| 生物学と建築 |
| ウグイス | の | 谷 | の広場 |
| Bear | / | ふね | 中2 |
| 経済の高度成長期では、とにかく日本を発展させることだけを考え、その発 |
| 展は人類の幸福につながるとされてきた。数量的に証明できるものにこそ真理 |
| があり、それのみが正しいという考え方が、広く行きわたっていた。しかし、 |
| その行き過ぎがいろいろな面で見直されようとしている。その最も有効な方法 |
| は、生物学的な発想である。それは、インテリアの分野についても言える。こ |
| れまでの建築は芸術性と工学的な技術に重点がおかれてきた。しかし、都市と |
| いう広範囲や、インテリアという小範囲にまで幅が広がった現在、生物学的な |
| ものの見方が根底にないと、建築もインテリアも本当に人間のためのものには |
| なり得ないことが、いま反省され始めようとしている。泥臭さの中に、人間の |
| 本質がひそんでいる、ということが分かってきたのである。 |
| 私の部屋を例に取ってみる事にする。私の机の上には、本や、時計や、部活 |
| で使うものなど、絶えず何かがおいてある。床の上も同様である。そうすると |
| 、何となく「ほっとする」ことができるからだ。しかし、ずっとそのままでは |
| 、だんだん「汚く」思えてくる。そのため、時々片付けたりする。そうすれば |
| 、すっきりとして、気分も良くなる。沢山のものが、それぞれ決められた場所 |
| に収まっている方が、見た目もいいし、気分的にも良いものだ。「自分の身の |
| 回りが整頓されてこそ、自分の気持ちにも整理がつく」のである。 |
| しかし、人工的に作り出された街は、人間の本質からはずれていて、住み心 |
| 地があまり良くない。 |
| 日本人が行きたい旅行先は、オーストラリア、ハワイ、カナダ、スイスであ |
| る。この四つに共通して言えることは、「自然」だと思う。オーストラリアを |
| 例にあげてみる。オーストラリアと言われたら、まず思い出すのは、カンガル |
| ー、コアラ、ウォンバット等のオーストラリア特有の動物達と、グレートバリ |
| アリーフだと思う。自然のあふれているところに行くと、ほっとする。工業化 |
| が進んで、あまり身近に自然を感じられない日本では、そう言う自然の多いと |
| ころに行きたいと思う気持ちが強くなるのだろう。人間は、生物であり、自然 |
| の中で進化したと言うことが、ここによく表れていると思う。 |
| 現在、工業化が進み、人間の生活はますます豊かになってきている。そんな |
| 中で、人間の本来の姿を忘れてしまったため、見た目は良くても、人がなかな |
| か住み着かない都市などができてしまっている。端から見て、美しいと感じら |
| れる家を造るのも確かに重要だと思う。しかし、「家とは、外から見るための |
| ものではなく、中で住むためのものである。」というように、人間の本質を見 |
| 極め、その家に住む人の事を考えて家を造るべきだと思う。 |