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級:★   山:nnge   年:★   月:01   週:2  苗:nnge
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題名:さて、ヨーロッパの旅をする時(感)

感想文の課題です。課題の長文を読んで感想文を書いてください。

課題の長文
 【1】さて、ヨーロッパの旅をするとき、都市のモニュメンタルな建造物などを見れば、誰(だれ)しもそれに魅せ(み )られる。だが、そこですぐに人は、その建物は誰(だれ)が何時いかなる目的で建てたのか、などというような知的関心の方に動かされやすいのであるが、【2】それはしばしばその人の印象体験やその感動を弱めるか、打ち消すかするのに作用するのである。たしかに建築物について、その様式とか構造とか、また成立過程や細部の特徴(とくちょう)といったことについて、知的に認識する、ということも大切なことである。(中略)【3】しかし、もっと大切なことは、その対象についてまず知的・分析(ぶんせき)的に考える、ということではなくて、その対象をまず全体として見て感じるということ、あるいはその対象との出会いを新鮮(しんせん)に体験するということ、ではあるまいか。【4】全体として見る、ということは外から見るということ、そしてその出会いの新鮮(しんせん)な印象を体験するということである。
 だが、このように言っただけでは、まだ旅の体験のなかにかくれひそんでいる大切なものを引き出すには十分ではない。【5】人が旅において都市や建物や樹木や原野に出会うとすれば、それらの事物は、すでに一つの諸関連と構造をもった生きた全体、一つの生きた個性体であるはずである。その生きた一つの全体とは、風景にほかならない。【6】人が旅において出会うのは一つの風景なのであり、ある風景のなかの事物に出会うのである。そしてこの風景こそは、歴史的・文化的人間の生と自然的・風土的生との一つの綜合(そうごう)、一つの結合として現象するものなのである。
 【7】ただたんに部分としての家や建物だけとか、雲、山、川だけでは風景とはならない。ちょうど人間にとって眼、鼻、耳、額、髪(かみ)などのどの部分も、それだけでは顔つまり生きた全体をつくらないが、【8】一つの全体としての顔を形成した時に、初めて生きた個性ある風貌(ふうぼう)が現象するように、自然物や人為(じんい)的建造物などが、一つの内的・生命的構造関連をもつ生きた全体となるところに風景が現象する。風景のこの内的生命関連は「風景のリズム」と言うことができる。【9】もしも一つの美しい自然的風景があって、そこに人為(じんい)的建造物が入り込む(はい こ )として、それが風景のリズムを破壊(はかい)せずに、調和した一つの統一をつくり出しているとしたら、人為(じんい)的建造物をつくる人∵の心に、したがってつくられた作品としての建物のなかに、風景の心、風景のリズムが生きて作用しているということ、このことを認めざるをえないであろう。【0】その反対の場合も明白である。風景の心を無視した資本主義的営利関心のつくり出す建造物が、むき出しに風景を破壊(はかい)する、ということは人のよく知っていることなのである。傷つけられた風景を見て人が痛みや悲しみを感得するのは、人が風景を生きものと感じているからである。
 いま風景の心、などという言い方をしたのであるが、これがここでの眼目なのだ。風景とは、たんなる死んだ物象としての自然の断片の機械的集合体とは何か違っ(ちが )たものである。日本語は風景のこの本質をよくとらえている。風景の間に「情」を入れてみよう。すると「風情」と「情景」の二語が、風景から派生してくる。実に「風景」とは、「風情」をもった「情景」にほかならない。つまり「風景」という二語の間に「情」がかくされているわけである。これ以上にみごとに風景の本質を語るのはむずかしいほどだ。風景は情をもっているのだ。(中略)
 しかし、さらにいま一つ本質的に重要なことがそこから生じてくる。風景が情をもって現象するということは風景が「世界内存在」(メルロ=ポンティ)の出来事になる、ということである。風景はそれを発見する人間と出会うとき、すなわち「世界内存在」において、生きた現象となるのだ。たとえば人が海岸で水平線を見て、そこに風景を感ずるとしよう。するとこの風景は、空と海を分ける線や、雲や青い空、海の色や、そして見る人の心の状態や、さまざまのものの綜合(そうごう)として一つの出来事、一つの存在であることは明白である。もしも人が、その水平線の実在を確認しようとして、その水平線に向かって進むなら、水平線は姿を消してしまうだろう。

