国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   日本人の友達   うっちー

 「袖触れ合うも他生の縁」なんてロマンチックな出会いは最近めっきり無くなった。朝の列車の中ではみんなが好きなことを行っているし、人の顔をじっと見つめたりすることはあまり好ましいものではなくなっている。常日頃から勤め先や学校、果ては家庭の中まで他人の目の中に晒されていて、誰でもない一人の人間になることの出来る機会はめっきり減った。交友関係を築いて、維持するにはそれなりの面倒さが伴う。いくら共通の趣味があったとしても、所詮前回あってから20時間もしない間に再び会って、話題のネタに事欠かないとは考えにくい。だからこそ人間関係に疲れた時にふと被って自分のためだけの自分になれる仮面が必要だ。それが読書であったり音楽であったりするのだが、今では忙しすぎて自分がそういったものに疲れていると感じることの出来ない人もいる。私は今の日本でそういった煩わしさを忘れにくく、認識し難いことは問題だと思う。
 これの第一の原因は日本人が友達付き合いで疲れるということを想像できないからだ。私も歌った唱歌では学校に入学するたびに100人もの友達を作ろうと提案している。私も友達が多いと不便な事もあるなどと最近まで気がつきもしなかった。私の学校の休みは変則的で他校が授業をしている平日でも休みの日だというのが多々ある。そういう時はたいてい遊びに行こうと誘いが来るのだが、いろいろな友達から誘いが来るとどれに行こうか悩む時もある。自分達以外のメンバーや普段の付き合いの深さなどを考慮して決めるのだが、このような考えを持ってばかりで、せっかくの休日が疲れて終わってしまうこともある。
 また、第二の原因に日本人の多くが人数の多いグループに属そうとしがちだという事がある。未だにベンチャー企業などに就職するよりも大会社に就職したいといった考えが主流だし、牛後となるも鶏頭となるなかれのような考えかたをする人も決して少なくない。ダーウィンは環境に適応して生物が進化をすると述べたが、日本人も大きな会社を好むのも周りと同じでいたいといった心の現われが皆に浸透しつつあるのだろう。
 確かに人間関係が広がって煩雑になった分、自分の何から何まで知られているといった関係は少なくなっている。しかし面倒な事は成功した時の喜びを増やすためではなく、それにくじけない意志の強い人を選び出すためにあるのだ。いま、面倒だからやつまらないからなどといって人間関係を淡白にしないでより濃密になるように心がけなくてはいけない。人間関係を淡白にしてしまったら煩わしさに加えて寂しさを感じてしまうだろう。適度な友達関係を築くことが出来なくなっているのが今の日本の最大の問題だろう。

   講評   nane

 書き出しの実例から意見までのつながりがいい文章。主題のところが今ひとつわかりにくかったか。否定形でない方がシンプルでわかりやすい。
△忘れにくく、認識し難いことは問題だ→
 「友達100人作ろうよ」の歌は、こういう視点から見ると、問題もありそうだね(笑)。今は、SNSにしてもブログにしても、コミュニケーションが多すぎるという時代の変化がある。
 「牛後となるも……」の逆の使い方はうまい。
 ダーウィンの引用は、ややとってつけたような……。(^^ゞ
 満員電車のような窮屈な状態だと、人間は他人を物と見なしてストレスを回避するというあたりか。


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