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級:★   山:nngi   年:★   月:08   週:3  苗:nngi
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題名:科学が人間にもたらすものには(感)

感想文の課題です。課題の長文を読んで感想文を書いてください。

課題の長文
 【1】科学が人間にもたらすものには多かれ少なかれ必ず明暗両面が存在する。前世紀末のダイナマイトの発明者ノーベルの苦悩(くのう)に象徴(しょうちょう)されるように、これは決して最近始まったことではない。【2】しかし、過去数十年の科学技術の進歩はあまりにも速く、人間と社会とに軋轢(あつれき)を生じてきている。不可能が可能になり、また、より多くのことが明らかになってきた一方で、ものごとの本質は単純ではなく、シロかクロかを言い切れないことも明らかになってきた。
 【3】たとえば、科学の進歩により生と死との間のグレーゾーンが拡大した。凍結(とうけつ)した精子による人工受精が可能となり、親や世代の意味さえあいまいになっている。【4】遺伝子診断(しんだん)、遺伝子治療(ちりょう)は新たな生命倫理(りんり)の問題を提起している。これ以外に環境(かんきょう)倫理(りんり)、電子情報倫理(りんり)とでも名付けられる新しい問題も生じてきている。
 先進国の社会構造も変わりつつある。【5】社会がある程度豊かになり市民の権利意識が高まってきた結果、判断が個々の人にゆだねられる場合もできている。罹病(りびょう)率と予防接種禍(か)率を比べてわが子に三種混合ワクチンを接種させるかどうかの判断を下すのは親である。【6】インフォームド・コンセント(            )がとられるようになってきているが、科学の進歩で一層複雑になった医療(いりょう)現場において、ある治療(ちりょう)や診断(しんだん)を受けるかどうかを最終的に決断するのは、本人ないしその家族である。
 【7】来世紀にますます深刻になる地球環境(かんきょう)・資源・人口・エネルギー問題についても、一人一人に自分の問題としての思索(しさく)と決断が求められてくるだろう。【8】科学技術の進歩ゆえにいっそう複雑になっていくこのような問題に対して、どうすれば感情論や上滑り(うわすべ )の議論に流されることなく、科学的知識と広い視野に立った自分なりに納得のいく判断が下せるのだろうか。【9】そのためには、科学と社会を結びつける良質の情報が必要である。それを自分の行動に役立てていかなくてはならないし、場合によっては、自ら発信者となることも大切である。
 【0】残念なことに、科学者が出した成果はそのままでは判断材料として役立たないことが多い。専門用語ゆえに科学はとりつきにくい。良質の情報には優れた表現能力も必要とされる。研究に専念している科学者には時間的余裕(よゆう)がないのが普通(ふつう)であり、研究の社会的∵意味も忘れられがちである。
 そこで、最先端(さいせんたん)の科学の研究成果とその社会的意味を科学に慣れ親しんでいない人に、(社会的意味については科学者にも改めて)説明してくれる人材、つまり科学の「インタープリター」が必要となる。「インタープリター」は専門用語の単なる直訳者ではなく、問題を指摘(してき)し進むべき方向を示唆(しさ)する、科学と実生活の橋渡し(はしわた )をする解説・評論者である。
 まずは科学の面白さを伝えてほしい。科学のマイナス面あるいは生活の利便性に貢献(こうけん)する面ばかりをセンセーショナルな言葉で強調せず、本質的な理解に基づいて生命現象の素晴らしさや量子の世界の不思議さ、宇宙の深遠さを語ってほしい。現在の科学は、何十億年もかけて作られてきた宇宙や生命のなぞのほんの一端(いったん)しか明らかにしていないこと、科学による知的創造が人類の未来には不可欠であることも訴え(うった )てほしい。
 小さな成果も多くの科学者の地道な努力の積み重ねである。実験現場では、実験条件、実験対象の状態、誤差など種々の要素を考慮(こうりょ)に入れなくてはならず、結論を単純には出せない。また、例外にこそ面白さがあると実感するが、このようなことを理解できる人であってほしい。脳死を議論するとき、脳波の有無といっても実は測定機器の検出限界や脳内の測定部位によるのではないか、といった疑問を持つことのできる人である。もっと一般(いっぱん)的な場合では、確率や平均値などの数値を鵜呑み(うの )にせず、その定義や算出方法を考えてみることのできる、つまり科学的思考のできる人である。

(東京理科大)

