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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   細分化の落とし穴   はる

 『子供』の問題というのは、普通の問題のように対象化し、分析的に捉えていったところであまり意味をなさない。子供達が実際に必要とするのは、俗にいう『裸の人間』—専門的知識によって囚われることのない眼を持って接しうる人のことを指すのは言うまでもない。このように、人間の触れ合いよりも、専門的な知識を過大評価する社会は大きな問題である。(第一段落 要約・社会問題の主題)
 その原因は第一に、専門が細分化されすぎたためだ。今の高校生が学ぶ理科は、主に生物・化学・物理・地学の4つの分野から、さらに生物Ⅰ・Ⅱと細分化されている。最近では、いくつかの分野を交えた理化総合と呼ばれるものまである。いくら分野ごとに細かく分析しても、全体からみると全て“理科”を学んでいることに変わりはない。世界史が世界全ての歴史の動きを同時進行で学んでいくように(世界史を“アメリカⅠ・Ⅱ”、“イギリスⅠ〜Ⅲ”、“インド”などと細分化していってはきりがないのだが・・・)、理科も全ての分野を一まとめにしてしまった方が効率が良いのではないか。そうすれば、各分野ごとに得手・不得手が生じてしまうという現象を防ぐことができるかもしれない。(第二段落 原因1・体験実例・ユーモア表現)
 また第二の原因として、権威や肩書きを重んじる日本の社会の伝統だ。先にも述べたように、専門家は機械的にレッテルを貼る。それは、そのポストを保守し、その存在意味を示すための行為に過ぎない。しかし、形だけでは何の解決にも繋がらないのだ。そこでレッテルを貼る—自分の職業に酔っている『専門馬鹿』など用無しだ。本当に必要なのは、むしろ専門エージェントを持たない人である。夜回り先生として知られる水谷修先生は、心身共に傷を負っている子供達の『裸の人間』となっている。何の権威も持たない彼は、今、『子供』が必要としている大人像に当てはまる。(第三段落 原因2・社会実例)
 確かに、知識によって危機を逃れる場合もある。しかし、人が本当に救われる手段は、同じ人間同士の共感によってである。人間同士の温かみが人を救い、それを受けた人がまた人を救う。そんな連鎖が広まれば、知識など必要もないかもしれない。人は、専門的知識によってぬくもりを感じることは出来ないが、手を繋いで相手の体温を感じ取ることはできるのだ。(第四段落 反対理解・社会問題の主題・自作名言)

   講評   tama

 段落ごとのバランスも非常によく、「まとまりのよい小論文」という印象を受けます。題名を工夫し、要点をコンパクトにまとめたことで全体がすっきりしました。原文よりさらに読みやすく仕上がっています。


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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