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級:★   山:me   年:★   月:02   週:3  苗:me
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題名:科学は記述から始まる(感)

感想文の課題です。課題の長文を読んで感想文を書いてください。

課題の長文
 【1】科学は記述から始まる。現象をコトバで記述する。ある現象とあるコトバが厳密に一対一に対応しているならば、誰(だれ)が現象を記述しても同じ記述になるはずだ。
 ところが、どっこい、そうはうまくゆかない。【2】そのことは、記述から現象を再現してみればわかる。
 「白馬にまたがってやってきたのは、素敵な王子様だった」
 この記述から現象を再現してみることはできるけれども、人によって少しずつ異なった情景を再現するに違い(ちが )ない。【3】それでもまだ、白馬とか王子様とかの自然言語には、ある程度の共通了解(りょうかい)があるので、キリンにチンパンジーがまたがっているような情景を思い浮かべる(おも う   )人はいない。
(中略)
 コトバの共通了解(りょうかい)について、深く考えたのは、スイスの言語学者のソシュール(一八五七〜一九一三)である。
 【4】ソシュールはまず、コトバの表記はいい加減であると言う。イヌのことをイヌと呼ぶのは適当に決まったのであって、別にさしたる理由があるわけではない。別の表記、たとえば、イコでもイポでもよかったのだ。それが証拠(しょうこ)に英語ではdogという。【5】これをコトバの(表記に関する)恣意(しい)性と言う。この話は誰(だれ)にでもよくわかる。
 しかし、コトバの本当の恣意(しい)性はもっと深いところにある、とソシュールは言う。
 世界は連続的に変化する。我々はそれを適当に切り取って、コトバで言い当てようとする。【6】コトバによる世界の切り取り方には根拠(こんきょ)がない。これがソシュールの主張である。
 これはちょっとわかりづらいかも知れない。多くの人は、世界にあらかじめ何らかの実体があって、それに名前をつけていると思っているからである。
 【7】それに対して、ソシュールは次のような主張をしたのだ。たとえば、イヌとかネコとかの実体が、あらかじめ世界にあって、それに対してイヌとかネコとかの名前をつけているのではなく、イヌとかネコとかの名前がつけられて、初めて、イヌとかネコとかの実体があるかのように見えるのだ。
 【8】やっぱりわからない? それではこういう例はどうだろう。日本では虹(にじ)は七色である。色は可視光線の波長によって、徐々に(じょじょ )変化する。それを七つに分断する根拠(こんきょ)はない。しかし、七色あると言われて見れば、七色に分かれて見える。∵【9】だから、虹(にじ)の色が二色であるという言語があれば、その言語を使っている人には虹(にじ)は二色に見えるのである。実際にリベリアのバッサ語では、虹(にじ)の色は二色であるという。(中略)
 【0】コトバが世界にあらかじめある実体に、名前をつけただけのものでないことは、次のようなことからも理解できるかも知れない。
 我々が人にコトバを教えるのに何をするかと言えば、実物を指さして、コトバを言うのである。たとえば幼児に教える時に、犬を指さしてワンワンと言う。何度か繰り返し(く かえ )て教えると、幼児は見知らぬ犬を見ても、ちゃんとワンワンと言うようになる。もっともワンワンというコトバしか知らないと、猫(ねこ)を見てもタヌキを見てもワンワンと言うかも知れない。
 幼児は、犬の範(はん)例をいくつか見て、ワンワンというパターンを作り上げる。最初は猫(ねこ)もワンワンのパターンの中に入っているが、大人にそれはニャンニャンだよ、と言われて、ワンワンのパターンを修正する。だからワンワンというパターンは、現物を見ながら他人とのコミュニケーションを通して、構成されるのだ。
 個々の犬は確かに世界に実在するだろう。しかし、ワンワンというパターンは、幼児と無関係に世界に実在するわけではない。科学は記述なしには成立しない。だから科学はパターンが人によって異なるのはあまりありがたくない。そこでパターンを固定しようと努力することになる。我々の日常の世界では、コミュニケーションが成立すれば、イヌとは何か、ということが定義できなくとも、別に問題はない。しかし科学は、できることならばコトバを厳密に定義できるものにしたいのだ。しかし、今話したように、イヌというパターンが世界の中に実体として実在しているかどうかは非常に疑わしい。それは多分、人間の心の中に何らかのパターンとしてあるに違い(ちが )ないのである。

 (池田清彦(きよひこ)『科学はどこまでいくのか』より)

