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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   ある人がイスラエルを   ムーン

ある人がイスラエルを旅していたとき「ここでは全員一致の採決はしないんですよ。」と聞かされた、という話がある。みんなが賛成したときには、それをよしとしない、と言うのだから「そんなばかな」という声がすぐさま聞こえてきそうな気もするが、この種の言い分は一つのパラドックスである。そのまま受け取ってはなるまい。どういう条件の中でそれを言っているのか、中身を吟味する必要がある。まず第一に、みんなが一致できるような案件は、いちいち採決にかけないという事情があるだろう。答えが初めからわかっていることを、わざわざ問いただして全員一致を確認するケースは『ない』とは言わないが、あまり意味を持たない。だから、ことさらに解決を求めるのは、べつな考えがありそうなときであり、そうであるにもかかわらず、採決の結果、全員一致というのは、ちょっと疑ってみたほうがよい、という教えだろう。こういう事情を勘案すれば、一つのパラドックスとして「全員一致は採用せず」という理屈も理解できる。こんなふうに考えてみると、全員一致を排除するパラドックスも大いに意味を持つように思えてならない。だから私は、全員一致が否かという結果ではなく、そこに至るまでの話し合いの過程が大切だ、と思う。
そのためには、まず第一に、多数決で物事を決めることは大切だ、ということである。私が卒業した高校では、生徒会役員を選挙で決めて票が同じ数だった場合は、生徒会内で多数決でどちらの候補にするのかを決めるという採決方法がある。
第二に、全員一致になるまで話し合うことも大切である。昔話の桃太郎でも桃太郎と家来たちが全員一致で鬼征伐に向かったからこそ力をあわせて鬼を退治することができたのだ。
確かに、多数決にも全員一致まで話し合うにもどちらにも良さがある。しかし、「議会の目的は、議論を殴り合いの代用品にすることである。」という名言もあるように一番大切なのは話し合いの過程である。

   講評   yuta

◆要約は、いいところを選べていますが、字数が長いので半分くらいに縮めましょう。指示語の指すものが書ききれていないところがあるので、注意しましょう。 【総合化の主題】の構成では、第一段落に意見は書きません。
◆意見A『多数決で物事を決めることは大切だ』。生徒会役員の選挙では、同票だった場合の決選投票で多数決をとるのですね。選挙自体が多数決ではありますが、二者択一の方がイエス・ノーをはっきりさせる意識が高まりますね。 多数決のメリットを書いておきましょう。
◆意見B『全員一致になるまで話し合うことも大切である』。桃太郎を例に挙げて説明できました。“家来たちが全員一致で鬼征伐”そのパワーは、確かに大きいですね。反対に意見がばらばらだったらどうか……と想像して話題を広げてもおもしろそう。
◆AにもBにも良さがある。しかし「議会の目的は……」という名言があるように『一番大切なのは話し合いの過程である』。話し合いの過程で、それぞれが責任を持って考えることですね。
              
☆要約の例(259字)☆
 イスラエルでは全員一致の裁決は採用しないのだという。それは、みんなが一致できるような案件はいちいち採決にかけないという事情があるだろう。さらには、みんなが熟慮せずいい加減に答えているケースや反対意見をすなおに言い表せない状況が伏在しているケース、かんばしくない根回しがおこなわれているケースもあると考えられる。この世にあるすべての困難な決断は、百対ゼロの確信で言えるイエスではなく、五十五対四十五と四十五対五十五の間にあるのだ。そう考えてみると、全員一致を排除するパラドックスも大いに意味を持つように思えてならない。

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