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小学1年生から始める新しい作文の勉強
森川林 2019/03/26 08:15 

 作文は、日本語力の集大成です。
 話し言葉の日本語は、文法も平易で、音の種類も少ないので、外国人にとっても学びやすい言語だと言われています。
 しかし、書き言葉になると、この日本語が急に難しくなります。
 だから、大人でも、作文を書くと、誤字や読みにくいところがあちこちにあるのが普通です。

 しかし同時に、日本語は一音がひらがなの一文字に対応しているので、小学1年生でも、ひらがなが書ければ、自分の話したいことを作文という形で書くことができます。
 日本で、小学1年生から作文の勉強が可能なのは、日本語のこういう特殊性があるからです。

 この作文を、小学1、2年生で書く場合の重点は題材です。
 ちなみに、小学3、4年生の重点は表現で、小学5、6年生の重点は主題で、中学生以上の重点は構成です。
 構成、題材、表現、主題という区分は、言葉の森の独自の考え方で、ほかにこういうことを言っているところはないと思いますが。

 さて、なぜ小学1、2年生の重点が題材かというと、この時期は、思ったことがそのまま言葉になって出てくる時期だからです。
 この時期の子供たちには、いい題材を選ぼうという意識はありません。
 だから、日曜日にどこかに遊びに行ったら、そのことを書くし、特に何もなかったら、今日のことを書きます。
 その「今日のこと」も、いつも同じ内容の、サッカーをしたことや、友達と遊んだことでいいのです。
 毎回同じことを書いても、苦になりません。
 思ったことが、書き言葉になって出てくること自体が面白いというだけなのです。

 小学1年生は、まだ指の力がないので、長く書くことはできないのが普通ですが、小学2年生になり、ある程度指の力がついてくると、子供たちは作文を長く書くことに燃えるようになります。
 この時期は、長く書くことがうれしい時期なのです。

 子供によっては、どこかに出かけたことを書く場合でも、朝起きてから夜寝るまでのことを千字以上書くこともあります。
 また、本をよく読んでいる子は、本に書かれているのと同じような空想の話を延々と書くこともあります。
 しかし、これは、子供たちの作文の実力ではありません。
 頭の中に思い浮かんだことをただ文字にして書いているだけなのです。

 この時期に大事なのは、ただあったことを書かせることではありません。
 そういう作文であれば、作文は普通に書けるからいいということになってしまいます。

 小学1、2年生の時期は、親子で経験を共有し、その経験をもとに対話をし、親の持っている語彙やものの見方や考え方を対話の中で自然に伝え、その対話の手段として親子で表現項目を工夫することなのです。

 言葉の森が、小学1、2年生の生徒向けに実行課題集を作っているのは、そういう経験の共有という目標があるからです。
 親が子供と一緒に行う経験には、季節の行事や、自然観察や、理科実験や、料理や、工作や、親子で楽しむ遊びなど、さまざまなものがあります。
 それらの経験が作文の題材になります。

 その経験のためには、わざわざお金をかけてどこかに出かける必要はありません。
 日曜日などのちょっとした時間に、「今日は、これをやってみようか」という感じで、親子で気軽に取り組むようなものこそが、子供にとって深い経験になります。

 そういう親子で共有できる経験を提供してくれる本が、最近数多くか出ています。
 私が、いいと思う本には、次のようなものがあります。

「理科好きな子に育つ ふしぎのお話365」


「しぜんとかがくのはっけん! 366」


 高学年の生徒であれば、理科実験の本がいいでしょう。

 しかし、これらの本を勉強的に使うのではありません。
 親子で共有する経験の材料として使うのです。

 小学1、2年生の作文の勉強は、表現を工夫することが目的ではなく、経験と対話から生まれる、言葉の使い方や、ものの見方や、感じ方や、考え方を自然に育てることに意義があり、それがその後の作文力の土台となっていくのです。

