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題名:創造には、情念の力がいる(感)
感想文の課題です。課題の長文を読んで感想文を書いてください。
課題の長文
【1】創造には、情念の力がいる。芸術における創造はもちろん、あらゆる学問にも、また日常生活にもそれはいえることだろう。では、この情念は具体的にどのような情念なのか。
エジソンの言葉に、「必要は発明の母である」(Necessity is the mother of invention)というのがある。【2】何か必要であって発明あるいは創造が生まれるという意味だが、問題はこの「必要」という言葉の解釈 ( かいしゃく ) である。
「必要」は、英語でおもに二通りの表現の仕方がある。ニーズとウォントである。だが、同じように「必要」と訳されながら、この二つの言葉の実際の意味は、かなり違う ( ちが ) のだ。
【3】「ニーズ」という言葉は、空間的にいえば、外部の状況 ( じょうきょう ) を判断して、割り出した必要性であり、時間的に見ると、過去から現在にかけて人間が経験したこと、得たものを基準にして割り出した必要性という意味に使われる。【4】これに対して「ウォント」は、自分の内部から出てくる必要性であり、現在と未来に時間軸 ( じく ) をとった上での必要性を意味している。すなわち、欲望とか欠乏 ( けつぼう ) を内包した「必要」がウォントの由来なのだ。
【5】余談になるが、よく企業 ( きぎょう ) のパンフレットなどに、「消費者のニーズをよく捉え ( とら ) て……」などと書かれているが、この表現はあまりよいとは思えない。ニーズというのは要するに過去の知識から割り出しただけのものであるから、そんなことをやっていたら企業 ( きぎょう ) は立ち遅れ ( た おく ) てしまう。【6】それを書くならば、「消費者のウォントを見抜い ( みぬ ) て……」と書くべきだろう。
とにかく、ニーズは、理性による判断から生まれた「必要」、ウォントは現在の自分の中にある何かとてもいたたまれないような、場合によってはたまらなく爆発 ( ばくはつ ) したくなるような情念から生まれた「必要」という具合に解釈 ( かいしゃく ) してもいいだろう。【7】私は、創造にはもちろんニーズもなければならないが、どこかの時点でウォントが生まれないとダメだと思うのである。つまり、創造活動を支える背景には「こんなものが創れたらいいな」と無心に思う欲望の念や、欠乏 ( けつぼう ) しているものをひたすらに求める渇望 ( かつぼう ) の念がなければならないと思うのだ。∵
【8】若い読者諸君には特にこのことを強調しておきたい。自分の将来を決めていくという時に、いろいろな情報がある。例えば、自分の偏差 ( へんさ ) 値がこの程度だからあの大学のこういう学部にいこうとか、こういう職種が有望だからこの企業 ( きぎょう ) に就職しようという具合に、いろいろな情報からニーズを割り出して進路を決める人が非常に多い。
【9】しかし、そういう決め方をした人は何らかの方法でニーズから割り出したものが、ウォントに切り替わら ( き か ) ないかぎり、どこかで挫折 ( ざせつ ) するのではないかと思う。「自分はこの学問をしたいんだ」「私はこの仕事につきたいんだ」というウォントをもった意志力がなければならないのである。【0】
グロタンディエクやザリスキー先生のように、想像を絶する逆境の中を生きてきたハングリーな数学者が優れた業績をあげたのは、一つには、ウォントという情念が常に彼ら ( かれ ) を動かし続けたからに違い ( ちが ) ない。
ものを創る過程には、総じて飛躍 ( ひやく ) というものが必要である。創造しようとするものが、過去に類を見ない新しいものであればあるほど、なおさら、飛躍 ( ひやく ) することが大事になってくる。そして飛躍 ( ひやく ) するには、内なる欲望の力を借りなければならないのである。飛躍 ( ひやく ) の原動力はニーズではなく、ウォントだと私は考えるのだ。
(広中平祐 ( へいすけ ) 「生きること 学ぶこと」)
項目表
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項目の苗 小1から楽しく書ける。作文、読解、国語の通信教育。Online作文教室 言葉の森
項目表 ライラック の苗 中3年 4~6月
目標:象徴的な題名を主題化する書き方を身につける
★重要・評価あり ◎重要・評価なし ○普通・評価なし 段落は大体の目安です。
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課題のヒント
エジプト人の記述は絵から始まった。その絵は、始めは、例えば、家、ライオン、大きなヘビ、皿、アヒル、あるいは人のように、描か ( えがか ) れたものだけを意味した。その後、絵は考えと行いを表わすために描か ( えがか ) れた。ワシの絵はワシを意味した。イーグルが人の頭を持っていたら、その絵は「魂 ( たましい ) 」を意味した。一つの目の絵は目を意味した、しかし、二つの目の絵は「見ること」を意味した。また涙 ( なみだ ) が目からこぼれていれば、その絵は「泣くこと」を意味した。
