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級:★   山:nnge   年:★   月:03   週:3  苗:nnge
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題名:ある人物についての物語が(感)

感想文の課題です。課題の長文を読んで感想文を書いてください。

課題の長文
 【1】ある人物についての物語が、何よりも、当人自身を満足させるものでなければならない場合を考えよう。それは、当人が、不確実な未来や危機的状況(じょうきょう)を前にして、何らかの選択(せんたく)あるいは決断を下さねばならないような場合である。【2】このような場合、ひとは、そうした選択(せんたく)や決断が、果して自身の望むような帰結をもたらすのかを思案し、過去において自分が出合った相似た事例を探り、自身の能力や資質を確認しようとするであろう。【3】そして、そのことと重なり合う形で、そもそも、そのような選択(せんたく)や決断が自分にふさわしいものであるのかを確認しようとするのではないだろうか。
 高校野球で活躍(かつやく)した生徒がプロ野球入りを勧め(すす )られた場合を考えよう。【4】プロの世界での成功は必ずしも百パーセントの成功を保障されたものではない。当人は、こうした事態を前にして、まず自己の実力について過去の実績を勘案(かんあん)しながら、それと並行して、プロ野球の選手生活が、真に自分の願望するものであるかを確認しようとするであろう。【5】このとき、過去の自分にまつわる様々な出来事や思い出が、プロ生活に入る決断に向けて、まさしく自分自身で納得しうるような「筋」の中に位置づけられていくのである。この場合、「筋」は、既に(すで )成功している野球選手が語る物語を適宜(てきぎ)借用するというわけにはいかない。【6】あくまで、本人自身にとって、プロ生活への決断が自然であるように思われるような「筋」でなければならない。すなわち、物語が語られることで、それは、おのずから決断の理由を構成する。その際、プロに入るという決断が、そうした物語を要請(ようせい)したといった言い方も可能であろう。【7】ということは、逆に、プロに入ることを断念する決断が下されたなら、また別様の物語が語られたであろうということを意味する。すなわち、「来歴」は固定したものではなく、一定の範囲(はんい)で、現在の決断との関連で、様々に語られうる可能性を持つのである。
 【8】かくして、ひとは如何なる(いか  )決断を下すか考慮(こうりょ)しつつ、自らの属性や過去の出来事を適宜(てきぎ)選択(せんたく)し解釈(かいしゃく)したうえで、自らの物語の「筋」を求めるのであり、他方、様々にありうる「筋」を探索(たんさく)するなかで決断の内容が次第に形を整えていくのである。【9】その際、過去の様々な事実が、その時点で実際に感じられたり思考されたのとは異なった意味づけが下される場合もあるであろう。また、以前においてはさして意味を持っていないと思われたり、半ば忘却(ぼうきゃく)して∵いたりした事実がにわかに重要な意義を持つものとして浮かび上がる(う  あ  )場合もあろう。【0】このようにして、物語は、現在を通して過去と未来を媒介(ばいかい)する。すなわち、さまざまな「筋」の可能性を秘めた物語のなかで、過去と現在が未来を規定し、また、未来と現在が過去を規定するのである。
 当人の「何者」をもっともよく明らかにするのは、上に見たように何よりも当人にとって切実な自己理解の要求に基づいて語られた物語であり、そして、そのような物語こそが、他者に対しても、当人についてのより充実(じゅうじつ)した「理解」を与える(あた  )のである。もっとも、このような「理解」を通して得られた「何者」も、他の「何者」でもないという意味で真に独自のものであるとは限らない。ハイデガー(ドイツの哲学(てつがく)者)は、ひとが「世人」の状態を脱し(だっ )て「本来的な自己存在」ということに思い至るのは、他の誰(だれ)のものでもない自己の死を意識したときだと述べ、そのような契機(けいき)を「先駆(せんく)的決意」という言葉で表現した。「先駆(せんく)的決意」は、不確実で危機的である状況(じょうきょう)のいわば極限的なケースについて言われるものであると言ってよいが、おそらく、真の「独自性」というものも、そのような極限的状態において露(あらわ)になるのかもしれない。しかし、ひとがもっぱらこうした特別の状態に置かれている場合のみを念頭に置くことが、当人への理解のうえで、果して妥当(だとう)であろうか。そもそも、ひとが自らについて語る物語にとって重要なことは、「独自性」というよりも、むしろ「真実性」ではないかと思われるからである。