項目表

項目表を参考にして、作文・感想文を書いてください。 項目の苗 小1から楽しく書ける。作文、読解、国語の通信教育。Online作文教室 言葉の森 
項目表 メギ の苗 中1年 1~3月
目標:意見文の基本的な構成を身につける
 ★重要・評価あり ◎重要・評価なし ○普通・評価なし 段落は大体の目安です。
第 1 段落項目キーワード説明
構成 【】★ 構成図構成図 <<構成>>構成図をかく
構成 ○ 要約(感想文)要約 <<構成>>要約を二〇〇字ぐらいでまとめる
構成 ○ 四段落構成 大きく四つぐらいの部分に分けて書く
構成 ○ 書き出しの工夫書き出しの工夫 <<構成>>会話・色・音・情景で書き出す
主題 【】★ 是非の主題よい 良い べき 大切 <<主題>>私はAがよいと思う
             ↓
第 2 段落項目キーワード説明
構成 【】★ 複数の理由一理由 <<構成>>…の理由は第一に
題材 ◎ 体験実例体験 私 わたし 僕 ぼく <<題材>>自分らしい体験実例を書く
表現 ◎ たとえまるで みたい よう <<表現>>まるで…のよう
主題 ○ 途中の感想 途中で主題に関連した感想を書く
             ↓
第 3 段落項目キーワード説明
構成 【】★ 複数の理由二理由 <<構成>>…の理由は第二に
題材 【】★ データ実例・長文実例データ 長文 <<題材>>数字の実例・長文集の実例
表現 ◎ ユーモア表現笑 爆 ユーモア <<表現>>ユーモアのある表現(笑)
             ↓
第 4 段落項目キーワード説明
主題 【】★ 反対意見への理解確かに <<主題>>確かにBもよいが、しかしAが
表現 【】★ 名言の引用名言 言葉 ことば <<表現>>主題に合わせて名言を引用する
主題 【】★ 是非の主題よい 良い べき 大切 <<主題>>私はAがよいと思う
構成 ○ これからの結びこれから <<構成>>自分の問題としてこれからのことを書く

字数 ★ 1200字以上
表記 ○ 決めてくる、読みかえす書くことを決めてくる、書いたあと読み返す
表記 ★ 90分以内書き始めから書き終わりまで90分で
表記 ○ 構成メモ作文を書く前に構成メモを書く
表記 ○ 漢字を使う、ていねいに書く習った漢字を使いていねいに書く
表記 ○ 段落三文段落の目安は三文ぐらい
表記 ○ 一文一点読点は1文に1〜2点を目安に
表記 ○ 常体で書くした・だった・であるなどで書く練習
表記 ○ 誤字一ヶ所以内一つの作品に誤字は一つまで


課題のヒント

 世界には、非常に長生きする人がいることで有名な地域がいくつかある。これらの地域はたいてい、近代的都市から遠く離れ(はなれ)た山間部にある。医者、科学者、それに公衆保健の専門家たちがその話を解明するために、しばしばこれらの地域に行く。専門家たちは、長く健康的に暮らす秘訣を現代社会にもたらしたいのである。
 ハンザはアジアのヒマラヤ山脈の高地にある。そこには、肉体的に今なお健康である100歳(さい)以上の人がたくさんいる。90歳(さい)の男性が新しく子どもをもうけ、50歳(さい)の女性がまだ子どもを産んでいる。このように健康に過ごせる理由は何だろうか。科学者たちは、ハンザの人々には次の3つの利点があると考えている。(1)肉体労働。これはたいてい畑で行われるか、動物を相手に行われる。(2)空気と水のきれいな健康的な環境(かんきょう)。(3)ビタミンが豊富で、かつ、脂肪(しぼう)、糖分、化学物質が少ない質素な食事。
 ロシアのコーカサス山脈に住む人々も長生きで有名である。この地域には非常に長生きをした人の、驚く(おどろく)べき実例がある。ツルバという名の女性はおそらく160歳(さい)まで生きたとされ、シラリという名の男性はおそらく168歳(さい)まで生きたとされている。彼(かれ)が死亡したとき彼(かれ)の妻は120歳(さい)だった。概して(がいして)、そこの人々は長生きするだけではなく健康的に暮らしている。彼ら(かれら)は全くといってよいほど病気をせず、死ぬまで、自分の歯が残っているばかりか、頭には髪(かみ)が豊かにあり、視力もよい。
 エクアドルのビルカバンバもまた、人々が長生きすることで有名な地域である。この地域もハンザやコーカサスと同様に、都会から遠く離れ(はなれ)た高山に位置している。ビルカバンバでもまた、重い病気はほとんど見られない。人々の健康状態がよい1つの理由は、きれいで美しい環境(かんきょう)であろう。気候は一年中非常に温暖で、風はいつも同じ方向から吹い(ふい)てくる。それに、その地域は、花、果物、野菜、野生生物が豊かである。
 いくつかの点で、この3つの地域に住んでいる人の食事は全く異なっている。ハンザの人々は、主に生野菜、果物(特にアプリコット)とチャパティスという一種のパンケーキを食べている。肉は1年に数回しか食べない。コー力サスの食事は、主にミルク、チーズ、野菜、果物、肉からなる。そこではほとんどの人が赤い地ワインを毎日飲む。ビルカバンバの人々は毎週少量の肉を食べるが、食事は主に穀物、トウモロコシ、豆、ジャガイモ、そして果物からなる。
 専門家たちはエクアドルの山々で驚く(おどろく)べき事実を発見した。そこのほとんどの人が、かなりの老人でさえも、コーヒーをたくさん飲み、酒も大量に飲み、そして毎日40本から60本のたばこを吸っているのだ。
 しかし食事は次の2つの一般(いっぱん)的な点で似ている。(1)3つの地域に住む人々が食べる果物と野菜は、すべて天然のものである。つまり、化学物質が含ま(ふくま)れていない。(2)世界のほかの地域に住む人々よりもカロリーの摂取(せっしゅ)量が少ない。典型的な北米人は毎日、平均3300カロリーを取るが、これらの山間部に住む典型的な人が取る量は、1700カロリーから2000カロリーの間である。
 3つの地域に住む人々は、カロリー、天然の食べ物、山間部、近代的都市から遠く離れ(はなれ)た距離(きょり)といったこと以上に共通する要素をもっている。それは、田舎に暮らし、たいていは農民であることから、彼ら(かれら)の生活は肉体的に厳しいということである。したがって、彼ら(かれら)は健康クラブに行く必要などない。毎日の仕事の中で十分運動をしているからである。それに加えて、生活は厳しいけれども、都会の人々がもつような心配事を彼ら(かれら)はもたないように思える。彼ら(かれら)の生活は穏やか(おだやか)である。その結果、肉体的運動と心配事がないことが、長く健康的に暮らす2つの最大の秘訣であると信じる専門家もいる。 ( n )
 実体があるからコトバが生まれるのではなく、コトバがつけられるからその実体があるかのように見えてきます。

