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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   いたずらをしたこと   えとわ

「わあっ!」
と暗闇の中から、父と私は、母の前に躍り出ました。母は、
「ギャー」
と子供のように驚いて後ずさりをしました。脅かすことに成功した私たちは、けらけらと笑って母のところに行きました。このいたずらは、父と私で考えたものでした。外食の帰りに門のところに隠れ、会計の終わった後から来る母を脅かそうと考えて実行しました。驚いたあとの母はすでに冷静になっていて、驚いたことの余韻は残っていませんでした。父は、母を、
「ギャーだって。アハハハハハハハ…。」
と茶化しましたが、母は、相手にしないで、運転をしていました。
 4月1日にも母に、いたずらをしました。この日は、絶好のお花見日和でした。私たちは、近くの香取神宮にお花見に行きました。薄ピンクの桜がきれいでうっとり見とれていました。帰りに母は、お友達に会って、立ち話をしていたので、父と私は、先に車で母が来るまで待っていました。母の立ち話はけっこう長いのです。だから、待っている間に母にいたずらしようと考えました。私は、
「誰か芸能人が来ていることにしようよ。たとえば、NHKの鶴瓶の『家族に乾杯』が来たとか。」
と笑いながら父に話しかけました。父はそうしようと納得しました。
そしていろいろ話していると、やがて母が戻ってきました。父が、
「早く乗れ。今、家族に乾杯が来ている。追いかけるぞ。」
と母に急がせるように言いました。母は、
「え。本当。こんな格好でいいかしら。」
とまるでインタビューを受けることを考えているようでした。私は、思わず噴き出しそうになり、車の窓から外を眺めて、ぐっとこらえました。さらに父は、
「どこへ行ったかな。」
と知らぬふりをして言いました。母は、
「左に行ったんじゃない。」
と追いかけ気分になっていました。また、T字路に来ました。母が、
「右だよ。」
と絶対見つける気持ちでいるみたいでした。すると、父が、
「うそだぴょーん。」
と言って左に曲がりました。笑いをこらえていた私は、やっと解放されました。私は、
「今日は、エイプリルフールだよ。」
と母に教えてあげました。車の中は、笑いの渦に巻き込まれました。ただ一人、母だけは、
「そうだったの。」
とあきれた顔をして言いました。怒り出すかなと思ったけれど、意外にしらけていました。 
 父は、
「我が家のいたずらは、家族のコミュニケーション。」
と標語のようにいたずらでわかったことを話してくれました。私も笑いで終わるいたずらは、家族のコミュニケーションだと思いました。
 今日も父が母に言葉のいたずらをしています。私は、いつものように笑っています。

   講評   sugi

 いたずらを仕掛けるえとわさんは、笑いをこらえるのにたいへんだったね。この作文を読みながら、先生も、笑いをこらえるのに苦労したよ。一緒にお母さんをだましている気分で読んでいて、最後には吹き出してしまいました。エイプリルフールの話、本当によく書けていたね。
 お母さんは、すっかりテレビのインタビューを受けるつもりになって、このいたずらは大成功だったね。こんなふうに相手をだますいたずらは、『うそだぴょーん。』のタイミングが大事。すぐにネタをばらしてしまっては面白くないけれど、逆にだまし続けて相手を傷つけることになったら最悪だね。理想は、お母さんも一緒に大笑いしてくれるタイミングなのだけれど、今回はどうだったのだろう。えとわさんの評価はどうかな?
 「笑いで終わるいたずらは、家族のコミュニケーションだと思いました。」と、いたずらの本質について考えることができました。これはいい言葉だね。五年生からは「わかったこと」でまとめていく練習をするので、「笑いの伴わないいたずらは、いたずらではないとわかった」のように、自分自身の体験などを通してわかったことを書いていきましょう。
 前回は説明しなかったけれど、次回「常体で書く」ということをお話しますね。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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