2024年3月19日現在

森林プロジェクトの手引
 この手引には、facebookのグループなどで投稿された記事やコメントのうち、重要なものを整理して載せています。
http://www.mori7.com/shine/shinete.php

言葉の森 森林プロジェクト
【目次】
更新 1日前 1週前 1か月前 2か月前 編集室

■■■1.はじめに
  1.更新履歴(20210920更新)
  2.この手引について(20210920更新)
■■■2.経営
  3.説明
   1.受講料の決め方
■■■3.運営
 ■■1.全体の流れ
 ■■2.受講から合格まで
  1.受講料、受験料振込みの手続き
  2.事務局から資料の送付
  3.指導テキストを読んで試験問題を解く
  4.答案と口座振替依頼書の提出
   1.答案の提出
   2.口座振替依頼書の提出
  5.事務局から合否通知
 ■■3.講師登録から教室登録、人数報告、教材注文まで
  1.講師登録
  2.教室登録
  3.人数報告
  4.教材注文
■■■4.指導
  5.実際の指導を始める
  6.教材費などの引き落とし
 ■■1.自宅で自分の子供を教える場合
  1.先生と生徒という形で教える
  2.近所の子供が集まることも
 ■■2.教室を開いて地域の子供を教える場合
  1.大事なのは宣伝よりも継続
  2.しかし、宣伝をしないと人は集まらない
 ■■3.指導の流れ
  1.毎日の自習、家庭での予習、保護者との連携、事前の指導がポイント
  2.先生が用意するもの
  3.生徒が教室に持ってくるもの
  4.父母に準備してもらうこと
  5.通常の授業(1・2・3週)
  6.先生の次の週までの準備
  7.通常の授業(4週の清書)
 ■■4.体験学習、父母や生徒に対する最初の説明
  1.体験学習の仕方
  2.作文の体験学習(動画)
  3.家庭での取り組み(動画)
  4.構成図の書き方(生徒が自分で書く場合)
  5.構成図の書き方(親が手助けする場合)
  6.音読・暗唱の仕方(動画)
  7.付箋読書の仕方(動画)
  8.問題集読書の作り方、読み方
  9.教室での勉強の仕方(動画)
 ■■5.指導のコツ
  1.他人の子も一緒に教えた方が楽だが自習が大切
  2.構成図を使って、字数を長く書けない子や全然書けない子にも書かせる
  3.音読は毎日の習慣で。学校の宿題と重なったときは
  4.暗唱はできれば先生も親も一緒にやってみるとよい
  5.教室の時間は1時間から1時間半。時間が余ったら読書で、書ききれないときは家で
  6.読書は、自分の好きな本を毎日10ページ以上
  7.教えすぎないこと
  8.指導に笑いを

 
■■■1.はじめに
1. 更新履歴(20210920更新)
 ●全体に更新しました。

2. この手引について(20210920更新)

  1. ▼森林プロジェクトの講師講座案内
    https://www.mori7.com/sikaku/
     森林プロジェクトの一般向けの紹介ページです。
  2. 森林プロジェクトの手引
    https://www.mori7.com/shine/shinete.php
     森林プロジェクトの指導と運営の手引を掲載しています。
  3. ▼森林プロジェクト掲示板
    https://www.mori7.com/ope/?k=spj
     森林プロジェクトの情報連絡、情報交換の掲示板です。
     Facebookに登録していない方もいるので、この掲示板が情報のメインになります。
  4. ▼森林プロジェクトのfacebookグループ
    http://www.facebook.com/groups/shinpro/
     facebookのグループは、交流の場として自由に投稿やコメントを交換してください。
     講師資格講座を受講していない方も参加できます。
  5. ▼森プロプロ(森林プロジェクトプロ)のfacebookグループ
    http://www.facebook.com/groups/shinpropro/
     講師資格講座を受講し、生徒指導を始めるようになった人の交流の場です。

■■■2.経営
3. 説明
 一般に、教育事業を行う場合、初期費用として加盟金などが50万円以上かかる場合があります。また、月々のロイヤリティは10%以上のところが多く、そのほかに教材費などの費用もかかります。
 森林プロジェクトの場合は、一括又は分割払いのみで、教材費は、自分でプリントをすれば無料です。印刷郵送を依頼した場合も生徒一人あたりの価格はわずかです。
 また、指導や運営に関するアドバイスもいつでも受けることができます。

