昨日108 今日78 合計29223

解説集 黄セリ の池 (最新版 /印刷版 /ウェブ版 /最新版
印刷版は印刷物として生徒に配布されているものと同じです。ウェブ版は書き込み用です。 https://www.mori7.com/mine/ike.php
最新版には印刷日(2024-03-14 00:00:00)以降に追加されたもの(グレーで表示)も掲載されています。

1.1週 
 社 1.1週のヒント ●自由な題名
 社 1.1週のヒント ●自由な題名
 
 現在の社会で自分が考える最も大きな問題を考えていきましょう。考えにくい場合
 は、高3の課題「ベンチャー」というテーマで書いていきましょう。
 

1.2週 
社 1.2週のヒント ●身体は、ひとつの(感)

 身体は、通常の物質体とは異質なものである。まず、身体は物のように所有したりコントロールしたりすることができず、私たちはその身体を生きることができる。また、身体は、痛みなどに見られるように、一般的ではなく個性的なものである。更に、身体は物質的な境界を超えて心理的に収縮したり拡大したりする。
 第一段落は、要約と意見(当為の主題)。「身体を一般化し、物質化する風潮があるが、私たちは身体の特殊性をもっと自覚すべきだ(当為)。例えば、人間が一日に必要なカロリーはどのくらいで、体重と身長の理想はこれぐらいなどという一般化された数値に合わせて、子育てをしようとすればかえってマイナスが多い。また、虫歯はすぐに取り去って入れ歯と交代というような物質的な対応をすることは、かえって身体をゆがめる。」
 第二段落は、そのための方法。「自分の身体を自覚するような生活をすべきだ。そのためには、寒さや暑さをじっくり味わうことも必要だ(方法)。」
 第三段落は、方法2と歴史実例。「身体を超えた世界があるということを知ることも必要だ。信長に甲斐の恵林寺(えりんじ)が焼き討ちにあったとき、僧の快川(かいせん)は、「心頭滅却すれば火もまた涼し」と言ったと伝えられている(歴史)。日本文化の、身体を超えた伝統を見直すべきだ。」
 第四段落は、反対理解とことわざの加工、又は自作名言。「確かに、身体を物質体と同じように扱うことによって近代の西洋医学は進歩した。しかし、私たちは今再び身体の独自性を再評価するときに来ている。「犬が西向きゃ尾は東」という言葉があるが、私たちの身体をそのような単純なレベルで考えるべきでないだろう。身体とは、単なる身体ではなく、身体を超えたところにその本質がある。」ふう。(^^ゞ
 

1.3週 
社 1.3週のヒント ●科学研究にあたっては(感)
 科学には、意識されない前提があるという話です。「科学的ではない」という批判は、既に、科学的であることがよいことだという価値観を含んでいますが、言っている本人はそのことを自覚していません。科学の話に限らず、一般的な人生論のように考えていくと書きやすいでしょう。
 
 第一段落は、要約と意見(当為の主題)。「私たちは、自分が暗黙のうちに立てている前提について自覚するべきだ。」
 
 第二段落は、その方法と体験実例。「そのためには、自分が理解できないからという理由で排斥しないことだ。例えば、私は昔、暴走族というのは別の世界の人間だと思っていたが、たまたま元暴走族の人が友人になったので、これまでの考えが狭かったことがわかってきた。」
 
 第三段落は、方法2と社会実例(歴史)。「また、もう一つは、自由な批判が可能な社会を作ることだ。ガリレオ裁判を誤りだったと教会が認めたのは20世紀に入ってからだった(歴史)。頑なな精神が歴史の進歩を阻んだ例は多い。」
 
 第四段落は、反対理解とことわざの加工、又は自作名言。「確かに、暗黙の前提を仮定することで、思考を節約し物事をすばやく進めるという効果があることはわかる。しかし、私たちは時に自分を振り返り、自分がどういう前提で生きているかを見直してみることも必要だ。「紺屋の白袴」という言葉があるが、人の袴にあれこれ言う前に、まず自分のはいている袴を見るべきだろう(ことわざの加工)。前提とはどんなに正しく見えようとも、結論ではなく仮定なのである(自作名言)。」

2.1週 
 社 2.1週のヒント ●物との結びつきを(感)
 すごく難解そうな文章です。(笑)
 しかし、言わんとしていることは簡単です。
 私たちは、暑さや寒さや痛みなどを生身の体で体験することが少なくなり、いつも快適な状態にいることに慣れるようになってきた。しかし、そういう厳しい体験こそが、人間にいろいろなことを教えてくれるのである。
 第一段落は、要約と意見(当為の主題)。「私たちは、もっと自分自身で直接に体験することによって学ぶべきだ。」
 第二段落は、その方法と体験実例。「そのためには、何事も挑戦してみることだ。私もアルバイトをして、学校の勉強では学べないようなことを学んだ。」
 第三段落は、方法2と歴史実例。「また、そういうことを可能にするような環境を周囲が作ることも大切だ。歴史を見ても、第一世代は、実際の経験から多くを学び、第二世代は次第に官僚的になり、第三世代で破綻するという例は多い。明治維新から日本の敗戦に至る道筋はその例と言えるのではないか。」
 第四段落は、反対理解と自作名言、又はことわざの加工。「確かに、エアコンの効いた部屋で能率よく勉強するという考えもわかる。しかし、暑さや寒さに耐えること自体が一つの大きな勉強だとも言える。体験とは、知的な勉強の対極にあるものではなく、知的な勉強の土台である。知が力になるのと同様に、力もまた知になるのである。(いまいち)」

