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題名:要するに、一九八〇年代に(感)
感想文の課題です。課題の長文を読んで感想文を書いてください。
課題の長文
【1】要するに、一九八〇年代に入って一挙に噴出したコンピュータ・コミュニケーション技術の発展と普及は、連続的に進行していた技術が人々の欲求変化によって方向を変え、予想外の分野においても爆発的に広まりだした現象なのだ。【2】そしてそれを生み出したのは、七〇年代に浸透した資源有限感によって生じた人々の欲求の変化、つまり美意識と倫理観の変化だといえる。
【3】この点において、目下進行中のコンピュータ・コミュニケーションを中心とする技術進歩、一九世紀末から二〇世紀の前半にかけて操り返された内燃機関や電気技術、化学工業の発達などとは、全く違った社会的影響を持っている。【4】つまり、産業革命以来の技術革新は、物財の量的増大を求める欲求にそって進んだものであり、主として物財供給量の増大と加工度の向上に役立った。ところが、今進行している技術革新は、主として多様化、情報化による「知価」部分の増大と省資源化による物財消費の削減を目指すものだ。【5】いいかえれば、創造的知価の増加にこそ役立つ種類のものなのである。
この違いは、きわめて重要であり、本質的でもある。産業革命以来、技術革新は、内燃機関も電気技術も化学工業も、それが増大させようとした物財生産はみな、数値化が可能なものだった。【6】お米や鉄などの素材は勿論、自動車やテレビ、建造物といった高度加工品でもそれぞれの加工度を換算して統一された単位(もっぱら価格換算された)で計上することが、少なくとも理論的には可能である。従って、国民総生産(GNP)といった概念も成り立ったし、それを時系列的に、あるいは国際的に比較することも可能であった。
【7】しかし、いま進んでいる技術革新が増加させようとしている「知価」創造は、現実的にも理論的にも数値化不可能な性格のものである。デザインの善し悪し、イメージ価値の大小、技術の高低、生活の快適さや都市空間のアメニティといったものは、本質的に主観的か、少なくとも相対的である。【8】これらの価値や価格が経済統計に計上されるのは、人々がそれぞれの主観に応じて対価を支払った結果の集計に過ぎない。従って、その価格が、それを生産するのに投入された費用と見合うという保証は、長期的に考えても全く存∵在しない。
【9】一人のデザイナーがヒット商品を創造することもある代わりに、千人の大事務所でも全く流行を生み出せないこともある。一八歳の少年がコンピュータ・ソフトで大儲けすることもあるが、三〇年のベテランも全くだめなこともある。【0】口コミだけで最高のイメージを得るお店もあれば、大広告の成果が全くないこともある。主観に依存する知価は、いかにそれが社会化されてもやっぱり数値化不可能であり、コストとの関係も存在しない値打ちなのだ。
こうした社会的主観に依存する数値化できない「知価」への傾斜が深まることは、専ら数値による客観性を重視してきた工業社会的合理精神には、許容しがたい事だ。当然、それ故の反発も反感もある。そこから「いろんな運不運があっても全体として巨視的平均的に見れば、やっぱり価格はコストに見合うはずだ」という主張も出てくるに違いない。
しかし、仮に日本全体、あるいは日本全体の何年間かといった大数平均をした結果が「価格はコストに見合う」としても(こんな事実があるという保証は全くない)、物財や単純なサービスにおけるごとく「コストに価格が接近する運動を繰り返す」ためではなく、コストから上下双方に大きく乖離した価格がそれぞれ単独に発生した結果の偶然に過ぎない。
要するに、「知価」の値打ちの形成原理は、工業社会的ではないし、そんな知価に対して欲求を募らせ、惜しみなく対価を支払う精神も、工業社会的合理精神とは異質のものである。
だからこそ、「知価」が重要な役割を果たすような社会――「知価社会」は、工業社会の延長上にある「高度社会」などではなく、工業社会とは全く別の「新社会」なのである。
今、この一九八〇年代に、日本で、そして世界の先進諸国(とりわけアメリカ)で起こっている変革は、単なる技術革新でもなければ、一時的な流行でもない。それは、産業革命以来二百年振りに人類が迎えた「新社会」を生み出す大変革、いわば「知価革命」なのである。
(堺屋太一 『知価革命』による)
項目表
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項目表 ワタスゲ の苗 高1年 4~6月