1. 受講料の決め方
 現在行われている子供向けの作文通信教育では、3,000円で月1回、5,000円で月2回など、実際に文章を書く機会が少ないものが多く、書く習慣がつきません。また、書いたあとの事後的な赤ペン添削が中心であるため、上達するコツがつかめません。
 言葉の森の作文指導は、月4回のペースなので作文を書く習慣が定着します。また、毎日の自習と予習が学習の中心で、事前指導に力を入れているため、作文力が確実に向上します。
 それを踏まえて、月4回、週1回の授業を原則として受講料を決定してください。

■■■3.運営
■■1.全体の流れ
 講師資格試験から実際の指導までの流れは、次のように進みます。
 以下の説明にでてくるページのリンク先は、森林プロジェクトのトップページにあります。
http://www.mori7.com/shine/
↓講師講座受講申込み
↓受講料支払い
↓教材・試験問題送付
↓講師資格試験
↓合否連絡
↓講師登録
↓教室登録
↓人数報告(指導を始める場合)
↓教材注文(〃)
↓指導開始
↓人数報告は毎月の月初めに行ってください。

■■2.受講から合格まで
1. 受講料、受験料振込みの手続き
・受験料の振込先は、
三井住友銀行 港南台支店 普通 6599615 株式会社言葉の森

2. 事務局から資料の送付

  1. 講座を受講される方には次のものをお送りします。
    「講座DVD」
    「森林プロジェクトの手引」
    「指導テキスト(小学生コース)」
    「指導テキスト(中学生コース)」
    「指導テキスト(高校生コース)」
    「試験問題(小学生コース)」
    「講座振替依頼書」
    「試験問題(中学生コース)」
    「試験問題(高校生コース)」

3. 指導テキストを読んで試験問題を解く
・できるだけ多くの方に合格していただくための試験です。
 不明な点がありましたらご遠慮なくご質問ください。
 質問は、森林プロジェクトの掲示板でも受け付けています。

4. 答案と口座振替依頼書の提出
1. 答案の提出
・答案を事務局に郵送してください。
234-0054横浜市港南区港南台4-21-15言葉の森

2. 口座振替依頼書の提出
・口座振替依頼書を提出してください。
 ただし、自動振替が行われるのは、実際に指導が始まってからです。
(海外にお住まいのため日本国内の金融機関口座をお持ちでない方は、PayPalなどで対応しますのでご相談ください)

5. 事務局から合否通知
・合格した場合は、合格通知をメールで連絡します。
・不合格の場合は、メールで連絡するとともに試験問題を再送します。「講評」を参考に再度答えを書いて提出してください。

■■3.講師登録から教室登録、人数報告、教材注文まで
1. 講師登録
 試験に合格したら、講師登録をしてください。
▽初回の登録のページ
https://www.mori7.com/shine/skn/shkousi_tr.php
 ここで、講師登録をしてコード、パスワードを決めると、講師関係のほかのページに入れるようになります。

▽講師登録の編集ページ
https://www.mori7.com/shine/kousi/shkousi.php

2. 教室登録
・教室の名前、開く場所などを登録してください。
http://www.mori7.com/shine/kousi/shkyousitu.php
・教室登録は自由です。
・自宅で自分の子供だけを教える場合も、自宅を教室として登録してください。
・教室登録で、「言葉の森のホームページに教室の掲載を、希望する」を選択すると、言葉の森のホームページにその教室の情報を掲載します。
(これがその教室の宣伝も兼ねます)

3. 人数報告
・毎月7日までにその月の初日の生徒数を報告してください。
http://www.mori7.com/shine/kousi/shninnzuu.php
・教室登録が「掲載希望」になっており、人数報告があった教室は、言葉の森HPにリンクが掲載されます。言葉の森HPはアクセス数が多いため、宣伝効果があります。

4. 教材注文

・教材は、プリント島で自分でプリントできますが、ページ数が多いので、事務局に注文していただいても結構です。

○課題フォルダ……550円/冊(4-6月分、7-9月分、10-12月分、1-3月分の3か月分でその時期の3か月分のもの。モノクロ両面40ページ程度で学年別)
○受講案内……10部1000円(父母向けの案内。モノクロ両面20ページ程度)

