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級:★   山:yu   年:★   月:10   週:2  苗:yu
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題名:何でもよく知っていて(感)

感想文の課題です。課題の長文を読んで感想文を書いてください。

課題の長文
 【1】何でもよく知っていて、次から次へと、どんな問題についても、よく話をする人がいる。じっと聞いていると、話している内容は、ほとんどが新聞や雑誌に出ていたこと、あるいはテレビで誰か(だれ )が話していたこと、つまり「情報」なのである。【2】それを右から左へと流しているだけのことだ。話のある部分について、疑問点を確かめたいと思って詳しく(くわ  )聞くと、はっきりした「知識」を持っているわけではないから答えられない。【3】しかも、「情報」をほとんど受け売りしているだけで、その中身を自分の考えによって吟味(ぎんみ)していないから、どんな話をしてもその人の人生経験に照らした上での「知恵(ちえ)」になっていない。【4】わざわざ「情報」「知識」「知恵(ちえ)」という三つのことばにかぎカッコをつけたのには意味がある。人の話を聞く時、その内容を、この三つに分類しながら聞くと、なかなか面白いからだ。【5】むろん情報を得たいと思って話を聞く時には、情報が的確に得られれば良いので、うまく情報を伝えてくれる人が好ましい。また知識についても同じことが言える。三番目の知恵(ちえ)が、最も興味深い分野である。知恵(ちえ)があるかどうかは学歴などとはまったく関係がない。【6】世の中には、情報には疎い(うと )かもしれないが、豊かな人生の知恵(ちえ)を持った人がいる。そうかと思うと、情報にはやたら詳しい(くわ  )のに、まったく知恵(ちえ)のことばを吐か(は )ない人がいる。【7】そして、人間として魅力(みりょく)があるのは、もちろん知恵(ちえ)のある人である。取材していてもはっとさせられるのは知恵(ちえ)のことばを聞く時である。普段(ふだん)は無口だが、口を開けば知恵(ちえ)のことばを語るという人がいる。【8】しっかりと生きてきた、その個人の存在を感じさせられる。対照的に情報ばかりをぐるぐるまわし続け、情報に踊ら(おど )される人の人生とは何だろう、と思わされる。知恵(ちえ)があるかないかは、一(いつ)に、ものを自分の頭でじっくりと考えているかいないか、の違い(ちが )ではないかと思う。
 【9】T・S・エリオットという名の詩人がいる。この人の詩に、右の三つを読み込ん(よ こ )だ、こういう文章がある。「私たちが、知識の中で失った知恵(ちえ)はどこにある。私たちが、情報の中で失った知識はどこにある。」これは、長い詩の一部である。【0】三つのものについてエリオットが考えていたこと、三者の関係をどうとらえていたかと∵いうことが、ここにうまく表現されている。(中略)
 最近の世相を評するのによく使われるのは、いわゆるマニュアル文化ということばである。ある時、作家の山田太一さんと話す機会があった。いろいろな話の中で、マニュアル文化の話が出た。そうしたら、彼(かれ)がこういう実例をあげた。知り合いの有名な俳優が、芝居(しばい)の稽古(けいこ)の合間にファーストフードの店に行ったというのである。一座の人々の昼食を買うためで、ハンバーガーか何かを二十数個、買うつもりだった。注文したら、注文を受けた娘(むすめ)さんが、それを復唱したあと、「ここでお召し上がり(め あ  )になりますか。」と聞いた。俳優はあっけにとられた。「おい、よく見ろよ。ここにいるの、おれ一人じゃないか……。」娘(むすめ)さんは、マニュアルに沿った応対をし、決められた順序で、決められた発言をしただけなのだろう。忠実なのはいいが、目の前の現実を見て考える、という自分の能力と自由とを忘れているとしか思えない。山田さんとしばらく笑ったあと、笑い事ではないですね、という話になった。
 新聞のコラムを執筆(しっぴつ)していて、考えるということについて大いに考えさせられた。いまの教育は、家庭でも学校でも、十分に考える訓練をしているだろうか、子どもは自分の頭でじっくり考えるためのゆとりを与え(あた )られているだろうか、という疑念が頭を離れ(はな )ない。むろん、間題は子どもだけではない。フランスに、ジャン・ギットンという哲学(てつがく)者・神学者がいる。この人の本に、こういう一文がある。「学校とは一点から一点への最長距離(ちょうきょり)を教えることであると、私は言いたい。」思うに名言である。私は、このことばをよく思い起こす。ある人々は、最長距離(ちょうきょり)と聞いただけで、耐え(た )られない長さと想像するかもしれない。その最長距離(ちょうきょり)を、道草のように思う人もいるかもしれない。しかし、子どもは自分の頭で考えたり、感じたりしながら、長い長い距離(きょり)を歩き、それによって自分らしい成長をとげるのである。ギットンは何よりも、考えることの大切さを説いた。考える訓練をしなければならないのは子どもばかりではない。教師も大人も同様である。さきに述べた「情報」と「知識」と「知恵(ちえ)」の三つに即し(そく )て言えば、先生が教室の中で話したことの中で子どもが成人した後もいつまでも覚えているのは、たいてい「知恵(ちえ)」のことばである。 (白井()健策「天声人語の七年」から)

