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あきえよ(あきえよ)広小の広中2024年03月清書
日本人が淡白である代わりに(感)
あきえよ

 日本人が淡白であるかわりに持続力に欠けていると言われるのも、生活感覚に左右されているところが少なくないのではあるまいか。そういう淡泊好みの通人たちが考え出した詩型が和歌であり俳句であって、短いことでは世界的に類が少ない。和歌と俳句の相違はありながらも、実によく似ているのは、言葉のいわゆる論理に背を向けていることであり、感覚的に全体を直感で把握する。この文章を読んで私は、理屈ではなく直感に訴えようとする日本的なコミュニケーションの取り方はいいと思った。
 一つ目の理由は、日本的なコミュニケーションの取り方をすることで、かえって多くの言葉について知ることができるからだ。最近、国語の授業で俳句を書くという課題があった。その課題は、切れ字や書き方を工夫するなどの細かいルールが決められていたため、とても書くのが難しかった。その中でも特に自分が苦戦したのは言葉の使い方。それは状況説明をするのではなく、起きたことに関する感情を書くというもの。あまり言葉を知らない私からしたら感情を言葉に表すのがとても困難だった。だから少しその課題を放置していた。しかしだんだん提出期限が近づいてくると、さすがにやらなければならないと思い、まずは言葉を知ることから始めようと、百人一首や多くの言葉を国語辞典で調べた。すると多くの言葉が出てきて、少し言葉の種類を覚えることができた。だから課題も提出期限内に終えられ、また多くの言葉について新たに知ることができた。
 二つ目の理由は、あいまいな表現をすることで、一人一人が自由なとらえ方で豊かに想像力を働かせることができるからだ。小学生の頃、「有名な俳句を読んで感じたことを班で話し合ってみよう」という授業があった。その俳句は、正岡子規の有名である「柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺」というものだったのだが、私はこの俳句を見たとき、秋が終わるのを惜しんでいるのかと感じた。そのことを自分は班の中で話したのだが、中には自分の体験を結び付けて感じたことを話した人や、秋を楽しんでいると感じたした人もいて、一つの文章からこんなにも多くの解釈ができるのか、と気づくことができた。話は変わるが、テレビなどの広告で、いろいろなことを感じる人も多くいるだろう。気になった私は、広告の費用について調べてみた。2022年度の「広告宣伝費が多い会社ランキング」というデータでは、三位がイオンで1705億、二位が日産自動車で2325億、一位がソニーグループで2600億だった。いっぽう売上高は三位のイオンが8兆6039億、日産自動車が7兆8625億、ソニーグループが8兆9993億と、日産自動車よりもイオンの方が売上高が高い結果となった。売っている品物は違うが、自分の中のイメージとして日産自動車の広告はとても硬いイメージで、一定の層にしか受け入れられないように感じた。一方のイオンの広告は、華やかな感じで思わず心が動くような広告だと見たときに思った。このデータから売り上げにとても反映しているということを知れた。
 確かに、理屈で分かりやすく説明することは大切だ。プレゼンなどで日本的なコミュニケーションの話し方をされても、理解しにくいだろう。しかし「辞書のような人間になることではなく辞書をうまく使えるような人間になることが勉強の目的である」という言葉もあるように、日本的なコミュニケーションを身につけるということは自分の感覚を豊かにし、想像力を拡張させるものとして改めて大切にしていきたい。

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