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級:★   山:yube   年:★   月:01   週:3  苗:yube
氏名:
題名:
本文:



題名:一流ホテルの、いかにも(感)

感想文の課題です。課題の長文を読んで感想文を書いてください。

課題の長文
 【1】一流ホテルの、いかにも「一流でござい」というロビーに、たいていこうした男女の一群がたむろしているのは、そうでないとどうしていいかわからない客がいると考え、ホテル側があらかじめそれ専門の「仕出し屋」に頼ん(たの )で用意しておく場合が多いからである。【2】当然、経費もかかるが、ロビーを利用する客にランクの最上位にある「待ちあわせ場所」としてふさわしい体験をしてもらうことはホテル側としても望ましいことであるし、これにはちょっとした教育効果もある。【3】つまり、彼等(かれら)があまり傍若無人(ぼうじゃくぶじん)な振る舞い(ふ ま )に及ぶ(およ )と、ボーイが近づいて行って「周囲のお客様が迷惑(めいわく)をいたしますから」と、それとなく注意をするのを見かけるであろう。あれは、そうすることによって「周囲の客」の方が、「ははあ、ホテルのロビーであんなことをしてはいけないんだな」と学ぶことを、期待しているのである。
 【4】もちろん、くり返しそこで待ちあわせをし経験を積むと、もう、そうした騒がしい(さわ   )男女の一群がかたわらにいなくとも、何とかそれらしくそこに座っていられるようになる。【5】しかし、ホテルのロビーは、奥(おく)が深い。ある日、彼(かれ)もしくは彼女(かのじょ)は、近くに座っていた若い女性がちらりと指をあげ寄ってきたボーイに「お手洗いはどちら」と聞き、「あのエレベーターの奥(おく)にございます」と言わせてから、「ありがとう」とハンドバッグを持って立ち上がるのを見る。【6】「なるほど、そうなんだ」というわけだ。なぜなら、それまで彼(かれ)もしくは彼女(かのじょ)は、自ら立ってボーイに近づき、時には向こうに行くボーイに走って追いつき、「ねえ、トイレはどこ」と聞いていたからである。
 【7】ホテルのロビーでは「ボーイにむこうからやって来させる」のでなければいけない。それが一流ホテルのロビーを利用する、一流の客のやり方なのだ。そこで、次の日から早速これを試みることになるのだが、簡単なようでこれがなかなかできない。【8】指をちらりと持ち上げた程度では、ボーイなんか来てくれやしないのだ。しかし、飲み屋でおねえちゃんに焼き鳥を頼む(たの )のではないから、「おーい」と叫ん(さけ )だり、パチパチと手をたたいたりするわけにはいかない。【9】ロビーに入ってきた時に、あらかじめボーイに注目させておき、その一挙手一投足に意味を持たせておいて、タイミングよくちらりとやらないと、これは空を切る。
 ただし、難しいだけにこれが成功した時の感動は、えも言われな∵い。【0】ホテルのロビーにいることの、奥儀(おうぎ)に達したのだという気がするのである。そして、教えられた通りトイレに入って、洗った手をぬぐいながら出てくると、そこに、くだんのボーイが立っている。「お客さま」と、彼(かれ)が言うのである。「お客さまこそ、ホテルのロビーを利用なさるにふさわしい方とお見受けいたしました。ついては明日より、失礼ながら日当をお払い(はら )致し(いた )ますので、当ホテルのためにロビーに座っていただけませんでしょうか。他の、まだホテルのロビーになれないお客さまのための、模範(もはん)になっていただきたいと存じますので……」
 つまり、ホテルのロビーにいる「どうしようもない田舎者」と、「これこそが都会人」と思えるものは、双方(そうほう)ともホテル側の「雇わ(やと )れ」なのだ。その間をキョロキョロしながらうろつきそれぞれから何ごとかを学ぼうとしているのが、本来の客ということになる。もちろん、学び終わって「田舎者」度がすっかり払い(はら )落とされると、ボーイがやってきて雇っ(やと )てくれる。

(別役実『都市の鑑賞(かんしょう)法』による)

