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解説集 フジ2 の池 (最新版 /印刷版 /ウェブ版 /最新版
印刷版は印刷物として生徒に配布されているものと同じです。ウェブ版は書き込み用です。 https://www.mori7.com/mine/ike.php
最新版には印刷日(2024-03-14 00:00:00)以降に追加されたもの(グレーで表示)も掲載されています。

10.1週 
●私の名前、私の好きな遊び
 自分の名前の由来を、お父さんやお母さんに聞いてみましょう。結びの感想は、「名前とは人間にとって……」と大きく考えてみるといいですね。
●構成図の書き方
 構成図は、小3以上の生徒が書きます。小2以下の生徒は、絵をかいてから作文を始めるという課題になっているので、構成図は書かなくて結構です。
 構成図を書くときに大事なことは、思いついたことを自由にどんどん書くことです。テーマからはずれていても、あまり重要でないことでも一向にかまいません。
 たくさん書くことによって、考えが深まっていきます。したがって、構成図は、できるだけ枠(わく)を全部うめるようにしてください。しかし、全部埋まらなくてもかまいません。
 枠と枠の間は→などで結びます。この矢印は、書いた順序があとからわかるようにするためです。作文に書く順序ということではありません。
 

構成図は、原稿用紙や普通の白紙に書いて結構です。
構成図を書きます。
頭の中にあるものをそのまま書くとき。
構成図で書くとき。
初めに絵をかきます。(絵はどこにかいてもいいです)
思いついた短文を書きます。(どこから始めてもいいです)
思いついたことを矢印でつなげていきます。
関係なさそうなことでも自由にどんどん書きます。
はみだしてもかまいません。大体うまったらできあがり。


 


10.2週 
●自分のよさを見つけて(感)
 第一段落は要約です。全体の字数が1000字ですから、四段落ぐらいに分けて書くということで、要約も250字ぐらいにまとめていくとバランスがとれます。要約がむずかしいという人は、長文の中から大事なところを三つか四つ選び、それらがうまくつながるように文を直して書いていきましょう。「自分のよさを見つけていくというのは、案外に、他人のよさを見つけていくことよりも、難しい。」「自分は、自分のようにしか生きられない。そして、本当にそのように生きているのは、おもしろい。他人よりもまず、自分が自分をよく見ることができれば、自分にとっておもしろい。」「自分の性格をかくすことなく他人とつきあったほうが、他人がきみをもっと認めてくれるようになる。」というところがポイントになりそう。

 第二段落と第三段落は似た例。自分の前の話やお父さん、お母さんから聞いた話を書いてみましょう。自分の短所はすぐにわかるけれど、長所となると自分ではわかりにくいものです。自分の短所は自分でも気になって、ついついかくしたくなってしまいます。そんな話を書いてみましょう。でも、短所は長所の裏返しでもあるわけですから、そうすることによって自分の良さもかくれてしまうかもしれませんね。ありのままの自分をさらけ出せる人ほど友達が多いような気もします。そんな友達の話を書いてもいいでしょう。

 第四段落は、ことわざを引用し、「人間」というキーワードを使ってまとめます。人間にとって、ありのままの自分をさらけ出して生きていくことはむずかしいけれど、結局はその方が自分の人生を楽しく生きていくことができそうです。ことわざは、「案ずるより産むが易し」など、ことわざの木でさがしてみましょう。
●自分のよさを見つけて(感)
 長所と短所を聞いてみると、たいてい短所を先に答える人が多いです。でも、「短所は長所」。自分が短所と思っていることが、どんなふうに長所になるのか考えてみるといいと思います。例えば、心配性であれば、思慮深い。おっちょこちょいや、あわてんぼうであれば、行動が早い。具体例も織り交ぜて書くことができればいいですね。また、自分は全然気が付かなくても、他人から見ると長所だというところもあると思います。お友だちにほめられたことを書いてもいいですし、お父さんやお母さんに、自分のいいところを聞いてみてもいいですね。

10.3週 
●一九八〇年代に入ると(感)
 第一段落は、●要約<構成>。
グローバリゼーションとは、国際化とは違い、国境を越えた地域全体がある方向に変化していくことであり……。(要約)のただし書きを忘れないようにしましょう。

