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暗唱検定
 言語力、記憶力を育てる
 暗唱検定  ●編集  ●原本
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武士は萬事に心を付け

【1】 武士(ぶし)は萬(ばん)事(じ)に心(こころ)を付け(つ )、少し(すこ )にてもおくれになる事(こと)を嫌ふ(きらう)べきなり。就中(なかんずく)物(もの)言ひ(いい)に不(ふ)吟味(ぎんみ)なれば、「我(われ)は億(おく)秒(びょう)なり、その時(とき)は迯(に)げ申す(もう )べし、おそろしき、痛い(いた )。」などといふ(う)ことあり。ざれにも、たは(わ)ぶれにも、寢(ね)言(ごと)にも、たは(わ)言(ごと)にも、いふ(う)まじき詞(ことば)なり。心(こころ)ある者(もの)の聞い(き )ては、心(こころ)の奥(おく)おしはかるものなり。兼ね(か )て吟味(ぎんみ)して置く(お )べき事(こと)なり。
【2】 一分(いちぶ)の武(ぶ)篇(へん)を掟(おきて)と我が(わ )心(こころ)に極め(きわ )置き(お )、疑ひ(うたがい)なき様(よう)に覺(かく)悟(ご)すれば、自然(しぜん)に時(とき)一番(いちばん)に選び(えら )出(だ)さるゝ(るる)事必定也(ことひつじょうなり)。これは(わ)折節(おりふし)の仕方(しかた)物言(ものいい)にて顯(あらわ)るゝ(るる)もの也(なり)。別け(わ )て一言(いちごん)が大事(だいじ)なり。我が(わ )心(こころ)を披露(ひろう)するものにては(わ)なし。兼(かね)てにて人(ひと)が知る(し )ものなり。
【3】 奉公(ほうこう)の心(こころ)懸け(が )をする時分(じぶん)、内(うち)にても外(そと)にても膝(ひざ)を崩し(くず )たる事(こと)なし。物(もの)をいは(わ)ず。言は(いわ)で叶は(かさわ)ざる事(こと)は、十言(じゅうごん)も一言(いちごん)で濟(す)ます様(よう)にと心がけ(こころ  )しなり。山崎(やまざき)藏(くら)人(んど)などかくの如き(ごと )なり。