| 昔と今と未来 | 
| アジサイ | の | 谷 | の広場 | 
| たこ星人 | / | こむ | 中2 | 
| ある朝、私は一冊の本と、一切れのパンをポケットに入れて家を出た。 | 
| 私は少年時代に喜びを味わった、なじみの場所を見回した。小さな庭や、花 | 
| で飾られたバルコニーや、湿った、日の当たらない、敷石が苔で緑色になって | 
| いた。それらは、昔とは違った顔をしていた。花たちさえもつきることのない | 
| その魅力を幾分か失っていた。 | 
| そこへ貴社が輝く鉄路を走ってきて、私の側を通りすぎた。それを見送った | 
| 私は、一瞬非常にはっきりと、ここではもう私の本当の喜びが花咲くことはな | 
| いと感じた。そしてあの列車に乗って世の中へ出て行きたいと思った。 | 
| 昔、幼いころ、「アンパンマン」、「ウゴウゴルーガ」などの番組をよく見 | 
| ていた。しかし、今改めてよくよく考えてみると、「アンパンマン」はワンパ | 
| ターンっぽいし、「ウゴウゴルーガ」なんて訳の分からない番組だ。だがその | 
| ころは実に楽しい毎日だったのを覚えている。今にしてみると懐かしい。しか | 
| し、未来に向けていくためには、そういうことを捨てなければならない。 | 
| たしかに昔の文化を大切にするのは大事だ。しかし、新しく進化していくた | 
| めには昔の文化を切り捨てなければならない。でも、昔の文化にもいいところ | 
| はあるのだ。そういうところをとりいれつつ、新しい文化をつくりだすことが | 
| 一番大事なのではないだろうか。 |