国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

昨日1312 今日1294 合計37543
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   私のお金がなくなる理由   ハーマイオニー

 文化もパーソナリティも、多くの場合少しずつ変化し、そしてときには大きく急速に変化しうる。私たちの支配者は過去の時代のように名前を持った権力者ではない。現代においては、いわば文化のコードというものが、朝から晩まで私たちひとりひとりの全存在を直接・間接に支配しつづけていると言える。ほかならぬ自分自身のものであると考えている自分の欲望もまた、今の時代の価値観に支配されている。たとえ大自然の中であっても、その価値観から逃れることはできない。
 確かに、時代や流行に左右されない自分自身の価値観を持つことは大切である。「誰が何と言おうと」「他人に何と思われようと」というものを、一つや二つ持っていたいものだ。私は頑固な性格で、こだわりが激しいところがある。
 私は、最近よく自分の欲しいものを自分で買っている。今年貰ったお年玉を軍資金にしているが、もう何万円も使ってしまっていて、残りの金額を見て驚いたほどだ。服飾品や文房具、本やCD、DVD……。「欲しいもの」は次から次へと沸き出てくるようだ。「自分自身の価値観」などと言っている割には、買っているものは、平凡かもしれない。今どきの女子中学生がカワイイと思うもの、カッコイイと思うものがほとんどであり、友人からも、少なくとも変な趣味だとは思われていないようだ。しかし、それらの組み合わせにより、私らしさができているはずだと思う。
 こだわりと言えば、映画で原作のあるものは、観るより先に本を読むということが、その一つだ。「実は『死の秘宝』をまだ読んでいない」などという自称ポッタリアンが、結構いるらしい。SNSのコミュニティなどで知って、信じがたい思いに愕然としたものだ。私は、ハリーポッターシリーズの映画も、出演している俳優たちも大好きだが、原作を読まずに映画だけでファンを自認できる人が理解できない。ほとんど怒りを感じる。おかげで、近いうちに『ちょんまげプリン』『人間失格』『ゴールデンスランバー』等々を読まなくてはならず、また金欠状態が続くのだ。(笑)
 しかし、自分自身のものと思っているその趣味や価値観もまた、時代に影響されていることを自覚しなければならない。時代に合った感覚で物事を行うことによってこそ成功できることもあるのだ。『竹取物語』のかぐや姫は、求愛する男たちに向かって、それぞれ仏の御石の鉢、蓬莱の玉の枝、火鼠の裘、龍の首の珠、燕の産んだ子安貝などというものを欲したという。当時としても実在するものではないし、現代でも、あれば欲しいものかもしれないが(?)、これらの宝はこの時代の至宝、または秘宝として、物語の魅力的なエッセンスになっている。これがもし、ダイヤモンドで出来たスーパーコンピューターを持ってきて、などと言っていたら(言うわけないか。笑)物語はこれほど神秘的ではなかっただろう。(昔話実例)
 私も今この時代、この国に生まれていなければ、また違った文化コードを持ち、違うものを好み、違うものを欲しがっていたのだろうと思う。
 自分自身の価値観も、時流に合った価値観も大事なものだ。しかし、「未来には、ひとりでにできる未来と、自分で作る未来との二つある。」という名言があるように、自らの成長と将来を見据えて、未来の価値観を自らの手で作っていくことだ。そのためには、今目の前にある選択肢を、一つ一つ正しく選び取っていくことが必要になるであろう。(総合化の主題)

   講評   nara

 おもしろい題名! こういうセンスは大歓迎だなぁ。どこにお金を使うかということは、どこにお金を使わないか、ということでもあり、すなわち価値観のわかりやすい出方だということになるね。そこまで考えての題名であれば、素晴らしい! 最近は、原作本ありの映画・ドラマばかりだから、読むべき本も増える一方だね。
【構成・題材】第一意見:「誰が何と言おうと!」という部分は、誰から教えられたものでもなく(教えられたという意識もなく)今の自分にあるものだね。これは、対象が被服であれ読書であれ同じだとすれば、確かに「自分だけのもの」と言えそうだ。これは性格に関わる部分が大きそうだね。人にはそれぞれに頑固な面がありそうだけれども、それがどこに出るかというのが、その人の個性ということになるかな。第二意見:かぐや姫の話、うまく入れられたね。彼女はおねだり姫だったわけだ(笑)。あの物語を当時の女の子たちは、わくわくしながら読んだだろうね。
【表現・主題】結局、時代も人が関わる以上、そこにある価値観は変化するし、私自身も生きているからこそ、価値観は変わる。その変化にどう向き合い、選びとっていくかで「今の私」が在るということになるね。価値観を作ることとは今を生きる自分確認作業だと考えるとおもしろいかもしれないな。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)