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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   ゴミの再利用   紫式部

 気が付かれないようにソロソロと玄関を出て行く私の背中に母親の声。「今日ゴミの日でしょう。」「はいはい。そうでしたね。」朝のゴミすては出来ればごめんだ。ゴミ捨て場までの坂道を重い通学鞄とゴミを引きずりながらもっていく。あれは、水曜日の燃えないごみの日の事だった。私がいつもどおりゴミ置き場にゴミを持っていくと、上から、見たことの無いおじさんが降りてきた。その人の持っているゴミは私の持っているゴミの何倍も小さいものだ。私が先に回収BOXの中にゴミを入れた。そのまま学校行こうとする私の背中に「あ〜あぁ、まだ使えるのに」という声。一瞬何のことだか分からなかったがすぐにピンときた。それは私に対して言った言葉だった。振り返るともうおじさんは後ろを向いて歩き出していた。なんで全然関係ない人にそんなこと言われなきゃいけないのんだろう。と、凄く腹が立ってその日は一日中プンスカしていたように思う。日本はゴミの量が多く、その多さに対処しきれていないというのが現状である。またひとりからでる一日にゴミの量が世界で見てもトップクラスときている。埋め立て地がこれ以上広げられないというのもゴミ問題に拍車をかける。自分の行動を思い出してみても、いらなくなったものはすぐポイポイと捨てているなぁと思う。読んでしまった雑誌、ゲームセンターで取ったぬいぐるみ、着れなくなった服、要らないものは捨て、そして新たに購入して不要になったらまた捨てるの繰り返し。ゴミの存在がいろんな問題提起している今、なるべくゴミを減らすことは出来ないものかと最近思い始めた。あの日、おじいさんに言われた言葉を素直に受け入れられるようになった。どうしても出てしまうゴミをどうするか? これにはリサイクルが大事だと考える。
 私の学校はゴミについて敏感である。使えるものは使いまわしをしたり、印刷ミスのプリントの資源回収BOXを学校中に設置したりしている。学校全体で取り組むと沢山の数の再利用可能な紙が集まる。これらは工場に運ばれて溶かされ再利用される。こんな小さなことだけど学校一丸となってゴミの再利用という活動に参加することは一人ひとりの意識を高めるためにすごく意味のあることだと思う。ゴミ問題に取り組むにはチームワークも必要なようだ。
 環境問題の先進国である北欧の取り組みの中では参考になるようなものがある。私が感心したのは、フィンランドの取り組みである。。それはドリンクのコップを有料制にして最初お客に払わせ、帰る時にコップを戻したら払ったコップ代が戻ってくるというものだ。そのコップは再利用されまたコップになってファーストフード店で利用される。まさか戻ってくるはずのお金を取らずに帰る人はいないだろう。ファーストフード店は世界各国に広がっているがこんな活動をしたのはフィンランドが初めてだそうだリサイクルを円滑に進めるために工夫は何より大事だ。
 このようにリサイクルという考え方が社会において定着しつつある。しかし、リサイクルが全ていいわけではない。コストの問題などリサイクルのメリットどデメリットを考えデメリットが大きい場合はリサイクルをやめることも必要になってくると思う。資源を大切にしながら再利用できるものはしていく暮らしが求められている今、もはやゴミ問題は他人事ではなく、一人ひとりが自分の問題として解決していかなくてはならない問題だと思う。私はこれからも学校内で出来ることを精一杯やっていこうと思っている。もはや、ゴミの問題は人のものではなく自分自身に後々重くいのしかかってくるであろう問題である。そして、私はリサイクルがもっと生活に根付いていけばよいなと思う。

   講評   kira

 紫式部さん、こんにちは。ゴミの問題はとても身近で、無意識で、しかも深刻でした。朝の風景からその問題意識を巧みに描いていきました。
 「ゴミ」の扱いを考えると、再利用、再使用が見えてきました。世の中が豊かで飽和状態になっています。これからの時代を生き抜く決め手は「今あるものからの発想」ではないでしょうか。そういった「生き方の主題」を打ち出して書いていこうという課題でした。紫式部さんの作品は「ゴミのリサイクル意識」というテーマでは完成されているので、そこに「生き方の主題」を加えていくといいですね。
 第二段落・第三段落では、「方法」を考えます。まず、心がけ的な身近な方法としてひとつあげよう。その裏づけとしての実例に、学校での取り組みを書くといいね。
 第二の方法は、社会として取り組めそうな方法を考えます。「悪いところばかりを見る姿勢を正すこと」といったものです。フィンランドの取り組みもいい例ですが、生き方といった主題にひろげるとなると「出る杭を打つのではなく伸ばす」という姿勢を日本にも、という話題にもふれられるといいね。
 たしかにリサイクルそのものが全て善ということにはなりません。経済活動を支える為には、消費も必要だからです。バランスが大切なんだろうね。そういったことが、人間の生き方そのものにも現れるようになればいいですね。

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