(内田芳明(よしあき)『風景の現象学』より)

項目表

項目表を参考にして、作文・感想文を書いてください。 項目の苗 小1から楽しく書ける。作文、読解、国語の通信教育。Online作文教室 言葉の森 
項目表 ゲンゲ の苗 高2年 1~3月
目標:社会科学のテーマを書く書き方を身につける
 ★重要・評価あり ◎重要・評価なし ○普通・評価なし 段落は大体の目安です。
第 1 段落項目キーワード説明
構成 ◎ 構成図構成図 <<構成>>構成図をかく
構成 ○ 題名の工夫題名の工夫 <<構成>>「○○な○○」「○○の○○」のように工夫
構成 ○ 四段落構成 大きく四つぐらいの部分に分けて書く
構成 ◎ 書き出しの工夫書き出しの工夫 <<構成>>会話・色・音・情景で書き出す
主題 【】★ 社会問題の主題問題 社会問題 <<主題>>私はAが問題だと思う
             ↓
第 2 段落項目キーワード説明
構成 【】★ 複数の原因一原因 背景 <<構成>>…の原因としては第一に
題材 ◎ 体験実例体験 私 わたし 僕 ぼく <<題材>>自分らしい体験実例を書く
表現 ○ たとえまるで みたい よう <<表現>>まるで…のよう
主題 ○ 途中の感想 途中で主題に関連した感想を書く
             ↓
第 3 段落項目キーワード説明
構成 【】★ 複数の原因二原因 背景 <<構成>>…の原因としては第二に
題材 【】★ 自然科学実例・長文実例自然 科学 長文 <<題材>>自然界の例・長文実例
表現 ◎ ユーモア表現笑 爆 ユーモア <<表現>>ユーモアのある表現(笑)
表現 【】★ ことわざの加工ことわざ <<表現>>ことわざや名言や流行語を加工する
             ↓
第 4 段落項目キーワード説明
主題 ◎ 反対意見への理解確かに <<主題>>確かにBもよいが、しかしAが
表現 【】★ 自作名言ではなく でなく 自作名言 <<表現>>「○○とはAではなくBである。」という形の文
主題 【】★ 社会問題の主題問題 社会問題 <<主題>>私はAが問題だと思う
構成 【】★ 書き出しの結び書き出しの結び <<構成>>書き出しのキーワードを使って結ぶ

字数 ★ 1200字以上
表記 ○ 決めてくる、読みかえす書くことを決めてくる、書いたあと読み返す
表記 ★ 制限時間75分書き始めから書き終わりまで75分で
表記 ○ 構成メモ作文を書く前に構成メモを書く
表記 ○ 漢字を使う、ていねいに書く習った漢字を使いていねいに書く
表記 ○ 段落三文段落の目安は三文ぐらい
表記 ○ 一文一点読点は1文に1〜2点を目安に
表記 ○ 常体で書くした・だった・であるなどで書く練習
表記 ○ 誤字一ヶ所以内一つの作品に誤字は一つまで


