◆◆「森の便り」からの送信
8月3週から、これまでの「言葉の森オンライン新聞」を「森の便り」という名称に変え、生徒や保護者に必要な情報を随時発信することにしました。
これまでは、ホームページの記事などで連絡事項をお知らせしていましたが、これからは、「森の便り」のぺージからメールが届く形にします。
https://www.mori7.com/ope/index.php?k=osb
(「よく使うリンク」の29番)
この「森の便り」に関する質問、相談、要望などは、「森の広場」という掲示板から行うことができます。
https://www.mori7.com/ope/index.php?k=123
(「よく使うリンク」の30番)
個別に連絡をする場合は、「個別連絡」掲示板からお願いします。
https://www.mori7.com/teraon/hkei.php
(「よく使うリンク」の7番)
「個別連絡」から事務局宛に連絡する場合は、送信先の講師コードにnaneと入れてお送りください。
「森の便り」は随時配信します。
「森から郵便」というA4葉書による郵送は、3か月ごとの学期単位でお送りする予定です。
◆◆勉強の土台となる読書
子供たちのこれからの勉強を考える場合、何のために勉強をするのかという自覚を早めに持てるようにすることが大切です。
そのためには、目前の中学入試、高校入試、大学入試だけでなく、さらにその先の自分が将来どのような形で社会に貢献するかということも考えていく必要があります。
そういう人生の目標を自分の問題として考えることができる学年は、大体中学3年生のころだと思います。
将来の自分の人生を考える素材となるのは、いろいろな人の伝記です。
推薦図書リストには古典的な伝記が多く載っていますが、現代の人の伝記にも心に訴えるものが数多くあります。
また、月刊誌「致知」は、大人向けの雑誌ですが、中学生や高校生が読んでも感動する話が数多く載っています。
読書をよくする人は、読書のためにまとまった時間を取るだけでなく、数分の隙間時間に本を開いて読むという読み方をよくしています。
言葉の森の推薦図書リストは、基本的にKindle化された本を選んでいるので、iPhone、iPad、Fireタブレットなどを使って、隙間時間にも読むことができます。また、端末の読み上げ機能などを利用すれば、対応する本を耳で聞くこともできます。
「推薦図書リスト」
https://www.mori7.com/tosyo/
(「よく使うリンク」の28番)
そうすれば、移動中などにも耳から聞く読書を続けることができます。
◆◆勉強の基本的な仕方
勉強の仕方の基本です。
まず、日本語の読み書き能力を育てることが重要ですので、作文は作文クラスで毎週目標の字数まで書けるように頑張ってください。
読む力については、読解検定で80点以上を取ることを目標にして毎月の読解検定に取り組んでください。
厳しい言い方をすると、読解検定は、75点や60点を取ってそのままにしていては、問題を解いた効果が十分に生かされません。
最終的には100点を取れるところまで間違えた問題を理解することが大切です。
毎月80点以上を安定して取れることを、まず一つの目標にしてください。
読解力をつけるためのコツは、1つは問題集読書を毎日続けることです。
もう1つは、生活の中に読書時間を作ることです。
数学と英語の勉強は、答えのある勉強なので、方法そのものは単純です。
数学の場合は、1冊の問題集を、できない問題が1問もなくなるまで繰り返し解くことです。
解法を見ても解法の意味がわからない場合は、AIに問題と正解の両方を送り説明を聞くと、わかりやすく教えてくれます。
その際、「なぜこの解き方になるのか、小学生(中学生)にもわかるように説明してください」と頼むといいです。
英語の勉強法は、1冊の参考書または問題集を5回繰り返して読むことです。
時間を能率的に使うためには、すでに理解している内容を何度も書くような勉強はできるだけ少なくし、読む勉強と理解する勉強を中心に進めていくことです。
理科や社会の勉強も同じです。
社会は教科書が充実しているので、教科書を5回読む勉強をすることです。
理科は、理科の問題集または参考書を同じように繰り返し読む勉強をすることです。
