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題名:農業は、きわめて恣意的な営みで(感)
感想文の課題です。課題の長文を読んで感想文を書いてください。
課題の長文
【1】農業は、きわめて恣意 ( しい ) 的な営みである。
土を耕す仕事は自然と調和したエコロジカルな行為 ( こうい ) と一般 ( いっぱん ) には思われているようだが決してそうではない。恣意 ( しい ) 的、といって曖昧 ( あいまい ) なら、人間が自然を自分の都合のよい方向にねじ曲げる行為 ( こうい ) 、といったらいい過ぎか。
【2】だいたい、野菜、という概念 ( がいねん ) からして人工的なものである。
人は野草や山菜を採集する労苦と非能率を恨ん ( うら ) で、採ってきた植物を住むところの近くに置いて管理しようと試みた。種を取って播き ( ま ) 、みずからの意志によって自然を手なずけようとさえした。
【3】人間の管理下に置かれたもののうち、栽培 ( さいばい ) されることに甘んじ ( あま ) た植物もあったし、断固としてそれを拒否 ( きょひ ) し、野生の状態でなければ生育しないことを死をもって示した種もあったろう。
食用になる野草山菜のうち、人の管理下での植栽 ( ) が可能なものが「ベジタブル」と呼ばれる。【4】生長・増殖 ( ぞうしょく ) することが可能、という意味である。
そればかりではない。品種の「改良」という名のもとに、人間は植物の姿かたちさえも自分たちの望む通りに変えてきた。根が食べたいと思えば、根を太くする。茎 ( くき ) が固いと思えば、柔らかく ( やわ ) する。
【5】たとえばレタスとかキャベツとかいった、丸く結球する野菜を考えてみよう。
これらの植物は、芽が出てからしばらくのようすを見ていればわかるが、最初はごくふつうの、それぞれの葉が外側に反りながら上に伸び ( の ) ていくかたちの青菜である。【6】それが、ある時点から、しだいに外側の葉が内側の葉を包むように巻きはじめる。
この性質は、人間がつくったものである。
葉が丸く内側に巻きはじめるのは、過剰 ( かじょう ) な栄養のために過度に増えた葉がこみあって伸びる ( の ) 場所を失うからだ。【7】もちろん生体が想定し得る以上の栄養を与える ( あた ) ことができるのは人間だけであり、そうして得られた結果――つまり、結球することによって内部は日光を遮断 ( しゃだん ) されて白く柔らかく ( やわ ) なり、同時にひとつの固体の摂 ( ) 食可能な部分の体積が飛躍 ( ひやく ) 的に増える――を享受 ( きょうじゅ ) するのもまた人間なの∵だ。
【8】私は、野菜のために土を耕しながら、ときどきそんなことを考えた。
「文化」という言葉の語源は「耕す」という意味だと教えられ、そうであるとすれば土を耕す農業こそはまさしく文化的な営みだと納得するが、【9】しかしそれにしたところで、文化というのは人間が手をつけられないような荒々しい ( あらあら ) 自然をなんとか馴化 ( じゅんか ) して管理下に置こうとする試みなのだ、と種明かしをすれば、それほどたいしたことをやっていないのはすぐにわかる。【0】人は自然界にある無限の音から人の耳に美しいと感じられる楽音だけを取り出して音楽をつくり自然界の無限の風景のうち気に入った部分だけを抽出 ( ちゅうしゅつ ) して絵画に構成する。農耕も含め ( ふく ) て、そうした「文化」的な営みの中においてだけ、人は自然を自分たちのコントロール下に置いたような気分になるのである。
私たちの農作業は、「文化」からはほど遠いところにあった。
九二年は、前述したように乾燥 ( かんそう ) した暑い夏だった。
九三年は、一転して雨ばかり降り続く寒い夏で、コメが大凶作 ( きょうさく ) に見舞わ ( みま ) れたことは記憶 ( きおく ) に新しい。私たちの畑でもブドウには病害が発生したし、トマトは降り続く雨にたたられてひどい減収、ジャガイモは掘り返す ( ほ かえ ) 前に半分が土の中で腐っ ( くさ ) た。