項目表

項目表を参考にして、作文・感想文を書いてください。 項目の苗 小1から楽しく書ける。作文、読解、国語の通信教育。Online作文教室 言葉の森 
項目表 ユーカリ の苗 中2年 10~12月
目標:二つの異なる意見を比較して考える書き方を身につける
 ★重要・評価あり ◎重要・評価なし ○普通・評価なし 段落は大体の目安です。
第 1 段落項目キーワード説明
構成 ○ 要約(感想文)要約 <<構成>>要約を二〇〇字ぐらいでまとめる
構成 ○ 四段落構成 大きく四つぐらいの部分に分けて書く
構成 ○ 書き出しの工夫書き出しの工夫 <<構成>>会話・色・音・情景で書き出す
題材 ○ 状況説明 身近な実例による説明
             ↓
第 2 段落項目キーワード説明
構成 【】★ 複数の意見一意見 考え 確かに <<構成>>確かにAという意見もある
題材 ◎ 体験実例体験 私 わたし 僕 ぼく <<題材>>自分らしい体験実例を書く
表現 ◎ たとえまるで みたい よう <<表現>>まるで…のよう
主題 ○ 途中の感想 途中で主題に関連した感想を書く
             ↓
第 3 段落項目キーワード説明
構成 【】★ 複数の意見二意見 考え しかし <<構成>>しかしBという意見もある
題材 【】★ 昔話の実例・長文実例昔話 童話 長文 <<題材>>昔話や童話の実例・長文集の実例
表現 ◎ ユーモア表現笑 爆 ユーモア <<表現>>ユーモアのある表現(笑)
             ↓
第 4 段落項目キーワード説明
主題 ○ 反対意見への理解確かに <<主題>>確かにBもよいが、しかしAが
主題 【】★ 総合化の主題総合化 <<主題>>大事なことはAかBかではなくCである
表現 【】★ 名言の引用名言 言葉 ことば <<表現>>主題に合わせて名言を引用する
構成 ○ 具体的説明の結び例えば 具体的 <<構成>>主題を具体的に再説明して結ぶ

字数 ★ 1000字以上
表記 ○ 決めてくる、読みかえす書くことを決めてくる、書いたあと読み返す
表記 ★ 90分以内書き始めから書き終わりまで90分で
表記 ○ 構成メモ作文を書く前に構成メモを書く
表記 ○ 漢字を使う、ていねいに書く習った漢字を使いていねいに書く
表記 ○ 段落三文段落の目安は三文ぐらい
表記 ○ 一文一点読点は1文に1〜2点を目安に
表記 ○ 常体で書くした・だった・であるなどで書く練習
表記 ○ 誤字一ヶ所以内一つの作品に誤字は一つまで