項目表

項目表を参考にして、作文・感想文を書いてください。 項目の苗 小1から楽しく書ける。作文、読解、国語の通信教育。Online作文教室 言葉の森 
項目表 ゲンゲ の苗 高2年 1~3月
目標:社会科学のテーマを書く書き方を身につける
 ★重要・評価あり ◎重要・評価なし ○普通・評価なし 段落は大体の目安です。
第 1 段落項目キーワード説明
構成 ◎ 構成図構成図 <<構成>>構成図をかく
構成 ○ 題名の工夫題名の工夫 <<構成>>「○○な○○」「○○の○○」のように工夫
構成 ○ 四段落構成 大きく四つぐらいの部分に分けて書く
構成 ◎ 書き出しの工夫書き出しの工夫 <<構成>>会話・色・音・情景で書き出す
主題 【】★ 社会問題の主題問題 社会問題 <<主題>>私はAが問題だと思う
             ↓
第 2 段落項目キーワード説明
構成 【】★ 複数の原因一原因 背景 <<構成>>…の原因としては第一に
題材 ◎ 体験実例体験 私 わたし 僕 ぼく <<題材>>自分らしい体験実例を書く
表現 ○ たとえまるで みたい よう <<表現>>まるで…のよう
主題 ○ 途中の感想 途中で主題に関連した感想を書く
             ↓
第 3 段落項目キーワード説明
構成 【】★ 複数の原因二原因 背景 <<構成>>…の原因としては第二に
題材 【】★ 自然科学実例・長文実例自然 科学 長文 <<題材>>自然界の例・長文実例
表現 ◎ ユーモア表現笑 爆 ユーモア <<表現>>ユーモアのある表現(笑)
表現 【】★ ことわざの加工ことわざ <<表現>>ことわざや名言や流行語を加工する
             ↓
第 4 段落項目キーワード説明
主題 ◎ 反対意見への理解確かに <<主題>>確かにBもよいが、しかしAが
表現 【】★ 自作名言ではなく でなく 自作名言 <<表現>>「○○とはAではなくBである。」という形の文
主題 【】★ 社会問題の主題問題 社会問題 <<主題>>私はAが問題だと思う
構成 【】★ 書き出しの結び書き出しの結び <<構成>>書き出しのキーワードを使って結ぶ

字数 ★ 1200字以上
表記 ○ 決めてくる、読みかえす書くことを決めてくる、書いたあと読み返す
表記 ★ 制限時間75分書き始めから書き終わりまで75分で
表記 ○ 構成メモ作文を書く前に構成メモを書く
表記 ○ 漢字を使う、ていねいに書く習った漢字を使いていねいに書く
表記 ○ 段落三文段落の目安は三文ぐらい
表記 ○ 一文一点読点は1文に1〜2点を目安に
表記 ○ 常体で書くした・だった・であるなどで書く練習
表記 ○ 誤字一ヶ所以内一つの作品に誤字は一つまで