そして九四年はまたまた予想を裏切る酷暑 ( こくしょ ) と旱魃 ( かんばつ ) のシーズンで、ブドウは辛くも ( から ) 枯死 ( こし ) をまぬがれてなんとか収穫 ( しゅうかく ) にまで至ったもののブルーベリーは熟しつつある実をつけたまま立ち枯れ ( た が ) 、トウモロコシも皮を剥く ( む ) と乾 ( ひ ) からびた実があらわれた。そのため連日水やりに追われたが、地熱があまりにも高くそれこそ焼け石に水であった。トマトもピーマンも水不足で小さな表面の乾い ( かわ ) た悲しい実しか実らせることができなかったし、秋になってようやく持ち直したと思ったら台風の風で倒さ ( たお ) れた。
まったく、自然を手なずけるどころか、自然の大きな力に翻弄 ( ほんろう ) されるばかりである。
もちろん、その理由の大きな部分が私たちの技術や予測の未熟さ設備や投資の不足にあることは明白だが、しかし必要なソフトやハ∵ードをすベて兼ね備え ( か そな ) ているはずの周辺のプロの農家も結局はほとんど同じような被害 ( ひがい ) に苦しんでいることを考えると、そもそも農業というのは、人間が自然に働きかけかなりの程度それを飼い慣らしたように見えて、実際には単に大きな自然界のほんの少々の「おあまり」をいただくくらいのことしかできないのだ、ということがわかってくる。
畑仕事をはじめた最初の年には、抜い ( ぬ ) ても抜い ( ぬ ) ても生えてくる雑草と格闘 ( かくとう ) しているうちに、「いったい、俺 ( おれ ) はなんでこんなことをしているのだろう」と自問することがしばしばあった。「こんな無駄 ( むだ ) なことにかかわっている時間に、もっとほかにやるベきことがあるのではないのか?」そう思ってイライラしたこともある。
しかし、そんな過渡期 ( かとき ) の思いも、二年めに入るとしだいに消えていった。
畑仕事は、いくら人間が焦っ ( あせ ) ても、できないものはできない。われわれの望むもののうち、自然の合意を得られた分だけを、ゆるゆるとすすめることしかできないのである。
(玉村豊男「種まく人」より)
項目表
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項目の苗 小1から楽しく書ける。作文、読解、国語の通信教育。Online作文教室 言葉の森
項目表 レンギョウ の苗 中3年 1~3月
目標:象徴的な題名を主題化する書き方を身につける
★重要・評価あり ◎重要・評価なし ○普通・評価なし 段落は大体の目安です。
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課題のヒント
次の古いことわざがある。「人に魚を与えれ ( あたえれ ) ば、その人に今日の分の食事を与え ( あたえ ) たことになる。人に魚を獲る ( える ) ことを教えれば、その人に一生分の食事を与え ( あたえ ) たことになる」しかし今日、このことわざは、もはや真実でないかもしれない。その理由は、魚の乱獲 ( らんかく ) である。
フィリピンでは、明かりをつけて操業することは違法 ( いほう ) であるが、その法はしばしば無視される。それが魚を獲る ( える ) ためのより良い方法だからだ。南ンナ海では、魚が非常に獲れ ( えれ ) にくくなってきた。
漁船は、20分の距離 ( きょり ) にある市場に魚を運ぶ。そこでは、たくさんのほかの種類の魚と一緒 ( いっしょ ) に、新鮮 ( しんせん ) なマグロを買うことができる。市場は、毎朝午前6時30分に開く。何年か前は、市場は10時か11時まで開いていた。現在では、8時前に魚が売り切れてしまう。魚の多くはとても小さい。人があまり食用としない種類もある。ある業者は、魚をあきらめ、代わりに鶏 ( にわとり ) を売っている。