※いずれも送料込みの金額です。その月の注文分は、翌月の教室料生徒料の自動振替に加算します。
※郵送の対象は当面国内に限らせていただきます。(海外は郵送の実費を加算する形で検討します)


■■■4.指導
5. 実際の指導を始める
 教室の宣伝や体験学習を行い、実際の生徒の指導を始めるようになったら、次のような流れで進んでいきます。

  1. 毎日の自習として暗唱・音読・読書をできる範囲で徹底させてください。また書くことを準備して決めてくることも徹底させてください。
  2. 自宅で親子二人で勉強するような場合は、週1回の授業の開始に、「授業と予習の掲示板」や「授業の渚」の動画を見るとスタートのきっかけがつかみやすいと思います。
  3. 実力をつけるのは毎日の自習と予習です。作文はその結果です。作文の上で直したり注意したりすることはできるだけせずに、作文はいつもいいところを褒めて見てあげてください。
  4. 先生が先頭に立って教えるという形ではなく、子供が自分で勉強し先生はそれを後ろから見守るというような感じで勉強を進めていってください。
  5. 勉強を進める際に困ったことがあったら、森林プロジェクトの掲示板などでいつでもご相談ください。
  6. 作文の勉強の目標がつかみやすいように、発表会や作文検定の機会をご利用ください。


6. 教材費などの引き落とし
・教材費は、1年分まとめてではなく、教材注文があった月ごとに行います。教材注文をした翌月に引き落としがあります。
■■1.自宅で自分の子供を教える場合
1. 先生と生徒という形で教える
 自宅で自分の子供を教える場合は、形を整える工夫が必要です。
 毎週定期的に教えるようになると、形を決めておいた方がやりやすいからです。
 例えば、
1、勉強する曜日、時間、場所を決める。
2、勉強する時間帯は、先生と生徒という関係にし、呼び方も「先生」と呼ばせる。(近所の子供を教えるようになったときも、親子関係ではなく先生生徒関係にしておいた方がスムーズに移行できます)
3、決めた日時にできないときは、理由を話してきちんと休みにするか、別の日に時間をとる。(忙しいからあとでやろうというなれあいの関係にしない方が長続きします)
4、しかし、決して教えすぎず、いつも褒める形で続ける。(作文を上達させるのではなく、作文に結果として現れている読む力、考える力を気長に育てることが目的です)

2. 近所の子供が集まることも
 子供が暗唱が得意になると、何かのきっかけにそれがほかの人に注目されることがあります。
 また、作文が上手になり、小学生新聞に掲載されたり、コンクールに入選したりすると、それが話題になることがあります。
 その結果、募集するわけでもないのに、自然に子供の友達が一緒に作文を習いたいと言ってくる場合があります。そのときは、子供の友達であっても、通常どおりの料金を設定し家庭学習を徹底する形で指導にあたってください。

■■2.教室を開いて地域の子供を教える場合
1. 大事なのは宣伝よりも継続
 教室を開く場合、大事なのは、宣伝よりも教えている子供たちが継続することです。
 継続する中で、クチコミが次第に増えていき、宣伝をしなくても生徒数が少しずつ増えていくようになります。
 継続の要は、次週を定着させることです。特に、暗唱と読書の自習を徹底させると、保護者からの信頼も得られ、子供の実力も確実に上がっていきます。

2. しかし、宣伝をしないと人は集まらない
 長期的にはクチコミで継続する生徒が増えるとしても、最初の生徒募集は宣伝しなければ集まりません。
 宣伝の方法には、次のようなものがあります。
・地域のタウン紙などへの広告(小さい枠でも見る人が多い)
・チラシ配布(無料体験学習のチラシを自分でポスティング。最近はチラシやポスターは反応が低いが地道な宣伝が大事)
・ブログやホームページの開設(「地域名+作文教室」などをタイトルや本文に使うと、検索で来る人がいる)
・宣伝の時期は、1~3月、9~10月で、この時期に無料体験学習を行うと集まりやすい
・生徒の作品の展示会(スペースを借りられれば生徒の作品を展示し、受講案内と無料体験学習のお知らせを置いておく)