課題のヒント

紙製とプラスチック製の買物袋(ぶくろ)の優劣(ゆうれつ)論評
 私の地元の新聞が最近、「アメリカ買物袋(ぶくろ)大競争」と題する記事を特集したが、恐らく(おそらく)その筆者も編集者も意図しないような興味と同時に面白みを私はおぼえた。テーマは、食料品買物袋(ぶくろ)が紙とプラスチックの場合の長短の比較(ひかく)であった。論評には、多くの客や売り手がそのどちらかを熱愛する理由と、二種の袋(ふくろ)の製造業者間の激しい経済競争を含め(ふくめ)て述べられていた。
 ほんの数年前には、米国のほとんどすべての食料品店は、客が買った物を必ず紙袋(かみぶくろ)に詰め(つめ)た。80年代初めにプラスチック袋(ぶくろ)が紙袋(かみぶくろ)に代わるところが出始め、私がこの執筆(しっぴつ)を始めるまでには二種の業者の競争が互角(ごかく)になり、ほぼ同数の紙袋(かみぶくろ)とプラスチック袋(ぶくろ)とが使われていた。
 二種の袋(ふくろ)のどちらが全体としてまさっているか、上述の特集ははっきり結論を出さなかったが、両方とも資源消費と固形廃棄(はいき)物処理の問題を引き起こすことを明らかにした。環境(かんきょう)への影響(えいきょう)という点で両者の相違(そうい)は程度の差、よくみれば、ごくわずかな差である。皮肉なことに、この両者よりもはるかに重要な長所を持つ第三の選択肢(せんたくし)の存在を、特集の筆者も、その中に引用されたどの人にしても、暗示さえする者はなかった。 ( n )
 内容:人間は何かを決断するとき、その決断を説明する物語を作る。当人が何者であるかを明らかにするのは、当人にとって切実な自己理解の要求に基づいて語られた物語である。しかし、その物語で重要なことは独自性ではなく真実性である。

 解説:平穏(へいおん)な日常生活では物語を作る必要性はあまり感じませんが、困難に直面したり何かを決断したりするときには、その困難や決断を意味付けるための物語を人間は必要とします。苦しいことがあったときに、「これは神の与え(あたえ)てくれた試練だ」と考えるのもひとつの物語です。その物語が組織的に利用された例が、ナチスの物語、オウム真理教の物語などでしょう。

 問題は、自分が自分らしく生きるための物語であるにも関わらず、その物語が自分以外の神様や仏様から与え(あたえ)られた既製(きせい)品の物語であることが多いということです。自分の物語は、やはり自分で作らなくちゃね。 ( n )
 第一段落は、要約と意見(社会問題)。「人が行動をするときには物語が必要だ。しかし、自分にとって本当の物語というものがなく、社会から与え(あたえ)られた物語の上を生きているような社会であれば問題だ。」

 第二段落は、その原因と体験実例。「第一の原因は、社会の提供する物語が数値などの科学的な装いを持っているために、人が自由に自分の物語を作れなくなったからではないか。私も、幼稚園(ようちえん)のころの夢は大きかったが、高校生になり、毎回テストのたびに偏差(へんさ)値や順位などを知らされると、夢が小さくなってきた。」

 第三段落は、原因2と自然科学実例。「第二の原因は、社会が複雑になり、人間が社会の全体像を見て自分の位置づけを考えるということがしにくくなったためである。そのために、自分の関わりのある狭い(せまい)範囲(はんい)で、生きる人が増えてきたのではないか。島に住む動物は、ゾウは小さくなりネズミは大きくなると言われている(自然)。ゾウやネズミが、大陸というより広い世界では、よりゾウやネズミらしく生きなければならないように、人間も広い世界を自覚するときに初めてより自分らしい物語を作って生きられるのではないか。」

 第四段落は、反対理解と自作名言、又は(または)ことわざの加工。「確かに、自分の作った物語がいくら自分にとっては真実らしく見えても、それが『世界征服(せいふく)の夢』のように今日の民主社会と共存できないものでは困る。しかし、私たちはもっと自分らしい物語を見つけるべきではないか。物語は、そこにあるものではなく、自分が日々作り替え(つくりかえ)ていくものである。『鰯の頭も信心から』という言葉がある。鰯の頭を鰯以上のものにするのが、人の物語を作る能力なのである。」
 ( n )