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森川林 20190326  
 小学校低学年の学力で最も大事なものは、日本語力です。
 日本語の力は、単に国語という一つの教科の力ではなく、ものごとを考える土台となる力だからです。
 しかし、日本語は話し言葉が容易なので、子供が話しているのを聞いているだけでは、日本語力は何も問題ないと思ってしまうのが普通です。
 書くときになって初めて、その子の日本語力が出てくるのです。


nane 20190326  
 うちの子は、何の習い事もせず、塾にも予備校にも行かず、やったのは小1からの言葉の森だけ。(あと、1人の子はバスケットボール。)
 自分ではななく、ほかの先生に教えてもらいました。
 家でやっていた勉強は、音読と読書と対話と算数をほんの少しだけ。
 だから、算数は途中まで苦手か普通でしたが、受験勉強を始めるとすぐにできるようになりました。
 こういう生活でいちばんよかったと思うのは、小中学校時代はかなり暇だったことです(笑)。


森川林 20190326  
 今日の記事ですすめた2冊の本は、読むためだけの読書ではなく、実験したり観察してみたりするための読書です。
 子供は、面白そうなことが書いてあると、すぐに自分でもやってみたくなります。
 そのための材料を提供してくれる本が、小学校低学年のいい本です。

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お母さんとの対話が子供を賢くする――作文発表交流会の作文から
森川林 2019/03/25 07:05 

 小学5年生の課題は、急に難しくなります。
 それは、受験作文に対応できるモードになるからです。

 小4までの作文は、子供が似た話を親に取材したときでも、その場で簡単に答えることができました。
 例えば、「がんばったこと」とか、「痛かったこと」とか、「私の大好物」とかいう課題だったからです。

 しかし、小5からは、親も準備をしておかないと、とっさには答えられないような話を聞かれるようになります。
 例えば、「創造とは」とか、「科学の発達について」とか、「里山の自然」とかいう課題になるからです。

 このときに、お母さん(時にはお父さん)が話してくれる似た話は、子供にとって初めて聞くことが多いものです。
 それは、家庭の日常会話で、親が突然、「あのね、創造とはね……」というような話をすることはまずないからです。

 子供はもちろん、友達どうしでもそういう会話はしません。
 読んでいる本も、そういう話題の本であることはまずありません。

 ところが、受験の作文課題や、国語の問題では、そういう抽象的な分野が出てきます。
 そのときに、問題集だけで勉強してきた子と、親と話してきた子では、問題の消化の仕方がかなり違ってくるのです。

 先日の作文発表交流会で、やはり小学校高学年の子が発表した作文の内容は、どれもそういうお母さんに聞いた具体的な話が入っていました。
 こういう会話が毎週あるというのは、親にとっては負担があるかもしれませんが、同時に子供と話す楽しい時間でもあると思います。

 そして、この親との対話の中で、子供の語彙力や思考力が育っていくのです。

▽先日の作文発表交流会の作文から(面白い作文がたくさんありましたが、その中からひとつだけ)


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森川林 20190325  
 子供たちはみんな、学校で同じような勉強をしています。
 子供たちを取り巻く社会の環境も、大体どこも同じです。
 生まれつきの差はあるかもしれませんが、それはほんのわずかです。
 しかし、小学校低学年のころから既に思考力の差がかなり出てきます。
 それは、家庭での日常生活における読書(読み聞かせ)と対話の差なのです。
 だから、勉強をさせるために塾に通わせるより、毎日の生活の中で、読書と対話を少し意識的に行うだけで子供は大きく変わります。(ただし、最初のうちはその変化は目立ちませんが。)


nane 20190325  
 子供の学力の差とは、日本語力の差です。
 その日本語力は、塾で国語の勉強をすることによってつくのではありません。
 もちろん通信教育の国語の問題集でつくのでもありません。
 家庭の日常生活の中の読書と対話によってつくのです。
 だから、読書と対話のきっかけとなる言葉の森の作文の勉強が大事になるのです。


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