英語も数学も、それまでに学んだ内容の上に新しい内容が積み重なる教科なので、勉強を始めてから成果が表れるまでにはかなり時間がかかります。
数学と英語は時間のかかる勉強だと割り切って、すぐに成果が出なくても気長に続けていくことが大事です。
◆◆AIの土台の上に対話型(対面式)の授業
言葉の森のこれからの勉強の方向は、AIの利用という土台の上に、先生と生徒の対話型学習を進めていくことです。
AIに任せられる評価、分析などはAIを十分に活用し、その分、先生は生徒との対話、励まし、考えを深める指導に力を入れていきます。
作文に関しては、森リンによる作文検定に見られるように、AIが作文を評価し先生がそれをもとに生徒にアドバイスをするという形で進めていきます。
読書については推薦図書リストをもとに図書検定問題を解き、記述問題については、AIが評価し講評を書く形にします。
優れた記述の解答については、「記述ベスト」のような表彰の機会を作っていく予定です。
読解検定については、間違えた問題をAIがアドバイスするというようなことを進めていきたいと思っています。
毎週の読書記録については、AIがその生徒の読書の傾向を見て、今後の読書を進めていくためのアドバイスができるようにしていこうと思っています。
AIがその生徒の読書の傾向を見て、次にどのような本を読んだらよいかをアドバイスできるようにするということです。
7月の読書記録は、全学年で680冊ありました。
この680冊の中から、学年ごとにおすすめ図書のリストを作り、それらの本を紹介した生徒の読書記録なども見られるようにする予定です。
同学年の友達が読んでいる本を参考にして、読む本のジャンルを広げていけるといいと思います。
暗唱の勉強については、生徒がひとりで暗唱チェックができるように、AIを利用した暗唱検定を現在作成中です。
また、暗唱検定の発展した形として、口頭試問を評価するAIの仕組みを作っていく予定です。
確認テストのAI化はやや時間がかかりますが、生徒の解いた問題をもとにして、今後どういう勉強に力を入れていったらいいかということを、AIがアドバイスする形を考えています。
このように、AIを土台とした対話型学習という仕組みで、今後の言葉の森の勉強を進めていこうと思っています。
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大学入試の英語は理解する勉強という面が強いのですが、高校入試までの英語は慣れる勉強という面が強いです。
考えて答える面よりも、条件反射的に答える勉強と言ってもよいでしょう。
そのためには、英語の勉強に時間をかける必要があります。
英語の成績が良い人は、英語の勉強に時間をかけた生徒で、英語の成績が悪い人は英語の勉強にまだ時間をかけていないということです。
では、どういうところに時間をかけるかというと、それは3つあります。
第一は英語の問題集を5回読むということです。
特に大事なのは文法的な説明のところです。
問題については頭の中で考えて、その後答えを見て、その答えを覚えるという勉強法です。
答えを見る勉強法なら、ノートに答えを書く勉強よりも5倍から10倍早くできます。
書く勉強法でなく、読む勉強法を中心にすることが大事です。
問題集は一種類に絞ることです。
その一種類の問題集を5回読むという勉強の仕方です。
第二は、英語の音読暗唱に慣れることです。
全科学力クラスの英語の授業で行っているのは「英会話・ぜったい・音読 【入門編】」という本です。
國弘 正雄さんが監修しているので、信頼できる本です。
この1冊を毎ページ20回音読し、暗唱できるようにします。
第三は、長文読解です。
受験が迫っている場合は長文読解に慣れる必要があるので、「全国高校入試問題正解英語」(旺文社)という問題集の長文のところだけを素早く読んで理解する勉強をしていきます。
英語の勉強は、始めてから成果が出るまでに長い時間がかかります。
私の感覚では、1生懸命勉強を始めて6ヶ月後ぐらいになると成果が見えるようになるという感です。
すぐに成績に結びつかなくても、毎日気長にやっていくことが大切です。