項目表

項目表を参考にして、作文・感想文を書いてください。 項目の苗 小1から楽しく書ける。作文、読解、国語の通信教育。Online作文教室 言葉の森 
項目表 ベニバナ の苗 中2年 1~3月
目標:二つの異なる意見を比較して考える書き方を身につける
 ★重要・評価あり ◎重要・評価なし ○普通・評価なし 段落は大体の目安です。
第 1 段落項目キーワード説明
構成 ◎ 構成図構成図 <<構成>>構成図をかく
構成 ○ 要約(感想文)要約 <<構成>>要約を二〇〇字ぐらいでまとめる
構成 ○ 四段落構成 大きく四つぐらいの部分に分けて書く
構成 ○ 書き出しの工夫書き出しの工夫 <<構成>>会話・色・音・情景で書き出す
題材 ○ 状況説明 身近な実例による説明
             ↓
第 2 段落項目キーワード説明
構成 【】★ 複数の意見一意見 考え 確かに <<構成>>確かにAという意見もある
題材 ◎ 体験実例体験 私 わたし 僕 ぼく <<題材>>自分らしい体験実例を書く
表現 ◎ たとえまるで みたい よう <<表現>>まるで…のよう
主題 ○ 途中の感想 途中で主題に関連した感想を書く
             ↓
第 3 段落項目キーワード説明
構成 【】★ 複数の意見二意見 考え しかし <<構成>>しかしBという意見もある
題材 【】★ 昔話の実例・長文実例昔話 童話 長文 <<題材>>昔話や童話の実例・長文集の実例
表現 ◎ ユーモア表現笑 爆 ユーモア <<表現>>ユーモアのある表現(笑)
             ↓
第 4 段落項目キーワード説明
主題 ○ 反対意見への理解確かに <<主題>>確かにBもよいが、しかしAが
主題 【】★ 総合化の主題総合化 <<主題>>大事なことはAかBかではなくCである
表現 【】★ 名言の引用名言 言葉 ことば <<表現>>主題に合わせて名言を引用する
構成 ○ 具体的説明の結び例えば 具体的 <<構成>>主題を具体的に再説明して結ぶ

字数 ★ 1200字以上
表記 ○ 決めてくる、読みかえす書くことを決めてくる、書いたあと読み返す
表記 ★ 90分以内書き始めから書き終わりまで90分で
表記 ○ 構成メモ作文を書く前に構成メモを書く
表記 ○ 漢字を使う、ていねいに書く習った漢字を使いていねいに書く
表記 ○ 段落三文段落の目安は三文ぐらい
表記 ○ 一文一点読点は1文に1〜2点を目安に
表記 ○ 常体で書くした・だった・であるなどで書く練習
表記 ○ 誤字一ヶ所以内一つの作品に誤字は一つまで


