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級:★   山:wapi   年:★   月:08   週:3  苗:wapi
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題名:
本文:



題名:もう一つの体験は(感)

感想文の課題です。課題の長文を読んで感想文を書いてください。

課題の長文
 【1】もう一つの体験は、彼(かれ)の目の前で起きたイスラーム教徒の殺人であった。センが住んでいた地域一帯でヒンドゥー教徒とイスラーム教徒の暴力的な抗争(こうそう)が激化している中、イスラーム教徒の日雇い(ひやと )労働者だったその男は仕事をなくし、家にあった食べ物も底をつき、家族は飢え(う )ていた。【2】それでやむをえず、彼(かれ)はわずかな報酬(ほうしゅう)と引き替え(ひ か )に薪(たきぎ)をとどけるため、抗争(こうそう)のまっただ中をヒンドゥー教徒の居住する地区に出てきたのだった。【3】通りでヒンドゥー教の暴徒に背中を刺さ(さ )れたその男は、センの家に助けを求めて転がり込ん(ころ  こ )できたのだが、結局病院に運ばれる途中(とちゅう)で死んでしまったという。
 【4】ここでもまた「出来事」はそれだけで十分に悲惨(ひさん)だ。しかし単なる悲劇ということをこえて、同じ暴力的抗争(こうそう)という事態の中で、なぜイスラーム教徒だけが仕事を失うことになったのか、なぜ彼(かれ)が危険を冒さ(おか )なければならないような状況(じょうきょう)に陥っ(おちい )たのかということを考えれば、【5】たとえ暴力的抗争(こうそう)という特別な事態でなくても、日頃(ひごろ)からイスラーム教徒がヒンドゥー教徒に比べて不安定な職にしか就いておらず、何かあれば職を失いやすいような境遇(きょうぐう)にあったという社会的状況(じょうきょう)が見えてきただろう。【6】先の飢饉(ききん)の場合と同じように、同じ境遇(きょうぐう)や条件の中であってもそこには変化に対して影響(えいきょう)を受けやすい「誰(だれ)か」がいるのであり、いったん社会的な変動が起これば、その「誰(だれ)か」が真っ先に被害(ひがい)を被る(こうむ )ことになる。【7】そしてその「誰(だれ)か」は、決してでたらめに出てくるのではない。特定の地域の人々やなんらかの職業集団といったかたちでまとまって、以前からそこにあった社会的条件と関係しながら、そのような人々が「選びだされて」いってしまう。【8】飢饉(ききん)だからといって皆(みな)が飢える(う  )わけではなく、暴動だからといって誰(だれ)もが殺されるわけでもなく、このように同じ状況(じょうきょう)下にあるからといって、誰(だれ)にでも同じように惨禍(さんか)がふりかかるわけではないのだ。
 ∵【9】飢饉(ききん)や飢餓(きが)が、直接食糧(しょくりょう)の不足によって引き起こされるのではなく、また暴力的抗争(こうそう)の中で殺されたり傷つけられたりするといったことが、単純に出来事の「暴力性」からくるのではないというのであれば、そこにセンが語るように「社会的なもの」のはたらきを探ることができる。
 【0】たとえば、身体的なハンディキャップというものを考えてみると分かりやすいかもしれない。同じものをもっていても、同じ条件のもとで生活していても、身体的にハンディがあれば他の人と「同じように」それを利用することはできないし、災害などに見舞わ(みま )れれば、真っ先に不利な状況(じょうきょう)におかれるのはこのような人たちだ。しかし、もう少し見えにくい社会的なハンディキャップといえるものもある。イスラーム教徒だというだけで職を失ってしまった男などはその例だろうし、また「外国人出稼ぎ(でかせ )労働者」として異国で生活しなければならない人たちの多くは、「権利」や「法」という点で仮に百歩譲っ(ゆず )て平等だとしても、普通(ふつう)はその権利を行使できたり、法を持ち出してものごとを要求したりすることができるような立場にはいない。ドイツに出稼ぎ(でかせ )に行ったあるトルコ人は、カフェに入って、ようやく覚えた言いかたで「コーヒーを下さい」と言ったけれど、コーヒーは出てこないで「おまえの来るところではない」という視線を向けられただけだったと語っているが、コーヒーくらいならともかく、これが食糧(しょくりょう)不足とでもなろうものなら、真っ先に食べ物を売ってもらえなくなるのはこのような人たちということになるだろう。こうして彼ら(かれ )は「被害(ひがい)を受けやすく」なってしまうのだ。そして、このようなハンディは「もの」の量や、「権利」や「法」の平等だけでなんとかなるというものではない、きわめて社会的かつ文化的なものなのである。