■■3.指導の流れ
1. 毎日の自習、家庭での予習、保護者との連携、事前の指導がポイント

     言葉の森以外の作文教室は、毎日の自習や家庭との連携なしに、子供たちにただ作文を書かせてそれを事後的に赤ペンで添削するという形が主流です。しかし、これでは長続きしません。
     次の点を指導のポイントにしていってください。
  1. 読書、音読、暗唱などの自習を毎日行うことを徹底させる
     毎週、授業のときに、読んでいる本を持ってこさせ、その週の暗唱をチェックし、その週の課題や長文を子供から説明させるようにします。
     自習ができていないときは、こまめに保護者に連絡をするようにします。
  2. その日に書いた作文は、その場で読んで赤ペンを入れ、週や字数を書き込み返却する
     次の指導の準備のために作文の画像を撮影しておいてもいいです。
     事前指導が指導の中心なので、事後評価は簡単に確認するだけでよいとします。
     そのかわり、生徒がその日の作文をその日のうちに持ち帰る方が、作文を家庭で話題にしやすくなります。
     授業の最後に次の週の予習シートなどを渡し、家族に似た例を取材するなど準備してくるように伝えます。
  3. 保護者の携帯メールを登録してもらい、その日の授業の様子を随時伝えるなど家庭との連携を図る
     当日の作文を家庭で話題にしたり、赤ペンを家庭で追加してもらったりするなど、家庭の協力を依頼します。
     次週の課題の似た例を家庭で話題にし、事前に構成図を書いてくるように依頼します。

2. 先生が用意するもの
・教材プリン島で印刷した学年別の課題集
・原稿用紙(通常の週は生徒持参の作文ノートに書かせ、毎月4週目の清書の週は、先生の用意した原稿用紙に書かせると、展示会などに利用できます。製本してあるものよりもバラのものの方が、自動紙送り式のコピーでまとめてコピーしたりスキャンしたりするときに便利です。)

・作文用ノート(ノートは、作文を書くことに使いますが、そのほかに、読書の記録や、誤字の書き直し、父母への連絡などにも使えます。)<
 左から順に、コクヨ、セレクト、アピカ、極東の200字原稿罫ノート。低学年用として120字、150字などもあります。
 方眼罫のものも人気があり、ルーズリーフ形式のものもあります。ただし、字数は自分で数える必要があります。
   
・生徒の作文を写しておくためのデジカメがあると便利です。
・このほかに、毎週、次の週の予習シートを渡して家で書くことを準備させてきます。予習シートは、予習シートのページを参考にして先生がそれぞれの教室用のものを作ってください。(見本は、構成用紙という用紙を使っていますが、普通の白紙に書いていけばいいです。また、見本ほど詳しく書かなくていいです。)
▽予習シートのページ
https://www.mori7.com/oka/yosi.php





3. 生徒が教室に持ってくるもの
・生徒が教室に毎週持ってくるものは、課題集、作文ノート、筆記用具、本です。
(読んでいる本を1冊持ってきてもらいます。読書状況の確認のためと、勉強が早く終わり教室で待っているときなどに読むためです。)

4. 父母に準備してもらうこと
 勉強の基本は、家庭で行う毎日の自習と毎週の予習です。
 自習と予習は、子供が自主的にやるものですが、子供に任せる形ではできません。しかし、親が毎回指示してやらせるのでもありません。子供が自立してやるように、親が工夫して誘導していくのです。

(1)朝起きたら、朝ごはんの前に、その週の課題の長文の音読(2分程度)と、その月の暗唱長文の暗唱(10分程度)をさせます。
(家族で旅行に出かけたときなども、課題集は持っていき毎日欠かさす行うようにさせるぐらいにします)
(中学生になると、暗唱や音読を嫌がるようになります。暗唱が無理な場合は音読だけでもやむをえません。課題の長文の音読も無理な場合は黙読でもやむをえません。しかし、後述の長文の説明がうまくできない場合は読む回数の不足ですから嫌がっても音読をさせてください)(2)毎日、夕方の勉強(学校の宿題など)が終わったら、その勉強の最後は必ず読書の時間として、読書を○ページ読み終えたらあとは自由に何をしてもいいとします。
(最低10ページ以上。漫画、学習漫画、絵本、図鑑以外のものであれば、易しい本でもかまいません。しかし、毎日読むことが大切です。読書力のある子は、毎日50ページ以上などと決め直してもいいです。この読書時間は、できれば家族全員が読書をするようにし、その間、テレビなどは決しておきます)
(小6の受験生や中3の受験生で本を読む時間がとりにくい場合は、問題集読書として、入試問題集の問題文を毎日10分黙読で読むようにしてもいいです)
(3)作文の授業がある日までに、予習として、その週に何を書くつもりかということを家族の中で説明させます。長文の感想文の場合は、長文の内容を説明させます。ここで、長文の内容がうまく説明できない場合は、音読の回数の不足です。
(4)子供が、予習として作文の課題や長文の内容を説明したら、親はできるだけ似た話をしてあげます。この似た話が作文の題材のひとつになります。
(5)授業の週の作文は、家庭で見て、いいところを評価するようにします。
(欠点を直そうとしたり、間違いを注意したり、からかったりするようなことはしません)
(中学生以上の生徒は作文ノートを見せるのを嫌がりますが、その場合は無理に見る必要はありません)

