| だれにも分からない痛み |
| オナガ | の | 森 | の広場 |
| テリー | / | あたや | 小4 |
| 「キンコーンカンコーン」 |
| 二月十七日金曜日、体育の時間だった。 |
| 「ならんでください」 |
| 「出発します」 |
| ぼくは、ならばせ係だった。 |
| 「カタコトカタコト」 |
| 体育館に着いた。ぼくは、 |
| 「ランニング3周かよこんな寒いのに」 |
| と、心の中で思った。そのときすでにぼくの体にすごいとりはだが立ってい |
| た。それでぼくは手を体操着の中に入れて走った。そしたら牧野君が笑いなが |
| らいっしょに走ってくれた。そしてあと1周半のときに |
| 「ゴン」 |
| 「ゴン」 |
| ぼくがこけた。そして牧野君もこけた。ぼくが前だったのでまるで逆ドミノ |
| だ。ぼくは痛かった。だけど、ぼくと、牧野君は笑った。けっきょくあの走り |
| 方はバレず、おこられずにすんだ。 |