(岡本(おかもと)真佐子(まさこ)「開発と文化」より)

項目表

項目表を参考にして、作文・感想文を書いてください。 項目の苗 小1から楽しく書ける。作文、読解、国語の通信教育。Online作文教室 言葉の森 
項目表 ピラカンサ の苗 高1年 7~9月
目標:人文科学のテーマを書く書き方を身につける
 ★重要・評価あり ◎重要・評価なし ○普通・評価なし 段落は大体の目安です。
第 1 段落項目キーワード説明
構成 ◎ 構成図構成図 <<構成>>構成図をかく
構成 ○ 四段落構成 大きく四つぐらいの部分に分けて書く
構成 【】★ 書き出しの工夫書き出しの工夫 <<構成>>会話・色・音・情景で書き出す
主題 【】★ 当為の主題べき 当為 <<主題>>私はAべきだと思う
             ↓
第 2 段落項目キーワード説明
構成 【】★ 複数の方法一方法 <<構成>>…の方法としては第一に
題材 【】★ 体験実例体験 私 わたし 僕 ぼく <<題材>>自分らしい体験実例を書く
表現 ○ たとえまるで みたい よう <<表現>>まるで…のよう
主題 ○ 途中の感想 途中で主題に関連した感想を書く
             ↓
第 3 段落項目キーワード説明
構成 【】★ 複数の方法二方法 <<構成>>…の方法としては第二に
題材 ◎ 歴史実例・長文実例歴史 長文 <<題材>>歴史の実例・長文集の実例
表現 【】★ ユーモア表現笑 爆 ユーモア <<表現>>ユーモアのある表現(笑)
表現 ◎ ことわざの加工ことわざ <<表現>>ことわざや名言や流行語を加工する
             ↓
第 4 段落項目キーワード説明
主題 【】★ 反対意見への理解確かに <<主題>>確かにBもよいが、しかしAが
表現 【】★ 自作名言ではなく でなく 自作名言 <<表現>>「○○とはAではなくBである。」という形の文
主題 【】★ 当為の主題べき 当為 <<主題>>私はAべきだと思う
構成 ◎ 書き出しの結び書き出しの結び <<構成>>書き出しのキーワードを使って結ぶ

字数 ★ 800字以上
表記 ○ 決めてくる、読みかえす書くことを決めてくる、書いたあと読み返す
表記 ★ 制限時間75分書き始めから書き終わりまで75分で
表記 ○ 構成メモ作文を書く前に構成メモを書く
表記 ○ 漢字を使う、ていねいに書く習った漢字を使いていねいに書く
表記 ○ 段落三文段落の目安は三文ぐらい
表記 ○ 一文一点読点は1文に1〜2点を目安に
表記 ○ 常体で書くした・だった・であるなどで書く練習
表記 ○ 誤字一ヶ所以内一つの作品に誤字は一つまで