5. 通常の授業(1・2・3週)
 できるだけ子供が自分でやれるように全体の流れを決めておきます。
 一斉授業という形はあまりないので、ある時間の範囲でそれぞれ到着した順に席につく形です。

(1)教室に来たら、自習の暗唱を練習させ(練習しなくてもすぐにできる子はそれでもかまいません)、課題集と作文ノートと読んでいる本を先生のところに持ってきます。
(2)先生は、すぐに暗唱を聞いてチェックします。(最初に雑談などをすると暗唱を忘れてしまうことがあるので、すぐにやってあげるといいです)
(3)暗唱ができたら、暗唱した番号をノートに書き◎をつけます。暗唱が不十分だったら△などをつけ、来週もう一度同じところをやらせるようにします。(しかし、毎日暗唱の自習をしていればできるのが普通ですから、暗唱がうまくできない子は、親に毎日の自習を徹底してもらうようにします)
(4)読んでいる本をチェックします。書名と今読んでいるページをノートに書かせます。
(5)その週の課題でどういうことを書くか生徒に説明させます。(感想文の場合は、長文の内容を説明させます)
(6)作文を書かせます。
(7)時間を区切る場合は、終了時間の10分前、5分前にそれぞれ声をかけ、時間になったら途中でも終わりにさせ、続きは家で書かせます。
(8)書いている間、先生に余裕があれば子供の書いている状態をときどき見回り、励ましの声をかけてもいいです。
(9)作文を書き終えた順に先生のところにノートを持ってこさせます。
(10)ノートをざっと見て、いいところに◎______、まちがえているところに△(   )などの記号をつけて返却します。(子供が並んでしまうなどして、書き込む時間がとれない場合は、見たという印の日付だけ書いて返却します)
(11)予定の時間よりも早く終わりすぎた子は(低学年の子は早く終わることも多いので)、持ってきた本を時間まで読ませます。
(12)次の週の予習シートをわたし、両親に取材するなどして書くことを準備してくるように話し、帰宅させます。

6. 先生の次の週までの準備
 作文ノートは、その日に生徒が自宅に持ち帰るので、先生の手元には何も残りません。
 作文への赤ペンは、その場でつけて、それをデジカメで撮影し保存しておくようにします。
 次の週の準備として、学年ごとに予習シートを書いておきます。(予習シートの書き方は、予習室のグループを見てください)
 暗唱がうまくできなかった子、本を持ってこなかった子、予習ができていなかった子は、早めに親に連絡して、次回できるようにさせておくようにしましょう。

7. 通常の授業(4週の清書)

 4週めは、それまでの1・2・3週にノートに書いた作文のうち、いちばんよく書けたものを清書させます。
 清書用の原稿用紙は、先生が用意して渡します。
 清書のポイントは、次のとおり。
(1)ていねいに書く(2)できるだけ漢字を使って書く(3)直すところがあれば直して書く(4)たとえなどの表現を工夫できるところがあれば工夫する(5)付け加えて長くする(6)空いているところに絵をかく(展示のときの印象がいいので)(7)小2までの低学年では、字を書き写すのが難しい場合もあります。そのとき、直接新しい作文を書いてもよいとします。
(8)長い作文を清書させると苦痛になることがあります。長すぎる作文は、先生が途中までで切って、短い清書に直してあげます。

 清書の週は、早く終わる子も多いので、読解問題も行います。ただし、清書に時間がかかった場合は、清書だけでよいとします(読解問題は、家でやってこさせても構いませんが、あまり無理にやらせる必要はありません)