項目表

項目表を参考にして、作文・感想文を書いてください。 項目の苗 小1から楽しく書ける。作文、読解、国語の通信教育。Online作文教室 言葉の森 
項目表 ギンナン の苗 高2年 7~9月
目標:社会科学のテーマを書く書き方を身につける
 ★重要・評価あり ◎重要・評価なし ○普通・評価なし 段落は大体の目安です。
第 1 段落項目キーワード説明
構成 ◎ 構成図構成図 <<構成>>構成図をかく
構成 ○ 四段落構成 大きく四つぐらいの部分に分けて書く
構成 【】★ 書き出しの工夫書き出しの工夫 <<構成>>会話・色・音・情景で書き出す
主題 【】★ 社会問題の主題問題 社会問題 <<主題>>私はAが問題だと思う
             ↓
第 2 段落項目キーワード説明
構成 【】★ 複数の原因一原因 背景 <<構成>>…の原因としては第一に
題材 【】★ 体験実例体験 私 わたし 僕 ぼく <<題材>>自分らしい体験実例を書く
表現 ○ たとえまるで みたい よう <<表現>>まるで…のよう
主題 ○ 途中の感想 途中で主題に関連した感想を書く
             ↓
第 3 段落項目キーワード説明
構成 【】★ 複数の原因二原因 背景 <<構成>>…の原因としては第二に
題材 ◎ 自然科学実例・長文実例自然 科学 長文 <<題材>>自然界の例・長文実例
表現 【】★ ユーモア表現笑 爆 ユーモア <<表現>>ユーモアのある表現(笑)
表現 ◎ ことわざの加工ことわざ <<表現>>ことわざや名言や流行語を加工する
             ↓
第 4 段落項目キーワード説明
主題 【】★ 反対意見への理解確かに <<主題>>確かにBもよいが、しかしAが
表現 【】★ 自作名言ではなく でなく 自作名言 <<表現>>「○○とはAではなくBである。」という形の文
主題 【】★ 社会問題の主題問題 社会問題 <<主題>>私はAが問題だと思う
構成 ◎ 書き出しの結び書き出しの結び <<構成>>書き出しのキーワードを使って結ぶ

字数 ★ 800字以上
表記 ○ 決めてくる、読みかえす書くことを決めてくる、書いたあと読み返す
表記 ★ 制限時間75分書き始めから書き終わりまで75分で
表記 ○ 構成メモ作文を書く前に構成メモを書く
表記 ○ 漢字を使う、ていねいに書く習った漢字を使いていねいに書く
表記 ○ 段落三文段落の目安は三文ぐらい
表記 ○ 一文一点読点は1文に1〜2点を目安に
表記 ○ 常体で書くした・だった・であるなどで書く練習
表記 ○ 誤字一ヶ所以内一つの作品に誤字は一つまで


課題のヒント

 ほとんどの人にとって読書が知的でもない楽しみとなり、同時に、出版業者の印刷機から絶え間のない滝(たき)のように書物がふり注ぐ時代にあっては、その目的を果たすには書物はかろうじて一度読むに堪える(こたえる)ものでありさえすればよい。読み返される必要はなく、将来の楽しみのもととして頭に残る必要もない。だから書物が記憶(きおく)にとどまるかどうかは問題ではなくなっている。ところが、文学は記憶(きおく)にとどまらないとき何の価値もないものである。想像の楽しみを民間伝承の文学に仰い(あおい)でいるまったくの文盲(もんもう)は、だから、忘れ去ってしまう小説を手に入るからというだけで読む半文盲(もんもう)よりもずっと幸福だ。口頭伝承の文学は頭に残らなければならない、そうでないと忘れられてしまうからである。だが今日の文字文学のほとんどは忘れられるという予想のもとに出版される。次のシーズンのリストと入れ代わるためである。これが、現代の書物は「古典」とは種類が違う(ちがう)という感じのする理由の一つである。
 実は識字能力自体は手段であって目的ではなく、良いことにも悪いことにも、どちらでもないことにも利用されうる。書物も実にさまざまな理由で読まれうる。だが、書物を読む理由こそが書物の読み方を決定し、ある程度、書物から得ることのできる啓発(けいはつ)の程度を決定する。書物はすべて楽しみのために読まれなければならないのはもちろんであるが、「楽しみ」という語は意味が多すぎてここで役立つ語ではない。楽しみには種類が多く、知的なものもそうでないのもある。それに、知的な楽しみの種類もいろいろある。文学の鑑賞(かんしょう)はごく特殊(とくしゅ)な種類の知的楽しみを含み(ふくみ)、そこでは知的な要素が直接顕現(けんげん)されているとは限らないし、そこでは評論家が想像力と呼ぶようになった能力は複雑で必ずしも定められない役割を演ずる。読む力だけではその種の楽しみを味わうことができるという保証にならない。実際読む力はその種の楽しみとは特別何のつながりもない。ただし、読む力はその種の楽しみがわかる人に伝える技術を提供するというだけである。愛国心と同じように、識字能力はそれだけでは駄目(だめ)なのである。 ( n )
 内容:科学の進歩は、生命倫理(りんり)の問題など新しい複雑な問題を生み出している。これらの問題に市民が判断を下し、議論に参加するために、最先端(さいせんたん)の科学をわかりやすく説明するインタープリターが必要だ。
 解説:「科学の進歩が新しい問題を生み出している」というのが主題となる社会問題。しかし、これを高校2年生で実感している人はあまりいないと思います。「科学の進歩によって生と死のグレーゾーンが拡大した」などというところを取り上げられるとかなり鋭い(するどい)。 ( n )
 社会問題の主題は、「科学の進歩に私たち人間がついていけないのは問題だ」。背景としては、まず「科学技術が急激に進歩していること」が挙げられそう。様々な電子機器が登場していますが、例えば分かりやすい例でスマホ。ここ数年の間に劇的に浸透(しんとう)し、子供から老人まで広く使われていますが、このスマホには色々な機能が搭載(とうさい)されています。しかし、この機能を全て使いこなしているという人がどれだけいるかは疑問ですね。
 また、もう一つの背景には、「科学の進歩は、その分野の専門性を深め、かえって一般(いっぱん)に認知されにくくなっている」などとしてもよいでしょう。あまりに科学が進歩して、その道の専門家しか理解できないような問題が増え、一般(いっぱん)的に議論することが難しい……などという展開ができるのではないでしょうか。 ( m )