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◆◆人工知能は、与えられた課題には強い
人工知能は、与えられた課題については、人間よりも早く正しい答えを出すことができます。
人工知能は、人間が蓄積してきた膨大な情報や知識を学習しているので、与えられた問題に関しては、最も正しい答えに近い答えを出すことができます。
しかし、人工知能には、与えられた課題そのものの意味を、自らの生存や経験に照らして問い直すという点で限界があります。
▽参考記事
「ASI「人間の1万倍」は本当か…孫正義・アルトマンが語らない、AI進化“締切2030年”」
https://www.sbbit.jp/article/cont1/186195
「ビジネス+IT」
◆◆「そもそも、この課題に意味があるのか」と考える力
これが自己言及と言われるもので、例えば人間は何か課題が与えられた場合でも、「果たしてその課題はどういう意義があるのか」というところに遡って考えることができるので、異なる課題に切り替えて考えることもできます。
現在、人工知能にこの自己言及の能力をつけようという試みがなされています。
しかし、このことについて、私は人工知能が話題になった当初から、人工知能は人間を超えることができないと考えていました。
その理由はただ1つ。
人間は身体を持っているが、人工知能は身体を持っていないからです。
◆◆自己言及の根底にある身体性
この身体性というものが、知能の本質的な性格を決めています。
人間が自己言及という能力を持っているのは、与えられた課題よりも先に自分の身体があるからです。
だから、与えられた課題について、「こんなかったるいことはやっていられないから、そもそもこういうことをやる意味があるかどうか考えよう」というような発想が自然に浮かび上がるのです。
人間には身体があります。
身体があるから欲求があります。
欲求があるから価値判断が生まれます。
価値判断があるから「そもそも何のために」という自己言及が生まれるのです。
つまり、人工知能に分かち難く結びつく身体があり、その身体が気持ち良さを感じたり、痛みを感じたり、転んで怪我をしたり、成長したり、年を取って動けなくなったり、というようなことができれば、人工知能が自己言及を始める可能性は高まるでしょう。
それは人工知能というよりも、鉄腕アトムのような賢く強く優しいロボットのようなものになるかもしれません。
◆◆当面は、人間の身体と人工知能を組み合わせる
この人工知能の身体化という研究は、これから進んでいくでしょうが、当面は人間が人間の身体を生かして人工知能を活用するというやり方が最も現実的です。
そのために大事なことは、人間が高度な人工知能に匹敵するだけの高度な自己言及の能力を持つことです。
それは何かというと、物事を根本から考える力を持つことです。
その力とは、ひとことで言えば哲学です。
◆◆答えのない問題には哲学が必要になる
これからの人類が直面する課題は、かつてのような牧歌的なものではありません。
例えば、自然災害をどう防ぐかということなどに関しては、自己言及の必要性はあまりありません。
それは、課題の目指す方向が決まっているからです。
そもそも「自然災害を克服することにどういう意味があるのか」というような自己言及をする人はまずいません。
しかし、政治選択の問題や、臓器移植の問題や、将来予想されるかもしれない宇宙人との遭遇などについては、課題の前に高度な自己言及が必要になるのです。
◆◆AI時代に必要になる読書、作文、対話、実践
ここで言葉の森の仕事に結び付けると、哲学、つまり高度な自己言及の力を育てるものは、読書と作文と対話と実践だと思います。
これまでの学校教育は、人工知能でできることを人間がやろうとするものでした。
これからは、知識や情報に関しては人工知能を利用し、人間はその根本にある哲学を自分自身の身体性をもとに生かしていくことになります。
AI時代の教育は、答えを出す力を育てる教育から、何を問うべきかを考える力を育てる教育へ変わるのです。
※用語の補足(「自己言及」について)
論理学や認知科学で使われる「自己言及(Self-reference)」よりも、引用した「ビジネス+IT」の記事の文脈としては「メタ認知(問いそのものをメタ視点から問い直す力)」「前提の疑い・脱構築」に近い意味合いで使われています。