課題のヒント

 何年も前、南米のある町の人々は大きな問題を抱え(かかえ)ていた。ネコが次々に死んでいて、だれにもその理由がわからなかったのだ。少し前にはどの家にもその家のネコがいた――時には2、3匹(ひき)いることもあった。ネコは森から町に入り込ん(はいりこん)で来るネズミを殺してくれたのだが、突然(とつぜん)そのネコがどんどん死んでいったのだ。とても奇妙(きみょう)だった。最初、ネコは全身を震わせ(ふるわせ)始めた。それから物を食べなくなり、数日後に死んでしまうのだ。人々には、なぜそれほど多くのネコが(次々と)死ぬのかわからなかった。
 その国のほかの地域と同じように、この町でも多くの有害な虫が見つかっていた。これらの虫はしばしば危険な病気を運んだ。しかし当時のこの町に虫の害はなかった。というのも、人々が虫を殺すのにDDTと呼ばれる新しい毒薬を使っていたからだ。彼ら(かれら)は、DDTはとても役に立つ毒薬だと考えていた。それは虫を殺すのに非常に効果的であった。年に数回、彼ら(かれら)は町のすべての家にDDTをまいていた。だから、虫によって運ばれる病気がネコを殺しているのではないと考えた。
 間もなく町で奇妙(きみょう)なことが起こり始めた。ネコが死に、たくさんのネズミが町に現れたのだ。すると、何人かの人が突然(とつぜん)ひどく具合が悪くなった。医者たちは、それが発疹チフスという病気であることを発見した。彼ら(かれら)は、ネズミが発疹チフスを運んでいることを知っていた。そこで人々は見つけたネズミをすべて捕らえ(とらえ)て殺した。その後、発疹チフスは町から消えた。
 ネコたちも発疹チフスのせいで死んだのだろうか。医者たちはそうは考えなかった。なぜならネコが発疹チフスをもっていないことがわかっていたからだ。
 医者のチームが町にやって来て、なぜネコが死んだのか調べ始めた。町の医者の一人が数匹(ひき)のネコの死体をまだもっていた。とうとう彼ら(かれら)は、ネコの体内に致死(ちし)量のDDTがあることを発見した。家にまかれたDDTがネコの体内に入り、ネコを殺したのだ。
 今や医者たちはすべてを理解した。最初、町には多くのネコが住んでいたので、ネズミはそこに入れなかった。それから虫を殺すために町にDDTがまかれ、ネコが死に始めた。すべてのネコが死んだ後、ネズミを町に入れないものがなくなった。何百(何千)というネズミが町に入って来た。そしてネズミの運び込ん(はこびこん)だ発疹チフスが町の食べ物や水を通じて広がった。間もなく人々が具合が悪くなって死んだのだ。科学者たちは、有害な虫を殺すすばらしい毒薬を発明した。しかし彼ら(かれら)は、この世界のすべてのものはつながっているということを忘れていた。害虫を殺す毒薬は、ネコや鳥や魚も殺すのである。1つの問題を解決することによって、人間はより危険な新しい問題を作り出してしまうことがあるのだ。 ( n )
 要約:情報や知識よりも知恵(ちえ)が大切だ。知恵(ちえ)があるかないかは、自分の頭で考えているかいないかの違い(ちがい)だ。ファーストフードの店員のマニュアル化した応対なども笑い話とは言えない。今の教育でも、知恵(ちえ)を育てるようなゆとりが必要だ。
 意見:知識よりも自分で考える力が大切だ、という意見で書くとよいでしょう。反対理解は、「確かに基礎(きそ)になる知識が大切だが」というところです。知識や情報なしに考えると、ひとりよがりになることもあるでしょう。
 名言:「知識がはしごを作ったのではなく……」「読書とは自分の頭で考えることでなく……」などが使えそうです。