 清書の週は、前月の清書を教室に展示し、保護者の見学と懇談も企画するといいと思います。清書なので、先生と親が話をしても、勉強の邪魔にはなりません。展示や懇談というイベントがある方が、清書をきれいに書こうという意欲に結びつきます。
 展示の終わった前月の清書は、次の1週の作文ノートと一緒に返却します。

 授業の終わりに、次の週の予習シートを渡します。

■■4.体験学習、父母や生徒に対する最初の説明
1. 体験学習の仕方

 体験学習のときは、3ヶ月の課題集のいちばん最初の週の課題で書く練習をさせます。(10−12月の課題集だったら10.1週の課題。書きやすいものが多いからです)
 項目は全部説明せず、できるだけ簡単にできることを中心に教えます。(体験学習の動画をいつか載せますので参考にしてください)

 保護者が付き添いで来ている場合は、保護者に次のようなことを説明します。
(1)書いた作文は、いいところを見て褒めてください。不十分なところを見つけて直したり注意したりする必要はありません。
(2)次回は、○○の題名で書くことを決めてきてください。(課題集の適当な課題を決める。小2まではただ書くことを決めてくるというだけでよい)
(3)暗唱の仕方などは、スタートしてから説明するので、また何もしなくていいとしておきます。

 体験学習は、2回行います。2回目も同じような指導をしますが、1回目によくがんばって書いたからと言って、2回目にも同じ字数を要求してはいけません。1回目と同じように書きやすい項目だけを指導します。
 2回目の体験学習のあと、継続する場合は3回目も同じ時間に来てもらうようにします。

 入会がきまったら、暗唱の手引を見せて、試しに暗唱長文の最初の1番の100字を30回暗唱させます。
 それができたら、次週までに1−3週300字を暗唱するように言います。
 暗唱は、親の協力が必要ですから、親に10分程度の暗唱の練習を毎日欠かさずやるように伝えます。

2. 作文の体験学習(動画)
https://www.youtube.com/watch?v=dSZA2HBoj_I
3. 家庭での取り組み(動画)
https://www.youtube.com/watch?v=arkstSoNVpc
4. 構成図の書き方(生徒が自分で書く場合)
https://www.youtube.com/watch?v=ZEulS-HRGxc
5. 構成図の書き方(親が手助けする場合)
https://www.youtube.com/watch?v=4QEN8W9yHDc

https://www.youtube.com/watch?v=DA3_a9F-ZSA

6. 音読・暗唱の仕方(動画)
https://www.youtube.com/watch?v=WaGYxT-nUnk
7. 付箋読書の仕方(動画)
https://www.youtube.com/watch?v=c3d1U3TfJ6M
8. 問題集読書の作り方、読み方
https://www.youtube.com/watch?v=m7ZE8m7HZns
9. 教室での勉強の仕方(動画)
https://www.youtube.com/watch?v=MP1sxkCBUrg
■■5.指導のコツ
1. 他人の子も一緒に教えた方が楽だが自習が大切

 自分の子供だけ教えるというのはほんとに難しいです。少しでも他の子が入るか、もしくはまったく他の子だけというのがやりやすいと思います。
 しかも!
 他の子がたくさんいても、自分の子は甘えてきます。6年ぐらい前に教室を始めたとき、うちの子も特別扱いしてほしくて、よくややこしいことを言ってきました。そのときに、「これは仕事だから、ちゃんとやらなくちゃいけない」みたいなことを言っても効き目がなく、「お母さんは学校ごっこをやってるからごっこのルールはちゃんと守ってもらわないと困る。あなたが友だちとやってるおうちごっこといっしょ」と言ったら効果があったのをふと思い出しました。うちの子6歳でした。小さかったなあ。

 子供たちに作文を教えるというのは、いい子ばかりだったら、すごく楽しいです。
 しかし、いい子じゃない子がかなりいます。それは、家で読書や対話の習慣がない子です。
 だから、家庭での自習と教室での学習を結びつける形ができれば、理想の教室ができると思います。