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◆◆「アフターゾロリ問題」と子どもの読書の本質
小学生の読書で大事なことは、面白い本、楽しい本をたくさん読むことです。
真面目な本、つまらない本を、薬でも飲むかのように少しずつ読んでも読書力はつきません。
そういう子どもの読書の本質がわかっていないと、アフターゾロリ問題というようなことがあたかも重大な問題であるかのように思ってしまいます。
「アフターゾロリ問題」とは、ゾロリを卒業した後に読む本が見つからず、読書離れしてしまうという問題です。
先日、保護者向けの読書のアドバイスで「かいけつゾロリのような本がいいです」と話したら、保護者の方の中に、「ゾロリって読まない方がいいと思っていた」という方がいました。
確かに書かれている内容は面白いが、品のないものも多いので、そういう本ばかり読んでいては困るという感覚があったのかもしれません。
◆◆読書力につながる「質の高い文章」とは
しかし、大事なのは文章の質です。
「かいけつゾロリ」の文章は、説明的な部分がしっかりしているのです。
逆に、書名はあえて書きませんが、誰もがよい本だと思っている本の中に、会話中心で書かれているものがあります。
それは、結局ストーリーの面白さで読ませているということで、読者が立ち止まって考えたり、論理をたどったりする部分が少ないということです。
似たようなことは、近年の中学生の英語の教科書の英文についても感じたことがあります。
子どもの興味を引き、読みやすくするために会話を多く使っているのですが、身近なストーリーの面白さで読ませているので、文章を考えて読む要素が少ないと思ったのです。
文章には、内容の面白さとともに、表現の質の高さも必要です。
質の高い文章というのは、ストーリーの部分以外の説明的なことがしっかり書かれている文章です。
ストーリーで読むというのは、動画のスクリーンを見ることと似ています。
疑似的な体験としては面白いのですが、考える要素の少ない文章なのです。
小学生時代の読書は、読書力をつけることが第一の目的で、読書力をつけるためには多読が必要です。
だから、多読のために面白い本を何度も繰り返し読んでいく必要があるのです。
◆◆中高生の読書に必要な「考える力」と原典の価値
ところで、中学生や高校生になっても、物語文の本を中心に読む生徒もいます。
中学生、高校生の読書は、娯楽のために読むというよりも、考える力をつけるために読むと考える必要があります。
考える力をつけるためには、物語文の本だけでなく、説明文、意見文の本を読んでいく必要があります。
中でも、古典と呼ばれるような説明文の本は、単に知識を得るために読むのではなく、作者が格闘した考え方の跡も読むことになるので、考える力を育てることにつながります。
入門書や概論書というのは知識を得るための本ですが、そのもとになった著者の原典の本は、知識のために読むのではなく、考えるために読む本です。
中学生、高校生の人は、「○○入門」という本で終わらずに、もとの「○○」という本を読んでいくことが大事です。
さて、最初に書いた「アフターゾロリ問題」に戻ると、大事なことは、「ゾロリの次に何を読むか」ではなく、「楽しく読む子を、考えて読む人へどう育てるか」ということです。
◆◆電子書籍を活用した「推薦図書リスト」と「推薦図書検定」
言葉の森では、子供たちの読書の指針となるように、推薦図書リストを作りました。
https://www.mori7.com/tosyo/
(8/19現在382冊)
海外の生徒でも利用できるように、Kindle化された本を中心にした図書リストにしています。
「かいけつゾロリ」は、残念ながらまだKindle化されていませんでしたが(笑)。
言葉の森では、このリストのそれぞれの本について、推薦図書検定の問題を作っています。
○×問題が8問、記述問題が2問。解答送信後、200字の講評が表示されます。
問題は、まだ言葉の森の生徒しかできませんが、いずれ誰でもできるようにする予定です。
◆◆読書習慣を定着させる「推薦図書クラス」とオンライン自習室