 「総合化の主題」……AとBの二つの意見を、Cという、より高い次元の意見にまとめていく練習です。これは、ひらめきがないとなかなか考えつかない意見ですから、どうしても思い付かない場合は「AとBをうまく使い分けていくことが大切だ」というような折衷(せっちゅう)案にしてもかまいません。しかし、できるだけ自分の力で、より高い次元のCという意見を見つけていきましょう。「知識と知恵(ちえ)とどちらが大切か」という設定の場合は、「知識に支えられた知恵(ちえ)こそが大切だ」のように考えられるでしょう。また、「知識と知恵(ちえ)を二つの手段と考えれば、大事なのは手段ではなく目的だ」ということで、「まず何のためにやっているのかという目的をはっきりさせることが最も大切だ」のようにまとめていくこともできるでしょう。
 昔話実例は、「うばすて山」の老人の知恵(ちえ)。さるかに合戦で、かに連合軍が知恵(ちえ)をしぼって考えた話。昔話ではないが一休さんのとんち。などなど。 ( n )
(1)要約。
(2)確かに知恵(ちえ)(自分で考えること)は大事だ。
(3)しかし、その基盤(きばん)となる知識(情報)も大事だ。
(4)しかし、いちばん大事なのは、それらの知恵(ちえ)や知識を何のために生かすかということだ。(それらの知識や知恵(ちえ)を使って何をするかということだ。)
 確かに、学生時代は、まだ生かすことを考えるよりも、知識や知恵(ちえ)を習得していくこと自体を目的としていかなければならないかもしれないが。 ( n )
 昔話実例は「三匹(ひき)の子ぶた」。長男はわらの家、次男は木の家、末っ子はレンガの家を作りました。結果的にわらの家も木の家もオオカミに壊さ(こわさ)れ、二匹(ひき)は末っ子の家に逃げ(にげ)て難を逃れ(のがれ)ます。末っ子は「家を作るならレンガが丈夫(じょうぶ)でいい」という知識があったから、面倒(めんどう)で大変でもレンガの家を作ったのでしょう(ちょっと強引かな)。 ( m )
【昔話実例】→
「ヘンゼルとグレーテル」のお話。二人は、まま母に捨てられ、山の中で魔女(まじょ)につかまりましたが、協力して魔女(まじょ)から逃げ出す(にげだす)ことができました。ヘンゼルを太らせて食べようとした魔女(まじょ)に、かしこいグレーテルは、ヘンゼルの腕(うで)の代わりに細い枝をさし出してだましたり、パン焼きがまに魔女(まじょ)をおしこめてやっつけたり、大活躍(かつやく)しました。とっさの知恵(ちえ)で、身の危険を回避(かいひ)できましたね。
[一寸法師]は、京に上って侍(さむらい)になりたいと旅に出て、途中(とちゅう)、さまざまな苦難に遭遇(そうぐう)しながら、ついには鬼(おに)を退治しました。持ち前の元気と知恵(ちえ)を生かして、お腹の中に入り込み(はいりこみ)、刀の針で、ちくちく刺し(さし)ました。その宝物の打ち出の小槌を手に入れ願いどおり背も高くなって、お姫様(おひめさま)と結婚(けっこん)して幸せに暮らしましたね。 ( m )
【昔話実例】→
「ヘンゼルとグレーテル」のお話。二人は、まま母に捨てられ、山の中で魔女(まじょ)につかまりましたが、協力して魔女(まじょ)から逃げ出す(にげだす)ことができました。ヘンゼルを太らせて食べようとした魔女(まじょ)に、賢い(かしこい)グレーテルは、ヘンゼルの腕(うで)の代わりに細い枝をさし出してだましたり、パン焼きがまに魔女(まじょ)をおしこめてやっつけたり、大活躍(かつやく)しました。とっさの知恵(ちえ)で、身の危険を回避(かいひ)できましたね。
[一寸法師]は、京に上って侍(さむらい)になりたいと旅に出て、途中(とちゅう),さまざまな苦難に遭遇(そうぐう)しながら、ついには鬼(おに)を退治しました。持ち前の元気と知恵(ちえ)を生かして、お腹の中に入り込み(はいりこみ)、刀の針で、チクチク刺し(さし)ました。鬼(おに)の宝物の「打ち出の小槌」を手に入れ、願いどおり背も高くなり、お姫様(おひめさま)と結婚(けっこん)して幸せに暮らしましたね。 ( m )