課題のヒント

 私がティーンエイジャー(=13歳(さい)〜19歳(さい))だったころのこと、父と私はサーカスの入場券を買うために並んで立っていた。やっと、私たちと券売所の間にいるのが1組の家族連れだけになった。この家族に私は強い印象を受けた。8人の子どもがいたが、全員が12歳(さい)未満に思われた。私には、彼ら(かれら)があまり裕福(ゆうふく)ではないことがわかった。彼ら(かれら)の服は高価なものではなかったが、清潔だった。子どもたちはおとなしく手をつないで、両親の後ろに2人ずつ並んで立っていた。子どもたちは興奮していた。彼ら(かれら)は、その夜目にするであろう道化師や象やそのほかの出し物のことを話していた。私には、その子どもたちが生まれて初めてサーカスに来たのだと(容易に)想像できた。
 その興奮した一団の先頭に父親と母親がいた。母親は夫の手を握りしめ(にぎりしめ)、彼(かれ)の顔を見上げていた。父親はほほ笑みながら、誇らしげ(ほこらしげ)に妻を見つめていた。2人とも幸せそうに見えた。
 特売所の女性が父親に言った。「お客様、券は何枚でしょうか?」
 彼(かれ)は堂々と答えた。「子ども8枚と大人2枚、お願いします。」
 券売所の女性がその値段を言った。
 母親がうなだれた。父親の唇(くちびる)が震え(ふるえ)出した。彼(かれ)は券売所の女性にさらに近付いて、「いくらと言ったのですか?」と尋ね(たずね)た。
 彼女(かのじょ)はもう一度その値段を繰り返し(くりかえし)た。
 この男性は十分なお金を持っていなかったのだ。
 ことの成り行きを見ていた私の父が、ポケットに手を入れて20ドル札を1枚取り出すと、それを地面に落とした。それから、かがんでその札を拾い上げ、男性の肩(かた)を叩いてこう言った。「失礼ですが、これがあなたのポケットから落ちましたよ」
 男性はことの成り行き(=父の意図)を悟っ(さとっ)た。彼(かれ)は父にお金をくださいと口に出して頼み(たのみ)はしなかったが、間違い(まちがい)なく父の援助(えんじょ)に感謝をしていた。彼(かれ)は父の目をまっすぐ見つめ、その手を両手で握りしめ(にぎりしめ)て、20ドル札を受け取った。男性の唇(くちびる)が震え(ふるえ)、頬(ほお)に涙(なみだ)が伝った。彼(かれ)は言った。「ありがとうございます。ありがとうございます。これは私と家族の者にとって本当にありがたいものです」
 父と私は車に戻っ(もどっ)て、家へ帰った。その夜、私たちはサーカスには行けなかったが、それでも満ち足りた気持ちだった。 ( n )
 要約のヒントはありません。自分で第3週の長文を線を引きながら3回以上くりかえし読んで、大事だと思ったところを3ヶ所ぐらい選んで、それらの文を意味が通じるようにつなげていきましょう。中学生の人は、要約の力もついてきていると思いますから、ただ要約するだけでなく、200字ぴったりに要約するというふうに自分で字数を制限して書いていくとよいでしょう。
 この長文に対する意見の書き方は難しいと思います。長文そのものが意見を述べているわけではないので、自分で見つけていくことが必要になります。もちろんその見つけ方は人によって違い(ちがい)ます。書きやすそうな意見としては、「場所に応じた振る舞い(ふるまい)が大切だ」「しかし、あまり無理する必要はない」というところでしょう。みなさんも、うちにいるときの言葉遣い(づかい)とよその人に話すときの言葉遣い(づかい)を自然に変えていると思います。しかし、あまり無理をして、「○○先生がおっしゃられましたように」なんて舌をかみそうな言い方をしてしまうときがあるでしょう。(この場合は、「おっしゃいました」か「いわれました」が正しくて、「おっしゃられました」は二重敬語です)
 名言は、外見よりも中身が大切だという意味で、「自分の心のうちに……」「持ち物を気にするのは……」「ロバが旅に出たところで……」など。 ( n )
 第一段落は要約。これから書こうとする作文全体の字数の4分の1ぐらいを目安に要約していきましょう。
 第二段落は、意見Aと体験実例。「確かに、自分らしさは大切だ。私は、改まった席でも、できるだけ自分らしい服装や振る舞い(ふるまい)で行動するようにしている。先日も、卒業式にランニング姿で登場してみんなに笑われた。(するなよ)」
 第三段落は、意見Bと昔話実例。「しかし、その場に応じた振る舞い(ふるまい)も大切だ。結婚式(けっこんしき)に黒いネクタイをしていく人はいないし、お葬式(そうしき)に真っ赤なシャツを着ていく人もいない。桃太郎(ももたろう)も、鬼(おに)退治に行くときは、頭に鉢巻(はちまき)をしていった。」
  第四段落は、反対理解と総合化の主題と名言の引用。「確かに、自分らしさも、その場に応じた振る舞い(ふるまい)も、どちらもそれなりに大切だ。しかし、共通して言えることは、そこに周囲の人に対する思いやりがあるかどうかということである。『家とは、外から見るためのものではなく、中で住むためのものである』という言葉がある。中に住んでいる人にとっていちばん心地よい状態が大事なのである。」 ( n )
 第3段落、「その場にあった振る舞い(ふるまい)をすることも大切だ。」の「昔話実例」。
 「こぶとりじいさん」。鬼(おに)の宴会(えんかい)に紛れ込ん(まぎれこん)でしまったいいおじいさんは、そこでおもしろい歌や踊り(おどり)を披露(ひろう)して、それがうけたために頬(ほお)のこぶを取ってもらうことができました。まねをした悪いおじいさんの方は、その場に合った芸を披露(ひろう)できなかったため、もうひとつこぶをもらって帰る羽目になってしまいました。 ( h )
「自分らしさを大切にする」例としては、音楽や美術、文学などの芸術が考えられますね。美術の時間に自分が創作したものや先生のことばなどが例になりそう。反対に、「その場に応じたふるまい」は、型がきまっている「茶道」や「和食のマナー」などがあげられます。家庭科などでマナーについて学んだことがあれば。
「昔話実例」「シンデレラ」が、もし汚い(きたない)格好のままお城に行っても、まず舞踏(ぶとう)会には入れてもらえなかったでしょう!そして出会いのあとは、もう汚い(きたない)かっこうをしていても、よかったのですよね(笑)。 ( t )
【ミニヒント】
☆イソップ童話の「いなかのねずみと町のねずみ」→二匹(ひき)は、それぞれの家に招待しました。町のねずみは田舎の生活の、何もないことに退屈(たいくつ)。田舎のねずみはまちの忙し(いそがし)さに目をまわします。二匹(ひき))は自分の家のよさを再確認し、自分にふさわしい場所へと帰っていくというお話。安心してのんびり暮らしている方が、びくびくしながら都会で過ごすより、居心地が良かったのでしょう。
☆「忠臣蔵、刃傷(にんじょう)松の廊下(ろうか)」→ご存じ、「殿中(でんちゅう)でござる!!」のあの場面。服装の違い(ちがい)や、江戸城(えどじょう)内での不適切な振る舞い(ふるまい)が、大きな事件を起こすきっかけとなり、今も語り継が(かたりつが)れ、これまで、幾度(いくど)となく、映画、化ドラマ化されています。 ( m )