| 自然 |
| イチゴ | の | 滝 | の広場 |
| 杉田大岳 | / | うい | 中3 |
| 真の野生が保たれている大自然では、大自然のシンフォニーを奏でる演奏者 |
| になるか、またそれに耳を傾ける観客の一人になるのかという、矛盾がわく。 |
| 森の美しい外見とは裏腹に、森に一歩踏み入ると、蚊やブヨの大群という洗礼 |
| を受けることになる。だがこれを防ぐということは、森と対話する最も重要な |
| 回路を自ら閉じてしまうことになる。森の本当の美しさを見るためには、森に |
| 受け入れてもらう必要がある。そのためには五感の全てを解放し、森の自然の |
| 摂理を理解する。そうすればおのずと、風や匂いや音に感覚を研ぎ澄ます余裕 |
| も生まれるのだ。 |
| 私は蜂が大嫌いだった。理由は昔刺されたことがあるのと、耳の近くで聴く |
| あの独特の羽音である。蜂なんてこの世からすべていなくなったほうがいいと |
| 思っていた。だが、蜂が花を受粉させたりすると聞いて、幼心に自然の大きな |
| つながりを感じたのを覚えている。そうすると針があるのにも、あの嫌な羽音 |
| にも、自分自身でいろいろな理由を付けて、納得してしまった。今では好きで |
| はないが、いなくなれなどとは決して思わない。 |
| 自然には、様々な、人間にとっては害になるようなものがあると、私達人間 |
| は思ってしまう。だが自然と一体になり、我々が自然の中にある一個の存在だ |
| と分かると、害という見方をすることが間違っていると、気付くのではないだ |
| ろうか。 |