対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
小1から作文力を上達させれば、これからの入試は有利になる。
志望校別の対応ができる受験作文。作文の専科教育で40年の実績。

昨日2346 今日241 合計50151
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   軽薄短小な社会   すいーとぽてと

 クラシック音楽は、今ではオシャレなファッションにさえなっている。しかし、これがクラシック音楽の啓蒙になり、普及につながる、などとは早合点しないほうが良いだろう。単なる「楽想」と、有機的統一体として仕上げられた「音楽作品」の違いは画然としているのだから、音楽作品とは切断してはならないもののはずなのに、それを切り刻んで差し出すコマーシャルの十五秒間は、もはや西洋近代の一つの極限的な文化のかたちというより、おびただしく流通する商業音楽を飽食する中でなかでこそ光るエスニックのような新鮮さなのかもしれない。私達は現代の軽薄短小というものに振り回されるべきではない。
 そのための第一の方法として、どんなことでも何か新しいものに出会ったら、原点を考える心がけをすることだ。私は小学四年生まで、本が全然読めなかった。学校の授業の中で「図書の時間」という時間があり、その時間に皆で図書館へ行くのだが、私がその時間に読む本というと、絵本か、クイズの本ばかりだった。しかし、ある日親が倉橋耀子さんの「いちご」という本を買ってきてくれた。表紙の絵や挿絵がかわいかったので、漫画を読むのとあまり変わらない感覚で、どんどん読み進めることができた。それから私は倉橋耀子さんの本にはまり、次々と読んだ。同じ作者の作品をいくつか読んでいくと、その作者が本を書くことによって全体的に読者に何を伝えようとしているのかが次第に分かってくる。原点を振り返るということは、ものごとを深く追求することにつながると思う。
 そのための方法として第二に、教育などにおいても、部分ではなく全体的に教える教育をする事だ。学校では、だいだい部分に分けた教育方法をとる。一つ一つのテーマに分かれており、テーマごとに細かく教えていく。しかし、細分化した教え方では全体を捉えることが難しくなる。例えば歴史の勉強で、ある人物について詳しく勉強しても、前後関係等が分からないとうわべだけの理解になってしまう。せっかく勉強をしているのだから、しっかりと理解できる教育法を考え直してみるべきだ。
 確かに、現代社会の沢山の情報に惑わされないためには、少しかじっただけでも理解できる力が必要だ。しかし、軽薄短小とは、社会の流行ではなく社会の危機だ。浅はかな考え方でいると、ものの本質を見失ってしまうように思う。だから、ものごとは深く考えていくべきだ。

   講評   kira

 すいーとぽてとちゃん、こんにちは。お笑いのネタだったか、よくテレビから「つかみはOK。」といったセリフをききます。最初が肝心なのは分かるのですが、そこで全部決まるかのような雰囲気が蔓延している気がしませんか?「ああ、知ってる、知ってる。」という相槌をたくさん打てば、いい人のように思われるから、薄っぺらな「知っている」を蓄える。すると、そこに本物なんて現れないことになってしまいます。
 ご両親からいただいた本で、読書の楽しさを味わうようになったのですね。よく「一冊の本が彼を変えた。」といいますが、正確には「一冊の本が、彼を変える契機になった。」でしょうね。一冊目は入口。何かを成しとげた人は実に多くの書物を読んでいます。
 学校教育のありかたも、様々な制約のあるなかで、全体をとらえて考えるものであって欲しいね。勉強が進んで上級学校に進むに従って、本来ならば「全体をみる」学問になるはずが、どんどん細分化、専門化していきます。
 軽薄短小な世の中になってしまったことを、周囲のせいばかりにはしたくありませんよね。たくさんの情報に巻き込まれて溺れないように、浅はかな自分にならないために、じっくり深く知る姿勢が必要ですね。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)