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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   視野の範囲   ビーバー

 私の家には父が買ってきた、クラシック音楽をまとめたCDがたくさんある。私自身はあまり進んで聞くことはないが、父がよく聞いているため、曲全体、さらにはCDの中の楽曲すべてを耳にすることもある。じっくりとクラシック音楽に耳を傾けていると、音の深さがあることが時々感じられる。同じ曲同士を比べ、指揮者の指揮の違いをいろいろと解析してみたり、聞いていてだんだん真面目な方向に引き込まれることさえある。私もこの文章の筆者と同じように、意味の込められたクラシック音楽を、コマーシャルの中でカット済みで流すほどの軽薄さは捨てるべきだと思う。
 その第一の方法は、日頃から物事を大きいスケールの中で自分の中に取り込む努力をすることである。テストの時など、私が数学の問題を解くと必ず間違える場所が数カ所ある。どこを間違えたかをよく見ようとしてもなかなか見つからない。そういうときに「スケールを大きくとる」、つまり目線を広域側に持っていくことである。そうすると、今まで気づかなかった問題の写し間違い、答えの段階での書き間違えなど、細かく見ていては到底気づきもしなかったミスがわかるようになるのである。この例のほかにも色々と使える場面は多いと思うので、広域における視野も広く持つべきだと思う。(体験)
 そしてその第二の理由は、学校教育の家庭でも思考する機会を設けることである。ここでは例として、年々競争の激しさが増している中学受験を挙げる。一昔前までは答えだけを書かせる問題は少なくもなく多くもない状況だったものの、特に開成中学の国語では記号選択の問題は一切出ていない、つまり考えなければもはや話にもならない。さらに、栄光学園中学の算数は全問が過程まで書かせるものになっている。私も実際に受けて撃沈した(笑)。これらは考えることの大切さを顕著に示していると思う。素早い結果の算出だけを求めるのならば、ノーベル賞を受賞できる「優秀な人間」と呼ばれる人々はこの先途絶えてしまうに違いない。ノーベル賞の受賞には優れた能力のほかにも弛まぬ努力も欠かせないのだから。
 確かに、すぐに答えが出たほうが気分がいいし、社会に出ても「即戦力」として評価の基準ともなる。しかし、「今人間に必要とされている感覚は、『さらさら』ではなく『じわじわ』である。」という言葉に表されるように、自分の考えを「じわじわ」と広げていくべきであると思う。「さらさら」では考えている意味がない。とにかく、軽薄な文化は少しやめるべきだ。変えるならスケールを大きく見て、そして自分なりの考えを作り出すべきだと思う。

   講評   nane

 なかなかいい書き出し。クラシックのよさを素直に書くところがビーバー君らしい。テーマのある音楽には、アクセサリーの音楽とはまた違うよさがあるものね。
 スケールを大きく取るという方法は、自分らしい。しかも、その具体例が面白い。確かに、どれだけ大きくものを考えられるかがその人の器を決めるところがある。これは社会に出ても同じ。仕事をするときでも、いつも自分の与えられた役よりも一つ上の立場で見ていくことが大切だね。
 受験勉強の例も具体的。これからの入試は、ますますこのように考える形式になる。覚えたものをただ復元するだけの能力は、これからのコンピュータ時代にはあまり必要ないからね。
 「さらさら」ではなく「じわじわ」は、名言としては、もう一工夫か。(笑)
 名言の基本は、世間の常識を否定する真理という逆説。「AではなくBである」のAの部分に、常識を入れて、Bの部分に真理を入れる形だよ。


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