創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   行間や余白   たけたけ

新聞をあまり読まない人もいれば、新聞を読むことが一番の楽しみという人もいる。筆者は、どちらかと言えば新聞と行間と余白の読み手である。そういう意味で言えば新聞とは、言ってみれば毎日立つ縁日のようなものだ。論説記事は神主さんの祝詞のようなもので、経済記事はおみくじ、政治・社会面に至っては、小屋掛け芝居のようなものだ。縁日であるから、偶然が潜むあちこちに散らばった情報、つまり安物だが、新しさは強調してある夜店の売り場のようなものが必要になってくる。僕は、行間や余白といった存在に注目すべきだと思う。
 その理由として第一に、行間や余白のように一見役に立たないようなものが重要な役割をはたしていることがあるからだ。僕の担任は理科の先生であるが、この先生はとても授業が下手だ。授業というよりも、独り言のような感じで、先生が勝手に喋って授業が終わるということがよくある。それに比べて、頭に残る授業は、雑談や面白い話、興味があるものが多い。僕の社会の先生は、結構雑談をすることが多いが、その話は、授業に関係していないが、社会で役に立つようなことが多い。つまり、授業中先生が、最初から最後まで授業のことだけを話していても、集中できなくて、その内容が全然頭の中に残らない。しかし、授業の途中に関係ない話、つまり余白のようなものがある授業は、意外に頭の中にインプットされているものなのだ。
 また第二の理由としては、行間や余白といったものがないと疲れてしまうからだ。学校の授業は五十分授業であるが、この授業が休み時間がなしでぶっ続けで行われていたらどうであろうか。一日六時間だとして三百分。その間、給食しか休む時間がなかったとしたら、僕だったら気持ち悪くなって途中で呆けてしまうと思う。収入増と労働時間短縮のどちらを選ぶか(朝日新聞社 1997年)というデータがある。この不況の中、普通は収入増を選ぶ人が多いと思ったが、結果は男性:収入37%時短49%。女性:収入28%時短52%。とどちらも収入よりも時間短縮を選んでいる。このデータからも、人々が行間や余白を求めていることが分かるであろう。
 確かに中身が充実していることは大切だ。雑談だけの授業は授業ではないし、効率よく勉強するためには雑談のない授業の方が良い時もある。しかし、「雑草とは、まだその美点が発見されていない植物のことである。」という名言があるように、行間や余白の存在を侮ってはいけないのである。

   講評   kira

 たけたけくん、こんにちは。いくら新聞が新鮮な情報源といっても、情報だけがびしっと詰っていたらとても読める代物ではないでしょう。愛読はされないでしょうね。さまざまな趣向がこらされ、ひと休みもできるから、毎日の楽しみになるのです。そして筆者のように、おまけの部分から新しい何かを得ることもしばしばあります。

 たけたけくんは、それを授業内容で考えてみました。指導すべきことだけを語るのならロボットがいちばん正確かもしれません。やはり先生という個性や人間性が味のある語りで教えてくださるからこそ、みんなの記憶に残るのです。私は先生のダジャレもノートにとっていましたよ。
 そして、ゆとりやおまけがないと窮屈でストレスになります。学校も休み時間あっての授業ですね。仕事も余暇のリフレッシュがあって励むことができるのです。

 行間や余白の意味を正しくうけとめて、ゆとりを活かせる人になりたいですね。自分にとっても相手にとっても。


 
 

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