対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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次の目標 清原和博
「くそう。逃がしてしまった。」
今ぼくは、伊豆に来て釣りをしている。五十センチメートルはあろう、大きなサバを針にかけたのだが、糸をゆるめた瞬間、逃がしてしまったのだ。
伊豆で大きなサバを逃がしてからは、大物を釣るのがぼくの目標となった。なぜそのような目標を持ったかというと、そのサバは、針にかけた魚の中で一番大きかったからだ。そして、その逃がしたことに、今でも悔いを残している。でも、ぼくの目標は大物を釣ることだけではない。その日に、何の魚を、何ひき釣るかということも目標なのだ。何より大切なのは、一ぴき一ぴきを大事に釣り上げること。釣りにはそういう醍醐味があるから、ぼくはあきないのである。
お母さんは、いろいろな国の言葉に興味があって、目標はラジオ講座の全部の語学の基礎編をマスターすることだそうだ。それぞれの国の文化は、やはりその国の言葉ができて初めて深く理解することができるし、その国の事も自分の国と同じように大切だと感じるようになるからだそうだ。今まで、英語、ドイツ語、フィンランド語の基本はマスターしたが、他の言葉はまだだそうだ。春休みに家族で中国に行ったときも、簡体字という、漢字の画を少し減らしたような文字がどこに行ってもあった。日本語に少し似ているけれど、意味を想像しながら読んでいると、三日もしたらぼくは疲れてしまった。でも、お母さんは面白そうに日本語のできる中国人のガイドにいろいろ質問していた。日本へ帰ってきたら、さっそく四月号の中国語のテキストを買って、ラジオ講座を毎日聞き始めた。ぼくも、基礎英語Ⅰを始めた。
目標というのは、興味があってやっている間になにかくやしいことがあって、できるのだなあと思いながら、えさをつけ、また海の中にしかけを投げた。
講評 kira
清原くん、こんにちは。目標がはっきりしていると、やるべきことが見えてきて、力が出せますね。
● 書き出しの工夫
のがした魚は大きいというのは、本当なんだね。50センチのサバですか。おいしそうだなあ。(くいしんぼうです)
● 体験実例
釣りに、具体的な目標を決めて臨んでいることが書けました。
お母さんは、外国語を修得してその文化にふれることを目標に、着実にがんばっていますね。旅行先でも、興味関心を持ち続けて、また新しい扉を開こうとしているのは、すばらしいですね。
● たとえ● ユーモア表現
「まるで」のたとえの表現か、(笑)と入れられそうなユーモアを書いてみよう。
● 一般化の主題(…は人間にとって…である)
目標達成には「くらしさ」がバネになるとわかりました。このあとに「人間にとって、目標とは」といった大きなまとめも入れてみよう。
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