ところで、推薦図書リストがあるだけでは、子供たちだけでこのリストを活用するのは難しいはずです。
そこで、言葉の森では、推薦図書クラスを開設します。
週に1回、オンラインの少人数クラスに参加して、それぞれ本を読み、互いに読書紹介をし、本を読み終えた人から順に推薦図書検定の試験に取り組むというオンライン教室です。
オンラインのクラスに参加するのは週に1回ですが、それ以外も毎日24時間自由に使えるオンラインの自習室があるので、そこで、気の合った友達と、またはひとりで、読書を進めていけます。
小学生のころから、推薦図書クラスで読書をし、中学生、高校生になっても、この図書リストを参考に読書を進めていくとしたら、それは、その生徒の読書力、思考力、人間性の成長に大きく貢献すると思います。
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◆◆勉強は成績を良くするが、読書は頭を良くする
私の基本的な考え方は、「勉強は成績を良くするが、読書は頭を良くする」というものです。
もちろん、勉強は成績を良くするだけにとどまらず、将来仕事するときも勉強したことが役に立ちます。
また一方、読書は頭を良くするとか心を豊かにするとかいう面もありますが、時間つぶしの読書のようなものもあります。
しかし、そういういろいろな但し書きも含めて、すべてまとめて一言で言うと、勉強は成績を良くするが、読書は頭を良くする、ということが言えると思っているのです。
◆◆読書の効果は学年が上がるほど現れてくる
読書をしていることは、そのときの勉強の成績にすぐ結びつくわけではありません。
成績はもちろん、勉強している子の方が良くなるのが普通です。
しかし、学年が上がるにつれて、勉強をよくしている子よりも、読書をよくしている子の方が成績の上がる度合いが大きくなることがあるのです。
これは、私のこれまでの経験から言っていることでしたが、実際に大規模な調査の結果、読書をしている子は成績の伸び方が大きい傾向があるということがわかってきました。
さらに、読書は、将来の成績に結びつくだけでなく、将来の人生を変える力も持っています。
だから、読書教育を見直すことが大事なのです。
◆◆作文教室を始めたころから考えていた読書教育
私が昔作文教室を始めたとき、本当は、その教室を読書作文教室にしたいと思っていました。
しかし、当時は作文の指導法も読書の指導法も参考にできるようなものはなかったので、自分なりに作文の指導法を考えました。
そのため、読書の指導法まで考える余裕はありませんでした。
読書について、私が子供たちに言っていたことは、
1.なるべく難しい本を読むこと。
2.同じ本を繰り返して読むような読み方が読書力をつける。
3.小学生時代は楽しい本、面白い本を中心にたっぷり読むことが大事。
ということでした。
◆◆AIによって可能になった新しい読書指導
しかし、ここに来て、AIを利用することによって読書指導ができる展望を持てることがわかってきました。
それが、今計画している推薦図書検定という仕組みです。
◆◆小学生から高校生までの推薦図書を選ぶ
推薦図書検定は次のように行います。
まず、言葉の森が、小学生から高校生までの生徒が読むのにふさわしい本のリストを作ります。
このリストは、現在200冊ぐらいになっています。
日本の生徒だけでなく、海外の生徒もその本を入手して読めるように、Kindle化された本を中心にしています。
◆◆○×問題と記述問題で読書のきっかけを作る
推薦図書検定は、それぞれの本について、○×問題と記述問題があります。
○×問題は、1冊について8問です。
これは、本を読んでいれば大体わかるというレベルの問題です。
記述問題は、2問あります。
1つは、印象に残ったこととその感想を60字以上、100字以内で書くことです。
60字から100字という字数を指定しているのは、将来、記述の試験を受けるときに、字数内に収めるという感覚をつかんでもらうためです。
もう1つは、「もし……だったら」などと想像したことで、自由に自分の考えを書くことです。
これは60字以上で上限はありません。
人によってはたっぷり書きたいことがある人もいるので、それを自由に書いてもらうという記述問題です。
