創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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行動と時 えうや
人々が時間に追われるようになったのは、時計が発明されてからといわれる。時は自分の上を流れゆくもので、時間によって自分の行動を律しようとは思わなかった。時計代わりにテレビをつけている家もある。今のところはテレビ画面には分刻みで時刻が表示されているから、分刻みで行動できる。しかし秒刻みになったらどうだろう。秒単位で表示されると思うと、ぞっとする。時間に振り回されてしまうのは目に見えている。僕は、時間に縛られずに生きていきたい。
そのための第一の方法として、何かに集中、もしくは熱中することだ。僕は小学校四年生からサッカー部に所属している。五年間もサッカーをやっているが、いまだに試合をやると、思わず熱中してしまう。去年の冬休みの体験だが、数少なかった雪の日を、練習試合で迎えた。風も強く、中止になると思っていたが、試合は吹雪の中行われ、凍えるほどの寒さだった。しかし、みんな試合に熱中して、気がつけば雪を溶かすほどの体温になっていた(笑)。こうしているうちに試合は終了し、時間を忘れることができたのだ。このように、物事に熱中すれば、自然の力にすら打ち勝つことができるのだ(笑)。ではなく、時間に縛られずに生きていけるとわかった。
また、二つ目の方法として、心に余裕を持って行動することだ。なぜなら、心に余裕があれば、時間に沿って行動するのではなく、行動するから時間が過ぎる、という感覚がもてるからだ。小学校の先生で、とても変わっているという噂の先生がいた。その先生は、授業の時間が延びて、休み時間が短くなることがあるのに、授業の20分前に休憩時間になることもあった。僕が聞いた体験では、その先生の変人っぷりは本当にすごいらしくて、避難訓練のときでさえ放送が流れても授業をしていたらしい。しかし、そんな先生でも、いいところはあるという。それは、どんなときでも自分の感覚で行動することだ。それが変なのだ、と思うかもしれないが、違う。友達に聞いた話では、その先生は階段で転んだ生徒を、周りの目も気にせずにすぐ自分の荷物を投げ捨て、その子が頭を打たないように自ら下敷きになったのだ。このように、普段から時間に関係なく生きていれば、とっさの行動ができるのだと思う。
確かに、時計を見て時間どうりに行動するのも大事だ。よく、「五分前集合」と言う言葉も聞く。しかし、時間を気にせず、素のままの自分でいることも大切だと思う。時間に行動を支配されずに、時間の流れをゆっくり眺めながら、一歩一歩を大切に生きていきたい。
講評 tama
「忙しい」「もっと時間がほしい」と思いながら、いつも慌しく時間に追われて生活するよりも、時間に縛られず、自分らしく生きていたいと思うのは自然なことです。時間を気にしてばかりいると、イライラして心が落ち着きませんが、好きなことに熱中していると、文字通り時間の経つのも忘れてしまいます。凍えるほどの寒さも感じず、夢中になれるものをもっているのは幸せなことですね。雪を溶かすほどの(笑)熱気の中で行われた試合は、勝敗に関わらず充実した時間だったに違いありません。
昔は今よりもゆったりした時間が流れており、人と触れ合う心の余裕もあったと思われます。変人(失礼!)呼ばわりされたれた先生でしたが、自分のことはかえりみず生徒のために身を投げ出すことができたのは、周りの人とは関係なく、心の中でゆったりとした時間が流れていたからかもしれませんね。
とはいえ時間は誰に対しても平等で、貴重なものですから、時間を守って行動するべきですが、時計の針に追いかけられるような余裕のない生活ではなく、確実に自分の時間を刻んで生きていきたいですね。
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