 二段落目から三段落目は、体験実例→●前の話・聞いた話<題材>へと展開します。
 二段落目では、長文にあるような、アメリカ文化が日本の生活の中に入ってきた例を考えてみましょう。 ハンバーガーショップ、コンビニエンスストア、ディズニーランドやUSJなどのテーマパーク。 私たちは、もはやアメリカを意識することもなくこれらを利用し、楽しんでいますね。
 三段落目は、新聞やニュースで読んだり聞いたり、家の人が話していたことを書くといいですね。 「今ではどこにでもあるコンビニエンスストアだけど、お母さんが小学生のころはそんな店はなかったんだよ」や、「インドのハンバーカーショップでは、牛肉は使えないので、鳥肉をかわりに使っていると聞いたことがある」こんなふうに、グローバリゼーションが生活の中に入っていく話を探してみましょう。
●たとえ<表現>も、この段落で使ってみよう。

●一般化の主題<主題>
「人間にとって、文化とは……」と大きく結論を考えてみましょう。 または、「日本人にとって、グローバリゼーションとは……」と、しぼりこんで考えてみてもいいでしょう。長文の最後の文章に、筆者の言いたいことがまとまっています。ここを参考にするといいですね。
一九八〇年代に入ると(感)
●要約

一九九〇年代から新世紀にかけては「グローバリゼーション」とのかけ声がどこでも聞こえます。グローバリゼーションは、地球全域での変化に重きを置いた言葉です。この文化のグローバリゼーションにって、やがて世界の文化が均質化してしまのかというと、それも違います。

本来は文化のグローバリゼーションと異文化は必ずしも対立関係にはなく、グローバリゼーションも受け入れながら異文化は異文化として存在するというあり方になるのが一番良いのではないでしょうか。


11.1週 
●うちにある古い物、木登りをしたこと
 お父さんやお母さんに聞いて書いてみましょう。今では使わなくなったような古いものが押し入れの中に入っているかもしれません。その古いものにまつわる思い出を書きながら、世の中の進歩という大きなことがらを考えてみましょう。

11.2週 
●価値が変動し(感)
第一段落は、●要約<構成>。 人間は健康やたくましい体さえあれば、厳しい条件を耐えられるでしょうか。

第二段落から第三段落では、体験や●前の話・聞いた話<題材>。
 きちんとした生活態度を保ち、小さなことに喜びや感動を見出すことができることで、辛い状況を耐える力が出るといった例を考えてみましょう。
 朝、まだ眠いときに、「顔を洗いなさい」「歯はみがいたの?」「近所の人に会ったら、あいさつしなさい」と言われて、(うるさいなぁ、顔を洗っていなくても、歯をみがいてなくても、あいさつを忘れても、今日を過ごせないわけじゃないのに)と、思ったことはない……よね(笑)。
 では、毎日続く宿題やスポーツの練習で、「つらいな」と思ったとき、夜空にいちばん星を見て「自分を励ましてくれているんだ」と、勇気を持ったことは……(青春ですね!)
●たとえ<表現>を、この段落の中に用いておきましょう。

 さらに発展したことを書きたければ、アウシュヴィッツの強制収容所について調べたり聞いたりしたことを入れてもいいですね。

●一般化の主題<主題>のまとめ方は、さまざまな書きかたがあります。 これまで書いてきた話に合わせてまとめてみましょう。
・「人間にとって、マナーや感動する心は……」
・「人間が、つらい状況を生き抜くためには……」
 
