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| | またもや17歳 |
| | イチゴ | の | 空 | の広場
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| | 香奈子 | / | いし | 社 |
| 『またもや17歳』 |
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一時期こんな言葉がしきりなしに世間の新聞を騒がせていた。それは2年前、当時私も17歳のときだった。それは神戸のあの悲惨な事件以後に |
| 続く少年の少女の目だった犯行によるものの数の多さを意味した。少年、少女は何かを訴えるべく数々の犯行を起こしていった。その初めともいえ |
| る神戸殺人事件の犯人『サカキバラ』は「社会に自分を見せてやりたかった。」と言っていたそうだ。少年達の犯罪は彼らの叫びだ。彼らの表現は |
| 犯罪という形ではあったが彼らなりの『個性』であったのではないだろうか。 |
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グローバルな日本社会を目指すものとしては、他者との共存は必要不可欠である。それに対し日本人には島国根性が存在する。そこで日本は教育 |
| 方針をいつしか変えていった。異国の影響を存分に受け『個性』を生かした教育を目指した。その結果は衆知のとおり一向にイジメはなくならず、 |
| それどころか少年犯罪は増える一向にある。少年犯罪の裏には彼らの意思表示、つまり『個性』の訴えがある。そう考えると日本は『個性』を誤っ |
| て理解していたのだろう。 |
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個性―①個人に具わり、他の人とはちがう、その個人にしかない性格、性質。 |
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②個物または個体に特有な特徴あるいは性質。(広辞苑参照) |
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『個性』とは、天性的なもので社会からの拘束を受けるものではない。マニュアルの教育で養育するものではないはずだ。 |
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私は小学生のとき本当にすばらしい先生に出会った。稲葉先生というわりと年配の先生であった。稲葉先生は私たちクラスの子を「私のかわいい |
| 子供たち。」と言ってまるで自分の子供のようにかわいがった。先生は一人一人の母であって先生が知らないことはなかった。そんな先生を嫌う子 |
| は当然存在しなかった。というより先生に何もかもお見通しで、子供だった私たちは頭が上がらなかったのだ。私は今思う。『個性』とはこうして |
| 育てられていくものなのだ。人とのふれあいの中で自分を改めて発見していく。人に伝えてもらってはじめ自分の『個性』を知るのだ。 |
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近代の少年、少女たちに『個性』を伝えるものはファッションなどの外面的なもの以外に存在しない。誰もかれらに訴えることはしない。もしも |
| 大人達が他者との共存ができたならば少年犯罪は減少の道をたどったはずだ。日本の社会は新しい教育方針をたてるより、新しい大人の教育方針を |
| たてるべきだ。 |
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