| 比喩という財産 |
| イチゴ | の | 池 | の広場 |
| はるる | / | くあ | 中1 |
| 落ちていたら |
| 今度は |
| もっと高く |
| もっともっと高く |
| 何度でも |
| 打ち上げよう |
| 美しい願いごとのように |
| 願いごとの多くの場合、すーっと落ちてくる。この詩のいのちは、美しい願 |
| いごとのようにというすばらしい「比喩」にあると言えるだろう。比喩を、日 |
| 常の会話でも効果的に使うと、表現が生きてくる。また、比喩は詩歌で古来重 |
| 要な働きをしてきた。 |
| 私は比喩が大好きだ。ただ単に、『バイク事故が起こった。』と言われるの |
| と、『バイクがコマのように回ってぶつかった。』と言われるのでは、後方の |
| 方が事故の状況を把握しやすいと思う。 |
| 近頃は、科学が発達しすぎて、一mmも狂わないような表現が主とされてい |
| る。いくら、正確だからって、高さ□cm、手の角度は45.89°にボール |
| を打てと言われても、それは人間には不可能なことである。だか、比喩を使え |
| ばよりスマートに表現することができ、相手にも効率よく伝えられる。ここが |
| 比喩の重要性なのだろう。 |
| それにしても、平安時代にあれほど使われた比喩なのに、どうしてこんなに |
| も少なくなってしまったのだろうか、、、、、、。これから私達は、この伝統 |
| 、効率の良さを持ち合わせている『比喩』を守っていかなければならないと思 |
| う。比喩は、一種の人間の財産なのだ。 |