この○×問題と記述問題の内容に合わせて、AIが生徒の解答について200字の講評を書きます。
◆◆点数ではなく読書を進めることが目的
○×問題も記述問題も、点数をつけることが目的ではありません。
問題を解くという目標を持つことを、読書を進めるきっかけにすることが目的です。
◆◆読書の記録が一生のアルバムになる
この推薦図書検定の結果は蓄積されるので、長年続けていると、自分が小学生から高校生までどんな本を読み、どんな感想を書いていたのかという記録が残ります。
これはその生徒の読書生活の一種のアルバムになります。
紙の本は絶版になることがありますが、Kindle化された本はずっと継続するので、その生徒が成長して親になったときに、自分の子供に読んだ本を見せてあげるというようなこともできます。
これが推薦図書検定の仕組みです。
◆◆今の子供たちの読書が抱える二つの問題
さて、今の子供たちの読書には、2つ問題点があります。
第一は、やさしい本、楽しい本ばかりを読んで、それ以上先に進まないことが多いという問題です。
もちろん、小学生時代はやさしい本、面白い本、楽しい本をたっぷり読むことが大事なので、それはそれでいいのですが、そこから先に進まない子も多いのです。
やさしい本、面白い本を読み続けていると、勉強が忙しくなるにつれて読書をやめてしまうようになります。
第二は、中学生や高校生になると、読書をしない人が増えることです。
中学生・高校生時代は勉強が忙しいというのはわかりますが、勉強が忙しいという理由で本を読まなくなった人が、受験が終わったあと大学生になってから本を読むかというとそうでもないことも多いのです。
◆◆情報を得るだけでなく考え方の骨組みを作る
知識や情報を得るだけならば、インターネットも、YouTubeも、AIも使えます。
しかし、自分の考え方の骨組みを作るというのは、やはり読書を通して行う必要があります。
◆◆成長に合わせて「読む楽しさ」から「考える楽しさ」へ
推薦図書検定は、小学生時代は人気のある楽しい本を中心にします。
中学生になると、考える要素のある楽しい本にします。
高校生になると、内容そのものが高度になるので、考える楽しさを得られる本というように発展させていきます。
推薦図書検定のリストには多くの本がありますが、本当に大事な本はもっと絞られたものになります。
かつては、四書五経のような定番となる本がある時代がありました。
これからの子供たちの読書生活も、ある一定の推薦図書を基準に読むという方向に進んでいくと思います。
◆◆自由な読書だけでは続きにくい
さて、この推薦図書検定の進め方ですが、図書リストを元にして自由に本を読んでくださいと言っても、やり続ける人はまずいません。
自由な読書であれば、毎日、本を読んでいる人は多いと思います。
しかし、中学生、高校生の読書へと発展する方向性を持った読書については、ある程度その読書を指導する道を作る必要があります。
それが、これから企画する推薦図書クラスという新しいオンラインクラスです。
◆◆推薦図書クラスという新しいオンラインクラス
現在の作文クラスや全科学力クラスのように、ある特定の曜日と時間を決めたオンラインクラスを作り、生徒にそこに参加してもらうという形です。
推薦図書クラスでは、最初に推薦図書のリストの本の紹介文を読んだり、その本の問題を見たりして、自分が興味を持てそうな本を決めます。
すでに読んだことのある本でもかまいません。
その本の検定問題を見ていいのは、点数をつけることが目的ではなく、問題を見て本の内容を推測し、その本を読むきっかけを作るためです。
そして、自分の読む本が決まったら、その本をKindleで用意しても、紙の本を購入しても、図書館などで借りてもいいですから、家庭でその本を読んでいきます。
◆◆みんなで集まって本を読む時間を作る
小学生でしたら本1冊を1日で読み終える人もいるでしょうが、小学校高学年、中学生、高校生の場合は1週間ぐらいかかる本が多いと思います。
そこで、家で読むだけでなく、推薦図書クラスに参加して本を読む時間を確保します。
推薦図書クラスは4人から5人のクラスで、みんなが集まって本を読むので、授業のあとに互いの読書紹介や感想を話す時間も作ります。
◆◆365日24時間使えるオンライン自習室
