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題名:文化もパーソナリティも(感)
感想文の課題です。課題の長文を読んで感想文を書いてください。
課題の長文
【1】文化もパーソナリティも、多くの場合すこしずつ変化し、そしてときには大きく急速に変化しうるものである。文化のコードは長年の間にひとりひとりの人間の安全と満足をもとめる欲望があつまって、暗黙の合意のうちにつくりあげられてきたと考えられがちである。【2】しかし、次第に社会が強く組織化されるとともに、そこには、社会の強者、すなわち権力者の安全と満足をもとめる欲望が支配的なものとなっていったのは自然のなりゆきであった。たとえば、テューダー朝のイングランド王へンリー八世(在位一五〇九〜四七)は、【3】自らの離婚の合法性をめぐってアングリカン・チャーチ(イギリス国教会)を成立させ、ローマ教会からの分離独立をなしとげてこれを広く認めさせたし、ヒットラーのネクロフィリア(破壊性)はあの悪名高きナチズムにおける大規模な人間破壊行為を当時の社会におしつけたのであった。【4】しかし、今日、あらゆる点において高度に統合的な組織性を強めた社会では、個人としての権力者ではなく、その構造的力動によって自律的につくり出されるより大きな交換価値こそが、文化のコードとして支配者の地位につくことになっている。【5】そこでは、そもそものはじめから個人の署名をもたないこの文化のコードとしての交換価値を満たそうとする社会の力動的な動きに、個人の欲望は動かされざるをえないような仕組みになっていると言うことができよう。【6】私たちの支配者は、かつてのように、名前をもちはっきり目に見える権力者として君臨しているのではなく、社会的な交換価値という千変万化する記号のかたちをとって私たちひとりひとりを支配するようになっている。【7】そして、文化のコードというこの無名の支配者は、朝から晩まで私たちひとりひとりの全存在を直接・間接に支配しつづけているようだ。
ほかならぬこの私自身が欲していると思うことも、それは幻想であるにすぎない。【8】より大きな交換価値をもつ記号として皆が欲しているがゆえに、常識を身につけている私が無意識のうちに欲するようになってしまっているものであるにすぎない。「○○大学に入学しますように!」「スリムな美人になりますように!」等、つきることのないこの世俗の欲望は、【9】常識となった文化のコードとしての「より大きな交換価値」を無意識のうちに私的コードにとりこみ、それに身をまかせることによって生じているという側面が強い∵ようだ。――ただし、機械ならぬ人間は、規則を変える創造性という能力を持っているために、全面的にそうであるというわけではない。【0】そのために、そうした「交換価値」が変化すれば常識も変化し、それにしたがって個人の欲望の内容も当然変化することになるのだろう。人気のある学校や学部そして美人のタイプなどが時代とともに移りかわるのはその証である。そしてこの情報化社会にあって、このような交換価値としての文化のコードを敏速かつ広域に浸透させるのを助けているのは、いうまでもなく新聞・テレビなどのマス・メディアである。
これらの欲望を満たそうとすることは、私たちを日々仕事に学習にその他さまざまな活動にかりたてる原動力となっているが、他方その欲望を満足させることがあまりにもむずかしく思えるとき、私の存在の核心にしのびこんだこれらの欲望のいっさいから解放されればどんなに心が休まるだろうか、と思うことにもなる。そのようなとき、冒頭に述べたように、私たちは無意識のうちにできるだけ文化という「人の手」の加わらない自然の中に逃れ、あるいは「非社会」的行為の中にかりそめの脱出を試みて、文化のコードによるすさまじい搾取からすこしでも身をまもろうとすることになるのかも知れない。
しかし、文化のコードの手の届かないところに逃げきったように思っていても、新記録をうちたてたいという思いをひめた探検家はもちろんのこと、南太平洋の豊かな自然というデラックスな休暇の宣伝に誘われて自然に親しむ人々もまた、やはり文化のコードにしっかりとからめとられていることになる。それに、海や山の「自然」の中でも、やはり、流行の登山装備や水着、さまざまな人との出会いがあり、文化的なものを完全に拒んでしまうことは、とうてい不可能であると言ってよいだろう。
(有馬 道子)
項目表
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項目の苗 小1から楽しく書ける。作文、読解、国語の通信教育。Online作文教室 言葉の森
項目表 ベニバナ の苗 中2年 1~3月
目標:二つの異なる意見を比較して考える書き方を身につける
★重要・評価あり ◎重要・評価なし ○普通・評価なし 段落は大体の目安です。
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課題のヒント
アメリカ合衆国の家族生活は変化しつつある。25年前、主婦は掃除し、料理し、子どもたちの世話をした。彼女は家庭で最も重要な人物だった。父親は家族のために金を稼いだ。彼は普通、一日中外で働いた。夕方帰宅するころには彼は疲れていた。だから父親は週末以外は子どもたちの面倒をあまり見なかった。父親が家ですることは、もっぱら外の裏庭に限られており、料理と掃除は女性だけの仕事であった。
しかし、このごろは、多くの女性が家庭外で働く。一日中子どもと一緒に家にいるわけにはいかない。女性もまた夕方帰宅するときには疲れている。だから、それからの時間を夕食を料理するのに費やすことは望まない。家を掃除する時間も衣類を洗濯する時間もない。では、だれか子どもの世話をすればいいのか? だれが家事をするのか?
