| 自然との調和 |
| アジサイ | の | 滝 | の広場 |
| りさ | / | あいす | 中3 |
| ラップランドの夏の森に、一歩足を踏み入れるとまず出迎えてくれるものは |
| おびただしい数の蚊やブヨの大群だ。これらを避けるためつい人間は長袖長ズ |
| ボンをきて、虫から自分の体を防御してしまう。しかし、真の森と一体するた |
| めには、森全部を受け入れなければならない。つまり、蚊もブヨも受け入れら |
| れたとき、初めて森は自分を受け入れてくれるのである。 |
| では、自然と調和するためにはどうすればよいのだろうか。まず、人間は自 |
| 然あってのものだということを自覚しなければならない。人間は自然から木や |
| 水、エネルギー資源などあらゆるものを与えられて暮らしている。これらがな |
| ければ、おそらく人間は生活することができなくなるだろう。水や木などのあ |
| りがたみを自覚している人は多いかもしれない。しかし、これらの水や木を育 |
| てているのは、人間が排除したがる虫であり、気持ちの悪い動物なのだ。いく |
| つもの動物、植物が食物連鎖によってなりたっているものを人間は使わせても |
| らっているのだ。よって、虫や気持ちの悪い動物を排除するということは、自 |
| 分で自分の首をしめていることになるのだ。 |
| また、幼い時から自然と触れ合わせる機会を多くすることも大切だ。小さい |
| 時から、自然を受け入れる心を養っておけば、大人になってもその心は変化す |
| ることはない。周りの意見に流されることも少なく、自分らしく生きることが |
| できる。 |
| 夏休みに毎年いく部活の合宿所は、山の中にひっそりと建っている。よって |
| 、虫はイヤというほどうようよいる。これらの虫はいるのがあたりまえなのだ |
| が、やはりつい虫を排除したくなる。自分の体にみたこともない大きな虫がと |
| まったら、血の気がひくほど驚き、虫を恨む。そして、さらに虫が嫌いになっ |
| ていく。実際私はこの合宿所でこのような経験をしたことがある。それ以降小 |
| さな虫でも近づいてくるとよけ、少しでも虫のいそうな場所にいくときは、蒸 |
| しよけスプレーはかかせなくなった。しかし、これではいけないのである。人 |
| 間も自然の一部であり、虫の仲間であるということを忘れてはいけない。自然 |
| の中でよく遊び、虫などに慣れている人は、私のようなことにはならないだろ |
| う。やはり、自然慣れするということは大事なことなのだ。トンボ王国の長文 |
| のように、子供達には、子供達の欲望のままに虫を採らせることが大事なのだ |
| 。 |
| 確かに虫などは、人間の体を害するものもある。しかし、その虫のせいにす |
| ることはよくない。自然の一部である人間も虫などにたくさん害は与えている |
| 。自分たちのことを棚に上げて、他のものをけなすことはよくない。「議会に |
| 期待しない国民は、議会を非難する資格を持たない」というように、人間も虫 |
| をけなす資格はない。けなすことよりもまず、虫、自然との調和を試みること |
| が大切だ。今の自分とはほど遠いが、自然と上手く調和できる、自然が自分を |
| 受け入れてくれるような人になっていきたい。 |