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清書:過程の花 |
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眠雨 |
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うき |
高1 |
安易に結果のみを求めようとする傾向が最近はある。社会は効率を求めているが、この社会を生み出したのは試行錯誤であり、生涯の多様な経験もまた試 |
| 行錯誤を通じなければ、真に自身の保有する財産とはなりえない。「過程」を大切にする姿勢が、我々に必要とされている。 |
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近年はその「過程」が退屈なものだという風潮が強い。だが肯定も批判も、判断材料がなければ単なる空論にすぎない。私も詩を読み始めた時はさっぱり |
| わからなかった。中原中也を開いたものの、何かピンとこない。だがそんなある日、、「幻影」に突き当たった。彼の作品では異色作だが、その情景は、物 |
| 悲しく、清かで、貞潔だった。まさに、感動だった。怠惰と省略を良しとしない真摯な姿勢が、自分の内に財産を作りだすのだ。 |
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また、現代科学にあまり寄りかかるのはよくない。科学は過程を省略しようとする。全自動の各製品は便利だが、各人の好みにあわせて料理をつくる気配 |
| りや、誰かのために食器を洗う愛情、喜びなどは、実際にそれを味わわねば一生分からないものだ。 |
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確かに社会生活というのも忙しい。私も最近は時間に追われる仕事が多く、つい効率を求めてしまいがちだ。だがそうして省略された時間の中の何かを、 |
| 我々は知らない。それの可能性のみがただ朽ちていく。砂はすくいあげてはまた零れゆくが、いつかは手の窪みに残るだろう種を、我々に足りないその花を |
| 、探るべきではないだろうか。 |
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