それぞれの家族で、これらの問いに対する答えは異なっている。しかしたいていの場合、妻がすべての仕事をするには及ばない。今日では、彼女はさまざまな手助けを得ることができる。ある種の手助けは、託児所だ。母親たちは日中子どもをそこに預けることができる。だから、自由に仕事に行ける。ほとんどの子どもたちはこの託児所で楽しく過ごす。おもちゃやゲームやほかの子どもたちと遊ぶことができるからだ。
また別の手助けは女性が働く会社からもたらされる。会社は彼女にパートタイムで働くことを許すかもしれない。そのようにして、彼女はある程度金銭を稼ぐことができる。そしてまた、毎日のある程度の時間を子どもたちとともに過ごすこともできる。
しかし、女性が得ることのできる最も大切な手助けは彼女の夫からのものである。今日では、多くの男性が家事を妻と分担する。これらの家族では、男性が台所を片付け、衣類を洗濯する。ある晩には、妻が夕食を料理するかもしれない。ほかの夜には、夫が料理するだろう。二人とも買い物に行くだろうし、一緒に家を掃除するかもしれない。夫たちはより多くの時間を子どもたちと過ごすようになるかもしれない。ある男性たちは、しばらくの間働くのをやめたり、パートタイムで働いたりするようにさえなるだろう。このような男性に対して新しい言葉がある。「主夫」がそれである。アメリカ合衆国では年々、多くの男性が「主夫」になりつつある。
家庭におけるこのような変化は、また、家族の変化を意味する。父親たちは家庭にいる時間が長くなるので、子どもたちとより密接になる。子どものことがよりいっそう理解できるようになる。子どもたちも父親をより理解できるようになる。夫と妻もまた彼らの結婚生活の変化を発見するだろう。彼らもまた、お互いをより深く理解するようになるかもしれない。 ( n )
内容:私たちの支配者は過去の時代のように名前を持った権力者ではない。私たちの欲望は、今の時代の価値観に左右されている。大自然の中でも、その価値観から逃れることはできない。
解説:コード(CODE)は「法典、慣例、符号」などの意味でこの場合は「法典」というところでしょう。交換価値とは、「商品の金額に換算できる面」というぐらいの意味です。
似た話は、「もっと○○になりたい(やせたい、かっこよくなりたい、成績がよくなりたい、いい家に住みたいなど)」が、今の時代の価値観の反映であるというところで考えられるでしょう。美人という価値観でも、源氏物語に出てくる美人の顔と、浮世絵に出てくる美人の顔と、現代の美人の顔とではまったく異なるものです。
意見は、「今の時代の価値観に流されず自分の価値観を大切にしよう」または、「自分の持っている価値観が時代や文化に影響されていることを自覚しよう」と考えてみるといいでしょう。反対理解は、「その時代の価値観に合わせていきることも大切だが」。
名言は、「人はその制服のとおりの……」「自分が考えるとおりに……」「英雄が歴史を作るのではなく……(人間は時代によって作られる)」「未来にはひとりでにできる未来と……」など。 ( n )
第一段落は要約。
第二段落は、意見Aと体験実例。「自分自身の価値観に従って生きることは大切だ。」体験実例は、周囲の流行などに流されず、自分の考えで行動したこと。
第三段落は、意見Bと昔話実例。「しかし、その時代の価値観に合わせて行動することも大切だ。昔話の桃太郎でも、桃太郎が持っていたのがきび団子ではなく高級シュークリームだったら、犬、猿、キジは桃太郎を敬遠し、家来にはなっていなかっただろう。」
第四段落は、反対理解と総合化の主題と名言の引用。「確かに自分自身の価値観に従って生きることも、周囲の価値観に合わせることもどちらも大事だ。しかし、いちばん大切なことは、「未来には、ひとりでにできる未来と、自分で作る未来との二つがある。」という名言があるように、今のことだけを考えるのではなく、未来の価値観を自らの手で作っていくことだ。」
( n )
【ミニヒント】昔話実例
死刑を告げられた娘は、心を病む王様に毎晩、不思議な話を聞かせる。いつしか王様はその娘の話を心待ちにするようになる。一夜に一話ずつ語られる、わくわくするような物語。そうして千一夜がすぎ、ついに娘は刑の執行を逃れ、自由の身となった。・・・・・・という「アラビアンナイト」のお話。王様の心の病気をなおしてあげなければ!ということで、「時代の価値観に合わせて行動することも大切」という第三段落の意見を書くときに引用できそうです。また、死刑にされそうな極限の状態の中でも、決して自分を見失うことなく、冷静に判断し、いっぱい興味深いお話をして王様の心を癒してあげることができたのでしょう。その時、その場に応じた必要性を、賢い娘は、見出したのかもしれませんね。
あと、芥川龍之介作「鼻」に登場す5....6寸ある滑稽な鼻をもった池の尾の僧である禅智内供(ぜんちないぐ)の話なども使えそうです。
( m )

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