エジプト人は、彼ら ( かれら ) の書かれた言葉の絵に何かをした。彼ら ( かれら ) は、彼ら ( かれら ) の言語に音を表わすために何枚かの絵を使った。ワシの絵は鳥を意味したが、その絵はまた、英単語の「car」にあるような母音の音[a:]を表わすことができた。エジプト語の記述は難しかった。それは絵で作られたパズルだった。
それらは音を表すが、単語の意味を表さない。古いエジプトでは、人々の一集団があり、その集団の唯一 ( ゆいいつ ) の仕事は書くことだった。彼ら ( かれら ) は書記と呼ばれた。私たちは、それらがどのように見て働いたか知っている。なぜなら、書記は、古いエジプトの生活についてを私たちに伝える多くの絵画の中に姿を見せるからだ。書記は、通常、一巻のパピルス紙を片方の脇 ( わき ) に抱え ( かかえ ) 、また、もう片方の脇 ( わき ) には、インクつぼとともに木製のペンを抱え ( かかえ ) ていた。
書記は、多くの絵を作る方法を知らなければならなかった。アルファベットの26文字はその音をすべて綴り、それらは英国とアメリカの小さな子供によって学習されている。エジプト人は彼ら ( かれら ) の記述の中に三千をこえる絵を持っていた。六百だけがしばしば使用された。
エジプト人は絵を描き ( えがき ) 、それをよりよく開発した。彼ら ( かれら ) は、物、行い、考え、およびいくつかの音のための絵を持っていた。しかし、彼ら ( かれら ) は、エジプトの言語のすべての音のための本当のアルファベットを持っていなかった。 ( n )
要約:「必要」という言葉の表現として英語には「ニーズ」と「ウォント」がある。「ニーズ」は理性による判断から生まれるものであるのに対し、「ウォント」は内なる欲望から生まれるものである。新しい物を生み出す、創造するためには、飛躍 ( ひやく ) というものが必要であり、この飛躍 ( ひやく ) の原動力が「ウォント」である。
伝記人物実例:宮沢 ( みやざわ ) 賢治 ( けんじ ) は、最愛の妹が亡くなった日、その死についての3つの長い追悼 ( ついとう ) の詩(「永訣の朝」「松の針」「無声慟哭」)を作りました。心の中の内なる欲望が彼 ( かれ ) にそれを書かせたのでしょう。このほか、歴史上に名を残している人の行動の動機はどれも「ウォント」です。大分県の青ノ洞門 ( どうもん ) は、禅海 ( ぜんかい ) がのみ一本で三十年かけて掘っ ( ほっ ) たトンネルです。宇宙飛行士、土井 ( どい ) 隆雄 ( たかお ) さんの夢も「ウォント」から出発していたのでしょう。
体験実例:「明日から朝早く起きて勉強をしよう」と思ってもなかなかふとんから出てこられません。しかし、「明日は遠足だ」となると、目が覚めたとたんにガバッと起きてしまうでしょう。そんな身近な例を念頭において考えてみましょう。
意見:「必要だからする」のではなく「したいからする」という内なる熱い動機が大切だという意見です。しかし、自分の能力や社会のニーズなど、客観的な条件を考慮 ( こうりょ ) しなければ、単なる無謀 ( むぼう ) な賭け ( かけ ) になってしまうかもしれません。反対意見への理解は、「確かにニーズを見きわめるも大切だが」というところで。
名言:「人生に意味はない。あるのは欲望だ。欲望があるから、バラはバラらしく花を咲かせ ( さかせ ) ている」「知識がはしごを作ったのではなく、二階に上がりたいという熱意がはしごを作ったのだ」など。 ( n )
第一段落は、長文の要約と意見(生き方の主題)。「私は、「必要だからする」というのではなく、「したいからする」という内なる熱い動機を大切にする生き方をしたい。」
第二段落は、方法1と実例。「そのための方法としては第一に、目標を定め、その目標を実現させるという強い信念を持つことだ。」将来の夢を実現させたいという強い思いがあれば自然とやる気が湧き出 ( わきで ) てくるものです。高校受験にしても、志望校が具体的に決まっているのとそうでないのとではやる気が違い ( ちがい ) ますね。
第三段落は、方法2と実例。「また、第二の方法としては、社会の固定観念に惑わさ ( まどわさ ) れないことだ。」いい大学を出ていい会社に就職して……という狭い ( せまい ) 考え方にとらわれていたのでは、結局は「必要だからする」という考え方に流されてしまいます。内なる熱い動機を大切にするためには社会の固定観念に惑わさ ( まどわさ ) れず自分の心の叫び ( さけび ) に耳を傾け ( かたむけ ) なくてはなりません。
第四段落は、反対理解と名言の引用。「確かに、今やらなければならないことを見きわめることも大切だ。しかし、『知識がはしごを作ったのではなく、二階に上がりたいという熱意がはしごを作ったのだ。』という名言があるように、私は自分の内側から湧き出る ( わきでる ) ような熱意を大事にして物事に取り組んでいきたい。」
( j )
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