん
<担当講師より>
合格おめでとうございます。
とにかく努力家のTさん。何ごとにも全力投球で取り組む姿にいつも感心していました。
新高校生活では、いろいろなことにチャレンジして自分を更に磨いていってほしいと思っています。
応援しています。
●高輪中学校 T.D.さん
<担当講師より>
受験前も12月の末まで、国語読解のテキストを集中して読み進めました。読む速度も上がり、内容もしっかり把握できるようになり自信を持って入試にのぞめましたね。おめでとうございます。楽しい中学生活が待っていますね。