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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   自らの価値観   ショウ

 文化もパーソナリティも、多くの場合すこしずつ変化し、そしてときには大きく急速に変化しうるものである。文化のコードは長年の間にひとりひとりの人間の安全満足をもとめる欲望があつまって、暗黙の合意のうちにつくりあげられてきたと考えられがちだ。交換価値としての文化のコードを敏速かつ広域に浸透させるのを助けているのは、いうまでもなくマス・メディアである。これらは、私たちを日々仕事に学習にその他さまざまな活動にかりたてる原動力となっている。私たちは、無意識のうちにできるだけ文化という「人の手」の加わらない自然の中にのがれ、すさまじい搾取からすこしでも身をまもろうとすることになるのかもしれない。文化的なものを完全に拒んでしまうことはとうてい不可能であると言ってよいだろう。
 自分の価値観に従って生きることは大切だ。僕は、周りがこうしているから自分もこうしたい、というのは間違っていると思う。自分の生活は自分のものなのだから、他人の生活を真似する必要はないと思う。周りが持っているものを自分がほしいと思うのであれば、良いかもしれないが、みんなに仲間外れにされる、みんなと合わせたいなどという理由で真似するのはよくないと思う。僕は、昨年、運動会で白組の応援団長を務めた。僕が出したアイデアに賛同してくれた人もいたが、変わっていて恥ずかしい、という人もいた。紅組の応援団長に聞くと、オーソドックスな応援の仕方だった。自分の意見を押し通すか周りに合わせるか本当に悩んだが、結局周りに合わせてしまった。結果、応援に一生懸命になれずに、終わった後も達成感はなく、後悔ばかりが残ってしまった。あの時、自分の意見を採用していれば、もっと面白みのある良い応援になったかもしれない、とそのあと何回も思った。周りに流されずに、自分で考えて、それを行動に移すことが大事だと思った。
 しかし、その時代や場所の価値観に合わせて行動することも大切だ。芥川龍之介が書いた、「鼻」という短編小説がある。池の尾の僧、禅智内供は、五、六寸の長さのある鼻を持っているために、人々にからかわれていた。ある日、内供は弟子を通じて医者から鼻を短くする方法を知る。内供はその方法を試し、鼻を短くすることに成功する。鼻を短くした内供はもう自分を笑うものはいなくなると思った。しかし、数日後には今度は、短くなった鼻を見て笑うものが出てくる。日増しに多くなり、鼻が長かった頃よりも馬鹿にされていると感じるようになった。ある夜、内供が朝起きると、鼻に昔の感触が戻っていた。短かった鼻が元の長い鼻に戻っていた。内供はもう自分を笑うものはいなくなる、と思った、という話だ。内供はその場に応じた必要性を見出したのだと思う。
 確かに、自分自身の価値観で生きることも周囲の価値観に合わせて行動することもどちらも大切だ。しかし、いちばん大切なことは、「未来には、ひとりでにできる未来と、自分で作る未来との二つがある」という名言があるように、自分なりの価値観を築きあげていくことだと僕は思う。

   講評   kei

 今週もしっかりとショウ君自身の意見を述べられました。ポーランドから帰国して約半年。すっかり日本の学校生活にもなじんでいるようですが、周囲に流されることなくショウ君らしく生きているいるのでしょう。
 「周囲に合わせる」ことと「周囲に流されること」は全くちがいます。「周囲に合わせる」ことのできる人は、自分の意見、意思をはっきり自覚している人です。それがあやふやだと「周囲に流されて」しまいます。
 白組応援団長さん、大変でしたね。達成感を味わえなかった体験を、是非次に活かしてくださいね。分かりやすい体験実例が書けました。「鼻」の引用もよくできています。
 もうすぐ3年生ですね。2年生の復習をしっかりして、春に向かって元気に頑張りましょう。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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