2.2週 
社 2.2週のヒント ●すぐれた都市(感)
 第一段落は、要約と意見。「都市は、消費の場ではなく、生活の場であるべきだ。」
 第二段落は、その方法と体験実例。「そのためには、まず効率や法律本位でものごとを考えないことだ。駅前にときどきたこ焼き屋さんが屋台を出している。道交法違反だと思うが、こういう場がある方が親しみがわく。」
 第三段落は、方法2と歴史実例。「また、それぞれの都市を経済面からだけ見ずに、その文化の面から見ていくことも必要だ。都市は、その歴史的な形成過程から、城下町、門前町、宿場町などと分類できる。そういう文化にも目を向けることだ。」
 第四段落は、反対理解とことわざの加工、又は自作名言。「確かに、情報と交通手段の発達は、どの都市も同じ風貌にしつつある。しかし、能率だけでものごとを考えるべきではない。人にいろいろな顔があるように、都市にも十都十色があるのである。」
 
 

2.3週 
社 2.2週のヒント ●すぐれた都市(感)
 第一段落は、要約と意見。「都市は、消費の場ではなく、生活の場であるべきだ。」
 第二段落は、その方法と体験実例。「そのためには、まず効率や法律本位でものごとを考えないことだ。駅前にときどきたこ焼き屋さんが屋台を出している。道交法違反だと思うが、こういう場がある方が親しみがわく。」
 第三段落は、方法2と歴史実例。「また、それぞれの都市を経済面からだけ見ずに、その文化の面から見ていくことも必要だ。都市は、その歴史的な形成過程から、城下町、門前町、宿場町などと分類できる。そういう文化にも目を向けることだ。」
 第四段落は、反対理解とことわざの加工、又は自作名言。「確かに、情報と交通手段の発達は、どの都市も同じ風貌にしつつある。しかし、能率だけでものごとを考えるべきではない。人にいろいろな顔があるように、都市にも十都十色があるのである。」
 
 
社 2.3週のヒント ●なぜ人は自分自身が(感)

 第一段落は、要約と意見(当為)。「昔の時代は、父母や祖先と一体化した自分というものに疑問を持たなかったが、現代は、自分が何者かということ根拠を探し求めている。祖先や集団所属に頼らない自分の意義を見つけるべきだ。」
 第二段落は、その方法と体験実例。「そのためには、第一に、できるだけ自分らしく行動しようと努めることだ(方法)。私も、父や母の敷いた路線からできるだけ離れるように努力している。」
 第三段落は、方法2と社会実例(歴史)。「第二には、周囲の社会もまた、人間を家の一部のように見るのではなく、個人として見るようにすべきだ。福沢諭吉は、『門閥制度は親の敵(かたき)でござる』と言ったが、個人をありのままに見ようとする姿勢が、明治時代の自由な社会の基礎となった。」
 第四段落は、反対理解と自作名言。「確かに、個人が家や所属すべき集団から離れて生きようとするときには不安が生じる。しかし、その不安は、避けるべき不安なのではなく、新しい自分を作るために必要な不安なのだ。」

3.1週 
社 3.1週 ●椿を主題とする(感)
 第一段落は要約と意見(当為の主題)。「生身のリアリズムを重視した近代から、私たちの心のふるさとである様式美へ。」
 
 第二段落は、方法1と体験実例。「そのためには、まず昔のものを古いからだめだという目で見ないことだ(方法)。私の父も水戸黄門をよく見るが、筋が大体予想できるので、ストレス解消になるらしい。それに反して、現代の映画はストレスがたまるものが多い。」
 
 第三段落は、方法2と社会実例(歴史)。「また、学校の教育などでも、個性重視よりも模倣を取り入れるべきだ。昔の芸事には、「○○三年、□□五年」などというものが多い。それだけ模倣の期間を長く取っていたから、様式美を継承することができたのだ。」
 
 第四段落は、反対理解と自作名言、又はことわざの加工。「確かに、近代が発見した個性は価値のあるものだ。しかし、私たちは様式の持つ安定感も評価する必要がある。個性そのものに価値があるのではなく、個性を生かすことがその人の幸福に結びついていることに価値があるのである。「角(つの)を矯(た)めて牛を殺す」という言葉があるが、角を伸ばすことが牛を生かすことになるわけではない。」