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一生の「生」、一瞬の「死」 | 
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アジサイ | 
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拓馬 | 
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ねき | 
中3 | 
   ある日、初めてじかに「死」に直面した。大切なものだったのに。簡単に失った。 | 
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   生命とは儚く、どんなに大切にしていても、何かの事で一瞬にして消えて行ってしまうものである。しかし、その一瞬には、恐ろしくて、しかも心をいつ | 
| までも捕まえて離さない力があった。そして、それは二度と戻らない。人生には、しばしばそんなときがある。 | 
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   それまでずっとあって、それが当たり前で。でも、気づいたらなくなっていて。命はそんなもので、死は瞬間で。その瞬間を人に限らず、生きとし生ける | 
| 物はすべて恐れている。その中でも人は「考え」を持ってしまったために、「死んだらどうなる?」「死ぬと孤独になる?」などと生きている限り答えの出 | 
| るはずのない自問自答を繰り返す。でも、それによって人生を恐れながら過ごすのは、非常に空しい。だから、「死」を恐れ、避けるのではなく、逆に直視 | 
| して、受け止めるぐらいに覚悟を決めるべき…だ。 | 
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   それでは、なんの覚悟を決めるのか。生きる覚悟以外何もないだろう。生きることを覚悟するには、確固たる精神力が不可欠だ。よく、B級小説の悪役で、 | 
| 「俺は何もかも捨てて、乗り越えた」などと訳の分からんことをのたもうている輩がいるが、本当はそんなことは、少しの覚悟で、誰にだってできることな | 
| のである。誰にだってできることを、さも自分の強さのように公言しているのは、むしろ滑稽にさえみえてくる。「死」の覚悟という言葉もその中にたくさ | 
| ん出てくるが(ちょうど、先ほどの私の意見と逆のもの)、「死」には、覚悟は要らないのである。人生の中に絶望があって、その絶望に勝てなかったから | 
| 死ぬのだ。生きるということは、どんな絶望も超える精神力がなければならないのである。そして生きることは、誰もが持っている「死」に対する恐怖を理 | 
| 解し、なおかつ心の片隅に置いておくことなのだ。だから強い人間になろうと思ったら、何があっても生き抜く精神を持っていかなければならないのである | 
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   それに、周りも、もっと「命」という見えないが、確かに存在しているものに対する知識をつけさせるべきだ。今、20にも満たない少年たちが、簡単に人 | 
| 殺しをしてしまっている。自殺にいたっては、どれだけの人間が死んでいるか。これもすべては、「命」に対する「無知」の引き起こしたことである。今日 | 
| の日本は、とても平和、と言っていいであろう。しかし、そのことから、身の危険が少なくなり、命を見失い、死んだり、殺したりするようになる。いまは | 
| それまでだが、もしかしたら、「へっへっへ、この地球破壊爆弾をひとたび発動したら、もう止めることは誰にも絶っっっっっっっっっ対に出来なぁい!!」 | 
| とか言い出すかもしれない。そんなことが起こる前に、学校ではもちろんだが、それだけでなく、家庭や、会社にいたるまで、「命」を考えていかなければ | 
| ならないと思う。 | 
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   確かに、「死ぬ気になればなんでもできる」とはいうだろう。「死ぬほどの努力」など、「死ぬほど」=「非常に」という感じである。そりゃあ、この身 | 
| 朽ち果てようともぉという決意には、とても大きな力を感じる。しかし、「生きる」力は、それを何倍も凌駕する。例えば戦国時代、ほぼ互角の剣客同士が | 
| 戦うとき、一方が「死んでも構わない」と思い、他方が「何がなんでも生きるんだ」と思い剣を交えれば、間違いなく後者が勝つ。だって、「死」を意識し | 
| ている人間と、「生」を意識している人間では、明らかに覚悟の大きさに差が出るではないか。「死」ねば終わりだが、「生」きれば、先がある。そこまで | 
| を目指している人間と、その先までを視野に入れている人間と言えば、理解できるだろう。 | 
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   生きるということは、やっただけの価値がある。「人生には、費やしただけの価値がある。」という故人の言葉もある。「死」は簡単だが、「生」はたい | 
| へんだ。しかしあえてその難儀に挑戦していくのが、人間としての有るべき姿なのだと思う。 | 
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