乱獲 ( らんかく ) の問題は広がってきている。魚を獲る ( える ) ことはだれにもできるので、多くの人が魚を獲る ( える ) 。世界中で、漁師や魚の養殖 ( ようしょく ) 業者の数が増えてきている。その総数はこの25年間で、倍以上になった。
しかし乱獲 ( らんかく ) は、漁師だけの責任ではない。政府は魚を獲る ( える ) 人々にお金を払う ( はらう ) 。最近の調査によれば、これらの支払い ( しはらい ) 金額は年に16億ドルにもなる。
自由に操業できる水域があり、政府が補助金を出してくれるので、漁師は増えすぎた。世界の漁船の53%は必要ないと見積もっている科学者もいる。
最後に、乱獲 ( らんかく ) にはもう一つの原因がある。それは科学技術が向上したことである。貧しい国の多くは大きな漁船をもっていない。しかし、豊かな国がそれらの国々に漁船を贈る ( おくる ) 。これらの漁船には、新しいエンジン、衛星による航行装置、それにコンピュータが搭載 ( とうさい ) されている。そして、科学技術というものは、常に向上し続ける。科学技術が向上すれば、より多くの魚を獲る ( える ) ことがますます簡単になる。
おそらく、人々に魚を獲る ( える ) ことを教える時代は終わったのだろう。漁師が多すぎて、獲 ( え ) られる魚が多すぎる。私たちは、食べられる魚がいなくなる前に、この問題の新しい解決策を見つけなくてはならない。 ( n )
内容:農業は自然界にある植物を人間の管理下におこうとする営みである。しかし、人間はまだ自然を十分にコントロールできていない。自然の合意を得られた分をいただくぐらいしかできないのである。
解説:登山家も初心者のころは、「今度はエベレストを征服 ( せいふく ) するぞ」などと言うそうですが、だんだん年期を積んでくると、征服 ( せいふく ) するなどというおこがましいことは言えなくなるそうです。人間が自然を加工して住みよい世界を作ってきたことは確かですが、まだ自然には人間の知恵 ( ちえ ) を大きく超え ( こえ ) たものがあります。自然に対しては、もっと謙虚 ( けんきょ ) に、そして気長に取り組んでいくことが大切なのでしょう。最近のバイオテクノロジーの話などと関連させて考えることもできそうです。 ( n )
n 第一段落は要約。続けて生き方の主題の意見。「私は自然に対して謙虚 ( けんきょ ) な気持ちを忘れずに生きていきたい。」n n 第二段落は、方法1と体験実例。「そのためには、第一に、自然の恐ろし ( おそろし ) さを認識することである。」体験実例は、人から聞いた話、テレビで見た話などでもいいです。n 植物や動物を育てたことのある人は、生き物の不思議な力に驚い ( おどろい ) たことがあるでしょう。人間ができるのは、水をやったり餌 ( えさ ) をやったりすることだけで、人間の科学の力ではまだ光合成の仕組みの真似をすることさえもできません。n n 第三段落は、方法2と伝記実例。「そのためには、第二に、幼いころからもっと自然に親しめるような機会をふやしていくことである。伝記によると、ファーブルは幼いころから虫が好きで、時間が経つのも忘れ、草むらにしゃがんで虫の観察をしていたらしい。ファーブルのように幼いころから自然に親しみ、自然を知ることができれば自然に対して謙虚 ( けんきょ ) な気持ちを持ち続けることができるのではないだろうか。」n n 第四段落は、反対理解と名言の引用。「確かに、ときには人間が自然を管理することも必要だ。しかし、「寒さにふるえた者ほど、太陽の暖かさを感じる。」という名言もあるように、私は自然に対する謙虚 ( けんきょ ) な気持ちを忘れずに生きていきたい。」生き方という言葉は括弧 ( かっこ ) 書きで書いてもいいです。例えば、「自然に対して謙虚 ( けんきょ ) な気持ちを持ち続けたい(生き方)」など。n n ( n )
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