 京都大学の霊長(れいちょう)類研究所がサルの調査をしているとき、それぞれのサルに名前をつけました。その結果個体識別が容易になり、サル社会の研究が大いに進みました。海外ではサルに名前をつけるというような発想がなく、個体を識別して研究するという方法が確立していませんでした。そのため、海外の研究者の中には、「日本人はサルを個体識別する特殊(とくしゅ)能力がある(サルに近いから。おいおい)」と考えた人もいたようです。

 虹(にじ)を七色に見る言語と二色に見る言語とがある、というような例は、ほかにもいろいろありそうです。

 コトバがあることによって世界の認識が豊かになる反面、コトバによってそのコトバで表わされたもの以外は見えなくなってしまうこともあります。雑草でも名前を知ると親しみがわき、道端(みちばた)で見かけると「やあ、チカラシバ君、元気そうだね」と話しかけたい気になります。しかし、逆に、コトバに慣れてしまうと、「なんだ、チカラシバか」とコトバでかたづけてそのもののありのままの姿を見なくなってしまうようにもなります。 ( n )
n 第一段落は要約。その要約に続けて「言葉を厳密に使うことは大切だ。」という意見。n n 第二段落はその理由と体験実例。「その理由は第一に、曖昧(あいまい)な言葉では誤解を招くことがあるからだ。」一つの言葉から受けるイメージは人それぞれであるため、曖昧(あいまい)な表現では意思の疎通(そつう)がうまくできない場合があります。友達との会話でも言いたいことがうまく伝わらなかったり、とんでもない誤解をしてしまったりすることがあるでしょう。そんな話を書いてみましょう。n n 第三段落にもう一つの理由とデータ実例。「その理由は第二に、厳密な言葉で表現すれば誰(だれ)にでもわかりやすいからだ。データによると携帯(けいたい)電話の加入台数は2002年12月末で73,514,100台となっているが、言葉だけが頼り(たより)のコミュニケーションではますます言葉を厳密に使うことが望まれるだろう。」n n 第四段落は、反対意見への理解と名言の引用。「確かに曖昧(あいまい)な言い方をする方がふさわしい場面もあるだろう。しかし、「すべてに効くという薬は、何にも、たいして効かない。」という名言もあるように、厳密な言い方をする方が誤解がなく、わかりやすい。」n n n  ( n )
 「言葉を厳密に使わないとコミュニケーションがとりにくいからだ」という理由に対してのデータ実例としては、「外来語の定着度調査における理解度」が使えそう。定着度の低い外来語を使ってコミュニケーションをとろうとしても、言わんとするところはなかなか伝わらないでしょう。定着度の低い外来語は厳密な意味を特定することが難しい。そして、意味が曖昧(あいまい)なままでは、コミュニケーションをとることが難しい。誰(だれ)もが意味を理解できる共通の言葉でのコミュニケーションが望ましいということですね。 ( m )