課題のヒント

 ほとんどの人にとって読書が知的でもない楽しみとなり、同時に、出版業者の印刷機から絶え間のない滝(たき)のように書物がふり注ぐ時代にあっては、その目的を果たすには書物はかろうじて一度読むに堪える(こたえる)ものでありさえすればよい。読み返される必要はなく、将来の楽しみのもととして頭に残る必要もない。だから書物が記憶(きおく)にとどまるかどうかは問題ではなくなっている。ところが、文学は記憶(きおく)にとどまらないとき何の価値もないものである。想像の楽しみを民間伝承の文学に仰い(あおい)でいるまったくの文盲(もんもう)は、だから、忘れ去ってしまう小説を手に入るからというだけで読む半文盲(もんもう)よりもずっと幸福だ。口頭伝承の文学は頭に残らなければならない、そうでないと忘れられてしまうからである。だが今日の文字文学のほとんどは忘れられるという予想のもとに出版される。次のシーズンのリストと入れ代わるためである。これが、現代の書物は「古典」とは種類が違う(ちがう)という感じのする理由の一つである。
 実は識字能力自体は手段であって目的ではなく、良いことにも悪いことにも、どちらでもないことにも利用されうる。書物も実にさまざまな理由で読まれうる。だが、書物を読む理由こそが書物の読み方を決定し、ある程度、書物から得ることのできる啓発(けいはつ)の程度を決定する。書物はすべて楽しみのために読まれなければならないのはもちろんであるが、「楽しみ」という語は意味が多すぎてここで役立つ語ではない。楽しみには種類が多く、知的なものもそうでないのもある。それに、知的な楽しみの種類もいろいろある。文学の鑑賞(かんしょう)はごく特殊(とくしゅ)な種類の知的楽しみを含み(ふくみ)、そこでは知的な要素が直接顕現(けんげん)されているとは限らないし、そこでは評論家が想像力と呼ぶようになった能力は複雑で必ずしも定められない役割を演ずる。読む力だけではその種の楽しみを味わうことができるという保証にならない。実際読む力はその種の楽しみとは特別何のつながりもない。ただし、読む力はその種の楽しみがわかる人に伝える技術を提供するというだけである。愛国心と同じように、識字能力はそれだけでは駄目(だめ)なのである。 ( n )
 法的な平等という建前にもかかわらず、飢餓(きが)や紛争(ふんそう)や貧困や経済格差は、異なる集団の間の差異として社会的・文化的に現れる、という話です。ドイツに出稼ぎ(でかせぎ)に出たあるトルコ人がカフェに入り、ようやく覚えた言い方で「コーヒーをください」と言ったところ、コーヒーは出てこないで「おまえの来るところではない」という視線を向けられただけだった、という話が引用されています。権利や法律に関しては平等であっても、目に見えにくいところで社会的なハンディキャップが作られているということです。
 男女の平等でも、法的な建前よりも文化的なもので差異が生まれるところがあります。現代の日本社会の問題に結びつけて考えていきましょう。 ( n )
 第一段落(150〜200字)要約
 続いて意見を挙げます。「私たちは、本当の意味での平等を実現していくべきである。そのために考えられる方法は二つある」。
 第二段落(150〜200字) 方法1
 「第一の方法としては、慣習や思い込み(おもいこみ)を考え直していくことだ。」(第一の方法は個人の側からの心構えのようなかたちが書きやすい)。その裏づけとなる実例。男女平等といわれるようになって久しいですが、女性の権利を回復するためのさまざまな試みは歴史で学んだでしょう。それでもなお、根強く残る男女の不平等のために未だに議論が絶えません。看護婦さんが看護士になって、保母さんが保育士になって。男性も育児休暇(きゅうか)がとれるようになって。それでも、やはり家でご飯を作ったりお茶を入れるのはお母さん。本当に平等にやっていたら、かえって特別視されそうな風土があります。
 第三段落(150〜200字) 方法2
 「第二の方法としては、国際理解をすすめる為(ため)に情報の普及(ふきゅう)をはかることだ。」(第二の方法が視野を広げてできるだけ社会的に)7.3週に「日本では、もめごとを「相手よりも強い力」や「他人の力」で、解決してすますアニメが多い。人と人がじっくり向き合い、どうすれば問題が解決するのか、掘り下げ(ほりさげ)て考える場面が出てこない。」といったものがありました。安易に「よいもの」と「わるいもの」の構図で解決しようとすると、日本と相反するものを「わるい」と解釈(かいしゃく)しかねません。問題の本質がどこにあるのかを真に考えるような情報の開示が必要ですね。
 第四段落(150〜200字) 反対意見への理解を入れながらまとめ
 「確かに、法的な平等を確保していくことも大切だ。しかし、私たちは文化的なものから来る無意識の差異をのりこえて、真に平等な世界をつくっていくべきだ。」名言も考えてみましょう。名言集を参考に。キーワードを主語にして「○○とは・・・ではなく・・・である。」に当てはめてみましょう。 ( k )