長所と短所の美点

あおらは

　私たちには誰にも長所や短所といった性格の良い面と悪い面があり、ない人はいない。完璧そうに見えるクラスのあの子やこの子、芸能人のあの人、その人にもあるものだ。私たちには短所があるからこそよくなろうと向上でき、努力できる。
確かに長所を伸ばすことは大切である。私はよく家族や友達などの周りの人から「明るい」「よく笑う」などと言われる。私自身も笑うことは好きだし、盛り上げるのが好きなので自分でも長所は何かと問われたらこう答えると思う。しかし、ある時テレビでこのようなことを聞いた。「長所と短所は繋がっている。長所を伸ばせば短所は縮むし、短所を伸ばせば長所は縮む」と。私はこれを聞いてもっと自分の長所を伸ばしたいと思い、今まで以上にその場を盛り上げることや笑顔を忘れずに生活するようにした。すると今までよりも考え方が前向きになり、以前よりも沢山の友達ができた。
しかし、短所を伸ばすことも重要である。スキージャンプの選手、高梨沙羅さん、彼女は自身の短所についてこのように語っている。「私の短所は一つのことに熱中しすぎて自分の世界に入り込んでしまうこと」。しかしあるとき憧れの先輩である山田泉さんの指導を受けることができた時にこのように言われたそうだ。「一つのことに熱中できるのはそのことに全力で向き合えているからだよ」これを聞いて高梨さんは一つのことに熱中できるのは良いことなんだと自信が持てるようになり、以前よりも練習に力を入れることができたそうだ。そして何と2018年、平昌オリンピックで見事銅メダルに輝いた。自分自身の短所を大切に努力してきた彼女だったからこそ得られた結果だと思う。
長所を伸ばすことも短所を伸ばすことも大切である。しかし、一番大切なのは自分の長所も短所も大切にすることだ。長所を伸ばしてよかったと思うこともあれば、短所を極めてよかったと思えることもある。「何らかの欠点も見せない人間は愚か者か偽善者だ。欠点の中には美点が結びついているもので美点を告げ知らせるものであり、ためないほうが良いような欠点があるものである。」という名言があるように長所を伸ばしたり、短所をなくすことも良いが、一番大事なのはどちらも大切にして極めていくことである。