課題のヒント

オーラルヒストリーの特徴(とくちょう)と影響(えいきょう)
 20世紀の後半になってオーラルヒストリーは多くの国々で実践(じっせん)されているような現代史に重要な影響(えいきょう)を与える(あたえる)ようになってきた。社会的、政治的なエリートに属する人たちとのインタビューは既存(きそん)の史料の幅(はば)を広げてきたが、オーラルヒストリーの最も特徴(とくちょう)的な貢献(こうけん)といえば、これがなければ歴史から隠さ(かくさ)れてしまっていたかもしれないような人たちの集団の経験や視点を、歴史的記録の中に包含(ほうがん)するということである。このような人たちについては、これまで社会の観察者によって、あるいは公式な記録の中で書かれたことがあるかもしれないが、その人たち自身の声はごくまれにのみ――通例は個人的な記録や自伝風の作品という形で――保存されることがあったにすぎない。オーラルヒストリーのインタビューを通して、とりわけ労働者階級の男女や文化的マイノリティに属する人たちが、歴史的な記録に自分たちの経験を加えて、自分たちによる歴史の解釈(かいしゃく)を提示してきたのである。さらにインタビューは歴史的な経験のうちでも特に他の情報源からは抜け落ち(ぬけおち)てしまいがちな側面である、個人的な関係や家庭内での仕事、家族生活といったものを記録し、そして、生きられた経験の主観的あるいは個人的な意義と共鳴してきたのである。
 オーラルヒストリーでは歴史的研究の作業に別のやり方で取り組んできた。オーラルヒストリーの歴史家は、インタビュー記録を作成するのに要する技術を身につけなければならなかったし、また、人が記憶(きおく)を物語るのをよりよく理解するためには社会学、文化人類学、心理学、言語学といった他の学問分野からも学ばなければならなかった。最も重要なことだが、オーラルヒストリーは歴史家と情報提供者との間の活発な人間関係に基づいており、このことによって歴史の実践(じっせん)をいくつかの点で変えていくことができるのである。語り手は過去を思い出すだけでなく、その過去に対する自らの解釈(かいしゃく)を主張する。したがって、参加型のオーラルヒストリーの研究企画(きかく)の中では、インタビューを受ける側が情報源であると同時に歴史家ともなりうるのである。さらに、実践(じっせん)する人によっては、オーラルヒストリーはただ歴史を作るだけにとどまらない。ある種の研究企画(きかく)では、主要な目的が、過去を思い出して解釈(かいしゃく)し直すという作業を通して個人や社会集団に力を与える(あたえる)ということであったのだ。 ( n )
 内容:建物を見るときその様式や構造などの知的関心に向かうとかえって印象や感動が弱まることがある。建物はまわりの風景との生きた連関の中でみる必要がある。また風景は、その風景を見ている人との関係の中で生きたものになる。

 解説:いろいろな意見が考えられますが、今勉強している社会問題の立場から意見を考えてみると、「風景の心を無視した資本主義的営利関心のつくり出す建造物が、むき出しに風景を破壊(はかい)する」というところで問題提起ができそうです。風景と調和する建物、風景を破壊(はかい)する建物の例を通して考えてみましょう。 ( n )
 第一段落は、要約と意見(社会問題)。「建物は周りの風景との関連の中で見るものだ。しかし、現在の社会では周りの景色を無視した不調和の建物が多い。」
 第二段落は、その原因と体験実例。「その原因は、私たちが戦後、伝統のよさを否定してきたからではないだろうか。土地には、その歴史がある。しかし、その歴史よりも合理性を優先させてしまうところがある。私の家の近くの学校も、第一小学校、第二小学校、第三小学校という名前がついているが、実に味気ない。建物も街区の番号をそのままつけた214ビル、212ビルという名前になっている。ホント。(笑)」
 第三段落は、原因2と自然科学実例。「また、もう一つの原因は、今日の社会が利益にならないものは評価しないという論理で動いているからである。景色との調和というような利益にならないものは、どうしても後回しにされがちなのである(原因)。最近の研究によれば、恐竜(きょうりゅう)は色を知覚できたのではないかと言われている。そうすると、恐竜(きょうりゅう)の皮膚(ひふ)も実はもっとカラフルだったのではないかと推測される。恐竜(きょうりゅう)の子孫と言われる鳥類は、クジャクなどに見られるように美しく自分を装っている。そこには、生存の必要以上に、周囲を美しくするという意志も働いているのではないかとさえ思われる(自然科学)。現代の資本主義は、自然界よりも遅れ(おくれ)ているのではないだろうか。」
 第四段落は、反対理解とことわざの加工、又は(または)自作名言。「確かに、周囲との調和を強調しすぎれば、社会の停滞(ていたい)を招く。しかし、私たちはもっと周囲との調和を考えていく必要がある。カニは甲羅(こうら)に似せて穴を掘る(ほる)と言われている。しかし、人間は、周囲の環境(かんきょう)に合わせて自分の甲羅(こうら)を変えていくことができる生き物だ(ことわざの加工)。周りの景色を生かすことは、自分を殺すことではなく逆に自分自身も生かすことなのである(自作名言)。」
 
 ( n )