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| | 清書:お母さんだまし |
| | カモメ | の | 森 | の広場
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| | れもん | / | ふれ | 小4 |
「えっそんなに痛いの。」 |
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「うん。あのね、普通の注射は針を刺した後は痛くないでしょ。だけど、日本脳炎は針を刺した後もズキズキ痛いんだよ。」 |
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それを聞いてから私はなるべく日本脳炎の予防注射をするということをお母さんの頭から忘れさせようと努力してきました。 |
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私が最近一番どきどきしたことは、日本脳炎の注射を受けたときのことです。私のクラスでは夏休みの前から日本脳炎の予防注射のことが話題に |
| なっていました。その中で |
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「あのね、日本脳炎の注射は普通の注射の二倍痛いんだよ。」 |
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とか、 |
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「日本脳炎の注射は針を刺してからズキズキしてすごく痛いんだよ。」 |
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ということを聞いていたので、私はよけいにどきどきしてきました。 |
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ある日、私が学校から帰ってくるとお母さんが |
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「今度の土曜日に日本脳炎の注射をしに行くからね。」 |
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「・・・・!」 私はその時、あの言葉を思い出しました。「あのね日本脳炎の注射は普通の注射の二倍痛いんだよ。」。(まずい!)そう思っ |
| た私はお母さんの頭から日本脳炎のことを忘れさせる計画や、日本脳炎をやる予定をのばしたりする作戦をすることに決めました。 まず最初は、 |
| 日本脳炎の予防注射をやる日をのばさなければいけません。そこでわたしは、 |
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「ねえ、お母さん。日本脳炎の注射は八月の終わりの方にやった方がいいみたいよ。」 「えっ本当!」 「そうなんだってさ。」 |
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「誰から聞いたの。」 「友だちが言ってた。」 「へえ、そうなんだ。」 |
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「それに今度の土曜日、体操教室のテストだよ。」 「わかった。じゃあ、またちがう日にしよう。」 作戦大成功!!お母さんを簡単にだませ |
| ました。 |
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(でも、だませたと言っても、どうせ近いうちに注射を受けなくてはいけなくなる。)そう考えた私は、日本脳炎の予防注射のことをお母さんの |
| 頭から忘れさせる作戦に出ました。その作戦とは、お母さんに嫌になるほど話しかけて日本脳炎のことを忘れさせるというものです。私はお母さん |
| になるべく色々な事を話して日本脳炎の事を忘れさせることにしました。そしてまたまた大成功! それに、ピアノの発表会でピアノの練習が忙し |
| くなったこともあって、お母さんの頭から日本脳炎のことが消えたと思ったら・・・。ピアノの発表会が終わって、私も日本脳炎のことを忘れてい |
| たその時、 「今度こそ土曜日に日本脳炎の注射に行かなくちゃだめよ。」 |
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そう言われた時私は、まるで目の前にカエルが飛び出してきたようにびっくりしました。そして、作戦をたくさんねったけれど、結局だめだった |
| ことにがっかりしました。今まで一生懸命作戦をねってきたことが水のあわになったのです。 そして先週の土曜日、とうとうこの日がやってきて |
| しまいました。運命の場所に入っていくと、お医者さんから 「注射を受けても大丈夫ですね。」 |
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と言われました。私にとっては、熱があってもいいから注射だけはしたくなかったというのが正直な感想です。けれども、注射が痛くなくなる裏 |
| 技をやってくれたので、全く痛くありませんでした。注射をする前に、注射をするところをぎゅっと押さえておくのです。注射が終わった瞬間、こ |
| れまでのどきどきした気持ちが嘘のように消えていきました。 そして注射を受けてきた日の夕ご飯の席で、おばあちゃんに、 「インフルエンザ |
| の注射もそろそろ受けてこなくちゃだめね。」 |
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と言われました。またあの作戦を実行させようとした次の日、 「もうインフルエンザの注射申し込んできたからね。」 とおばあちゃんに言わ |
| れてしまいました。 |
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まさにこれこそ注射地獄だ!!! |
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