●価値が変動し(感)
 第一段落は要約。動物的な健康や体力よりも、人間的なルール、ユーモア、感動する心などが、困難に打ち勝つ力になる、というのが主題。
 第二段落は実例1。野球の練習のとき、コーチが「あいさつができない者は、立派な選手にはなれない」と言った。そのときは野球の技術とあいさつと何の関係があるのだろうと思ったが、実際に技術的に優れている先輩選手ほど、いろいろなことがきちんとしていることを見て、その理由がわかった。私の母も、道で知っている人に会ったらあいさつをしなさいとか、席を立つときはイスをしまいなさい、などと言う。それもこのことと関係があるのかもしれない。
 第三段落は実例2。「ビルマの竪琴」に出てくる部隊は、歌をよく歌っていたので敗戦の混乱の中でも明るさを失わなかった。チャーチルは、ドイツ軍がロンドンを爆撃したときもユーモアを忘れず、イギリスの国民を勇気づけたと長文で読んだことがある。(ヒイラギ8.3週)
 第四段落は、まとめ。私たちは、ともすれば、力の強い者が勝ち、弱い者が負けるという自然のルールを人間にもあてはめて考えてしまいがちだが、人間の社会は、そのように単純なものではない。伝記などでも、子供のころに弱かった人が大きくなって立派になったという例がよくある。生まれつきの体力や能力だけに頼らずに、自分の人間的な力を高めていくことが大事だとわかった。
価値が変動し(感)
◎体験実例:南極や北極でキャンプをした経験を書いてみましょう… もしもそういう経験のない場合は、「小さな生活習慣やユーモアが人間らしい生きる力を支えている」という長文の主旨にそって、自分や家族の生活習慣やユーモア体験を書いてみましょう。
例:・部屋をきちんと片付けるとふしぎと勉強もやる気がおきてくること
・ごはんを食べるときにちゃんといただきますをすること
・お父さんのへたなだじゃれでも、なんとなく明るい気持ちになること

11.3週 
●作戦を練る(感)
第一段落は、●要約<構成>。
 長文二段落目と、最後の段落が要約のポイントになるかな。

第二段落から第三段落は、体験実例に続けて、●前の話・聞いた話<題材>です。
 キーワードを確認しましょう。
(前/聞/調/前の話/聞いた話/調べた話)このうち、必ず一つを使えるように書きます。
 失敗や間違いを繰り返しながら、自分の技(わざ)としていくものとしては、スポーツや音楽の練習がよい例になるでしょう。 ねばり強く一つの基本形を身につける=練る作業が大切なのは、作文の練習も同じかな。最初バラバラだった考えや文が、音読を繰り返しながら何度も書く練習していくうちにまとまっていきますね。
 余裕があれば、「どうして、何度も練習をしなければならないの?」と、おうちの人や先生にたずねてみて、かえってきた答えを書くと、意見が立体的になっておもしろいでしょう。
●たとえ<表現>を使っておきましょう。

四段落目は、●一般化の主題<主題>。
 「人間にとって」のあとは、「練る」が続きそうですね。 または、「ねばり強さとは」としてもいいですね。

12.1週 
●朝寝坊、おいしかったことまずかったこと
 日曜日の朝など、思いっきり朝寝坊をしたことがあるでしょう。または、早く起きなければならない日に朝寝坊をしてしまいあわてたなどという話もあるかもしれません。
 朝は一日の始まりの大切な時です。「早起きは三文の得」などということわざも使えるかな。

12.2週 
●先ごろ世間で流行した(感)
 第一段落は要約です。全体の字数が1000字ですから、四段落ぐらいに分けて書くということで、要約も250字ぐらいにまとめていくとバランスがとれます。要約がむずかしいという人は、長文の中から大事なところを三つか四つ選び、それらがうまくつながるように文を直して書いていきましょう。「何事にせよ、イエスかノウかはごくごく基本の判断だから、内容によってもっとも単純に下されるはずのものだ。それなのに、「ノウ」と言う人が勇敢な人だというのは、とてもおかしい。」「もしイエス・ノウをはっきりさせるというのなら、いつも複雑な心の動きを捨てることになる。」「イエスとノウとの間には、じつはたいへんな距離がある。その間のどこで答えを出すか、それを考えることこそが、いま大切なのだ。」「自分が何を考えているか、相手にはっきり言う必要がある。熟慮が十分伝わらなければ意味がない。」というところがポイントになりそう。

 第二段落は似た例。世の中には、イエスかノーか、はっきり決断を下せないことがたくさんあります。みなさんも、どちらとも言えなくて困ったという経験があるでしょう。そんな話を書いてみましょう。「私のこと好き?」と聞かれて、とまどったことなどないかな?(笑)