 自分の子供を教えるというのは、けじめのつきにくいものです。普段から、きびしくしているお父さんやお母さんならいいのですが、普通は、家庭でぐうたらしていることもあるので(笑)、子供が「やりたくなーい」と甘えると、「じゃあ、いいか」となってしまいがちです。
 たぶん、湯川秀樹が小1から素読の練習ができたのは、身近な両親ではなく、祖父というちょっと遠慮する関係の人に指導されたからだと思います。
 そこで、親が子に教えるときのコツは、ひとつは、言葉づかいを変えさせるということです。「おとうさん」とか「お母さん」とか呼ばずに、その時間帯は、「先生」と呼ばせるようにします。また、言い方も、「あれ取って」というようなことを言ったら注意して、「消しゴムを取ってください」などと礼儀正しく言うようにすることです。この言葉づかいと変えるというのは、演劇ごっこのようですが、かなり効果があります。要するに、親子で、先生生徒ごっこをするという位置づけでやっていくということです。
 その演劇を更に効果的にするのが、親子以外の別の子供です。家庭の中に、ひとりでも他人がいると、場が社会的になります。そして、別の子が入ると、最初からいた子が、必ず先輩風を吹かして、「ここは、こうやるんだよ」と親切に教え始めます。先生がやらなくても、子供どうしで頑張りだすのです。でも、そのためには、できれば同じぐらいの実力のある子を呼ぶようにすることと、先生は、たとえ、子供たちに実力の上下があったとしても、絶対に比較せずにそれぞれのいいところをたっぷり褒めていくことが大事です。

2. 構成図を使って、字数を長く書けない子や全然書けない子にも書かせる

昨日、来てくれたのは小学生ばかりで、私が構成図や「はじめに絵を描く」を、でたらめに面白い発想をしてみせたら、いちいちリアクションしてくれて、すごく楽しかったです。構成図とか絵とかほんとうにいいですね。その後で書く作文がすらすら出来上がっていくようで、書いている本人たちがとても楽しそうでした。付き添いのお母さんも、「こんなに書けるなんて!」とびっくりされていました。私もびっくりしました。

 それはよかったですね。
 教室で体験学習をするときも、子供たちもお母さんもみんな緊張した面持ちで来ますが、説明を聞いているうちにどんどん顔が明るくなって、書き始めるとみんなどんどん書きます。
 それで、子供本人も、お母さんも驚くようです。

 で、このあと、音読と暗唱を自習として定着させることができれば、どんな子でも絶対に上達します。
 この自習の定着をどううまく進めるかというのが、今の言葉の森の指導のいちばんの課題です。
 しかし、通学教室なら、通信教室よりも自習の徹底はしやすいと思います。

 子供の作文は、うまさよりも、まずは字数ですね。
 1回の作文で学年の200倍まで書くことができれば、字数の力はあるということにしています。
 小2なら400字、小4なら800字、小6以上なら1200字です。
 しかし、600字あたりで壁があり、なかなか字数が伸びなくなる子がいます。
 そういうとき、構成図でふくらませると、書き方のコツがわかってくるようです。いつか、その実演をしたいと思います。(でも、私がやると話のレベルが低くなるので、あまり参考にならないかも)

3. 音読は毎日の習慣で。学校の宿題と重なったときは

 音読は単純だから、勉強の目標のようなものとして取り組むと、だんだん飽きてきます。
 歯を磨いたり顔を洗ったりするのと同じような感じで、適当でもいいから毎日続けるということでやっていくといいようです。
 暗唱は、「できた!」という感覚があるので、達成感があって楽しいようです。

 長文音読は、かなり効果があるのですが、同じ文章を読むというのは、みんないやがるんですよね。うちの子どもたちもそうでしたが(笑)。
 暗唱というのは、音読よりも結果が出るので意欲的に取り組めます。(本当は音読と暗唱の両方できるといいのですが)
 毎日やってきた子は、たぶんうまくできますが、毎日やっていない子はうまくできません。毎日やらせるという点で、親の協力が必要になると思います。

 (音読は) 学校よりも、言葉の森の方を優先した方がいいです。
 どうしてかというと、
1、言葉の森は理論の裏づけがあってやっているが、学校は思いつきでやっている。
2、言葉の森ならずっとできるが、学校は学年が上がるとたぶんやらなくなる。
3、言葉の森は同じものを繰り返すことを重視しているが、学校は音読することだけを目的にしている。

 ですから、朝ご飯の前という、毎日確実に時間を確保できる時間帯に言葉の森の自習をして、夕方の勉強の時間に学校の宿題をやっていくといいと思います。
 子供は同じことを二つ続けてやるのは嫌がるので、朝は言葉の森、夕方は学校の宿題と分けておくといいです。

