低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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心の豊かさ JOKER
心とは一体何なのか。感謝する気持ちや思いやる気持ちなど、たくさんの感情が心の表れであるとは思う。だが、現代人にはそういった心が欠落してしまっているように感じられる。よく問題として取り上げられる活字離れもそう思わせる理由の一つである。メールやインターネットで、顔を見ることなくコミュニケーションがとれることが、感情の表現方法を忘れさせている。それによって、人間が感情的になってしまったりする事件が多く発生している。心という重みのあるものを軽く受け止めてしまい、物質的に豊かになることを優先してしまっているのが問題だ。
その原因の一つは、戦後の日本を立て直すための作業を足早に進めすぎたことだ。私は、昔の生活に興味を持ったことがある。某テレビ番組で、自分たちの力でガラス作り、染物、蜂の巣作りをしている姿を観た時だ。今は機械で商品を作り出したり出来るが、一つ一つ手作業で完成させていく姿にとても感動した。昔の知恵が生きていて、機械の前身となる作業がたくさんあった。もちろん昔が基盤となり今があるのだが、その手先で心を込めるという瞬間が少なくなってしまい、少々現代の中身が閑散としてしまっているように感じられる。
そして、もう一つの原因は、金銭などにこだわりを持ってしまっている社会にあると思う。有名企業に就職し、出世街道まっしぐら(笑)となるのは、学歴や地位などから生まれる生き方である。先に書いたように、外見ばかり装飾して内面を磨くことはおろそかになっているのは、こういった社会のあり方が影響を及ぼしているのではないか。高いもの程価値があり、それを手に入れることで築かれていくものは、すぐに崩れ去ってしまう脆いものだ。そのことに一刻も早く気付き、既に一般的だと思われている固定概念を捨てるべきだと思う。
確かに、物質的に豊かになることによって生まれる心も存在するかもしれない。しかし、心と物は対にあるものではなく表裏一体であり、どちらも兼ね備えているものなのである。手作りのものを表現するのに「懐かしい」という表現しか出来なくなっても、心だけは絶対に忘れてはいけない。どんな状況に陥っても、心を大切に思える気持ちがあればどうにか乗り切れるはずである。だから、心というものを二の次にして物を豊かにすることを優先してしまうのは問題だ。
講評 nane
漠然としたテーマだから、ちょっと書きにくかったでしょう。心と物のように、対比する概念を考えると、焦点が絞りやすくなる。
機械化は、一見すばらしいことに見えるけど、実は、機械化する前の手作業の厚みにこそ価値がある。そう考えないと、機械を上手に使えるサルのような人間ばかりになってしまうからね。
金銭のこだわりは、さらに自分の問題に結びつけて考えていこう。
「手作りのものを表現するのに「懐かしい」という表現しか出来なくなっても、心だけは絶対に忘れてはいけない。」はいい表現。
結びの一文は、「だから、心というものを二の次にして物を豊かにすることを優先してしまうのは問題だ。」と書くよりも、自作名言などで。
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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