 第三段落の似た例は、前の話や聞いた話や調べた話で。お父さんやお母さんにも、イエスかノーか、はっきり決められずに困ったという経験があるはずです。または、答えは決まっているのだけれど、はっきり言えなかったなどという話を聞いて書いてみましょう。

 第四段落は、ことわざを引用し、「人間」というキーワードを使ってまとめます。「人間」の代わりに「日本人」としてもよいでしょう。ことわざは、「ことわざの木」を参考にさがしてみましょう。「帯に短したすきに長し」などが使えるかな。

●先ごろ世間で流行した(感)
 第一段落は要約。
 第二段落は、私たちの日常生活であいまいな表現が多いという実例。「この前、お客さんが来たときに、『つまらないものですが……』という言い方をしていた。はっきり言わないところが日本的だと思った。また、大人の人の会話では、『どうも』とか『すみません』とか『ではまた』などというあいまいな表現が多い。外国の人には通じにくいと思った。また、レストランに行くと、自分の好きなものを注文のではなく、『わたしも同じの』というような注文をする人もよくいる。」
 第三段落は、外国の人がはっきりしているという実例。「学校に、外国からの先生が来て授業をするときがあるが、驚きや喜びなどの表現が日本人よりもオーバーなので、雰囲気が盛り上がった。」このほかに、お父さんやお母さんに聞いた例なども書いていこう。
 第四段落は感想。「日本人は、イエス・ノウをはっきりしないところがあるが、それは必ずしも欠点ではなく、相手に対する遠慮や思いやりなどによるものであると思った。しかし、これから国際社会で活躍する場合は、そうとばかりも言っていられないように思う。」

12.3週 
●道具との距離が(感)
一段落目は、●要約<構成>。以下の部分を参考に、まとめてみましょう。
・自然との関係において自分を人間にしたてあげてゆくような者はもういない。
・自然の中で生命を維持することは生物の基本的条件だが、大半の人間はそれを満たしていない。
・道具が道具になってゆく過程と対応してその前で一人の人間が作られてゆく。それが珍しいことになってからもうずいぶん長い時間がたった。

二段落目から三段落目は、体験実例と、●前の話・効いた話<題材>。 さらに、この段落には、●たとえ<表現>を使いましょう。
 自然の中で、自然にあるものを道具に利用した体験はありますか? アウトドアでバーべキューに参加した人もいるでしょう。 しかし、車で現地まで行き、車につんできた食料と燃料と道具を使い、虫除けスプレーも忘れずに……と、まるで、家の一部が引越ししてきたかのような、ふだんの生活を持ち込む方法では、自然のなかの人間を実感することは難しいですね。
 ●前の話・聞いた話には、図工の時間に刀を使ったり、家庭科の時間にナイフを使った体験を書いてみてもいいですね。 自分の手でモノを刻んだり、切ったりすることは、簡単ではないですね。
 また、家の人の子どものころの話を取材してみましょう。 長文のように、おじいさんから斧の使い方を習ったというお父さんは少ないかもしれませんが(笑)、川や山で遊んだこと、鉛筆をナイフで削ったことなど、今の子どもにはできない体験談が聞けるといいですね。

四段落目は、●一般化の主題<主題>。
「人間にとって道具とは……」などと、大きくまとめましょう。
●道具との距離が(感)
 第一段落は要約。
 第二段落は、道具があってよかったと思ったこと。「昔は歩いていたので時間がかかったが、自転車を買ってもらってから、どこでもすぐに行けるようになった。昔は手で書いていたから直すのが大変だったが、パソコンで打つようになってから楽になった。」
 第三段落は、逆に道具の進歩によって自動化・機械化が進み、人間と道具の関わりが薄れたこと(お父さんやお母さんに取材してみよう)。「しかし、自転車よりも便利な自動車になると、確かによけい便利にはなるが、自分の足でこいでいるという感覚がないので喜びがない。パソコンでコピー貼り付けをするのは便利だが、自分で書かないと身につかないような気がする。」
 第四段落は、まとめ。「人間は、道具によって動物よりも進歩した。しかし、その道具の発達が進むと、人間が道具をコントロールするというよりも、道具(機械)が人間をコントロールするようになった。もう一度、道具との距離を縮める必要がある。」