推薦図書クラスの教室となるZoomは、自習室のZoomとし、担当の先生は自習室の中のブレイクアウトルームのひとつをそのクラスに決めます。
そして、先生も生徒も指定したブレイクアウトルームに入って、読書をします。
読書だけでなく、勉強をしてもかまいません。
自習室のZoomは、365日、24時間、100ルームのブレイクアウトルームを利用できるようにしているので、自分の参加するクラスの授業がないときでも、自由に自習室のメインルームに入って読書や勉強をすることができます。
メインルームで、他の生徒と一緒に読書をしたり勉強をしたりすることもできるし、自分だけ空いているブレイクアウトルームに入ってひとりで読書や勉強をすることもできます。
自習室の利用は自由ですので、誰にことわることもなくいつでも使えます。
ただし、マイクはオフにしておくこと、すでにほかの人がいるブレイクアウトルームには入らないことが、基本のルールです。
気の合った友達と一緒に同じルームで勉強したり話をしたりするのはかまいません。
◆◆少し難しい本を読むための「きっかけ」を作る
何かを始めるときには、きっかけが必要です。
作文には、大きなきっかけが必要です。
苦手な勉強をするときも、それなりのきっかけが必要です。
それらに比べると、読書はあまりきっかけを必要としません。
しかし、それでも、少しむずかしい本を読むときは、ある程度のきっかけが必要になることがあります。
そのときに、自習室のZoom会場に入ることを1つのきっかけ作りにしていくといいのです。
◆◆推薦図書クラスの受講料と参加方法
推薦図書クラスの受講料は、月4回で月額3200円です。
推薦図書クラスにはそれぞれ担当の先生がいるので、そのクラスの曜日時刻に間に合わない場合や欠席する場合は、事前に連絡するようにしてください。
◆◆日本だけでなく海外にも広げる読書教育
私は、この推薦図書クラスを言葉の森の中だけでなく、子供たちの読書教育に関心のある多くの人に取り組んでいただきたいと思っています。
Kindleの本を中心にしたオンラインクラスなので、日本だけでなく海外にいる生徒も参加できるオンラインクラスです。
勉強する習慣とともに、本を読む習慣を子供たちの生活の中に作ることが、これからの教育には必要です。
日本の子供たちの読書教育を充実させていきたいと思っています。
(注)推薦図書クラスは、読書の授業と推薦図書検定をセットにしたクラスです。
推薦図書検定は、クラスに参加していなくても受けられます。
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言葉の森は45年前に作文教室を始めた時から、作文教室を読書と作文の教室にしたいと思っていました。
しかし、教室として生徒の指導をするためには、指導の方法論がなければなりません。
指導の方法論があるためには、評価の方法論がなければなりません。
そこでいろいろ工夫して作文評価の方法を作ったので、その後の作文指導は軌道に乗せることができました。
しかし、読書については、おすすめの本のリストだけは170冊作ったのですが、評価の方法がないためにそのリストは埋もれたままになっていました。
ところが、今回AIを活用して読書を評価する見通しがついたので、改めて推薦図書のリストを作り直しました。
作り直した推薦図書の基準のひとつは、その本が何年か後に絶版にならないということです。
そこで、すでにKindle化されている本に絞って推薦図書を作り直しました。
その結果、半数以上の本が図書リストから外れてしまいましたが、とりあえず80冊を小1から高3までの推薦図書のリストとすることができました。
高校生の推薦図書の中にはかなり難しいものもありますが、社会人になる前には、こういう本を教養として読んでおいてほしいというリストです。
このリストの続きの大学生版としておすすめしたい本には、「葉隠」「精神現象学」「成功の実現」などがありますが、それはいつか機会を見て作りたいと思っています。
▽推薦図書リスト
https://www.mori7.com/tosyo/
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