4. 暗唱はできれば先生も親も一緒にやってみるとよい

 本当は、子供にやらせる前に、お母さんやお父さん自身で1週間ぐらい毎日10分やってみるといいです。
 そうすると、暗唱のコツがわかるので、子供にも自信を持ってアドバイスできるようになります。

5. 教室の時間は1時間から1時間半。時間が余ったら読書で、書ききれないときは家で

あなたは×年生なので、1時間で○○ページ読めると考えて、40分残っているので、○×ページ読んでね、みたいな説明がどこかにあった気がするのですが。体験生のひとりのお母さんが帰宅時間をすごく気にされていて、もうひとりのお母さんは付き添いでいっしょに見学に来られるそうです。ぜんぶで2時間ですとお伝えしてあるので、2時間分、形式どおりにやろうと思っていて、そんな説明をどこかで見た気がするのですが、お心当たりあればお知らせください。

2時間の授業というのは長すぎる感じです。
 でも、二通り考え方があって、
・教室では1時間ぐらいで書いておしまい。早く家に帰って家での時間を充実させる。
・昔の寺子屋のように半日たっぷり遊びながら勉強しながらのんびりやる。
のどちらの方向に進んでもいいと思います。

 ただ、教える先生の時間的負担があるのはよくないので、時間制限をするといいと思います。
 特に、小学校高学年でがんばる子になると、3時間ぐらい書く子はよくいるので、それをそのまま認めてしまわない方がいいです。1時間半ぐらいで打ち切って、書ききれない分は家で書くというふうにしていくといいと思います。

6. 読書は、自分の好きな本を毎日10ページ以上

 読書は、学年の10倍ページが目安ですが、
1、きりがよくないと覚えにくい
2、要するに毎日読むことが大事なので最低限の字数は少なくてもよい
ということで、どの学年も毎日10ページ以上ということでやっていくといいと思います。
 読書の苦手な子は、律儀に10ページぴったりまでしか読みませんが、それでも毎日10ページ読んでいると、いつか必ず面白い本に巡り合って急にたくさん読むようになります。

7. 教えすぎないこと

 自宅、又は、近所の会場で、子供を教える場合の指導のポイントですが、まず、絶対にやりすぎないということが大事です。特に、自分の子供だと、熱心に教えてもっと書けるようにしようと思いがちですが、そして、子供はその期待に応えて必ずついてきますが、そういう姿勢でやると、必ず先生が怒りやすくなり(笑)、子供もくたびれてきます。
 作文は、字数が少なくても、うまくなくても、基本は褒めて励ますだけにして、そのかわり、毎日の自習(読書、暗唱、音読、対話)に力を入れていくことです。
 作文(小論文)の指導と銘打っているところで(塾でも予備校でも通信教育でも)、作文の実力を向上させられるところはまずありません。本人のもともと持っている実力の範囲で、上手に書かせることができるだけです。それは、みんな、作文を指導しようとするからです。
 作文というのは、結果です。上手にさせるいちばんの要因は、作文ではなく、読む力をつけることにあります。作文が花だとすると、読む力が根っこという関係です。くれぐれも、作文を教えすぎないようにやっていってください。

8. 指導に笑いを

 子供は、明るいことが好きです。真面目に厳しくやるのが好きになるのは、勉強の自覚ができた中3以降です。それまでは、くだらない冗談でいいので、できるだけ面白くやることです。
 毎週のギャグのネタをひとつ仕入れておき、子供たちが、今日はどんな面白いことがあるのかなあと楽しみに思うような工夫をしていきましょう。最初は無理してダジャレなどを言っていても、だんだん、それが板についてきます。そうすると、自分も楽しい気分になるし一石二鳥。
 ただし、ここで注意するのは、楽しくなりすぎると、作文が書けなくなるということです。勉強の前に、面白い話を講義風にしてもいいのですが、時間はせいぜい15分です。それ以上、先生が活躍すると、生徒は勉強する雰囲気をなくします。
 面白い話をしたら、早めに切り上げて、あとは真面目な顔をしてやっていくことが大事です。でも、真面目な顔をしつつ、声は優しく穏やかにして、授業の最後には、また楽しくやるような感じで進めていけるといいと思います。(かなり高度(笑))