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解説集 黄クリ の池 (最新版 /印刷版 /ウェブ版 /最新版
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10.1週 
●自由な題名
 近年ますます盛り上がりをみせるペットブーム。身近ではあるが、実に考えるべきことが多いテーマなのである。
 ペットを飼うという行動は、ある生物が他の生物を自身の独断的な欲求を満たすために支配することだと言える。これは人類史上、ペットのほかにも多く見られる現象だ。例えば奴隷、植民地支配、趣味としての釣りや狩猟。
 分かりやすい事例、時代にそくした話題として、まず犬や猫について考えてみよう。言うまでもないが、犬や猫はほ乳類の中でも比較的高度な知能をそなえているばかりでなく、人間で言うところの個性(性格)をもつ。たとえば感情はその好例であろう。
 人間が犬や猫を愛玩動物として自己の支配下におくことは、被支配者である犬猫にとっては生きる権利を取り上げられているのも同然である。生きるも死ぬも「主人」である人間の意思に左右される。
 もし人間より高度な知能をもつ生命体が存在したら(あるいは出現したら)、どうだろうか。私たちは飼われ、主人に都合よくしつけられ、芸を教え込まれ、自分の意思とは関係なく繁殖や品種改良のために交配させられる。「不幸な子犬や子猫をなくすために」避妊(去勢)手術を強要される。金で売り買いされ、そのために生後間もなく母親から引き離され、狭くてガラスばりの展示室やカゴの中で朝から晩まで毎日さらしものにされる。売れなければ「処分」され、売れたとしても新たな主人から虐待される可能性は否定できない。これはSF小説ではない。奴隷制度がまさにそれである。
 しかし伝統的な牧羊犬、ハンディをもつ人々を介助する犬たち、痴呆及び精神病治療に貢献する動物たちの存在をにべに否定することはできないだろう。
 あなたは今日のペットブームをどうとらえるだろうか。イエスかノーではなく、多角的に考えてみよう。そしてあなたがなぜそう考えるのか、理由を明確にしよう。