国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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中学1・2・3年生
高校1・2・3年生
さよなら、そして絶望 千鳥
「お前らが転校すると、ノリのいい奴の五分の三がきえちゃうよな」(書き出しの工夫)
五年の三学期に、僕の友達が3人消えた。それは、なかでも他より格上である特別人物だった。例えるなら、ゴレンジャーのなかの三人だ。(たとえ)かといってそこまで悲しいわけではなかったが、重要なのは、その3人は、「ノリ」がよかったからである。「ノリがよい」、とはつまり、例えば悪戯の計画を気軽に相談できる、先生の悪口を言い合える、などのことができるという意味だ。言い換えるなら、「悪友」である。この人達の名前はそれぞれ、K,T,そしてMの三人だ。Kは現地校、TとMは、日本の学校へ行った。今現在の悲惨なクラスの男子の状況は、後述する。
中でも、一番のワルだったのは、Mだ。僕と、黒板消し落しなどの本当にいろいろなことをした。Kは、色で言うと、もともとは灰色ぐらいだったが、段々黒に近づいてきた、という感じだ。Tは、どちらかというと控えめだが、やる気だけは旺盛という感じだった。ちなみに残るゴレンジャーは、Jがいる。
さて、現在の状況はというと、最悪だ。3人と入れ替わるように、「D」という生徒が転校してきた。第一印象は、別に普通だなと思っただけだった。しかし、わずか1、2週間ほどすごすだけで、「普通」どころではなくなった。
Dは、授業中によく、何かを言って妨害する。例えば、ある日先生が、
「先生も憲法十七条のように十七個決まりをつくりました」
とおっしゃった。そのとき、突然Dが、
「あ、それ知ってる!たしか・・だれが決めたんだっけ、えーっと・・忘れた」
などと言い出すのである。そこで授業が微妙に中断された。いや、本人は単に覚えている知識を披露したいだけなのだろうが、客観的に見て当然妨害にはいる。そもそも、覚えていないことをわざわざ言うのはやめてほしい。嫌な体験だった。(体験実例)これはほんの一部で、教室にツバを吐くなどの変な行動を沢山とっている。
そこで生じる問題、それは、合宿での部屋割りだ。僕のクラスの男子は、たった七人しかいない。つまり部屋は二つになり、3:4になる。そうなると、Dと一緒になる確率は、なんとほぼ50%なのだ。この50%がどんなにふざけた数字かは、僕の身になってみればよーくわかる。この部屋で決まった班というのはとても重要で、やることのほとんどがともに活動するのだ。
僕は、それまでになんとしてでもクジ運をよくしたい。
決選は五月、だ。
講評 unagi
<字数>1019字で目標を大幅に上回りました。
<構成>「お前らが転校すると・・・。」情景が目に浮かぶようです。
<題材>授業中の出来事を体験実例として挙げることができました。転校生D君、興味深いです。
<表現>ゴレンジャーをたとえに使っています。悪友5人組の息がぴったりであることが上手く表現できました。
<主題>一般化の主題の例:人間にとって別れとは、避けて通れない試練なのだと思った。(この作文を清書に使うときは、このように一般化したものを加えてみるといいですよ。)
お別れした悪戯仲間の悪童ぶりが、簡潔ながらもいきいきと描かれています。本当に好きだったのですね。
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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