目標:人文科学のテーマを書く書き方を身につける
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課題のヒント
「産業革命以来の技術革新は、物財の量的増大を求めるもので数値化が可能なものであった。しかし、今進行している知価革命は、本質的に数値化が不可能なものである」というのが長文の主旨です。
具体的な例を考えながら、知価社会に対応できない旧来の価値観を問題点としていくといいでしょう。
例えば、絵画などの芸術作品は、使った絵の具の量や描くのにかかった時間で値段が決められるわけではありません。今日の社会では、多くの商品がこの芸術作品のような性質を持ちつつあります。
モノそのものが不足していた時代には、おなか一杯食べられればなんでもいいとか、寒さをしのげればどんな服でもいいという考えが主でした。こういう考えが大量生産の基礎となった価値観です。
しかし、今は、自分の気にいったものでなければ、タダでも要らないという考えの方が多くなっています。この「気に入る」ということは数値化できません。最近ヒットした商品などをもとに考えてみましょう。 ( n )
第一段落(150〜200字)要約
産業革命以来の技術革新は、主として物財供給量の増大と加工度の向上に役立った。今進行している技術革新は、主として多様化、情報化による「知価」部分の増大と省資源化による物財消費の削減を目指すものだ。しかし「知価」創造は、現実的にも理論的にも数値化不可能な性格のものである。「知価」の値打ちの形成原理は、工業社会的ではないし、そんな知価に対して欲求を募らせ、惜しみなく対価を支払う精神も、工業社会的合理精神とは異質のものである。産業革命以来二百年振りに人類が迎えた「新社会」を生み出す大変革、いわば「知価革命」なのである。
続いて意見を挙げます。「私たちは新しい「知価」という価値観を受け入れるべきである。そのために考えられる方法は二つある」。
第二段落(150〜200字) 方法1
「第一の方法としては、選ぶ自由を認めることである。」(第一の方法は個人の側からの心構えのようなかたちが書きやすい)。その裏づけとなる実例。規格大量生産の実現を目指した時代では、たとえば皆が同じように学校に行って、大きな企業に就職して、幸せをつかむ事が目標でした。終身雇用というものです。ところが、今では多様性が認められます。好みで選べる時代になったのです。たとえば、義務教育である小学校を学区制でなく選択できるシステムをとる地域が出てきました。職業も、ライフスタイルの変化で選ぶ時代。終身雇用から選職の時代になってきたのです。
第三段落(150〜200字) 方法2
「第二の方法としては、情報の普及浸透を図ることである。」(第二の方法が視野を広げてできるだけ社会的に)知価という知恵の値打ちを選んで生活する時代に生きるためには、選択肢をひろげることが望まれます。選ぶことが出来る条件下にいなければ、知価の時代の恩恵を受けることが出来ません。デジタルデバイドという言葉にあるように、情報化の進んだ社会では、情報化の進み具合で貧富の差や機会の不均等が起こります。皆が同じように生き方を選び取れる社会が理想ですね。
第四段落(150〜200字) 反対意見への理解を入れながらまとめ
「確かに、高度成長の社会を創り上げてきた価値観も大切ではある。しかし、私たちは「知価」という新しい価値観への発想の転換を望まれている。」名言も考えてみましょう。名言集を参考に。キーワードを主語にして「○○とはAではなくBである。」に当てはめてみましょう。 ( k )
<是非の主題>
私たちは「知価」の時代に生きるため、自分自身を見つめるべきである。
<方法の一つ目>
個人の価値観を尊重することが重要である。大量生産大量消費の時代では皆が同じものを消費していた。同時に価値観も画一的であった。「知価」社会経済の流れにのるためには個人の価値観を尊重することが必須である。全員の生徒に同じことを押し付ける教育も変わらなければならないだろう。
<方法の二つ目>
個人個人の価値観を豊かにするためには、自分の頭で考え、自分の心で感じることが重要である。
何かが流行すると右へならえで皆が真似をする。そうではなく、自分の好きな洋服や持ち物を探そう。
<反対意見の理解>
確かに同じ価値観をもつことは人々に安心感を与える。しかし経済発展の過程で価値観は多様化しつつある。これからの時代を生きていくためには自分らしさが必要不可欠である。 ( b )
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